JP4752351B2 - フッ素含有水の処理方法及び装置 - Google Patents

フッ素含有水の処理方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4752351B2
JP4752351B2 JP2005183680A JP2005183680A JP4752351B2 JP 4752351 B2 JP4752351 B2 JP 4752351B2 JP 2005183680 A JP2005183680 A JP 2005183680A JP 2005183680 A JP2005183680 A JP 2005183680A JP 4752351 B2 JP4752351 B2 JP 4752351B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
added
containing water
flocculant
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005183680A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007000768A (ja
Inventor
肇 中野
孝博 川勝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP2005183680A priority Critical patent/JP4752351B2/ja
Publication of JP2007000768A publication Critical patent/JP2007000768A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4752351B2 publication Critical patent/JP4752351B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)

Description

本発明はフッ素含有水の処理方法及び装置に係り、特に、フッ化カルシウム法と水酸化物共沈法とによるフッ素含有水の二段処理において、少ない薬品使用量で効率的な処理を行って高水質の処理水を得る方法及び装置に関する。
半導体部品製造におけるシリコンウェハ製造工程から排出されるフッ素含有排水、ステンレス鋼板製造工程から排出される酸洗排水、アルミニウム表面処理排水、フッ酸製造排水、肥料製造排水、ゴミ焼却排水等のフッ素含有排水は、排水基準を満たすようにフッ素の除去処理を行った後排出する必要がある。フッ素含有排水については、その排水基準が平成13年度にフッ素濃度15mg/Lから8mg/Lに強化されたことに伴い、処理水のフッ素濃度をより一層低減することができる処理技術の開発が望まれている。
従来、フッ素含有水の処理方法として、フッ化カルシウム法と高度処理としての水酸化物共沈法とが知られており、図3に示す如く、一段目にフッ化カルシウム法で処理を行った後、二段目に水酸化物共沈法で高度処理を行う二段処理法も知られている(非特許文献1)。即ち、フッ化カルシウム法では、フッ化カルシウムの溶解度以下に処理水のフッ素濃度を低減することができず、排水基準を満たすことはできないため、このような二段処理が採用されている。
フッ化カルシウム法は、原水槽11からの原水(フッ素含有水)にカルシウム化合物を添加した後(第1反応槽12)、中和剤を添加してpH中性付近に調整し(第2反応槽13)、フッ素とカルシウムとの反応によりフッ化カルシウムの不溶性塩を生成させ、高分子凝集剤を添加して凝集処理し(凝集槽14)、その後固液分離する(沈殿槽15)方法である。この方法において、カルシウム化合物としては一般に消石灰が用いられており、中和剤としては、通常、安価な硫酸が用いられているが、塩酸が用いられる場合もある。
水酸化物共沈法は、アルミニウムが水酸化アルミニウムとして沈殿する際の共沈作用を利用するものであり、一般的には、高度処理に用いられている。この方法では、原水(図3では一段目の処理水)にポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸アルミニウム(硫酸バンド)を添加した後(第1反応槽16)、中和剤で中和し(第2反応槽17)、高分子凝集剤を添加して凝集処理し(凝集槽18)、その後固液分離する(沈殿槽19)。この方法では、PAC等のアルミニウム化合物を添加することによって処理水pHは酸性になるが、中性付近での処理が最も効率良く行えるため、中和のためのアルカリ剤として水酸化ナトリウムなどを添加している。
