JP4761615B2 - 熱硬化物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未硬化の熱硬化性成形材料から、粗粉砕可能な硬さの熱硬化物を製造する方法に関し、特に、ガラス繊維強化プラスチック(以下FRPと略す)廃棄物から、かかる熱硬化物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保全に対する住民の意識がますます向上し、従来からの石油資源の有効利用(再利用)のみならず、環境保護の立場から、大気、水域、及び土壌への産業廃棄物の排出や廃棄は、抑制せねばならない方向にある。
【0003】
このため、固化した粉砕可能なFRP廃棄物の再利用法が産業界の間で真剣に検討され、次の三通りの処理方法が技術的に確立されている。
【0004】
(1)粉砕して補強材や充填材として利用する、(2)熱分解して、可燃ガスや油を回収し、燃料として利用したり、又は回収油を更に分解、精製して、原料として利用する、(3)焼却し、その燃焼熱を回収し、熱風、蒸気、温水、又は発電機を回して電気として利用する方法等である。
【0005】
現在、FRP廃棄物の最も効率的な処理方法の一つは、セメント工場で再利用する方法であり、該廃棄物は、粗粉砕した後、キルンで焼成して、その中の有機物を先ず燃料として利用し、残滓となるガラス繊維や充填材等の無機物は、スラグとしてセメントの原料に使用する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、FRP廃棄物の形態は、硬化物と未硬化物とに分類出来、硬化物、即ち固化物については、前述のいずれかの方法で再利用出来る。
【0007】
FRP廃棄物に含まれる未硬化の熱硬化性成形材料は、充填材やガラス繊維等の無機物の含有量が高いため、熱分解法や燃焼法による再利用だけでは不十分であり、燃焼後の残滓の再利用は不可避である。
【0008】
しかしながら、本発明者の研究によれば、かかる未硬化の熱硬化性成形材料は、スチレンモノマー(以下SMと略す)やメチルメタクリレート(以下MMAと略す)等の引火性の液体である重合性単量体を含有した、消防法上の可燃性固形物で、これは粗粉砕することが出来ず、又安全性や臭気の問題も伴うので、硬化物と同じ処理方法は不適切であると考えられた。
【0009】
また、本発明者の研究によれば、未硬化の熱硬化性成形材料をそのまま燃焼させることは不可能に近いことが分かった。本発明者によれば、この理由は、かかる成形材料が極めて燃え難いからであると考えられた。
【0010】
おそらく、未硬化の材料が、ブロック又はシート状では、空気(酸素)に接触しているごく表面は燃えるものの、その内部まで空気が入って行かないためと考えられる。それ故に、かかる成形材料を再利用するためには、固化と粗粉砕の工程が必要且つ不可欠である。
【0011】
そのため、本発明者は、かかる成形材料を外部からの熱源で加熱し、硬化を進めて固化させ、かかるFRP廃棄物を固化と粗粉砕の工程を経て再利用することを考えた。
【0012】
しかしながら、本発明者は、外部から熱源で加熱する方法には、(1)固化に時間がかかり経済的でない、(2)引火性の液体を含有しているため、熱源の種類によっては安全性に心配がある、(3)周囲に臭気を漂わせる危険性がある、等の問題点が存在することを見出した。
【0013】
今や、環境保全の立場から、成形時に発生する未硬化及び硬化を問わず熱硬化性成形材料廃棄物の再利用は避けて通れない。そのため、該未硬化の成形材料を安全且つ経済的に、しかも周辺に臭気を漂わせることなく、硬化を進め粗粉砕可能な硬さまで固化する技術の確立は、緊急且つ重要な課題である。
【0014】
本発明は、未硬化の熱硬化性成形材料を、安全且つ経済的に、しかも周辺に臭気を漂わせることなく、粗粉砕可能な硬さに硬化させることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、未硬化の熱硬化性成形材料を硬化させて、熱硬化物を得るにあたり、前記熱硬化性成形材料を圧力容器の中に入れ、前記圧力容器の中に一定圧力の水蒸気を吹き込み、前記圧力容器内の空気を前記水蒸気によって置換し、前記圧力容器内で前記水蒸気の飽和状態を維持しながら、前記熱硬化性成形材料を蒸煮し、前記熱硬化性成形材料を粗粉砕可能な硬さに硬化させる、熱硬化物の製造方法に係るものである。
【0016】
本発明者は、FRP廃棄物等に含まれる未硬化の熱硬化性成形材料を固化させる方法について、鋭意検討を進めた。
