JP4759637B2 - 振動装置及びそれを用いた画像機器 - Google Patents

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Description

本発明は、自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子を備える撮像装置や、スクリーンに投影する画像を表示する表示素子を備える画像投影装置等の、画像形成素子を備える画像機器、及び、そのような画像機器において画像形成素子の前面に配される防塵部材を振動させる振動装置に関する。
近年、撮像素子を用いた撮像装置や液晶等の表示素子を用いた画像投影装置のような、画像形成素子を用いた画像機器において、画質の向上は著しい。そのため、撮像素子や表示素子といった画像形成素子の表面またはその前面に位置する透明部材(光学素子)の表に塵埃が付着することで、生成する画像に塵埃の影を画像に生じさせてしまうことが、大きな問題となっている。
例えば、カメラ本体に対して撮影光学系を着脱自在となるように構成し、ユーザが所望するとき所望の撮影光学系を任意に着脱し交換することで、単一のカメラ本体において複数種類の撮影光学系を選択的に使用し得るように構成した所謂「レンズ交換可能な」形態のデジタルカメラが、一般に実用化されている。このようなレンズ交換可能なデジタルカメラにおいては、当該撮影光学系をカメラ本体から取り外した際にカメラが置かれた周囲環境に浮遊する塵埃がカメラ本体内に侵入し、あるいは、カメラ本体内部には例えばシャッタ・絞り機構等の機械的に動作する各種の機構が配されていることから、これら各種の機構等からその動作中にゴミ等が発生し、撮像素子の表面やその前面に位置するレンズやカバーガラス等の透明部材(光学素子)の表面に塵埃が付着してしまう場合がある。
また、CRT、液晶等の表示素子に表示した画像を、光源と投影光学系とを用いてスクリーン上に拡大投影し、画像を観賞するといったプロジェクタも実用化されており、そのようなプロジェクタにおいても、表示素子の表面やその前面に位置するレンズやカバーガラス等の透明部材(光学素子)の表面に塵埃が付着して、塵埃の影がスクリーンに拡大投影されてしまうことが発生することもあった。
そこで、そのような画像機器内部の画像形成素子表面やその前面に位置するレンズやカバーガラス等の透明部材(光学素子)の表面に付着した塵埃を除去する機構が各種開発されている。
例えば、特許文献1は、画像形成素子の前面に該画像形成素子と一体にユニット化して透明な円盤状のガラス板(防塵部材)を配置し、この円盤状のガラス板の外周部に沿って一組の円環板状の圧電素子(加振部材)を固着し、各々の圧電素子に所定の周波数の周波電圧を印加することにより、円盤状のガラス板の円周方向に進む屈曲進行波が発生して、円盤状のガラス板に付着している塵埃を除去する塵埃除去機構を備えた電子撮像装置を開示している。この特許文献1には、円盤ガラス板の径方向に進行波を発生させる方法として、同心円状に円環圧電体を一組円盤状のガラス板に固着したものも開示されている。
また、特許文献2では、矩形板状の防塵部材の対向する辺に夫々圧電素子を設け、圧電素子に所定の周波数の振動を発生させ、防塵部材を共振させて、一方の辺から他方の辺に向けて屈曲の進行波が発生する振動モードにして、矩形板状の防塵部材に付着している塵埃を除去する塵埃除去機構を備えたカメラを開示している。この特許文献2に開示されているような振動モードでは、加振部材である圧電素子が固着した防塵部材が全面にわたり、同じ振幅で振動することになる。
特開2004−32191号公報 特開2002−204379号公報
上記特許文献1に開示されているような円盤状のガラス板(防塵部材)の外周部に沿って一組の円環板状の圧電素子(加振部材)を固着した構成では、円盤状のガラス板の中心の振幅が小さいため、中心部の塵埃を除去することができない。また、円盤状のガラス板の外周部ほど振動振幅が大きいが、この位置で円盤状のガラス板を支持するので、その支持することによって振動を減衰させてしまう。
また、同心円状に円環圧電体を一組円盤状のガラス板に固着した構成では、一組の圧電体の大きさが同じ形状にはならずに夫々の圧電体が発生する波の強さが一致しないので、進行波を効率よく作ることができない。さらに、上記円盤状のガラス板の外周部に沿って一組の円環板状の圧電素子を固着した構成の場合と同様に、円盤状のガラス板の外周部も大きく振動することになるので、円盤状のガラス板を振動の減衰が無く支持することができない。
また、上記特許文献2では、防塵部材周辺部でも大きな振動振幅を得ることができるが、防塵部材の周辺部を支持しようとすると振動を減衰させてしまい、充分な振動振幅を得ることができない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、非円形の防塵部材に発生させた進行波の進行範囲内において、当該進行波の振動速度を高くするとともに充分な振動振幅が得られるようにした塵埃除去能力の高い振動装置、及び、そのような振動装置を用いた画像機器を提供することを目的とする。
本発明の振動装置の一態様は、
全体として板状をなす防塵部材と、
上記防塵部材上に設けられ、単独で振動することによって上記防塵部材に第1の定在波振動を発生させる第1の加振部材と、
上記防塵部材上に設けられ、単独で振動することによって上記防塵部材に第2の定在波振動を発生させる第2の加振部材と、
を具備し、
上記第1の加振部材と上記第2の加振部材は、当該第1の加振部材と当該第2の加振部材とを振動させた際に発生する、上記第1の定在波振動と上記第2の定在波振動とが重なることによって、一方向に進む進行波であって、且つ、振動振幅を殆ど持たない節領域を上記防塵部材の外周側に持つ進行波を発生させる位置に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の画像機器の一態様は、
光学的な画像が生成される画像面を有する画像形成素子と、
全体として板状をなし、少なくとも自己の中心から放射方向に所定の広がりを持つ領域が透明部をなし、この透明部が上記画像面に対し所定の間隔を持って対向配設されている防塵部材と、
上記画像形成素子と上記防塵部材との両者が対向して形成される部位に、密閉された空間部を構成すべく当該画像形成素子及び当該防塵部材の周縁側で上記空間部を封止するように構成された封止構造部と、
上記画像面に光学画像を生成するための光線が透過する透過範囲外の、上記防塵部材上の位置に配置されていて、単独で振動することによって当該防塵部材に第1の定在波振動を発生させる第1の加振部材と、
上記防塵部材の、上記透過範囲外で、かつ、上記第1の加振部材とは重ならない位置に配置されていて、単独で振動することによって上記防塵部材に第2の定在波振動を発生させる第2の加振部材と、
を具備し、
上記第1の加振部材と上記第2の加振部材は、当該第1の加振部材と当該第2の加振部材とを振動させた際に発生する、上記第1の定在波振動と上記第2の定在波振動とが重なることによって、一方向に進む進行波であって、且つ、振動振幅を殆ど持たない節領域を上記防塵部材の外周側に持つ進行波を発生させる位置に配置されていることを特徴とする。
この場合、上記画像形成素子の上記画像面に対して上記所定の間隔を持って対向配置される上記防塵部材を支持するための支持部材を有し、当該支持部材は、当該防塵部材の外周側にある上記進行波の上記振動振幅を殆ど持たない節領域に配置されているようにすれば、振動を減衰させることなく支持できる。
本発明によれば、非円形の防塵部材に発生させた進行波の進行範囲内において、当該進行波の振動速度を高くするとともに充分な振動振幅が得られるようにした塵埃除去能力の高い振動装置、及び、そのような振動装置を用いた画像機器を提供することができる。
