JP4747152B2 - 護岸構造の施工方法 - Google Patents

護岸構造の施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4747152B2
JP4747152B2 JP2007287073A JP2007287073A JP4747152B2 JP 4747152 B2 JP4747152 B2 JP 4747152B2 JP 2007287073 A JP2007287073 A JP 2007287073A JP 2007287073 A JP2007287073 A JP 2007287073A JP 4747152 B2 JP4747152 B2 JP 4747152B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wave
work
installation
breaking
construction method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007287073A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009114689A (ja
Inventor
保人 片岡
直人 竹ヶ鼻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2007287073A priority Critical patent/JP4747152B2/ja
Publication of JP2009114689A publication Critical patent/JP2009114689A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4747152B2 publication Critical patent/JP4747152B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

Landscapes

  • Revetment (AREA)

Description

本発明は、港湾や海岸等に設けられる護岸構造を施工するための方法に関する。
従来、前記のような護岸構造として特許文献1の図9に示されるものが知られている。この構造を図12に示す。当該構造では、原地盤10上に、小石や砂からなるマウンド12が岸に沿って施工され、このマウンド12の上に複数の防波構造物90が当該岸に沿って配列されている。そして、これらの防波構造物90の後方に、小石や砂等からなる裏込め30が施工されている。
前記各防波構造物90は、現地から離れた工場で製造されたブロック状のもので、当該工場から現地まで輸送され、それぞれの位置に設置される。各防波構造物90は、沖側に向かう面92を有し、その面92の上部は越波抑止面92aを構成する。図例では、前記沖側に向かう面92が後方に凸となるように湾曲したいわゆるフレア形をなし、その上部の越波抑止面92aは上端に向かうに従って沖側にせり出している。
さらに、前記特許文献1には、各防波構造物を背面鋼板とその後方の骨組構造とで構成することにより、当該防波構造物を軽量化することも開示されている。
特開2007−126885号公報
前記の護岸構造では、各防波構造物の設置後、裏込めの施工が完了するまでの間に、当該防波構造物が波の力で動いてしまうおそれがある。特に、前記のように越波抑止面を有する防波構造物では、その越波防止面に作用する波の圧力が上向きの成分を含むため、その上向き成分の圧力が防波構造物を浮き上がらせ、さらに、その浮き上がりが当該防波構造物と地盤との間の摩擦抵抗を減らすことにより、当該防波構造物を後方に滑動しやすい状態にしてしまう。このようにして裏込め施工中に防波構造物が動くと、施工効率は著しく低下する。しかも、このような不都合は、防波構造物の軽量化が進むほど顕著となる。
前記防波構造物の動きを抑制する手段として、当該防波構造物に錘を付与することが考えられるが、このような錘の重量のみで防波構造物の動きを抑制するためには当該錘として相当な大きなものを用意しなければならず、その取扱いが大変になる。すなわち、前記防波構造物の軽量化による施工容易性の向上という効果が打ち消されてしまう。
