JP4744029B2 - 油性インキ組成物及びその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具用油性インキ組成物として好適に用いられ、インキ中での染料溶解性や他の原材料との相溶性に優れた特性を持つインキ組成物及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油性の青系インキとしては、色相及び堅牢性の面から金属錯塩染料を使用する場合が多い。特に銅フタロシアニン系染料は、金属錯塩染料として必須成分に近い。しかし、金属錯塩染料は油性溶剤に対する溶解性に問題があった。また、金属錯塩染料だけでは隠蔽性が低いという欠点があり、金属錯塩染料を使用する場合は発色が良好なトリアリールメタン系の染料と併用し色相を調整することが多い。このようにインキ組成物では金属錯塩染料は各種の他の原材料あるいは溶剤と混合して使用されるが、金属錯塩染料はやはり溶解性、特に相溶性が悪いために、使用する溶剤や原材料及びそれらの添加量によっては極端なインキ粘度の増粘や沈降物の発生等インキの不具合を引き起こす原因にもなっていた。
【0003】
また、金属錯塩染料の代わりに堅牢性を付与するために顔料分散体が使用される場合もあるが、顔料はもともと溶解性、相溶性がないため、金属錯塩染料を使用する場合と同様に他の材料を併用する場合に増粘や沈降物の発生等の問題が生じることがしばしばである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、広く各種の油性溶剤、特に炭素数2以上のアルコール、多価アルコールなどのアルコール、グリコールエーテル類などのエーテルなどの酒性系溶剤を使用する際に、青色を主とする染料として高濃度の添加を可能として高濃度条件下における上記の欠点を解決し、また金属錯塩染料やインキ中の他の原材料に対しても相溶性が良好であり、低温経時安定性に優れた、油性インキ組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、広く各種の油性溶剤、特に酒性溶剤(アルコールやエーテル)に対する溶解性、他の材料との相溶性に優れた、しかも所望の色調の青色系染料を提供し、それをインキ組成物の青色材成分として使用することにより、上記課題を解決するものである。具体的には、本発明は以下にある。
【0006】
(1)色材として下記化学構造式1で示される染料を少なくとも一種類以上含み、溶剤としてアルコールまたはエーテルを含むことを特徴とするインキ組成物。
【0007】
【化3】
Figure 0004744029
(これらの式中、Aは、同じでも異なってもよく、炭素原子数6〜20のアルキル基を含む長鎖アルキルアンモニウムイオン基であるか、又は下記構造式2で表わされるイオン基である。)
【0008】
【化4】
Figure 0004744029
(式中、Rは炭素原子数6〜18のアルキル基である。)
【0009】
(2)前記染料が溶剤として使用する炭素数2以上のアルコールまたはエーテルに少なくとも20質量%以上溶解するものである、(1)記載のインキ組成物。
【0010】
(3)金属錯塩染料または顔料を更に含む(1)(2)記載のインキ組成物。
【0011】
(4)さらに樹脂として少なくともポリビニルブチラールを含む(1)〜(3)に記載のインキ組成物。
【0012】
(5)トリアリールメタン系染料を併用する(1)〜(4)に記載のインキ組成物。
【0013】
(6)アルコールまたはエーテルからなる前記溶剤であって脂肪族系溶剤である溶剤が、インキ組成物の全溶剤の40質量%以上を占める、(1)〜(5)に記載のインキ組成物。
【0014】
(7)金属錯塩染料としては銅フタロシアニン系染料を使用する(3)〜(6)に記載のインキ組成物。
【0015】
(8)前記溶剤が炭素原子数2以上の脂肪族アルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルから選ばれたものである、(1)〜(7)に記載のインキ組成物。
【0016】
(9)(1)〜(8)に記載の油性インキ組成物を用いたサインペン、スタンプ台及びボールペン。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の組成物に用いる染料は、上記化学構造式で表される染料である。
【0018】
下記化学構造式3で表される化合物は、酸染Acid Dye FD & C Blue No.1、 C.I. 42090、 Food Blue 2、 3844-45-9、あるいは酸染Acid Dye D & C Blue No.4、 C.I. 42090、 Acid Blue 9、 2650-18-2であり、公知であり、市販されている。化学構造式で表される化合物はナトリウム塩あるいはアンモニウム塩であるが、その他の塩の形で入手し、あるいはその他の塩の形に変換したものを出発化合物としてもよい。
【化5】
Figure 0004744029
【0019】
本発明によれば、化学構造式で表される染料は、化学構造式で表される染料の有する所望のスカイブルー系の色相を有しており、それゆえに銅フタロシアニン染料を含む青色系金属錯塩染料に代えて青色色素として使用でき、しかも金属錯塩染料の持つ溶解性、相溶性の不都合がないので、金属錯塩染料では可能でなかった新たな特徴、性質を有する油性インキ組成物を構成することができることが見出されたものである。
【0020】
本発明で使用する化学構造式で表される染料は、水溶性スルフォン酸塩である化学構造式で表される化合物あるいはそれ以外の塩を3〜4級アンモニウム塩に変換して疎水性の塩とすること(造塩)により製造することができる。
【0021】
染料を油溶性造塩する3〜4級アンモニウムイオン基の供給成分に関しては、3級アミンあるいは3〜4級アンモニウム塩等が使用される。3〜4級アンモニウム基であれば造塩体が油溶性(疎水性)を持ちかつ造塩分離できるからである。代表的には種々のアルカノールアミンやアルキルアミン及びアンモニウム塩があるが、その他、アミン成分であって造塩染料としての使用溶剤中での親和性に悪影響を及ぼさないものであればよい。一般式NR4(式中、Rは飽和炭化水素等から構成され、その側鎖等が水酸基、アルキル基、アリール基、ハロゲン基などで置換されたあるいは置換されない化学種である。特に染料を化学構造上、疎水性にするためには立体障害を造り易くするように化学構造的に大きいものや、疎水基の割合や大きさを増やしたものが好ましい。)で表される化合物を用いることができる。本発明の目的からは疎水性が高いことが望ましいので、アミン成分の有機基が多く(3級、4級)、炭素原子数が多い基を持つことが効果が大きいので好ましい。実用性の観点からは、炭素原子数6〜20のアルキル基を含む長鎖アルキルアンモニウム塩、特にそのような長鎖アルキル基を1つ以上持つ4級アンモニウム塩が好ましく使用できる。
【0022】
特に好適に使用できる4級アンモニウム塩の例を下記に示す。
【化6】
Figure 0004744029
Rとしては例えばC16H33,C12H25,C10H21,C14H29,C8H2などが好適に用いられる。
【0023】
造塩方法は常法にしたがうことができ、典型的には、化学構造式で表される水溶性染料またはその類似塩を加温された水中に溶解し、攪拌しながらアミンなどの造塩成分を加えて造塩させればよい。または、逆に造塩成分を加温された水中に溶解し、これに上記水溶性染料を加えて造塩させてもよい。反応温度、反応のpH、反応終了時のpH等の詳細な条件は造塩する染料によって適宜決定する。造塩体を水中から回収、精製するには、濾過、塩析、溶媒抽出、貧溶媒添加など各種の方法を単独でまたは併用すればよい。
【0024】
この様にして得られる疎水性を高められた造塩染料を一種あるいはそれ以上の配合状態で使用することで、安定性の高い青色の油性インキ組成物が得られる。この造塩染料はそれ自体が高濃度に溶解して油性インキ組成物を構成できるので、金属錯塩染料や顔料分散体を使用しないでも、隠蔽力の高い良好なインキ組成物として使用できる。
【0025】
また、この造塩染料は、それ自体油性溶媒に高濃度に溶解できるのみならず、金属錯塩染料や顔料分散体などとも安定に混在することが可能である。このため、金属錯塩染料や顔料分散体などと併用して隠蔽力を高めたり色相を調整したりすることができるのみならず、特に金属錯塩染料あるいは顔料の使用量を減らすことができるので堅牢性と隠蔽力の両方の高いインキ組成物を構成することができ、さらに他の材料成分との相溶性が優れているので金属錯塩染料あるいは顔料の使用量を減らして他の成分を添加しても溶液の安定性を保つことができる効果がある。特に金属錯塩染料あるいは顔料を用いながらトリメタノール系染料を併用してもインキ組成物が安定であることができる効果は重要である。
【0026】
これらの染料の配合量としては、インキ組成物全量の0.5〜30質量%程度が可能であり、使用する製品によって異なる。例えば油性サインペンであれば、0.5〜15質量%であるが、油性ボールペンや油性スタンプ台などでは0.5〜30質量%の範囲となる。
【0027】
本発明の溶解性、相溶性の向上という目的から、本発明で用いる化学構造式の染料は、溶剤として使用するアルコールあるいはエーテルに20質量%以上、より好ましくは30質量%以上溶解するものが好適である。染料の溶解性が高いほど、インキ組成物の安定性が向上するからである。勿論染料の溶解性は用いる溶剤の種類に依存する。従って、本発明では、染料及び/又は溶剤の組合せによって上記の溶解性が達成されればよい。
【0028】
本発明において有利に併用できるトリメタノール系染料としては、Basic Violet系の染料を骨格とする造塩染料がある。この染料は調色のためインキの隠蔽性を向上させるため青や藍色として必要となる染料である。
【0029】
本発明の油性用インキ組成物に用いる化学構造式で表される造塩染料以外の着色剤としては、各種の染料及び顔料が使用できる。
【0030】
染料としては、通常の染料インキ組成物に用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、食用染料、金属錯塩染料等や通常の顔料インキ組成物に用いられる無機および有機顔料の中から任意のものを使用することができる。その配合量は、組成物全量当たり1〜50質量%の範囲で選ばれる。
【0031】