【0017】
本発明者の研究によれば、かかる未硬化の熱硬化性成形材料は、セメント工場等で再利用する場合、SMやMMA等の引火性の可燃性液体を含んでいるが、極めて燃え難いため、粗粉砕機等によって、20mmパス程度の粒度に粗粉砕可能な状態まで硬化させなければならないことが見出された。
【0018】
また、本発明者の研究によれば、未硬化の熱硬化性成形材料の硬化を進めるには、通常、かかる材料に熱を供給すればよいが、(1)かかる材料は、熱伝導率が低くて、熱が伝わり難く、硬化に長時間を要し、不経済である、(2)かかる材料には、SM(第4類・第2石油類)やMMA(第4類・第1石油類)等の揮発性が高く、人に嫌な臭いを感じさせる重合性単量体が含有されている、(3)これらの重合性単量体は、引火性の液体であるため、熱源の供給方法には細心の注意を払う必要がある等の問題点を抱えていることが見出された。
【0019】
かかる知見の下、本発明者は、該未硬化の熱硬化性成形材料の固化工程において、安全性、経済性及び臭気対策に配慮した固化方法について、より一層詳細に検討した。
【0020】
その結果、本発明者は、未硬化の熱硬化性成形材料を、安全且つ経済的に、しかも周辺に臭気を漂わせることなく、粗粉砕可能な硬さに硬化させる方法を突き止め、本発明を完成するに至った。
【0021】
即ち、本発明は、未硬化の熱硬化性成形材料を、圧力容器の中で所定圧力の飽和水蒸気下に蒸煮することで、周辺に臭気を漂わせることなく、安全且つ経済的に、粗粉砕可能な硬さに硬化させるものである。
【0022】
本発明では、未硬化の熱硬化性成形材料とは、基本的に架橋剤を含有する液状の不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、アクリル樹脂等からなる群より選ばれる少なくとも1種のラジカル硬化型樹脂と硬化剤とから構成され、さらに必要に応じて低収縮剤、離型剤、充填材、増粘剤、強化材等を含有してなる、未だ3次元化していないバルクモルディングコンパウンド(以下BMCと略す)、ダフモルディングコンパウンド(以下DMCと略す)及びシートモルディングコンパウンド(以下SMCと略す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の材料を意味する。
【0023】
本発明では、粗粉砕可能な硬さとは、グラニュレーター(GRANULATOR)(ホーライ製)を用いて行われるような通常の粗粉砕が可能な硬さをいう。その際の固化した成形材料の硬さは、バーコル硬さで50以上(23℃、934−1)あれば十分である。したがって、硬化物のバーコル硬さが50以上になるまで硬化を進めればよい。
【0024】
本発明によれば、BMC材料(ブッロク状)、DMC材料(ブロック状)やSMC材料(シート状)を、安全且つ経済的で、しかも周辺に臭気を漂わせることなく、粗粉砕可能な硬さに硬化させることができる。
【0025】
また、本発明によれば、所定の熱硬化性成形材料を、種々の所望の形状に硬化成形させ、熱硬化成形体を得ることができる。
【0026】
本発明にかかる熱硬化物は、FRP廃棄物として、セメント工場等で粗粉砕して再利用に供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明にかかる未硬化熱硬化性成形材料は、一般に、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂(ビニルエステル樹脂ともいう)、ウレタンアクリレート樹脂、及びアクリル樹脂(アクリールシラップともいう)等の液状樹脂成分(A成分)、ポリスチレン系、ポリメチルメタクリレート系、ポリ酢酸ビニル系、又はポリエステル系等の固形ポリマーをSMやMMA等の液状の重合性単量体に溶解した、いわゆる低収縮剤(B成分)、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム又は硅砂等の無機充填材(C成分)、ガラス繊維等の強化材(D成分)、その他少量の硬化剤(主に過酸化物)(E成分)、内部離型剤(F成分)、着色剤(顔料)(G成分)、及び酸化マグネシウム等の増粘剤(H成分)等から構成されている。但し、湿式DMC材料は、H成分を含まない。
【0028】
各成分の比率は、BMC、DMC及びSMCそれぞれの用途や成形条件等で異なるため、割合の表示は難しいが、およそ(A+B)成分が20〜35重量%、C成分が30〜65重量%、D成分が10〜30重量%を占め、その他(E+F+G+H)が残りを占めている。
