JP4748872B2 - 回転電機のアーマチュアおよびその製造方法 - Google Patents

回転電機のアーマチュアおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載される回転電機のアーマチュアおよびその製造方法の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種回転電機のアーマチュアとしては、シャフトに外嵌固定されるコアの外周に軸方向に長いスロットが複数形成されており、所定間隔を存して位置するスロット間に、シャフトの外周面に複数設けられる整流子片にそれぞれ導通する巻線が巻装されて複数のコイルが形成されている。そしてこのように構成されたアーマチュアを、内周面に磁石を固定することで極性が付与されたヨークに回動自在に支持せしめ、前記整流子片にブラシを介して給電することで、回転電機のシャフトが回転駆動するようになっている。このような電動モータにおいて、例えば、二極、二ブラシを備え、アーマチュアのスロット数が10に設定された電動モータが知られており、このものにおいて、コイルは次のようにして形成されている。つまり、前記アーマチュアの展開図を図6に示すが、10個の整流子片7a、10個のティース6bにそれぞれ番号を附した場合、巻線9は、例えば8番整流子片から巻出され、2−3番ティースのあいだのスロット6cと6−7番ティースのあいだのスロット6c間に巻線を複数回(例えば十二回)巻装してコイル(コイル辺9’、9)を形成した後、9番整流子片に導通される。続いて、該9番整流子片から巻出される巻線9は、3−4番ティースのあいだのスロット6cと7−8番ティースのあいだのスロット6c間に複数回巻装されてコイル(コイル辺10’、10)を形成した後、10番整流子片に導通され、さらに、10番整流子片から巻出される巻線9は4−5番ティースのあいだのスロット6cと8−9番ティースのあいだのスロット6c間に複数回巻装されてコイル(コイル辺1’、1)を形成した後、1番整流子片に導通され・・・、というように巻装され、これによって、複数のコイル10がコアの周回りに形成されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような電動モータにおいて、整流子片に給電するべく当接するブラシに位置ズレが生じていたり、整流子片自体にピッチズレがあったり、また、整流子片のブラシへの接触状態が悪いような場合に、例えば図7(A)に示すようなアーマチュア6の回転状態(この場合では、θ=11°)によっては、一方のブラシには一つの整流子片が当接するが、他方のブラシには二つの整流子片が当接する状態になってしまうことがある。このようなものにおいて、例えば+側ブラシが9、10番整流子片に当接し、−側ブラシが5番整流子片に当接するような場合、コイル辺10’、10が短絡するため、図7(B)に示すようにブラシ間の等価電気回路のコイル数に差が生じ、回路内の抵抗値が異なってしまうため、各コイルを流れる電流にバラツキが生じてしまう。また、各コイル辺における電流の流れ方向は中心線Mの両半部において図7(A)に示すような状態となって、各半部における電磁力がアンバランスとなる。つまり、これらの図面から明らかなように、ブラシ間におけるコイル辺の数は10番整流子片に接続する側が多くなってしまい該側の電流は小さくなるが、これと径方向に対向する側の電流は大きなり、アーマチュア6の前記各側のコイル電流とヨークの永久磁石によるマグネット界磁とのあいだの相互作用による電磁力がそれぞれ偶力ではなくなってアーマチュアに振れ回り方向の電磁力が働き、これが電動モータの振動や騒音の原因となってしまい問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、周回り方向に複数形成されたスロットのうちの任意のスロット間に、整流子片にそれぞれ導通する巻線を巻装してコイルを形成してなる回転電機のアーマチュアにおいて、回転電機の磁界を、nを自然数としたとき2(2n−1)の極数として径方向に異極が対向するよう形成する一方任意の整流子片に導通される巻線は、上記任意のスロット間と、該任意のスロット間とは径方向に対向するスロット間とに直列接続するように巻装して一対のコイルを形成し、上記任意の整流子片に周回り方向に隣接する整流子片に導通されるものとし、前記径方向に対向して直列接続される一対のコイルは、互いに逆の巻方向に巻装されているものである。
そして、このようにすることにより、磁気バランスのとれた回転電機となって、振動や騒音の少ないものにできる。
また、本発明は、周回り方向に複数形成されたスロットのうちの任意のスロット間に、整流子片にそれぞれ導通する巻線を巻装してコイルを形成してなる回転電機のアーマチュアにおいて、回転電機の磁界を、nを自然数としたとき2(2n−1)の極数として径方向に異極が対向するよう形成するにあたり任意の整流子片に導通される巻線は、上記任意のスロット間に巻装され、しかる後、該任意のスロット間とは径方向に対向するスロット間に巻装されて、径方向に対向するスロット間に直列接続する一対のコイルを形成してから、上記任意の整流子片に周回り方向に隣接する整流子片に導通されるものとし、前記径方向に対向して直列接続される一対のコイルは、互いに逆の巻方向に巻装するようにしたものである。
そして、このようにすることにより、磁気バランスのとれた回転電機でありながら、部品点数が増加せず低コストな回転電機とすることができる。
さらに、本発明は、周回り方向に複数形成されたスロットのうちの任意のスロット間に、整流子片にそれぞれ導通する巻線を巻装してコイルを形成してなる回転電機のアーマチュアにおいて、回転電機の磁界を、nを自然数としたとき4nの極数として径方向に同極が対向するよう形成する一方任意の整流子片に導通される巻線は、上記任意のスロット間と、該任意のスロット間とは径方向に対向するスロット間とに直列接続するように巻装して一対のコイルを形成し、上記任意の整流子片に周回り方向に隣接する整流子片に導通されるものとし、前記径方向に対向して直列接続されるコイルは、互いに同じ巻方向に巻装されているものである。
そして、このようにすることにより、磁気バランスのとれた回転電機となって、振動や騒音の少ないものにできる。
さらにまた、本発明は、周回り方向に複数形成されたスロットのうちの任意のスロット間に、整流子片にそれぞれ導通する巻線を巻装してコイルを形成してなる回転電機のアーマチュアにおいて、回転電機の磁界を、nを自然数としたとき4nの極数として径方向に同極が対向するよう形成するにあたり任意の整流子片に導通される巻線は、上記任意のスロット間に巻装され、しかる後、該任意のスロット間とは径方向に対向するスロット間に巻装されて、径方向に対向するスロット間に直列接続する一対のコイルを形成してから、上記任意の整流子片に周回り方向に隣接する整流子片に導通されるものとし、前記径方向に対向して直列接続される一対のコイルは、互いに同じ巻方向に巻装するようにしたものである。
そして、このようにすることにより、磁気バランスのとれた回転電機でありながら、部品点数が増加せず低コストな回転電機とすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図4の図面に基づいて説明する。
図面において、1は車両に搭載する電装品の駆動源となる電動モータ(回転電機)であって、該電動モータ1を構成する有底筒状に形成されたモータハウジング2の内周面には周回り方向にN極、S極からなる一対の永久磁石3が径方向に対向して固定され、これによって、二つの磁極を備えた二極型の電動モータ1に構成されている。4はアーマチュアであって、該アーマチュア4を構成するシャフト(アーマチュア軸)5には、リング状の板材6aを複数枚積層して構成されるコア6が一体的に外嵌され、さらに、該コア6の一端部に位置してコンミテータ(整流子)7が外嵌固定されている。そして、アーマチュア4のシャフト5は、他側部(基端部)がモータハウジング2に軸受2aを介して軸承されており、モータハウジング2内において回動自在となるように内装されいる。また、モータハウジング2の開口端にはカバー2bが設けられ、該カバー2bにホルダステー8が一体的に設けられている。このホルダステー8には、周回り方向二箇所に位置してブラシホルダ8aが形成され、該ブラシホルダ8aにそれぞれブラシ8bが出没自在に内装されており、該ブラシ8bの突出先端部(内径側先端部)がコンミテータ7に弾圧状に当接(接触)することによって、外部からの電源がブラシ8bを介してコンミテータ7に供給されるように構成されており、これらの基本構成は従来通りとなっている。