本発明は、このような事情に鑑み、既存の構造を利用することによって簡単な作業で防波構造物の浮き上がりを抑止しながら護岸構造の施工を進めることができる方法の提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、岸に沿って配列される複数の防波構造物を含み、かつ、各防波構造物は沖側に向かう面を有していて当該面の少なくとも上部が沖側にせり出す越波抑止面を構成する護岸構造を施工するための方法であって、前記各防波構造物の設置予定箇所で、その越波抑止面が沖からの波の力を受けることによる前記各防波構造物の浮き上がりを抑止するための浮き上がり抑止材の少なくとも一部を地盤内に埋め込む埋込み工程と、前記設置予定箇所に前記各防波構造物を設置し、かつ、当該防波構造物をその設置予定箇所に埋め込まれた浮き上がり抑止材に連結する設置工程と、前記浮き上がり抑止材に連結された各防波構造物の後方に裏込めを施工する工程とを含むものである。
この方法では、予め地盤内に浮き上がり抑止材を埋め込んでおいて当該浮き上がり抑止材に防波構造物を連結するだけの簡単な施工で、当該防波構造物の動きを抑制することができる。この動きの抑制は、前記地盤内に埋め込まれる浮き上がり抑止材が当該地盤から受ける下向きの力、すなわち、当該浮き上がり抑止材の上側に存在する地盤に作用する重力によってなされるので、当該浮き上がり抑止材自体の重量は小さくても前記防波構造物の動きは効果的に抑制される。つまり、この方法は、現場に存在する地盤の重量を利用することにより、簡単な施工で防波構造物の動きを抑制することを可能にする。
この方法では、前記浮き上がり抑止材が、水平方向に広がる受圧面を有する受圧部と、この受圧部から上方に延びる連結部とを含み、前記設置工程では、前記連結部の上端が地盤から突出するように少なくとも前記受圧部が地盤内に埋め込まれ、かつ、前記連結部の上端に前記防波構造物が連結されることが、より好ましい。前記受圧部は、水平方向に広がる受圧面を有するため、当該受圧部の上側に位置する地盤の重量による下向きの力を効率よく受けることができる。
前記埋込み工程では、原地盤の上にマウンドが施工されるとともにこのマウンド内に前記浮き上がり抑止材の少なくとも一部が埋め込まれてもよく、その場合、前記設置工程では前記マウンド上に前記防波構造物が設置されればよい。つまり、本発明において浮き上がり抑止材が埋め込まれる地盤は、原地盤の上に施工されるマウンドであってもよい。この方法では、前記マウンドの施工と並行して前記浮き上がり防止材の埋込みを行うことができるので、施工効率がさらに高まる。
また本発明は、岸に沿って配列される複数の防波構造物を含み、かつ、各防波構造物は沖側に向かう面を有していて当該面の少なくとも上部が沖側にせり出す越波抑止面を構成する護岸構造を施工するための方法であって、前記各防波構造物の設置予定箇所の近傍に、地盤を覆うための根固め工または波を打ち消すための消波工を設置する第1設置工程と、前記設置予定箇所に前記各防波構造物を設置し、かつ、当該防波構造物を前記根固め工または前記消波工に連結する第2設置工程と、前記根固め工または前記消波工に連結された各防波構造物の後方に裏込めを施工する工程とを含む。
この方法によれば、根固め工や消波工といった岸沿いに施工される重量物を利用することにより、大重量の錘を特別に用意しなくても防波構造物の浮き上がりを有効に抑止することができる。
この方法では、前記根固め工や前記消波工がその本来の位置と異なる位置に仮設置されてもよい。すなわち、前記第1設置工程では、前記根固め工または前記消波工がその本来の設置位置よりも前記防波構造物の設置予定箇所に近い位置に仮設置され、前記第2設置工程では、前記防波構造物が前記根固め工または前記消波工に切離し可能に連結され、前記裏込めの施工の終了後に前記根固め工または前記消波工が前記防波構造物から切離されてその本来の設置位置に本設置されてもよい。
この方法では、前記第1設置工程で前記根固め工または前記消波工がその本来の設置位置よりも前記防波構造物の設置予定箇所に近い位置に仮設置されることにより、当該根固め工や消波工と前記防波構造物との距離を縮めて両者の連結をより容易にすることができる。裏込め施工後は前記根固め工または前記消波工が本来の設置位置に移される必要があるが、その移動距離は短くて済む。
本発明において、前記防波構造物の沖側に向かう面は、少なくとも上部に前記越波抑止面を有するものであればよいが、特に、後方に凸となる湾曲面が好適である。このような面は、防波構造物に到来する波を円滑に反転させることが可能である。また、当該湾曲面の上部すなわち越波抑止面に作用する波の圧力の上向き成分が大きいため、本発明による防波構造物の浮き上がり抑止作用はきわめて有効である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る施工方法を示す工程図である。この方法では、次の各工程によって護岸構造が施工される。
