JP4748059B2 - 医用画像処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、生体に係る医用画像データを処理するための医用画像処理システムに関し、特に、生体に係る医用画像データのフラクタル次元に基づいて当該生体の特性を判断する医用画像処理装置、医用画像処理方法、医用画像処理プログラム、及び医用画像処理プログラムを記録しコンピュータにより読み出し可能な記録媒体に関する。
フラクタル理論は1975年に提示されて以来、基礎的な研究が90年代に進み、今世紀には自然科学分野において大きく利用されつつあるが、具体的応用事例が少ないのが現状である。フラクタル理論は全体を1/aに縮小した相似図形a個によって構成されているとき、この指数Dが次元を意味し、それがフラクタル次元と呼ばれる。この次元は整数である必要性はなく、複雑な分布を非整数次元によって定量化することが可能である(例えば、非特許文献2参照。)。
フラクタル次元理論を用いた各種の解析手法は病理診断の分野において頻繁に用いられており、例えば良性腫瘍細胞は細胞間の結合力が強く、得られた細胞集塊が密着した比較的滑らかな形状を持つ傾向があり、悪性腫瘍は結合力が弱いため細胞集塊の広がりが大きく形状も複雑になる性質を利用し、その判別に人間の主観や経験に基づく判断ではなく自動的に不定形の解析を行って細胞集魂の良性/悪性の識別を行う不定形の識別方法及び不定形の識別装置が開示されている(例えば、特許文献1及び非特許文献3参照。)。
また、フラクタル次元を用いて乳管癌の悪性度を数値的に表すことが、非特許文献4において試みられている。この非特許文献4の研究では、乳腺細胞学においてクロマチンの様相を数値的に記述するために、フラクタル解析を利用することに関する調査結果を開示しており、上皮細胞の病変が良性な患者19人と、浸潤性乳管癌の患者22人との、***の穿刺吸引細胞診による核の画像は、フラクタルのミンコウスキー(Minkowski)次元とスペクトル次元とで特徴付けられる。また、乳腺上皮細胞の核画像内におけるクロマチンの様相がフラクタルであることが立証され、このことは上皮細胞内のクロマチンの三次元的な構造もまたフラクタルな特性を有していることを示唆する。腫瘍が良性な場合と悪性な場合とで、平均的なスペクトル次元に統計的に有意な差があることが立証され、2つのフラクタル次元には非常に弱い相関があることを発見している。
さらに、特許文献2においては、血液塗抹標本において、染色や顕微鏡の設定条件により不安定になりがちな画像解析結果を、非対象細胞の解析結果を用いることで基準化させることにより、より疾患鑑別に有用な情報を提供するための医用画像処理装置が開示されている。当該医用画像処理装置は、上記の目的を達成するために、画像処理の対象とする好中球細胞核以外に、リンパ球細胞核も画像処理し、リンパ球細胞核から得られた画像解析結果を用いて好中球細胞核の画像解析結果を基準化することで染色や顕微鏡の設定条件に左右されない画像解析を行うことを特徴としている。当該医用画像処理装置は、具体的には、画像情報を用いて対象物の識別を行う装置であって、入力された画像から物体の存在する領域を切り出す画像切出部と、切り出された物体の輪郭の抽出をして、その抽出部分の輝度やそれに基づき解析した情報を算出する輝度情報算出部とを有する。
日本国特許出願公開平成11年120350号公報。 日本国特許出願公開2002年140692号公報。 William H. Wolberg, et al., "Breast Cytology Diagnosis with Digital Image Analysis", Breast Cytology Diagnosis, Vol. 15, No. 6, December 1993. Simon S. Cross, "Fractals In Pathology", Journal of Pathology, Vol. 182, pp.1-8, 1997. 高安秀樹ほか,"フラクタル画像解析の細胞診断への応用(Application of Fractal Image Analysis to Cytologic Diagnosis)",Medical Imaging Technology, Vol. 15. No. 5, pp.587-591, September, 1997. Andrew J. Einstein, et al., "Fractal Characterization of Chromatin Appearance for Diagnosis in Breast Cytology", Journal of Pathology, Vol. 185, pp.366-381, 1998.
悪性細胞において活動的な細胞は遺伝子異常蛋白転写が亢進していることが知られ、細胞核内では転写因子などに関する蛋白分子の異常凝集として分布している傾向があり、しかもその分布は複雑であることが知られている。これらの分布異常は従来、観察者が肉眼的に観察し、経験則に基づき言葉により、あいまいで主観的な判断により判断されることが多い。例えば良悪性細胞の細胞核クロマチン分布の識別や悪性度の評価としてのクロマチン分布形態学的診断では、観察者の経験側に基づき、その分布を細顆粒状及び粗網状などの形態的特徴を主観的に判別していた。
このような形態学的に評価し難いクロマチン分布を数値化できれば、客観的な指標を提供することができる。細胞核クロマチン分布が悪性度の評価として用いることは観察者の経験に基づき注意深い観察が必要であるが正確で再現性ある評価は困難である。上述のように、フラクタル次元を用いて病理診断に用いることが開示され、良性か悪性かの定性的な診断に過ぎなかった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して高い精度で定量的に、生体の特性を判断することができる医用画像処理装置及び方法、医用画像処理プログラム、並びに当該医用画像処理プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
第1の発明に係る医用画像処理装置は、生体の画像データに基づいて上記生体の特性を解析するための医用画像処理装置において、
生体の画像データに対して所定の画像解析処理を実行することにより、上記生体の輪郭を抽出してなる形状画像データと、上記生体の輪郭内のパターンを抽出してなるパターン画像データとを得る画像解析手段と、
上記得られた形状画像データ及びパターン画像データに基づいて、上記形状画像データのフラクタル次元Dを計算し、上記パターン画像データのフラクタル次元Dを計算した後、上記形状画像データのフラクタル次元D及び上記パターン画像データのフラクタル次元Dに基づいて、上記形状画像データの情報を実質的に除去しかつ上記パターン画像データのパターンの情報を実質的に含む指標値CIを計算する計算手段と、
上記計算された指標値に基づいて、上記生体の特性を判断する判断手段とを備えたことを特徴とする。
上記医用画像処理装置において、上記計算手段は、CI=bD−aDの式(ここで、aは所定の第1の定数であり、bは所定の第2の定数である。)を用いて指標値CIを計算する。又は、上記医用画像処理装置において、上記計算手段は、CI=(bD−aD)/cDの式(ここで、aは所定の第1の定数であり、bは所定の第2の定数であり、cは所定の第3の定数である。)を用いて指標値CIを計算する。もしくは、上記医用画像処理装置において、上記計算手段は、CI=dD/Dの式(ここで、dは所定の第4の定数である。)を用いて指標値CIを計算する。とって代わって、上記医用画像処理装置において、上記計算手段は、CI=eD/Dの式(ここで、eは所定の第5の定数である。)を用いて指標値CIを計算する。