「公害防止の技術と法規」第288頁〜第289頁
フッ素含有水に消石灰を添加した後、硫酸、塩酸などの中和剤を用いてpHを中性に調整するフッ化カルシウム法では、フッ素の除去性を高めて処理水質を向上させるために、消石灰を多量に添加すると、中和に必要な中和剤量も多くなり、薬品コストが高くつく。また、中和剤として特に硫酸を用いた場合には、消石灰と硫酸との反応で石膏を生成し、フッ素含有水に添加された消石灰がフッ素除去に有効に使用されなくなり、また、石膏の生成で発生汚泥量が増大するといった問題もあった。そして、フッ化カルシウム法による処理水を更に水酸化物共沈法で処理する場合には、PAC等のアルミニウム化合物を添加することにより、低下したpHを中和付近に調整するために、水酸化ナトリウムなどの中和剤を用いる必要があり、一段目、二段目、それぞれに使用される中和剤の量が多い結果、中和剤の総使用量も多いという問題があった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、フッ化カルシウム法と水酸化物共沈法とを用いたフッ素含有水の二段処理において、中和剤使用量の低減を図るフッ素含有水の処理方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のフッ素含有水の処理方法は、フッ素含有水にカルシウム化合物系凝集剤を添加して凝集処理した後固液分離する第一のフッ素除去工程と、該第一のフッ素除去工程で得られた処理水(以下「第一処理水」と称す。)にアルミニウム化合物系凝集剤を添加して凝集処理した後固液分離する第二のフッ素除去工程とを有するフッ素含有水の処理方法において、該第一のフッ素除去工程において、該フッ素含有水にカルシウム化合物系凝集剤を添加してpH10.0〜13.0とし、次いで中和剤として硫酸を添加して該第一処理水のpHが8〜10となるように処理を行うと共に、該第二のフッ素除去工程において、アルミニウム化合物系凝集剤としてLACを該第一処理水に対して100〜500mg/L添加し、更に酸を添加してpH6〜7に調整することを特徴とする。
請求項2のフッ素含有水の処理方法は、請求項1において、前記カルシウム化合物系凝集剤が消石灰であることを特徴とする。
請求項3のフッ素含有水の処理方法は、請求項1又は2において、前記第一のフッ素除去工程で得られた分離汚泥を前記カルシウム化合物系凝集剤と混合して前記フッ素含有水に添加することを特徴とする。
本発明(請求項4)のフッ素含有水の処理装置は、フッ素含有水にカルシウム化合物系凝集剤を添加して凝集処理した後固液分離する第一のフッ素除去手段と、該第一のフッ素除去手段で得られた処理水(以下「第一処理水」と称す。)にアルミニウム化合物系凝集剤を添加して凝集処理した後固液分離する第二のフッ素除去手段とを有するフッ素含有水の処理装置において、該第一のフッ素除去手段において、該フッ素含有水にカルシウム化合物系凝集剤を添加してpH10.0〜13.0とし、次いで中和剤として硫酸を添加してH8〜10の第一処理水を得、該第二のフッ素除去手段においてアルミニウム化合物系凝集剤としてLACを該第一処理水に対して100〜500mg/L添加し、更に酸を添加してpH6〜7に調整することを特徴とする。
請求項5のフッ素含有水の処理装置は、請求項4において、前記カルシウム化合物系凝集剤が消石灰であることを特徴とする。
請求項6のフッ素含有水の処理装置は、請求項4又は5において、前記第一のフッ素除去手段で得られた分離汚泥を前記カルシウム化合物系凝集剤と混合して前記フッ素含有水に添加する手段を有することを特徴とする。
本発明では、カルシウム化合物系凝集剤による一段目のフッ素除去処理において、処理水のpHが8〜10となるような条件で処理を行うため、カルシウム化合物系凝集剤の添加により上昇したpHをpH7の中性に戻す従来法に比べて、中和剤(酸)使用量は少なくて足りる。
また、この一段目のフッ素除去処理で得られる処理水にアルミニウム化合物系凝集剤を添加して凝集、固液分離を行う二段目のフッ素除去処理においては、アルミニウム化合物系凝集剤として、LACを用いることにより、このアルミニウム化合物系凝集剤自体でpHアルカリ性の第一処理水のpH調整を行うことができる。即ち、本発明では二段目のフッ素除去処理において、LACをアルミニウム化合物系凝集剤としてのみならず、中和剤として機能させることができる。このため、二段目のフッ素除去処理の処理水をpH中性にするための中和剤としての酸使用量を更に低減することができる。
