JP4758829B2 - 荷電ビーム描画装置および描画方法 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電ビーム描画装置および描画方法に関し、特にマスクやウェーハ等の基板にLSI等のパターンを描画する場合において、基板上の位置での描画時刻差に伴うパターン寸法の変動を補正する荷電ビーム描画装置および描画方法に関する。
例えば半導体デバイスの製造におけるフォトリソグラフィでは、露光光の短波長化、光学レンズの高NA(開口数;Numerical Aperture)化、あるいは位相シフトマスク等の超解像技術の併用等により、現在ではウェーハ上において65nm以下になる半導体素子の回路パターン寸法が達成されてきている。
そして、縮小投影露光のステッパ装置等で用いられるマスク基板(レチクル)の製造では、LSIの回路パターンの原図である原画パターン寸法は、上記半導体デバイスの微細化に伴い、例えば4倍レチクルの場合にあって0.25μm程度以下に減少する。更に、上記縮小投影の倍率が下がると原画パターン寸法はさらに低減することになる。また、レチクルサイズが増大すると共に、レチクル面内における上記原画パターン寸法精度の高い制御が必要になる。このため、マスク製造においても、ウェーハ上のレジストパターン形成の場合と同様に化学増幅レジストの使用が必要になってきている。
この化学増幅レジストは、高感度、高解像度のために、ベース樹脂、架橋剤あるいは溶解抑止剤の他に光酸発生剤を含有し、紫外光、電子線等のエネルギー線照射の露光により発生する酸(H)の触媒作用を用いる。しかし、上記露光の輸送エネルギーにより化学増幅レジストのパターン潜像領域において生成される酸は、露光後の経過時間と共に上記レジスト内で拡散する。そして、化学増幅レジストの感度の経時変化を引き起こし易い(特許文献1)。
一方、マスク製造における荷電(電子)ビーム描画では、レチクル面上の位置においてかなりの描画時刻差が生じる。この描画時刻差は、製造されるマスクの描画パターンデータに依存し、LSIの高密度化、大容量化に伴いパターンデータ量が増大すると5〜20時間程度にもなる。そして、レジストの描画からPEB(Post Exposure Bake)工程までの経過時間に差が生じる。このため、化学増幅レジストを用いたマスク製造の場合、レチクル面上の位置での上記経過時間差によるレジスト感度の変化が生じ易くなる。このように、上記描画時刻差に起因した原画パターンの寸法変動が不可避になる。
上記荷電ビーム描画におけるレチクル面上の位置での描画後の経過時間差により生じるパターン寸法変化について、図7および図8を参照して説明する。ここで、図7は、レチクル等の基板11上の化学増幅レジストに照射される電子ビームの描画例であり、斜視図である。図8は、上記電子ビーム描画し現像してレジストパターンを形成した後の図7の基板11上に示す矢印P方向の基板位置におけるレジストパターン寸法の変動の一例を示したグラフである。
例えば遮光膜であるクロム(Cr)膜が成膜された石英ガラスから成る基板11表面に化学増幅レジストが塗布形成されている。そして、例えば電子ビーム描画の工程において、図7に示すように、電子ビーム12は、偏向器13の電子ビーム偏向により、描画単位領域であるサブフィールドあるいは描画フレームの描画パターンを描画する。更に、基板11が搭載されているX−Yステージ(不図示)のX方向(あるいは−X方向)のステージ連続移動により、電子ビーム12は、X方向に沿って所定幅(例えば1mm幅)領域すなわち描画ストライプに存在する全ての描画パターンを描画する。
電子ビーム12は、上記1つの描画ストライプの描画パターンを全て描画すると、上記X−YステージのY方向における描画ストライプ幅のステップ移動が起こり、次の描画ストライプの描画パターンを描画する。そして、この繰り返しにより、図7に示したような点線に沿って、基板11上の化学増幅レジストは電子線により全領域が所望の原画パターンになるように露光される。しかし、上記電子ビーム描画においては、図7に示したように、基板11上の点線で示した描画経路に沿って上述したような描画後の経過時間差が不可避的に生じる。そして、特に基板11のY方向においてその時間差が大きくなってくる。
次に、上記化学増幅レジスト現像のために、基板11の電子ビーム描画後、PEBを通して例えばアルカリ現像すると、上記描画後の経過時間差に起因したパターン寸法の変化が現れる。図8に示すように、基板11の中央部の上から下へ矢印P方向において、現像後の化学増幅レジストのパターン寸法すなわちレジストパターン寸法は、単調に増加するようになる。ここで、電子ビーム描画の工程においては、上記化学増幅レジストは同一寸法の描画パターンに露光されている。
このように、化学増幅レジストを用いたマスク製造では、基板であるレチクル面上の位置において描画後の経過時間差によるレジストの感度変化が生じ、出来上がりの原画パターンの寸法精度が低下し易くなる。
しかも、上記描画後の経過時間差による原画パターン寸法精度の低下は、化学増幅レジストの組成物の種類、あるいはポジ型/ネガ型により、その程度が種々に異なってくる。また、上記原画パターン寸法精度の低下は、パターン寸法の微細化あるいは基板サイズの増大化と共に顕著になる。
特開平11−67653号公報
しかしながら、基板面上における描画後の経過時間差に起因する原画パターン寸法の変動を簡便にしかも高精度に制御できる荷電ビーム描画装置および描画方法は未だ開発されていない。ここで、例えば従来の技術のビームの照射量補正の方法により、上記レジストパターン寸法変化を補償するように照射量を変化させることも考えられる。しかし、描画パターンデータ量等によって基板面上における描画開始から描画終了までの描画時間が変わってくることから、この方法では上記寸法変化量を正確に見積もれず照射量補正が適切にできない。
また、上記PEB工程において、例えばホットプレートに温度分布をもたせて上記寸法変化を補正する方法も考えられる。しかし、この方法は、1つの決まった寸法変化の場合には対応できるが、描画パターンが種々に異なり、それぞれに描画後の経過時間差が異なってくる複数種のレチクルにあっては、上記補正は効率的あるいは自在にできない。
このような問題は、基板がレチクルである場合に限らず、例えばウェーハ等の基板上に荷電ビームで直接描画する場合にも同様に生じる。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、マスク基板やウェーハ等の基板にパターン描画する場合に、基板面上の位置での描画後の経過時間差に伴うパターン寸法変化を簡便に高効率にしかも自在に補正することができる荷電ビーム描画装置および描画方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる荷電ビーム描画装置は、基板上のレジストにパターンを描画する荷電ビームを発生させ該荷電ビームを集束し偏向する描画光学系と、前記基板を搭載し前記荷電ビームに対して基板を移動させるステージと、該ステージがその内部に配置される基板室と、前記荷電ビームの描画および前記ステージの移動を制御する描画制御系とを有する荷電ビーム描画装置において、前記描画制御系に記録される描画時間情報に基づいて、前記基板面上の位置における前記描画後の経過時間を演算処理する経過時間演算手段と、前記経過時間演算手段により求めた前記経過時間をパターン寸法変化量に変換する寸法変化量演算手段と、前記寸法変化量演算手段により求めた前記パターン寸法変化量を加熱処理温度に換算する加熱温度演算手段と、前記加熱処理温度を前記基板面上の位置に設定して前記レジストを加熱処理する基板加熱手段と、を備える構成になっている。
そして、本発明にかかる荷電ビーム描画方法は、基板上のレジストにパターンを描画するときに荷電ビームの描画時刻および前記基板の移動時刻を記録して描画時間情報を生成する工程と、前記描画時間情報に基づいて、前記基板面上の位置における前記描画後の経過時間を演算処理する工程と、前記基板面上の位置における経過時間をパターン寸法変化量に変換する工程と、前記パターン寸法変化量を加熱処理温度に換算する工程と、前記加熱処理温度を前記基板面上の位置に設定して前記レジストを加熱処理する工程と、を含む構成になっている。
本発明により、マスク基板やウェーハ等の基板にパターン描画する場合において、基板面上の位置での描画後の経過時間差に伴うパターン寸法変化を容易にしかも正確に補正することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、この実施形態の荷電ビーム描画装置の一例を示す概略構成図である。ここで、荷電ビームは特に限定されるものではなく、例えば電子ビーム、イオンビームなどを挙げることができる。以下の実施形態では、荷電ビームとして電子ビームを使用する例を挙げる。
図中14は基板室であり、この基板室14にはマスク基板などの基板11を載置したステージ15が収容されている。このステージ15は、ステージ駆動回路16によりX方向(紙面左右方向)及びY方向(紙面表裏方向)に駆動される。そして、ステージ15の移動位置は、例えばレーザー測長計を用いた位置回路17により計測されるものとなっている。
基板室14の上方には描画光学系20が配置されている。この描画光学系20は、電子光学鏡筒18内に設けられた、電子銃19、各種レンズ21〜25、ブランキング用偏向器26、ビーム寸法可変用偏向器27、ビーム走査用の主偏向器13aと副偏向器13b、および2個のビーム成形用アパーチャ28,29などから構成されている。
そして、主偏向器13aにより基板11上の所定の副偏向領域(サブフィールド)に位置決めし、副偏向器13bによりサブフィールド内での図形描画位置決めを行うと共に、ビーム寸法可変用偏向器27およびビーム成形用アパーチャ28,29によりビーム形状を制御する。そして、ステージ15を図7で説明したようにX方向に連続移動しながらサブフィールド及びその集合である描画フレームを描画処理する。このようにして、1回のステージ連続移動により描画可能な範囲である描画ストライプの全ての描画フレームを描画処理する。さらに、ステージ15を連続移動方向と直交する方向(図7のY方向)にステップ移動し、上記処理を繰り返して各描画ストライプを順次描画処理するものとなっている。
ここで、描画フレームは主偏向器13aの偏向幅により決まる短冊状の描画領域であり、サブフィールドは副偏向器13bにより決まる単位描画領域である。
一方、描画制御系30において、制御計算部31には磁気ディスク(記憶媒体)32が接続されており、このディスク32にはLSI用の原画パターンを荷電ビーム描画装置用に変換した描画パターンデータが格納されている。磁気ディスク32から読み出された描画パターンデータは、描画フレーム毎にパターンメモリ部に一時的に格納される。そして、描画フレーム毎の描画パターンデータ、すなわち描画位置および基本図形データなどで構成されるフレーム情報は、データ解読部で解読され、ブランキング回路33、ビーム成形器ドライバ34、主偏向器ドライバ35および副偏向器ドライバ36に送られるようになっている。
そして、ブランキング回路33はブランキング用偏向器26に接続し、電子ビーム12の照射量を変化させるようになっている。また、ビーム成形器ドライバ34はビーム寸法可変用偏向器27に接続し、電子ビーム12の形状および寸法を制御するようになっている。また、主偏向器ドライバ35は主偏向器13aに接続し、電子ビーム12を指定の描画フレームで偏向走査するようになっている。更に、副偏向器ドライバ36は副偏向器13bに接続し、サブフィールド内部の電子ビーム描画を行うようになっている。
また、制御計算部31は、上述したステージ駆動回路16を介してステージ15のX方向の連続移動およびY方向のステップ駆動を制御するようになっている。ここで、ステージ15の移動位置は、位置回路17を介して計測されて制御計算部31にフィードバックされる。
そして、制御演算部31はタイマーを備えており、電子ビーム12の描画フレームあるいは描画ストライプにおける描画時刻、ステージ15の移動時刻等を描画履歴として記録し描画時間情報を生成する。ここで、上記描画履歴は、後述するように、時間マップ演算部41で基板面上に作成するブロック単位に記録すると好適である。
更に、荷電ビーム描画装置には、本実施形態の特徴となる描画パターン補正系40が備えられる。この描画パターン補正系40は、時間マップ演算部41、パターン寸法変化量(ΔCD)マップ演算部42、温度マップ演算部43およびレジスト加熱処理部44により構成されている。ここで、上記時間マップ演算部41、ΔCDマップ演算部42および温度マップ演算部43は、本実施形態では制御計算部31に接続して配置されているが、制御計算部31に一体化してもよい。また、レジスト加熱処理部44は、その詳細は後述するが、基板室14と例えばロードロック室を介して連通する構造になっていてもよいし、基板室14とは隔絶する構造になっていても構わない。
時間マップ演算部41は、荷電ビーム描画装置の描画時間情報に基づき、基板11面上の位置における描画後の経過時間マップを作成するようになっている。この描画後の経過時間は、通常は基板11の描画終了までの経過時間である。あるいは、上記経過時間をPEBまでの時間としても構わない。時間マップ演算部41はデータ入出力部を有し、描画終了からPEBまでの時間データを自在に入力できるようになっている。また、後述の基板面上に作成するブロックを任意に指定できるようになっている。
次に、この基板11面における上記経過時間マップの作成方法について図2を参照して説明する。図2は、基板11の描画開始位置から描画終了位置までの間における描画を説明するための上面図である。図2に示すように、電子ビーム12は基板11上において矢印のように移動してその全面を描画するものとする。上述したように、主偏向器13aおよび副偏向器13bの電子ビーム12の走査、およびステージ駆動回路16のX方向の連続移動、によりサブフィールドおよび描画フレーム37内の描画パターンが、描画ストライプ38内において基板11上に描画される。
そこで、制御演算部31は、時間マップ演算部41が指定した一定数から成る上記描画フレーム37の集合体をブロックA〜Aとして、描画ストライプ38を上記ブロックにより例えば等分割する。そして、それぞれのブロックA(i=1〜m)の中で最後の描画パターンの描画の時刻を、各ブロックA(i=1〜m)の描画時刻として割り当てる。各ブロックA(i=1〜m)における最後の描画パターンの描画の時刻は、位置回路17による基板位置の計測と、タイマーによる上記最後の描画パターンの描画時刻の測定により決定される。
そして、1つの描画ストライプ38の描画が終わると、上述したようにY方向のステップ移動が起こる。そこで、次の新たな描画ストライプ38において上述したのと全く同様にして、新たな描画ストライプの各ブロックAへの描画時刻の割り当てが行われる。この繰り返しにより、最後の描画ストライプのブロックAへの描画時刻の割り当てが行われる。なお、各ブロックAの描画時刻としては、それぞれのブロックA(i=1〜n)の中で最初の描画パターンの描画時刻が用いられてもよい。このようにして、制御演算部31は、基板面を分割する上記ブロック単位の描画時間情報を生成する。
そして、時間マップ演算部41は、制御演算部31にある上記描画時間情報を抽出し、最後のブロックAの描画時刻から逆算して導出される経過時間を、それぞれのブロックA(i=1〜n)に対応させ描画後の経過時間マップを作成する。このように、基板11は、描画後の経過時間がそれぞれ決められたブロックA(i=1〜n)に等分割されることになる。ここで、このようなブロックによる基板11の分割は、上述したように、集合体にする描画フレーム37数を指定することにより任意に変更することが可能である。なお、上記ブロックは複数の描画ストライプに亘って形成してもよい。
ΔCDマップ演算部42は、使用される化学増幅レジストが有する描画後の経過時間におけるパターン寸法変化量の特性に基づいて、上記レジストのΔCDマップを作成するようになっている。そして、ΔCDマップ演算部42はデータ入出力部を有している。ここで、典型的なポジ型レジストは、描画パターンの幅が描画後の経過時間と共に細くなり、図3に示すようなパターン寸法変化量(ΔCD)の描画後の経過時間依存性を有する。そして、このΔCDは描画後の経過時間をtとすると、ΔCD=−a√tの式により表される。ここで、aはレジストの種類に依存した正の係数である。
このような場合、上式に従って、時間マップ演算部41で作成した基板11面の経過時間マップをΔCDマップに変換する。すなわち、基板11を分割したブロックA(i=1〜n)にΔCDをそれぞれ割り当てる。
しかし、上記化学増幅レジストの描画パターン寸法の経時変化の特性は、ポジ型レジストあるいはネガ型レジストにより異なると共に、同一型レジストであっても溶解抑止剤あるいは架橋剤の種類によっても異なってくる。これは、これ等の種類により、溶解抑止剤の分解あるいはベース樹脂の架橋の触媒作用に必要な酸濃度の限界量が変わってくるからである。そこで、予め実験的に求めた化学増幅レジストのΔCDと経過時間の関係から、それぞれ数値計算により経過時間マップをΔCDマップに変換する。これ等のΔCDと経過時間の関係は、上記データ入出力部からΔCDマップ演算部42に入力される。
温度マップ演算部43は、後述する描画後のレジストを加熱処理するときの基板面上の温度マップを設定する。そして、この温度マップ演算部43もデータ入出力部を有している。ここでは、使用される化学増幅レジストの固有の特性である、加熱処理における描画パターン寸法変化の温度特性に基づいて、上述したレジストのΔCDを相殺する温度マップを作成するようになっている。ここで、例えば図3に示したように描画後の経過時間で生じたレジストのΔCDが相殺されるように加熱温度が算出される。そして、ΔCDマップ演算部42で作成した基板11面のΔCDマップは加熱の温度マップに変換される。この加熱温度は、時間マップ演算部41において形成されたブロックA(i=1〜n)にそれぞれ割り当てられる。
上記加熱温度の算出では、レジストの加熱温度による描画パターン寸法変化について予め測定した特性が用いられる。このような特性についてその一例を図4に示す。図4では、図3に合わせて横軸に描画後に寸法幅が細くなるパターン寸法変化量をとり、縦軸に上記寸法を太くして上記細くなったパターン寸法を回復させる加熱温度をとっている。このように、図3で説明した描画後の経過時間が長くなりΔCDが大きくなるところには高い加熱温度が割り当てられるようになる。
上記の場合、例えば上記ポジ型レジストにおいては、電子ビーム12の描画によりレジストに生成した酸が描画後の経過時間とともに失活してパターンが細くなる。しかし、上記加熱処理を施すと、レジストパターン内で失活した酸を補うことができるので上記パターン寸法の細りが相殺されるようになる。
上記化学増幅レジストの加熱処理における描画パターン寸法変化の温度特性も、ポジ型レジストあるいはネガ型レジストにより異なると共に、同一型レジストであっても溶解抑止剤あるいは架橋剤の種類によっても異なってくる。このために、予め実験的に求めた化学増幅レジストの上記温度特性から、それぞれ数値計算により適切な加熱温度を算出する。ここで、上記温度特性のデータは、温度マップ演算部43のデータ入出力部から入力される。
そして、レジスト加熱処理部44は、上記温度マップに従って、描画後の基板11の加熱処理を行う。例えば図5に示すように、ヒータブロックB(i=1〜N)の集合体として構成された加熱プレート39表面に上記基板11を載置して、温度マップ演算部43で算出した加熱温度の熱量を基板11上のレジストに所定時間(例えば2分程度)付与する。ここで、各ヒータブロックB(i=1〜N)は、それぞれ独立した加熱領域になっており、それぞれ上述した温度マップの温度が基板11の各ブロックA(i=1〜n)に設定できるようになっている。ここで、ヒータブロックB(i=1〜N)の表面領域は、各ブロックA(i=1〜n)領域と同程度あるいはそれより小さい構造になっている。
その他、レジスト加熱処理部44では、赤外線ビーム照射による加熱処理装置を用いて、描画後の基板11に加熱処理を施すこともできる。この場合、基板11の裏面側から、上記温度マップに従って強度を変化させた赤外線ビームを照射する。この赤外線ビーム照射による加熱処理装置では、基板11のブロックA(i=1〜n)数が増加し精細な温度マップになる場合でも、適切な加熱処理が可能になる。
次に、本実施形態の荷電ビーム描画装置を用いた描画方法について概略説明する。初めに、例えばLSIの原画パターンが上記描画装置用に変換されて作成された描画パターンデータに従って、図7で説明したように、通常の描画方法により基板11上のレジストに例えば電子ビーム12で描画パターンを描画していく。
本実施形態では、この描画において、上記描画装置の制御計算部31が描画時間情報として、時間マップ演算部41で設定する図2に示したような基板11のブロックA(i=1〜n)における上述した描画時刻を、描画開始から描画終了までの描画履歴に記録していく。
次に、基板11の描画が終了すると、時間マップ演算部41により、基板11を分割したブロックA(i=1〜n)のそれぞれにおける描画後の経過時間を算出する。この描画後の経過時間を各ブロックA(i=1〜n)に割り当てて経過時間マップを作成する。
次に、上述したように、使用した化学増幅レジストの描画後の経過時間におけるパターン寸法変化量の特性に基づいて、ΔCDマップ演算部42により上記経過時間マップの経過時間をΔCDに変換してΔCDマップを作成する。
次に、温度マップ演算部43により、使用した化学増幅レジストの加熱処理における描画パターン寸法変化の温度特性に基づいて、上記ΔCDを相殺する加熱処理の温度を各ブロックA(i=1〜n)に割り当てて温度マップを作成する。
そして、レジスト加熱処理部44により、上記温度マップに基づいて、基板11の各ブロックA(i=1〜n)がそれぞれ適切な温度になるようにして、基板11を所定時間で加熱処理する。
このようにした後に、基板11に例えばPEB処理を施して現像処理する。この現像処理により、上記基板11上にレジストパターンが形成される。ここで、このレジストパターン寸法精度について図6を参照して説明する。図6は、図8の従来の技術の場合に対応して示した本実施形態の場合の基板面上の位置におけるレジストパターン寸法の分布である。図6に示すように、本実施形態では、基板面上の位置におけるレジストパターン寸法の変動は、従来の技術の場合よりも大幅に低減する。例えば250nmのパターン幅の基板面上の変動は、最大で2nmであり、従来の6nmの1/3になる。ここで、基板は6インチ□のレチクルであり、そのパターンの描画における描画開始から描画終了までの時間が10時間程度になる場合である。
上記レジストパターンの形成において、レジスト加熱処理部44による基板11の加熱処理をPEB処理として兼用し、そのまま現像処理を行うようにしてもよい。
本実施形態の荷電ビーム描画装置では、化学増幅レジストの場合のようにその描画後における経過時間によって生じる描画パターン寸法の変化を、その経過時間に合わせた加熱処理によって相殺するようにパターン補正する。このようにして、描画パターン寸法の微細化、描画パターン数の増大あるいは基板サイズの増大において、基板面上に形成されるパターン寸法は高精度に制御できるようになる。また、上記描画パターンの補正は、荷電ビーム描画と一体に自動的に行えるようになり、簡便で高効率にしかも種々の描画パターンに自在に対応できるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では基板がマスク基板であり、LSIの原画パターンが形成される場合について説明しているが、その他にLCD用の原画パターン、PWBのような回路基板用の原画パターンを形成する場合であってもよい。また、半導体ウェーハの基板面上にLSIの回路パターンを直接描画する場合であっても構わない。
また、レジストは、化学増幅レジストの場合に限定されるものではなく、その感度が経時変化する場合には本発明は同様にして適用される。
本実施形態にかかる荷電ビーム描画装置の一例を示す概略構成図。 本実施形態にかかる基板の描画開始位置から描画終了位置までの間における描画と、そのブロック分割を説明するための上面図。 レジストのパターン寸法変化量の描画後の経過時間依存性を示すグラフ。 図3のレジストのパターン寸法変化量を相殺する加熱温度を示すグラフ。 本実施形態にかかるヒータブロックB(i=1〜N)の集合体で構成される加熱プレートの斜視図。 本実施形態にかかる基板面上の位置におけるレジストパターン寸法の分布図。 本発明を説明するための基板を照射する電子ビーム描画の模式的な斜視図。 従来の技術における基板面上の位置におけるレジストパターン寸法の変動例を示すグラフ。
符号の説明
11 基板
12 電子ビーム
13 偏向器
13a 主偏向器
13b 副偏向器
14 基板室
15 ステージ
16 ステージ駆動回路
17 位置回路
18 電子光学鏡筒
19 電子銃
20 描画光学系
21〜25 各種レンズ
26 ブランキング用偏向器
27 ビーム寸法可変用偏向器
28,29 ビーム成形用アパーチャ
30 描画制御系
31 制御計算部
32 磁気ディスク
33 ブランキング回路
34 ビーム成形器ドライバ
35 主偏向器ドライバ
36 副偏向器ドライバ
37 描画フレーム
38 描画ストライプ
39 加熱プレート
40 描画補正系
41 時間マップ演算部
42 CDマップ演算部
43 温度マップ演算部
44 レジスト加熱処理部
(i=1〜n) ブロック
(i=1〜n) ヒータブロック

Claims (6)

  1. 基板上のレジストにパターンを描画する荷電ビームを発生させ該荷電ビームを集束し偏向する描画光学系と、前記基板を搭載し前記荷電ビームに対して基板を移動させるステージと、該ステージがその内部に配置される基板室と、前記荷電ビームの描画および前記ステージの移動を制御する描画制御系とを有する荷電ビーム描画装置において、
    前記描画制御系に記録される描画時間情報に基づいて、前記基板面上の位置における前記描画後の経過時間を演算処理する経過時間演算手段と、
    前記経過時間演算手段により求めた前記経過時間をパターン寸法変化量に変換する寸法変化量演算手段と、
    前記寸法変化量演算手段により求めた前記パターン寸法変化量を加熱処理温度に換算する加熱温度演算手段と、
    前記加熱処理温度を前記基板面上の位置に設定して前記レジストを加熱処理する基板加熱手段と、
    を備えることを特徴とする荷電ビーム描画装置。
  2. 前記描画時間情報は、前記荷電ビームの描画時刻および前記ステージの移動時刻の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の荷電ビーム描画装置。
  3. 前記経過時間演算手段は、描画パターンデータを分割する描画ストライプあるいは描画フレームに従って、前記基板面上の位置をブロック分割し各ブロックに前記描画後の経過時間を割り当てることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷電ビーム描画装置。
  4. 前記寸法変化量演算手段は、前記レジストの描画パターン寸法の経時変化特性に基づいて行うことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の荷電ビーム描画装置。
  5. 前記加熱温度演算手段は、前記レジストの加熱処理における描画パターン寸法変化の温度特性に基づいて行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の荷電ビーム描画装置。
  6. 基板上のレジストにパターンを描画するときに荷電ビームの描画時刻および前記基板の移動時刻を記録して描画時間情報を生成する工程と、
    前記描画時間情報に基づいて、前記基板面上の位置における前記描画後の経過時間を演算処理する工程と、
    前記基板面上の位置における経過時間をパターン寸法変化量に変換する工程と、
    前記パターン寸法変化量を加熱処理温度に換算する工程と、
    前記加熱処理温度を前記基板面上の位置に設定して前記レジストを加熱処理する工程と、
    を含むことを特徴とする荷電ビーム描画方法。
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