また、上記医用画像処理装置において、上記判断手段は、上記計算された指標値を所定のしきい値と比較することにより、上記生体の特性を判断する。ここで、上記しきい値は、好ましくは、上記生体の特性が既知である複数の生体の画像データに基づいて、上記生体の特性を区別可能な予め決められた値である。
さらに、上記医用画像処理装置において、上記画像解析処理は、エッジ処理と、2値化処理との少なくとも1つの処理を含む。またさらに、上記画像解析処理は、好ましくは、カラー画像データからグレースケール画像データへの変換処理をさらに含む。
また、上記医用画像処理装置において、上記生体は細胞核であり、上記生体の画像データは上記細胞核のクロマチン画像データあり、上記生体のパターン画像データは上記細胞核のクロマチンパターン画像データであり、上記判断手段は、上記計算された指標値に基づいて、上記細胞核の生物学的評価を判断する。ここで、上記生物学的評価は、好ましくは、上記細胞核のがんの悪性度である。
さらに、上記医用画像処理装置において、上記生体は生物の一部の部位であり、上記生体の画像データは、上記一部の部位を所定の信号波を用いて撮像する医用撮像機器により撮像して得られる。ここで、好ましくは、上記生体は生物の臓器であり、上記形状画像データは上記臓器の形状の画像データであり、上記パターン画像データは上記臓器内の病変部の不均一性の分布を示す画像データであり、上記判断手段は、上記計算された指標値に基づいて、上記臓器内の病変部の生物学的評価を判断する。
第2の発明に係る画像処理方法は、生体の画像データに基づいて上記生体の特性を解析するための画像処理方法において、
生体の画像データに対して所定の画像解析処理を実行することにより、上記生体の輪郭を抽出してなる形状画像データと、上記生体の輪郭内のパターンを抽出してなるパターン画像データとを得る画像解析ステップと、
上記得られた形状画像データ及びパターン画像データに基づいて、上記形状画像データのフラクタル次元Dを計算し、上記パターン画像データのフラクタル次元Dを計算した後、上記形状画像データのフラクタル次元D及び上記パターン画像データのフラクタル次元Dに基づいて、上記形状画像データの情報を実質的に除去しかつ上記パターン画像データのパターンの情報を実質的に含む指標値CIを計算する計算ステップと、
上記計算された指標値に基づいて、上記生体の特性を判断する判断ステップとを含むことを特徴とする。
上記画像処理方法において、上記計算ステップは、CI=bD−aDの式(ここで、aは所定の第1の定数であり、bは所定の第2の定数である。)を用いて指標値CIを計算する。又は、上記画像処理方法において、上記計算ステップは、CI=(bD−aD)/cDの式(ここで、aは所定の第1の定数であり、bは所定の第2の定数であり、cは所定の第3の定数である。)を用いて指標値CIを計算する。もしくは、上記画像処理方法において、上記計算ステップは、CI=dD/Dの式(ここで、dは所定の第4の定数である。)を用いて指標値CIを計算する。とって代わって、上記画像処理方法において、上記計算ステップは、CI=eD/Dの式(ここで、eは所定の第5の定数である。)を用いて指標値CIを計算する。
また、上記画像処理方法において、上記判断ステップは、上記計算された指標値を所定のしきい値と比較することにより、上記生体の特性を判断する。ここで、上記しきい値は、好ましくは、上記生体の特性が既知である複数の生体の画像データに基づいて、予め決められた値である。
さらに、上記画像処理方法において、上記画像解析処理は、エッジ処理と、2値化処理との少なくとも1つの処理を含む。またさらに、上記画像解析処理は、好ましくは、カラー画像データからグレースケール画像データへの変換処理をさらに含む。
また、上記画像処理方法において、上記生体は細胞核であり、上記生体の画像データは上記細胞核のクロマチン画像データあり、上記生体のパターン画像データは上記細胞核のクロマチンパターン画像データであり、上記判断ステップは、上記計算された指標値に基づいて、上記細胞核の生物学的評価を判断する。ここで、上記生物学的評価は、好ましくは、上記細胞核のがんの悪性度である。
さらに、上記画像処理方法において、上記生体は生物の一部の部位であり、上記生体の画像データは、上記一部の部位を所定の信号波を用いて撮像する医用撮像機器により撮像して得られる。ここで、好ましくは、上記生体は生物の臓器であり、上記形状画像データは上記臓器の形状の画像データであり、上記パターン画像データは上記臓器内の病変部の不均一性の分布を示す画像データであり、上記判断ステップは、上記計算された指標値に基づいて、上記臓器内の病変部の生物学的評価を判断する。
第3の発明に係る画像処理プログラムは、上記画像処理方法の各ステップを含むことを特徴とする。
第4の発明に係るコンピュータにより読み取り可能な記録媒体は、上記画像処理プログラムを記録したことを特徴とする。
従って、本発明に係る医用画像処理装置及び方法によれば、生体の画像データに対して所定の画像解析処理を実行することにより、上記生体の輪郭を抽出してなる形状画像データと、上記生体の輪郭内のパターンを抽出してなるパターン画像データとを得る。次いで、上記得られた形状画像データ及びパターン画像データに基づいて、上記形状画像データのフラクタル次元Dを計算し、上記パターン画像データのフラクタル次元Dを計算した後、上記形状画像データのフラクタル次元D及び上記パターン画像データのフラクタル次元Dに基づいて、上記形状画像データの情報を実質的に除去しかつ上記パターン画像データのパターンの情報を実質的に含む指標値CIを計算する。さらに、上記計算された指標値に基づいて、上記生体の特性を判断する。それ故、上記生体が有する形状に係る画像データの情報を実質的に除去しかつ上記パターン画像データのパターンの情報を実質的に含む指標値CIを計算し、上記計算された指標値に基づいて、上記生体の特性を判断するので、きわめて簡単な処理方法で、従来技術に比較して高い精度で定量的に生体の特性を判断することができる。
本発明の一実施形態に係る、生物細胞核クロマチンパターン画像データの解析及び評価処理を実行するための医用画像処理装置10を含む医用画像処理システムの構成を示すブロック図である。 図1の医用画像処理装置10によって実行される生物細胞核クロマチンパターン画像データの解析及び評価処理を示すメインフローのフローチャートである。 図2のサブルーチンであり、第1の実施処理例に係る判断処理(ステップS5−1)を示すフローチャートである。 図2のサブルーチンであり、第2の実施処理例に係る判断処理(ステップS5−2)を示すフローチャートである。 図2のサブルーチンであり、第3の実施処理例に係る判断処理(ステップS5−3)を示すフローチャートである。 図2のフラクタル演算処理において用いるボックスカウンティング法によるフラクタル次元解析処理の原理を示す概略解析図である。 図6のボックスカウンティング法によるフラクタル次元解析処理結果例である、分割正方形の一辺の長さrの対数値Log(r)に対するセル数の対数値LogN(r)を示すグラフである。 実施例1に係る症例を示すテーブルである。 実施例1に係る症例の細胞核についての解析及び評価処理結果を示すグラフであって、再発例と非再発例のクロマチン指標CI値が統計学的有意差(P<0.001)を示す図である。 