JP4760045B2 - 2液型ポリウレタンシーリング材組成物 - Google Patents
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Description
しかしながら、このポリウレタン組成物では、発泡を確実に抑制しようとすると、硬化速度が速くなり作業性が悪くなる問題があり、逆に、作業性の確保の観点から硬化速度を抑制すると、ウレタンプレポリマーの水分との反応が進んでしまい発泡しやすくなるという問題があった。
上記硬化剤が、ビスマス量が該硬化剤の重量に対して0.010〜0.016質量%となるビスマス塩と、亜鉛量が該硬化剤の重量に対して0.06〜0.14質量%となる亜鉛塩と、を含有する2液型ポリウレタンシーリング材組成物。
本発明の2液型ポリウレタンシーリング材組成物(以下、単に「本発明のシーリング材組成物」という。)は、ウレタンプレポリマーを含有する主剤と、ポリオールを含有する硬化剤とからなるシーリング材組成物であって、該硬化剤が、ビスマス量が該硬化剤の重量に対して0.010〜0.016質量%となるビスマス塩と、亜鉛量が該硬化剤の重量に対して0.06〜0.14質量%となる亜鉛塩と、を含有する2液型ポリウレタンシーリング材組成物である。
次に、主剤および硬化剤について詳述する。
本発明のシーリング材組成物に用いられる主剤は、ウレタンプレポリマーを含有するものであれば特に限定されない。
これらのポリオール化合物のうち、少なくともポリエーテルポリオールを用いる場合、すなわち、ポリエーテル骨格を有するポリオールがウレタンプレポリマーに含まれる場合には、得られるウレタンプレポリマーの粘度が低く、作業性に優れ、該ウレタンプレポリマーを主剤として有するシーリング材組成物の硬化物の耐水性が向上する等の理由から好ましい。
ここで、上記ポリイソシアネート化合物と上記ポリオール化合物との反応は、該ポリイソシアネート化合物と該ポリオール化合物とを、NCO基/OH基が、1.2〜2.5、好ましくは1.5〜2.2となる当量比で混合させて行われる。当量比がこの範囲であれば、得られるウレタンプレポリマーの粘度が適当となり、該ウレタンプレポリマーを主剤として有する本発明のシーリング材組成物の耐発泡性も良好になる理由から好ましい。また、このウレタンプレポリマーの生成は、通常のウレタンプレポリマーと同様の方法で行うことができ、例えば、上述の当量比のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを、50〜100℃で加熱攪拌することによって行うことができる。また、必要に応じて、有機錫化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いることもできる。
本発明のシーリング材組成物に用いられる硬化剤は、ポリオールと、ビスマス量が該硬化剤の重量に対して0.010〜0.016質量%となるビスマス塩と、亜鉛量が該硬化剤の重量に対して0.06〜0.14質量%となる亜鉛塩と、を含有するものである。
これらのうち、ポリプロピレングリコール(PPG)であることが好ましい。
このようなビスマス塩としては、市販されているものを用いることもでき、具体的には、ネオスタンU660(ビスマス量:3質量%、日東化成社製)、プキャットB3(ビスマス量:3質量%、日本化学産業社製)、ビスマスネオデカノエート(ビスマス量:20質量%、シェファードジャパン社製)等が好適に例示される。
また、上記ビスマス塩の含有割合は、該ビスマス塩が含有するビスマス量に依存しており、上述したように、該ビスマス量が硬化剤の総重量に対して0.010〜0.016質量%となるように含有するものである。ビスマス量の含有量がこの範囲であれば、硬化剤を含有するシーリング材組成物の硬化速度や硬化物の耐久発泡性が優れる理由から好ましい。
このようなビスマス塩としては、市販されているものを用いることもでき、具体的には、ニッカオクチックスZn(亜鉛量:8質量%、日本化学産業社製)等が好適に例示される。
また、上記亜鉛塩の含有割合は、該亜鉛塩が含有する亜鉛量に依存しており、上述したように、該亜鉛量が硬化剤の総重量に対して0.06〜0.14質量%、好ましくは0.07〜0.12質量%となるように含有するものである。亜鉛量の含有量がこの範囲であれば、カルシウム等の他の有機カルボン酸金属塩を用いた場合よりも耐久発泡性に優れる理由から好ましい。
これらのうち、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤等のエステル系可塑剤が好ましい。
アジピン酸系可塑剤としては、例えば、ジオクチルアジぺート(DOA)、ジイソノニルアジペート(DINA)、ジイソデシルアジぺート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステルが挙げられる。これらのうち、ジイソノニルアジペートが好ましい。
その他の可塑剤としては、例えば、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジイソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、リン酸トリクレジル、トリブチルトリメリテート(TBTM)、トリオクチルトリメリテート(TOTM)、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油;分子量500〜10,000のブチルアクリレート等のアクリルオリゴマーが挙げられる。
具体的には、上記重質炭酸カルシウムとしてはSSB赤(白石工業社製)、コロイダル炭酸カルシウムとしては白艶華CCR−HL(白石工業社製)およびMS−700(丸尾カルシウム社製)等が挙げられる。また、脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムとしてはカルファイン200(丸尾カルシウム社製)およびホワイトン305(重質炭酸カルシウム、白石工業社製)、脂肪酸エステルで表面処理された炭酸カルシウムとしてはシーレッツ200(丸尾カルシウム社製)等が好適に用いられる。
具体的には、上記SAFとしてはシースト9(東海カーボン社製)、ISAFとしてはショウブラックN220(昭和キャボット社製)、HAFとしてはシースト3(東海カーボン社製)、FEFとしてはHTC#100(中部カーボン社製)等が例示される。また、GPFとしては旭#55(旭カーボン社製)、シースト5(東海カーボン社製)、SRFとしては旭#50(旭カーボン社製)、三菱#5(三菱化学社製)、FTとしては旭サーマル(旭カーボン社製)、HTC#20(中部カーボン社製)、MTとしては旭#15(旭カーボン社製)等が例示される。
クレーとしては、具体的には、例えば、ろう石クレー、カオリン質クレー(カオリナイト、ハロイサイト)、パイロフィライト質クレー、セリサイト質クレー、焼成クレー等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、トリメトキシビニルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