【0029】
これらの成分中で、重合性単量体であるSMやMMA等は、ほとんどA成分とB成分に含まれる。A成分中の該単量体の含有量は、用途やメーカーによって異なるため一概に言えないが、およそ30〜60重量%である。B成分中にも、同様に、およそ60〜70重量%の該単量体が含まれている。
【0030】
このように、未硬化の熱硬化性成形材料には、かなりの揮発性液体の有機化合物と(C+D)成分からなる無機化合物とが含まれていることが分かる。
【0031】
本発明にかかる液状不飽和ポリエステル樹脂は、グリコール類を主成分とする多価アルコール類と、α,β−不飽和二塩基酸及び/又はその無水物、更に必要に応じて、飽和二塩基酸及び/又はその無水物とを重縮合して得られる不飽和ポリエステルをSM等の液状の重合性単量体に溶解した液状樹脂である。
【0032】
該液状樹脂は、日本ユピカ(株)、大日本インキ化学工業(株)、三井化学(株)、(株)日本触媒、昭和高分子(株)、武田薬品工業(株)、日立化成工業(株)等の主要メーカーで製造・販売されており、容易に入手できる。特に、BMC、DMC及びSMC用途の銘柄が好適に使用される。
【0033】
本発明にかかる液状エポキシアクリレート樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、アクリル酸、又はメタクリル酸を付加して得られるエポキシアクリレートを、SM等の液体の重合性単量体に溶解した液状樹脂である。
【0034】
該液状樹脂は、日本ユピカ(株)、大日本インキ化学工業(株)、三井化学(株)、(株)日本触媒、昭和高分子(株)、武田薬品工業(株)、日立化成工業(株)等の主要メーカーで製造されたり、販売されており、容易に入手できる。特に、BMC、DMC及びSMC用途の銘柄が好適に使用される。
【0035】
本発明にかかる液状ウレタンアクリレート樹脂は、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールとジイソシアネートとを反応させて、分子末端をイソシアネート化し、これにアルコール性水酸基を有するアクリレート又はメタクリレートを反応させるか、又はアルコール性水酸基を有するアクリレート又はメタクリレートとジイソシアネートとを反応させてイソシアネート基を残し、これとポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールとを反応させて得られる、分子末端にアクリレート又はメタクリレートの二重結合を有するウレタンアクリレートをSMやMMA等の液状の重合性単量体に溶解した液状樹脂である。日本ユピカ(株)製のユピカ8921、8940、8932等がこれに該当する。
【0036】
本発明にかかる液状アクリル樹脂は、アクリルシラップとも呼ばれ、MMAを主成分として部分共重合するか、もしくはその重合体をMMAに溶解して得られる液状樹脂である。該樹脂は、三菱レイヨン(株)、日本油脂(株)、(株)日本触媒、(株)クラレ等が主要なメーカーである。BMC用樹脂も販売されている。
【0037】
低収縮剤は、それぞれ、上記樹脂メーカーにおいて、液状の熱硬化性樹脂とセットで販売されるケースが多いので、同時に入手可能である。その他、日本油脂(株)等は、独自に低収縮剤を販売している。
【0038】
本発明において、液状の熱硬化性樹脂(A成分)や低収縮剤(B成分)に含まれる液状の引火性重合性単量体は、SMやMMAが使用されるケースが多いが、しかし、これ等に限定するものではない。また、使用される重合性単量体が引火性の液体で臭気を発するものであれば、本発明は一層効果を発揮する。
【0039】
E成分の硬化剤(一般には過酸化物)は、成形品の用途や成形条件等で異なるが、一般的には、t−ブチルパーオキシベンゾエートが使用されることが多い。これは、未硬化の熱硬化性成形材料が、一般的に、140℃前後の温度で成形されることが多いためである。
【0040】
したがって、該材料を本発明の方法で固化する場合、使用されている硬化剤の分解温度の高低によって硬化条件も変わってくる。すなわち、使用している硬化剤の分解温度が低いほど、水蒸気の圧力は低く、又蒸煮時間は短く設定出来る。また、硬化剤の分解温度が高いと、その逆になる。
【0041】