従来、水酸化物共沈法で使用されているアルミニウム化合物系凝集剤としては、PAC、硫酸バンドが挙げられるが、これらの薬品はpHが高く、添加量が同じであれば処理水のpHを下げる効果が低い。本発明によれば、LACを用いることにより、PAC等を用いる場合に比べて中和剤の量を減らすことができる。
従って、本発明によれば、一段目及び二段目の双方で中和剤使用量を低減して薬剤コストの低減を図ることができる。
なお、一段目のフッ素除去処理においては、処理水のpHが8.5〜10となるように処理を行うことにより、第一処理水のフッ素濃度は、pH7の中性で行う従来法に比べて高くなる可能性があるが、以下の理由により、従来法以上のフッ素除去効率を得ることができる。
即ち、この第一段目のフッ素除去処理において、中和剤として硫酸を用いた場合には、前述の如く、石膏の生成や、溶解度以下でも不活性な中間体が生成することによる有効カルシウムの減少や汚泥量の増大の問題があったが、本発明では中和剤使用量を低減できることから、このような問題を起こすことのない硫酸添加量で、pH調整することが可能となり、消石灰の消費や汚泥量の増大の問題が防止される。この結果、添加した消石灰がフッ素の除去に有効に使用されるようになり、第一処理水の水質も良好なものとなる。また、この結果、最終処理水の水質も良好なものとなる。
本発明において、アルミニウム化合物系凝集剤は、電解アルミニウムの廃棄物から生産されるLAC:Liquid Aluminium Chlorideを用いる
また、第一段目のフッ素除去処理で得られた分離汚泥の一部をカルシウム化合物系凝集剤と混合してフッ素含有水に添加しても良く、この場合には、汚泥の結晶性の向上、沈降性の向上、含水率の低下を図ることができ、より一層処理水質を良好なものとすると共に、発生汚泥量を低減することができる(請求項3,6)。
以下に、図面を参照して本発明のフッ素含有水の処理方法及び装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1,2は本発明のフッ素含有水の処理方法及び装置の実施の形態を示す系統図である。図1,2において、図3に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
図1においては、原水槽11からの原水(フッ素含有水)を第1反応槽12に導入して、この第1反応槽12でカルシウム化合物系凝集剤を添加した後、第2反応槽13に導入して中和剤を添加してpH調整し、フッ素とカルシウムとの反応によりフッ化カルシウムの不活性塩を生成させる。第2反応槽13の反応液は凝集槽14に導入して高分子凝集剤を添加して凝集処理し、その後沈殿槽15で固液分離する。
この第一のフッ素除去処理において、原水に添加するカルシウム化合物系凝集剤としては特に制限はないが、通常、消石灰が用いられる。ただし、何ら消石灰に制限されるものではなく、塩化カルシウム、炭酸カルシウム等を用いても良い。これらのカルシウム化合物系凝集剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
消石灰等のカルシウム化合物系凝集剤の添加量は、原水中のフッ素濃度によって決定され、原水のフッ素濃度に対して反応当量の1〜10倍、特に2〜5倍程度とすることが好ましい。消石灰の添加量が少な過ぎると原水中のフッ素を十分に除去し得ず、多過ぎると消石灰のみならず、その後の中和のための酸添加量も増大し、好ましくない。本発明では、処理水のpHを8〜10とするため、中和剤としての酸の添加量を低減することができる。このため、中和剤として硫酸を用いる場合の石膏生成等による消石灰の無駄な消費の問題がないため、消石灰の添加量を反応当量よりも大過剰に添加することなく、フッ素含有水中のフッ素を効率的に除去することができる。
原水に消石灰を添加した後の液はpH10.0〜13.0のアルカリ性となるため、次いで、第2反応槽13において、この液に中和剤としての酸を添加してpH調整する。このpH調整は、沈殿槽15で得られる処理水(上澄水)のpHが8〜10、好ましくは8.5〜9.5となるように行う。一般的には、第一処理水のpHは第2反応槽13の調整pHと同等であるため、この第2反応槽13において、pHが8〜10となるように酸を添加すれば良い。また、第一処理水のpHは、最終処理水のpH値(pH約7)から、原水量と二段目のフッ素除去処理におけるアルミニウム化合物系凝集剤のpH及びその添加量と、中和剤の種類と添加量から計算により求めることもできる。
第一処理水のpHが8より低いと本発明による中和剤使用量の低減効果を十分に得ることができず、10よりも高いと後段の第二のフッ素除去処理において、中和剤(酸)を多量に必要とし、好ましくない。