1)埋込み工程(図1(a))
この工程では、原地盤10の上にマウンド12が施工されると同時に、このマウンド12に浮き上がり抑止材14が埋め込まれる。
前記マウンド12は、後述の防波構造物20の上端の高さ位置を稼ぐためのもので、岸に沿い、かつ、前記原地盤10から盛り上がるように施工される。具体的には、前記地盤10の上に小石や砂等が平らに積み重ねられることにより、前記マウンド12が形成される。
前記浮き上がり抑止材14は、前記マウンド12に埋め込まれた状態で後述の防波構造物20に連結されることにより当該防波構造物20の浮き上がりを抑止するためのものであり、よって当該防波構造物20の設置予定箇所に配置される。
前記浮き上がり抑止材14は、受圧部16と連結部18とを有する。前記受圧部16は、水平な板材(例えば鋼板)からなり、前記原地盤10上に載置された状態で前記マウンド12の施工中に当該マウンド12内に完全に埋め込まれる。前記連結部18は、前記受圧部16から上方に延び、当該連結部18の上端18aが前記マウンド12の上面よりも上方に突出することを可能にする高さを有する。すなわち、この浮き上がり抑止材14では、前記連結部18の上端18aのみがマウンド12の上面から上向きに突出するように、それ以外の部分(前記連結部18の前記上端18aを除く部分と前記受圧部16全体)がマウンド12内に埋め込まれる。
図1(a)に示される浮き上がり抑止材14は単一の板材からなり、この板材をL字状に折り曲げることによって前記受圧部16と前記連結部18とが形成されている。そして、前記連結部18が前記受圧部16の下端から前側(沖側)に突出するような姿勢で当該浮き上がり抑止材14が前記マウンド12に埋め込まれる。
ただし、本発明では浮き上がり抑止材の具体的な構造や設置姿勢が特に限定されない。その詳細は後に述べる。
2)設置工程(図1(b))
この工程では、前記設置予定箇所に前記各防波構造物20が設置され、かつ、当該防波構造物20がその設置予定箇所に埋め込まれた前記浮き上がり抑止材14に連結される。
この実施の形態に係る防波構造物20は、コンクリート等の構造材料からなり、水平方向に広がる平板状の基部22と、この基部22から立ち上がる防波部24とを有する。この防波部24は、この実施の形態では比較的軽量な板状構造であり、前記基部22の前側端(沖側端)から斜め後方に立上り、その途中で前側に湾曲して斜め前方に延びる形状を有する。従って、この防波部24が沖側に向かう面26は、後方に凸となる湾曲面であり、当該面26の上部は上方に向かうに従って沖側にせり出す越波抑止面26aを構成している。
この実施の形態において、前記防波構造物20は、その基部22の前端面(沖側端面)が前記浮き上がり抑止材14における連結部18の上端18aの後側面(陸側面)と対向する位置で前記マウンド12の上に置かれ、かつ、当該基部22の前端部が当該連結部18の上端18aにボルト28によって締結される。
3)最終工程(図1(c))
この工程では、前記浮き上がり抑止材14に連結された各防波構造物20の後方に裏込め30が施工される。この実施の形態では、前記防波構造物20の防波部24と略同等の高さまで当該防波部24の後側に小石や砂が積み重ねられ、これにより、当該防波部24を後方から支持する裏込め30が形成される。さらに好ましくは、図示のように、前記防波部24の上端につながるように水平な上床板32が施工される。この最終工程により、複数の防波構造物20が岸に沿って並ぶ護岸構造が完成する。
以上の工程を含む方法では、前記各防波構造物20が設置された後、その後方の裏込め30の施工が完了するまでの間、当該防波構造物20を後ろ側(沖側)から支持する構造が不十分な状態にあるが、それにもかかわらず、当該防波構造物20が波の力を受けて動くことが浮き上がり抑止材14によって有効に抑止される。
前記防波構造物20の沖側に向かう面26は、沖側にせり出す越波抑止面26aを有するため、この面26に作用する波の圧力は前記越波抑止面26aに対しては上向きの圧力として作用する。特に、当該面26が図示のように後方に凸となる湾曲面(いわゆるフレア形の面)である場合、図2に示すように、当該面26に作用する圧力には上向きの成分が多分に含まれることになる。この上向き成分は、前記防波構造物20を浮き上がらせる力として当該防波構造物20に作用する。従って、この防波構造物20が何ら拘束されていない状態にあると、当該防波構造物20は波の力で浮き上がり易く、さらには後方に滑動しやすい。
