JP4749138B2 - 管状鋳物製造用部品 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳物を製造するときに湯道管等として使用される管状鋳物製造用部品に関する。
鋳物を製造するときに湯道管等として使用される管状の鋳物製造用部品に関し、出願人は、下記特許文献1に記載の技術を提案している。この技術は、有機繊維、無機繊維及びバインダーを含有する紙管用原紙を管状に成形したものであり、従来から使用されている耐火材に比べて軽量で取り扱いやすく、鋳物の鋳込み後の廃棄処理等にも優れている。
特開2004−174605号公報
ところで、前記鋳物製造用部品を生砂や硬化砂等の鋳砂内に埋設して鋳型を構成する場合、該鋳物製造用部品に鋳砂の水分や溶剤が浸透して強度が低下し、鋳型が破損してしまう場合があった。また、皮膚への刺激性を有する剛直な無機繊維を含んでいるため、加工や鋳型を構成するときに取り扱い辛かった。そこで、水や溶剤が浸透しづらく、しかも取り扱い易い鋳物製造用部品が望まれていた。
本発明の目的は、水や溶剤が浸透しづらく、取り扱い易い管状鋳物製造用部品を提供することにある。
本発明は、撥水性紙管層を最外層に有しているとともに、該撥水性紙管層の内側に、無機繊維、有機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する耐熱性紙管層を有している管状鋳物製造用部品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明の管状鋳物製造用部品によれば、水分や溶剤が浸透し辛いので、鋳砂に埋設させて鋳型を構成する場合においても強度低下による破損を防ぐことができる。また、皮膚への刺激性がないので、取り扱いやすい。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
図1に示すように本実施形態の管状鋳物製造用部品10は、撥水性紙管層11を最外層に有しているとともに、撥水性紙管層11の内側に耐熱性紙管用原紙が巻回された二つの紙管層121、122からなる耐熱性紙管層12を有している。
撥水性紙管層11は、有機繊維を主体として撥水性を有する普通紙又は無機繊維を主体とした機能紙で構成されている。ここで、有機繊維又は無機繊維を主体としてとは、含有している全固形分質量に対して有機繊維又は無機繊維を50%以上含んでいることをいう。
撥水性紙管層11には、有機繊維又は無機繊維以外に、後述する撥水性を発現させるためのコーティング剤、原紙自体に撥水性を与えるサイズ剤の他、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の化学繊維、粉体のバインダー等を1種、又は2種以上を含んでいる。
撥水性紙管層11を構成する好ましい前記有機繊維としては、パルプ繊維、合成繊維(例えば、ナイロン、ポリエステル繊維等)、再生繊維(例えば、レーヨン、繊維等)等が挙げられる。有機繊維は、単独で又は二種以上を選択して用いることができる。
撥水性紙管層11を構成する好ましい前記無機繊維としては、カーボン繊維、ガラス繊維、ロックウール等の鉱物繊維、金糸、銀糸、銅糸、スチール繊維等の金属繊維、スラッグファイバー等の鉱滓繊維等が挙げられる。無機繊維は単独で又は二種以上を選択して用いることができる。
撥水性紙管層11は撥水性を有している。この撥水性は、前記撥水剤(コーティング剤、サイズ剤等)に基づいて発現されている。該撥水性は、該鋳物用部品の強度低下防止を考慮すると、吸水率(吸水質量/鋳物用部品の吸水前質量)は50%以下が好ましく、10%がより好ましい。ここで、撥水性紙管層11の有する吸水率は、例えば、JIS P 8140で示される、「紙及び板紙の吸水度試験方法(コッブ法)」により測定される。ただし、上記の吸水率は試験片と水との接触時間が60秒時の値である。