本発明の方法を達成するのに好適な圧力容器として、(株)タカハシキカンのKTドライヤーとして知られている、二重缶圧力容器式前処理装置を一例として挙げることが出来る。本装置は、蒸気加熱であるため安全なこと、又一定圧力の蒸気を連続して系内に送り込むことが可能であり、好ましい。
【0042】
本装置を使用して廃棄する未硬化の熱硬化性成形材料を硬化すると、安全且つ経済的で(短時間で)、しかも、何ら周辺に臭気を漂わせることなく、材料を粗粉砕可能な硬さに固化することが出来る。
【0043】
本発明では、未硬化の熱硬化性成形材料を、所定の圧力容器の中で出来るだけ早く中まで蒸気が浸透するように、好ましくは小さなブロック状、望ましくは10cm角以下のブロック状にして配置する。
【0044】
次に、一定圧力の水蒸気を容器内に吹き込み、系内の空気を置換後、該水蒸気の飽和状態を維持しながら、該材料を蒸煮する。
【0045】
本発明において、圧力容器内に供給する水蒸気の圧力は、20〜1000kPaの範囲が望ましい。20kP a未満の圧力であると、水蒸気の温度が低くなって、蒸煮時間が長くなったり、又圧力が低いため、飽和状態の維持が難しく、そのため、臭気が残る危険性等がある。圧力が1000kPaを超えると、その温度は183℃を超えることになり、これ以上の高温は、高エネルギーを要し、且つ圧力容器の耐圧性を高くせねばならず、不経済である。
【0046】
この時の水蒸気の圧力は、例えば、系内の温度を110℃まで上げたいならば49kPaの水蒸気を、120℃まで上げたいならば98kPaの水蒸気を、130℃まで上げたいならば176kPaの水蒸気を、系内の圧力を維持しながら吹き込む。
【0047】
この時の水蒸気の圧力と該材料への蒸煮時間は、該材料の硬化特性とブロックの形状によって異なる。即ち、出来るだけ短時間で硬化させたい場合は、水蒸気の圧力を高く設定し、該材料はできるだけ小さな形状、即ち、表面積を広くする必要がある。
【0048】
一定時間蒸煮後、固化した材料を取り出し、冷却する。冷却後に得られた固化物は、適切な粗粉砕機で粗粉砕して、再利用に供する。セメント工場で再利用する場合、粉砕の粒度は、20mmパスにする必要があるといわれているので、この条件に適した粉砕機を選択する必要がある。
【0049】
本発明では、未硬化熱硬化性成形材料を適切な形状で圧力容器内に投入し、蒸煮することによって、周辺に臭気を漂わせることがなく、粗粉砕可能な硬さの熱硬化成形体を製造できる。
【0050】
本発明は、熱硬化成形体の、安全且つ経済的な、新規な成形方法としても応用出来る。
【0051】
本発明の特徴として、(1)未硬化の熱硬化性成形材料に直接水蒸気を当てて加熱するため、引火の危険性がない、(2)本材料は水蒸気を透過し易いため、短時間に内部まで加熱できる、従って経済的である、(3)本材料の重合熱が水蒸気に逆供給されるため、加熱水蒸気の供給量は、極めて少なくて済み経済的である、(4)容器内が加圧飽和水蒸気で満たされているので、SMやMMA等の重合性単量体の気化が抑制され十分重合反応(架橋反応)に関与し、はとんど周辺に臭気は漂わない、等が挙げられる。
【0052】
【実施例】
以下、実施例について記載するが、本発明は、本実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例における「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
【0053】
未硬化熱硬化性成形材料の作製
作製例1
日本ユピカ(株)製の液状不飽和ポリエステル樹脂「ユピカ 7670」を使用して、次の表1に示す組成の未硬化湿式BMC材料を常法(ニーダー使用)に従って作製した。
【0054】
【表1】
Figure 0004761615
【0055】
作製例2
日本ユピカ(株)製の液状エポキシアクリレート樹脂「ネオポール 8025」を使用して、次の表2に示す組成の未硬化湿式BMC材料を常法(ニーダー使用)に従って作製した。
【0056】
【表2】
Figure 0004761615
【0057】
作製例3
日本ユピカ(株)製の液状ウレタンアクリレート樹脂樹脂「ユピカ 8921」を使用して、次の表3に示す組成の未硬化湿式DMC材料を常法(ニーダー使用)に従って作製した。
【0058】
【表3】
Figure 0004761615
【0059】
作製例4
三菱ガス化学(株)製の液状メタクリル樹脂を使用して、次の表4に示す組成の未硬化湿式BMC材料を常法(プラネクリー混練機使用)に従って作製した。
【0060】
【表4】
Figure 0004761615
【0061】
作製例5
日本ユピカ(株)製の液状不飽和ポリエステル樹脂「ユピカ 7506」を使用して、次の表5に示す組成の未硬化湿式SMC材料を常法(SMCマシーン使用)に従って作製した。
【0062】
【表5】
Figure 0004761615
【0063】
実施例1〜6
(株)タカハシキカン製の内容積が約200Lの二重缶圧力容器式前処理装置に網状の棚を設け、その棚の上に、作製例1〜5で作製した未硬化の湿式成形材料を、それぞれ、平均形状がおよそ10×200×100mmの大きさにして、設置する。この時、各材料の容積は、該容器内容積の約1/3とした。
【0064】
各成形材料を設置後、容器の蓋を閉め、所定圧力の水蒸気を吹き込み蒸煮し、各成形材料の硬化を進めて固化させた。各未硬化成形材料について実施した水蒸気の圧力、容器内の温度、粗粉砕可能な硬化までの水蒸気の蒸煮時間、固化した材料のバーコル硬さ(23℃、934−1)、粗粉砕性、及び容器内雰囲気中のSM又はMMAの濃度(ガスクロマトグラフによる)を測定した。結果を、それぞれ表6及び7に示した。なお、ガスクロマトグラフィの測定条件は次の通りである。
Figure 0004761615
【0065】
比較例1〜2
実施例と同様に、(株)タカハシキカン製の内容積が約200Lの二重缶圧力容器式前処理装置に設けた網状の棚の上に、作製例1及び4で作製した未硬化の湿式成形材料を、それぞれ平均形状がおよそ10×200×100mmの大きさになるようにして設置する。この時、各材料の容積は該容器内容積の約1/3とした。
【0066】
各成形材料を設置後、容器の蓋を閉め、所定圧力の水蒸気を二重缶に吹き込み外部加熱(材料に直接蒸煮しない)で、各成形材料の硬化を進めて固化させた。結果を、各未硬化成形材料について、表7に、実施例と同様の、水蒸気の圧力、粗粉砕可能な固化までの加熱時間、容器内雰囲気中のSM又はMMAの濃度と共に示した。ガスクロマトグラフィの測定条件等は、実施例と同じである。
【0067】
【表6】
Figure 0004761615
【0068】
【表7】
Figure 0004761615
【0069】
表6及び7に示すように、いずれの実施例でも、比較例に比べて、処理時間が短く、容器雰囲気中及び周辺に臭気を漂わせることなく、安全で且つ経済的に、粗粉砕可能な硬さの熱硬化物を製造できる。
【0070】
【発明の効果】
本発明の熱硬化物の製造方法は、(1)所定の未硬化の材料に水蒸気を直接蒸煮して容器内を飽和状態にするので、引火の危険性がなく安全である、(2)かかる材料は水蒸気を透過し易く、熱の伝達が速いので、短時間で固化する、(3)かかる材料の重合熱が水蒸気に供給されるため、加熱水蒸気の供給量は極めて少なくて済む、(4)容器内が加圧飽和水蒸気で満たされているので、SMやMMA等の重合性単量体の気化が抑制され、十分重合反応に関与し、ほとんど周辺に臭気は漂わない、等の利点を有する。
【0071】
また、本発明の熱硬化物の製造方法は、未硬化の熱硬化性成形材料の再利用に極めて有用な技術である。

Claims (4)

  1. 未硬化のラジカル重合型の熱硬化性成形材料を硬化させて、熱硬化物を得るにあたり、
    前記熱硬化性成形材料を圧力容器の中に入れ、前記圧力容器の中に一定圧力の水蒸気を吹き込み、前記圧力容器内の空気を前記水蒸気によって置換し、前記圧力容器内で前記水蒸気の飽和状態を維持しながら、前記熱硬化性成形材料を蒸煮し、前記熱硬化性成形材料を粗粉砕可能な硬さに硬化させることを特徴とする、熱硬化物の製造方法。
  2. 前記熱硬化性成形材料に使用される熱硬化性樹脂が、液状不飽和ポリエステル樹脂、液状エポキシアクリレート樹脂、液状ウレタンアクリレート樹脂及び液状アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、請求項1記載の熱硬化物の製造方法。
  3. 前記熱硬化性成形材料が、湿式のバルクモルディングコンパウンド、湿式のダフモルディングコンパウンド及びシートモルディングコンパウンドからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料であることを特徴とする、請求項1記載の熱硬化物の製造方法。
  4. 前記水蒸気が20〜1000kPaの圧力を有することを特徴とする、請求項1記載の熱硬化物の製造方法。
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