【0006】
さて、前記コア6を構成するリング状の板材6aの外周部には、T字形のティース6bが周回り方向に複数(本実施の形態では10個)形成されたものになっており、これら板材6aの複数枚をシャフト5に回り止め状に外嵌することにより、コア6の外周には、隣接するティース6b同志とのあいだに軸芯方向に凹設された蟻溝状のスロット6cが、軸方向に長く、かつ周回り方向に複数(10個)形成されている。
一方、前記コンミテータ7は、外周面に導電材で形成された軸方向に長い板状の整流子片7aの複数枚(本実施の形態では10枚)を、互いに絶縁される状態で周回り方向に並列状に固定したものとなっており、各整流子片7aのコア6側を向く端部には外径側に折返し折曲されたライザ7bが一体形成されている。
【0007】
そして、前記コア6の任意の箇所に位置し、かつ所定間隔を存するスロット6c間に、エナメル被覆の巻線9を後述するような巻装手順により巻装することで、コア6の外周に複数のコイル10が巻装されるが、これらコイル10の巻き始め端部と巻き終り端部となる巻線9は、各対応する整流子片7aのライザ7bに懸回されている。そして、前記各ライザ7bに懸回されたコイル10の巻き始め端部および巻き終り端部となる巻線9を整流子片7aにフュージングすることで、整流子片7aとこれに対応するコイル10とが電気的に接続される(導通する)ように設定されている。
【0008】
次に、コイル9の巻装手順について図2、3、4に基づいて説明する。図2は、アーマチュア4のライザ7bとティース6bとを展開した図面となっており、隣接するティース6bとのあいだの空隙がスロット6cに相当している。そして、これら図面において、各ライザ7b、各ティース6b、巻装されたコイル10にそれぞれ符号を附し、これらに基づいて巻装手順を説明する。
つまり、本実施の形態のアーマチュア4に巻装されるコイル10は、巻線9を、三個のスロット6cを飛ばしたスロット6c間に順次巻装する重巻方式に基づいて巻装され、短節巻となっている。この場合に、巻線9は、一端が8番ライザに導通するべく巻き始められ、該8番ライザに懸け回された巻線9を、1−2番ティースのあいだのスロット6cと7−8番ティースのあいだのスロット6cとのあいだにおいて、従来の複数回巻装する回数の半分の回数で(本実施の形態では六回)巻装することで、X領域における9’Xコイル辺(図2においてX領域に位置する○付き9’として表示)とY領域における9Yコイル辺(図2においてX領域に位置する○付き9として表示)を形成する。ここで、X領域、Y領域とは、各永久磁石3(磁界)により形成される領域に相当し、アーマチュア4を任意の中心線、この場合では、8−9番ティースのあいだと3−4番ティースのあいだとを通る直線を中心線Mと設定し、一半部側をX領域、他半部側をY領域とし、各領域におけるコイル辺に対しこれらの符号を付すことで、何れの領域のコイル辺であるかを区別している。この後、巻線9は、従来のもののようにライザ7bに懸け回されることなく、前記1−2番ティースのあいだのスロット6cと7−8番ティースのあいだのスロット6cとのあいだとは径方向に対向する、即ち、周回り方向に180°回転した位置である2−3番ティースのあいだのスロット6cと6−7番ティースとのあいだのスロット6cとのあいだにおいて、従来の複数回に相当するよう残りの半分の回数で(本実施の形態では六回)巻装されて9’Xコイル辺(図2においてX領域に位置する○付き9’として表示)と、9Yコイル辺(図2においてX領域に位置する○付き9として表示)とを形成し、その後に9番ライザに懸け回されるように設定されている。これによって、8番ライザと9番ライザとのあいだには、径方向に対向し、かつ直列接続される一対の9番コイルが形成されるが、これら一対の9番コイルは、図2からも明らかなように、互いに巻線方向が逆になる状態で巻装されて、該コイル10に通電されることにより相対する電磁力を発生するように設定されている。
【0009】
さらに、前記9番ライザに懸回された巻線10は、続けて2−3番ティースのあいだのスロット6cと8−9番ティースのあいだのスロット6cとのあいだにおいて複数回(六回)巻装されて10’Xコイル辺(図2においてX領域に位置する○付き10’として表示)と10Xコイル辺(図2においてX領域に位置する○付き10として表示)とを形成する。この後、さらに巻線9は、前記2−3番ティースのあいだのスロット6cと8−9番ティースのあいだのスロット6cとのあいだとは径方向に対向する、即ち、周回り方向に180°回転した位置である3−4番ティースのあいだのスロット6cと7−8番ティースとのあいだのスロット6cとのあいだにおいて複数回(六回)巻装されて、10’Yコイル辺(Y領域に位置する○付き10’として表示)と10Yコイル辺(Y領域に位置する○付き10として表示)とを形成し、その後10番ライザに懸回されることで、径方向に対向し、かつ直列接続されるが互いに巻線方向が逆になる一対の10番コイルが形成されている。これに続いて、10番ライザに懸回された巻線10は、3−4番ティースのあいだのスロット6cと9−10番ティースのあいだのスロット6cとのあいだにおいて複数回(六回)巻装されて、1’X、1Xコイル辺(X領域に位置する○付き1’、X領域に位置する○付き1)を形成し、さらに、これとは径方向に対向する4−5番ティースのあいだのスロット6cと8−9番ティースとのあいだのスロット6cとのあいだにおいて複数回(六回)巻装されて1’Y、1Y(Y領域に位置する○付き1’、Y領域に位置する○付き1)コイル辺を形成し、・・・というようにして、順次、任意のライザ7bとこれに隣接するライザ7bとのあいだに、互いに径方向に対向し、かつ直列接続され、しかも巻線方向が逆転した状態の各一対の1、2、3、4、5、6、7番コイルが形成され、各コイル10のコイル辺がX領域とY領域、即ち、一対の磁極に対応して二分割されるように設定されている。
尚、図2に示されるように、各コイル辺を表示するにあたり、数字に「’」が付与されるコイル辺は、巻線9を整流子片7a側からシャフト5の他端側に向けて巻回されるものであり、数字だけで示されるコイル辺は、シャフト5の他端側から整流子片7a側に向けて巻回されるものである。
【0010】
図3(A)、(B)には、アーマチュア4の回転角度が、整流子片7aとブラシ8bとが丁度当接する基準状態に対して11°回転した状態(θ=11°)における断面を示し、これによって、各コイル辺の位置関係を示しているが、このアーマチュア4の回転状態は、前述したように、ブラシ8bの位置ズレ等により、一方のブラシ8bは一つの整流子片7aに当接するが、他方一方のブラシ8bには二つの整流子片7aが当接するような不具合が生じやすい状態となっている。
このものにおいて、各ブラシ8bや整流子片7aにズレがなく理想的な状態であり、例えば+ブラシ8bに対して10番整流子片が当接し、−ブラシ8bに5番整流子片が当接している場合では、図3(B)に示すように、5番コイルと10番コイルとは短絡され、その他の各コイル(1、2、3、4、6、7、8、9番コイル)に電流が流れ、このときのブラシ間等価電気回路は、+、−間の並列回路内のコイル辺数が同様で等しい電流値となっている。そして、この状態での電流の向きは、X領域では1’X、6Xコイル辺以外は図3(B)の図面において上から下に向く向きとなっており、Y領域では1Y、6’Yコイル辺以外は下から上に向く向きとなっていて、X領域とY領域とでは電磁力が等しくなって磁気バランスがとれ、もって偶力が作用して安定した回転力を得られる状態となっている。
【0011】
これに対し、ブラシ8bに位置ズレが生じる等、何らかの原因で+側ブラシ8bが9、10番整流子片に当接し、−側ブラシが5番整流子片に当接してしまった場合について、図4(A)、(B)を用いて説明する。
このものでは、10番コイルのみが短絡されることになり、その他の各コイル(1、2、3、4、5、6、7、8、9番コイル)に電流が流れる。このため、ブラシ間等価電気回路は、図4(A)に示すように、+、−間の並列回路の一方のコイル辺数が他方より一つ多いことになり、それぞれの電流値が異なってしまう。
一方、この状態での電流の向きは、X領域では1’X、5’X、6Xコイル辺以外は図3(B)の図面において上から下に向く向きとなっており、Y領域では1Y、5Y、6’Yコイル辺以外は下から上に向く向きとなっていて、X領域とY領域とで電磁力が同じとなって磁気バランスがとれるようになっている。この結果、X領域とY領域とで電磁力の差が生じることがなく、もって振れ回り方向の力が作用してしまうようなことがなく、安定した回転力を得られるように設定されている。