撥水性紙管層11の厚みは、0.01〜2.0mmが適当であるが巻き管を成形するときの成形性、強度を考慮すると、0.03〜1.5mmが好ましく、0.05〜1.0mmがより好ましい。また、ガラス繊維、カーボン繊維等を薄く平らに広げ、バインダーで固めた機能紙では内層からカーボン繊維等の剛直な繊維が孔(繊維間の隙間)を通じて直接人体肌へ痛感等の刺激を与える場合がある。この刺激を防止する為に機能紙の表面から裏面まで貫通する孔がない、もしくは孔がある場合でも孔が直線的に空いていないこと、もしくは繊維が外に出ないよう最大孔径が7μm以下であることが好ましい。カーボン繊維の平均直径が7μmであるからである。また、有機繊維を主体とした普通紙も上述と同様に刺激を防止する為に普通紙の表面から裏面まで貫通する孔がない、もしくは孔がある場合でも孔が直線的に空いていないこと、もしくは繊維が外に出ないよう最大孔径が7μm以下であることが好ましい。特に和紙等の繊維間の隙間が多い普通紙に対しては上述のようにすることがより好ましい。
ここで、普通紙とはJISで規定している紙及び板紙の定義に準じて以下の様に定義する。普通紙とは"有機繊維、植物繊維、その他の繊維をこう着させて製造した紙、又は木材パルプ、古紙等を原料として製造した紙"である。
一方、機能紙とは、ガラス繊維、合成高分子物質、無機材料等を配合等して製造された紙であり、普通紙が有していない性質(耐熱性、高剛性等)を有する紙のことである。
なお、耐水性は上述の撥水剤を抄紙原料に添加すれば普通紙でも発現することができる為、撥水性を有する紙は機能紙だけに制限されるものではない。
撥水性紙管層11の具体的な例としては、木材パルプ、化学パルプ、砕木パルプ、わらパルプ、古紙等を配合したダンボール原紙、黄板紙、白板紙等の板紙、レーヨン等化学繊維を原料とした化学繊維紙、及び一般的な上質紙、印刷用紙、クラフト紙等が考えられるが原紙の価格、入手のし易さを考慮すると、クラフト紙が挙げられる。ここで、クラフト紙とは、JIS P 3401クラフト紙、及びJIS P 3412クラフト伸張紙を含むクラフトパルプを原料とした紙をいう。なお、最外層は価格、入手先の容易さから普通紙を用いていることが好ましいが、撥水性を有する紙なら何でも良い。例えば水中に分散されたガラスウールやカーボン繊維等を抄紙、脱水されたものにバインダーを直接吹きかけて製造したような機能紙でもよい。
耐熱性紙管層12の厚みは、鋳物製造用部品としての強度並びに溶融金属が流れる際の動圧に耐えることを考慮すると0.3mm以上、特に、0.5mm以上が好ましい。
耐熱性紙管層12を構成する紙管層121、122は、無機粉体、無機繊維、有機繊維、熱硬化性樹脂、抄紙用バインダー及び撥水剤を含有している。
本実施形態の耐熱性紙管層は、前記無機粉体、無機繊維、有機繊維、熱硬化性樹脂、抄紙用バインダー及び撥水剤の総質量に対し、各成分の配合比(質量比率)は、無機粉体/無機繊維/有機繊維/熱硬化性樹脂(固形分)/抄紙用バインダー(固形分)/撥水剤=0〜70%/1〜60%/1〜40%/1〜40%/1〜10%/0〜5%(質量比率)の範囲であり、40〜70%/1〜10%/1〜25%/1〜25%/1〜10%/0〜5%(質量比率)が好ましく、50〜70%/1〜8%/1〜20%/10〜25%/3〜7%/0〜1%(質量比率)がより好ましい。また、上記各成分の含有質量比率は合計で100%である。無機粉体の配合比が斯かる範囲であると、鋳込み時での形状保持性、成形品の表面性が良好となり、また成形後の離型性も好適となる。無機繊維の配合比が斯かる範囲であると、抄紙性、鋳込み時の形状保持性が良好である。有機繊維の配合比が斯かる範囲であると抄紙性が良好で、鋳込み時の燃焼ガス発生量を少なくすることができるため、吹き戻し(溶湯の逆流)を抑えることができる。熱硬化性樹脂の配合比が斯かる範囲であると、鋳型の成形性、鋳込み後の形状保持性、表面平滑性が良好である。抄紙バインダーが斯かる範囲であると原料中の粉体成分を繊維に付着させ、かつ繊維同士も適度に絡みつき抄紙に最適なフロックを形成することができ、歩留まりも良好である。撥水剤の配合比が斯かる範囲であると、抄紙して作られた原紙から鋳物製造用部品を製造する際に使用する接着剤が原紙にしみ込むことがなく、適量の接着剤の使用量で済む。又、鋳物製造用部品を鋳物砂に埋めた時の鋳物砂中の水分が鋳物製造用部品に浸透することがない。なお、耐熱性紙管層の使用環境が乾燥状態であったり、又、前記熱硬化性樹脂の種類やその使用量によっては熱硬化性樹脂が撥水性を発現する場合があり、そのような時には撥水剤を添加しなくても良い。