しかしながら、この方法では、予めマウンド12内に浮き上がり抑止材14が埋め込まれ、この浮き上がり抑止材14に前記防波構造物20が連結されるため、前記波の力に抗して前記防波構造物20の浮き上がりが有効に抑止され、また、その浮き上がりに伴って防波構造物20が後方に滑動することも抑止される。従って、前記裏込め30の施工期間が比較的長期(例えば半年以上)にわたる場合でも、前記防波構造物20を正規の位置に保持しておくことが可能である。
しかも、前記浮き上がりの抑止は、前記浮き上がり抑止材14自身の重量だけでなく、それよりもむしろ、当該浮き上がり抑止材14の受圧部16がその上側の地盤(マウンド12を構成する小石や砂)から受ける下向きの力(すなわち当該地盤に作用する重力)によってなされるため、当該浮き上がり抑止材14自体が軽量であっても、前記防波構造物20の浮き上がりを有効に抑止することが可能である。また、当該浮き上がり抑止材14は一時的に使用されるものであればよいので、簡易なものにて済ますことも可能である。
さらに、前記方法では、マウンド12の施工と浮き上がり抑止材14の埋め込みとが並行してなされるため、施工効率が高い。
なお、前記浮き上がり抑止材14の具体的構造や設置姿勢は適宜設定可能である。例えば、浮き上がり抑止材14の側面形状は、図3に示されるように連結部18が受圧部16の前後方向中間部から立ち上がるT字状であってもよい。また、図4及び図5に示されるように連結部18の上端18aは防波構造物20の基部22の後端に連結されてもよい。
前記浮き上がり抑止材14は必ずしも板材で構成されていなくてもよい。例えば図6に示すように、受圧部16を構成する平板から棒状の連結部18が立直してもよい。同図では、当該連結部18の上端18aに雄ねじが設けられ、当該連結部18が防波構造物20の基部22を貫通する状態で前記雄ねじにナット29が螺合されることにより、当該連結部18と当該防波構造物20とが連結される。受圧部16も平板に限られず、例えば棒材が格子状に組み合わされたものでもよい。ただし、受圧部16が水平方向に連続する受圧面を有することは、最小限の大きさで十分な受圧面積を確保することを可能にする。
本発明では、必ずしもマウンド12が施工されなくてもよい。図7及び図8に示す実施の形態では、前記マウンド12が施工される代わりに、原地盤10の一部が図の破線10aに示される輪郭で掘削され、これにより形成された凹部内に地盤改良材34が充填される。そして、この地盤改良材34の充填の際に、当該地盤改良材34内に前記図1に示した浮き上がり抑止材14と同等の浮き上がり抑止材14が埋め込まれる。この方法でも、地盤改良施工と浮き上がり抑止材14の埋込みとが同時に行われることにより、施工効率が高められる。
また、本発明では、単に原地盤10に浮き上がり抑止材14が埋め込まれてもよい。
図9は、本発明の別の実施の形態に係る護岸構造の施工方法を示すものである。この方法は、岸辺に設置される根固め工40を利用して防波構造物20の浮き上がりを抑止するものであり、次の工程からなる。
1)第1設置工程
この工程では、前記マウンド12の表面を覆うように当該表面上に複数の根固め工40が敷設される。これらの根固め工40は、前記マウンド12を構成する小石や砂の流動を防ぐためのもので、例えばコンクリートといった比重の大きい材料により板状に成形されたものからなる。従って、各根固め工40は相当の重量を有する。これらの根固め工40の中には、防波構造物20の設置予定箇所の近傍に配置されるもの(図9では最も右側の根固め工40)も含まれる。
2)第2設置工程
この工程では、各防波構造物20がその設置予定箇所で前記マウンド12の上に設置され、かつ、当該設置予定箇所の近傍の根固め工40に切離し連結される。図では、前記根固め工40と前記防波構造物20の防波部24の上部とが鋼棒42を介して連結される。前記根固め工40と前記鋼棒42との連結は、例えば前記根固め工40に取付けられた吊下げ用の連結部(アイボルトやフック)を利用して行われる。鋼棒42と防波部24との連結は、図示のように当該鋼棒42が当該防波部24を貫通する状態で行われてもよいし、当該鋼棒42が当該防波部24の上端にブラケットを介して連結されてもよい。また、前記根固め工40は前記防波構造物20の基部22に連結されてもよい。この場合、当該連結は必ずしも切離し可能でなくてもよい。
この第2設置工程の後、図1に示される施工方法と同様に最終工程、すなわち防波構造物20の後方に裏込め30を施工する工程が行われ、その後、必要であれば前記鋼棒42が取り外される。