【0012】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、電動モータ1のコア6に巻装される巻線9は、任意の整流子片7aから繰り出され、任意のスロット間に通常の数の略半分の回数だけ巻装されて一つのコイル10を形成した後、該任意のスロット間と径方向に(180度)対向するスロット間部位に、残りの半分の回数だけ巻装して、前記コイル10とは逆向きのもう一つのコイル10を直列状に連続して形成している。この結果、アーマチュア4の周回りには、直列に接続された状態のコイルが径方向に対向する位置に存し、しかも、逆向きに巻装されたものとなっている。このため、前述したように、仮令ブラシ8bの整流子片7aとの当接が、一方は二個の整流子片7aと、他方は一個の整流子片7aと当接するようなアンバランスな状態となったとしても、アーマチュア4全体としての磁気バランスが崩れるようなことがなく、電動モータ1を振動が少なく低騒音なものにでき、安定した電動モータ1とすることができる。
【0013】
このように、電動モータ1は、アーマチュア4の磁気バランスが確保されたものとできるが、このものは、アーマチュアコア6に巻線9を巻装する際に、任意の箇所と、これに径方向に対向する箇所の二箇所に連続してそれぞれコイル10を形成することで実現する構成であるので、別途部材が必要になったり、特別な取付け作業が必要になったりすることがなく、電動モータ1に必要な部材をそのまま利用することで構成することができ、構造の簡略化を計るとともにコスト低下に寄与できる。
【0014】
さらにこのものでは、前述したように、任意の整流子片7aに導通される巻線9により、径方向に対向する一対のコイル10を一続きに形成する構成となっているので、前記任意の整流子片7aのライザ7bに懸回される巻線9の本数を少なくできて、巻線9をライザ7bにフュージングする作業が容易になるとともにフュージングの信頼性が向上し、高品質の電動モータ1を安定した状態で供給できるという利点もある。
因みに、前記実施の形態のように、コイルを一層巻にしたものの他、二層巻、三層巻のようにコイルを複数層に巻装する場合においても実施できることはいうまでもない。
【0015】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されることは勿論なく、前記第一の実施の形態のように二極型の回転電機である場合、径方向に対向する部位はヨークの永久磁石によるマグネット界磁が異極になる必要があり、このため、任意の整流子片に導通される径方向に対向する一対のコイルは、互いに逆巻の関係で巻かれるようにして、マグネット界磁の相互作用による電磁力がそれぞれ偶力となるようにしている。このように、nを自然数としたとき、回転電機の極数が2(2n−1)で表される極数、即ち二極、六極、十極、・・・の回転電機のように径方向に対向する部位が互いに異極となるものにおいては、前記一対のコイルに電流が流れたとき互いに磁力が反対方向を向くよう、各コイルは互いに逆の巻方向に巻装されている。
【0016】
一方、nを自然数としたとき、回転電機の極数が4nで表される極数、即ち、四極、八極、十二極、・・・の回転電機のように径方向に対向する部位が互いに同極となるものにおいては、前記一対のコイルに電流が流れたとき互いに磁力が同方向を向くよう、各コイルは互いに同じ巻方向に巻装されており、図5に四極型の回転電機のコイル巻装状態の展開図を示し、これに基づいて説明する。例えば4番整流子片7aから繰り出された巻線は、14−15番ティースのあいだのスロット6cと11−12番ティースのあいだのスロット6cとのあいだに巻装してコイル10を形成し、引き続いて巻線を5−6番ティースのあいだのスロット6cと1−2番ティースのあいだのスロット6cとのあいだに巻装してもう一つのコイル10を形成し、3番整流子片7aに懸回されるようになっており、これによって、径方向に対向して一対のコイルが直列接続状に形成され、かつその巻方向が同じになるように設定されている。そして、このように構成することによって、ブラシや整流子片7aの位置ズレ等により、ブラシに当接するコンミテータの数にばらつきがあったとして、振動や騒音の低減された高品質な電動モータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動モータの一部断面側面図である。
【図2】アーマチュアのコイル巻装状態を説明する展開図である。
【図3】図3(A)、(B)はそれぞれコイルの巻装状態を説明する断面図、巻線の電流方向を説明する断面図である。
【図4】図4(A)、(B)はそれぞれブラシ間の等価電気回路図、巻線の電流方向を説明する断面図である。
【図5】四極型の回転電機におけるコイルの巻装状態を説明する展開図である。
【図6】二極型の回転電機における従来のコイルの巻装状態を説明する展開図である。
【図7】図7(A)、(B)はそれぞれ二極型の回転電機において従来のコイルの巻装状態における巻線の電流方向を説明する断面図、ブラシ間の等価電気回路図である。
【符号の説明】
1 電動モータ
2 モータハウジング
3 永久磁石
4 アーマチュア
5 シャフト
6 コア
6b ティース
6c スロット
7 コンミテータ
7a 整流子片
7b ライザ
8b ブラシ
9 巻線
10 コイル

Claims (4)

  1. 周回り方向に複数形成されたスロットのうちの任意のスロット間に、整流子片にそれぞれ導通する巻線を巻装してコイルを形成してなる回転電機のアーマチュアにおいて、回転電機の磁界を、nを自然数としたとき2(2n−1)の極数として径方向に異極が対向するよう形成する一方任意の整流子片に導通される巻線は、上記任意のスロット間と、該任意のスロット間とは径方向に対向するスロット間とに直列接続するように巻装して一対のコイルを形成し、上記任意の整流子片に周回り方向に隣接する整流子片に導通されるものとし、前記径方向に対向して直列接続される一対のコイルは、互いに逆の巻方向に巻装されている回転電機のアーマチュア。
  2. 周回り方向に複数形成されたスロットのうちの任意のスロット間に、整流子片にそれぞれ導通する巻線を巻装してコイルを形成してなる回転電機のアーマチュアにおいて、回転電機の磁界を、nを自然数としたとき2(2n−1)の極数として径方向に異極が対向するよう形成するにあたり任意の整流子片に導通される巻線は、上記任意のスロット間に巻装され、しかる後、該任意のスロット間とは径方向に対向するスロット間に巻装されて、径方向に対向するスロット間に直列接続する一対のコイルを形成してから、上記任意の整流子片に周回り方向に隣接する整流子片に導通されるものとし、前記径方向に対向して直列接続される一対のコイルは、互いに逆の巻方向に巻装するようにした回転電機のアーマチュアの製造方法。
  3. 周回り方向に複数形成されたスロットのうちの任意のスロット間に、整流子片にそれぞれ導通する巻線を巻装してコイルを形成してなる回転電機のアーマチュアにおいて、回転電機の磁界を、nを自然数としたとき4nの極数として径方向に同極が対向するよう形成する一方任意の整流子片に導通される巻線は、上記任意のスロット間と、該任意のスロット間とは径方向に対向するスロット間とに直列接続するように巻装して一対のコイルを形成し、上記任意の整流子片に周回り方向に隣接する整流子片に導通されるものとし、前記径方向に対向して直列接続されるコイルは、互いに同じ巻方向に巻装されている回転電機のアーマチュア。
  4. 周回り方向に複数形成されたスロットのうちの任意のスロット間に、整流子片にそれぞれ導通する巻線を巻装してコイルを形成してなる回転電機のアーマチュアにおいて、回転電機の磁界を、nを自然数としたとき4nの極数として径方向に同極が対向するよう形成するにあたり任意の整流子片に導通される巻線は、上記任意のスロット間に巻装され、しかる後、該任意のスロット間とは径方向に対向するスロット間に巻装されて、径方向に対向するスロット間に直列接続する一対のコイルを形成してから、上記任意の整流子片に周回り方向に隣接する整流子片に導通されるものとし、前記径方向に対向して直列接続される一対のコイルは、互いに同じ巻方向に巻装するようにした回転電機のアーマチュアの製造方法。
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