図1は、本発明の画像機器の第1実施形態としてのデジタルカメラの主に電気的なシステム構成例を概略的に示すブロック図である。 図2は、デジタルカメラの塵埃除去機構を含む撮像素子ユニットの縦断側面図である。 図3は、塵埃除去機構をレンズ側から見た正面図である。 図4は、塵埃除去機構を構成する主要部の分解斜視図である。 図5(A)は、防塵フィルタに発生する振動の様子を説明するための防塵フィルタの正面図であり、図5(B)は、図5(A)のBB線断面図であり、図5(C)は、図5(A)のCC線断面図である。 図6は、防塵フィルタに発生する進行波を説明するための防塵フィルタの概念図である。 図7(A)乃至(C)はそれぞれ、図5(A)乃至(C)の状態から進行波が1波長分進んだ状態を示す図である。 図8は、防塵フィルタ制御回路の構成を概略的に示す回路図である。 図9は、防塵フィルタ制御回路における各構成部材から出力される各信号を説明するためのタイムチャートを示す図である。 図10は、第1実施形態におけるデジタルカメラのBucomが行なうカメラシーケンス(メインルーチン)の手順を例示するフローチャートを示す図である。 図11(A)は、図10中のサブルーチン「無音加振動作」の動作手順を表わすフローチャートを示す図であり、図11(B)乃至(D)はそれぞれ、図11(A)のサブルーチン「無音加振動作」の各タイミングにて並行して実行される「表示動作」の動作手順を表わすフローチャートを示す図である。 図12は、無音加振動作において、加振部材へ連続的に供給される共振周波数の波形を表わす図である。 図13は、本発明の画像機器の第2実施形態としてのデジタルカメラにおける防塵フィルタに発生する振動の様子を説明するための図である。 図14は、本発明の画像機器の第3実施形態としてのデジタルカメラにおけるサブルーチン「無音加振動作」の動作手順を表わすフローチャートを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下に具体的に例示する本発明の画像機器は、光電変換によって画像信号を得る撮像素子ユニットの塵埃除去機構を有するものであり、ここでは一例として電子カメラ(以下「カメラ」と略称する)の塵埃除去機能に係わる改良技術として説明する。特に、本第1実施形態では、レンズ交換可能な一眼レフレックス式電子カメラ(デジタルカメラ)に関して、図1乃至図3を参照して説明する。尚、図1は、本発明の画像機器の第1実施形態としてのデジタルカメラの主に電気的なシステム構成例を概略的に示すブロック図である。また、図2は、該デジタルカメラの塵埃除去機構を含む撮像素子ユニットの縦断側面図(図3でのAA線断面図)であり、図3は、塵埃除去機構をレンズ側から見た正面図である。
まず、図1を参照して本実施形態におけるデジタルカメラ10のシステム構成例について説明する。
このデジタルカメラ10は、カメラ本体としてのボディユニット100と、アクセサリ装置の一つである交換レンズとしてのレンズユニット200とによりシステム構成されている。
レンズユニット200は、ボディユニット100の前面に設けられた図示しないレンズマウントを介して着脱自在である。レンズユニット200の制御は、自身が有するレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、“Lucom”と称する)201が行う。ボディユニット100の制御は、ボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、“Bucom”と称する)101が行う。これらLucom201とBucom101とは、ボディユニット100にレンズユニット200を装着した状態において通信コネクタ102を介して互いに通信可能に電気的に接続される。そして、カメラシステムとして、Lucom201がBucom101に従属的に協働しながら稼動するように構成されている。
レンズユニット200は、撮影レンズ202と絞り203を備える。撮影レンズ202は、レンズ駆動機構204内に設けられた図示しないDCモータによって駆動される。絞り203は、絞り駆動機構205内に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動される。Lucom201は、Bucom101の指令に基づいてこれら各モータを制御する。
ボディユニット100内には、以下のような構成部材が図示の如く配設されている。例えば、光学系としての一眼レフ方式の構成部材(ペンタプリズム103、スクリーン104、クイックリターンミラー105、接眼レンズ106、サブミラー107)と、撮影光軸上のフォーカルプレーン式のシャッタ108と、サブミラー107からの反射光束を受けてデフォーカス量を検出するためのAFセンサユニット109と、が設けられている。
また、AFセンサユニット109を駆動制御するAFセンサ駆動回路110と、クイックリターンミラー105を駆動制御するミラー駆動機構111と、シャッタ108の先幕と後幕を駆動するばねをチャージするシャッタチャージ機構112と、これら先幕と後幕の動きを制御するシャッタ制御回路113と、ペンタプリズム103からの光束を検出する測光センサ114に基づき測光処理を行う測光回路115が設けられている。
撮影光軸上には、上述の光学系を通過した被写体像を光電変換するための撮像ユニット116が設けられている。撮像ユニット116は、画像形成素子としての撮像素子であるCCD117と、その前面に配設された光学ローパスフィルタ(LPF)118と、防塵部材である防塵フィルタ119とを、ユニットとして一体化してなるものである。ここで、本実施形態では、少なくとも透明部が空気と異なる屈折率を有する透明なガラス板(光学素子)を、上記防塵フィルタ119として使用している。しかしながら、上記ガラス板(光学素子)に限定されるものではなく、光路上に在り光の透過性をもった部材(光学素子)であれば良い。例えば、透明なガラス板(光学素子)に換えて、光学ローパスフィルタ(LPF)、赤外カットフィルタ、偏向フィルタ、ハーフミラーなどであっても良い。この場合、振動に係わる周波数や駆動時間、加振部材(後述する)の設置位置などは、その部材に対応した値に設定する。また、ここでは撮像素子としてCCD117を例に挙げているが、もちろん、CMOSやその他の撮像素子であっても構わない。
以下、防塵部材である防塵フィルタ119については、上述したように光学ローパスフィルタ(LPF)等、様々な材質を用いることができるが、本実施例では、ガラス板(光学素子)を採用しているとして説明する。
上記防塵フィルタ119の周縁部には、2つの圧電素子120a,120bが取り付けられている。圧電素子120a,120bは、夫々2つの電極を有しており、圧電素子120a,120bを防塵フィルタ制御回路121によって所定の周波数で振動させることで、防塵フィルタ119に所定の振動を発生させ、フィルタ表面に付着した塵埃を除去し得るように構成されている。また、撮像ユニット116に対しては、手ブレ補正用の防振ユニットが付加されている。
また、本実施形態におけるデジタルカメラ10は、CCD117に接続したCCDインターフェース回路122と、液晶モニタ123と、記憶領域として機能するSDRAM124やFlash ROM125などを利用して画像処理する画像処理コントローラ126とを備え、電子撮像機能とともに電子記録表示機能を提供できるように構成されている。ここで、記録メディア127は、各種のメモリカードや外付けのHDD等の外部記録媒体であり、通信コネクタを介してボディユニット100と通信可能且つ交換可能に装着される。そして、この記録メディア127に撮影により得られた画像データが記録される。その他の記憶領域としては、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する、例えばEEPROMからなる不揮発性メモリ128がBucom101からアクセス可能に設けられている。
Bucom101には、当該デジタルカメラ10の動作状態を表示出力によってユーザへ告知するための動作表示用LCD129及び動作表示用LED130と、カメラ操作SW131と、ストロボ132を駆動するストロボ制御回路133と、が接続されている。ここで、動作表示用LCD129あるいは動作表示用LED130には、防塵フィルタ制御回路121が動作している期間、防塵フィルタ119の振動動作を表示する表示部が設けられている。カメラ操作SW131は、例えばレリーズSW、モード変更SW及びパワーSWなど、当該デジタルカメラ10を操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群である。さらに、該ボディユニット100内には、電源としての電池134と、該電池134の電圧を当該デジタルカメラ10を構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路135が設けられ、また、外部電源から不図示のジャックを介して電流が供給されたときの電圧変化を検知する電圧検出回路(図示せず)も設けられている。
上述のように構成されたデジタルカメラ10の各部は、概略的には以下のように稼動する。まず、画像処理コントローラ126は、Bucom101の指令に従ってCCDインターフェース回路122を制御してCCD117から画像データを取り込む。この画像データは画像処理コントローラ126でビデオ信号に変換され、液晶モニタ123で出力表示される。ユーザは、この液晶モニタ123の表示画像から、撮影した画像イメージを確認できる。
SDRAM124は、画像データの一時的保管用メモリであり、画像データが変換される際のワークエリアなどに使用される。また、画像データは、JPEGデータに変換された後、記録メディア127に保管される。
ミラー駆動機構111は、クイックリターンミラー105をアップ位置とダウン位置へ駆動するための機構であり、このクイックリターンミラー105がダウン位置にある時、撮影レンズ202からの光束はAFセンサユニット109側とペンタプリズム103側へと分割されて導かれる。AFセンサユニット109内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路110を介してBucom101へ送信されて周知の測距処理が行われる。一方、ペンタプリズム103を通過した光束の一部は測光回路115内の測光センサ114へ導かれ、ここで検知された光量に基づき周知の測光処理が行われる。
次に、図2及び図3を参照してCCD117を含む撮像ユニット116について説明する。
撮像ユニット116は、撮影光学系を透過し自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子としてのCCD117と、CCD117の光電変換面側に配設され、撮影光学系を透過して照射される被写体光束から高周波成分を取り除く光学LPF118と、この光学LPF118の前面側において所定間隔をあけて対向配置された防塵部材である防塵フィルタ119と、この防塵フィルタ119の周縁部に配設されて防塵フィルタ119に対して所定の振動を与えるための加振部材である圧電素子120a,120bと、を備える。
ここで、CCD117のCCDチップ136は、固定板137上に配設されたフレキシブル基板138上に直接実装され、このフレキシブル基板138の両端から出た接続部139a,139bが、主回路基板140に設けられたコネクタ141a,141bを介して主回路基板140側と接続されている。また、CCD117が有する保護ガラス142は、スペーサ143を介してフレキシブル基板138上に固着されている。
また、CCD117と光学LPF118との間には、弾性部材等からなるフィルタ受け部材144が配設されている。このフィルタ受け部材144は、CCD117の前面側周縁部で光電変換面の有効範囲を避ける位置に配設され、且つ、光学LPF118の背面側周縁部の近傍に当接することで、CCD117と光学LPF118との間を略気密性が保持されるように構成されている。そして、CCD117と光学LPF118とを気密的に覆うホルダ145が配設されている。このホルダ145は、撮影光軸周りの略中央部分に矩形状の開口146を有し、この開口146の防塵フィルタ119側の内周縁部には断面が略L字形状の段部147が形成され、開口146に対してその後方側から光学LPF118及びCCD117が配設されている。ここで、光学LPF118の前面側周縁部を段部147に対して略気密的に接触させるように配置することで、光学LPF118は段部147によって撮影光軸方向における位置規制がなされ、ホルダ145の内部から前面側に対する抜け止めがなされる。尚、CCD117と光学LPF118との気密状態は、塵埃の侵入によって撮影画像に塵埃が写り込み、当該画像に塵埃の影響の出ることを防止可能なレベルであれば良く、必ずしも気体の侵入を完全に防止するレベルでなくても良い。
一方、ホルダ145の前面側の周縁部には、防塵フィルタ119を光学LPF118の前面に所定間隔あけて保持するために段部147周りで段部147よりも前面側に突出させた防塵フィルタ受け部148が全周に亘って形成されている。この防塵フィルタ受け部148の開口部分が、結像光線通過エリア149となる。全体として多角形の板状(ここでは四角形)に形成された防塵フィルタ119は、一端部がねじ150で防塵フィルタ受け部148に固定された板ばね等の弾性体から成る押圧部材151によって、押圧状態で防塵フィルタ受け部148に支持される。ここで、押圧部材151と防塵フィルタ119の間にはゴムや樹脂等の振動減衰性のある受け部材152が介在され、一方、防塵フィルタ119の背面側の外周縁部に配設された圧電素子120a,120b部分には、防塵フィルタ受け部148との間に光軸に略対称位置にゴム等の振動減衰性のある受け部材153が介在され、防塵フィルタ119の振動を阻害しないように保持をしている。また、光軸と垂直な面内における防塵フィルタ119のY方向の位置決めは、押圧部材151のZ方向曲げ部に支持部材154を介して受けることにより行い、一方、同様に光軸と垂直な面内におけるX方向は、図3に示すように、ホルダ145に設けた支持部155に支持部材154を介して受けることにより位置決めしている。支持部材154もゴムや樹脂等の振動減性のある材料で形成され、防塵フィルタ119の振動を阻害しないようにしている。受け部材152,153の配置位置は、後に述べる防塵フィルタ119の進行波振動の周辺部に発生する振動振幅を殆ど持たないエリア位置にすると防塵フィルタ119の振動をほとんど阻害することが無く、高効率な塵埃除去機構を構成できる。また、防塵フィルタ119の周辺部と防塵フィルタ受け部148との間には、環状のリップ部を持つシール156が設置され、開口146を含む空間の気密状態が確保されている。撮像ユニット116は、このようにしてCCD117を搭載する所望の大きさに形成されたホルダ145を備える気密構造に構成されている。尚、防塵フィルタ119と防塵フィルタ受け部148との気密状態は、塵埃の侵入によって撮影画像に塵埃が写り込み、当該画像に塵埃の影響の出ることを防止可能なレベルであれば良く、必ずしも気体の侵入を完全に防止するレベルでなくても良い。
また、上述したように、上記防塵フィルタ119は、上記受け部材152,153を介して上記押圧部材151によって防塵フィルタ受け部148に支持されているが、少なくとも上記受け部材153による支持を上記シール156に肩代わりさせても良い。
さらに、加振部材である圧電素子120a,120bには、フレキシブルプリント基板であるフレキ157a,157bが端部に電気接続され、防塵フィルタ制御回路121からの後に述べる所定の電気信号を圧電素子120a,120bに入力し、圧電素子120a,120bに所定の振動を発生させている。フレキ157a,157bは、樹脂と銅箔等で作製されて柔軟性があることから圧電素子120a,120bの振動を減衰させることが少ない。また、振動振幅の小さいところ(後に述べる振動の節位置)に設けることで、より振動の減衰を抑えることができる。一方、以下に述べるような手ブレ補正機構を持つ場合、圧電素子120a,120bはボディユニット100に対して相対的に移動するので、防塵フィルタ制御回路121がボディユニット100と一体の固定部材にある場合には手ブレ補正機構の動作に従って、フレキ157a,157bは変形し、変位する。この場合、フレキ157a,157bは柔軟性があり薄いため、有効であり、手ブレ補正機構をもつカメラには最適である。
防塵フィルタ119でその表面から離脱した塵埃は後に述べるように、その振動の慣性力と、重力の作用により、ボディユニット100の下側に落下する。そこで、本実施形態では、防塵フィルタ119の下側直近に設けた台158に、粘着材、粘着テープ等で形成された保持材159を配設し、落下した塵埃を確実に保持し、再び防塵フィルタ119の表面に戻らないようにしてある。防塵フィルタ119の直下に塵埃を集めるように振動を発生し、直下に保持材159を配置することで、塵埃がボディユニット100内の他の機構に飛散して他の機能に不具合を発生することが無いと言う利点もある。
次に、簡単に手ブレ補正機能について説明する。この手ブレ補正機構は、図1に示すように、X軸ジャイロ160、Y軸ジャイロ161、防振制御回路162、X軸アクチュエータ163、Y軸アクチュエータ164、X枠165、Y枠166(ホルダ145)、フレーム167、位置検出センサ168及びアクチュエータ駆動回路169から構成され、カメラのX軸回りの手ブレの角速度を検出するX軸ジャイロ160とカメラのY軸周りの手ブレの角速度を検出するY軸ジャイロ161とからの角速度信号から、防振制御回路162により手ブレ補償量を演算し、撮影光軸の方向をZ軸方向とした場合、撮影光軸に直交するXY平面内で直交する第1の方向であるX軸方向及び第2の方向であるY軸方向に、撮像素子であるCCD117をブレを補償するように変位移動させるものである。即ち、アクチュエータ駆動回路169から所定の駆動信号を入力するとX軸方向にCCD117を駆動するX軸アクチュエータ163と、同じく、所定の駆動信号を入力するとY軸方向にCCD117を駆動するY軸アクチュエータ164を駆動源として用い、X枠165と撮像ユニット116中のCCD117を搭載したY枠166(ホルダ145)とをフレーム167に対して移動する移動対象物として構成される。ここで、X軸アクチュエータ163及びY軸アクチュエータ164は、電磁回転モータとネジ送り機構等を組み合わせたものや、ボイスコイルモータを用いた直進電磁モータや、直進圧電モータ等が用いられている。尚、位置検出センサ168は、X枠165及びY枠166の位置を検出するものであり、防振制御回路162は該位置検出センサ168での検出結果に基づいて、変位移動可能な範囲を超えてX軸アクチュエータ163及びY軸アクチュエータ164駆動しないように、アクチュエータ駆動回路169を制御する。
ここで、第1実施形態の塵埃除去機構について図4乃至図7を参照してさらに詳しく説明する。図4は、塵埃除去機構を構成する主要部(振動子)の分解斜視図であり、図5は、防塵フィルタ119に発生する振動の様子を説明するための図で、特に図5(A)は防塵フィルタ119の正面図、図5(B)は図5(A)のBB線断面図、図5(C)は図5(A)のCC線断面図である。図6は、防塵フィルタ119に発生する進行波を説明するための防塵フィルタ119の概念図(図5(B)に相当)である。図7は、図5の状態から進行波が1波長分進んだ状態を示す図である。
防塵フィルタ119は、全体として多角形の板状(本実施形態は四角形)のガラス板(光学素子)からなり、少なくとも自己の中心から放射方向に所定の広がりを持つ領域が透明部を構成している。尚、防塵フィルタ119は、円形の一部を直線状にカットしたD形状であっても構わない。そして、上述した取り付け手段により、この防塵フィルタ119の透明部が光学LPF118の前面側に所定の間隔をもって対向配置されている。また、防塵フィルタ119の一方の面(本実施形態では背面側)の上側周縁部には、当該防塵フィルタ119に対して振動を与えるための第1の加振部材である圧電素子120aが、例えば接着剤による貼着等の手段により配設されている。さらに、防塵フィルタ119の下側周縁部には、当該防塵フィルタ119に対して振動を与えるための第2の加振部材としての圧電素子120bが、同様に接着剤による貼着等の手段により配設されている。防塵フィルタ119に圧電素子120a,120bを夫々配設することで振動子170が形成され、該振動子170は、圧電素子120a,120bに所定の周波電圧を印加すると共振振動し、図5に示す屈曲振動を発生する。
図4に示すように、圧電素子120a,120bには、信号電極171a,171bと、該信号電極171a,171bに対向した裏面に設けられ、側面を通して上記信号電極171a,171bのある側の面に引き回された信号電極172a,172bとが形成されている。そして、信号電極171a,171bと信号電極172a,172bに、上記導電性パターンを持つフレキ157a,157bが電気的に夫々接続されている。夫々の電極171a,171b,172a,172bには、フレキ157a,157bを介して接続された防塵フィルタ制御回路121によって位相の異なる所定周期を有する駆動電圧を印加することで、防塵フィルタ119に2つの定在波屈曲振動を発生させることができ、それら2つの定在波屈曲振動が重なることによって、防塵フィルタ119に図5に示す2次元の進行波屈曲振動を発生させることができるように構成されている。尚、図5(A)では、防塵フィルタ119の中立面173が凸のエリア174と中立面173が凹のエリア175とを判別し易くするために異なるハッチングを付してある。
また、図5では、防塵フィルタ119は、矢印176で示す進行波の進行方向(Y方向)が、進行波の進行方向に直交する方向よりも短い形状になっている。このように構成すると、進行波の進む距離が短くても結像光線通過エリア149に所定以上の振動振幅を発生可能で、塵埃除去の効率が良い。また、振動の節177付近は振動振幅が小さくなるが、X方向の屈曲振動の波長λ’即ちλxが長く出来ることから、振動振幅が所定以上になるX方向の範囲も長くできるという利点もある。
次に、図6を用いて進行波の発生方法について詳しく説明する。図6は、図5(B)と対応する断面を示してある。
振動子170が所定時間t0のときに実線に示した状態にあり、実線と破線で示す屈曲定在波が発生しているとすると、Y=0をY方向の基準位置として任意のY方向の振動子表面の質点Y1の任意時刻tのY方向に沿った任意の位置yでの振動zは、屈曲振動の波長λyごとに同じ位相で振動し、Y=2π・y/λyとおけば距離を位相角に変換することができ、振動の角速度ω、Z方向の最大振幅Aとして、下記の(1)式の通り表される。
z=Asin(Y)・cos(ωt) …(1)
y=0に配置された圧電素子120aのみに後に述べる周波電圧が印加されると、上記(1)式の定在波が発生し、時間t=0の状態が実線で示してある(破線はt=π/ωの状態)。
ここで、圧電素子120a,120bが図6に矢印178で示す方向に分極し、圧電素子120bの配設位置(圧電素子のY方向幅の中心)と、圧電素子120aの配置位置(圧電素子のY方向幅の中心)との間隔Hが、kを奇数として、H=k(λy/4)となるように圧電素子120a,120bを配置し、また、圧電素子120bに印加される電圧は圧電素子120aに印加する電圧に対して位相がπ/2ずれたものを印加する。この状態で、上記(1)式と同様にY方向の任意の位置yの振動zとすると、zは下記の(2)式の通りとなる。
z=A・sin(Y)・cos(ωt)
+A・sin(Y+π/2)・cos(ωt+π/2) …(2)
この(2)式の第2項は、圧電素子120bのみに上記の周波電圧を印加した時の定在波振動を示している。従って、この(2)式は、第1項の圧電素子120aの定在波振動と第2項の圧電素子120bの定在波振動とを重ね合わせることを意味している。
上記(2)式は、
z=A・sin(Y)・cos(ωt)
+A・sin(Y+π/2)・cos(ωt+π/2)
=A・sin(Y)・cos(ωt)−A・cos(Y)・sin(ωt)
=A・sin(Y−ωt)
と変形できる。
つまり、この状態での振動zは、
z=A・sin(Y−ωt) …(3)
と示すことができ、この(3)式は、進行波を表している。このように、単独で定在波振動を発生させる振動子を2つ、H=k(λy/4)となる位置関係に配置し、それぞれに位相がπ/2ずれた所定周波数の電圧を印加すると、進行波振動を発生させることができる。
上記(3)式の進行波の進む方向は、Y方向の正方向で、図6に矢印176で示す方向である。この時、防塵フィルタ119の表面の質点Y1は、図6に示されるように楕円振動179をする。図6では、防塵フィルタ119に付着した塵埃は下方に慣性力を受けることになり、重力と合せて、より塵埃を離脱させる力が強くなる。
上記のような進行波の発生により、図7に示すように、図5で示した振動振幅の大きなエリア180及び振動振幅の殆ど無いエリア181は上方に移動することになる。従って、防塵フィルタ119のX方向の周辺部にできる、Y方向に平行な振動の節177Y(太い破線で表示)以外の場所は、全て振動振幅の大きなエリア180となる。
ここで、X方向の振動を見てみると、屈曲の定在波が発生していることがわかる(図5(C)参照)。この屈曲定在波の波長をλxとし、結像光線通過エリア149のX方向サイズをExとすると、λx/2>Exであり、結像光線通過エリア149は、進行波の進行による振動振幅の大きな領域よりも小さいので、結像光線通過エリア149は十分な振動振幅を持つこととなり、塵埃の除去を確実にすることができる。
尚、図5(C)に示すように、X方向の圧電素子120a,120bの長さSxをλx/2以下とすれば、屈曲定在波振動の同位相のエリアになる(逆位相にならないエリアと言う意味)ことにより、高効率で振動を発生可能である。勿論、図3に示すように、λx/2より長くしても問題はない。
また、図7のY方向に平行な振動の節177Y(太い破線で表示)は、進行波を発生させても、屈曲定在波振動の節となるため、この部分をZ方向に押圧をかけて保持すると、振動の減衰が発生せず確実な支持ができる。この節177Y部分は、Z方向には小さな振動振幅しか持たないが、X方向、Y方向には大きな振幅をもつ場合がある。このような場合は、ゴム等の振動減衰部材で作られた支持部材154を介して押圧支持することにより、防塵フィルタ119の振動を阻害することが無いので、効率良く支持をすることができる。一方、シール156も、その左右の2辺を上記節177Yに沿って設ければ、振動減衰は殆どなく、また、進行波発生部にシール156の上下の2辺が接触するが、該シール156をリップ形状にすることにより、屈曲振動振幅方向には力が強く作用しないように構成してあるので、シール156による振動の減衰は極めて少ない。
また、圧電素子120a,120bを振動させる上記所定の周波数は、振動子170を構成する防塵フィルタ119の形状、材質や支持の状態によって決まるものであるが、通常、温度は振動子170の弾性係数に影響し、その固有振動数を変化させる要因の1つとなっている。そのため、運用時にその温度を計測して、その固有振動数の変化を考慮するのが好ましい。この場合、温度測定回路(不図示)に接続された温度センサ(不図示)がデジタルカメラ10内に設けられており、温度センサの計測温度から予め決められた振動子170の振動周波数の補正値を不揮発性メモリ128に記憶させ、計測温度と補正値をBucom101に読み込み、駆動周波数を演算して防塵フィルタ制御回路121の駆動周波数とすることによって、温度変化に対しても効率の良い振動を発生することができる。
このように構成される圧電素子120a,120bに対しては、防塵フィルタ制御回路121によって、夫々の板厚方向に所定の周波数の電圧が印加されている。上記(2)式で示したように、防塵フィルタ制御回路121の出力される第1の周波信号は、圧電素子120aに印加され、この第1の周波信号と同じ周波数であるが位相がπ/2ずれた第2の周波信号が、圧電素子120bに印加される。
このように圧電素子120a,120bに周波信号を印加すると、上記(3)式のように、振動子170には図7に矢印176で示すような上側に進行する進行波が発生する。進行波の発生したときの防塵フィルタ119の面上の点の動きをみると、振動子170の両側に振動の節177Yを持つ振動モードとなっている。そして、本実施形態では、この節177Yの部分を受け部材152,153を介して押圧支持している。受け部材152,153は、ゴム等の振動減衰性のある軟質材料で形成されているので、防塵フィルタ119の面方向振動は許容し、押圧方向の振動は抑制するが、押圧支持方向の振動成分は殆ど無い節部分であるので防塵フィルタ119の結像光線通過エリア149の振動を減衰することがない。
次に、本実施形態におけるデジタルカメラ10の防塵フィルタ制御回路121について、以下に説明する。
図8は、デジタルカメラ10のボディユニット100における防塵フィルタ制御回路121の構成を概略的に示す回路図である。図9は、図8の防塵フィルタ制御回路121における各構成部材から出力される各信号形態を示すタイムチャートである。
Bucom101の内部に含まれるクロックジェネレータ1011(図8参照)は、圧電素子120a,120bに印加すべき信号周波数よりも充分に速い周波数でパルス信号(基本クロック)を出力する(図9に示すSig1参照)。この基本クロック信号は、防塵フィルタ制御回路121のN進カウンタ1211に入力される。
N進カウンタ1211は、パルス信号をカウントし、所定値Nに達するごとにカウント終了パルス信号を出力する。即ち、基本クロック信号を1/Nで分周することになる(図9のSig2参照)。
分周されたパルス信号は、HighとLowのデューティー比が1:1では無いので、第1の1/2分周回路1212を介してデューティー比を1:1に変換する。この時に周波数は半分になる(図9のSig3参照)。この第1の1/2分周回路1212の出力信号は、第2の1/2分周回路1213とイクスクルーシブオア(ExOR)回路1214へと出力される。
第2の1/2分周回路1213に入力されたパルス信号は、さらに周波数が半分になって出力される(図9のSig4参照)。ここで、パルス信号Sig4のHigh状態において、MOSトランジスタQ01がON状態となる。一方、MOSトランジスタQ02へは、第1インバータ1215を介して当該パルス信号が印加される。従って、このパルス信号のLow状態においてはMOSトランジスタQ02がON状態になる。トランスA1216の1次側に接続されたMOSトランジスタQ01及びQ02が交互にON状態になると、当該トランスA1216の2次側には、図9に示すSig5の信号が発生する。この場合、トランスA1216の巻き線比は、電源回路135の出力電圧と一方の圧電素子120aを駆動させるのに必要な電圧とによって決定される。尚、抵抗R00は、トランスA1216に過大な電流が流れることを制限するために配設されているものである。
圧電素子120aを駆動させるのに際しては、MOSトランジスタQ00がON状態にあり、且つ、電源回路135からトランスA1216のセンタータップに電圧が印加されている必要がある。そして、この場合において、MOSトランジスタQ00のONまたはOFFの制御は、Bucom101の出力ポートP_PwContAから行われるようになっている。
周波数の算出は、次に示す(4)式による。即ち、
fdrv=fpls/4N …(4)
但し、NはN進カウンタ1211への設定値、fplsはクロックジェネレータ1011の出力パルスの周波数、fdrvは圧電素子120aに印加される信号の周波数である。
一方、上記第1の1/2分周回路1212の出力信号Sig3は、ExOR回路1214を経由して、第3の1/2分周回路1217へと出力される。この場合、ExOR回路1214によって、Bucom101の出力ポートP_θContがHigh状態のときには、パルス信号Sig3は反転して第3の1/2分周回路1217へと出力され、また、出力ポートP_θContがLow状態のときには、パルス信号Sig3はそのままの状態で第3の1/2分周回路1217に出力される(図9のSig6参照)。このパルス信号Sig6は、さらに第3の1/2分周回路1217によって半分の周波数にされた後、出力される(図9のSig7参照)。これによって、第2インバータ1218,MOSトランジスタQ11,MOSトランジスタQ12及びトランスB1219が駆動されて、圧電素子120bに所定の電圧の駆動信号(図9のSig8)が出力される。
尚、第2インバータ1218、MOSトランジスタQ11,Q12、トランスB1219及び抵抗R10のそれぞれの機能は、上述した第1インバータ1215、MOSトランジスタQ01,Q02、トランスA1216及び抵抗R00のそれぞれと略同様となっている。
また、第1乃至第3の1/2分周回路1212,1213,1217の何れにおいても、入力されるパルス信号の立ち上がりエッジに対応して分周動作をしている。そして、パルス信号の周波数が同じであっても、信号が反転しているときには、第2の1/2分周回路1213と第3の1/2分周回路1217とがそれぞれ出力するパルス信号には位相の相違が発生する。この場合における位相の差は90°(即ち、π/2)となる。
従って、圧電素子120aに印加される信号Sig5と、圧電素子120bに印加される信号Sig8との間には90°(π/2)の位相差が発生することになる。そして、この位相差は、Bucom101の出力ポートP_θContによって制御できる。例えば、出力ポートP_θContがHigh状態であれば、90°(π/2)の位相差を発生し、Low状態であれば、位相差は発生しないことになる。つまり、出力ポートP_θContを制御することによって異なる形態の振動を防塵フィルタ119に加えることができる。
以上のように圧電素子120a,120bに位相差90°(π/2)の信号を加えると、上記(2)式の2つの定在波屈曲振動を防塵フィルタ119に与えることになり、2つの定在波屈曲振動の重ね合わせで屈曲進行波振動が発生されることとなる。
さらに、このデジタルカメラ10は、超音波域(20kHz以上の周波数)の周波数で防塵フィルタ119を振動させる場合に、デジタルカメラ10の操作者に防塵フィルタ119の動作を告知する表示部を、動作表示用LCD129あるいは動作表示用LED130に設けている。つまり、上記CCD117の前面に配置され振動可能な透光性をもつ防塵部材(防塵フィルタ119)に対して、加振部材(圧電素子120a,120b)で振動を与えるとき、加振部材の駆動回路(防塵フィルタ制御回路121)の動作と連動してデジタルカメラ10の表示部を動作させ、防塵フィルタ119の動作を告知することも実施する(詳細は後述する)。
上述の特徴を詳しく説明する為、Bucom101が行なう制御について、図10及び図11を参照しながら具体的な制御動作について説明する。
図10には、本実施形態のデジタルカメラ10の動作制御をフローチャートで表わしており、このBucom101が行なうカメラシーケンス(メインルーチン)の手順を例示している。
Bucom101で稼動可能な図10に示すフローチャートに係わる制御プログラムは、カメラのボディユニット100の電源SW(不図示)がON操作されると、その稼動を開始する。
最初に、当該デジタルカメラ10を起動するための処理が実行される(ステップS101)。即ち、電源回路135を制御して当該デジタルカメラ10を構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また、各回路の初期設定を行なう。
次に、後述するサブルーチン「無音加振動作」をコールすることで、無音(即ち可聴範囲外)で防塵フィルタ119を振動させる(ステップS102)。尚、ここで云う可聴範囲は、一般人の聴力を基準にして約20Hz〜20000Hzの範囲内とする。
続くステップS103からステップS124までは、周期的に実行されるステップ群である。即ち、まず、当該デジタルカメラ10に対するアクセサリの着脱を検出する(ステップS103)。これは、例えば、アクセサリの1つであるレンズユニット200が、ボディユニット100に装着されたことを検出する。その着脱検出動作は、Lucom201と通信を行なうことでレンズユニット200の着脱状態を調べる。
もし、所定のアクセサリがボディユニット100に装着されたことが検出されたならば(ステップS104)、サブルーチン「無音加振動作」をコールすることで、無音で防塵フィルタ119を振動させる(ステップS105)。
このように、カメラ本体であるボディユニット100にアクセサリの特にレンズユニット200が装着されていない期間には特に、各レンズや防塵フィルタ119等に塵埃が付着する可能性が高いので、上述の如くレンズユニット200の装着を検出したタイミングで塵埃を払う動作を実行することは有効である。また、レンズ交換時にボディユニット100内部に外気が循環し塵埃が進入して付着する可能性が高いので、このレンズ交換時に塵埃除去することは有意義である。そして、撮影直前とみなし、ステップS106へ移行する。
一方、上記ステップS104で、レンズユニット200がボディユニット100から外された状態であることを検出した場合は、そのまま次のステップS106へ移行する。
そして、ステップS106では、当該デジタルカメラ10が有する所定の操作スイッチの状態検出が行なわれる。
ここで、レリーズSWを成す1st.レリーズSW(不図示)が操作されたか否かを、当該SWのON/OFF状態で判定する(ステップS107)。その状態を読み出し、もし1st.レリーズSWが所定時間以上ON操作されない場合には、電源SWの状態を判別する(ステップS108)。そして、電源SWがONされていれば上記ステップS103に戻り、OFFされていれば終了処理(スリープ等)となる。
一方、上記ステップS107にて1st.レリーズSWがON操作されたと判別した場合には、測光回路115から被写体の輝度情報を入手し、この情報から撮像ユニット116の露光時間(Tv値)とレンズユニット200の絞り設定値(Av値)を算出する(ステップS109)。
その後、AFセンサ駆動回路110を経由してAFセンサユニット109の検知データを入手し、このデータに基づきピントのズレ量を算出する(ステップS110)。そして、その算出されたズレ量が許可された範囲内にあるか否かを判定し(ステップS111)、否の場合は撮影レンズ202の駆動制御を行って(ステップS112)、上記ステップS103へ戻る。
一方、許可された範囲内にズレ量が在る場合は、サブルーチン「無音加振動作」をコールして無音で防塵フィルタ119の振動を開始させる(ステップS113)。
さらに、レリーズSWを成す2nd.レリーズSW(不図示)がON操作されたか否かを判定する(ステップS114)。この2nd.レリーズSWがON状態のときは、続くステップS115へ移行して所定の撮影動作(詳細後述)を開始するが、OFF状態のときは上記ステップS108へ移行する。
尚、撮像動作中では、通常の如く、露出の為に予め設定された秒時(露出秒時)に対応した時間の電子撮像動作を制御する。
上記撮影動作として、ステップS115からステップS121までは、所定の順序にて被写体の撮像が行われる。まずLucom201へAv値を送信して、絞り203の駆動を指令し(ステップS115)、クイックリターンミラー105をUP位置へ移動させる(ステップS116)。そして、シャッタ108の先幕走行を開始させてOPEN制御し(ステップS117)、画像処理コントローラ126に対して「撮像動作」の実行を指令する(ステップS118)。Tv値で示された時間だけのCCD117への露光(撮像)が終了すると、シャッタ108の後幕走行を開始させてCLOSE制御する(ステップS119)。そして、クイックリターンミラー105をDown位置へ駆動すると共に、シャッタ108のチャージ動作を行なう(ステップS120)。
その後、Lucom201に対して絞り203を開放位置へ復帰させるように指令して(ステップS121)、一連の撮像動作を終了する。
続いて、記録メディア127がボディユニット100に装着されているか否かを検出し(ステップS122)、否の場合は、警告表示をする(ステップS123)。そして再び上記ステップS103へ移行して、同様な一連の処理を繰り返す。
一方、記録メディア127が装着されていれば、画像処理コントローラ126に対し撮影した画像データを記録メディア127へ記録するように指令する(ステップS124)。その画像データの記録動作が終了すると、再び、上記ステップS103へ移行して、同様な一連の処理を繰り返す。
以下、詳しい振動形態と音の関係について、上述した3つのステップ(S102,S105,S113)でコールされる「無音加振動作」サブルーチンの制御手順を図11に基づき説明する。尚、この「振動形態」とは、加振部材である圧電素子120a,120bによって引き起こされる振動の形態である。
図11(A)は、上記サブルーチン「無音加振動作」の動作手順を表わすフローチャートを示す図であり、図11(B)乃至(D)はそれぞれ、図11(A)のサブルーチン「無音加振動作」の各タイミングにて並行して実行される「表示動作」の動作手順を表わすフローチャートを示す図である。
この無音加振動作において、加振部材へ連続的に供給される共振周波数の波形を表わすグラフが図12に示されている。図11のサブルーチン「無音加振動作」と「表示動作」は、防塵フィルタ119の塵埃除去の為にだけの加振動作を目的とするルーチンであるので、振動周波数f0は、その防塵フィルタ119の共振周波数付近の所定の周波数に設定されている。例えばこの場合は、80kHzであり、少なくとも20kHz以上の振動である故に、ユーザにとっては無音である。
まず、防塵フィルタ119を振動させるための駆動時間(Toscf0)と駆動周波数(共振周波数:Noscf0)に関するデータを、不揮発性メモリ128の所定領域に記憶されている中から読み出す(ステップS201)。このタイミングで、動作表示用LCD129あるいは動作表示用LED130に設けた表示部への加振モードの表示をONする(ステップS301)。そして、所定時間が経過したかを判定し(ステップS302)、所定時間が経過していないときは加振モードの表示を継続し、所定時間経過後は加振モード表示をOFFする(ステップS303)。
次に、Bucom101の出力ポートD_NCntから、駆動周波数Noscf0を、防塵フィルタ制御回路121のN進カウンタ1211へ出力する(ステップS202)。
続くステップS203〜ステップS205では、次のように塵埃除去動作が行なわれる。即ち、まず塵埃除去動作を開始させ実行する。一方、この時の表示は、出力ポートP_PwContA,P_PwContBをHighのタイミングで加振動作表示を開始させ(ステップS311)、次に所定時間が経過したかを判定し(ステップS312)、所定時間が経過していないときは加振動作の表示を継続し、所定時間経過後は加振動作表示を終了する(ステップS313)。この時の加振動作表示は時間経過、あるいは塵埃除去経過に応じて変化する表示をする(不図示)。この場合の所定時間は、後に述べる加振動作の継続時間であるToscf0に略等しい。また、塵埃除去のために出力ポートP_PwContA,P_PwContBをHighに設定すると(ステップS203)、圧電素子120a,120bは所定の駆動周波数(Noscf0)で防塵フィルタ119を加振し、防塵フィルタ119面に付着した塵埃を振り払う。この塵埃除去動作で防塵フィルタ119面に付着した塵埃が振り払われるとき、同時に、空気振動が起こり、超音波が発生する。(但し、駆動周波数Noscf0で駆動されても、一般人の可聴範囲内の音にはならず、聞こえない)。
所定駆動時間(Toscf0)、防塵フィルタ119を振動させた状態で待機し(ステップS204)、その所定駆動時間(Toscf0)経過後、出力ポートP_PwContA,P_PwContBをLowに設定することで、加振終了表示をONする(ステップS321)とともに、塵埃除去動作を停止させる(ステップS205)。加振終了表示は、所定時間経過後(ステップS322)に、OFFされて表示を終了する(ステップS323)。そして、コールされたステップの次のステップへリターンする。
このサブルーチンで適用される振動周波数f0(共振周波数(Noscf0))と駆動時間(Toscf0)は、図12にグラフで表わした如くの波形を示す。即ち、一定の振動(f0=80kHz)が、塵埃除去に充分な時間(Toscf0)だけ続く連続的な波形となる。
つまり、この振動形態が、加振部材に供給する共振周波数を調整して制御するものである。
[第2実施形態]