中和剤としての酸としては、硫酸が用いられる。酸添加後は、所定時間、例えば5〜20分程度攪拌して凝集処理することが好ましい。
第2反応槽13において、酸を添加してpH調整し、所定時間凝集処理した後は、好ましくは、凝集槽14で更に高分子凝集剤を添加して凝集処理する。この高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド部分加水分解物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアミジン等の1種又は2種以上を用いることができ、その添加量は、処理対象原水の水質や用いる高分子凝集剤によっても異なるが、通常0.1〜5mg/L程度である。
凝集処理液は次いで固液分離して処理水を得る。この固液分離には沈殿槽15の他、膜分離装置等を用いることができる。
このような第一段目のフッ素除去処理の処理水(沈殿槽15の上澄水)は、次いで、第1反応槽16でアルミニウム化合物系凝集剤が添加され、更に第2反応槽17で中和剤が添加されてpH中性で更に残留するフッ素が水酸化アルミニウムの共沈作用により不溶化された後、凝集槽18で高分子凝集剤が添加されて凝集処理され、その後沈殿槽19で固液分離される。
この第二のフッ素除去処理において、第一のフッ素除去処理で得られた処理水(第一処理水:沈殿槽15の上澄水)に添加するアルミニウム化合物系凝集剤としては、pH3以下、特にpH2.5以下、とりわけpH1.5以下、好ましくはアルミニウム濃度が6重量%以下の条件において、pH3以下、特にpH2.5以下、とりわけpH1.5以下の強酸性の塩化アルミニウム系凝集剤である。このpH値が3を超えるものであると、これを添加することによる中和作用を十分に得ることができず、第二のフッ素除去処理における中和剤としての酸添加量の低減効果を十分に得ることができない。また、pHが3を超えるときは、アルミニウムイオンが高分子様の形態をとるのに対し、pHが3以下のときにはアルミニウムイオンが分散するようになる。分散状のアルミニウムイオンは添加時に網目状に凝集するため、処理効率が向上する。ここでアルミニウム化合物系凝集剤のpHとは、アルミニウム化合物系凝集剤を使用する直前において測定した値であり、本発明では、このときにおいて、アルミニウム濃度6重量%以下でpH3以下を示すものであることが好ましい。なお、本発明において「塩化アルミニウム系」とは、水以外の成分中の塩化アルミニウムの割合が50重量%以上であるものをさす。
本発明で用いるアルミニウム化合物系凝集剤は、LACである
なお、アルミニウム化合物系凝集剤として一般に用いられているPACは、アルミニウム濃度5.3重量%の条件でpH4〜5を示す。これに対して、LACは、PACよりも水酸化アルミニウムの割合が少なく、ほぼ100%が塩化アルミニウムであり、水等で希釈してアルミニウム濃度5.3重量%としたときのpHは約0.5と強酸性であるため、本発明に有効である。ただし、PACであっても、塩酸、硫酸等の鉱酸を加えてアルミニウム濃度が6重量%以下の条件においてpH3以下、特にpH2.5以下、とりわけpH1.5以下となるように調整することにより、本発明に好適に用いることができるようになる。また、LACとPACとを混合してアルミニウム化合物系凝集剤としても良い。
このようなアルミニウム化合物系凝集剤は、その取り扱い上、希釈して添加しても良い。ここで水溶液の調製に用いる水は、市水、工水、或いは本発明による処理で得られる処理水のいずれであっても良く、後述の如く、他の排水であっても良いが、pH3以下の水溶液として添加することが、高い中和作用を得る上で重要である。
アルミニウム化合物系凝集剤の添加量は、少な過ぎると二段フッ素除去処理を行うことによるフッ素の高度処理を十分に行うことができず、多過ぎると汚泥量が増大し、また処理系内のpHが下がりすぎることから、アルミニウム化合物系凝集剤の添加量は、例えばpH9の第一処理水に対して100〜500mg/L、特に200〜400mg/L、一般的には、原水に対して50〜500mg/L程度とすることが好ましい。
第一処理水にアルミニウム化合物系凝集剤を添加した後のpHは、第一処理水のpHにもよるが、通常5〜8程度であるため、この水に必要に応じて更に中和剤を添加してpH中性(pH6〜7)にpH調整する。
中和剤としての酸としては、塩酸、硫酸等の鉱酸、好ましくは硫酸が用いられる。ただし、第一処理水のpH、アルミニウム化合物系凝集剤のpH及び添加量によっては、中和剤として水酸化ナトリウム等のアルカリを添加する必要がある場合もある。