無機顔料としては、具体的には、例えば、亜鉛華、酸化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒、複合酸化物(例えば、チタンエロー系、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック)などの酸化物;黄鉛、モリブデートオレンジなどのクロム酸塩;紺青等のフェロシアン化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化亜鉛などの硫化物;硫酸バリウムなどの硫酸塩;塩酸塩;群青などのケイ酸塩;炭酸カルシウムなどの炭酸塩;マンガンバイオレットなどのリン酸塩;黄色酸化鉄などの水酸化物;カーボンブラックなどの炭素;アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉;チタン被覆雲母;等が挙げられる。
老化防止剤は、具体的には、例えば、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N′−ジナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、2,2,4−トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン(TMDQ)、N−フェニル−1−ナフチルアミン(PAN)、ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。
酸化防止剤は、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)などのヒンダードフェノール系化合物;亜リン酸トリフェニル:等が挙げられる。
帯電防止剤は、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩、アミンなどのイオン性化合物;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体などの親水性化合物;等が挙げられる。
難燃剤は、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
分散剤は、具体的には、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、リノール酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩;ステアリン酸エチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸ブチル、アジピン酸ジオクチル、ステアリン酸モノグリセライドなどの脂肪酸エステル;等が挙げられる。
脱水剤は、具体的には、例えば、メチルスアテアロキシポリシロキサン等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、具体的には、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、フォルムアミジン系紫外線吸収剤、トリアジン環系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等が挙げられる。
溶剤としては、具体的には、例えば、ヘキサン、トルエンなどの炭化水素系;テトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素系;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系;酢酸エチルなどのエステル系;等が挙げられる。
<ウレタンプレポリマー(主剤)の製造>
分子量5000の3官能型ポリプロピレングリコール(PPG)(エクセノール5030、旭硝子社製)72gと、分子量1,000の2官能型PPG(エクセノール1020、旭硝子社製)15gとを反応容器に入れ、110℃、20mmHg以下で4時間減圧脱水した。このポリオール混合物を80℃に冷却し、13gのトリレンジイソシアネート(TDI−80、三井武田ケミカル社製)をかくはんしながら加えることで、末端イソシアネート基3.0%、粘度25Pa・s(20℃)、平均分子量3,500のウレタンプレポリマー(NCO/OH=1.75)を得た。なお、上記粘度はE型回転粘度計で測定した。
主剤として得られたウレタンプレポリマーと、下記表1に示される配合の硬化剤とを、下記表1に示す質量比で混合して各シーリング材組成物を得た。得られた各シーリング材組成物の耐発泡性(発泡率)および作業性(押し出し時間)を、以下に示す測定方法により測定した。その結果を下記表1に示す。
発泡率の測定は、得られた各シーリング材組成物をガラス管(直径10mm×長さ100mm)内にいっぱいになるまで導入し、このガラス管を60℃、80%RHの恒湿槽(オーブン)内に12時間放置した後、該ガラス管からはみ出したシーリング材組成物の体積(長さ)を測定することにより行った。
押し出し時間の測定は、得られた各シーリング材組成物を、シリンダーの内径約40mmのシーリング用カートリッジ(開口径約40mm)に充填し、2時間放置後、98kPaの空気圧をかけて組成物を押し出し始めてから、約150gのシーリング材組成物を押し出すのにかかった時間(秒)を測定することにより行った。
この結果、押し出し時間が5秒未満であれば、使用現場での作業性に優れているといえる。
・PPG:エクセノール5030(旭硝子社社)
・ポリブテン(可塑剤):LV−7(日石社製)
・コロイダル炭酸カルシウム1:白艶華CCR−HL(白石工業社製)
・コロイダル炭酸カルシウム2:MS−700(丸尾カルシウム社製)
・重質炭酸カルシウム:ホワイトンSSB赤(白石工業社製)
・酸化チタン:タイペークCR−90(石原産業社製)
・オクチル酸ビスマス:ネオスタンU660(ビスマス量:3質量%、日東化成社製)
・オクチル酸亜鉛:ニッカオクチックスZn(亜鉛量:8質量%、日本化学産業社製)
・オクチル酸カルシウム:プキャットCa5B(カルシウム量:5質量%、日本化学産業社製)
・ミネラルスピリット(溶剤):Aソルベント(日本石油社製)
また、オクチル酸ビスマスとオクチル酸カルシウムの併用系である比較例10と比べても耐発泡性が向上していることが明らかとなった。
Claims (1)
- ウレタンプレポリマーを含有する主剤と、ポリオールを含有する硬化剤とからなるシーリング材組成物であって、
前記硬化剤が、ビスマス量が該硬化剤の重量に対して0.010〜0.016質量%となるビスマス塩と、亜鉛量が該硬化剤の重量に対して0.06〜0.14質量%となる亜鉛塩と、を含有する2液型ポリウレタンシーリング材組成物。
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