前記無機粉体としては、黒曜石、ムライト、板状黒鉛、土状黒鉛等の黒鉛等が挙げられる。無機粉体は、これらを単独で又は二種以上を選択して用いることができる。鋳物の炭素量が4.2%以下の場合には浸炭現象(炭素が鋳物に吸収され、脆くなる現象)が発生する。この場合には、鋳物炭化物からの浸炭現象を防止するためにシリカ分を含む無機粉体を使用する必要がある。該無機粉体として黒曜石、ムライト等を用いることが好ましい。また、鋳物の炭素量が4.2%以上の場合には無機粉体を含まなくても良い。
前記無機繊維は、主として前記耐熱性紙管層の骨格をなし、例えば、鋳造時の溶融金属の熱によっても燃焼せずにその形状を維持する。前記無機繊維としては、炭素繊維、ロックウール等の人造鉱物繊維、セラミック繊維、天然鉱物繊維が挙げられ、それらを単独で又は二種以上を選択して用いることができる。これらの中でも、前記熱硬化性樹脂の炭化に伴う収縮を効果的に抑える点から高温でも高強度を有するピッチ系やポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維を用いることが好ましく、特にPAN系の炭素繊維が好ましい。
前記無機繊維は、前記耐熱性紙管用紙を抄紙して成形する場合の成形のしやすさ、成形品の厚みの均一等の品質の観点から平均繊維長が0.1〜10mm、特に3.0〜6.0mmであるものが好ましい。平均繊維長が0.1mm超の場合は抄紙網の目に繊維が通り抜ける確率が低くなるので、白水に繊維が混ざり歩留まりが低くなることを抑えることができる。また、得られた成形品の強度も高くなる。一方、平均繊維長が10mm未満であると、成形品全体が嵩高とならず成形品表面が凸凹になり難く、鋳込み時に溶融金属の良好な流動性が保たれる。
前記有機繊維には、パルプ繊維、合成繊維、再生繊維(例えば、レーヨン繊維)等が挙げられる。有機繊維は、単独で又は二種以上を選択して用いることができる。成形性、乾燥後の強度、コストの点から、パルプ繊維が好ましい。
前記パルプ繊維としては、木材パルプ、コットンパルプ、リンターパルプ、竹やわらその他の非木材パルプが挙げられる。パルプ繊維は、これらのバージンパルプ若しくは古紙パルプを単独で又は二種以上を選択して用いることができる。パルプ繊維は、入手の容易性、環境保護、製造費用の低減等の点から、特に古紙パルプが好ましい。
前記有機繊維は、表面平滑性、耐衝撃性を考慮すると、平均繊維長が0.1〜20mm、特に3〜10mmであるものが好ましい。
前記熱硬化性樹脂は、耐熱性紙管層12の常温強度及び熱間強度を維持させると共に、耐熱性紙管層の表面性を良好とし、鋳物の表面粗度を向上させる上で必要な成分である。前記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特に、燃焼ガスの発生が少なく、燃焼抑制効果があり、熱分解(炭化)後における残炭率が25%以上と高く、鋳造に用いた場合に炭化皮膜を形成して良好な鋳肌を得ることができる点からフェノール樹脂を用いることが好ましい。ここで、残炭率とは、熱硬化性樹脂のサンプルを窒素雰囲気下において常温から1200℃まで昇温速度50℃/分で加熱した後に測定した質量を加熱前の質量で割った値をいう。加熱中に熱硬化性樹脂から燃焼ガスが放出される為、加熱後の質量は加熱前より軽くなる。フェノール樹脂には、硬化剤を必要とするノボラックフェノール樹脂、硬化剤の必要ないレゾールタイプ等のフェノール樹脂が用いられる。白水中の溶出遊離フェノールを極力抑制させるには、低遊離フェノール樹脂を用いることが好ましい。例えば、塩基性触媒や酸性触媒で合成されたレゾールフェノール樹脂の高分子量タイプのものが好ましい。ノボラックフェノール樹脂を用いる場合には、硬化剤を要する。該硬化剤は水に溶け易いため、原紙の脱水後にその表面に塗工されるのが好ましい。前記硬化剤には、ヘキサメチレンテトラミン等を用いることが好ましい。前記熱硬化性樹脂は、単独で又は二種以上を選択して用いることができる。