この実施の形態に係る方法でも、当該裏込め30が完了するまでの前記防波構造物20の波の力による動きを有効に抑止することができる。すなわち、前記根固め工40は相当の重量を有しているので、この根固め工40に前記防波構造物20を連結することが、当該防波構造物20の浮き上がりを有効に抑止する。しかも、当該根固め工40は元来マウンド12の保護のために施工されるものであるから、浮き上がり抑止専用の錘を防波構造物20に付与する方法よりも施工効率は高い。
前記根固め工40は、その本来の位置と異なる位置に仮設置されてもよい。すなわち、前記第1設置工程では、前記根固め工40がその本来の設置位置よりも前記防波構造物20の設置予定箇所に近い位置に仮設置され、前記第2設置工程では、前記防波構造物20が前記根固め工40と切離し可能に連結され、前記裏込め30の施工の終了後に前記根固め工40が前記防波構造物20から切離されてその本来の設置位置に本設置されてもよい。その場合、前記根固め工40がその本来の設置位置よりも前記防波構造物20の設置予定箇所に近い位置に仮設置されることにより、当該根固め工40と前記防波構造物20との距離を縮めて両者の連結をより容易にすることができる。裏込め30の施工後は前記根固め工40が本来の設置位置に移される必要があるが、その移動距離は短くて済む。
前記根固め工40は、前記マウンド12を保護するためのものに限らず、図10に示されるように原地盤10を保護すべくその上に設置されるものでもよい。その場合、防波構造物20も図示のように前記原地盤10上に直接設置されればよい。
また、前記根固め工40に代え、同じく岸辺に設置される消波工に防波構造物20を連結することもその浮き上がり抑止に有効である。前記消波工は、岸に到来する波を打ち消すためのもので、例えばテトラポッド(商品名)により構成される。
前記根固め工や前記消波工の1個分の重量が不十分な場合には、前記防波構造物20が複数個の根固め工や消波工に連結されてもよい。この場合も、当該防波構造物20に連結される根固め工や消波工にはその本来の設置位置とは異なる位置に仮設置されるものが含まれていてもよい。
本発明において、前記防波構造物の沖側に向かう面は、少なくとも上部に前記越波抑止面を有するものであればよい。例えば図11に示す防波構造物20′のように、その沖側に向う面27の上部が、当該沖に向かって直線状にせり出す平面状の越波抑止面27aを有するもの(いわゆるナブラ形のもの)でもよい。しかし、当該沖側に向かう面としては、前記図1等に示される面26のように後方に凸となる湾曲面が特に好適である。このようないわゆるフレア形の面は、防波構造物に到来する波を円滑に反転させることが可能である。また、当該面に作用する波の圧力の上向き成分が大きいため、本発明による防波構造物の浮き上がり抑止作用はより効果的となる。
また、本発明は、浮き上がり抑止用の錘を防波構造物に付与することを除外する趣旨ではない。錘を付与する場合であっても、本発明の適用による浮き上がり抑止効果は、前記錘に求められる重量を減らしてその取扱いを容易にする。
実施例1では、図1に示される構造において、高さ3.0mのマウンド12上に、法線方向(海岸線方向)1m当りの重量が147kN/m、基部22の前後長が5.2mで厚さ0.5m、防波部24の寸法が高さ8.0mで厚さ0.3mの防波構造物が施工される。一方、浮き上がり抑止材14には厚さが10mmの矩形状の鋼板が用いられる。そして、この鋼板の適当な部位が90°に曲げられることにより、前後長が4.0mの受圧部16と、前記マウンド12の上面から突出する高さを有する連結部18とが形成される。
この実施例1に係る構造について、縮尺1/40のモデルを作成し、本発明の効果を確認するための比較実験を下記の要領で行った。
まず比較例として、防波構造物20のみをマウンド12上に設置し、実際の波に対応する設計波(波高2m、周期5.5秒)を同じくモデル化したモデル波を前記防波構造物20に作用させたところ、前記防波構造物20は浮き上がり、かつ陸側に滑動することを確認した。さらに、前記波高を原寸相当で0.1mずつ減少させて実験を継続した結果、防波構造物20の滑動が生じない波高の最大値、すなわち、最大許容波高が0.7mであることを確認した。
