JP4747364B2 - 紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤に関するものである。
従来から、オリゴペプチドまたはその重合物を有効成分とする生理活性物質として、コラーゲンまたはゼラチンのコラーゲナーゼによる分解物中のグリシン残基1個とそれ以外のアミノ酸残基2個とから構成されるトリペプチドの、平均分子量280〜20000をもつ重合物からなる老化防止のための皮膚外用剤(特許文献1参照)、(Gly−Ala−Arg)、(Gly−Ala−Hyp)、(Gly−Ala−Lys)、(Gly−Pro−Ala)、(Gly−Pro−Arg)、(Gly−Pro−Hyp)および(Gly−Pro−Ser)のトリペプチドの混合物を有効成分とするコラーゲン産生促進剤(特許文献2参照)などが知られている。
また、特殊なものとして、R−Met−Ile−XR(XはTrp、Phe、Trp−Leu、Phe−Leu、Tyr−Leu、Ile−LeuまたはLeu−Leuであり、Rは水素原子、アミノ基の保護基、Rはヒドロキシまたはカルボキシル基の保護基である)で表わされるペプチドまたは薬理的に許容される塩を有効成分とする経口育毛剤が知られている(特許文献3参照)。
このように、ペプチドを有効成分とする各種生理活性物質は知られているが、紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤については知られていない。
特開2000−309521号公報 特開2003−137807号公報 国際公開第00/29425号パンフレット
本発明は、ペプチドを用いた紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤について提供するものである。
本発明者らは、上記課題の下、鋭意検討を行った結果、下記手段により上記目的を解決しうることを見出した。
(1)イソロイシルグリシルセリル単位、プロリルイソロイシルグリシルセリル単位、グリシルプロリルイソロイシルグリシルセリル単位、グリシルプロリルイソロイシルグリシルトレオニル単位、プロリルイソロイシルグリシル単位およびグリシルプロリルイソロイシルグリシル単位からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む水溶性ペプチド、ならびにこれらの水溶性塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する紫外線皮膚炎抑止剤。
(2)イソロイシルグリシルセリル単位、プロリルイソロイシルグリシル単位およびグリシルプロリルイソロイシルグリシルセリル単位からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む水溶性ペプチド、ならびにこれらの水溶性塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する紫外線皮膚炎抑止剤。
(3)イソロイシルグリシルセリル単位および/またはプロリルイソロイシルグリシル単位を含む水溶性ペプチド、ならびにこれらの水溶性塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する紫外線皮膚炎抑止剤。
(4)イソロイシルグリシルセリル単位を含む水溶性ペプチド、ならびにこれらの水溶性塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する紫外線皮膚炎抑止剤。
(5)下記式(1)で表される水溶性ペプチド、およびその水溶性塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する紫外線皮膚炎抑止剤。
式(1)
Gly−Pro−Ile−Gly−X
(式(1)中、Xはヒドロキシル基含有アミノ酸単位である。)
(6)前記式(1)中のXはSerまたはThrである、(5)に記載の紫外線皮膚炎抑止剤。
(7)前記水溶性ペプチドは、3〜8個のアミノ酸由来のものである、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の紫外線皮膚炎抑止剤。
(8)イソロイシルグリシルセリル単位、プロリルイソロイシルグリシルセリル単位、グリシルプロリルイソロイシルグリシルセリル単位、グリシルプロリルイソロイシルグリシルトレオニル単位、プロリルイソロイシルグリシル単位およびグリシルプロリルイソロイシルグリシル単位からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む水溶性ペプチド、ならびにこれらの水溶性塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有するアトピー性皮膚炎抑止剤。
(9)下記式(1)で表される水溶性ペプチド、およびその水溶性塩からなる群より選択される少なくとも1種を3mg/ml以上の濃度で含有する溶液である、アトピー性皮膚炎抑止剤。
式(1)
Gly−Pro−Ile−Gly−X
(式(1)中、Xはヒドロキシル基含有アミノ酸単位である。)
(10)軟膏である、(8)に記載のアトピー性皮膚炎抑止剤。
(11)固体状である、(8)に記載のアトピー性皮膚炎抑止剤。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
(ペプチド)
本発明で用いることができるペプチドは、イソロイシルグリシルセリル単位、プロリルイソロイシルグリシルセリル単位、グリシルプロリルイソロイシルグリシルセリル単位、グリシルプロリルイソロイシルグリシルトレオニル単位、プロリルイソロイシルグリシル単位およびグリシルプロリルイソロイシルグリシル単位からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む水溶性ペプチド(以下、「本発明におけるペプチド」ということがある)である。
本発明におけるペプチドは好ましくは、イソロイシルグリシルセリル単位、プロリルイソロイシルグリシル単位(より好ましくは、プロリルイソロイシルグリシルセリル単位)およびグリシルプロリルイソロイシルグリシルセリル単位からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む水溶性ペプチドである。
本発明におけるペプチドはさらに好ましくは、プロリルイソロイシルグリシル単位および/またはイソロイシルグリシルセリル単位を含む水溶性ペプチドである。
本発明におけるペプチドはよりさらに好ましくは、イソロイシルグリシルセリル単位を含む水溶性ペプチドである。
本発明におけるペプチドは、3〜10個程度のアミノ酸由来のオリゴペプチドであってもよいし、10個以上のアミノ酸由来のポリペプチドであってもよい。本発明におけるペプチドは、3〜8個のアミノ酸由来のものであることが好ましく、3〜7個のアミノ酸由来のものであることがより好ましく、3〜5個のアミノ酸由来のものであることがさらに好ましい。
本発明におけるトリペプチドとしては、好ましくは、イソロイシルグリシルセリンまたはプロリルイソロイシルグリシンである。
本発明におけるテトラペプチドとしては、好ましくは、前記トリペプチドの前または後に、アミノ酸残基が結合した水溶性ペプチドである。ここで、好ましいアミノ酸残基としては、グリシル基、アラニル基、アルギニル基、アスパラギル基、リジル基、セリル基、トレオニル基、バリル基またはグルタミル基が挙げられる。
本発明におけるテトラペプチドは、より好ましくは、グリシルプロリルイソロイシルグリシンおよびプロリルイソロイシルグリシルセリンである。
本発明におけるオリゴペプチドとしては、好ましくは、前記トリペプチド(例えば、イソロイシルグリシルセリン)の前および/または後に、合計2個以上のアミノ酸残基が結合した水溶性ペプチドである。ここで、好ましいアミノ酸残基は、上記テトラペプチドのところで記載したものと同じものを挙げることができる。
本発明におけるオリゴペプチドとして、より好ましくは、グリシルプロリルイソロイシルグリシンまたはプロリルイソロイシルグリシルセリンの前後にアミノ酸残基が結合した水溶性ペプチドである。ここでいうアミノ酸残基も、上記テトラペプチドのところで記載したものと同じものを挙げることができる。
本発明におけるオリゴペプチドとして、好ましい他の一例として、下記式(1)で表される水溶性ペプチドを含む水溶性ペプチドである。
式(1)
Gly−Pro−Ile−Gly−X
(式(1)中、Xはヒドロキシル基含有アミノ酸単位である。)
ここで、Xとしては、SerまたはThrが好ましく、Serがより好ましい。
さらに、本発明におけるオリゴペプチドの中では、前記式(1)で表される水溶性ペプチドのみからなるオリゴペプチド、前記式(1)で表される水溶性ペプチドのペンタペプチド単位をカルボキシル基末端に有するオリゴペプチドが好ましい。
このようなオリゴペプチドとしては、アラニルグリシルプロリルイソロイシルグリシルセリン、セリルグリシルプロリルイソロイシルグリシルセリン、グリシルセリルグリシルプロリルイソロイシルグリシルセリン等が例示される。
本発明におけるポリペプチドとしては、好ましくは、上記で例示したトリペプチド、テトラペプチド、オリゴペプチドを含むペプチドである。また、前記式(1)で表される水溶性ペプチドを含むポリペプチドも好ましく、アラニルグリシルプロリルイソロイシルグリシルセリン、セリルグリシルプロリルイソロイシルグリシルセリンおよびグリシルセリルグリシルプロリルイソロイシルグリシルセリンの少なくとも1種を含むポリペプチドがさらに好ましい。
本発明におけるポリペプチドは、分子量500以下であることが好ましく、450以下であることが、水により溶解しやすいという点でより好ましい。
本発明では、遊離形のペプチドを用いてもよいし、上記ペプチドの水溶性塩を用いてもよい。水溶性塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