また、本発明では、用いるアルミニウム化合物系凝集剤のpHと添加量を調整することにより、この中和剤添加を不要とすることもできる。即ち、アルミニウム化合物系凝集剤を、処理水のpHが中性となるような量で添加することにより、中和剤を不要とすることができる。
中和剤添加後は、所定時間、例えば5〜20分程度攪拌して凝集処理することが好ましい。
第2反応槽17において、中和剤を添加してpH調整し、所定時間凝集処理した後は、好ましくは、凝集槽18で更に高分子凝集剤を添加して凝集処理する。この高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド部分加水分解物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアミジン等の1種又は2種以上を用いることができ、その添加量は、処理対象原水の水質や用いる高分子凝集剤によっても異なるが、通常0.1〜5mg/L程度である。
凝集処理液は次いで固液分離して処理水を得る。この固液分離には沈殿槽19の他、膜分離装置等を用いることができる。
本発明においては、一段目のフッ素除去処理において得られた分離汚泥の一部(沈殿槽15の沈降汚泥の一部)を原水側に返送し、返送汚泥の種晶効果で汚泥の結晶性の向上、含水率の低下、沈降性の向上を図ることもできる。この場合、返送汚泥を消石灰等のカルシウム化合物系凝集剤と混合し、混合物(以下「改質汚泥」と称す場合がある。)を原水に添加するようにすることもでき、これにより、より一層の処理水質の向上と汚泥発生量の低減を図ることができる。
図2はこのような汚泥返送を行う場合を示す系統図であり、沈殿槽15の分離汚泥の一部は調整槽20に導入され、消石灰等のカルシウム化合物系凝集剤はこの調整槽20に添加され、汚泥と混合された後、第1反応槽12に返送されること以外は図1と同様の処理が行われる。
なお、この場合の返送汚泥量は、少な過ぎると汚泥返送を行うことによる上記効果を十分に得ることができず、多過ぎると沈殿槽の負荷が増大するため、新たに発生する汚泥量に対して10〜40倍程度とし、特に消石灰と返送汚泥とを混合する場合、改質汚泥のpHが11以上であるような量とすることが好ましい。
図1,2に示す方法は、本発明の実施の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示の方法に限定されるものではない。例えば、図1,2において、第1反応槽16にアルミニウム化合物系凝集剤が添加され、第2反応槽17に中和剤が添加されるが、アルミニウム化合物系凝集剤と中和剤は同一の反応槽に添加することもできる。この場合には第2反応槽17は不要となる。また、第1反応槽16にアルミニウム化合物系凝集剤と中和剤を添加し、第2反応槽17で更に中和剤を添加しても良い。そして、前述の如く、中和剤の添加を不要とすることもでき、その場合には、第2反応槽17が不要となる。また、第1反応槽12や、原水槽11と第1反応槽12の間の配管に、あらかじめ硫酸や塩酸などの酸を添加する手段を設けておき、第1反応槽12に添加する消石灰量をpHでコントロールすることもできる。なお、図1,2において、沈殿槽15,19は図示しない配管により、その分離汚泥の必要量が系外へ排出される。
本発明によれば、一段目のフッ素除去処理及び二段目のフッ素除去処理の双方において、中和剤使用量を大幅に低減することができ、また、一段目のフッ素除去処理において、硫酸による消石灰の消費が防止されると共に、二段目のフッ素除去処理においてpH3以下のアルミニウム化合物系凝集剤、好ましくはLACによる良好な共沈効果により、高水質の処理水を得ることができる。更に、薬剤使用量の低減で汚泥発生量の低減を図ることも可能である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、以下において、フッ素濃度の測定はJIS K0102 34.1に従って行った。また、高分子凝集剤としてはポリアクリルアミド部分加水分解物を用いた。
以下の実施例及び比較例では、フッ素130mg/Lを含有する電子産業排水を原水として処理を行った。
実施例1
図1に示す方法に準じて原水の処理を行った。
原水に、890mg/Lの消石灰を添加した後、硫酸を用いてpHを8.5に調整した。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤1mg/Lを添加し、静置して沈殿させた。その後、上澄水にLAC200mg/Lを添加し、硫酸を用いてpHを7とした。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤1mg/Lを添加し、静置して沈殿させた。