一方、前記実施例1については、前記マウンド12内に前記浮き上がり抑止材14の受圧部16と連結部18の上端18a以外の部分とを埋め込み、当該上端18aに前記防波構造物20の基部22をボルトにより連結して、この防波構造物に前記と同様の設計波を作用させた。その結果、当該設計波の波高が2mであるにもかかわらず防波構造物20の滑動が生じないことを確認した。さらに、波高を原寸相当で0.1mずつ増加させて実験を継続した結果、波高が3.1mのときにはじめて防波構造物20が滑動すること、つまり波高が3.0m以下では当該滑動が生じないこと、を確認した。この波高は、前記比較例における最大許容波高の約4.3倍である。
実施例2では、図6に示される構造において、前記実施例1と共通の防波構造物20が使用され、マウンド12の高さも同じく3.0mに設定される。一方、浮き上がり抑止材14には、その受圧部16として前後長が3.6m、厚さが10mmの鋼板が用いられ、連結部18として前記マウンド12の上面から突出する長さを有する鋼棒が用いられる。
この実施例2に係る構造について、前記実施例1と同様、縮尺1/40のモデルを作成し、波高2m、周期5.5秒の設計波に対応するモデル波を前記防波構造物20に作用させたところ、防波構造物20の滑動が生じないことを確認した。さらに、波高を原寸相当で0.1mずつ増加させて実験を継続した結果、波高が2.7mのときにはじめて防波構造物20が滑動すること、つまり波高が2.6m以下では当該滑動が生じないこと、を確認した。この波高は前記実施例1で示した比較例における最大許容波高の約3.7倍である。
実施例3では、図9に示される構造において、前記実施例1と共通の防波構造物20が使用され、マウンド12の高さも同じく3.0mに設定される。この防波構造物20のすぐ前側(沖側)の位置には、平面形状が一辺5mの正方形で厚み0.5m、重量が60kN/mの根固め工40が敷かれ、この根固め工40に前記防波構造物20が鋼棒を介して連結される。
この実施例3に係る構造について、前記実施例1と同様、縮尺1/40のモデルを作成し、波高2m、周期5.5秒の設計波に相当するモデル波を前記防波構造物20に作用させたところ、防波構造物20の滑動が生じないことを確認した。さらに、波高を0.1mずつ増加させて実験を継続した結果、波高が2.3mのときにはじめて防波構造物20が滑動すること、つまり波高が2.2m以下では当該滑動が生じないこと、を確認した。この波高は前記実施例1で示した比較例における最大許容波高の約3.1倍である。
実施例4では、図10に示される構造において、前記実施例1と共通の防波構造物20及び前記実施例3と共通の根固め工40が原地盤10の上に直接載置され、これらが鋼棒を介して互いに連結される。
この実施例4に係る構造について、前記実施例1と同様、縮尺1/40のモデルを作成し、波高2m、周期5.5秒の設計波に相当するモデル波を前記防波構造物20に作用させたところ、防波構造物20の滑動が生じないことを確認した。さらに、波高を原寸相当で0.1mずつ増加させて実験を継続した結果、波高が2.1mのときにはじめて防波構造物20が滑動すること、つまり波高が2.0m以下では当該滑動が生じないこと、を確認した。この波高は前記実施例1で示した比較例における最大許容波高の約2.8倍である。
本発明の実施の形態に係る護岸構造の施工方法を示す工程図である。 図1に示される防波構造物に作用する波の圧力の分布を示す図である。 前記護岸構造の施工方法に用いられる浮き上がり抑止材の形状の変形例を示す断面図である。 前記護岸構造の施工方法に用いられる浮き上がり抑止材の配置の変形例を示す断面図である。 前記護岸構造の施工方法に用いられる浮き上がり抑止材の形状及び配置の変形例を示す断面図である。 前記護岸構造の施工方法に用いられる浮き上がり抑止材の形状及び配置の変形例を示す断面斜視図である。 前記護岸構造の施工方法の変形例であって図1に示される浮き上がり抑止材が地盤改良部に埋められた例を示す断面図である。 前記護岸構造の施工方法の変形例であって図6に示される浮き上がり抑止材が地盤改良部に埋められた例を示す断面図である。 本発明の別の実施の形態に係る護岸構造の施工方法を示す断面図である。 図9に示される護岸構造の施工方法の変形例を示す断面図である。 前記防波構造物の形状の変形例を示す側面図である。 従来の護岸構造の例を示す断面斜視図である。
符号の説明
10 原地盤
12 マウンド
14 浮き上がり抑止材
16 受圧部
18 連結部
18a 連結部の上端
20 防波構造物
22 基部
24 防波部
26 沖側に向かう面
26a 越波抑止面
30 裏込め
40 根固め工

Claims (6)

  1. 岸に沿って配列される複数の防波構造物を含み、かつ、各防波構造物は沖側に向かう面を有していて当該面の少なくとも上部が沖側にせり出す越波抑止面を構成する護岸構造を施工するための方法であって、