前記抄紙バインダーとしては、でんぷん、ゼラチン、グアーガム、CMC(カルボキシメチルセルロース)といった天然高分子、カイメン(ポリアミドアミンエピクロルヒドリン樹脂)、PVA(ポリビニルアルコール)、PAM(ポリアクリルアミド)、PEO(ポリエチレンオキサイド)といった水溶性合成高分子及びスチレン・ブタジエン系、アクリルニトリル・ブタジエン系、アクリル系、酢酸ビニル系といったラテックス、コロイダルシリカ、アルミナ系といった無機バインダーといったものが挙げられる。これらの中でも粉体の固定化性能に優れたカイメン、CMC、アクリル系ラテックス等を用いることが好ましい
前記の撥水性を発現させるサイズ剤としては、ロジン等の天然系、AKD(アルキルケテンダイマー)、ASA(アルケニル無水コハク酸)等の合成系、及びワックス等が挙げられる。これらの中でも少量で中性領域において優れた撥水性を持ち、ロジン等に比べ耐酸性、耐アルカリ性に優れているAKDが好ましい。
耐熱性紙管層12を構成する紙管層121、122には、前記各成分以外に、凝集剤、着色剤等の他の成分を適宜の割合で添加することもできる。
管状鋳物製造用部品10の総厚みは、それが使用される場所に応じて適宜設定することができるが、鋳物製造用部品としての強度の確保、通気性の確保、製造費抑制等を考慮すると0.5〜6.0mmが好ましく、1.0〜3.0mmがより好ましい。
管状鋳物製造用部品10は、強度確保の面で、鋳造に用いられる前の状態での圧縮強度は20N以上が好ましく、40N以上がより好ましい。ここで、管状鋳物製造用部品の圧縮強度は、管状の成形品を長さ60mmに切断し、切断面を横にした状態でテンシロン万能試験機(株式会社エーアンドディ製RTA500)等の圧縮強度測定器にて圧縮速度10mm/分で押し下げることにより測定される管側面の圧縮強度をいう。
管状鋳物製造用部品10は、溶湯と接触した時に、水蒸気発生を極力抑える点から、鋳造に用いられる前の状態の含水率(重量含水率)は20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。水蒸気の発生は溶湯の流入口からの吹き戻し(逆流)の原因となるからである。
次に、管状鋳物製造用部品10の製造方法について説明する。
先ず、撥水性紙管層11及び耐熱性紙管層12の原紙となる普通紙及び耐熱性紙管用原紙をそれぞれ作製する。
これらの原紙は、前記撥水性紙管層及び前記耐熱性紙管層を構成する前記各成分を分散媒に分散させた原料スラリーをそれぞれ調製し、これら原料スラリーから湿式抄紙法によって抄紙し、脱水、乾燥させて作製する。
前記分散媒としては、水、白水の他、エタノール、メタノール等の溶剤等が挙げられる。そして、これらの中でも抄紙、脱水成形の安定性、品質の安定性、費用低減、取り扱い易さ等の点から水が好ましい。
前記原料スラリーには、凝集剤、防腐剤等の添加剤を添加することができる。
上述のようにして調製した原料スラリーを用い、各紙管層用の原紙を抄紙する。
これらの原紙の抄紙方法には、例えば、連続抄紙式である円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等を用いた抄紙方法、バッチ方式の抄紙方法である手漉法等の公知の抄紙方法を採用することができる。
次に、脱水された前記各原紙を乾燥工程で乾燥する。乾燥工程での乾燥には従来から紙の乾燥に用いられている通常の手法が用いられる。なお、繊維間の水素結合を強固にして各原紙の機械的強度を向上させる為に、含水率が30%以下となるまで、好ましくは10%以下となるまで該各原紙を乾燥させることが好ましい。
次に、得られた各原紙を所定幅に裁断し巻管加工を施す。巻管加工は従来から用いられている手法が用いられる。先ず、耐熱性紙管用原紙を巻管加工用のシャフトの外周に沿って螺旋状に重ね巻きして筒状に成形し、その外側にさらに耐熱性紙管原紙を螺旋状に重ね巻きして耐熱性紙管層とする。そして、その外側に最外層の撥水性紙管層となる前記普通紙を重ね巻きする。隣接する層を構成する原紙の巻き方は、同じ方向に重ね巻きしても良いし、異なる方向に重ね巻きしても良い。同じ方向とする場合には、先に重ね巻きした原紙の継ぎ目となる部分を覆うように重ね巻きすることが好ましい。重ね巻きの際には適宜接着剤を使用して筒状に成形する。各原紙の幅、重ね幅、紙管の内径等は、鋳物の質量(管内を通過する溶融金属の量)、造型強度(砂型を作る際の圧力に耐える強度)に応じて設定する。
全ての層の重ね巻きが完了した後、所定温度で加熱乾燥し、所定の寸法に切断加工して管状鋳物製造用部品の製造を完了する。
以上説明したように、本実施形態の鋳物製造用部品は、最外層に撥水性紙管層を有しているので、鋳砂中に埋設させて鋳型を構成する場合でも、鋳砂の水分や溶剤の浸透を防ぐことができる。よって、鋳物製造用部品の強度低下による鋳型の破損を防ぐことができる。また、最外層が前記撥水性紙管層で形成されているので、肌への刺激性も少なく、切断加工や鋳型を組み立てるときにも取り扱いやすい。
加えて、本発明の鋳物製造用部品は、従来と同様に軽量で簡便な装置で容易に切断加工等ができるため、この点においても取り扱い性にも優れている。
本発明は上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。
前記実施形態では、耐熱性紙管層12を二つの紙管層で、撥水性紙管層を一つの紙管層で構成したが、耐熱性紙管層を一つ又は三つ以上の紙管層で構成することもできるし、撥水性紙管層を二つ以上の紙管層で構成することもできる。溶融金属の鋳込み時の動圧に耐えること、巻き部分からの溶融金属の漏れを防止できること、当該管状鋳物製造用部品が砂に埋められる際の圧力に耐えること等の観点で各紙管層ともに多層にすることが好ましい。ただし、これらの層構成は、鋳込み時の溶融金属の動圧、当該管状鋳物製造用部品が砂に埋められる際の圧力、当該管状鋳物製造用部品の製造コスト、燃焼ガスの発生量等を考慮して必要に応じて適宜に設定することができ、各紙管層が多層で構成されることに限定されるものではなく、各紙管層が1層でもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、本実施例になんら制限されない。
〔実施例1〕
下記耐熱性紙管層用原紙及び普通紙によって図1に示すような三層構造の管状鋳物製造用部品を作製した。そして、得られた管状鋳物製造用部品について、表面の撥水性、強度、肌への刺激性を評価した。それらの結果を表1に示した。
〔管状鋳物製造用部品の構成材〕
耐熱性紙管層用原紙:
無機粉体:黒曜石(キンセイマテック社製 ナイスキャッチフラワー#330) 57.3質量%
無機繊維:炭素繊維(三菱化学社製 パイロフィルTR03CM) 7.2質量%
有機繊維:再生古紙: 11.5質量%
熱硬化性樹脂:レゾールフェノール樹脂(エアウォーター社製 ベルパール S890) 17.5質量%
抄紙用バインダー:カイメン 3.0質量%、
抄紙用バインダー:CMC 3.0質量%
撥水剤:アルキルケテンダイマー 0.3質量%
凝集剤(三洋化成社製 サンフロック) 0.2質量%
(以上の原料合計で100質量%)
普通紙:市販クラフト紙(紙厚0.2mm、坪量64g/m2、撥水性:コッブ試験法にて重量増加10%以下)
接着剤:フェノール樹脂エマルジョン(住友ベークライト社製 PR−51464)
〔管状鋳物製造用部品の形態〕
耐熱性紙管層用原紙を、101mm、102.5mm幅に、普通紙を104mm幅にそれぞれ裁断し、外径Φ70のシャフトに長さ101mmの耐熱性紙管層用原紙を1層目、長さ102.5mmの耐熱性紙管層用原紙を2層目、長さ104mmの普通紙を3層目にそれぞれ下の層の継ぎ目を覆うように2層目、3層目に接着剤をつけながら重ね巻きし、下記形態の管状鋳物製造用部品を作製した。
総厚み:1.9mm(耐熱性紙管層厚み1.7mm、普通紙管層の厚み0.2mm)
内径:Φ70mm
長さ:1000mm
〔比較例1〕
実施例1の3層目の撥水性の有る普通紙に替えて、厚み0.2mmの吸水性が有り撥水性が無い普通紙を巻いて下記形態の管状鋳物製造用部品を作製した。そして、得られた管状鋳物製造用部品について、実施例1と同様に表面の撥水性、強度、肌への刺激性を評価した。それらの結果を表1に示した。
総厚み:1.9mm(耐熱性紙管層厚み1.7mm、吸水性のある普通紙管層の厚み0.2mm)
内径:Φ70mm
長さ:1000mm
〔比較例2〕
実施例1の3層目の普通紙に替えて、厚み約0.2mmで吸水性はないが多孔質のガラス繊維紙(オリベスト株式会社製 グラベストSB−030)を巻いて下記形態の管状鋳物製造用部品を作製した。そして、得られた管状鋳物製造用部品について、実施例1と同様に表面の撥水性、強度、肌への刺激性を評価した。それらの結果を表1に示した。
総厚み:1.9mm(耐熱性紙管層厚み1.7mm、吸水性のある耐熱性紙管層の厚み0.5mm)
内径:Φ70mm
長さ:1000mm
〔圧縮強度の評価〕
実施例1及び比較例1、2の圧縮強度を前述の測定方法で測定したところ、各例ともに約40Nでほぼ同一強度であった。
〔撥水性の評価〕
サンプル管を300mm幅に切断し下記組成のフラン樹脂硬化砂中に深さ100mmで埋め、5分間放置して掘り出した後、表面の濡れ方を、状況を含め○(良好)、×(不良)の2段階で評価した。
<フラン樹脂硬化砂の組成>
鋳物砂:フラン樹脂再生砂
フラン樹脂:花王ライトナー340B(花王株式会社製)添加量0.7質量%(対砂)
硬化剤:花王ライトナー硬化剤C14(花王株式会社製)、添加量50質量%(対樹脂)
〔強度の評価〕
撥水性の評価と同条件で埋めたサンプル管を、鋳造現場造型作業を再現して体重68kgの作業員が足で踏みつけ砂込めを行った後、掘り出し、外観及び破損状況を○(良好)、×(不良)の2段階で評価した。
〔肌への刺激性の評価〕
サンプル管造型作業(前述したフラン樹脂硬化砂中に焼きつきテスト木型と、当該サンプル垂直管(長さ500mm)、当該サンプル水平管(長さ300mm)をむくり上げ方案で造型)を素手で行い、その後、皮膚に現れた症状を○(刺激無し)、×(刺激あり)の2段階で評価した。
Figure 0004749138
表1に示したように、実施例1と比較例1を比較すると造型前強度が同じにも関わらず比較例1のサンプル管の最外層に撥水性がないために吸湿し、継ぎ目から破損が起きた。また実施例1と比較例2を比較すると最外層に同じ撥水性がある紙を用いても紙が多孔質であるため内層からの剛直なカーボン繊維が皮膚を刺激し痛感が確認された。よって実施例1の撥水性がある普通紙を巻いたものが他の比較例1、比較例2よりも優れていることがわかる。
本発明の管状鋳物製造用部品は、鋳型を構成する管状の部品に適用することができる。
本発明の一実施形態を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
10 筒状鋳物製造用部品
11 撥水性紙管層
12 耐熱性紙管層

Claims (6)

  1. 撥水性紙管層を最外層に有しているとともに、該撥水性紙管層の内側に、無機繊維、有機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する耐熱性紙管層を有している管状鋳物製造用部品。
  2. 前記耐熱性紙管層に無機粉体を含有する請求項1に記載の管状鋳物製造用部品。
  3. 前記撥水性紙管層が有機繊維を主体とした普通紙又は無機繊維を主体とした機能紙からなる請求項1又は2に記載の管状鋳物製造用部品
  4. 前記耐熱性紙管層が少なくとも二層の耐熱性紙管用原紙で構成されている請求項1〜3の何れかに記載の管状鋳物製造用部品。
  5. 前記撥水性紙管層がクラフト紙で構成されている請求項1〜4の何れかに記載の管状鋳物製造用部品。
  6. 前記耐熱性紙管用原紙を構成する前記無機粉体、前記無機繊維、有機繊維及び前記熱硬化性樹脂が、それぞれ黒曜石、炭素繊維、パルプ繊維及びフェノール樹脂である請求項2〜5の何れかに記載の管状鋳物製造用部品。

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