図13(A)は、本発明の画像機器の第2実施形態としてのデジタルカメラにおける防塵フィルタに発生する振動の様子を説明するための防塵フィルタの正面図であり、図13(B)は、図13(A)のBB線断面図であり、図13(C)は、図13(A)のCC線断面図である。
上記第1実施形態(図5参照)に対して異なるところのみ以下に説明する。
第1に異なるところは、第1の加振部材としての圧電素子120aの設置位置であり、第2の加振部材としての圧電素子120bが設置されている防塵フィルタ119の裏側(第2の面)と反対側である防塵フィルタ119の表側(第1の面)上で、且つ、圧電素子120bの設置位置近くの防塵フィルタ119の下側に設置してある。但し、圧電素子120aと圧電素子120bの中心位置の間隔Hは、kを奇数として、H=k(λ/4)である(図13(B)の例はk=1であり、圧電素子120aは圧電素子120bと対向するように設けられている)。
第2に異なるところは、圧電素子120a,120bの形状であり、上記第1実施形態に比して、X方向の長さは短く、Y方向の長さは長く構成している。このような形態にできるのは、Y方向に圧電素子120aと圧電素子120bを重なる状態で設置することができるからである。X方向の長さが短くなった分、Y方向の長さを長くすることにより、振動エネルギーの発生を第1実施形態と同じにすることが可能である。このように、結像光線通過エリア149をY方向にずらすことにより、防塵フィルタ119のY方向の寸法をより小さくすることが可能となる。また、押圧部材の押圧位置も、防塵フィルタ119を直接押さえることが可能となるので、同じ押圧部材を用いることができるとともに、Z方向寸法も圧電素子120aが取り付けられた部分は第1の実施形態と同じだが、それ以外は小さく形成可能である。さらに、X方向の圧電素子120a,120bの長さが、屈曲定在波振動波長をλxとしたとき、λx/2以内であり、屈曲定在波振動の同位相のエリアになる(逆位相にならないエリアと言う意味)ことにより、高効率で振動を発生可能である。
勿論、振動振幅を殆どもたない節177ができるのは上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
図14は、本発明の画像機器の第3実施形態としてのデジタルカメラにおけるBucomが行なうカメラシーケンス(メインルーチン)においてコールされるサブルーチン「無音加振動作」の動作手順を表わすフローチャートを示す図である。
これは、上記第1実施形態における図11に示すサブルーチン「無音加振動作」の動作を変更したものであり、本第3実施形態は、防塵フィルタ119の動作が、上記第1実施形態と異なる。即ち、上記第1実施形態では、防塵フィルタ119の駆動周波数はf0と言う固定値にして進行波が発生する形態としていたが、本第3実施形態は、定在波振動と進行波振動が時間的に混在する振動を発生する。図14のサブルーチン「無音加振動作」では、振動周波数f0は、その防塵フィルタ119の共振周波数付近の所定の周波数に設定されている。例えばこの場合は、80kHzであり、少なくとも20kHz以上の振動である故に、ユーザにとっては無音である。
まず、防塵フィルタ119を振動させるための駆動時間(Toscf0)と駆動開始周波数(Noscfs)と周波数変移量(Δf)と駆動終了周波数(Noscft)に関するデータを、不揮発性メモリ128の所定領域に記憶されている中から読み出す(ステップS211)。このタイミングで、図11(B)に示したような加振モードの表示を行うことは上記第1実施形態と同様である。
次に、駆動周波数(Noscf)に駆動開始周波数(Noscfs)を設定する(ステップS212)。また、Bucom101の出力ポートD_NCntから、駆動周波数(Noscf)を、防塵フィルタ制御回路121のN進カウンタ1211へ出力する(ステップS213)。
続くステップS203以降では、次のように塵埃除去動作が行なわれる。即ち、まず塵埃除去動作を開始させ実行する。また、このとき、図11(C)に示したような加振動作表示を行うことは上記第1実施形態と同様である。
まず、塵埃除去のために出力ポートP_PwContをHighに設定すると(ステップS203)、圧電素子120a,120bは所定の駆動周波数(Noscf)で防塵フィルタ119を加振する。このとき、共振周波数でないために、印加周波信号に対して発生する振動の位相がずれ、防塵フィルタ119に定在波振動が混ざった進行振動を生じさせる。防塵フィルタ119面に付着した塵埃は定在波振動と進行波振動の混合された振動により振り払われるが、定在波の節付近の振動振幅は小さくなり、このエリアの塵埃は除去できない。駆動時間(Toscf0)の間、この振動は継続される(ステップS204)。次に、駆動周波数(Noscf)が駆動終了周波数(Noscft)であるかを比較判定し(ステップS214)、一致していなければ(NOの判定)、駆動周波数(Noscf)に周波数変移量(Δf)を加算して、再び駆動周波数(Noscf)に設定し(ステップS215)、上記ステップS212の動作から上記ステップS204までの動作を繰り返す。
そして、上記ステップS214で駆動周波数(Noscf)が駆動終了周波数(Noscft)に一致したとき(YES)には、出力ポートP_PwContをLowに設定し、圧電素子120a,120bの加振動作が終了して(ステップS205)、一連の「無音加振動作」が終了する。また、このとき、図11(D)に示したような加振終了表示を行うことは上記第1実施形態と同様である。
このように周波数を変更していった場合に、先に述べたように圧電素子120aの振動と圧電素子120bの振動の位相が変化するとともに振動振幅も変化する。そこで、防塵フィルタ119にほぼ進行波振動が発生する周波数を通過するように駆動開始周波数(Noscfs)と周波数変移量(Δf)と駆動終了周波数(Noscft)を設定すれば、防塵フィルタ119に定在波振動と進行波振動が混在した振動がまず発生し、次第に定在波振動成分が小さくなり進行波振動成分が増大し、ほぼ進行波振動になった後、進行波振動成分が小さくなり、再び定在波振動が大きくなるといった制御をすることができる。そして、定在波振動によって防塵フィルタ119面上に残ったり、共振周波数でなくて振動振幅が小さくて防塵フィルタ119に付着したりしていた塵埃も振り落とすことが可能となる。
また、駆動開始周波数(Noscfs)と駆動終了周波数(Noscft)の間をある程度広くとれば、振動子170の温度や製造バラツキによる共振周波数の変化を吸収することが可能で、極めて簡単な回路構成で確実に防塵フィルタ119に付着した塵埃を振り払うことが可能となる。
更に、上記実施形態では、圧電素子120a,120bに印加される電圧の位相差はπ/2にしてあったが、位相を同相にしなければ進行波成分は発生するので、位相差を別の成分にしても良い。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上記の加振部材による塵埃除去機構の他に、空気流によって防塵フィルタ119の塵埃を除去する方式、あるいはワイパーにより防塵フィルタ119の塵埃を除去するような機構を組み合わせて用いても良い。
また、上述した実施形態では、加振部材は圧電素子としていたが、電歪材料でも、超磁歪材でも勿論良い。
また、振動の際、加振する対象部材に付着している塵をより効率よく振り落とせるよう、その表面に、例えば、透明導電膜であるITO(酸化インジウム・錫)膜、インジウム亜鉛膜、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン膜、吸湿型静電気防止膜である界面活性剤膜、シロキサン系膜、等をコーティング処理しても良い。振動に係わる周波数や駆動時間などは上記膜の部材に対応した値に設定する。
また、本願の一実施形態として記載した光学LPF118を、複屈折性を有する複数枚の光学LPFとして構成しても良い。そして、それら複数枚に構成した光学LPFのうちの最も被写体側に配置された光学LPFを、図2に記載した防塵フィルタ119の代わりに防塵部材(加振対象)として使用しても良い。
また、本願の一実施形態として図2に記載した光学LPF118を有さないカメラとし、防塵フィルタ119を、例えば、光学LPF、赤外カットフィルタ、偏向フィルタ、ハーフミラー等の何れかの光学素子として使用するようにしても良い。
さらに、上記光学LPF118を有さないだけでなく、防塵フィルタ119を、図2記載の保護ガラス142に代用させる構成としても良い。この場合、保護ガラス142とCCDチップ136との防塵・防湿状態を維持するようにすると共に、保護ガラス142を支持しつつ振動させる構成として、図2記載の防塵フィルタ119を支持しつつ振動させる構成を利用すれば良い。なお、保護ガラス142を、光学LPF、赤外カットフィルタ、偏向フィルタ、ハーフミラー等の何れかの光学素子として使用するようにしても良いのはいうまでもない。
尚、本発明を適用する画像機器としては、例示した撮像装置(デジタルカメラ)に限らず、塵埃除去機能を必要とする装置であれば良く、必要に応じて変形実施することで実用化され得る。より、具体的には液晶等の表示素子を用いた画像投影装置における表示素子と光源の間、あるいは表示素子と投影レンズとの間に、本発明の塵埃除去機構を設けても良い。
10…デジタルカメラ、 100…ボディユニット、 101…ボディ制御用マイクロコンピュータ(Bucom)、 105…クイックリターンミラー、 107…サブミラー、 108…シャッタ、 116…撮像ユニット、 117…CCD、 118…光学ローパスフィルタ(LPF)、 119…防塵フィルタ、 120a,120b…圧電素子、 121…防塵フィルタ制御回路、 122…CCDインターフェース回路、 128…不揮発性メモリ、 129…動作表示用LCD、 130…動作表示用LED、 131…カメラ操作SW、 134…電池、 135…電源回路、 136…CCDチップ、 137…固定板、 138…フレキシブル基板、 139a,139b…接続部、 140…主回路基板、 141a,141b…コネクタ、 142…保護ガラス、 143…スペーサ、 144…フィルタ受け部材、 145…ホルダ、 146…開口、 147…段部、 148…防塵フィルタ受け部、 149…結像光線通過エリア、 150…ねじ、 151…押圧部材、 152,153…受け部材、 154…支持部材、 155…支持部、 156…シール、 157a,157b…フレキ、 158…台、 159…保持材、 166…Y枠、 170…振動子、 171a,171b,172a,172b…信号電極、 173…中立面、 174…中立面が凸のエリア、 175…中立面が凹のエリア、 176…進行波の進行方向を示す矢印、 177…振動の節、 177Y…Y方向に平行な振動の節、 178…分極方向を示す矢印、 179…楕円振動、 180…振動振幅の大きなエリア、 181…振動振幅の殆ど無いエリア、 200…レンズユニット、 201…レンズ制御用マイクロコンピュータ(Lucom)、 202…撮影レンズ、 203…絞り、 1011…クロックジェネレータ、 1211…N進カウンタ、 1212,1213,1217…1/2分周回路、 1214…イクスクルーシブオア(ExOR)回路、 1215,1218…インバータ、 1216…トランスA、 1219…トランスB。

Claims (19)

  1. 全体として板状をなす防塵部材と、
    上記防塵部材上に設けられ、単独で振動することによって上記防塵部材に第1の定在波振動を発生させる第1の加振部材と、
    上記防塵部材上に設けられ、単独で振動することによって上記防塵部材に第2の定在波振動を発生させる第2の加振部材と、
    を具備し、
    上記第1の加振部材と上記第2の加振部材は、当該第1の加振部材と当該第2の加振部材とを振動させた際に発生する、上記第1の定在波振動と上記第2の定在波振動とが重なることによって、一方向に進む進行波であって、且つ、振動振幅を殆ど持たない節領域を上記防塵部材の外周側に持つ進行波を発生させる位置に配置されていることを特徴とする振動装置。
  2. 上記防塵部材を任意の装置に対して支持するための支持部材をさらに有し、当該支持部材は、当該防塵部材の外周側にある上記進行波の上記振動振幅を殆ど持たない節領域に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の振動装置。
  3. 上記第1及び第2の加振部材は、上記進行波の進行方向と直交する方向に長辺をもつ略矩形であることを特徴とする請求項1に記載の振動装置。
  4. 上記第1の加振部材は第1の圧電素子からなり、
    上記第2の加振部材は第2の圧電素子からなり、
    上記進行波の進行方向の波長λ、kを任意の奇数としたとき、上記第1の圧電素子と上記第2の圧電素子とは、互いにk・(λ/4)離れた位置に設けられることを特徴とする請求項3に記載の振動装置。
  5. 上記第1の圧電素子と上記第2の圧電素子には、位相がπ/2異なる周波信号が印加されることを特徴とする請求項4に記載の振動装置。
  6. 上記防塵部材は略矩形であり、
    上記進行波の進行方向とは直交する方向には少なくとも波長λ’の定在波が発生し、
    上記第1の圧電素子及び上記第2の圧電素子は、上記定在波の波長λ’の1/2以下の長辺をもつ略矩形であることを特徴とする請求項4に記載の振動装置。
  7. 上記第1の圧電素子と上記第2の圧電素子とは、上記防塵部材の同一面上に設けられることを特徴とする請求項4に記載の振動装置。
  8. 上記第1の圧電素子は上記防塵部材の第1の面上に設けられ、上記第2の圧電素子は、上記防塵部材の第1の面と反対側の第2の面上で当該第1の圧電素子と対向するように設けられていることを特徴とする請求項4に記載の振動装置。
  9. 光学的な画像が生成される画像面を有する画像形成素子と、
    全体として板状をなし、少なくとも自己の中心から放射方向に所定の広がりを持つ領域が透明部をなし、この透明部が上記画像面に対し所定の間隔を持って対向配設されている防塵部材と、
    上記画像形成素子と上記防塵部材との両者が対向して形成される部位に、密閉された空間部を構成すべく当該画像形成素子及び当該防塵部材の周縁側で上記空間部を封止するように構成された封止構造部と、
    上記画像面に光学画像を生成するための光線が透過する透過範囲外の、上記防塵部材上の位置に配置されていて、単独で振動することによって当該防塵部材に第1の定在波振動を発生させる第1の加振部材と、
    上記防塵部材の、上記透過範囲外で、かつ、上記第1の加振部材とは重ならない位置に配置されていて、単独で振動することによって上記防塵部材に第2の定在波振動を発生させる第2の加振部材と、
    を具備し、
    上記第1の加振部材と上記第2の加振部材は、当該第1の加振部材と当該第2の加振部材とを振動させた際に発生する、上記第1の定在波振動と上記第2の定在波振動とが重なることによって、一方向に進む進行波であって、且つ、振動振幅を殆ど持たない節領域を上記防塵部材の外周側に持つ進行波を発生させる位置に配置されていることを特徴とする画像機器。
  10. 上記画像形成素子の上記画像面に対して上記所定の間隔を持って対向配置される上記防塵部材を支持するための支持部材を有し、当該支持部材は、当該防塵部材の外周側にある上記進行波の上記振動振幅を殆ど持たない節領域に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の画像機器。
  11. 上記第1及び第2の加振部材は、上記進行波の進行方向と直交する方向に長辺をもつ略矩形であることを特徴とする請求項10に記載の画像機器。
  12. 上記第1の加振部材は第1の圧電素子からなり、
    上記第2の加振部材は第2の圧電素子からなり、
    上記進行波の進行方向の波長λ、kを任意の奇数としたとき、上記第1の圧電素子と上記第2の圧電素子とは、互いにk・(λ/4)離れた位置に設けられることを特徴とする請求項11に記載の画像機器。
  13. 上記進行波の進行方向とは直交する方向には少なくとも波長λ’の定在波が発生し、
    上記光線の透過範囲の上記進行波の直交する方向の幅は、λ’/2以下であることを特徴とする請求項12に記載の画像機器。
  14. 上記第1の圧電素子と上記第2の圧電素子には、位相がπ/2異なる周波信号が印加されることを特徴とする請求項12に記載の画像機器。
  15. 上記防塵部材は略矩形であり、
    上記進行波の進行方向とは直交する方向には少なくとも波長λ’の定在波が発生し、
    上記第1の圧電素子及び上記第2の圧電素子は、上記定在波の波長λ’の1/2以下の長辺をもつ略矩形であることを特徴とする請求項12に記載の画像機器。
  16. 上記第1の圧電素子と上記第2の圧電素子とは、上記防塵部材の同一面上に設けられることを特徴とする請求項12に記載の画像機器。
  17. 上記第1の圧電素子と上記第2の圧電素子とは、上記防塵部材の上記光線の透過範囲を挟んだ位置に設けられることを特徴とする請求項16に記載の画像機器。
  18. 上記第1の圧電素子は上記防塵部材の第1の面上に設けられ、上記第2の圧電素子は上記防塵部材の第1の面と反対側の第2の面上で当該第1の圧電素子と対向するように設けられていることを特徴とする請求項12に記載の画像機器。
  19. 上記第1の圧電素子と上記第2の圧電素子とは、上記防塵部材の上記光線の透過範囲に関して一方の側の位置に設けられることを特徴とする請求項18に記載の画像機器。
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