実施例2に係る症例の細胞核についての解析及び評価処理結果である再発の推定結果を示すテーブルである。 実施例2に係る症例の細胞核についての解析及び評価処理結果であるしきい値変更による精度の変化を示すテーブルである。 図2の画像入力処理によって記憶された複数の細胞核を含む画像データの一例を示す写真である。 図11の画像データから、図2の第1の画像解析処理により抽出された各細胞核毎の画像データの一例を示す写真である。 図2の第1の画像解析処理により抽出されたある1つの細胞核の画像データ(元の画像データは1064万色カラー画像データであるが、図14ではグレースケールの画像データに変換した画像データを示す。)の一例を示す写真である。 図14の画像データについてのRGB各色に係る画像データの一例を示す写真である。 図15のRGB各色の画像データに対して図2の第1の画像解析処理による2値化処理及びエッジ処理後のRGB各色の画像データの一例を示す写真である。 Aは第1の実験例の細胞核画像データについての図2の第1の画像解析処理後のクロマチン画像データの写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたフラクタル次元Dを示し、Bは図2の第2の画像解析処理後の核形状画像データ画像データの一例を示す写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたフラクタル次元Dを示し、Cは図2の第1の画像解析処理後のクロマチン画像データの写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたクロマチン指標CI値を示す図である。 Aは第2の実験例の細胞核画像データについての図2の第1の画像解析処理後のクロマチン画像データの写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたフラクタル次元Dを示し、Bは図2の第2の画像解析処理後の核形状画像データ画像データの一例を示す写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたフラクタル次元Dを示し、Cは図2の第1の画像解析処理後のクロマチン画像データの写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたクロマチン指標CI値を示す図である。 実施例1に係る症例の複数の細胞核を非再発例(A)と再発例(B)とを区分したときの各クロマチンパターン画像データと、それらについての図2の解析及び評価処理結果のクロマチン指標CI値の平均値とを示す写真である。 実施例1に係る4つの悪性例A,B,C,Dについての複数のクロマチンパターン画像データと、各悪性例のクロマチン指標CI値の平均値を示す写真である。 実施例3に係る典型的な乳癌の超音波エコー画像であって、当該乳癌の不整形や不均一な内部低エコーを示す写真である。 実施例3に係る典型的な乳癌の超音波エコー画像であって、当該乳癌の内部不均一や石灰化を示す写真である。 実施例4に係る典型的な乳癌のX線画像であって、当該乳癌の石灰化を示す写真である。
符号の説明
1…顕微鏡、
2…CCDディジタルカメラ、
2a…通信インターフェース、
10…医用画像処理装置、
20…CPU、
21…ROM、
22…RAM、
23…画像メモリ、
24…プログラムメモリ、
30…バス、
31…キーボードインターフェース、
32…マウスインターフェース、
33…ディスプレイインターフェース、
34…プリンタインターフェース、
35…ドライブ装置インターフェース、
41…キーボード、
42…マウス、
43…CRTディスプレイ、
44…プリンタ、
45…CD−ROMドライブ装置、
45a…CD−ROM、
50…通信ケーブル、
51…通信インターフェース、
60…撮像装置。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
乳癌予後推定因子としてリンパ節転移、エストロゲン受容体の発現、Her−2過剰発現、組織学的グレードが知られており、治療方針において再発リスク項目は重要視されている。乳腺穿刺吸引細胞診は術前の良悪性診断において信頼性を得ているが、予後推定因子としての評価はなされていない。本発明者らは、乳腺穿刺吸引材料の癌細胞の核クロマチンパターンが再発予後因子となり得るか否か明らかにすることを目的にフラクタル解析を行った。細胞核クロマチン分布を細胞の生物学的活性度及び増殖能として評価した結果、乳癌再発例についてフラクタル次元数の増加がみられ、これが生物学的悪性度を示唆する所見となり得ることを発見して、本発明の実施形態に係る医用画像処理システムを完成させた。
図1は、本発明の一実施形態に係る、生物細胞核クロマチンパターン画像データの解析及び評価処理を実行するための医用画像処理装置10を含む医用画像処理システムの構成を示すブロック図である。また、図2は図1の医用画像処理装置10によって実行される生物細胞核クロマチンパターン画像データの解析及び評価処理を示すメインフローのフローチャートである。本実施形態に係る医用画像処理装置10は、図2の生物細胞核クロマチンパターン画像データの解析及び評価処理において、画像入力処理(ステップS1)と、第1の画像解析処理(ステップS2)と、第2の画像解析処理(ステップS3)と、フラクタル次元演算処理(ステップS4)と、判断処理(ステップS5)とを実行することにより、生物細胞核の悪性度などの特性を判断してその判断結果をCRTディスプレイ43に表示して出力することを特徴としている。
本実施形態の画像処理システムは、大きく分けて、
(a)顕微鏡1の可視部にCCDディジタルカメラ2の受光レンズを取り付けてなる撮像装置60と、
(b)ディジタル計算機で構成され、例えば乳癌の細胞核などの生体の画像を含む画像データに基づいて、図2に示すように、生物細胞核クロマチンパターン画像データの解析及び評価処理を実行することにより、生物細胞核の悪性度などの特性を判断してその判断結果を表示して出力する医用画像処理装置10とを備えたことを特徴としている。
ここで、撮像装置60のCCDディジタルカメラ2内の通信インターフェース2aと、医用画像処理装置10の通信インターフェース51との間が通信ケーブル50を介して接続される。これらの通信インターフェース2a,51は例えばUSB(Universal Serial Bus)インターフェース又はLAN(Local Area Network)インターフェースなどである。そして、CCDディジタルカメラ2により顕微鏡1を用いて撮像された、例えば乳癌の細胞核を含む画像データが撮像装置60から医用画像処理装置10に送信されて医用画像処理装置10で受信されて画像処理される。
まず、図1を参照して、医用画像処理装置10の構成について説明する。医用画像処理装置10は、
(a)当該医用画像処理装置10の動作及び処理を演算及び制御するコンピュータのCPU(中央演算処理装置)20と、
(b)オペレーションプログラムなどの基本プログラム及びそれを実行するために必要なデータを格納するROM(読み出し専用メモリ)21と、
(c)CPU20のワーキングメモリとして動作し、画像処理で必要なパラメータやデータを一時的に格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)22と、
(d)例えばハードディスクメモリで構成され、CCDディジタルカメラ2から受信した像データ、画像処理中の画像データ、及び画像処理後の画像データを格納する画像メモリ23と、