得られた処理水(上澄水)中のフッ素濃度と硫酸濃度を測定すると共に、発生汚泥量を調べ、結果を表1に示した。なお、表1には、高分子凝集剤以外の薬品使用量を併記した。
実施例2
図2に示す方法に準じて原水の処理を行った。
原水に対して890mg/Lの消石灰に対して、実施例1で生成した汚泥を新たに生成する汚泥量に対して20倍となるような量で混合してpH12.8の改質汚泥とし、この改質汚泥を原水に添加した後、硫酸を用いてpHを8.5に調整した。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤1mg/Lを添加し、静置して沈殿させた。その後、上澄水にLAC200mg/Lを添加し、硫酸を用いてpHを7とした。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤1mg/Lを添加し、静置して沈殿させた。
処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
比較例1
図3に示す従来法に準じて原水の処理を行った。
原水に、890mg/Lの消石灰を添加した後、硫酸を用いてpHを7に調整した。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤を1mg/L添加し、静置して沈殿させた。その後、上澄水にPAC300mg/Lを添加し、水酸化ナトリウムを用いてpHを7とした。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤を1mg/L添加し、静置して沈殿させた。
処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
比較例2
実施例1において、LACの代りにPACを用いたこと以外は同様にして処理を行った。
原水に、890mg/Lの消石灰を添加した後、硫酸を用いてpHを8.5に調整した。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤を1mg/L添加し、静置して沈殿させた。その後、上澄水にPAC200mg/Lを添加し、硫酸を用いてpHを7とした。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤を1mg/L添加し、静置して沈殿させた。
処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
比較例3
比較例2において、PACの添加量を300mg/Lにしたこと以外は同様にして処理を行った。
原水に、890mg/Lの消石灰を添加した後、硫酸を用いてpHを8.5に調整した。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤を1mg/L添加し、静置して沈殿させた。その後、上澄水にPAC300mg/Lを添加し、硫酸を用いてpHを7とした。30min攪拌して凝集処理した後、高分子凝集剤を1mg/L添加し、静置して沈殿させた。
処理水のフッ素及び硫酸濃度と汚泥発生量を調べ、その結果を薬品使用量と共に表1に示した。
Figure 0004752351
表1より、本発明によれば、同等の水質(6mg−F/L)を得るための薬品使用量の低減ができ、硫酸では約50%、アルミニウム化合物では約30%の削減効果が見られ、発生汚泥量は10%以上低減できたことが分かる。特に第一段目のフッ素除去処理における分離汚泥を返送して原水に添加することにより、処理水質フッ素濃度で5mg/L以下に、汚泥発生量を30%以上削減することが可能である。
このような本発明のフッ素含有水の処理方法及び装置は、半導体部品製造におけるシリコンウェハ製造工程から排出されるフッ素含有排水、ステンレス鋼板製造工程から排出される酸洗排水、アルミニウム表面処理排水、フッ酸製造排水、肥料製造排水、ゴミ焼却排水等の各種フッ素含有水の処理に有効である。
本発明のフッ素含有水の処理方法及び装置の実施の形態を示す系統図である。 本発明のフッ素含有水の処理方法及び装置の他の実施の形態を示す系統図である。 従来法を示す系統図である。
11 原水槽
12,16 第1反応槽
13,17 第2反応槽
14,18 凝集槽
15,19 沈殿槽
20 調整槽

Claims (6)

  1. フッ素含有水にカルシウム化合物系凝集剤を添加して凝集処理した後固液分離する第一のフッ素除去工程と、該第一のフッ素除去工程で得られた処理水(以下「第一処理水」と称す。)にアルミニウム化合物系凝集剤を添加して凝集処理した後固液分離する第二のフッ素除去工程とを有するフッ素含有水の処理方法において、
    該第一のフッ素除去工程において、該フッ素含有水にカルシウム化合物系凝集剤を添加してpH10.0〜13.0とし、次いで中和剤として硫酸を添加して該第一処理水のpHが8〜10となるように処理を行うと共に、該第二のフッ素除去工程において、アルミニウム化合物系凝集剤としてLACを該第一処理水に対して100〜500mg/L添加し、更に酸を添加してpH6〜7に調整することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  2. 請求項1において、前記カルシウム化合物系凝集剤が消石灰であることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、前記第一のフッ素除去工程で得られた分離汚泥を前記カルシウム化合物系凝集剤と混合して前記フッ素含有水に添加することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  4. フッ素含有水にカルシウム化合物系凝集剤を添加して凝集処理した後固液分離する第一のフッ素除去手段と、該第一のフッ素除去手段で得られた処理水(以下「第一処理水」と称す。)にアルミニウム化合物系凝集剤を添加して凝集処理した後固液分離する第二のフッ素除去手段とを有するフッ素含有水の処理装置において、
    該第一のフッ素除去手段において、該フッ素含有水にカルシウム化合物系凝集剤を添加してpH10.0〜13.0とし、次いで中和剤として硫酸を添加してH8〜10の第一処理水を得、該第二のフッ素除去手段においてアルミニウム化合物系凝集剤としてLACを該第一処理水に対して100〜500mg/L添加し、更に酸を添加してpH6〜7に調整することを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
  5. 請求項4において、前記カルシウム化合物系凝集剤が消石灰であることを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
  6. 請求項4又は5において、前記第一のフッ素除去手段で得られた分離汚泥を前記カルシウム化合物系凝集剤と混合して前記フッ素含有水に添加する手段を有することを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
JP2005183680A 2005-06-23 2005-06-23 フッ素含有水の処理方法及び装置 Expired - Fee Related JP4752351B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005183680A JP4752351B2 (ja) 2005-06-23 2005-06-23 フッ素含有水の処理方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005183680A JP4752351B2 (ja) 2005-06-23 2005-06-23 フッ素含有水の処理方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007000768A JP2007000768A (ja) 2007-01-11
JP4752351B2 true JP4752351B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=37686846

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005183680A Expired - Fee Related JP4752351B2 (ja) 2005-06-23 2005-06-23 フッ素含有水の処理方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4752351B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105948313A (zh) * 2016-05-25 2016-09-21 秦华达 不锈钢酸洗废水和清洗废水混合处理工艺

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5132060A (ja) * 1974-09-13 1976-03-18 Showa Koji Kk Futsusoganjuhaisuinoshorihoho
JPS5843282A (ja) * 1981-09-10 1983-03-12 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd フツ素含有廃水の処理方法
JPS5969112A (ja) * 1982-10-15 1984-04-19 Nippon Carbide Ind Co Ltd 凝集剤組成物
JPS59193190A (ja) * 1983-04-15 1984-11-01 Chiyoda Chem Eng & Constr Co Ltd 石炭火力排煙脱硫排水中のフツ素の除去法
JPS61185375A (ja) * 1985-02-12 1986-08-19 Shinko Fuaudoraa Kk ヒ素およびフツ素含有廃水の処理方法
JPS63141613A (ja) * 1986-12-03 1988-06-14 Asada Kagaku Kogyo Kk 水の処理法
JPH01143608A (ja) * 1987-11-20 1989-06-06 Mack Stewart Claude 水処理組成物及び方法
JP3334142B2 (ja) * 1991-10-01 2002-10-15 栗田工業株式会社 フッ素含有水の処理方法
JP2596908B2 (ja) * 1995-01-09 1997-04-02 千代田化工建設株式会社 フッ素含有排水の処理方法
JPH08197070A (ja) * 1995-01-24 1996-08-06 Kurita Water Ind Ltd フッ素含有水の処理方法
JPH10258202A (ja) * 1997-03-19 1998-09-29 Neos Co Ltd 水性塗料の凝集処理剤及びその用途
JP3903591B2 (ja) * 1998-05-26 2007-04-11 栗田工業株式会社 フッ素及びリン含有排水の処理方法
JP4508600B2 (ja) * 2003-10-21 2010-07-21 栗田工業株式会社 フッ素含有排水の処理方法及び処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007000768A (ja) 2007-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4661132B2 (ja) フッ素含有排水の処理方法及び処理装置
JP4572812B2 (ja) フッ素含有水の処理方法
JP2005296838A (ja) フッ素、リン含有水の処理方法および装置
JP4752351B2 (ja) フッ素含有水の処理方法及び装置
JP4508600B2 (ja) フッ素含有排水の処理方法及び処理装置
JP2006218354A (ja) フッ素含有廃水の処理方法
JP4631420B2 (ja) フッ素含有水の処理方法
KR20150120971A (ko) 붕불화물 함유수의 처리 방법 및 처리 장치
JP2007038163A (ja) フッ素含有排水の処理方法及び処理装置
JP4689186B2 (ja) フッ素含有水の処理方法
JP6045964B2 (ja) ホウフッ化物イオン含有排水の処理方法およびホウフッ化物イオン含有排水の処理装置
JP2006167631A (ja) リン酸を含むフッ素含有排水の処理方法及び処理装置
JP5848119B2 (ja) フッ素含有排水の処理方法
JP5250486B2 (ja) 鉄鋼製造排水の浄化処理方法
JP2007260556A (ja) リン酸含有排水の処理方法及び処理装置
JP2010075928A (ja) フッ素含有排水の処理方法及び処理装置
JP4035347B2 (ja) セレン酸含有排水の処理方法及びこれに用いる処理剤
JP4232019B2 (ja) フッ素含有排水の処理方法
JP2008149222A (ja) 温泉水中のフッ素イオン除去方法
JP4555330B2 (ja) 米の研ぎ汁処理方法
JP5057955B2 (ja) 汚泥濃縮方法及び汚泥濃縮装置
JPH06114382A (ja) フッ素含有排水の処理方法
KR101270211B1 (ko) 불소 함유 폐수처리용 조성물
JP4524796B2 (ja) フッ素含有排水の処理方法及び処理装置
JP2010099552A (ja) 廃水の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110509

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4752351

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees