JP4758735B2 - 超音波画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波エコーの三次元データをもとに、三次元的な画像を生成する技術に関する。
超音波診断においては、生体等の診断対象の内部を三次元的に診断する場合がある。例えば、母胎に対する超音波診断では、しばしば、胎児の三次元的な診断を行い、その動画像を生成・表示する。このような三次元データの処理、あるいは時間を含めた四次元データの処理には、一般に膨大な計算が必要となる。
図21は、超音波画像処理装置における一般的な画像生成の処理態様を説明する図である。ここでは、超音波の送受信によって得られた三次元エコーデータ500をもとにして、二つのレンダリング処理が行われる。すなわち、レンダリング1処理部502と、レンダリング2処理部504は、互いに異なるレンダリングアルゴリズムで、共に全領域についての画像を生成する。そして、レンダリング1処理部502によって得られた画像に対してはαの重みが与えられ、レンダリング2処理部504によって得られた画像に対してはβの重みが与えられて、加算器506で加算処理される。この結果得られた合成画像は、ディスプレイ等の表示部508に表示される。
図22は、従来における画像生成処理の別の態様を説明する図である。この超音波画像処理装置においても、三次元エコーデータ500は二つのレンダリング処理系統によって処理されている。一つはレンダリング処理部510による処理系統であり、もう一つは平滑化フィルタ512及びレンダリング処理部514からなる処理系統である。平滑化フィルタ512は、当初の三次元エコーデータ500に対し平滑化処理を行って滑らかな三次元データを作成するフィルタである。平滑化は例えば3×3×3の大きさで平均化することにより行われる。この平滑化されたデータに対してレンダリング処理を行うレンダリング処理部514は、レンダリング処理部510と同じレンダリングアルゴリズムに従ってレンダリングを行う。したがって、この態様においては、解像度が異なる二つの三次元データから同じレンダリングアルゴリズムで算出された各画像が加算されて、表示用の画像が生成される。
図21及び図22に示した各態様においては、二つの異なる画像を重ね合わせて、画像生成を行った。すなわち、図21の例では異なるレンダリングアルゴリズムにより得た画像を重ね合わせ、図22の例では滑らかさの異なる三次元データから同じレンダリングアルゴリズムを用いて得た画像を重ね合わせた。こうした処理を行った場合、各画像の特徴を併せ持つ高画質の画像を得ることができる。
しかし、図21や図22に示した処理態様では、一つの画像を得るために、単一の画像を得る場合に比べて2倍程度の演算を必要とする。したがって、空間分解能が高い画像を迅速に得ることが困難となる。また、この手法により動画像を生成する場合には、フレームレートの低下を招くことにもなる。
なお、超音波エコーの三次元データを可視化する技術に関する文献としては、例えば、下記特許文献1を挙げることができる。ただし、この文献の技術は、遠近に応じて濃淡付けしたドプラ画像と組織画像を重ねて一枚の画像を生成するものであり、同種の画像を合成する本発明の態様とは異なるものである。
特許第3270158号公報
本発明の目的は、超音波エコーの三次元データから画像を生成するにあたり、画質の低下を防ぎつつ、画像処理の高速化を行う画像処理技術を確立することにある。
本発明の別の目的は、レイ毎にレンダリングを行って三次元的な超音波画像を生成するための新たな技術を開発することにある。
本発明の超音波画像処理装置は、三次元的な超音波診断により得られた診断対象内部についての三次元データに対し、複数のレイを設定して各レイに沿ってレンダリング処理を行い、少なくとも一部が重複しない二以上の部分画像を生成する生成手段と、各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは異なるレンダリング処理を設定する設定手段と、得られた二以上の部分画像を合成して、全体画像を生成する合成手段と、を備える。
超音波画像処理装置とは、超音波エコーデータをもとに、画像生成やその加工などの画像処理を行う装置である。画像処理は、画像処理専用のハードウエアを用いたり、汎用的な演算機能を備えたハードウエアをソフトウエア制御したりすることで実現される。三次元データは、超音波を生体等の診断対象に送信し、その反射波を受信して得られる。超音波画像処理装置は、超音波送受信機能を備えた装置(超音波診断装置)として構成されてもよい。超音波画像処理装置はこの三次元データをもとに画像を生成し、生成されたこの画像は典型的には液晶ディスプレイ等の表示装置に表示される。超音波画像処理装置は、この表示装置を内蔵するものであってもよい。
生成手段は、診断対象内部の三次元的測定により得られた超音波エコーの三次元データの情報を、レイに沿って適当な投影面に投影させて部分画像を生成する手段である。つまり、投影面を通って三次元データに入射されるレイ(光線)を設定し、レイが通過する三次元データ域の少なくとも一部の値を反映させて投影面にレンダリングする。これにより、投影面における部分画像が生成される。ここで、部分画像とは、一又は複数のレイに対応する画像であって、同一態様のレンダリング処理により生成される画像をいう。一つの部分画像は、空間的に分離した複数の領域により構成されていてもよい。各部分画像は、他の部分画像とその領域の全部又は一部が互いに重複しないように生成される。
設定手段は、各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは異なるレンダリング処理を設定する。異なるレンダリング処理とは、レンダリングの手法自体が異なるものであってもよいし、同一手法ながら処理パラメータを異ならせたり、処理に用いる三次元データの解像度を平滑化するなどして異ならせたりするものであってもよい。
合成手段は、生成された複数の部分画像を合成し、全体画像を生成する。合成は、例えば画素毎に重み付け加算をして行うことができる。近隣の画素や領域との間で、平滑化などの処理を行うことも可能である。合成における各部分画像の面積比(画素数比)や重みの比は、均等であってもよいし、不均等であってもよい。
この態様によれば、少なくとも一部が重複しない複数の部分画像を合成して、全体画像が形成される。したがって、全体画像は、部分画像に対応した各レンダリング処理の特徴を複合的に反映したものとなる。しかも、各部分画像は、少なくとも一部が重複しないため、単純に全体領域をカバーした二つの画像を生成して合成する場合に比べて、処理時間を短縮することが可能となる。これにより、画質の維持・向上と、画像処理の高速化を両立した画像形成を実現することができる。
本発明の超音波画像処理装置の一態様では、設定手段においては、各部分画像に対応するレイに対し、レンダリング結果に寄与する三次元データの空間的拡がりが他の部分画像に対応するレイとは異なるレンダリング処理を設定する。空間的拡がりは、レイ方向への拡がりであっても、レイと直交する方向への拡がりであってもよい。空間的拡がりが大きい場合には、平滑化された部分画像が形成され、空間的拡がりが小さい場合には、微細構造を反映した部分画像が形成される。
本発明の超音波画像処理装置の一態様では、設定手段においては、各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは、同じアルゴリズムかつ異なるパラメータをもつレンダリング処理を設定する。また、本発明の超音波画像処理装置の一態様では、設定手段においては、各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは、異なるアルゴリズムをもつレンダリング処理を設定する。アルゴリズムの例としては、Volume Rendering、VOL、MIP、X−ray,Shadedなどを挙げることができる。また、パラメータの例としては透過度や不透明度を挙げることができる。
本発明の超音波画像処理装置の一態様では、生成手段においては、領域が互いに重複しない二以上の部分画像を生成する。これにより、部分画像の生成効率を高めることができる。
本発明の超音波画像処理装置の一態様では、生成手段においては、一画素を模様形成の単位として、互いに補完する市松模様をなす二つの部分画像を生成する。市松模様とは、言い換えればチェス盤の模様である。一方が白、他方が黒のマス目パターンに従って配置され、各マス目の大きさは一画素からなる。
本発明の超音波画像処理装置の一態様では、合成手段においては、平滑化処理を行って、部分画像を滑らかに合成する。平滑化処理は、周囲の画素(領域)との間の値のギャップを小さくする処理であり、典型的には複数画素の値を重み付け平均するフィルタ処理により行われる。
本発明の超音波画像処理装置の一態様では、生成手段及び合成手段を繰り返して全体画像の時系列データを生成する場合に、設定手段においてもレンダリング処理の設定が繰り返し変更される。時系列データ(動画像データ)は、時系列の三次元データに対して生成手段及び合成手段を行うこと生成してもよいし、ある時刻の三次元データに対して次々と視点や投影面等を変えながら生成手段及び合成手段を行うこと生成してもよい。この時系列データの生成にあたっては、設定手段におけるレンダリング処理の設定が、1フレーム又は複数フレームを処理した段階で別の設定に変更される。これにより、全体画像のある箇所が常に同じ特性をもつことを回避し、時系列データの画質を向上させることができる。
なお、本発明の超音波画像処理装置は、三次元的な超音波診断により得られた診断対象内部についての三次元データに対し、複数のレイに沿ってそれぞれレンダリング処理を行って、画像を生成する手段と、一又は複数のレイに対し、他のレイとは異なるレンダリング処理を設定する手段と、を備えるものであってもよい。
本発明により、超音波エコーの三次元データから複数のレンダリング処理の特徴をあわせもつ三次元的な画像を効率的に生成することが可能となる。
図1は、超音波診断装置10の構成例を説明する概略的なブロック図である。この超音波診断装置10は、プログラム及びユーザ入力に基づいて当該装置を制御する制御回路部12を備えている。機械走査制御部14は、診断対象に対し超音波送受信を行うプローブ16の超音波走査を機械的に制御し、三次元的な走査を行う。また、送信制御部18は、超音波送信信号を適切なタイミング及び波形でプローブ16に送信する。これにより、圧電素子を備えたプローブ16は、超音波を送波するとともに、診断対象からの反射したエコーを受信して電気信号に変換する。
受信回路20は、プローブ16から出力された受信信号の増幅等を行う回路である。そして、信号処理部22では、受信信号をもとに三次元データの生成が行われる。この三次元データは三次元画像処理部24においてレンダリング処理され、得られた画像は表示部26のディスプレイに表示される。
この超音波診断装置10は、例えば、人体内部を診断する目的で使用される。具体例としては、母胎に対する診断を行って、胎児の姿形を動画表示する態様が挙げられる。この動画表示を行う場合には、プローブ16による超音波送受信をはじめとして、各処理が高速で繰り返し実行される。
図2は、図1に示した三次元画像処理部24での処理態様を模式的に示した図である。三次元画像処理部24では、信号処理部22が生成した三次元データ30をもとに、投影面32上で画像を生成する。ここでは、投影面32の各画素は、市松模様に二つに分けられて、それぞれ不透明度(Opacity)の高い設定と低い設定とがなされている。例えば、画素34は、Opacityが高く、その隣りの画素36はOpacityが低い。そして、画素36の隣りにはOpacityの高い画素38、画素38の隣りにはOpacityの低い画素40が続くというように設定がなされている。
投影面32の各画素に対しては、投影面32に垂直なレイ(つまり視点を無限遠に設定したレイ)が設定されている。具体的には、Opacityが高い画素に対してレイ50,54,...が設定され、Opacityが低い画素に対してレイ52,56,...が設定されている。そして、こうしたレイに沿って三次元データ30の少なくとも一部の値が参照され、その画素における画素値が決定される。
ここで、一例としてVOLのアルゴリズムにおける画素値の決定手順について説明する。演算過程における画素値の出力をCout、画素値の入力をCin、三次元データのレイ上の各値をei、各eiに与えられた不透明度をαi(0≦αi≦1)とした場合、VOLのアルゴリズムでは、
out=Cin(1−αi)+αi×ei (1)
の演算がレイに沿って手前側から奥側へと順次実行される。そして、
Σαi≧1 (2)
の条件を満たした時点でそのレイについての演算を終了し、Coutが画素値として出力される。
不透明度αiは、Opacityの高低に応じた異なる値に設定される。図3は、Opacityの設定を説明するためのグラフである。横軸は、三次元データにおけるエコー値を0〜255の256階調で表しており、縦軸は、各エコー値に対して与えられるOpacityを表している。このグラフには、5通りの設定曲線60,62,64,66,68が描かれている。例えば、一番上側の設定曲線60は、最も不透明な画像を得るために設定されるエコー値とOpacityとの関係が示されており、最も反射強度が強い255のエコー値に対しては、全く透過性がないことを示す1のOpacityが与えられる。これに対し、一番下側の設定曲線68は、最も透明性のある画像を得るためのものであり、最も反射強度が強い255のエコー値に対しても比較的透過性が高い0.2のOpacityが与えられる。
図4は、レイ上の複数のサンプル点のうち、どのレイが参照されるかをOpacityが高い場合(図4(a))と、Opacityが低い場合(図4(b))とで比較した図である。両図においては、各データのエコー強度は同じであることを仮定している。
図4(a)においては、高不透明度のレイ70に沿って存在するサンプル点72,74,...のうち、表面から四つのサンプル点72,74,76,78がレンダリングに用いられている。これに対し、図4(b)においては、低不透明度のレイ100に沿って存在するサンプル点102,104,...のうち、表面から11個のサンプル点102,...,110がレンダリングに用いられている。この違いは、高Opacityの場合には式(2)の条件を満たすのに4個のサンプル点で足りたのに対し、低Opacityの場合には11個のサンプル点を要したことによる。結果として、Opacityが低い図4(b)の場合には、表面から深く入り込んだサンプル点の値も参照されて輝度値が決定されることとなり、図4(a)の場合に比べて深部までを透過的に反映した画像が形成される。
このようにして、市松模様を構成する二種類の部分画像が生成される。図5は、市松模様の一方の領域を占める部分画像130と他方の領域を占める部分画像132とを合成して、全体画像134を算出するアルゴリズムを説明する図である。ここでは、隣接する画素との間で平滑処理を行って画素値を決定している。具体的には、各画素については、その画素の画素値をαの重みで、隣接する画素の画素値をβの重みで足し合わせて全体画像134の画素値を決定している。これにより、部分画像130,132の生成処理態様の違いに起因する画素値のギャップを小さくすることができる。
なお、合成は、この他にも様々に行うことが可能である。例えば、各画素について、その画素を中心とした3×3画素や5×5画素の画素値を適当な重み付けで足し合わせて画素値を決定することが可能である。この合成操作は、等方的に平滑化を行いうる点で優れている。また、このような平滑処理を行わずに、単純に両部分画像の画素値を全体画像の画素値として採用することも可能である。この態様は、個々の画素の画素値の原情報が失われない点で優れている。
図6は、以上に述べた処理の流れをまとめた図である。すなわち、入力される三次元データ140に対し、各レイ1,2,...,Nについてそれぞれレンダリングを施す。レンダリングのアルゴリズム又はパラメータはレイ毎に設定される(144)。これにより得られた部分画像は、平滑化して合成するフィルタリング146の処理を受け、表示部へと送られる(148)。
各レイについてのアルゴリズム又はパラメータは、時間的に変化させることができる。図7は、この態様を説明する図である。図6と同様の構成には同一の番号を付して説明を簡略化する。ここでは、新たな三次元データ140が生成されると、その旨を示す切替信号が入力され(150)、その都度レンダリングのパラメータあるいはアルゴリズムが変更される(144)。典型的には、二つのパラメータあるいはアルゴリズムが、新たな入力のたびに入れ替えられる。そして、投影画像152と、例えば一つ前の投影画像の記憶結果(154)とが加算器156によって足し合わされ、フィルタリング146及び表示を行う(148)ように設定することができる。
なお、レンダリング142により得られた投影画像152は、そのままフィルタリング146に処され、表示部へ送られるようにしてもよい(148)。これにより、時間分解能の細かい画像を出力することができる。また、この場合には、各フレーム間のギャップは、それを見る者の視神経系において無意識に施されるフィルタ作用により緩和されることが期待できる。
以上に説明したレンダリング処理の態様は、様々に変更することが可能である。例えば、二つの部分画像を市松模様ではないパターンに従って生成することができる。特に、両部分画像の面積比を1対1以外に設定する場合には、一般には、少なくとも関心領域において、市松模様の代わりに両画像を十分に均一に分布させた配置パターンを選ぶ必要がある。また、三つ、四つさらにはそれ以上の数のレンダリング処理により部分画像を生成する場合にも、これらの部分画像をバランスよく配置したパターンを選ぶ必要がある。
各部分画像において、レンダリングパラメータの代わりに、レンダリングアルゴリズムを異ならせる態様としては、例えば、VOLのアルゴリズムとXrayアルゴリズムとの組み合わせ例を挙げることができる。すなわち、一方の部分画像を、式(1)と式(2)で示したVOLのアルゴリズムに従って形成するとともに、他方の部分画像を
out=1/N×Σ1 Ni (3)
によって定義されるXrayのアルゴリズムに従って形成する。これにより、診断対象の表面構造を示す画像と、診断対象の深さ方向の平均構造を示す画像とを組み合わせた全体画像を得ることができる。この他にも、Volume Rendering、VOL、MIP、X−ray,Shadedなどの各アルゴリズムを適当に組み合わせることも有効である。
続いて、図8〜図20に、試験的に画像処理を行った結果を示す。用いた三次元データは、いずれも、母胎に対して超音波診断を行って得た胎児の頭部付近についてのデータである。
図8〜図13は、二つの部分画像を異なるアルゴリズムを用いて生成し、合成する態様を説明する図である。図8は、投影面の全ての画素について、Shadedのアルゴリズムに基づき胎児の表面を可視化した結果を示している。この図では、左側方のやや後ろ側から見た胎児の頭部付近が高分解能で表現されており、目、鼻、口などの顔の構造や、左肩及び左手の存在も確認できる。しかし、この画像では、超音波診断のノイズのために胎児の表面には細かな凹凸が見られる他、額の前方等において母胎内の浮遊物に起因すると思われる物体が表現されてしまっている。このため、画像を見る母親にとって胎児がかわいく感じられないといった問題がある。
図9は、投影面の全ての画素について、Xrayアルゴリズムを用いて胎児の表面を可視化した結果を示している。この画像は、図8と同じレイを用いて生成したものであり、胎児の厚みについての情報が表現されている。図8との違いとしては、細かな構造は反映されておらず大まかな構造だけが認識できる点や、奥行きに欠ける鼻や手の構造が表現されていない点が指摘できる。
図10は、図8と図9の画像を0.5ずつの重みで加算して得られた画像を示している。この画像では、胎児の表面の凹凸が比較的滑らかに表現され、胎児の表情が穏やかなものとなっている。ただし、この画像は、図8と図9の各図を得るために、通常の2倍のレンダリング処理を行う必要があり、計算量の観点からは好ましくない。
図11は、図8と図9の画像を、それぞれ市松模様に切り取って、嵌め合わせることで形成した画像である。この画像では、図10と同様に胎児の表面の凹凸が比較的滑らかになり、胎児がかわいらしく表現されている。しかも、この図は、図10の場合の半分の処理時間で生成可能であり、特に動画像を生成する上で優れている。ただし、図9において表現されていない構造部分では、市松模様の微細なパターンが見えてしまっており、若干画質が低下している。
市松模様のパターンが問題となる場合には、平滑化フィルタをかけて両図を合成することが有効となる。図12は、図11の画像に対し3×3画素の平滑化フィルタをかけた例である。この場合には、市松模様は若干目立つ程度にまで減少し、図11の画像がもつ微細構造も十分に表現されている。また、図13は、図11の画像に対し5×5画素の平滑化フィルタをかけた例である。この場合には、市松模様はほぼ完全に解消できている。ただし、図12の場合に比べて微細構造がややぼやけている。フィルタ操作の有無、あるいはフィルタの形状は、必ずしも常に同じ設定とする必要はなく、表現したい構造の大きさなどに応じて適宜変更するようにしてもよい。
次に、図14〜図17を用いて、二つの部分画像を同一のアルゴリズム(Shadedのアルゴリズム)かつ異なるパラメータにより生成し、合成する態様を説明する。図14は、Opacityを低く設定して得られた画像であり、図15は、Opacityを高く設定して得られた画像である。Opacityが低い場合には、胎児の表面から深部までが広く反映されるため、図14では胎児の表面が比較的滑らかになっている。これに対し、Opacityが高い場合には、胎児の表面付近からの超音波エコーのみによって胎児の画像が作られる。したがって、図15では、胎児表面の凹凸や胎児の周囲の浮遊物等が目立った画像となっている。
図16は、図14と図15をそれぞれ市松模様に切り取り、嵌め合わせた図である。この図では、図14と図15を平均化したような画像が得られている。ただし、図11の場合と同様に市松模様が目立つ部分が存在しており、拡大表示した場合には画質の低下として認識されるおそれがある。この市松模様は、平滑化フィルタによって消すことができる。図17は、図16の画像に対し、3×3の平滑化フィルタを施した画像を示している。図11に対して3×3の平滑化フィルタを施した図12の場合には、部分的に市松模様が残ったが、この図17では市松模様はほぼ完全に消滅している。これは、図14と図15の近似度が、図8と図9の近似度に比べて高いためであると考えられる。
最後に、図18〜図20を用いて、市松模様の位相を一フレームづつ入れ替える態様について説明する。図18と図19は、(a)に示した位相に従って、図8のShadedのアルゴリズムによる画像と、図9のXrayのアルゴリズムによる画像とを合成した画像(b)を示す図である。すなわち図18(b)の画像は、図18(a)のパターンAに従って合成し、図19(b)の画像は、図19(a)のパターンBに従って合成している。この場合、両画像の違いは小さく、いずれも図11に示した画像によく似た画像が得られている。
したがって、単体の静止画を作成する上では、市松模様の位相を入れ替える利点は少ない。しかし、連続的な動画像として表示する場合には、この入れ替えは大きな効果を発揮する。例えば、各フレームの表示間隔が短い場合には、それを見る者の残像の効果を利用すれば、連続するフレームは足し合わされて認識される。したがって、両画像に残る市松模様が打ち消されて認識されることになる。また、連続する二つの画像を合成して、各フレームの画像を生成することも有効である。図20は、図18の画像と図19の画像とを平均化した画像を示している。この画像は、図10の画像と同様に、全画素について、ShadedのアルゴリズムとXrayのアルゴリズムとが平均化された画像となっている。そして、時間的な動きが小さい限り、市松模様が消え、高品質の画像が得られることとなる。
超音波診断装置の構成例の概略を示すブロック図である。 三次元データをレイに沿って投影面に投影する様子を示す模式図である。 パラメータ毎にエコー値と不透明度の関係を示す図である。 レイ上のサンプル点と不透明度の関係を示す模式図である。 部分画像の合成例を説明する図である。 レンダリング処理の流れの例を説明する図である。 レンダリング処理の流れの変形例を説明する図である。 Shadedのアルゴリズムに従って生成した画像である。 Xrayのアルゴリズムに従って生成した画像である。 図8と図9を0.5ずつ加算して生成した画像である。 図8と図9の画像を市松模様に並べて生成した画像である。 図11の画像に3×3の平滑化フィルタを施して生成した画像である。 図11の画像に5×5の平滑化フィルタを施して生成した画像である。 Shadedのアルゴリズムで低不透明度の設定で生成した画像である。 Shadedのアルゴリズムで高不透明度の設定で生成した画像である。 図14と図15の画像を市松模様に並べて生成した画像である。 図16の画像に3×3の平滑化フィルタを施して生成した画像である。 図8と図9の画像を並べる市松模様のパターンA(a)と得られた画像(b)である。 図8と図9の画像を並べる市松模様のパターンB(a)と得られた画像(b)である。 図18と図19を0.5ずつ加算して生成した画像である。 従来におけるレンダリング処理例を示す図である。 従来における別のレンダリング処理例を示す図である。
符号の説明
10 超音波診断装置、12 制御回路部、14 機械走査制御部、16 プローブ、18 送信制御部、20 受信回路、22 信号処理部、24 三次元画像処理部、26 表示部、30 三次元データ、32 投影面、34〜40 画素、50〜56 レイ、60〜68 設定曲線、70 高不透明度のレイ、100 低不透明度のレイ。

Claims (8)

  1. 三次元的な超音波診断により得られた診断対象内部についての三次元データに対し、複数のレイを設定して各レイに沿ってレンダリング処理を行い、少なくとも一部が重複しない二以上の部分画像を生成する生成手段と、
    各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは異なるレンダリング処理を設定する設定手段と、
    得られた二以上の部分画像を重み付け加算処理により合成して、全体画像を生成する合成手段と、
    を備える、ことを特徴とする超音波画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の超音波画像処理装置において、
    設定手段においては、各部分画像に対応するレイに対し、レンダリング結果に寄与する三次元データの空間的拡がりが他の部分画像に対応するレイとは異なるレンダリング処理を設定する、ことを特徴とする超音波画像処理装置。
  3. 請求項1に記載の超音波画像処理装置において、
    設定手段においては、各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは、同じアルゴリズムかつ異なるパラメータをもつレンダリング処理を設定する、ことを特徴とする超音波画像処理装置。
  4. 請求項1に記載の超音波画像処理装置において、
    設定手段においては、各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは、異なるアルゴリズムをもつレンダリング処理を設定する、ことを特徴とする超音波画像処理装置。
  5. 請求項1に記載の超音波画像処理装置において、
    生成手段においては、領域が互いに重複しない二以上の部分画像を生成する、ことを特徴とする超音波画像処理装置。
  6. 三次元的な超音波診断により得られた診断対象内部についての三次元データに対し、複数のレイを設定して各レイに沿ってレンダリング処理を行い、少なくとも一部が重複しない二以上の部分画像を生成する生成手段と、
    各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは異なるレンダリング処理を設定する設定手段と、
    得られた二以上の部分画像を合成して、全体画像を生成する合成手段と、
    を備え、
    生成手段においては、一画素を模様形成の単位として、互いに補完する市松模様をなす二つの部分画像を生成する、ことを特徴とする超音波画像処理装置。
  7. 三次元的な超音波診断により得られた診断対象内部についての三次元データに対し、複数のレイを設定して各レイに沿ってレンダリング処理を行い、少なくとも一部が重複しない二以上の部分画像を生成する生成手段と、
    各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは異なるレンダリング処理を設定する設定手段と、
    得られた二以上の部分画像を合成して、全体画像を生成する合成手段と、
    を備え、
    合成手段においては、平滑化処理を行って、部分画像を滑らかに合成する、ことを特徴とする超音波画像処理装置。
  8. 三次元的な超音波診断により得られた診断対象内部についての三次元データに対し、複数のレイを設定して各レイに沿ってレンダリング処理を行い、少なくとも一部が重複しない二以上の部分画像を生成する生成手段と、
    各部分画像に対応するレイに対し、他の部分画像に対応するレイとは異なるレンダリング処理を設定する設定手段と、
    得られた二以上の部分画像を合成して、全体画像を生成する合成手段と、
    を備え、
    生成手段及び合成手段を繰り返して全体画像の時系列データを生成する場合に、設定手段においてもレンダリング処理の設定が繰り返し変更される、ことを特徴とする超音波画像処理装置。
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