本発明で用いることができるペプチドは、ペプチド合成の際にペプチド結合を形成する場合に慣用されている方法、例えば、縮合剤法、活性エステル法、アジド法、混合酸無水物法などによりα−アミノ基を保護した原料アミノ酸とカルボキシル基を保護したアミノ酸とを反応させてペプチドを形成したのち、保護基を脱離する工程を繰り返すことによって製造することができる。
この縮合剤法は、最も一般的なペプチド結合の形成方法である。この際の縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)およびその塩酸塩(WSCI・HCl)、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリ化物塩(BOP)、ジフェニルホスホリルジアジド(DPPA)等を単独で、または、N−ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、若しくは3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)等と組み合わせて用いることができる。
活性エステル法における活性エステルとしては、例えば、p−ニトロフェニルエステル(ONp)、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(ONSu)、ペンタフルオロフェニルエステル(OPfp)などを用いることができる。
また、アジド法は、アミノ酸またはペプチドに無水ヒドラジンを反応させて対応するヒドラジドを形成させる方法であり、ラセミ化の少ないセグメント縮合法として知られている。
さらに、混合酸無水物法は、イソブチルオキシカルボニルクロリド、塩化ジエチルアセチル、塩化トリメチルアセチル等を用いてアミノ酸のカルボキシル基の混合無水物を形成させる方法で、低温においてカルボキシル基を強力に活性化できるので有利である。
他方、アミノ酸の保護基としては、酸処理や加水分解や接触還元により容易に脱離するものが用いられる。このような保護基のうちα−アミノ基の保護基としては、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基、メトキシベンジルオキシカルボニル基などがある。また、カルボキシル基を保護するには、メチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステル、tert−ブチルエステル、フェナシルエステルなどを形成させる。
また、側鎖にヒドロキシル基を有するα−アミノ酸の場合は、このヒドロキシル基を保護する必要があるが、この保護基としては、白金黒触媒による接触還元や強酸処理により容易に脱離されるベンジル基や弱酸処理により容易に脱離されるtert−ブチル基が好適である。
このようなα−アミノ酸エステル、アミノ基やヒドロキシル基を保護された原料アミノ酸は、市販品として容易に入手可能である。
本発明で用いることができるペプチドの製造は、原料アミノ酸またはその誘導体を溶媒中に均一に溶解して反応させる液相法、不溶性の樹脂上でペプチド鎖を伸長させていく固相法のいずれでも行うことができるが、自動固相合成装置を用いて行う方法が有利である。この方法によると、所望のオリゴペプチドを短時間に、しかも高純度で得ることができる。
本発明で用いることができるペプチドは、ラセミ体として得られる場合があるが、所望ならば、慣用の方法により光学分割して光学活性を有するものとして得ることもできる。この光学分割は、ラセミ体のアミノ酸を適当な光学活性物質とのジアステレオマーを形成させ、これを分別結晶する方法、酵素を用いる方法又はキラルな担体を用いた高速液体クロマトグラフィーによる方法等で行うことができる。
本発明におけるペプチドは、水又はアルコール類に可溶である。これらは、質量分析、赤外吸収スペクトル、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により、同定することができる。
本発明でいう、紫外線皮膚炎抑止剤とは、紫外線照射による、皮膚炎症の防止及び予防、またそれに伴うシワやシミの防止及び美白等の役割を果たすものをいう。多量の紫外線に曝露された皮膚では、角質層の構造に炎症が生じ、角質バリア機能が低下することが知られている。このような皮膚では、急性紫外線炎症として水疱、サンタンおよびサンバーンが、慢性紫外線炎症としてシワ、タルミ、シミおよび弾力性低下等の症状が現れるが、本発明の紫外線皮膚炎抑止剤を用いることによりこれらを抑止することができる。
本発明でいう、アトピー性皮膚炎抑止剤とは、アトピー性の皮膚炎の抑止および予防、またそれに伴う痒みの軽減及び乾燥肌の改善等の役割を果たすものをいう。また、接触性皮膚炎も本発明のアトピー性皮膚炎抑止剤に含む趣旨である。アトピー性皮膚炎では、角質におけるバリア機能が損傷した状態にある。このような皮膚はいわゆる敏感肌となり、わずかな外的刺激で炎症を引き起こし、病態の症状をさらに悪化させることが指摘されている。従って、本発明のアトピー性皮膚炎抑止剤を用いることにより、これらを抑止することができる。
本発明の紫外線皮膚炎抑止剤またはアトピー性皮膚炎抑止剤は、化粧水、クリーム、乳液、ファンデーション、油性化粧料、パック剤、皮膚洗浄剤、スプレー剤、エアゾール剤等の化粧品および薬用化粧品、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、乳剤等の外用剤に調製して使用することができる。
上記の外用剤は、薬理学的、製剤学的に許容し得る添加物を加えて製造することができる。薬理学的、製剤学的に許容し得る添加物の例としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を挙げることができる。上記の外用剤には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、他の紫外線皮膚炎抑止剤またはアトピー性皮膚炎抑止剤を1種又は2種以上配合してもよい。本発明の紫外線皮膚炎抑止剤またはアトピー性皮膚炎抑止剤の投与方法は特に限定されないが、皮膚用外用剤が好ましい。また、本発明の外用剤の投与量は特に限定されず、有効成分の種類などに応じて適宜選択することができ、さらに患者の体重や年齢、疾患の種類や症状、投与経路など通常考慮すべき種々の要因に応じて、適宜増減することができる。一般的には、紫外線皮膚炎抑止剤として用いる場合、成人一日当たり0.00001〜1000mg、好ましくは0.001〜10mgの範囲で用いることができる。一般的には、アトピー性皮膚炎抑止剤として用いる場合、成人一日当たり0.00001〜1000mg、好ましくは0.001〜10mgの範囲で用いることができる。
本発明の紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤は、例えば、患部に、1日1〜5回程度塗布を繰り返して使用される。
さらに、本発明の紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤は、一般に、医薬品又は医薬部外品、化粧料等に用いられる各種担体や添加剤を含んでいてもよい。各種担体としては、各種キャリアー担体、イクステンダー剤、希釈剤、増量剤、分散剤、賦形剤、結合剤溶媒、溶解補助剤、緩衝剤、溶解促進剤、ゲル化剤、懸濁化剤、ミルクタンパク質、コラーゲン、米油、レシチンなどが挙げられる。添加剤としては、例えば、ビタミン類、有機酸、着色剤、香料、湿化防止剤、ファイバー、電解質、ミネラル、栄養素、抗酸化剤、保存剤、芳香剤、湿潤剤、天然の植物抽出物、コーヒー抽出物、フルーツ抽出物、野菜抽出物などが挙げられる。
本発明の紫外線皮膚炎抑止剤を液状とする場合、水性媒質に、0.001mg/ml以上の濃度で溶解することが好ましく、0.1mg/ml以上の濃度で溶解することがより好ましく、1mg/ml以上の濃度で溶解することがさらに好ましく、3mg/ml以上の濃度で溶解することがよりさらに好ましく、10mg/ml以上の濃度で溶解することが最も好ましい。
本発明のアトピー性皮膚炎抑止剤を液状とする場合、水性媒質に、0.001mg/ml以上の濃度で溶解することが好ましく、0.1mg/ml以上の濃度で溶解することがより好ましく、1mg/ml以上の濃度で溶解することがさらに好ましく、3mg/ml以上の濃度で溶解することがよりさらに好ましく、10mg/ml以上の濃度で溶解することが最も好ましい。
この際用いる水性媒質としては、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えばエチルアルコールのようなアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコールのような多価アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような極性有機溶剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。好ましい水性溶媒は、水とプロピレングリコールとエチルアルコールとの混合溶媒である。
本発明の紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤を軟膏剤とする場合、疎水性基剤(油脂性基剤)またはヒドロゲル基剤が好ましい。
疎水性基剤(油脂性基剤)として、油脂、ロウ、炭化水素類等が用いられ、具体的には、黄色ワセリン、白色ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、プラスチベース、シリコーン等の鉱物性基剤、およびミツロウ、動植物性油脂等の動植物性基剤が挙げられる。
ヒドロゲル基剤として、カルボキシビニルポリマー類、ゲルベース、無脂肪性軟膏、ポリエチレングリコール類等が挙げられる。
本発明の紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤を乳剤性基剤とする場合、親水軟膏 、バニシングクリーム等の水/油型基剤、および親水ワセリン、精製ラノリン、加水ラノリン、コールドクリーム、親水プラスチベース等の油/水型基剤を基剤として用いることができる。
本発明の紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤を懸濁性基剤とする場合、ローション剤およびステアリルアルコール、セチルアルコール等の微粒子をプロピレングリコール中に懸濁させたFAPG基剤(Fatty alcohol−propylene glycol)、すなわち、リオゲル基剤等を基剤として用いることができる。
本発明の紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤をクリーム剤とする場合の基剤としては、サラシミツロウ、流動パラフィン、ラノリン、パラフィン、ワセリン、鯨ロウ、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、グリセリン、プロピレングリコール、カルボキシビニルポリマー等を基剤として用いることができる。
本発明の紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤を油剤の基剤とする場合、流動パラフィン、ラノリン、スクワラン、植物油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリン、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、乳酸オクチルドデシル、トリイソステアリン酸ジグリセリル等を基剤として用いることができる。
本発明の紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤をリニメント剤とする場合、グリセリン、カルメロースナトリウム等を基剤として用いることができる。
乳剤、クリーム剤は、液体分散媒中に不溶性の溶液を小滴として分散させたものである。液体分散媒中に活性成分、乳化剤等を加え、ホモジナイザー、コロイドミルを用い、混合、攪拌して製造することができる。乳化剤としては、薬用石鹸、ステアリン酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート類、ステアリン酸ポリオキシル40、ラウロマクロゴール、コレステロール、レシチン、アラビアゴム、ゼラチン等を基剤として用いることができる。
油剤は、油状泥状の外用剤であり、通常、活性成分を油性基剤に溶解するか、懸濁して製造する。
ローション剤は、活性成分を水性の液中に微細に均等に分散した製剤であり、懸濁性ローション剤と乳濁性ローション剤がある。懸濁化剤としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、CMC−Na、メチルセルロース等が用いられる。乳化剤としては、上記乳化剤が用いられる。
本発明で用いる水溶性トリペプチドまたはテトラペプチドおよびそれらの水溶性塩ならびに式(1)で表される水溶性ペプチドおよびその水溶性塩は、保湿性に優れているため、上記の他に、さらに、ドライアイの防止に好ましく用いることができ、また、化粧品等に利用することにより使用感を高めることができる。さらに、これらの効果と紫外線皮膚炎抑止剤およびアトピー性皮膚炎抑止剤の効果を併用する皮膚用外用剤として利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
(実施例1)
被験物質の調製
グリシルプロリルイソロイシルグリシルセリン(以下、「GPIGS」と示すことがある)(AMERICAN PRPTIDE製、lot.CC−09−119)を1mg秤量した。大塚注射用水(大塚製薬製、cat.322134)300μlを加え溶解させた後、プロピレングリコール(和光純薬(株)製、cat.161−05006)200μlおよびエタノール(和光純薬(株)製、cat.057−00456)500μlを混合し、1mg/mlの GPIGS溶液(1)を調製した。
試料の調製
マウスは、7週齢マウス(エスエルシー製、BALB/c系)を、1週間飼育し、馴化させた。
9.7mlの(アセトン:オリーブオイル = 3:1) 溶液に2,4−ジトリフルオロベンゼン(ナカライテスク製、cat.135−12)(DNFB)を10μl (14.5mg) 添加し、1.5mg/mlのDNFB 溶液とした。
皮膚炎の惹起
BALB/cマウス(8週齢)の左右の耳の表裏に、1.5mg/mlのDNFB溶液をそれぞれ25μlずつ、1週間に1回の割合で5回塗布した。
薬液は、4回目のDNFB溶液塗布の1日後から1日1回、左右の耳の表裏に25μlずつ塗布した(5回目のDNFB溶液塗布時には、DNFB塗布の1時間前にGPIGS溶液(1)を塗布した)。5回目のDNFB溶液塗布から48時間後の耳介表面における水分蒸散量をテヴァメーターTM300(Courage+Khazaka 社製) にて測定し、角質バリア機能を評価した(1−3)(本発明)。
また、DNFB溶液に代えて、(アセトン:オリーブオイル = 3:1) 溶液を塗布した他は上記と同様に行ったもの(1−1)および、GPIGS溶液(1)からGPIGSを除いた溶液を用いた他は上記と同様に行ったもの(1−2)(比較例)についても角質バリア機能を評価した。
いずれの実験についても、マウス5匹ずつについて行った。
結果を、図1に示した。図1中のデータは、平均値±標準誤差(mean±S.E.)で示した。統計解析は、Student’s t-test (Stat View J-4.02、Abacus Concepts Inc.) にて行った。危険率5%未満(p<0.05)の場合、有意差ありとした。ここで、(1−2)の水分蒸散量は13.11g/m/hrであり、(1−1)(7.91g/m2/hr)と比較して有意に増大した。このことから、DNFB溶液を塗布したマウスの皮膚では角質バリア機能が著しく低下していることが確認できた。さらに、(1−3)(本発明)の水分蒸散量は、11.30g/m/hrであり、(1−2)(比較例)と比較して有意に減少した。このことからGPIGSは、皮膚炎によって損傷した角質バリア機能に対して改善効果を示すことが明らかとなった。
(実施例2)
また、実施例1において、GPIGS溶液(1)の濃度を、3mg/mlとし、他は同様に行ったところ、実施例1より、より良好な角質バリア機能が認められた。
(実施例3)
被験物質の調製
実施例1と同様に、GPIGS溶液(1)を調製した。
試料の調製
マウスは、産業技術総合研究所・動物飼育室で1週間以上飼育し馴化させた10週齢マウス(エスエルシー製、Hos:HR−1系)を用いた。
ペントバルビタール麻酔下で固定したマウスの背部に、150mJ/cmの紫外線(UVB)を5日間(1日1回)照射し、皮膚傷害を与えた。薬液は、UVB照射直後に1日1回、背部皮膚表面毎に100μlを塗布した。背部皮膚表面における水分蒸散量をテヴァメーターTM300 (Courage+Khazaka 社製) で測定し、角質バリア機能を評価した。
いずれの実験についても、マウス4匹ずつについて行った。
結果を図2に示した。図2中のデータは、平均値±標準誤差(mean±S.E.)で示した。統計解析は、Student’s t-test (Stat View J-4.02、Abacus Concepts Inc.) にて行った。危険率5%未満(p<0.05)の場合、有意差ありとした。ここで、白三角はUVB照射を行わなかったもの(2−1)を、×はGPIGSを除いた溶液を用いたもの(2−2)(比較例)を、黒ダイヤ形は本願実施例のもの(2−3)をそれぞれ示している。
(2−2)および(2−3)の水分蒸散量は共に、連続的なUVB照射により経日的に上昇したものの、その上昇率は、(2−3)(本発明)の方が(2−2)(比較例)より低かった。特に、UVB照射後4日目以降における(2−3)(本発明)の水分蒸散量は、(2−2)(比較例)と比較して有意に低かった。このことからGPIGSは、UVB照射によって損傷した角質バリア機能に対して改善効果を示すことが明らかとなった。
(実施例4)
10mgのGPIGSに、ハイビスワコー104(和光純薬工業社製) 1.0g 、プロピレングリコール20.0g、ジイソプロパノールアミン1.1g、ゲンタミシン液 1.0g、精製水 76.7g、ハイビスワコー104(和光純薬工業社製)に精製水20gを加えて混和して軟膏を作製した。この軟膏を実施例1および実施例2と同様の処理をしたマウスに塗布したところ、それぞれの皮膚炎の改善が認められた。
(実施例5)
10mgまたは30mgのGPIGSに、ハイビスワコー104(和光純薬工業製)を100mg、大塚注射用水を7.8mL、エタノールを2mL、1NのHClを50μLおよび5MのNaOHを50μL、加えて混和し、それぞれ、1mg/mL、3mg/mLの2種類の濃度のGPIGS軟膏(順に、(3−3)、(3−4)とする)を調整した。これらの軟膏を実施例1と同様の処理をしたマウスに塗布した。その結果を図3に示した。
図3中、(3−3)は1mg/mLのGPIGS軟膏(3−3)を塗布した群を、(3−4)は3mg/mLのGPIGS軟膏(3−4)を塗布した群を、(3−1)はDNFB溶液に代えて、(アセトン:オリーブオイル=3:1)溶液を塗布した群を、(3−2)はGPIGS軟膏(3−3)からGPIGSを除いた軟膏を塗布した他は(3−3)と同様に処置した群(比較例)を、それぞれ示している。
