JP4759184B2 - 計測内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検物(対象物)を撮影して計測を行なうのに必要な複数のステレオ計測用光学アダプタが内祝鏡本体に着脱可能な計測内視鏡装置にかかわり、所望の長さを計測したときに表示される計測線が光学的な歪み補正を行った状態の線で元画像上に表示可能とすることによって、検査者が計測した場所を違和感無く認識しやすくすることのできる計測内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡によって被検物をさらに詳細に調べるためには、その被検物を計測することが必要であり、このような要求を満足するために、従来から内視鏡を用いて被検物の計測が可能な計測手段が様々な提案によって開示されている。
【0003】
例えば、特開平10−248806号公報に記載の提案では、ステレオ計測による計測内視鏡装置が示されている。また、本出願人が先に出願した特願2000−101122号に記載の提案では、光学アダプタの種類によって異なる計測手法を、光学アダプタの種類に応じて自動的に選択して実行する計測内視鏡装置が示されている。
【0004】
前者の特開平10−248806号公報に記載の計測内視鏡装置では、内視鏡本体に、被検物を撮像して計測を行うのに必要な2つの光学系を有する光学アダプタを着脱自在に設け、光学アダプタ内の2つのレンズ系の画像を1つの撮像素子上に結像し、少なくともこの得られた内視鏡画像を用いた画像処理により計測を行うもので、光学アダプタの光学データを記録した記録媒体から情報を読み込む処理と、内視鏡本体の撮像系の位置誤差を基に光学データを補正する処理と、補正した光学データを基に計測する画像を座標変換する処理と、座標変換された2つの画像を基に2画像のマッチングにより任意の点の3次元座標を求める処理と、を行う計測処理手段を有して構成されている
上記構成の計測内視鏡装置においては、前記光学アダプタを介して撮像素子により取り込まれた被検物(被写体)の2つの画像を座標変換して求めた2つの画像情報を基に、2画像のマッチングにより被検物上の任意の点の3次元座標を求める。これにより、安価でしかも計測精度の優れた計測内視鏡装置の実現を可能にしている。
【0005】
一方、後者の特願2000−101122号に記載の計測内視鏡装置は、内視鏡先端部に設けられた接続部と、前記接続部に着脱可能な被写体像を撮像素子に結像させる複数種の光学アダプタと、前記光学アダプタの1つを接続し、前記撮像素子の画像信号を画像処理により計測を行う計測内視鏡装置において、前記複数の光学アダプタに予め関係付けられた表示データにて、選択操作するメニュー表示処理と、前記メニュー表示処理による選択結果に基づいて、計測処理を行う計測処理手段とを有して構成されている。
【0006】
上記構成の計測内視鏡装置においては、前記メニュー上で光学アダプタを選択すると、その光学アダプタに対応した計測方法が自動的に選択され、計測を実行する場合は内視鏡操作部に設けた計測実行スイッチを押下するのみで、前記選択された計測方法に対応した計測処理を実行させることが可能となる。
【0007】
また、上記公報にある実施例の中で複数の光学アダプタそれぞれについて計測環境の設定処理を行なった結果を外部記憶媒体であるコンパクトフラッシュ(R)メモリカードに計測環境データとして保存しておき、前記メニュー上で適切な光学アダプタを選択することで該当する光学アダプタに合った前記計測環境データが使用される構成が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
通常、計測画像は、ビデオ内視鏡本体、対物レンズを有する計測用光学アダプター、ビデオ内視鏡から出力される信号をTV信号に変換するためのカメラコントロールユニツト(CCU)、TV信号をデジタル信号に変換して記録するための記録装置の種類あるいは個体の違いによって画像の写り具合の特性が変化する。このために、計測内視鏡装置の設定を、計測画像を撮影したときのそれぞの装置の組み合わせに適した状態になるようにさまざまな補正 (キャリブレーション処理)を行なわなければ、正しく計測を行うことができない。
【0009】
また、最近では、さまざまな計測の用途に合うように、内視鏡本体、光学アダプタやCCUなどの種類も増えてきたのに伴って、さまざまな装置の組み合わせ(計測環境)で記録された計測画像で再計測を行なう機会が増えてきている。
【0010】
しかしながら、従来の装置では、ビデオ内視鏡本体の光学系を含めた光学アダプタの光学特性を補正した補正画像を表示する機能がないので、このような装置で被写体を撮影すると、実際には直線部分の場所が、画像上では幾何学的歪みによって湾曲して表示される。
【0011】
そして、この画像でこの直線部分を計測した場合、表示される計測線は、単純に両端の点を結んだ直線でこの画像上に表示されていたので、湾曲して表示される被写体上には計測線が重ならないので、検査者は計測した場所や長さを正しく認識することが困難であった。
【0012】