(e)例えばハードディスクメモリで構成され、CD−ROMドライブ装置45を用いて読みこんだ図2の画像処理プログラムを格納するプログラムメモリ24と、
(f)撮像装置60のCCDディジタルカメラ2内の通信インターフェース2aと接続され、通信インターフェース2aとデータを送受信する通信インターフェース51と、
(g)所定のデータや指示コマンドを入力するためのキーボード41に接続され、キーボード41から入力されたデータや指示コマンドを受信して所定の信号変換などのインターフェース処理を行ってCPU20に伝送するキーボードインターフェース31と、
(h)CRTディスプレイ43上で指示コマンドを入力するためのマウス42に接続され、マウス42から入力されたデータや指示コマンドを受信して所定の信号変換などのインターフェース処理を行ってCPU20に伝送するマウスインターフェース32と、
(i)CPU20によって処理された画像データや設定指示画面などを表示するCRTディスプレイ43に接続され、表示すべき画像データをCRTディスプレイ43用の画像信号に変換してCRTディスプレイ43に出力して表示するディスプレイインターフェース33と、
(j)CPU20によって処理された画像データ及び所定の解析結果などを印字するプリンタ44に接続され、印字すべき印字データの所定の信号変換などを行ってプリンタ44に出力して印字するプリンタインターフェース34と、
(k)画像処理プログラムが記憶されたCD−ROM45aから画像処理プログラムのプログラムデータを読み出すCD−ROMドライブ装置45に接続され、読み出された画像処理プログラムのプログラムデータを所定の信号変換などを行ってプログラムメモリ24に転送するドライブ装置インターフェース35とを備え、
これらの回路20−24、31−34及び51はバス30を介して接続される。
本実施形態では、撮像装置60のCCDディジタルカメラ2によって生成された生物細胞核の画像データがCCDディジタルカメラ2の通信インターフェース2aから通信ケーブル50を介して医用画像処理装置10の通信インターフェース51に送信されて受信された後、画像処理のために画像メモリ23に一時的に格納される(図2のステップS1)。
次いで、図2を参照して、本実施形態に係る生物細胞核クロマチン画像データの解析及び評価処理について、乳癌のクロマチン画像データに対する画像処理を例にとり以下に説明する。画像処理を実行する前の前置処理として、乳癌の細胞診標本を、例えば、ヘマトキシリン(暗青色の塩基性色素)を用いて公知の染色法(例えば、パパニコロウ(Papanicolaou)原法など)により染色して細胞核が染色された乳癌の細胞診標本を得る。この細胞核が染色された乳癌の細胞診標本を顕微鏡1を介してCCDディジタルカメラ2を用いて撮像して、撮像された乳癌のクロマチン画像データを得た後、当該クロマチン画像データは、CCDディジタルカメラ2の通信インターフェース2aから通信ケーブル50を介して医用画像処理装置10の通信インターフェース51に送信される。
図2のステップS1において、画像入力処理が実行される。すなわち、CCDディジタルカメラ2から生物細胞核クロマチン画像データを受信して、画像メモリ23に一時的に記憶する。なお、本実施形態では、顕微鏡1とCCDディジタルカメラ2とからなる撮像装置60を用いているが、本発明はこれに限らず、直接にCCDカメラ、スキャナ、又はディジタルカメラ等の撮像装置を用いて撮像してもよい。
次いで、ステップS2において、第1の画像解析処理が実行される。すなわち、生物細胞核クロマチン画像データから各細胞核毎の画像データを抽出し、抽出後の各細胞核毎に画像データに対して、所定のしきい値を用いて2値化処理を実行した後、エッジ抽出処理を実行することにより解析処理を実行して、クロマチンパターン分布を識別し、処理後の画像データを第1の画像解析処理後のクロマチンパターン画像データ(RGBの各色で256階調)として画像データを画像メモリ23に記憶する。なお、生物細胞核クロマチン画像データから、各細胞核毎の画像データをそれぞれ、好ましくは各細胞核の外輪郭線に沿って、自動的に抽出するためには、例えば、非特許文献1に記載された公知の方法を用いることができる。また、各細胞核の外輪郭線を手動で指定することにより各細胞核の画像データを抽出してもよい。さらに、2値化処理と、エッジ抽出処理とは少なくとも1つの処理を実行してもよく、また、2値化処理と、エッジ抽出処理とは少なくとも一方の処理に加えて、カラー画像データからRGB各色のグレースケールの画像データに変換する画像変換処理をさらに実行してもよい。この場合、好ましくは、細胞核の画像データに対してエッジ抽出処理を実行した後、上記画像変換処理を実行し、細胞核の染色濃度階調のうちの任意の濃度をしきい値2値化処理を実行する。
次いで、ステップS3において、第2の画像解析処理が実行される。すなわち、上記抽出後の各細胞核毎の画像データの外輪郭線内を黒ベタにした細胞核形状の画像データを生成し、処理後の画像データを第2の画像解析処理後の核形状画像データ(RGBの各色で256階調)として画像データを画像メモリ23に記憶する。
次いで、ステップS4において、フラクタル次元演算処理が実行される。すなわち、各細胞核毎に、クロマチンパターン画像データと核形状画像データとに基づいてそれぞれ、例えばボックスカウンティング法を用いて、各フラクタル次元D,Dを演算し、演算結果をRAM22に記憶する。フラクタル次元演算処理においては、画像解析処理後の画像データに対してボックスカウンティング法によって画像データのフラクタル次元を算出する。ここで、ボックスカウンティング法は、ディジタル画像からフラクタル次元を求める一般的な方法である。図6に示すように、ボックスカウンティグ法では一辺の長さrの正方形と図形を重ね合わせ、分割正方形の一辺の長さをrとしたとき、対象となる物体が少しでも含まれているセルの数をN(r)とする。ここで、図7に示すように、分割正方形の一辺の長さ(分割正方形の大きさ)の対数を横軸にとり、図形と重なりあった正方形の数の対数を縦軸にとりプロットすると、負の傾きを持つ直線が得られ、この傾きがフラクタル次元となる。実際の画像データを解析するときには、揺らぎが生ずるので、最小自乗法等によってグラフの傾きを決定する。なお、本実施形態では、ボックスカウンティング法を用いているが、本発明はこれに限らず、ハウスドルフ次元法などの他の方法を用いてもよい。
さらに、ステップS5において、判断処理が実行される。すなわち、各細胞核毎に、クロマチンパターン画像データのフラクタル次元Dと、核形状画像データのフラクタル次元Dとに基づいて、次式(1)を用いてクロマチン指標CIを計算した後、計算されたクロマチン指標CIを所定のしきい値と比較することにより、細胞核の特性を判断し、判断結果をCRTディスプレイ43に表示する。なお、クロマチン指標CIは細胞核の特性の度合いを表すので、クロマチン指標CIを表示してもよい。また、細胞核の特性にはその度合いの意味を含むように解釈してもよい。
[数1]
CI=bD−aD (1)
ここで、aは所定の第1の定数であり、bは所定の第2の定数である。本実施形態において、一例として、好ましくは、a=1,b=1である。なお、各細胞核毎のクロマチンパターン画像データのフラクタル次元Dの計算では、各細胞核毎のクロマチンパターン画像データのRGBの3色の画像データに対して、2値化処理のしきい値を例えば80階調から150階調まで10階調ずつずらして設定してそれぞれ得られた24(=8×3)個のフラクタル次元の値のうちの最大のフラクタル次元を、フラクタル次元Dとすることが好ましい。また、核形状画像データのフラクタル次元Dの計算では、当該核形状画像データは白黒の明確な画像データであるので、1つのしきい値として例えば130階調を設定して1個のフラクタル次元Dを計算できる。本実施形態では、上記式(1)を用いてクロマチン指標CIを計算することにより、当該クロマチン指標CIの値は、上記核形状画像データの情報を実質的に除去しかつ上記パターン画像データのパターンの情報を実質的に含むことになる。言い換えれば、クロマチンパターン画像データのフラクタル次元Dはクロマチン分布の複雑性を示し、核形状の画像データのフラクタル次元Dは核形状のみの複雑性を示し、それ故、クロマチン指標CIはクロマチン分布のみの複雑性を示す数値となる。
以下、クロマチン指標CIについて詳述する。当該クロマチン指標は、「自己形態差分法」を応用した指標であり、細胞形態の持つ複数の情報から形態誤差又は形状誤差を少なくした形態情報を提供することが可能となった。これらクロマチン指標(自己形態差分法を用いた)は、例えると、細胞及び核形態は本来、固有形状(核形状)と、それらの内部に分布する核内タンパク質等の複数の形態情報から成り立っており、それら核形状及びクロマチンの特性形状との関係を無視することはできない。すなわち、形態(又は形状)は複数の形態要素が形となって現れているため、各々の異なる性質を抽出し、各々のパラメータ間の影響を排除する考えである。これらを自己形態差分法という。クロマチン指標CI(自己形態差分法を用いた)を用いることで、正確なクロマチン分布の評価が可能となった。同一形態から求めた複数のパラメータは各パラメータに影響を与えているため、形態パラメータを差し引き、その次元差を用いて評価する方法である。
従来技術の報告例として、先に非特許文献4を開示したが、当該論文は、良悪性の判別診断に対して、核クロマチンの評価にフラクタル次元解析を用いたことのみを開示する。当該論文において、核クロマチン評価をする場合、核形状の影響を考慮されていない。特に悪性例の細胞核の形状は不定形を示し、核クロマチンを評価する場合、核形状の影響を取り除く必要がある。良性と悪性の判別において、良性例では核不整は示さず、核形状は滑な線で構成する円形を示すことが多く、悪性例の核形状は粗雑な線で不定形状を示す場合がほとんどである。従って、クロマチン分布を内包する外側形状も評価の際に補正させることが望ましい。これに対して、本発明に係る実施形態は、悪性度の評価としてフラクタル次元解析を用い、核クロマチン形状を評価する際に核形状の不整の影響を排除する方法(自己形態差分法)で、悪性度の評価が可能となった。再発推測、リンパ節転移は悪性度の指標として表され、それらの指標として核クロマチン分布を評価することが可能となった。
すなわち、非特許文献4では、良性と悪性の判別のみが目的であって、核形状を配慮しない核クロマチン分布の解析している。これに対して、本発明の実施形態では、悪性度の評価(例えば、再発予後の推定、リンパ節転移の予測等)を目的とし、核形状を配慮した核クロマチン分布の解析(自己形態差分法)を用いた評価法を用いている。
以上の実施形態においては、式(1)を用いてクロマチン指標CIを計算しているが、下記の式(2)乃至(4)のいずれかを用いて、クロマチン指標CIを計算してもよい。すなわち、下記の式(2)乃至(4)のいずれかを用いて、核形状画像データの情報を実質的に除去しかつ上記パターン画像データのパターンの情報を実質的に含むクロマチン指標CIを計算することができる。
[数2]
CI=(bD−aD)/cD (2)
ここで、aは所定の第1の定数であり、bは所定の第2の定数であり、cは所定の第3の定数である。一例として、好ましくは、a=1、b=1、c=1に設定される。
[数3]
CI=dD/D (3)
ここで、dは所定の第4の定数である。一例として、好ましくは、d=1に設定される。
[数4]
CI=eD/D (4)
ここで、eは所定の第5の定数である。一例として、好ましくは、e=1に設定される。
次いで、図2の判断処理(ステップS5)の目的別に、3つの実施処理例のサブルーチンを以下に示す。図3は図2のサブルーチンであり、第1の実施処理例に係る判断処理(ステップS5−1)を示すフローチャートである。
第1の実施処理例に係る判断処理(ステップS5−1)が図示された図3において、ステップS11で、まず、各細胞核毎に、クロマチンパターン画像データのフラクタル次元Dと、核形状画像データのフラクタル次元Dとに基づいて、上記式(1)を用いてクロマチン指標CIを計算する。次いで、ステップS12において、CI≧CIthrであるか否かが判断され、ここで、CIthrは乳癌の再発の高いと判断できるしきい値であり、例えば、CIthr=0.2(実施例1参照。)である。ステップS12において、YESのときはステップS13に進む一方、NOのときはステップS14に進む。ステップS13において、乳癌の再発の可能性が高いと判断してステップS15に進む。一方、ステップS14において、乳癌の再発の可能性が低いと判断してステップS15に進む。さらに、ステップS15では、判断結果をCRTディスプレイ43に表示して出力し、元のメインルーチンに戻る。
図4は図2のサブルーチンであり、第2の実施処理例に係る判断処理(ステップS5−2)を示すフローチャートである。
図4において、ステップS21で、まず、各細胞核毎に、クロマチンパターン画像データのフラクタル次元Dと、核形状画像データのフラクタル次元Dとに基づいて、上記式(1)を用いてクロマチン指標CIを計算する。次いで、ステップS22において、CI≧CIthrであるか否かが判断され、ここで、CIthtは乳癌のリンパ節への転移の高いと判断できるしきい値であり、例えば、CItht=0.15(実施例2参照。)である。ステップS22において、YESのときはステップS23に進む一方、NOのときはステップS24に進む。ステップS23において、乳癌の転移の可能性が高いと判断してステップS25に進む。一方、ステップS24において、乳癌の転移の可能性が低いと判断してステップS25に進む。さらに、ステップS25では、判断結果をCRTディスプレイ43に表示して出力し、元のメインルーチンに戻る。
図5は図2のサブルーチンであり、第3の実施処理例に係る判断処理(ステップS5−3)を示すフローチャートである。
図5において、ステップS31で、まず、各細胞核毎に、クロマチンパターン画像データのフラクタル次元Dと、核形状画像データのフラクタル次元Dとに基づいて、上記式(1)を用いてクロマチン指標CIを計算する。次いで、ステップS32において、CI≧CIthmであるか否かが判断され、ここで、CIthmは乳癌の悪性度が高いと判断できるしきい値であり、例えば、CIthm=0.15(実施例2など参照。)である。ステップS32において、YESのときはステップS33に進む一方、NOのときはステップS34に進む。ステップS33において、乳癌の悪性度が高いと判断してステップS35に進む。一方、ステップS34において、乳癌の悪性度が低いと判断してステップS35に進む。さらに、ステップS35では、判断結果をCRTディスプレイ43に表示して出力し、元のメインルーチンに戻る。
なお、クロマチン指標のしきい値CIthr(再発のしきい値),CItht(リンパ節への転移のしきい値),CIthm(悪性度のしきい値)は、例えば、上記乳癌の特性が既知である複数の乳癌細胞核の画像データに基づいて、それらの平均値や最大値などを計算して(例えば、後述の実施例1及び2参照。)臨床学的に又は経験的に予め決めることができる。
実施形態の効果.
以上説明したように、本発明の実施形態に係る医用画像処理装置及び方法によれば、生体が有する形状に係る画像データの情報を実質的に除去しかつパターン画像データのパターンの情報を実質的に含む指標値CIを計算し、上記計算された指標値に基づいて、上記生体の特性又はその度合いを判断するので、きわめて簡単な処理方法で、従来技術に比較して高い精度で定量的に生体の特性又はその度合いを判断することができる。例えば、予め再発症例及び腫瘍径が異なる複数のフラクタル次元を計算して解析することにより定量的に、癌再発予後、癌転移及び癌悪性度を推定できる指標を得ることができる。また、ある生体のクロマチン指標CIを、予め決められた癌の悪性度のしきい値と比較することにより、癌の悪性度が高いか低いかを客観的にかつ定量的に判断できる。
変形例.
本実施形態においては、図2の画像処理プログラムデータをCD−ROM45aに格納して実行するときにプログラムメモリ24にロードして実行しているが、本発明はこれに限らず、CD−R、CD−RW、DVD、MOなどの光ディスク又は光磁気ディスクの記録媒体、もしくは、フロッピー(登録商標)ディスクなどの磁気ディスクの記録媒体など種々の記録媒体に格納してもよい。これらの記録媒体は,コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。また、図2の画像処理プログラムのデータを予めプログラムメモリ24に格納して当該画像処理を実行してもよい。
実施例1においては、乳癌予後因子としての細胞核クロマチンパターンのフラクタル解析及び形態学的検討について行う。
(1)目的
乳腺穿刺吸引材料の癌細胞の核クロマチンパターンが再発予後因子となり得るか否か明らかにすることを目的にフラクタル解析及び形態学的検討を行った。
(2)方法
浸潤性乳管癌69例(再発例14例、非再発例(n1.24例、n0.31例)を対象とした。その詳細は図8の通りである。ここに、非再発例n1はリンパ節転移例であり、非再発例n0はリンパ節非転移例である。当該検討において、クロマチン分布の複雑性を表すクロマチン指標CIを用いて上述のフラクタル次元解析を行った。クロマチンパターンはCCDディジタルカメラ2で撮影することにより核クロマチンパターン画像データを得て、それに対してフラクタル次元解析を行い、核形不整を考慮したクロマチン指標CIを算出し、クロマチンパターンの複雑性について検討した。対象標本はすべて再発前の原発巣標本を用いた。
図12は、実施例1において図2の画像入力処理によって記憶された複数の細胞核を含む画像データの一例を示す写真である。実施例1では、入手した69症例の標本1577核について、オリンパス製BX51型顕微鏡1と、ニコン製CCDディジタルカメラ2(倍率×600)にて画像を撮影し、目的とする細胞核のみの画像データを抽出した。画像データのファイルは任意サイズのビットマップファイルの形式を有する。なお、本願で添付する図面の写真は、オンライン出願での制約上、グレースケールのJPEGファイルの形式を有する。また、撮影条件はすべて同一条件とした。解析画像の抽出例を図23に示す。
図13は図11の画像データから、図2の第1の画像解析処理により抽出された各細胞核毎の画像データの一例を示す写真であり、図14は1つの細胞核のフルカラー画像データの画像を示す。図12の画像データを図2の医用画像処理装置10に入力し、入力された画像データに対して所定の画像解析処理を実行して、クロマチン分布を識別するための画像データを得た。ここで、この画像解析処理としては、細胞核クロマチンの輪郭形状を抽出するエッジ抽出処理を行った。測定対象画像データは、RGB画像データを用い、各色画像256階調の80−150階調中の21階調分(10階調ステップでの階調分であり、すなわち、80階調、90階調、100階調、…、150階調をしきい値とした。)の画像データを用いた。図14の細胞核クロマチン画像データに対するエッジ抽出処理前のRGB画像データを図15に示す一方、エッジ抽出処理後のRGB画像データを図16に示す。
上記エッジ抽出処理後のRGB画像データに基づいて外側の輪郭形状を抽出し、輪郭内のクロマチンパターン画像データのフラクタル次元Dと、輪郭内を黒ベタとした輪郭情報のみの核形状画像データのフラクタル次元Dとを、ボックスカウンティング法を用いて算出した。そして、上記式(1)(ここで、a=1,b=1)を用いてクロマチン指標CIを計算した。この計算結果例を図17及び図18に示す。
図17において、Aは第1の実験例の細胞核画像データについての図2の第1の画像解析処理後のクロマチン画像データの写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたフラクタル次元Dを示し、Bは図2の第2の画像解析処理後の核形状画像データ画像データの一例を示す写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたフラクタル次元Dを示し、Cは図2の第1の画像解析処理後のクロマチン画像データの写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたクロマチン指標CI値を示す図である。また、図18において、Aは第2の実験例の細胞核画像データについての図2の第1の画像解析処理後のクロマチン画像データの写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたフラクタル次元Dを示し、Bは図2の第2の画像解析処理後の核形状画像データ画像データの一例を示す写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたフラクタル次元Dを示し、Cは図2の第1の画像解析処理後のクロマチン画像データの写真と、それに係る図2のフラクタル演算処理により演算されたクロマチン指標CI値を示す図である。なお、図17及び図18におけるクロマチン指標CIの計算では、上記式(1)(ここで、a=1,b=1である。)を用いた。
すなわち、核形状のフラクタル次元数Dと、クロマチン分布の最も複雑性を示すフラクタル次元数の最大値数DB(上述のように、RGBの各色画像データについて、しきい値を変化させて複数のフラクタル次元Dを計算し、その最大値を得た。)に基づいて、上記(1)式(ここで、a=1,b=1である。)を用いて、クロマチン指標CI値を計算した。図17及び図18から明らかなように、核クロマチンパターンに伴う形状成分を考慮し、核不整に影響されるフラクタル次元数を差し引くことにより、クロマチンパターンのフラクタル次元に基づいて悪性度の定量的な評価が可能になった。すなわち、クロマチン指標が高ければ、悪性度が高いという定量的な評価が可能になった。
図19は実施例1に係る症例の複数の細胞核を非再発例(A)と再発例(B)とを区分したときの各クロマチンパターン画像データと、それらについての図2の解析及び評価処理結果のクロマチン指標CI値の平均値とを示す写真である。図19から明らかなように、再発例においてクロマチン指標CI値は非再発例に比べ高値を示し、クロマチン染色性が増加し不規則な粗造クロマチン性状を示していた。
図9は実施例1に係る症例の細胞核についての解析及び評価処理結果を示すグラフであって、再発例と非再発例のクロマチン指標CI値が統計学的有意差(P<0.001)を示す図である。図9から明らかなように、再発例と非再発例のクロマチン指標CI値(P<0.001)が統計学的有意差を有していることがわかる。
図20は実施例1に係る4つの悪性例A,B,C,Dについての複数のクロマチンパターン画像データと、各悪性例のクロマチン指標CI値の平均値を示す写真である。図20から明らかなように、クロマチン画像から、肉眼的には核小体の出現やクロマチンの不規則的分布は認識できるものの、症例間の識別や悪性度及び再発予測においては困難であることがわかる。他方、クロマチン指標CIの平均値からは、有意な差異がみられる。図20に示すA,B,C,Dの核クロマチン画像はいずれも悪性所見を形態学的に満たすものの従来技術に係る形態学的クロマチンパターンの肉眼的観察では悪性度の評価は不正確で再現性に欠けていた。また、再発予測を細胞核クロマチンパターンから行うことは困難と考えられて、識別においては定性的表現であった。
(3)結果
以上の実施例1の結果から明らかなように、クロマチン指標CIは再発乳癌の85%(12/14例)が高値を示し、再発乳癌例と非乳癌例群間の有意差を認められ(P<0.001)、クロマチン分布の不規則性が示唆された。腫瘍径2.5cm未満の非再発例(n0)の84%(21/25例)が比較的低いクロマチン指標CI値を呈した。非再発例(n1)の腫瘍径2.5cm以上の症例において比較的高いクロマチン指標CI値が多くみられ、腫瘍径との相関が認められた(P<0.001)。これらの結果から有病正診率(感度)、無病正診率(特異性)及び正診率を算定し、その結果を図10及び図11に示す。図10から明らかなように、きわめて高い有病正診率や正診率を得ることができることがわかる。また、図11から明らかなように、リンパ節転移の推定及び再発の推定において、しきい値CItht,CIthrを変化させた場合、きわめて高い有病正診率、無病正診率や正診率を得ることができることがわかる。
(4)考察
実施例1の結果より、再発乳癌例の核クロマチンにはある一定の形態学的特徴を有していることが推測された。再発乳癌例におけるクロマチンは、核小体の周囲に複数の粗凝集状クロマチンを認め、分布は不規則であった。核内が明るく細凝集状クロマチンを示す細胞の核膜近傍に凝集クロマチンを認めた。そして、それら核クロマチンパターンについてフラクタル次元解析を行い、クロマチン指標CIを計算ことにより、核クロマチンパターンの不規則性を定量的に数値化することができた。これらのパターンの定量化(数値化)は再発予測や悪性度の定量的な評価が可能となり、初期治療に有用な臨床情報を提供ができる。
実施例1にて算出したフラクタル次元に基づき、被検試料の再発例及びリンパ節転移例、生物学的悪性度を判断する手法を以下に説明する。
入手した細胞核標本について、オリンパス製BX51型顕微鏡1と、ニコン製CCDディジタルカメラ2(倍率×600)にて撮影し、細胞核標本の画像データ(ビットマップファイル)を作成する。撮影条件は実施例1と同条件とする。当該画像データを図1の医用画像処理装置に入力し、図2の解析及び評価処理を実行し、ここで、図3乃至図5の目的別の判断処理を実行した。すなわち、図3乃至図5の目的別の判断処理(再発例及びリンパ節転移例、生物学的悪性度)では、計算されたクロマチン指標CIを、各目的別に設定されたしきい値CIthr,CItht,CIthmと比較することにより、それぞれがんの再発の可能性、リンパ節への転移の可能性、及びがんの悪性度について客観的に判断することができる。なお、上記しきい値は、図10及び図11の臨床結果に基づいて決定することができる。また、本明細書において、生物学的悪性度は、再発度、及びリンパ節への転移度の上位概念を意味し、これらを含めて以下、「悪性度等」という。
本発明の原理は医学画像の評価法について応用性があることが推測される。観察画像は不定形状からなる観察対象内の不均一なパターン分布を評価する際、それらの集まりであるアウトラインの形状を加味した評価方法は重要である。医学画像はあいまいな形やフラクタル性を有する画像が多く存在していることが知られており、特に、レントゲン写真、マンモグラフィ(***X線撮影法)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、X線CT(X-ray Computed Tomography)、PET(Positron-emission Tomography)、超音波エコーなどの画像所見などの臨床医学において日常的に病変を観察し評価する場合に有用である。これらの画像の所見は、人体の臓器(唾液腺、甲状腺、リンパ節、乳腺、肝臓、膵臓、腎臓、前立腺、脾臓)等の病変を観察する場合に日常的に用いられ、それらの評価にも可能と考えられる。病変の形と病変内の不均一性などの評価に際し、本件と同様の評価方法は有用な評価法の一つであると推測する。以下に実施例について説明する。
図21は実施例3に係る典型的な乳癌の超音波エコー画像であって、当該乳癌の不整形や不均一な内部低エコーを示す写真である。図21は、2.5mm間隔の走査による画像であるが、中央に2.5cm大の腫瘤像が認められる。結節状で辺縁は不整、内部は不均一な低エコーを呈し、腫瘤の前面には強い境界エコー像が認められる。
図22は実施例3に係る典型的な乳癌の超音波エコー画像であって、当該乳癌の内部不均一や石灰化を示す写真である。図22は、不整な辺縁と平滑な辺縁を有する腫瘍で線維腺腫との鑑別がやや困難な例である。しかし腫瘍の内部に強い点状のエコー像が認められる。石灰化を伴った癌である。
図21及び図22は乳腺の超音波画像であるが、病変部の形状と内部エコーの評価の際にアウトラインの次元と内部エコー不均一性の指標となるフラクタル次元を求めた場合、それらの同腫瘍病変からの画像情報を数理的に公式化して、クロマチン指標CIと同様の式を用いて指標値を計算して病変部の悪性度等について判断することができる。
図23は実施例4に係る典型的な乳癌のX線画像であって、当該乳癌の石灰化を示す写真である。図23において、明らかな腫瘤陰影は認められないが、***の右側に中等量の石灰化像が集簇して認められる。圧迫スポット撮影を行うと石灰化像は明瞭に描出され、個々の石灰化像は類円形、V字状、棒状、コンマ状など多彩な像を呈している。また、石灰化像は乳頭の方向に線状に配列している。
図23は乳癌のX線画像(マンモグラフィ画像)であるが、病変部の石灰化形状の評価の際にアウトラインの次元と内部の石灰化の指標となるフラクタル次元を求めた場合、それらの同腫瘍病変からの画像情報を数理的に公式化して、クロマチン指標CIと同様の式を用いて指標値を計算して病変部の悪性度等について判断することができる。公知の通り、良性石灰化では、その石灰化巣の形状は、散在、均一な大きさ、円形などの特徴を有する一方、悪性石灰化では、石灰化巣の形状は、密集、大小不同、形状異常などの特徴を有する。従って、これらの石灰化のパターンをフラクタル次元Dを用いて評価し、かつ病変部の形状に係るフラクタル次元Dの情報を除去することにより、より正確に石灰化に基づく悪性度について評価できると考えられる。
以上の実施例においては、乳癌などの臓器や上皮性の病変部について本発明のクロマチン指標CIを適用する事例について説明しているが、本発明はこれに限らず、骨、血液、筋肉などの非上皮性のがんについて当該指標CIを適用してもよい。ここで、クロマチン指標として符号CIを用いているが、符号CIはクロマチンの指標のみを意味するものではない。
以上詳述したように、本発明に係る医用画像処理装置及び方法によれば、生体の画像データに対して所定の画像解析処理を実行することにより、上記生体の輪郭を抽出してなる形状画像データと、上記生体の輪郭内のパターンを抽出してなるパターン画像データとを得る。次いで、上記得られた形状画像データ及びパターン画像データに基づいて、上記形状画像データのフラクタル次元Dを計算し、上記パターン画像データのフラクタル次元Dを計算した後、上記形状画像データのフラクタル次元D及び上記パターン画像データのフラクタル次元Dに基づいて、上記形状画像データの情報を実質的に除去しかつ上記パターン画像データのパターンの情報を実質的に含む指標値CIを計算する。さらに、上記計算された指標値に基づいて、上記生体の特性又はその度合いを判断する。それ故、上記生体が有する形状に係る画像データの情報を実質的に除去しかつ上記パターン画像データのパターンの情報を実質的に含む指標値CIを計算し、上記計算された指標値に基づいて、上記生体の特性又はその度合いを判断するので、きわめて簡単な処理方法で、従来技術に比較して高い精度で定量的に生体の特性を判断することができる。
特に、細胞核クロマチン分布形態の定量的指標を与える本発明に係る画像処理装置及び方法は、観察者の客観的指標として有用、かつ悪性度の指標として術前、術後の治療選択情報を与えることができる。また、例えば細胞核評価が必要な基礎医学、応用医学、生物学、基礎科学等において応用可能であり、生体細胞核、動物実験細胞核及び培養細胞核の評価等、細胞を取り扱う分野すべてに利用される。さらに、本発明に係る医用画像処理装置及び方法は、細胞核評価に限定されず、生体の一部の臓器や病変部の評価に広く適用することができる。

Claims (9)

  1. 人体の乳がんの細胞核のクロマチン画像データに基づいて上記細胞核のがんの悪性度を評価するための医用画像処理装置であって
    上記乳がんの細胞核のクロマチン画像データに対して所定の画像解析処理を実行することにより、上記細胞核の輪郭を抽出してなる形状画像データと、上記細胞核の輪郭内のパターンを抽出してなるパターン画像データとを得る画像解析手段と、
    上記得られた形状画像データ及びパターン画像データに基づいて、上記形状画像データのフラクタル次元Dを計算し、上記パターン画像データのフラクタル次元Dを計算した後、上記形状画像データのフラクタル次元D及び上記パターン画像データのフラクタル次元Dに基づいて、上記形状画像データの情報を実質的に除去しかつ上記パターン画像データのパターンの情報を実質的に含むクロマチン指標値CIを計算する計算手段と、
    上記計算されたクロマチン指標値CIに基づいて、上記細胞核のがんの悪性度を評価する評価手段とを備えたことを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 上記計算手段は、CI=bD−aDの式(ここで、aは所定の第1の定数であり、bは所定の第2の定数である。)を用いてクロマチン指標値CIを計算することを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  3. 上記計算手段は、CI=(bD−aD)/cDの式(ここで、aは所定の第1の定数であり、bは所定の第2の定数であり、cは所定の第3の定数である。)を用いてクロマチン指標値CIを計算することを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  4. 上記計算手段は、CI=dD/Dの式(ここで、dは所定の第4の定数である。)を用いてクロマチン指標値CIを計算することを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  5. 上記計算手段は、CI=eD/Dの式(ここで、eは所定の第5の定数である。)を用いてクロマチン指標値CIを計算することを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
  6. 上記評価手段は、上記計算されたクロマチン指標値CIを所定のしきい値と比較することにより、上記細胞核のがんの悪性度を評価することを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  7. 上記しきい値は、上記細胞核のがんの悪性度が既知である複数の細胞核のがんのクロマチン画像データに基づいて、上記細胞核のがんの悪性度を区別可能な予め決められた値であることを特徴とする請求項6記載の医用画像処理方法。
  8. 上記画像解析処理は、エッジ処理と、2値化処理との少なくとも1つの処理を含むことを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  9. 上記画像解析処理は、カラー画像データからグレースケール画像データへの変換処理をさらに含むことを特徴とする請求項8記載の医用画像処理装置。
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