JP4753765B2 - 障害物認識方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に備えたレーダとカメラとによって自車前方をくり返し探査し、レーダとカメラとのセンサフュージョンの認識処理により、自車前方の先行車等の障害物を認識する障害物認識方法に関するものである。
一般に、ACCと呼ばれる車両走行支援システム(Adaptive Cruise Control)等を搭載した車両においては、いわゆる被害軽減自動ブレーキ機能を実現するため、自車前方の先行車や標識等の障害物を認識することが要求される。
しかしながら、従来のACC搭載車両においては、多くの場合、ACCの自車前方の情報を得るセンサが、レーザレーダやミリ波レーダといった単一センサで構成されるため、障害物の認識が高速道路などの比較的認識し易いシーンでしか行なえない不都合があった。
また、 複数のセンサを利用したセンサフュージョンの認識処理により、認識性能を向上して前記の不都合を解消し、種々の走行シーンで自車前方の障害物を認識するようにした場合は、 各センサがまったく同時刻のデータをサンプリングするのではなく、各センサの探査、検出に数十ミリ秒(ms)程度のずれがあり、レーダ探査とカメラ撮影の座標のずれの影響を避けることができず、認識精度の向上が図られない等の問題があった。
そこで、本出願人は、レーダの測距結果とカメラの撮影画像とに基づくセンサフュージョンの認識処理により、レーダ探査とカメラ撮影の座標のずれの影響を受けること等なく自車前方の先行車等の障害物を精度よく認識することができる障害物認識方法及び障害物認識装置を既に出願している(例えば、特許文献1参照)。
この既出願の障害物認識方法及び障害物認識装置は、概略、車両に備えたレーダとカメラとによって自車前方をくり返し探査し、レーダの探査結果に基づく自車前方の先行車を含む障害物等までの測距距離の変化からレーダ側検出倍率を求め、カメラの自車前方の撮影結果の画像処理によりカメラの自車前方の撮影画像の水平、垂直の画像ヒストグラムの各倍率の基準の画像ヒストグラムとの残差和の最小値に基づいてカメラ側検出倍率を求め、レーダとカメラとのセンサフュージョンの認識処理により、前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率が等しくなるか否かから撮影画像の障害物の領域(候補領域)の画像が先行車等の路面垂直物か否かを判別し、レーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率とが等しくなる路面垂直物を障害物として認識する。
この場合、障害物であれば、撮影画像上で水平、垂直の両方向に同倍率で拡大縮小変化し、しかも、水平、垂直の同じ倍率で前記残差和が最小値になる。一方、障害物でなく、路面のマンホールの蓋やキャッツアイ(鋲)等であれば、撮影画像上で水平、垂直方向に同倍率では変化せず、しかも、水平、垂直の前記残差和が最小値になる倍率が異なる。
そのため、水平と垂直の画像ヒストグラムの残差和最小値の倍率が等しくなるか否かにより、候補領域の候補対象が路面上に存在する障害物等の路面垂直物か否かを判別し、さらに、カメラ側検出倍率とレーダ側検出倍率の一致、不一致から、路面垂直物が障害物か否かを判別し、前記候補領域の候補対象の画像から障害物を認識することができる。
そして、簡単で計算量が少ない画像エッジの水平、垂直のヒストグラムの演算を行なえばよく、簡単で計算量の極めて少ない画像処理の演算で済み、しかも、レーダとカメラの前記座標のずれが自動的に考慮されて認識される等の利点がある。
特開2005−329779号公報(要約書、請求項1、13、段落[0055]−[0123]、図1等)
前記既出願の障害物認識方法及び障害物認識装置の場合、カメラ側検出倍率とレーダ側検出倍率とを比較しそれらの一致、不一致から路面垂直物が障害物か否かを判別して障害物を認識するが、カメラとレーダとでは検出手法が異なり、カメラは即時に撮影結果が得られるが、レーダは自車前方をスキャンしてから探査結果が得られるため、たとえカメラとレーダとで同時に検出を開始しても、レーダの検出がカメラの検出より遅れる。
そのため、レーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率との比較を、正確に同じ時刻のレーダとカメラの検出結果に基づいて行うことは困難である。
したがって、実際にはレーダとカメラが先行車等の障害物をしっかり捉えているのにもかかわらず、レーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率とが不一致となり、障害物でないと判別する可能性がある。
本発明は、レーダとカメラの検出の時間ずれに起因したレーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率と不一致に基づく誤認識(障害物でないとの誤認識)を極力回避するようにして自車前方の障害物の認識精度を向上することを目的とする。また、同時に認識対象が明らかに路面垂直物でないときの誤認識を確実に防止することも目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の障害物認識方法は、車両に備えたレーダとカメラとによって自車前方をくり返し探査し、前記レーダの探査結果に基づく自車前方の先行車を含む障害物等までの測距距離の変化からレーダ側検出倍率を求め、前記カメラの自車前方の撮影結果の画像処理により前記カメラの自車前方の撮影画像の水平、垂直の画像ヒストグラムの各倍率の基準の画像ヒストグラムとの残差和の最小値に基づいてカメラ側検出倍率を求め、前記レーダと前記カメラとのセンサフュージョンの認識処理により、前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率が等しくなるか否かから前記撮影画像の前記障害物の領域の画像が先行車等の路面垂直物か否かを判別し、前記レーダ側検出倍率と前記カメラ側検出倍率とが等しくなる前記路面垂直物を前記障害物として認識する障害物認識方法において、前記水平、垂直の画像ヒストグラムの前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率が略等しいことを条件に、前記レーダ側検出倍率と前記カメラ側検出倍率との所定範囲内の誤差を許容して前記レーダ側検出倍率と前記カメラ側検出倍率とが等しいと判断し、前記路面垂直物を前記障害物と認識することを特徴としている(請求項1)。
また、本発明の障害物認識方法は、前記請求項1記載の障害物認識方法において、前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率が略等しく、該両倍率がいずれも前記レーダ側検出倍率より大きくなって前記障害物の近距離接近を検出したときに、前記カメラ側検出倍率と前記レーダ側検出倍率とが等しいと判断する前記誤差の範囲を拡大することを特徴としている(請求項2)。
さらに、本発明の障害物認識方法は、前記レーダ側検出倍率が、前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率のいずれよりも大きくなり、かつ、前記レーダ側検出倍率と前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率それぞれとの差のいずれかでも設定されたしきい値より大きくなって前記障害物の領域の画像が前記路面垂直物でない可能性が高いときには、前記カメラ側検出倍率と前記レーダ側検出倍率とが等しいと判断する前記誤差の範囲を狭くすることを特徴としている(請求項3)。
まず、請求項1の構成によれば、水平、垂直の画像ヒストグラムの残差和が最小値になる水平、垂直の倍率が略等しいことを条件に、レーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率との差を所定範囲内で許容して自車前方の障害物を認識するため、レーダとカメラの検出の時間ずれがあっても、そのずれを許容し、レーダとカメラの検出の時間ずれに起因したレーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率と不一致に基づく誤認識(障害物でないとの誤認識)を極力回避することができる。
その際、水平、垂直の画像ヒストグラムの前記残差和が最小値になる倍率が略等しいことを条件に、レーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率との差を所定範囲内で許容するため、この許容によって路面のマンホールの蓋やキャッツアイ(鋲)等の路面反射物等でないものを障害物として誤認識することが極力回避される。
したがって、路面のマンホールの蓋やキャッツアイ(鋲)等の路面反射物でないものを障害物として誤認識することなく、レーダ及びカメラが先行車等の障害物をしっかり捉えているときに障害物でないと誤認識されてしまう事態の発生を防止することができ、障害物の認識精度を向上することができる。
つぎに、請求項2の構成によれば、レーダとカメラの検出の時間ずれがより大きくなる障害物の接近時には、最新のカメラ側の水平、垂直の倍率がいずれも最新のレーダ側検出倍率より大きくなることから、カメラ側検出倍率とレーダ側検出倍率とが等しいと判断する前記誤差の範囲を拡大し、レーダとカメラの検出の時間ずれに起因した前記の誤認識を一層確実に回避することができ、障害物の認識精度を一層向上することができる。
さらに、請求項3の構成によれば、最新のレーダ側検出倍率が最新のカメラ側の水平、垂直の倍率のいずれよりも大きくなり、しかも、レーダ側検出倍率とカメラ側の水平、垂直の倍率それぞれとの差のいずれかでも設定されたしきい値より大きくなり、明らかに認識対象が路面垂直物でない可能性が高いときには、前記誤差の範囲を逆に狭くして障害物であるとの誤認識を確実に防止して障害物の認識精度をさらに一層向上することができる。
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、その一実施形態について、図1〜図14にしたがって詳述する。
図1は車両(自車)1に搭載された障害物認識装置のブロック図、図2は動作説明用のフローチャート、図3はその一部の詳細なフローチャート、図4はレーザレーダ2の測距結果に基づく候補領域検出の説明図、図5は単眼カメラ3の撮影画像のエッジ画像処理の説明図、図6は図4のエッジ画像から得られたエッジヒストグラムの1例の説明図である。
また、図7は画像処理の説明図、図8、図9は倍率計算説明用の走行模式図、カメラ撮影倍率の模式図であり、図10は水平、垂直の残差和(個別残差和)及びそれらを統合した残差和(統合残差和)の1例の特性図、図11は図2の他の一部の詳細なフローチャート、図12は計算された倍率の1例の特性図である。
さらに、図13は障害物が自車前方の比較的離れた距離にあるときのレーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率の検出時間ずれの影響の説明図、図14は障害物が接近したときのレーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率の検出時間ずれの影響の説明図である。
(構成)
図1の障害物認識装置は、車両1に自車前方を探査する測距用のレーダとして、電波レーダに比して安価な汎用のスキャニングレーザレーダ(以下、単に「レーザレーダ」という)2を備え、自車前方を撮影するカメラ(画像センサ)として、小型かつ安価なモノクロCCDカメラ構成の単眼カメラ3を備える。なお、レーザレーダ2に代えてミリ波レーダ等の電波レーダを備えてもよいのは勿論である。
そして、イグニッションキーによる自車1のエンジン始動後、レーザレーダ2はレーザパルスを掃引照射して自車前方をくり返し探査し、自車前方の測距結果の信号を自車1のマイクロコンピュータ構成の制御ECU4に出力し、単眼カメラ3は自車前方を連続的に撮像し、その撮影画像の例えば画素当たり8ビットの輝度データの信号を制御ECU4に出力する。
この制御ECU4は種々の情報(データ)を読み書き自在に保持するメモリユニット5とともに後述の認識処理手段としての認識演算部6を形成し、レーザレーダ2と単眼カメラ3とのセンサフュージョンの認識処理により、後述の残差和が最小値になる水平、垂直の倍率が等しくなるか否かから撮影画像の障害物の領域の画像が先行車等の路面垂直物か否かを判別し、レーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率とが等しくなる路面垂直物を先行車等の障害物として認識するため、前記のエンジンスタートに基づき、予め設定された図2のステップS1〜S7の障害物認識プログラムを実行し(ステップS4においては、図3のステップS41〜S45を実行し)、ソフトウエア構成のつぎの(a)〜(h)の各手段を備える。
(a)候補領域設定手段
この手段は、レーザレーダ2の最新の測距結果をクラスタリング処理して自車前方に障害物の候補領域を設定する。具体的には、レーザレーダ2の多数個の反射点の距離計測データに基き、距離の近い反射点同士をクラスタリング処理し、図4(a)の単眼カメラ3の撮影画像Pの画面図に示すように、レーザレーダ2の探査範囲内に、枠線で囲まれた1又は複数個のクラスタ領域を形成し、そのうちの障害物の特徴に適合したクラスタ領域を先行車等の障害物の候補領域Ccに設定する。
このとき、図4(b)のレーダ測距領域の模式図に示すように、通常は、候補領域Ccによって、図中の枠で囲んだ先行車等の自車前方の障害物が捕捉される。
(b)相対距離計測手段
この手段は、候補領域Ccのレーダ探査の測距結果から自車1と候補領域Ccの障害物の候補対象αとの時々刻々の相対距離Zを計測する。
(c)ヒストグラム演算手段
この手段は、単眼カメラ3の最新の撮影画像Pの物標特徴量としての候補領域Ccの水平、垂直の二値化された画像エッジのヒストグラムを、水平、垂直の最新エッジヒストグラムY、Xとして算出し、さらに、候補対象特徴量として更新自在に保持された既記憶の水平、垂直の二値化された画像エッジのヒストグラムYm、Xmを設定範囲の各倍率K、(0<Kmin≦K≦Kmax、Kmin:最小値、Kmax:最大値)でそれぞれの横軸方向に拡大縮小して各倍率Kの水平、垂直の参照エッジヒストグラムYr(=K・Ym)、Xr(=K・Xm)を算出する。
このとき、制御ECU4の計算処理の負担を軽減して高速化を図るため、水平、垂直の最新エッジヒストグラムY、Xは、カメラの最新の撮影画像Pを微分して二値化した水平、垂直それぞれの画像エッジ情報の加算により形成される。
具体的には、撮影画像Pが得られるフレーム毎に、最新の撮影画像Pの候補領域Ccの8ビット/画素の輝度データを水平、垂直両方向に微分二値化処理し、図5に示すように、候補領域Ccの8ビット/画素の画像を同図のエッジ画像(灰色部分が水平エッジ、白色部分が垂直エッジ)に変換し、このエッジ画像を2値化して先行車等の障害物を候補対象αとする水平、垂直の1ビット/画素の画像エッジ情報を得る。
さらに、図6に示すように、水平、垂直の画像エッジ情報を、水平の画像エッジについては水平方向に、垂直の画像エッジについては垂直方向にそれぞれ加算し、横軸を垂直方向、水平方向それぞれの画素位置とする水平、垂直の最新エッジヒストグラムY、Xを形成する。
つぎに、図7に示すように候補対象特徴量としての既記憶の水平、垂直の二値化された画像エッジのヒストグラム(既記憶エッジヒストグラム)Ym、Xmは、両ヒストグラムYm、Xmをそれぞれの横軸方向(位置方向)にK倍して形成する水平、垂直の各倍率Kの参照エッジヒストグラムYr、Xrの突発的な変動の影響等を抑えるため、以前に算出された既フレームの水平、垂直の各エッジヒストグラムの重み付け加算平均により形成する。
ところで、倍率Kと相対距離Zとはつぎの関係がある。
すなわち、図8の走行模式図に示すように、障害物としての先行車7の相対距離Zが、時刻tにZ、時刻t+ΔtにZ+ΔZになり、図9の撮影模式図において、実際の車幅Wが、単眼カメラ3の撮影面上で時刻t、t+Δtに車幅K・ω、ωになるとすると、相対距離Z、Z+ΔZはそれぞれ単眼カメラ3のレンズ焦点から先行車7までの距離であり、単眼カメラ3のレンズ焦点からCCD受光面(像面)までの距離をCfとした場合、つぎの(1)式、(2)式が成立し、相対距離Zと倍率Kとの関係が(3)式で表される。
Cf:ω=(Z+ΔZ):W (1)式
Cf:K・ω=Z:W (2)式
Z=ΔZ/(K−1) (3)式
また、Kmin、Kmaxは、つきの(4)式、(5)式のように設定する。これらの式において、Zは相対距離、ΔZ_maxは相対距離Zの最大変化量(自車1が最大加速で先行車7が最大減速の状態での変化量)、ΔZ_minは相対距離Zの最小変化量(自車1が最大減速で先行車7が最大加速の状態での変化量)であり、前記の最大加速、最大減速はそれぞれ実験等に基いて設定される。
Kmax = 1 + ΔZ_max / Z (4)式
Kmin = 1 + ΔZ_min / Z (5)式
(d)残差和演算手段
この手段は、各倍率Kの水平、垂直の参照エッジヒストグラムYr、Xrを、例えば図7の予測移動範囲My、Mx内でそれぞれの横軸y、x方向に平行移動して水平、垂直それぞれの最新エッジヒストグラムY、Xと各倍率Kの参照エッジヒストグラムYr、Xrとの差の絶対値和からなる水平、垂直の個別残差和Vy、Vx、及び両個別残差和Vy、Vxを加算した統合残差和Vそれぞれを算出し、図10の(a)、(b)、(c)に示すそれぞれの最小値Vy_min、Vx_min、Vminを求める。
なお、図10のKy0、Kx0、K0は最小値Vy_min、Vx_min、Vminを与える倍率Kである。
ところで、各倍率Kの水平、垂直の参照エッジヒストグラムYr、Xrを予測移動範囲My、Mx内でそれぞれの横軸y、x方向に平行移動するのは、つぎの理由に基く。
すなわち、自車1に振動によるピッチング運動がなく、さらに、レーザレーダ2の出力から常に時間遅れなく正確な位置を検出できるのであれば、参照エッジヒストグラムYr、Xrの平行移動は不要であるが、実際には、レーザレーダ2の測距時刻と、単眼カメラ3の撮影時刻とを厳密に一致させることは困難であり、さらに、自車1が振動などによって縦方向にピッチングすることから、これらに起因したレーザレーダ2と単眼カメラ3との座標軸のずれ等を吸収して倍率Ky0、Kx0、K0等を正確に検出するには、予測される範囲内で参照エッジヒストグラムYr、Xrを平行移動して倍率Ky0、Kx0等の位置を探索することが必要だからである。
そして、予測移動範囲My、Mxは、前記の振動によるピッチング運動等を考慮し、実験等に基いて設定され、参照エッジヒストグラムYr、Xrが予測移動範囲My、Mx内でそれぞれの横軸y、x方向に平行移動される。
なお、予測移動範囲Mxは、具体的には、自車1のピッチング角度範囲と相対距離Zとで決まり、相対距離Zによって変化し、予測移動範囲Myは、自車1のヨーイング角度範囲と、候補対象αの予想される横移動範囲と、相対距離Zとで決まり、相対距離Zによって変化する。
そして、候補領域Ccが、マンホールの蓋や鋲、路面標示等の路面物(路面垂直物ではない物)を間違って囲むものでなく、先行車等の路面垂直物を囲むものであれば、レーダ探査平面とカメラ撮像平面とが一致し、このとき、残差和Vy、Vx、Vの倍率特性のグラフは、前記の図10(a)〜(c)の双曲線状、すなわち、極小値を有する下に凸の二次曲線状になり、しかも、倍率Ky0、Kx0は等しくなる(Ky0=Kx0)が、マンホールの蓋や鋲、路面標示等を誤って囲むものであれば、候補領域Ccが正しくなく、レーダ探査平面とカメラ撮像平面とが同じ平面に属さないため、残差和Vy、Vx、Vの倍率特性のグラフは、前記の下に凸の二次曲線状にならず、倍率Ky0、Kx0はKy0≠Kx0になる。
そこで、この手段により、残差和Vy、Vx、Vの最小値Vy_min、Vx_min、Vminを求め、それらのときの倍率Ky0、Kx0、K0c(=K0)を検出する。
実際には、残差和Vy、Vx、Vの略最小値Vy_min、Vx_min、Vminの値(最小値Vy_min、Vx_min、Vminそれぞれの設定された誤差範囲の値)を最小値Vy_min、Vx_min、Vminとして求め、それらの値のときの倍率を最小値Vy_min、Vx_min、Vminの倍率Ky0、Kx0、K0c(=K0)として検出する。
(e)第1の対象判別手段
この手段は、請求項3の路面垂直物判別手段を形成し、少なくとも水平と垂直の個別残差和Vy、Vxが最小値Vy_min、Vx_minになる倍率Ky0、Kx0が等しい状態(Ky0=Kx0)になるか否かにより、候補対象αが路面上の路面垂直物か否かを判別する。
実際には、前記したように、最小値Vy_min、Vx_min、Vminの倍率Ky0、Kx0、K0c(=K0)として検出された残差和Vy、Vx、Vの略最小値Vy_min、Vx_min、Vminの値のときの倍率に基づき、水平、垂直の倍率Ky0、Kx0が略等しいか否かにより、候補対象αが路面上の路面垂直物か否かを判別する。
(f)倍率検出手段
この手段は、統合残差和Vが最小値Vminになる倍率K0を障害物のカメラ側検出倍率K0cとして検出する。
そして、障害物でない路側物であれば、記憶情報と観測情報が大きく変化して統合残差和Vの最小値Vminが所定の路側物検出のしきい値Va以上になることから、路側物による誤認識を防止して認識精度を向上する場合は、路側物しきい値Vaより小さい最小値Vminのみをカメラ側検出倍率K0cとして検出することが好ましい。
(g)第2の対象判別手段
この手段は、カメラ側検出倍率K0cが相対距離Zの変化から算出した障害物のレーダ側検出倍率K0rに等しい状態(K0c=K0r)になるか否かにより、候補対象αの路面垂直物が、先行車等の検出有効物か、先行車等の水しぶき、レーザレーダ2の付着ごみ等の検出無効物かを判別する。
すなわち、候補対象αが先行車等の水しぶき、レーザレーダ2の付着ごみ等の検出無効物であれば、実際には障害物は存在しないにもかかわらず、レーザレーダ2の探査からは候補対象αを障害物として誤認識してしまうため、レーザレーダ2から観測したレーダ側検出倍率K0rと、撮影画像から計測したカメラ側検出倍率K0cとが同値にならなければ(K0c≠K0rであれば)、候補対象αの路面垂直物を検出無効物であると判別し、K0c=K0rのときにのみ、候補対象αを検出有効物と判別し、誤認識を防止する。
(h)認識処理手段
この手段は、前記の路面垂直物かつ検出有効物の判別に基づき、レーザレーダ2と単眼カメラ3とのセンサフュージョンの認識処理により、基本的には、水平と垂直の個別残差和Vy、Vxが最小値Vy_min、Vx_minになる倍率Ky0、Kx0が等しい状態(Ky0=Kx0)になるか否かから、撮影画像Pの候補領域Cc(障害物の領域)の画像が先行車等の路面垂直物か否かを判別し、前記レーダ側検出倍率と前記カメラ側検出倍率とが等しくなる路面垂直物の候補対象αを障害物として認識する。
すなわち、Kx0=Ky0、かつ、K0c=K0rになることから、レーザレーダ2の探査に基く測距結果が正しく、候補領域Ccが間違いなく障害物の領域であると判断し、候補領域Ccの画像から候補対象αを障害物として認識する。
しかしながら、レーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとを比較し、それらの一致、不一致から路面垂直物が障害物か否かを判別して障害物を認識するのみでは、上述したように、レーザレーダ2と単眼カメラ3とで検出手法が異なり、レーザレーダ2の検出が単眼カメラ3の検出より遅れるため、この検出時間のずれに基き、とくに障害物が接近するときには、実際にはレーザレーダ2及び単眼カメラ3が先行車等の障害物をしっかり捉えているのにもかかわらず、レーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとが不一致となり、障害物でないと誤認識する可能性が高くなる。
そこで、認識処理手段は、前記水平と垂直の個別残差和Vy、Vxが最小値Vy_min、Vx_minになる倍率Ky0、Kx0が略等しく、候補対象αが路面上の路面垂直物(先行車等の障害物)であるときに、レーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとの所定範囲内の誤差を許容してレーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとが等しいと判断し、前記路面垂直物を先行車等の障害物と認識する機能を有する。
このとき、倍率Ky0、Kx0が略等しく、しかも、両倍率Ky0、Kx0がいずれもレーダ側検出倍率K0rより大きくなると、レーザレーダ2の検出が単眼カメラ3の検出より遅れ、相対的に接近してくる障害物に対して、単眼カメラ3の最新の検出結果がレーザレーダ2の検出結果より接近した状態で得られることから、障害物が近距離に接近していると判断し、カメラ側検出倍率K0cとレーダ側検出倍率K0rとが等しいと判断する前記誤差の範囲をより広くして拡大する。
具体的には、この実施形態の場合、下記の(6)式の画像確信度GCF(%)を算出し、この画像信頼度GCFを障害物の認識精度とすることで、等価的に前記の所定範囲を可変設定し、レーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとの誤差を許容して障害物を認識する。
同時に、認識対象が明らかに路面垂直物でなくマンホールやキャッツアイ(鋲)等の路面反射物若しくはゴースト物標である可能性が高いときには、画像確信度GCFを積極的に低くすることで、等価的に前記の所定範囲を極めて狭くし、障害物であると誤認識することを確実に防止する。
GCF = 100−(Gx・|Kx−Kc|+Gy・|Ky−Kc|+Gxy・|Kx−Ky|) (6)式
なお、(6)式において、Kxはカメラ側(画像側)の垂直方向の倍率Kx0、Kyはカメラ側(画像側)の水平方向の倍率Ky0、Krはレーダ側検出倍率K0rを表わし、Gx、Gy、Gxyは係数を表わす。
そして、この画像確信度GCFが100(%)に近くなる程「車両らしさ」換言すれば障害物となる「路面垂直物」らしさが高くなり、画像確信度GCFが0に近くなる程マンホールやキャッツアイ(鋲)等の「路面反射物」若しくは「ゴースト物標」である可能性が高くなる。
ところで、係数Gx、Gy、Gxyは、図3のステップS41〜S45の処理により、倍率Kx、Ky、Kxyの大小関係にしたがって、つぎのように可変設定する。
(イ)ステップS41の初期設定に基き、通常は、Gx=m1、Gy=n1、Gxy=mn1に設定する。なお、m1、n1、mn1はいずれも実験等によって設定された定数であり、例えば、m1=n1、かつ、m1、n1<<mn1である。そして、GxyをGx、Gyより大きくするのは、水平と垂直の倍率Kx、Kyが一致していない認識対象はKx、KyがKrより大きくても、先行車等の「路面垂直物」である可能性が極めて低いため、レーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとからの先行車等の障害物の認識の信頼性を低くするためである。
(ロ)水平、垂直の倍率Ky、Kxが、設定された誤差範囲内で一致し、しかも、レーダ側検出倍率Krより大きくなるときには、上述したように認識対象(障害物)が接近しているため、等価的に前記の所定範囲を一層広くしてレーザレーダ側検出倍率K0rの時間的な遅れをより大きく許容するため、ステップS42、S43により、Kx>Kr、Ky>Kr、|Kx−Kr|<Δa、|Ky−Kr|<Δb、|Kx−Ky|<Δc、Kr>Kr(near)が成立することを条件に、Gx=m2(<m1)、Gy=n2(<n1)、Gxy=mn2(<<mn1)に一層小さくする。なお、m2、n2、mn2、Δa、Δb、Δc、Kr(near)はそれぞれ実験等によって設定されたしきい値の定数である。そして、m2、n2、mn2の定数を設定することで、画像確信度GCFが下がりにくくなっている。
(ハ)一方、レーダ側検出倍率Krが画像側の倍率Kx、Kyのいずれよりも大きく、(Kr>Kx、Kr>Ky)かつ、差|Kr−Kx|、|Kr−Ky|のいずれかでも設定されたしきい値の定数Δdより大きくなるときは、認識対象が「路面垂直物」でなく「路面反射物」若しくは「ゴースト物標」である可能性か高いため、ステップS44、S45により、Gx=m3(>m1)、Gy=n3(>n1)、Gxy=mn3(≧mn1)に大きくし、レーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとからの先行車等の障害物の認識の信頼性を低くして、等価的に前記の所定範囲を極めて狭くする。なお、m3、n3、mn3も実験等によって設定された定数である。
(動作)
つぎに、認識演算部6の動作について、主に図2、図11を参照して説明する。
自車1のエンジン始動後、図2のステップS1により、候補領域設定手段がクラスタリング処理を実行し、時々刻々の先行車7等の障害物の領域とみなされる候補領域Ccを設定し、同時に、相対距離計測手段が時々刻々の相対距離Zを計測する。
また、図2のステップS2により、ヒストグラム演算手段が時々刻々の(フィールド毎の)撮影画像Pを画像微分二値化処理してその画像エッジ情報を得、以降の計算処理において、8ビット/画素の輝度値をそのままを用いるのでなく、1ビット/画素のエッジ情報を利用するようにして、情報量を1/8に低減し、計算量を少なくする。
そして、図2のステップS3により、ヒストグラム演算手段が、フィールド毎に水平、垂直の最新エッジヒストグラムY、X及び各倍率Kの水平、垂直の参照エッジヒストグラムYr、Xrを算出し、前記のクラスタリング処理によって設定された領域Ccについての候補対象αの画像上での特徴量(ベクトル)を計算する。
このとき、倍率Kは、前記の(4)式、(5)式の演算に基いて設定された最大値Kmax〜最小値Kminの範囲で変化し、その単位変化の幅(計算刻み幅K_step)は、制御ECU4の処理負担等を考慮して、例えば0.04に設定される。
また、時刻t、t+1、…における垂直の最新エッジヒストグラムXを今回の候補対象特徴量(ベクトル)Xt、Xt+1、…とし、各時刻t、t+1、…にメモリユニット5に更新自在に保持される既記憶エッジヒストグラムXmを、それぞれ前回までの特徴量(ベクトル)Pt、Pt+1、…とすると、特徴量Pt、Pt+1、…は、撮影画像Pの時間的連続性(相関性)等を考慮して以前に算出された既フレームの垂直の各エッジヒストグラムの重み付け加算平均により、突発的な変動の影響等を抑えて算出され、更新自在に最新のものに書き換えられて保持される。
具体的には、例えば時刻t+1の既記憶エッジヒストグラムXmの特徴量Pt+1は、時刻tの最新エッジヒストグラムXt、特徴量Ptに基くつぎの(7)式の重み付け加算平均により算出されて時刻t+1まで保持される。なお、同式中のHは、0<H<1の適当な値に設定されたヒス係数である。
Pt+1=H×Xt+(1−H)×Pt (7)式
なお、水平の既記憶エッジヒストグラムYmも、前記と同様にして時間的にヒステリシスを持たせて更新しながら保持される。
そして、各時刻の候補対象特徴量としての水平、垂直のエッジヒストグラム(Yt、Xt)、(Yt+1、Xt+1)、…が、保持されていた候補対象特徴量としての水平、垂直の既記憶エッジヒストグラムPt(=Ymt、Xmt)、Pt+1(=Ymt+1、Xmt+1)、…と大きく異なるときには、候補対象αとして前回と違うものを認識したか、或いは、何らかの原因で候補対象αの画像上の特徴が局所的に変わったと判定することができる。
つぎに、前記の各時刻の候補対象特徴量Pt、Pt+1、…に基く残差和Vy、Vx、V及び最小値Vy_min、Vx_min、Vminは、ステップS3において、残差和演算手段が計算する。
この計算の処理は、具体的には、例えば図11のステップQ1〜Q11からなり、ステップQ1により、初期値Kminから漸増可変される倍率KがKmin≦K≦Kmaxに探索範囲に設定されていることを確認すると、ステップQ2により、その倍率Kでの垂直の個別残差和Vxを計算し、ステップQ3により、計算した個別残差和Vxが、計算開始時に初期値にセットされた最小値Vx_minより小さいか否かを判別し、Vx<Vx_minであれば、ステップQ4に移行し、最小値Vx_minを計算した個別残差和Vxに更新し、垂直の検出倍率Kx0をその倍率Kに更新する。
さらに、ステップQ5により、その倍率Kでの水平の個別残差和Vyを計算し、ステップQ6により、計算した個別残差和Vyが、計算開始時に初期値にセットされた最小値Vy_minより小さいか否かを判別し、Vy<Vy_minであれば、ステップQ7に移行し、最小値Vy_minを計算した個別残差和Vyに更新し、水平の検出倍率Ky0もその倍率Kに更新する。
つぎに、ステップQ8により、その倍率Kにおいて計算した個別残差和Vx、Vyに基き、統合残差和V(=Vx+Vy)を計算し、ステップQ9により、計算した統合残差和Vが計算開始時に初期値にセットされた最小値Vminより小さいか否かを判別し、Vy<Vminであれば、ステップQ10に移行して最小値Vminを計算した統合残差和Vに更新し、検出倍率K0をその倍率Kに更新する。
そして、ステップQ11により、倍率KをK+K_stepにステップ可変して漸増し、この状態で、ステップQ1に戻ってこのステップQ1から処理をくり返し、ステップQ3により、Vx≧Vx_minに変化して個別残差和Vxの最小値Vx0を検出すると、ステップQ4をパスしてステップQ5に移行し、同様に、ステップQ6により、Vy≧Vy_minに変化して個別残差和Vyの最小値Vy0を検出すると、ステップQ7をパスしてステップQ8に移行する。
さらに、ステップQ9により、V≧Vminに変化して統合残差和Vの最小値V0を検出すると、そのときの残差和Vy、Vx、V及び最小値Vy_min、Vx_min、Vminを候補対象αの特徴量として検出するとともに倍率Ky0、Kx0、K0を検出し、図11の処理を終了する。
なお、ステップQ3、Q6、Q9においては、各倍率Kの垂直、水平の参照エッジヒストグラムXr、Yrを、前記の予測移動範囲Mx、My内でそれぞれの横軸x、y方向に平行移動して各残差和Vx、Vy、Vが算出される。
そして、算出結果等に基き、候補領域Ccが適正な領域の場合、残差和Vy、Vx、Vの倍率Kの実測特性として、例えば図12に示す二次曲線特性が得られた。
そして、図11の処理を終了すると、第1の対象判別手段により、ステップS3で得られた最小値Vy_min、Vx_minの倍率Ky0、Kx0が等しい(Ky0=Kx0)状態か否かから、候補対象物αが路面垂直物か否かを判別し、倍率検出手段により、ステップS3で得られた倍率K0をカメラ側検出倍率K0cとして検出する。
また、第2の対象判別手段により、相対距離Zの前回からの変化に基き、前記の(3)式から求まる倍率Kをレーダ側検出倍率K0rとして検出し、K0c=K0rになるか否かから、候補対象αが、先行車等の検出有効物か、先行車等の水しぶき、レーザレーダ2の付着ごみ等の検出無効物かを判別する。
そして、ステップS3からステップS4に移行して図3のステップ41〜45により画像確信度GCFを算出してステップS5に移行し、画像確信度GCFを考慮した路面垂直物(Ky0=Kx0)かつ検出有効物(K0c=K0r)の判別に基づき、認識処理手段により、候補領域Ccが適正領域であることを検出して候補領域Ccの画像から候補対象αを障害物(図2では車両(先行車))として認識する。
つぎに、ステップS6に移行し、この実施形態においては、認識精度を一層向上するため、先行車等の障害物の候補領域Ccについて、今回の観測位置をもとにカルマンフィルタを用いて次回の観測位置を予測してメモリユニット5に書き換え自在に保持し、例えば、次回のステップS1の処理において、この予測位置と実際に観測された位置との誤差から候補領域Ccの妥当性を検討し、誤差が大きすぎるときには、候補領域Ccを無効にしてレーダクラスタ検出をロバストにする。
また、今回得られた各特徴量と次回計算される特徴量とを比較等するために、今回得られた各特徴量をメモリユニット5に書き換え自在に保持し、例えば、ステップS3において、算出された特徴量と保持された前回の特徴量との比較から、算出された特徴量の妥当性を検討し、誤差が大きすぎる場合は、算出された特徴量を無効にして認識精度の向上を図る。
そして、ドライバの操作による制御モードの切り換え、又は、自車1のエンジン停止により、認識処理を終了するまで、ステップS6からステップS7を介してステップS1、S2の処理に戻り、各ステップS1〜S7の処理をくり返し、時々刻々の先行車7等の障害物を認識する。
このようにすることで、簡単な画像計算処理により、キャッツアイ、マンホール等の路面反射やゴースト物票による障害物の誤認識の防止を図ることができ、認識対象の乗り移り(変化)への適応が可能、車両画像に開する知識を一切必要としない、昼夜でアルゴリズム切り替えが不要等の前記既出願と同様の効果が得られるのは勿論、レーザレーダ2と単眼カメラ3の検出の時間ずれがあっても、水平、垂直の倍率Kx、Kyが略一致することを条件にそのずれを許容し、レーザレーダ2と単眼カメラ3の検出の時間ずれに起因したレーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cと不一致に基づく、障害物でないとする誤認識を極力回避することができ、とくに、レーザレーダ2と単眼カメラ3の検出の時間ずれがより大きくなる障害物の接近時の誤認識を極めて良好に回避することができる。
また、本実施形態のように、画像確信度GCFに基づいて先行車等の障害物を認識する場合には、前述のように画像確信度GCFの演算式の各しきい値の定数を設定するだけでよいので、先行車等の障害物の認識度を容易に向上させることができる。
すなわち、例えば図13の(a)に示すように撮影画像Pの候補領域Ccの障害物の候補対象αが自車から比較的離れて小さく写るときには、レーザレーダ2と単眼カメラ3の検出の時間ずれがあっても、そのずれの影響は少なく、レーザレーダ2と単眼カメラ3の検出の時間ずれに起因したレーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとの誤差は小さく、同図の(b)に示すようにレーダ側検出倍率K0rからの認識精度とカメラ側検出倍率K0cからの認識精度との前記時間ずれによる差は少ないが、図14の(a)に示すように撮影画像Pの候補領域Ccの障害物の候補対象αが自車に相対的に接近して大きく写るときには、レーザレーダ2と単眼カメラ3の検出の時間ずれの影響が大きく、レーザレーダ2と単眼カメラ3の検出の時間ずれに起因したレーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとの誤差が大きくなり、同図の(b)に示すようにレーダ側検出倍率K0rからの認識精度とカメラ側検出倍率K0cからの認識精度との前記時間ずれによる差は大きくなる。なお、図13の(b)、図14の(b)のlr、lx、lyはレーダ側検出倍率K0rからの認識精度、カメラ側の倍率K0x、Ky0からの認識精度の特性を示す。
このような場合に、レーザレーダ2と単眼カメラ3の検出の時間ずれに起因したレーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cと誤差を所定の条件下に許容することで、レーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとの不一致に基づく、障害物でないとする誤認識を、キャッツアイ(鋲)、マンホール等の路面反射やゴースト物票による障害物の誤認識を大きくすることなく、極力回避することができ、とくに、レーザレーダ2と単眼カメラ3の検出の時間ずれがより大きくなる障害物の接近時の誤認識を極めて良好に回避することができる。
しかも、前記(6)式のGxy・|Kx−Ky|の項により、路面のマンホールの蓋やキャッツアイ(鋲)等を障害物として誤認識することが一層確実に防止される。
さらに、明らかに認識対象が路面垂直物でない可能性が高いときには、前記(6)式のGx、Gyを大きくして画像確信度GCFを積極的に低くし、前記誤差の範囲を逆に狭くして障害物であるとの誤認識を確実に防止して障害物の認識精度をさらに一層向上することができる。
したがって、路面のマンホールの蓋やキャッツアイ(鋲)等を障害物として誤認識することなく、レーザレーダ2及び単眼カメラ3が先行車等の障害物をしっかり捉えているときに障害物でないと誤認識されてしまう事態の発生を防止することができ、障害物の認識精度を著しく向上することができる。
そして、この認識結果に基いて例えば自車1の自動ブレーキシステムを制御することにより、交通事故の著しい低減効果等が期待できる。
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例えば、測距センサとしてのレーダは、スキャニングレーザレーダでなく、同様のスキャニング式の安価な超音波レーダであってもよく、場合によっては、ミリ波レーダ等の電波レーダ等であってもよい。また、撮像センサとしてのカメラは、単眼カメラに限られるものではない。
さらに、制御ECU4の障害物認識の処理プログラム等が図2、図3、図10と異なっていてもよいのも勿論であり、水平、垂直の画像ヒストグラムYm、Xmの各倍率の基準の画像ヒストグラムYr、Xrとの残差和の最小値に基づくカメラ側検出倍率K0cの算出方法等はどのようであってもよく、また、レーダ側検出倍率K0rとカメラ側検出倍率K0cとの所定範囲内の誤差を許容する方法は、前記の画像確信度GCFを算出する方法に限られるものではなく、例えば、前記(6)式のGxy・|Kx−Ky|の項を省いた確信度を用いる方法であってもよく、また、実際に許容範囲のしきい値を適当に設定する方法であってもよい。
ところで、自車1の装備部品数を少なくするため、図1のレーザレーダ2、単眼カメラ3等を追従走行制御、ブレーキ制御等の他の制御のセンサ等に兼用する場合にも適用することができる。
この発明の一実施形態のブロック図である。 図1の動作説明用のフローチャートである。 図2の一部の詳細なフローチャートである。 図1のレーダ測距結果に基づく候補領域検出の説明図である。 図1のカメラ撮影画像のエッジ画像処理の説明図である。 図4のエッジ画像から得られたエッジヒストグラムの1例の説明図である。 図1の画像処理の説明図である。 図1の倍率計算説明用の走行模式図である。 図1のカメラ側検出倍率説明用の模式図である。 図1の個別残差和、統合残差和の1例の特性図である。 図2の他の一部の詳細なフローチャートである。 図1の計算された倍率の1例の特性図である。 障害物が自車前方の比較的離れた距離にあるときのレーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率の検出時間ずれの影響の説明図である。 障害物が接近したときのレーダ側検出倍率とカメラ側検出倍率の検出時間ずれの影響の説明図である。
符号の説明
1 自車
2 スキャニングレーザレーダ
3 単眼カメラ
4 制御ECU
5 メモリユニット
6 認識演算部

Claims (3)

  1. 車両に備えたレーダとカメラとによって自車前方をくり返し探査し、
    前記レーダの探査結果に基づく自車前方の先行車を含む障害物等までの測距距離の変化からレーダ側検出倍率を求め、
    前記カメラの自車前方の撮影結果の画像処理により前記カメラの自車前方の撮影画像の各倍率の基準の画像ヒストグラムとの残差和の最小値に基づいてカメラ側検出倍率を求め、
    前記レーダと前記カメラとのセンサフュージョンの認識処理により、前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率が等しくなるか否かから前記撮影画像の前記障害物の領域の画像が先行車等の路面垂直物か否かを判別し、前記レーダ側検出倍率と前記カメラ側検出倍率とが等しくなる前記路面垂直物を前記障害物として認識する障害物認識方法において、
    前記水平、垂直の画像ヒストグラムの前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率が略等しいことを条件に、前記レーダ側検出倍率と前記カメラ側検出倍率との所定範囲内の誤差を許容して前記レーダ側検出倍率と前記カメラ側検出倍率とが等しいと判断し、前記路面垂直物を前記障害物と認識することを特徴とする障害物認識方法。
  2. 請求項1記載の障害物認識方法において、
    前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率が略等しく、該両倍率がいずれも前記レーダ側検出倍率より大きくなって前記障害物の近距離接近を検出したときに、前記カメラ側検出倍率と前記レーダ側検出倍率とが等しいと判断する前記誤差の範囲を拡大することを特徴とする障害物認識方法。
  3. 前記レーダ側検出倍率が、前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率のいずれよりも大きくなり、かつ、前記レーダ側検出倍率と前記残差和が最小値になる水平、垂直の倍率それぞれとの差いずれかでも設定されたしきい値より大きくなって前記障害物の領域の画像が前記路面垂直物でない可能性が高いときには、前記カメラ側検出倍率と前記レーダ側検出倍率とが等しいと判断する前記誤差の範囲を狭くすることを特徴とする請求項1または2に記載の障害物認識方法。
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