また、計測においては補正画像上で計算しなければ正確な値を算出することができないので、基準線や基準面からの垂直距離を計測した場合、従来は、基準線や基準面との交点が幾何学的歪みを考慮して表示する機能が無かったために、これらの垂直距離の位置を表示していなかったり、または、擬似的な座標で表示していたので、検査者は計測した長さを正しく認識することができなかった。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本装置で計測を行なう場合に表示する計測線を幾何学的歪みを考慮して幾何学的歪みを補正していない元画像上に表示するようにすることで、補正画像を表示する機能は設けずに、比較的簡単な処理で、検査者が計測した位置と長さを正しく認識しやすくすることのできる計測内視鏡装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の計測内視鏡装置は、内視鏡先端部に設けられた接続部と、前記接続部に着脱可能な被写体像を撮像素子に結させる光学アダプタと、前記撮像素子によって得られた画像信号に基づく内視鏡画像を、前記光学アダプタの光学特性による幾何学的歪みの補正処理を施さない状態で表示する表示手段と、前記内視鏡画像を用いて計測処理を行なう計測手段と、を具備している計測内視鏡装置において、前記表示手段は、前記計測手段が計測処理を行うときに表示される計測線に前記光学アダプタの光学特性による幾何学的歪みを施した状態で、前記光学アダプタの光学特性による幾何学的歪みの補正処理が施されていない前記内視鏡画像に前記計測線を重畳して表示することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0016】
図1ないし図19は本発明の一実施の形態に係わり、図1は計測内視鏡装置のシステム構成を示す斜視図、図2は図1の計測内視鏡装置の電気的回路構成を示すブロック図、図3は図1のリモートコントローラの構成を示す斜視図、図4はステレオ計測アダプタを付けた図1の内視鏡挿入部の内視鏡先端部の構成を示す斜視図、図5は図4のA−A線断面図、図6は図4のステレオ計測アダプタを付けた内視鏡画像を示す図、図7は図4のステレオ計測アダプタのマスク形状の画像を示す図、図8は図1の計測内視鏡装置での計測環境の設定を説明するための元画像と補正画像の関係を示す図、図9は図5の内視鏡画像において計測可能な左右の視野領域が切り出されて表示されているステレオ計測画面の一例を示す図、図10は通常光学アダプタを付けた図1の内視鏡挿入部の内視鏡先端部の構成を示す斜視図、図11は図10のA−A線断面図、図12は図10の通常光学アダプタを付けた内視鏡画像を示す図、図13は図1のLCDに表示された光学アダプタの選択画面の一例を示す図、図14は図1の装置の特徴となる計測を実行するまでの制御動作例を示すフローチャート、図15は二点間距離や基準線からの垂直距離を計測するときに指定する点の位置の例を示す図、図16は二点間距離を計測するときの制御動作例を示すフローチャート、図17は計測線を元画像上に表示する手法を説明するための各点の位置関係を示す図、図18は計側線を元画像上に表示する制御動作例を示すフローチャート、図19は基準線からの垂直距離を計測するときの制御動作例を示すフローチャートである。
【0017】
(構成)
本実施の形態の計測内視鏡装置10のシステム構成を説明すると、該計測内視鏡装置10は、図1に示すように、撮像素子を内蔵し複数のステレオ計測用光学アダプタと通常計測用光学アダプタを着脱自在に構成された内視鏡挿入部11と、該内視鏡挿入部11を収納するコントロールユニット12と、該計測内視鏡装置10のシステム全体の各種動作制御を実行するのに必要な操作を行うリモートコントローラ13と、内視鏡画像、あるいは操作制御内容(例えば処理メニュー)等の表示を行う液晶モニタ(以下、LCDと記載)14と、通常の内視鏡画像、あるいはその内視鏡画像を擬似的にステレオ画像として立体視可能なフェイスマウントディスプレイ(以下、FMDと記載)17及び該FMD17に画像データを供給するFMDアダプタ18とを含んで構成されている。
【0018】
さらに図2を参照しながら該装置のシステム構成を詳細に説明する。図2に示すように、前記内視鏡挿入部11は、内視鏡ユニット24に接続され、この内視鏡ユニット24は、例えば図1に示すようにコントロールユニット12内に搭載される。この内視鏡ユニット24は、図示はしないが撮像時に必要な照明光を得るための光源装置と、前記内視鏡挿入部11を電気的に自在に湾曲させるための電動湾曲装置とを含んで構成されている。
【0019】
内視鏡挿入部先端の固体撮像素子43(図5参照)からの撮像信号は、カメラコントロールユニット(以下、CCUと記載)25に入力される。該CCU25は、供給された撮像信号をNTSC信号等の映像信号に変換し、前記コントロールユニット12内の主要処理回路群へと供給する。
【0020】
前記コントロールユニット12内に搭載された主要回路群は、例えば図2に示すように、主要プログラムに基づき各種機能を実行し動作させるように制御を行うCPU26,ROM27,RAM28,PCカードインターフェイス(以下、PCカードI/Fと記載)30,USBインターフェイス(以下、USBI/Fと記載)31,RS−232Cインターフェイス(以下、RS−232CI/Fと記載)29,音声信号処理回路32及び映像信号処理回路33とを含んで構成されている。
【0021】
前記RS−232CI/F29は、CCU25,内視鏡ユニット24及びリモートコントローラ13にそれぞれ接続され、CCU25,内視鏡ユニット24の制御及び、動作指示を行うリモートコントローラ13による操作に基づく動作制御するのに必要な通信をそれぞれ行うためのものである。
【0022】
前記USBI/F21は、該コントロールユニット12とパーソナルコンピュータ21とを電気的に接続するためのインターフェイスであり、該USBI/F21を介して接続した場合には、パーソナルコンピュータ21側でもコントロールユニット12における内視鏡画像の表示指示や計測時における画像処理等の各種の指示制御を行うことが可能であり、またコントロールユニット12,パーソナルコンピュータ21間とで各種の処理に必要な制御情報やデータ等の入出力を行うことが可能である。
【0023】
また、前記PCカードI/F30は、PCMCIAメモリカード22及びコンパクトフラッシュ(R)メモリカード23が着脱自由に接続されるようになっている。つまり、上記いずれかのメモリカードが装着された場合には、CPU26による制御によって、記録媒体としてのメモリーカードに記憶された制御処理情報や画像情報等のデータを再生し、該PCカードI/F30を介してコントロールユニット内に取り込むことができ、あるいは制御処理情報や画像情報等のデータを該PCカードI/F30を介してメモリカードに供給して記録することができる。
【0024】
前記映像信号処理回路33は、CCU25から供給された内視鏡画像とグラフィックによる操作メニューとを合成した合成画像を表示するように、CCU25からの映像信号とCPU26の制御により生成される操作メニューに基づく表示信号とを合成処理し、さらにLCD14の画面上に表示するのに必要な処理を施してLCD14に供給することにより、内視鏡画像と操作メニューとの合成画像がLCD14に表示される。なお、映像信号処理回路33では、単に内視鏡画像、あるいは操作メニュー等の画像を単独で表示するための処理を行うことも可能である。
【0025】
前記音声信号処理回路32は、マイク20により集音されて生成され、メモリカード等の記録媒体に記録する音声信号、あるいはメモリカード等の記録媒体の再生によって得られた音声信号が供給され、供給された音声信号に再生するのに必要な処理(増幅処理等)を施し、スピーカ19に出力する。これにより、スピーカ19によって音声信号が再生される。
【0026】
前記CPU26は、ROM27に格納されているプログラムを実行し、目的に応じた処理を行うように各種の回路部を制御してシステム全体の動作制御を行う。
【0027】
次に、図3を参照しながらリモートコントローラ13の構成とその操作に基づくCPU26のプログラム動作制御例を説明する。
【0028】
本実施の形態の計測内視鏡装置10に用いられるリモートコントローラ13は、計測時等の使用時における操作性をより向上させるための改良がなされている。
【0029】
リモートコントローラ13は、図3に示すようにジョイスティック47,レバースイッチ48,フリーズスイッチ49,ストアースイッチ50及び計測実行スイッチ51を少なくとも上面に併設して構成され、つまり、使用者にとって操作し易い配置形態が採用されている。
上記構成のリモートコントローラ13において、ジョイスティック47は内視鏡先端部の湾曲動作を行うスイッチであり、360度のいずれの方向に自在に操作指示を与えることが可能である。また、レバースイッチ48は、グラフィック表示される各種メニュー操作や計測を行う場合のポインター操作を行うためのスイッチであり、前記ジョイスティックスイッチ47と略同形状に構成されたものである。フリーズスイッチ49は、LCD14に表示された内視鏡動画画像を静止画像として表示する際に用いられるスイッチである。ストアースイッチ50は、前記フリーズスイッチ49の押下によって静止画像を表示した場合に、該静止画像をPCMCIAメモリカード22(図2参照)に記録する場合に用いられるスイッチである。また、計測実行スイッチ51は、計測ソフトを実行する際に用いられるスイッチである。
【0030】
なお、前記フリーズスイッチ49,ストアースイッチ50及び計測実行スイッチ51は、例えばオン/オフの押下式を採用して構成されている。また、前記レバースイッチ48には、上記以外の機能を割り当てることも可能である。
【0031】
例えば、レバースイッチ48を右に倒すと画像のズームUP機能、レバーを左に倒すとズームDOWN機能を実行することができるようにこれらの機能を該レバースイッチ48に割り当てて構成しても良い。また、通常、ズーム画像で計測を行った場合は画像の倍率が変化しているため正しく計測できない。このような場合は、前記計測実行スイッチ51を押下すると、CPU26はこの操作信号を受け、瞬時ズーム機能を解除して、画像をフリーズしてから計測を実行するように制御する。なお、これ以外の方法としては、ズーム倍率を考慮して画像のまま計測できるように制御するようにしても良い。
【0032】
次に、本実施の形態の計測内視鏡装置10に用いられるステレオ計測アダプタの構成を図4ないし図6を参照しながら説明する。
【0033】
図4及び図5はステレオ計測アダプタ37を内視鏡先端部39に取り付けた状態を示しており、該ステレオ計測アダプタ37は、固定リング38の雌ねじ53により内視鏡先端部39の雄ねじ54と螺合することによって固定されるようになっている。
【0034】
また、ステレオ計測アダプタ37の先端には、一対の照明レンズ36と2つの対物レンズ34,対物レンズ35が設けられている。2つの対物レンズ34,35は、内視鏡先端部39内に配設された撮像素子43上に2つの画像を結像する。この得られた撮像信号は、電気的に接続された信号線43a,内視鏡ユニット24を介してCCU25に供給され、該CCU25により映像信号に変換された後に映像信号処理回路33に供給されることにより、その結果、例えば図6に示すような画像がLCD14に表示される。
【0035】
本実施の形態の計測内視鏡10は、ステレオ計測を行う場合、図7に示すような白い被写体を撮影した内視鏡画像を用い、さらに例えばステレオ計測アダプタ37の光学データを記録した記録媒体(例えばコンパクトフラッシュ(R)メモリカード)から取り込まれた光学データに基づいて被計測物のステレオ計測処理を行う。
【0036】
ここで、本計測内視鏡装置10では、実際にステレオ計測を行う前に計測環境の設定を行い、計測ができる準備を行っておく必要があるので、実際に計測を行う動作の説明の前に、計測環境の設定について説明する。
【0037】
ステレオ計測アダプタは、特開平10−248806号公報で示されているように、種類が同じでもその個体によって光学特性が異なっているので、その生産工程で光学データが測定される。この光学データには、以下の情報が含まれている。
【0038】
a)2つの光学系の幾何学的歪み補正式
b)2つのレンズ系の焦点距離
c)2つのレンズの光軸間の距離およびこれらの光軸の位置座標
d)データ測定で使用した内視鏡とこの光学アダプタとの組み合わせにおける取り付け具合の位置情報
上記d)の位置情報とは、データ測定で使用した内視鏡とこの光学アダプタとの組み合わせで図7のような白い被写体(白い紙など)を撮影した内視鏡画像から、2つの視野領域の位置座標や傾き角の情報のことである。
【0039】
上記の光学データ採りを行った後のステレオ計測アダプタは、内視鏡挿入部に取付けられ、内視鏡装置10において、次に示す処理を行って計測環境の設定を行う。
【0040】
1)ステレオ計測アダプタの光学データが記録された記録媒体を計測内視鏡装置に装着し、このデータを読み込む。
【0041】
2)光学アダプタを実際に使用する内視鏡挿入部11に取り付けて、図7に示すような白い被写体を撮影し、その取り付け具合の位置情報を求める。ここで求める位置情報は、光学データの中に含まれる位置情報と同様の内容である。
【0042】
3)この光学データの中にある位置情報と、上記2)で求めた位置情報を比較して、記録媒体に記録されている光学データのうちのa)とc)の情報を、実際に使用する内視鏡に適したデータに補正する。具体的には、各座標に関する回転補正を行う。
【0043】
4)生産工程のデータ測定時に使用したCCUやビデオキャプチャー回路の特性が、実際に計測で使用する計測内視鏡装置の特性と異なり、画像の拡大率が装置の種類によって異なる場合もある。この場合には、それらの特性の違いをあらかじめ検証しておき、その拡大率に合うように記録媒体に記録されている光学データを補正する。
【0044】
5)上記までの処理で求まった補正後の光学データを、計測環境の設定で用いる校正データとする。
【0045】
6)上記校正データを用いて、本内視鏡装置に対する幾何学的歪み補正を行うための変換テーブルを作成する。
【0046】
7)補正画像上の座標に対する補正前の元画像上の座標を求めるための逆変換テーブルを作成する。
【0047】
8)上記5)で示す校正データと上記6)で求めた変換テーブルと上記7)で求めた逆変換テーブル、および機器の種類を示す計測環境情報とを合わせて計測環境データとして、装置内に保存しておくために例えばコンパクトフラツシュカード23に記録する。
【0048】
以上が、計測環境の設定に関する処理である。
次に、上記3)で示した回転補正について、式で説明する。
【0049】
回転補正前の幾何学的歪み補正式が、以下の関係式であったとする。
【0050】
x’=fx(x,y), y’=fy(x,y)・・・(1)
(x’,y’):幾何学的歪み補正後の座標
(x,y):幾何学的歪み補正前の画像上における任意の座標(元画像上の座標)
fx(x,y):補正前の元画像上の座標(x,y)を補正後のx座標に変換する関数
fy(x,y):補正前の元画像上の座標(x,y)を補正後のy座標に変換する関数
補正前の光学データの中にある位置情報と、実際に使用する内視鏡とに関する位置情報を比較した時、その差を示す回転マトリックスがAであらわされたとすると、補正後の幾何学的歪み補正式は以下のようになる。
【0051】
(x”,y”)=A・(x’,y’)十(a,b)・・・(2)
(x”,y”):回転補正を含んだ幾何学的歪み補正後の座標(補正画像上の座標)
(x’,y’):幾何学的歪み補正後の座標
(a,b):x方向およびy方向の位置ずれ量
また、式(1)を式(2)に代入して行列式を展開すると、以下のように表すことができる。この関係を図8に示す。
【0052】
x”=fx’(x,y), y”=fy’(x,y)・・・(3)
(x”,y”):回転補正を含んだ幾何学的歪み補正後の座標(補正画像上の座標)
(x,y):幾何学的歪み補正や回転補正前の画像上における任意の座標(元画像上の座標)
fx’(x,y):元画像上の座標(x,y)を幾何学的歪み補正と回転補正を行って補正画像上のx座標を求める関数
fy’(x,y):元画像上の座標(x,y)を幾何学的歪み補正と回転補正を行って補正画像上のy座標を求める関数
光軸の位置座標においても、回転マトリックスAと位置ずれ量(a,b)を使って、上記と同様な関係式で示すことができる。
【0053】
上記7)で求める逆変換テーブルを求めるには、変換テーブルを作成するときに同時に作成する。
【0054】
つまり、式(3)を使用して元画像上の座標を補正画像上の座標に変換したとき、補正画像上の座標に1対1で対応した逆変換テーブルの中の(x”,y”)の座標に対応した場所に、元画像上の座標(x,y)を保存する。
【0055】
ここで、式(3)で変換した座標は、通常は実数で求められるので、この値が逆変換テーブルに合うように整数化する必要がある。
【0056】
また、元画像上の座標を変換式にて補正画像上の座標に変換しているので、逆変換テープルの中に元画像上の値が直接入らない個所が出てくるが、このような場合は、隣り合う近傍点で補間することで、逆変換テーブル内の全ての場所に適当な元画像上の座標が入るようにする。
【0057】
なお、変換式(1)に対する逆変換式があらかじめ定められていたり、または、変換式(1)から式変換によって逆変換式を求められるときは、この逆変換式を用いて直接逆変換テーブルを求めてもよい。
【0058】
式(2)で用いられている回転マトリックスの逆マトリックスをA-1とすると、補正画像上の座標を位置ずれ補正を行う前の座標に戻す式は、
(x’,y’)=A-1・(x”,y”)・(a,b)・・・(4)
(x’,y’):幾何学的歪みのみ補正された位置ずれ補正前の座標
(x”,y”):回転補正を含んだ幾何学的歪み補正後の座標(補正画像上の座標)
(a,b):x方向およびy方向の位置ずれ量
となるので、光学特性を測定したときの幾何学的歪み補正における逆変換式が関数gx,gyとして定義されていれば以下の関係式が成り立つ。
【0059】
x=gx(x’,y’), y=gy(x’,y゛)・・・(5)
(x,y):幾何学的歪み補正前の座標(元画像上の座標)
(x’,y’):幾何学的歪みのみ補正された位置ずれ補正前の座標
gx(x’,y’):幾何学的歪み補正において補正前のx座標を求める逆変換関数
gy(x’,y’):幾何学的歪み補正において補正前のy座標を求める逆変換関数
式(4)の行列式を展開して、式(5)に代入すると、補正画像上の座標を元画像に変換式は、以下のように表すことができる。この関係を図8に示す。
【0060】
x=gx’(x”,y”), y=gy’(x”,y”)・・・(6)
(x,y):幾何学的歪み補正や回転補正前の画像上における任意の座標(元画像上の座標)
(x”,y”):回転補正を含んだ幾何学的歪み補正後の座標(補正画像上の座標)
gx’(x,y):補正画像上の座標(x”,y”)を幾何学的歪み補正と回転補正前の元画像上のx座標を求める関数
gy’(x,y):補正画像上の座標(x”,y”)を幾何学的歪み補正と回転補正前の元画像上のy座標を求める関数
補足3:
上記8)で示す計測環境情報は、計測環境データ(つまり、校正データと変換テーブル)の種類を示す情報であるため、例えば以下のような情報が含まれている。
【0061】
・ステレオ計測アダプタの種類および個体識別番号
・内視鏡挿入部の種類および個体識別番号
・NTSCなどのTVタイプ
・CCUの種類
・ビデオキャプチャー回路の種類
CCUの種類、ビデオキャプチャー回路の種類は、計測内視鏡装置の一モジュールとして装備されていることが多いので、この場合はこれらを計測内視鏡装置の種類と読み替えてもよい。
【0062】
上記のようにして計測環境の設定を行ったら、被計測物を撮影して計測を実行することができる。
【0063】
したがって、本計測内視鏡装置10によるステレオ計測は、ステレオ計測アダプタ37の光学データを記録した記録媒体(例えばコンパクトフラッシュ(R)メモリカード)から光学情報を読み込む第1の処理と、内視鏡先端部39の撮像素子43とステレオ計測アダプタ37との位置情報を求める第2の処理と、前記位置情報と生産時に求めた主となる内視鏡と本ステレオ計測アダプタ37の位置情報から位置誤差を求める第3の処理と、前記位置誤差から光学データを補正する第4の処理と、撮影した画像に含まれる幾何学的歪みを補正するための変換テーブルを作成する第5の処理と、計測用に撮影した画像を変換テーブルを用いて座標変換をおこない補正画像を作成する第6の処理と、補正画像を基にして任意の点で左右2画像のマッチングを行う第7の処理と、マッチングによって求まった左右2つの座標と光軸の位置座標と焦点距離から3次元座標を求める第8の処理と、任意の複数点の3次元座標からあるニ点間距離や面積などの計測値を求める第9の処理を実行することにより行われる。
【0064】
CPU26は、例えば前記第1〜5の処理をステレオ計測アダプタ37に対して一度実行し、この結果をコンパクトフラッシュ(R)メモリカード23上に計測環境データとして記録しておくように制御する。これ以降に続けて、ステレオ計測を実行するときは、CPU26は、先にコンパクトフラッシュ(R)メモリカード23上に記録した前記計測環境データをRAM上にロードして前記第6〜9の処理を実行するように制御する。脱着自在なメモリカードに画像が記録されているので、他の個体の計測内視鏡装置を用いて画像が記録されている同種のメモリカードを本装置に装着することで、他の装置で記録した画像を別の装置上で容易に閲覧することができる効果がある。
【0065】
また、前記計測環境データは、位置補正後の校正データと、変換テーブルと逆変換テーブルおよび計測環境情報からなる。この計測環境データは、脱着自在なコンパクトフラッシュ(R)メモリカード23上に記録するように制御する。
【0066】
さらに、本実施の形態では、画像の記録は、CPU26の制御によってPCMCIAメモリカード22上に行い、前記計測環境データを記録するコンパクトフラッシュ(R)メモリカード23とは別のメモリカードに記録するように制御する。なお、画像を記録する際には、同時に計測環境データのうち計測環境情報を画像ファイルの一部として、あるいは画像ファイルと関連付けられた別のファイルとして記録する。また、校正データも画像ファイルの一部として、あるいは画像ファイルと関連付けられた別のファイルとして記録する。
【0067】
記録されている画像をリストから選択して、ステレオ計測を実行する際は、既に登録されている計測環境データの中に選択した画像と同じ計測環境のものが存在するかどうかを検索する。
【0068】
もし、同じものが登録されているとその計測環境データを読み込んで、計測内視鏡装置の設定を変更し、前記第6の処理を行って計測できる状態にする。もし、同じものが登録されていないならば、画像に付いている校正データを使用して計測環境データを作成して、前記第6の処理を行って計測できる状態にする。
【0069】
また、画像に記録されている情報が、校正データや計測環境情報だけでなく、変換テーブルなども含んだ計測環境データでもよく、この場合には画像を選択して計測を実行するときに画像についている計測環境データを直接読み込んで前記第6の処理を行うと計測の準備が完了する。しかし、計測環境データを画像とともに記録すると、大きな容量になってしまうのであまり好ましくない。これに対して、計測環境情報と校正データは数十Kbyteであることが多いので、画像に記録するのは計測環境情報と校正データだけである方が画像の容量的に大変有効である。
【0070】
計測の準備が整うと、例えば図6のようなステレオ計測画像が計測可能な視野領域のみ切り出されて図9に示すようなステレオ計測画面上に表示される。この画面で例えばクラック44の長さを測る場合には、左画面上でクラック44の上を折れ線でなぞるように計測点を指定する。CPU26は、新たな計測点が指定されるごとに右画面上でそれぞれの対応点を探索し、計測点と対応点の座標から各点での3次元座標を求め、それらの3次元座標から隣り合う二点間の距離を計算し、それらの合計を算出することでクラヅク44の全長としてその長さをLCD14上に表示する。
【0071】
次に、本実施の形態の計測内視鏡装置10に用いられる通常光学アダプタの構成を図10ないし図12を参照しながら説明する。
【0072】
図10及び図11は通常光学アダプタ42を内視鏡先端部39に取り付けた状態を示しており、該通常光学アダプタ42は、固定リング38の雌ねじ53により内視鏡先端部39の雄ねじ54と螺合することによって固定されるようになっている。
【0073】
また、通常光学アダプタ42の先端には、一対の照明レンズ41と対物レンズ40が設けられている。対物レンズ40は、内視鏡先端部39内に配設された撮像素子43上に画像を結像する。この得られた撮像信号は、前記ステレオ計測アダプタ37と同様に電気的に接続された信号線43a,内視鏡ユニット24を介してCCU25に供給され、該CCU25により映像信号に変換された後に映像信号処理回路33に供給されることにより、その結果、例えば図12に示すような画像がLCD14に表示される。
【0074】
本実施の形態の計測内視鏡装置10は、通常光学アダプタを用いた計測を行う場合、比較計測による方法を用いることによって行う。つまり、比較計測は、画面の中にある解っている寸法を基準にして計測する方法である。
【0075】
例えば、図12に示す円の直径がわかっている場合には、円の直径の両端にポインターを置き2点間の長さL1 45を入力する。知りたい寸法L2 46は、L1の画面上の大きさからCPU26による演算処理によって比率で求める。また、このときにレンズのディストーション特性の情報を基に、ディストーション補正を行い、より正確に寸法を求めるように調整される。レンズのディストーション特性は、予めROM27上に記録しておき、CPU26は、選択された通常光学アダプタ42に対応したデータをRAM2上にロードするようにして比較計測が実行される。
【0076】
(作用)
以上のように構成された本実施の計測内視鏡装置でステレオ計測を行った時の計測線の表示処理について、図13および図19のフローチャートを用いて説明する。
【0077】
本実施例の形態の計測内視鏡装置の電源を投入する。これから新たに計測画像を撮影する場合は、内視鏡挿入部に光学アダプタを装着し、図13に示す光学アダプタの選択画面にあらかじめ登録されている光学アダプタの中から、使用する光学アダプタに適したものを選択する。つまり光学アダプタの選択画面では、例えばステレオ計測アダプタの場合ば”AT60D/6OD 1005”またば”AT60S/60S 3043”、通常光学アダプタの場合ば”AT120D”またば”AT60S”が表示された画面であり、ユーザーはこの選択画面から現在の光学アダプタを選択した後で、被計測物を撮影する。
【0078】
この図13の画面に適当な光学アダプタがない場合は、使用する光学アダプタで計測環境の設定を行い、光学アダプタの選択画面にそれを登録しておく必要がある。
【0079】
また、すでに記録されている計測画像で再計測を行う場合は、図示はしないが計測画像のリストから計測したい画像を選択する。
【0080】
計測画像の準備が整った後、リモートコントローラー13の計測実行スイッチ51を押すと、図14に示すプログラムが実行され、ステップS101の判断処理で計測画像が記録媒体に記録されている画像かどうかを判断する。
【0081】
ステップS101で記録された画像である場合は、ステップS102の判断処理でこの画像ファイルのヘッダを参照して計測手法の種類を判別する。ステップS102でステレオ計測画像であった場合は、ステップS103の判断処理でこの画像ファイルのヘッダにステレオ計測の計測環境情報や校正データが付いているかどうかを判断する。
【0082】
ステップS103で、校正データ等がついている場合はステップS104でこの校正データを使用して計測環境データを作成し、計測環境の設定を行う。その後、ステップS105にすすんで、作成した計測環境データを使用して補正画像を作成し、ステレオ計測を実行して計測点の指定がされるまで使用待機状態にする。
【0083】
また、ステップS101で、今撮影した画像である場合は、ステップS107の判断処理で図13の画面で選択した光学データの種類を判別する。
【0084】
ステップS107でステレオ計測アダプタが選択されている場合は、ステップS108に進み、既に作成されているこの光学アダプタの計測環境データを読み込んで、補正画像を作成後にステレオ計測を実行し、使用待機状態にする。
【0085】
一方、ステップS107で、選択した光学アダプタの種類が通常光学アダプタの場合は、ステップS109に進み、選択した光学アダプタの幾何学的歪み情報などを読み込んで比較計測を実行し、使用待機状態にする。
【0086】
また、ステップS102で、画像に記録されている計測手法の種類が比較計測であった場合には、ステップS111でこの画像の中に光学アダプタの幾何学的歪み情報などが記録されているかどうかを判断する。ステップS111で、これが記録されている場合はその情報を読み込んで比較計測を実行し、使用待機状態にする。
【0087】
ステップS102で画像の中に計測手法が記録されていない場合や、ステップS103で画像の中にステレオ計測用の校正データなどが記録されていない場合や、ステップS111で画像の中に比較計測用の歪み補正情報などが記録されていない場合は、エラー表示を行って、他の画像を選択するように待機状態にする。
【0088】
ステップS106でステレオ計測が実行されると、ステレオ計測画面が開き、計測するための点が指定するまで待機状態になる。この画面上で適当な場所に点を指定することで、図15(a)に示すようなL1やL2の長さなどを計測することができる。
【0089】
例えば、二点間の距離を計測する場合は、ステレオ計測画面に表示されている歪み補正前の左側元画像上に、例えば図15(c)に示すように点M1とM2を左画像上に指定すると、図16のプログラムが実行される。
【0090】
ステップS201で点M1とM2の左画像上の座標を認識した後、ステップS202で補正前の元画像上の二点M1とM2を前記式(3)を使用して補正画像上の座標に変換して、図17に示す点A1とA2を求める。そして、ステップS203のマッチングの処理で、左側補正画像上の点A1とA2に対する右側補正画像上の点B1とB2を求める。ステップS204で、左右の補正画像上の点A1とB1から三角測量の原理に基づいて点M1に対する3次元座標C1を求める。同様にして、点A2とB2から点C2も求める。
【0091】
そしてS205で、計測線M1−M2を表示するために、図18に示すプログラムが実行される。
【0092】
ステップS301で、点C1とC2をN等分して点P1〜Pn-1を求める。ステップS302で、点P1〜Pn-1を左側補正画像上に投影して点Q1〜Qn-1を求める。ステップS303で、逆変換テーブルまたは式(6)を使用して補正画像上の点Q1〜Qn-1を補正前の左側元画像上の点W1〜Wn-1を求める。そしてステップS304で、点M1、点W1〜Wn-1、点M2のそれぞれを折れ線でつないで表示する。
【0093】
図18の処理が終了すると、ステップS206へ進み、ステップS205と同様にして線B1−B2に対応した線を補正前の右側元画像上に表示する。そして、ステップS207で、点C1とC2の二点の距離を計算してこれを表示し、次の計測点が指定されるまで待機状態にする。
【0094】
また、図15(a)にL2で示す長さ、つまり基準線からの垂直距離を計測するために、ステレオ計測画面に表示されている図15(c)のような左側元画像上に、前記点M1と点M2を指定して図16のプログラムによりこれらの3次元座標を求めた後で、点M3を指定すると図19のプログラムが実行される。
【0095】
ステップS401で点M3の左画像上の座標を認識した後、ステップS402で補正前の元画像上の点M3を前記式(3)を使用して補正画像上の座標に変換して、図17に示す点A3を求める。
【0096】
そして、ステップS403のマッチングの処理で、左側補正画像上の点A3に対する右側補正画像上の点B3を求める。ステップS404で、左右の補正画像上の点A3とB3から三角測量の原理に基づいて点M3に対する3次元座標C3を求める。
【0097】
ステップS405で、既に基準線の両端として求まっている点C1とC2の3次元座標と、先ほど求まった点C3を使用して、基準線に垂直に交わった交点C4を求める。そしてS406で、点C4を左側の補正画像上に投影して点A4を求め、補正画像上の線A3−A4に対応する計測線を左側元画像上に表示する。
【0098】
この場合、図18に示すプログラムが実行され、線M1−M2を表示した処理と同様にして線M3−M4が折れ線で表示される。
【0099】
また、ステップS406と同様にして、ステップS407で右側の元画像上に補正画像上の線B3−B4に対応した計測線を表示する。
【0100】
そして、左右の元画像上に計測線が表示されると、ステップS408へ進み、点C3とC4の二点の距離を計算してこれを表示し、次の計測点が指定されるまで待機状態にする。
【0101】
また、通常光学アダプタを使用して撮影した画像で比較計測を行う場合でも、幾何学的歪み補正を行って計測を行うので、上記で説明したステレオ計測の場合と同様にして、元画像上に幾何学的歪み補正を考慮した計測線を容易に表示することが可能である。
【0102】
(効果)
これにより、例えば、実際の被計測物が図15(a)で示されているような形状の場合、これを計測内視鏡装置で撮影した画像は、図15(b)や図15(c)に示すように歪んで表示される。
【0103】
従来では、例えば物体の高さ(L1)を測るために図15(b)の点M1、M2を指定すると、計測線を線1で示すように直線で表示していたので、実際に写っている被計測物の縁には沿わなかった。これにより、検査者が計測した場所を過て認識してしまうことがあった。
【0104】
また、図15(b)の点M3を指定して、基準線(物体の緑)からの垂直距離(L2)を計測したときは、表示された線の長さが実際に算出された値に正しく対応していないために、計測結果をあやまって判断してしまう場合が多かった。
【0105】
さらにこの現象は、光学アダプタの幾何学的歪み特性が大きい場合に顕著に現れ、また、内視鏡ではこのような光学系である場合が多い。
【0106】
これに対し、本実施の形態では、図15(c)に示すように、線1は実際の被計測物の緑に沿って曲線で表示され、また線2も図15(a)で示した長さに適したように表示されるので、計測結果を視覚的に容易に正しく認識することができる。
【0107】
以上の各実施の形態で説明した本発明では、幾何学的歪みを含んだ画像上に、幾何学的歪み特性を入れた線を表示することができるので、検査者が元画像上に指定した点を結んだ線が、被写体上に正しい位置に表示され、検査者が計測した位置と長さを正しく認識しやすくなり、検査において誤った判断を下すことを防止することが可能となる。
【0108】
また、幾何学的歪みを補正したカラーの補正画像を表示するには、処理速度が速いCPUをもつ装置またはシステムを用いないと実用的ではないが、本発明によって元画像上に違和感の無い計測線を表示することができるので、カラーの補正画像を表示する必要は無く、また、補正画像上の座標を元画像上に変換する処理は比較的簡単な処理であるため、安価なシステムでこれを実現することができる。
【0109】
すなわち、本発明によれば、補正画像上に設定された直線を複数の線分で分割した各点を逆変換式あるいは逆変換テーブルによって元画像上の座標に変換し、これらの各点を結んで、元画像上に指定したニ点間を折れ線で表示することによって、幾何学的歪み特性を含んだ線を表示することが可能となる。
【0110】
また、補正画像上の任意の点を逆変換式あるいは逆変換テープルによって元画像上の座標に変換できることで、基準線からの垂直距離や基準面からの垂直距離の計算時に求められた交点を元画像上に表示することが可能となる。
【0111】
また、折れ線具合が目立つようであれば、補正画像上に設定された直線線を分割するときの数を増やすことで、なめらかな曲線に見えるように容易に調整することがが可能となる。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、本装置で計測を行なう場合に表示する計測線を幾何学的歪みを考慮して幾何学的歪みを補正していない元画像上に表示するようにすることで、補正画像を表示する機能は設けずに、比較的簡単な処理で、検査者が計測した位置と長さを正しく認識しやすくすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る計測内視鏡装置のシステム構成を示す斜視図
【図2】図1の計測内視鏡装置の電気的回路構成を示すブロック図
【図3】図1のリモートコントローラの構成を示す斜視図
【図4】ステレオ計測アダプタを付けた図1の内視鏡挿入部の内視鏡先端部の構成を示す斜視図
【図5】図4のA−A線断面図
【図6】図4のステレオ計測アダプタを付けた内視鏡画像を示す図
【図7】図4のステレオ計測アダプタのマスク形状の画像を示す図
【図8】図1の計測内視鏡装置での計測環境の設定を説明するための元画像と補正画像の関係を示す図
【図9】図5の内視鏡画像において計測可能な左右の視野領域が切り出されて表示されているステレオ計測画面の一例を示す図
【図10】通常光学アダプタを付けた図1の内視鏡挿入部の内視鏡先端部の構成を示す斜視図
【図11】図10のA−A線断面図
【図12】図10の通常光学アダプタを付けた内視鏡画像を示す図
【図13】図1のLCDに表示された光学アダプタの選択画面の一例を示す図
【図14】図1の装置の特徴となる計測を実行するまでの制御動作例を示すフローチャート
【図15】二点間距離や基準線からの垂直距離を計測するときに指定する点の位置の例を示す図
【図16】二点間距離を計測するときの制御動作例を示すフローチャート
【図17】計測線を元画像上に表示する手法を説明するための各点の位置関係を示す図
【図18】計側線を元画像上に表示する制御動作例を示すフローチャート
【図19】基準線からの垂直距離を計測するときの制御動作例を示すフローチャート
【符号の説明】
10…計測内視鏡装置
11…内視鏡挿入部
12…コントロールユニット
13…リモートコントローラ
14…液晶モニタ(LCD)
17…フェイスマントデイスプレイ(FMD)
18…FMDアダプタ
19…スピーカ
20…マイク
21…パーソナルコンピュータ
22…PCMCIAメモリーカード
23…コンパクトフラッシュ(R)メモリーカード
24…内視鏡ユニット
25…カメラコントロールユニット(CCU)
26…CPU(制御部)
27…ROM
28…RAM
29…RS−232CI/F
30…PCカードI/F
31…USBI/F
32…音声信号処理回路
33…映像信号処理回路
34,35,40…対物レンズ系
36,41…照明レンズ
37…ステレオ光学アダプタ
38…固定リング
39…内視鏡先端部
42…通常光学アダプタ
43…撮像素子
44…クラック
45…L1(既知の寸法)
46…L2(未知の寸法)
47…ジョイスティック
48…レバースイッチ
49…フリーズスイッチ
50…ストアースイッチ
51…計測実行スイッチ

Claims (4)

  1. 内視鏡先端部に設けられた接続部と、
    前記接続部に着脱可能な被写体像を撮像素子に結させる光学アダプタと、
    前記撮像素子によって得られた画像信号に基づく内視鏡画像を、前記光学アダプタの光学特性による幾何学的歪みの補正処理を施さない状態で表示する表示手段と、
    前記内視鏡画像を用いて計測処理を行なう計測手段と
    具備している計測内視鏡装置において、
    前記表示手段は、前記計測手段が計測処理を行うときに表示される計測線に前記光学アダプタの光学特性による幾何学的歪みを施した状態で、前記光学アダプタの光学特性による幾何学的歪みの補正処理が施されていない前記内視鏡画像に前記計測線を重畳して表示することを特徴とする計測内視鏡装置。
  2. 前記計測線は、前記被写体における二点間距離基準線からの垂直距離または基準面からの垂直距離を示す線であることを特徴とする請求項1に記載の計測内視鏡装置。
  3. 前記光学アダプタを用いて計測環境の設定が実行されることで作成された計測環境データを記録する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測内視鏡装置。
  4. 前記計測環境データは、前記光学アダプタの光学特性による幾何学的歪を補正するための変換式を用いて前記内視鏡画像を補正するときに使用する変換テーブルと、作成された補正画像上の座標を前記内視鏡画像上に変換するための逆変換テーブルを備えることを特徴とする請求項3に記載の計測内視鏡装置。
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