ここで、(3−2)の水分蒸散量は8.42g/m/hrであり、(3−1)1.83g/m2/hrと比較して有意に増大した。このことから、実施例1と同様に、DNFB溶液を塗布したマウスの皮膚では角質バリア機能が著しく低下していることが確認できた。さらに、(3−3)(本発明)の水分蒸散量は5.23g/m/hr、(3−4)(本発明)の水分蒸散量は3.89g/m/hrであり、それぞれ、(3−2)(比較例)と比較して有意に減少した。このことからGPIGSは、皮膚炎によって損傷した角質バリア機能に対して改善効果を示すことが明らかとなった。また、(3−3)と(3−4)との比較から明らかな通り、濃度依存的な角質バリア機能の改善作用が認められ、その作用は3mg/mLの濃度でより効果的であった。
(実施例6)
実施例1において、GPIGSの変わりにイソロイシルグリシルセリン(以下、「IGS」と示すことがある)を用いて1mg/mLの濃度のIGS溶液(6)を作製し、他は同様に行った。図4に示すようにIGSもまたGPIGSと同様に皮膚炎によって損傷した角質バリア機能に対して改善効果を示した。
図4中、(4−3)は1mg/mLのIGS溶液(6)を塗布した群(本発明)を、(4−1)はDNFB溶液に代えて(アセトン:オリーブオイル=3:1)溶液を塗布した群を、(4−2)はIGS溶液からIGSを除いた溶液を塗布した他は(4−3)と同様に処置した群(比較例)をそれぞれ示している。
ここで、(4−2)の水分蒸散量は9.29g/m/hrであり、(4−1)1.83g/m2/hrと比較して有意に増大した。このことから、実施例1と同様に、DNFB溶液を塗布したマウスの皮膚では角質バリア機能が著しく低下していることが確認できた。さらに、(4−3)(本発明)の水分蒸散量は5.57g/m/hrであり、(4−2)(比較例)と比較して有意に減少した。このことからGPIGSは、皮膚炎によって損傷した角質バリア機能に対して改善効果を示すことが明らかとなった。
(実施例7)
10mgのGPIGSまたはIGSに、ハイビスワコー104(和光純薬工業性)を100mg、大塚注射用水を7.8mL、エタノールを2mL、1NのHClを50μLおよび5MのNaOHを50μL、加えて混和し、それぞれ、軟膏(5−3、5−4)を調整した。これらの軟膏を実施例3と同様の処理をしたマウスに塗布したところ、図5に示すように、GPIGS軟膏(5−3)およびIGS軟膏(5−4)はいずれもUVB照射によって損傷した角質バリア機能に対して改善効果を示した。
図5中、(5−3)は1mg/mLのGPIGS軟膏を塗布した群(本発明)を、(5−4)は1mg/mLのIGS軟膏を塗布した群(本発明)を、(5−1)はUVB照射を行わなかった群を、(5−2)は(5−3)からGPIGSを除いた軟膏を塗布した他は(5−3)と同様に処置した群(比較例)を、それぞれ示している。
(5−2)〜(5−4)の水分蒸散量は共に、連続的なUVB照射により経日的に上昇したものの、その上昇率は、(5−3)(本発明)、(5−4)(本発明)の方が(5−2)(比較例)より低かった。また、UVB照射後1日目から10日目までの総水分蒸散量について、(5−1)に対する(5−2)(比較例)の増加率を100%とした場合、(5−3)(本発明)および(5−4)(本発明)の増加率はそれぞれ82.1%および55.4%であり、いずれも明らかに抑制された。これらのことからGPIGSおよびIGSは、UVB照射によって損傷した角質バリア機能に対して改善効果を示すことが明らかとなった。
図1は、炎症している皮膚にペンタペプチドを塗布した場合の水分蒸散量を示す図である。 図2は、紫外線を照射した皮膚にペンタペプチドを塗布した場合の水分蒸散量を示す図である。 図3は、炎症している皮膚にペンタペプチドの軟膏を塗布した場合の水分蒸散量を示す図である。 図4は、炎症している皮膚にトリペプチドの溶液を塗布した場合の水分蒸散量を示す図である。 図5は、紫外線を照射した皮膚にペンタペプチドおよびトリペプチドの軟膏を塗布した場合の水分蒸散量を示す図である。

Claims (4)

  1. グリシルプロリルイソロイシルグリシルセリン、イソロイシルグリシルセリンおよび、プロリルイソロイシルグリシルセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含む水溶性ペプチド、ならびにこれらの水溶性塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する紫外線皮膚炎抑止剤。
  2. グリシルプロリルイソロイシルグリシルセリン、イソロイシルグリシルセリンおよび、プロリルイソロイシルグリシルセリンから選ばれる少なくとも1種以上を含む水溶性ペプチド、ならびにこれらの水溶性塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有するアトピー性皮膚炎抑止剤。
  3. 軟膏である、請求項2に記載のアトピー性皮膚炎抑止剤。
  4. 固体状である、請求項2に記載のアトピー性皮膚炎抑止剤。
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