    前記各防波構造物の設置予定箇所で、その越波抑止面が沖からの波の力を受けることによる前記各防波構造物の浮き上がりを抑止するための浮き上がり抑止材の少なくとも一部を地盤内に埋め込む埋込み工程と、
    前記設置予定箇所に前記各防波構造物を設置し、かつ、当該防波構造物をその設置予定箇所に埋め込まれた浮き上がり抑止材に連結する設置工程と、
    前記浮き上がり抑止材に連結された各防波構造物の後方に裏込めを施工する工程とを含むことを特徴とする護岸構造の施工方法。
  2. 請求項1記載の護岸構造の施工方法において、
    前記浮き上がり抑止材は、水平方向に広がる受圧面を有する受圧部と、この受圧部から上方に延びる連結部とを含み、
    前記設置工程では、前記連結部の上端が地盤から突出するように少なくとも前記受圧部が地盤内に埋め込まれ、かつ、前記連結部の上端に前記防波構造物が連結されることを特徴とする護岸構造の施工方法。
  3. 請求項1または2記載の護岸構造の施工方法において、
    前記埋込み工程では、原地盤の上にマウンドが施工されるとともにこのマウンド内に前記浮き上がり防止材の少なくとも一部が埋め込まれ、
    前記設置工程では前記マウンド上に前記防波構造物が設置されることを特徴とする護岸構造の施工方法。
  4. 岸に沿って配列される複数の防波構造物を含み、かつ、各防波構造物は沖側に向かう面を有していて当該面の少なくとも上部が沖側にせり出す越波抑止面を構成する護岸構造を施工するための方法であって、
    前記各防波構造物の設置予定箇所の近傍に、地盤を覆うための根固め工または波を打ち消すための消波工を設置する第1設置工程と、
    前記設置予定箇所に前記各防波構造物を設置し、かつ、当該防波構造物を前記根固め工または前記消波工に連結する第2設置工程と、
    前記根固め工または前記消波工に連結された各防波構造物の後方に裏込めを施工する工程とを含むことを特徴とする護岸構造の施工方法。
  5. 請求項4記載の護岸構造の施工方法において、
    前記第1設置工程では、前記根固め工または前記消波工がその本来の設置位置よりも前記防波構造物の設置予定箇所に近い位置に仮設置され、
    前記第2設置工程では、前記防波構造物が前記仮設置された前記根固め工または前記消波工に切離し可能に連結され、
    前記裏込めの施工の終了後に前記根固め工または前記消波工が前記防波構造物から切離されてその本来の設置位置に本設置されることを特徴とする護岸構造の施工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の護岸構造の施工方法において、
    前記防波構造物の沖側に向かう面は後方に凸となる湾曲面であることを特徴とする護岸構造の施工方法。
JP2007287073A 2007-11-05 2007-11-05 護岸構造の施工方法 Expired - Fee Related JP4747152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007287073A JP4747152B2 (ja) 2007-11-05 2007-11-05 護岸構造の施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007287073A JP4747152B2 (ja) 2007-11-05 2007-11-05 護岸構造の施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009114689A JP2009114689A (ja) 2009-05-28
JP4747152B2 true JP4747152B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=40782132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007287073A Expired - Fee Related JP4747152B2 (ja) 2007-11-05 2007-11-05 護岸構造の施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4747152B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102352614A (zh) * 2011-08-19 2012-02-15 杨丽萍 连续多弧式消波堤

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011111734A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Ginjiro Onda 消波装置
JP5541267B2 (ja) * 2011-11-21 2014-07-09 修三 山下 防潮提
CN106939578B (zh) * 2017-02-21 2019-01-01 浙江水利水电学院 一种海堤度汛防护结构及其施工方法
KR102575063B1 (ko) * 2023-03-28 2023-09-06 주식회사 태정엔지니어링 블록 및 이를 이용한 구조물

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4000271A (en) * 1972-08-25 1976-12-28 Mobil Oil Corporation Deodorized organothiophosphorus compounds with reduced toxicity
JPS61164316A (ja) * 1985-01-16 1986-07-25 Murata Mfg Co Ltd 圧電共振子の製造方法
JPS61233111A (ja) * 1985-04-08 1986-10-17 Kunihiro Ogiwara ケ−ソン防波堤
JP2003082636A (ja) * 2001-09-13 2003-03-19 Kobe Steel Ltd 防波構造物およびその施工方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102352614A (zh) * 2011-08-19 2012-02-15 杨丽萍 连续多弧式消波堤
CN102352614B (zh) * 2011-08-19 2014-03-05 沈阳农业大学 连续多弧式消波堤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009114689A (ja) 2009-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4747152B2 (ja) 護岸構造の施工方法
JP5347898B2 (ja) 既設矢板岸壁の補強構造及び方法
JP7017541B2 (ja) 既存矢板式岸壁の改良構造及び改良方法
JP4819835B2 (ja) 海洋構造物及び海洋構造物の施工方法
JP6881916B2 (ja) 構造物の設置方法
JP6159586B2 (ja) 既設防波堤の補強構造、既設防波堤の補強方法、補強体
JP6630610B2 (ja) 防波構造物の改良方法
JP5966442B2 (ja) 杭頭構造およびそれを用いた桟橋構造、ならびにその補修方法
JP2006161402A (ja) 防波構造物の改良施工方法
JP2009114690A (ja) 護岸構造の施工方法
JP2019056231A (ja) 岸壁構造
JP5983436B2 (ja) 重力式防波堤
JP6715452B2 (ja) 杭式構造物の地盤流動対策構造及びその工法
JP4120529B2 (ja) 矢板構造、矢板構造の施工方法
JP6291357B2 (ja) 側方流動防止構造
JP6333106B2 (ja) 海洋構造物基礎ブロック並びにその製作方法、及び基礎構造の構築方法
JP7516197B2 (ja) 岸壁構造および岸壁構造の構築方法
JP5291841B1 (ja) 波力減衰ブロック
JP2009137682A (ja) 吊り枠装置
JP5923825B2 (ja) 重力式ケーソン防波堤の捨石層保護構造
JP4116019B2 (ja) 護岸ブロック
JP6659430B2 (ja) 防波構造物の改良方法
JP7396332B2 (ja) 既存岸壁の改良構造及び該改良構造の施工方法
KR102012214B1 (ko) 해저 케이블 보호용 블록 및 이를 이용한 블록 매트리스
JP2564819B2 (ja) 既設ケーソンの耐震補強構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110516

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4747152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees