JP4754847B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機等に適用される圧縮機に関するものである。
空気調和機等に適用される圧縮機としては、圧縮機構から吐出された流体に混入した潤滑油を流体から分離するための油分離室が、リアハウジング内(吐出室側)に設けられたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2003−129975号公報
上述の特許文献1の発明において、油分離室により分離された潤滑油は、一旦、油溜まり室に貯溜された後、固定側板に形成された潤滑油経路(連通路)を通して吸入室側に戻され、吸入室側に配置された軸受、ブッシュ、その他摺動部に供給されて、それらの潤滑が行われるようになっている。
本発明は、吸入室側に戻される潤滑油をさらに積極的に吸入室側に配置された軸受、ブッシュ、その他摺動部に供給することができ、最も運転条件の厳しいとき(例えば、車両搭載用圧縮機の場合、一般に高外気温度時のアイドリング運転時など高圧が上昇しやすく、軸受負荷が厳しくなり、圧縮機運転状態の一例として、圧縮機回転数約1200(r.p.m.)、高圧約2.8(MPa)、低圧約0.35(MPa)程度となる。)でもこれら部材等を十分に潤滑することができる圧縮機を提供することを目的する。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による圧縮機は、内部に空間を有するハウジングと、前記ハウジング内に配置され、前記空間内に取り込まれた流体を圧縮する圧縮機構と、前記ハウジング内に配置され、前記圧縮機構から吐出された流体に混入した潤滑油を該流体から分離する油分離室と、前記油分離室により分離された潤滑油を貯留する油溜まり室と、前記油溜まり室と前記空間とを連通する連通路とを備えた圧縮機であって、前記連通路に絞り部が設けられており、前記絞り部は、前記連通路の下流端に設けられ、前記潤滑油の流れを加速する加速部とされ、前記連通路の出口側に形成された開口と対向する位置に、前記連通路の出口から噴出した油を受ける受け部が設けられているとともに、前記受け部は、その下端が前記開口の下端よりも下方に位置するとともに、その上端に行くに従い前記開口からしだいに離隔するようにして傾斜する傾斜面を有していることを特徴とする。
このような圧縮機によれば、連通路を通過する潤滑油は、連通路に設けられた絞り部を通過する際に加速され、連通路の出口側に形成された開口から空間内に向かって勢いよく噴出することになる。
また、このような圧縮機によれば、連通路を通過する潤滑油は、連通路の下流端に設けられた絞り部を通過する際に加速され、加速された状態で連通路の出口側に形成された開口から空間内に向かって勢いよく噴出することになる。
さらに、このような圧縮機によれば、連通路の出口側に形成された開口から空間内に向かって勢いよく噴出した潤滑油は、受け部に向かって飛んでいくとともに、受け部に衝突して(当たって)周囲に跳ね返る(飛散する)ことになる。
さらにまた、このような圧縮機によれば、連通路の出口側に形成された開口から空間内に向かって勢いよく噴出した潤滑油は、受け部の傾斜面に向かって飛んでいくとともに、この傾斜面で反射させられ、空間内に配置された、例えばバランスウェイトや旋回スクロールによって攪拌され(掻き上げられ)た後、空間の吸入室側に配置された軸受、偏心ブッシュ、その他摺動部に供給されることになる。
また、本発明によるスクロール型圧縮機は、固定スクロールと、旋回スクロールと、前記旋回スクロールを駆動する駆動部と、前記駆動部を収める駆動部空間を形成するハウジングと、を有するスクロール型圧縮機において、当該スクロール型圧縮機内の高圧側に設けられた油貯留部と低圧側とを連通させるとともに、絞り部を有する連通路を備え、前記連通路の低圧側開口から噴出した油を受ける受け部を前記ハウジングの前記開口部と対向する位置に設け、当該受け部を前記駆動部空間と連通させ、前記受け部は、その下端が前記開口の下端よりも下方に位置するとともに、その上端に行くに従い前記開口からしだいに離隔するようにして傾斜する傾斜面を有することを特徴とする。
このようなスクロール型圧縮機によれば、絞り部によって圧力を調整された油が開口から噴出した後は受け部に供給され、ひいては駆動部に供給される。
また、このようなスクロール型圧縮機によれば、傾斜面により噴出により飛翔してきた油が駆動部側にはねるので、より確実に駆動部に供給できる。
また、連通路は前記開口を有する低圧側絞り部と、当該低圧側絞り部よりも高圧側に位置する高圧側絞り部とを備え、当該高圧側絞り部の流路抵抗が前記低圧側絞り部の流路抵抗よりも大きい構成としても良い。
このようなスクロール型圧縮機によれば、減圧された油を高圧側絞り部と低圧側絞り部との間に保持することができるため、油切れを生じさせることなく低圧側絞り部の開口から油を噴出させることができる。
また、低圧側絞り部の断面積Aは、
A2≦C2・(π2ΔP2/(8192μ2g))・(D8/l2)・(h/L2))
(ここで、Cは流量係数、ΔPは差圧、μは潤滑油の実粘度、gは重力加速度、Dは高圧側絞り部の絞りの水力直径、lは高圧側絞り部の絞りの長さ、hはヘッド差(開口の中心と受け部の底面との垂直距離)、Lは距離(受け部の端面と開口との水平距離)である)
を満たす構成とすることが好適である。
このようなスクロール型圧縮機によれば、連通路を設ける位置にかかわらず、低圧側絞り部の面積を定めることにより、確実に開口から噴出した油が受け部に到達する圧縮機を提供できる。
また、低圧側絞り部は円形断面をなすように設けられるものであって、当該円形断面の内径dは、
d4≦C2・(ΔP2/(512μ2g))・(D8/l2)・(h/L2))
(ここで、Cは流量係数、ΔPは差圧、μは潤滑油の実粘度、gは重力加速度、Dは高圧側絞り部の絞りの水力直径、lは高圧側絞り部の絞りの長さ、hはヘッド差(開口の中心と受け部の底面との垂直距離)、Lは距離(受け部の端面と開口との水平距離)である)
を満たす構成とすることが好適である。
このようなスクロール型圧縮機によれば、連通路を設ける位置にかかわらず、低圧側絞り部の内径を定めることにより、確実に油を受け部に到達させることができる。
本発明による圧縮機によれば、吸入室側に戻される潤滑油をさらに積極的に吸入室側に配置された軸受、ブッシュ、その他摺動部に供給することができ、最も運転条件の厳しいとき(例えば、高負荷アイドリング時(回転数約1200(r.p.m.)、高圧約2.8(MPa)、低圧約0.35(MPa))でもこれら部材等を十分に潤滑することができるという効果を奏する。
以下、本発明による圧縮機(以下、「スクロール型圧縮機」という)の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明がこれに限定解釈されるものでないことは勿論である。
図1に示すように、本実施形態によるスクロール型圧縮機10は、内部に密閉空間mを有するハウジング11と、このハウジング11内に配置され、密閉空間m内に取り込まれた冷媒ガス(流体)を圧縮するスクロール圧縮機構12と、このスクロール圧縮機構12を駆動する回転軸13と、このスクロール圧縮機構12を公転駆動する駆動部を主たる要素として構成されたものである。
ハウジング11は、フロントハウジング14と、リアハウジング15とを備えてなり、これらを組み合わせてから複数本のボルト(図示せず)で結合することにより、内部に密閉空間mが形成されるようになっている。なお、符号16は、これらフロントハウジング14およびリアハウジング15間の接合部分をシールして、密閉空間mの密閉状態を保つ一本のOリングである。また、フロントハウジング14の端面には、この端面と合致するスラストプレート14aが設けられており、スラストプレート14aには、後述する受け部38に対応する図示しない穴(切欠)が形成されている。
リアハウジング15の側部前側には、冷媒ガスを吸入する吸入口(図示せず)が、密閉空間mに連通するように形成されており、リアハウジング15の上部後側には、スクロール圧縮機構12で圧縮され、油分離室(図示せず)により冷媒ガス中の潤滑油が分離された後の圧縮冷媒ガスを吐出する吐出口15aが形成されている。また、リアハウジング15の吐出側(高圧側)には、油分離室により分離された潤滑油を貯留する油溜まり室18(油貯留部)が形成されている。
なお、油分離室は、遠心分離型など油分離機能を有し、分離した油を油溜まり室18に導出するものであればよい
スクロール圧縮機構12は、固定スクロール21と、旋回スクロール22とを備えるものである。
固定スクロール21は、固定端板21aとその内面に立設された渦巻状壁体21bとを備え、固定端板21aの中央部には、吐出ポート21cが形成されている。この吐出ポート21cは、ボルト(図示せず)を介して固定端板21aの後側表面(背面)に取り付けられた吐出弁(図示せず)により開閉される。
固定スクロール21の下端部には、油貯め室18の底部と密閉空間mの吸入側底部とを連通する連通路(潤滑油経路)23が形成されており、この連通路23の上流側端部内には、上流側からフィルタ24および流量調整用の螺旋ピン25が配置されている。連通路23および螺旋ピン25については、後でさらに詳しく説明することにする。
旋回スクロール22は、旋回端板22aとその内面に立設された渦巻状壁体22bとを備えている。旋回端板22aの外面に立設されたボス22c内には、偏心ブッシュ31が、ニードル軸受32を介して回転自在に嵌合され、この偏心ブッシュ31に穿設された穴に、回転軸13の端部から突出した偏心ピン13aが嵌合されている。そして、固定スクロール21と旋回スクロール22とを相互に所定距離だけ偏心させ、かつ180度だけ角度をずらして噛み合わせることにより、複数の圧縮室Cが形成されるようになっている。
また、旋回スクロール22とフロントハウジング14との間には、オルダムリング(自転防止機構)33が設けられており、回転軸13を回転させたときに、旋回スクロール22が偏心ブッシュ31回りに自転しないようになっている。したがって、回転軸13を回転させたとき、旋回スクロール22は自転せず公転旋回運動のみを行うようになっている。また、偏心ブッシュ31にはバランスウェイト34が設けられており、旋回スクロール22の公転に伴う遠心力を相殺するようになっている。
回転軸13は、エンジンや電動モータ等の図示しない駆動機構により、その軸線回りに回転するロータシャフトであり、その先端には、偏心した軸線を有する前述した偏心ピン13aが突出形成されている。そして、この回転軸13は、フロントハウジング14側に設けられた第1軸受35および第2軸受36により、その軸線回りに回転可能に支持されている。
なお、エンジンや電動モータ等からの駆動力は、図示しない電磁クラッチを介して、回転軸13へ伝達されたりされなかったりするようになっている。
また、符号37は、固定スクロール21およびリアハウジング15間の接合部分をシールして、密閉空間mの密閉状態を保つ一本のOリングである。
以上説明した各要素により旋回スクロールを公転駆動する駆動部が構成されるものであるが、具体的に説明すると、このような構造を有するスクロール型圧縮機10では、電磁クラッチが入れられることによりエンジンや電動モータ等からの駆動力が回転軸13に伝達されるとともに回転軸13が回転され、この回転が偏心ピン13a、偏心ブッシュ31、およびボス22cを介してスクロール圧縮機構12の旋回スクロール22に伝達される。旋回スクロール22はオルダムリング33により自転を阻止されながら公転旋回半径を半径とする円軌道上で公転旋回運動を行うようになっている。
そうすると、冷媒ガスが吸入ポートを介してハウジング11の密閉空間mに入り、図示省略の経路を経てスクロール圧縮機構12の圧縮室Cに吸入される。そして、旋回スクロール33の公転旋回運動によって圧縮室Cの容積が減少するのに伴い冷媒ガスが圧縮されながら中央部に至り、吐出ポート21cから潤滑油を含んだ冷媒が油分離室に導かれるとともに、油分離室の内壁面に沿って旋回させられる。その結果、冷媒中に混入していた潤滑油は、遠心分離作用により油分離室の内壁面に沿って旋回しながら下方に落下していって油溜まり室18に貯まり、一方、潤滑油が分離された冷媒は、内筒の内側およびリアハウジング15の吐出ポート15aを経て冷媒が外部に吐出されるようになっている。
したがって、本実施形態では、冷媒圧力の観点からするとスクロール型圧縮機10内部において吐出ポート21cや油溜まり室18などを備える側が高圧側となり吸入ポートや第1軸受35などを備える側が低圧側となる。
さてここで、連通路23および螺旋ピン25について詳しく説明する。
連通路23は、スクロール型圧縮機10内の高圧側に設けられた油溜まり室18と低圧側とを連通させるものであり、さらには、螺旋ピン25の外径と略同じ内径を有する大径部23aと、この大径部23aの内径よりも小さい内径を有する小径部(絞り部)23bとを備えてなり、これら大径部23aおよび小径部(上流側よりも径が縮小された縮径部)23bは、上流側(油溜まり室18の側)から大径部23a、小径部23bの順に形成されている。
螺旋ピン25は、概略円筒形状を有する部材であり、両先端部にはテーパ部25aが形成されているとともに、これらテーパ部25aを除く本体部25bの側面には螺旋状の溝(以下、「螺旋溝」という)25cが切られている。この螺旋ピン25は、大径部23a内の上流側(油溜まり室18の側)に配置されている。フィルタ24を通過した潤滑油は、螺旋溝25cを通って螺旋ピン25の下流側に位置する大径部23a内に一旦流出した後、小径部23bを通って密閉空間mの吸入側底部に流出(噴出)させられるようになっている。
ここで、絞り部23bは、旋回スクロール22側に開口する連通路23の端部開口23cを有するが、螺旋ピン25によって形成される絞り部とは大径部23aにより形成される空間を介在させることにより異なる流路抵抗を設定可能な独立した絞り構成を実現できる。
より詳細には、主たる目的を高圧側から低圧側に油を戻すための圧力・流量調整部としての高圧側絞り部を前述した螺旋溝により形成し、一方で、連通路23から油を噴出させる圧力・流量調整部としての低圧側絞り部を前述した小径部23bにより形成する。このため、本実施形態では、高圧側絞り部の流路抵抗が前記低圧側絞り部の流路抵抗よりも大きくし、適切な圧力状態の油を高圧側から低圧側に確実に供給している。
また、小径部23bの下流端に設けられた開口23cと対向する位置には、(潤滑油)受け部38が設けられている。この受け部38は、密閉空間mの吸入側底部に存するフロントハウジング14の内壁面に形成された切欠部(凹所)である。受け部38の底面は、図1に示すように、半径方向内側から半径方向外側にかけて小径部23bの開口23cに漸次近づくように形成された、略一定の幅を有する斜面となっており、その下端は、小径部23bの開口23cの下端よりも下方に位置するように形成されている。
図2は、フィルタ24を通過した潤滑油の流路となる、螺旋溝25c、大径部23a、および小径部23bを模式的に描いた図である。すなわち、フィルタ24を通過した潤滑油は、螺旋溝25c、大径部23a、および小径部23bを順次通過した後、開口23cからヘッド差h、距離Lだけ離間した位置にある受け部38に向かって噴出されることとなる。
以下、詳細に二つの絞り部について説明する。図2に示したように、高圧側絞り部として機能する螺旋溝(流量調整用絞り)25cと低圧側絞り部として機能する小径部(加速用絞り)23bでは、螺旋溝25cの方が流路抵抗が大きくなるよう設定されている。螺旋溝25cにて高圧側の油溜まり室18に蓄えられる油は、高圧から低圧に減圧されつつ、返油される流量が調整される。ここで流量をQとすると、ハーゲンポアズイユの式から
Q=C・(πDΔP/128μl)・・・・・・(1)
であらわされる。
ここで、Cは流量係数、Dは高圧側絞り部の水力直径、ΔPは高圧と低圧の差圧、μは油の実粘度、lは高圧側絞り部の絞りの長さである。
また開口23cと受け部38の位置的相関より、開口23cから噴出される油は、ヘッド差hと距離Lを超えて受け口に到達するために、低圧側絞り部の断面積をAとした場合、下記の条件式を満たす必要がある。
≦(2Q/g)・(h/L
ここでQは(1)式より得られる流量、gは重力加速度である。
結果、(1)、(2)式より下式が導かれる。
≦C・(πΔP/(8192μg))・(D/l)・(h/L))・・(3)
ここで、Cは流量係数、ΔPは差圧、μは潤滑油の実粘度、gは重力加速度、Dは高圧側絞り部の水力直径、lは高圧側絞り部の長さ、hはヘッド差、Lは距離である。
(3)式より例えば、低圧側絞り部の絞りが円形断面である場合、
≦C・(ΔP/(512μg))・(D/l)・(h/L))・・・・(4)
となるようなdに設定するのがよい。
つぎに、開口23cの中心と受け部38の底面とのヘッド差(垂直距離:最短距離)hを例えば2.2(mm)、受け部38の端面と開口23cとの水平距離Lを例えば12.2(mm)とし、最も運転条件の厳しいとき(例えば、高負荷アイドリング時(回転数1200(r.p.m.)、高圧2.45(MPa)、低圧0.31(MPa)を想定した場合に、開口23cの径d2がいくらであれば開口23cを飛び出した潤滑油が受け部38に到達するかを検討してみる。
なお、開口23cを通過する潤滑油の流量はハーゲン−ポアズーユ(Hagen-Poiseuille)の式((1)式)から求めた2948.66(mm/s)としている。
まず、開口23cの径d2を1.5(mm)とした場合、開口23cの断面積は1.77(mm)となり、開口23cからの流速は1668.60(mm/s)となる。この流速(1668.60(mm/s))を、受け部38の端面と開口23cとの水平距離L(12.2(mm))で除すると、開口23cから飛び出した潤滑油が水平距離Lを移動するのに要する時間t(0.007(s))を得ることができる。そして、このtの値を自由落下の式(h1=1/2・g・t)に代入するとh1=0.262(mm)という結果を得ることができる。これは、水平距離Lを移動する間に開口23cから飛び出した潤滑油が重力によって落下する垂直距離であり、開口23cの中心と受け部38の底面とのヘッド差h(2.2(mm))に比べて十分に小さく、開口23cから飛び出した潤滑油が受け部38に十分到達可能であることを意味している。
また、開口23cの径d2を3(mm)とした場合について同様の計算をしてみると、t=0.029(s)、h1=4.194(mm)という結果を得ることができ、この場合では、開口23cから飛び出した潤滑油は受け部38に到達不可能であることがわかる。このように、小径部23bの絞りについては、直径が小さい方が到達距離が大きくなる点で有利であるが、小さくする限界としては螺旋溝25cの絞りに影響ないレベルで、かつ機械加工等で容易に開口できる程度の大きさに設計的に設定されるべきである。
さらに、図1に示す本願実施形態では、開口23cは、回転する旋回スクロール22の旋回端板22aにより断続的に開閉するようになっており、開口23cが開いている角度を例えば160度とすると、その開口時間Tは0.022(s)となる。この場合、開口23cが開いて、上述した孔径を有する開口23cから飛び出した潤滑油が受け部38に到達した後に、開口23cが閉じられるようになっている。このような場合、到達時間tが大きいと、開口23cから噴出した油が受け口38に到達する前に、旋回スクロールによって閉塞されてしまうため、開口時間Tに対し、到達時間tがより小さい方が有利である。
また、本願実施例では、連通路中の大径部23aについて、上記のような旋回スクロールが開口23cを閉塞しているときにも、高圧側から25cを経由した油が大径部23aに貯油され、旋回スクロールが開口23cを開放した時に、より大量の油を噴出することが可能となっている。
以上説明したように、本実施形態によるスクロール型圧縮機10によれば、油分離室により分離された潤滑油が吸入室側に戻される際に、当該潤滑油が開口23cから受け部38に向かって勢いよく噴出していく(飛び出していく)ことになる。開口23cから飛び出した潤滑油は、受け部38に衝突して(当たって)周囲に跳ね返り(飛散し)、バランスウェイト34や旋回スクロール30によって攪拌され(掻き上げられ)、吸入室側に配置された軸受32,35、偏心ブッシュ31、その他摺動部に直接的に供給される。これにより、例えば、最も運転条件の厳しいとき(例えば、高負荷アイドリング時(回転数約1200(r.p.m.)、高圧約2.8(MPa)、低圧約0.35(MPa))でもこれら部材等を十分に潤滑することができて、軸受、偏心ブッシュ、その他摺動部の焼き付きを防止することができる。
また、バランスウェイト34や旋回スクロール30によって攪拌された(掻き上げられた)潤滑油の一部は、圧縮前の冷媒ガス中に混入させられ、これにより、圧縮機構12の潤滑および密閉空間mのシールが行われるようになっている。
なお、本願実施形態では、高圧側絞り部として、螺旋状溝が設置されている螺旋ピンの場合について説明したが、当然ながらキャピラリチューブや、単なる細孔であってもよい。
なお、上述したスクロール型圧縮機は、上述したような開放型だけでなく、半密閉型や密閉型のスクロール型圧縮機とすることもできる。
また、上述したスクロール型圧縮機は、上述したような車載用のものだけでなく、定置用のものとすることもできる。
さらに、圧縮機としては上述したようなスクロール型圧縮機に限定されるものではなく、斜板式圧縮機や往復動式圧縮機等とすることもできる。
さらにまた、圧縮機としては上述したような横置き型のものに限定されるものではなく、縦置き型のものであっても良い。
また、特許請求の範囲および課題を解決するための手段のところに記載した連通路の平均内径dとは前述した螺旋溝25c、大径部23a、および小径部23bの全長さにおける内径の平均のことであり、差圧ΔPとは高圧と低圧との差のことであり、水力直径Dとは連通路の平均断面積を4倍したものを、その濡れぶち長さで割ったものであり、絞り長さlとは螺旋溝25c、大径部23a、および小径部23bの全長のことであり、飛距離Lとは受け部38の端面と開口23cとの水平距離のことである。また、潤滑油の粘度について実粘度とは、高圧側絞り部の絞りを通過する際の実際の粘度であり、油に冷媒が溶解されている場合も考慮すべきである。
本発明による圧縮機の一実施形態を示す断面構造図である。 図1に示す螺旋溝、大径部、および小径部を模式的に描いた模式図である。
符号の説明
10 スクロール型圧縮機
11 ハウジング
12 スクロール圧縮機構
14 フロントハウジング
15 リアハウジング
17 油分離室と、
18 油溜まり室と、
23 連通路
23b 小径部(絞り部)
23c 開口
38 受け部
m 密閉空間

Claims (5)

  1. 内部に空間を有するハウジングと、
    前記ハウジング内に配置され、前記空間内に取り込まれた流体を圧縮する圧縮機構と、
    前記ハウジング内に配置され、前記圧縮機構から吐出された流体に混入した潤滑油を該流体から分離する油分離室と、
    前記油分離室により分離された潤滑油を貯留する油溜まり室と、
    前記油溜まり室と前記空間とを連通する連通路とを備えた圧縮機であって、
    前記連通路に絞り部が設けられており、
    前記絞り部は、前記連通路の下流端に設けられ、前記潤滑油の流れを加速する加速部とされ、
    前記連通路の出口側に形成された開口と対向する位置に、前記連通路の出口から噴出した油を受ける受け部が設けられているとともに、
    前記受け部は、その下端が前記開口の下端よりも下方に位置するとともに、その上端に行くに従い前記開口からしだいに離隔するようにして傾斜する傾斜面を有していることを特徴とする圧縮機。
  2. 固定スクロールと、旋回スクロールと、前記旋回スクロールを駆動する駆動部と、前記駆動部を収める駆動部空間を形成するハウジングと、を有するスクロール型圧縮機において、
    当該スクロール型圧縮機内の高圧側に設けられた油貯留部と低圧側とを連通させるとともに、絞り部を有する連通路を備え、
    前記連通路の低圧側開口から噴出した油を受ける受け部を前記ハウジングの前記開口部と対向する位置に設け、当該受け部を前記駆動部空間と連通させ、
    前記受け部は、その下端が前記開口の下端よりも下方に位置するとともに、その上端に行くに従い前記開口からしだいに離隔するようにして傾斜する傾斜面を有することを特徴とするスクロール型圧縮機。
  3. 前記連通路は前記開口を有する低圧側絞り部と、当該低圧側絞り部よりも高圧側に位置する高圧側絞り部とを備え、
    当該高圧側絞り部の流路抵抗が前記低圧側絞り部の流路抵抗よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  4. 前記低圧側絞り部の断面積Aは、
    ≦C・(πΔP/(8192μg))・(D/l)・(h/L))
    (ここで、Cは流量係数、ΔPは差圧、μは潤滑油の実粘度、gは重力加速度、Dは高圧側絞り部の絞りの水力直径、lは高圧側絞り部の絞りの長さ、hはヘッド差(開口の中心と受け部の底面との垂直距離)、Lは距離(受け部の端面と開口との水平距離)である)
    を満たすことを特徴とする請求項3に記載のスクロール型圧縮機。
  5. 前記低圧側絞り部は円形断面をなすように設けられるものであって、
    当該円形断面の内径dは、
    ≦C・(ΔP/(512μg))・(D/l)・(h/L))
    (ここで、Cは流量係数、ΔPは差圧、μは潤滑油の実粘度、gは重力加速度、Dは高圧側絞り部の絞りの水力直径、lは高圧側絞り部の絞りの長さ、hはヘッド差(開口の中心と受け部の底面との垂直距離)、Lは距離(受け部の端面と開口との水平距離)である)
    を満たすことを特徴とする請求項3に記載のスクロール型圧縮機。
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