また、顔料としては、用いる有機溶剤に溶解し難く分散後の平均粒径が30nm〜700nmとなるものが好ましい。顔料の配合量は、インキ組成物全量に対し、0.5〜25質量%、好ましくは0.5〜20質量%までの範囲で必要に応じて配合することができる。
【0032】
使用できる顔料は、単独又は2種以上の混合で使用することができる。また、必要に応じて無機顔料を用いた分散体や染料等も分散安定性に悪影響を与えない程度で添加することができる。更に、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル、アクリルニトリル、オレフィン系モノマーを重合して得られる樹脂エマルションや、インキ中では膨潤して不定形となる中空樹脂エマルション、または、これらのエマルション自身を着色剤で染着して得られる染着樹脂粒子からなる有機多色顔料等が挙げられる。
【0033】
本発明のインキ組成物の色材に顔料を使用した場合、用いる分散剤としては、ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂の中から顔料を分散できるものを選択して使用することができ、活性剤やオリゴマーでも目的にあえばどの様なものでも種類を問わない。具体的な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、スチレン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体等の合成樹脂やPO・EO付加物やポリエステルのアミン系オリゴマー等が挙げることができる。
【0034】
本発明に使用する色材が顔料である場合は、顔料分散インキ組成物を製造するには、従来から公知の種々の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配合し、ディゾルバー等の攪拌機により混合攪拌することによって、また、ボールミルやロールミル、ビーズミル、サンドミル、ピンミル等によって混合粉砕した後、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除くことによって容易に得ることができる。
【0035】
本発明の組成物に用いられる溶剤としては、多価アルコールを含むアルコール、エーテル、特にグリコールエーテルから選ばれる溶剤が好ましい。
【0036】
具体的に、アルコール類としては、炭素数が2以上の脂肪族アルコールが好ましく、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコールやその他多種の高級アルコール等が挙げられる。
【0037】
また、多価アルコールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の分子内に2個以上の炭素、2個以上の水酸基を有する多価アルコールが挙げられる。
【0038】
エーテルとしては、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールターシャリ−ブチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。グリコールエーテルが溶解性が高いので好ましい。
【0039】
以上挙げた溶剤の中で特に好ましいのは、炭素数2〜7のグリコールエーテルが特に効果がある。
【0040】
また、安全性及び経口毒性等の点から好ましくはエチレングリコール誘導体等以外の有機溶剤を使用した方が好ましい。
【0041】
それらの例として、多価アルコール類誘導体があり、ソルビタン脂肪酸系、ポリグリセリン高級脂肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪酸系等の誘導体も挙げられる。
【0042】
エステル類の溶剤としては例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート等様々なエステルが挙げられる。
【0043】
また、分子内に水酸基を持たない溶剤ジエーテルやジエステルは具体的には、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
【0044】
以上の中で、化学構造式の染料は特に脂肪族系溶剤に使用できることを目的に開発されたものであり、脂肪族系溶剤に特異的に有利な造塩体染料の場合に、溶剤中に芳香環を持つ様な溶剤成分が多量にあると通常の脂肪族系溶剤とは異なる溶解性を示す場合があるので、そのような場合には芳香族系溶剤量を制限することが好ましい。即ち、脂肪族系溶剤成分は40%以上を使用することが好ましい。
【0045】
本発明のボールペン用油性インキ組成物に使用される樹脂としては、顔料の分散剤としても使用可能なケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂が挙げられる。
【0046】
ここで、ポリビニルブチラール樹脂は、顔料の分散剤として使用されるほか、筆記描線の造膜性やインキの増粘作用が強いため添加樹脂として使用する場合が多い。しかし、ポリビニルブチラール樹脂は溶剤中の酸塩基成分に溶剤中での溶存状態に非常に左右されることが多く、原材料の使用種については注意を払う必要がある。特に造塩染料を使用する際、そのインキの安定性領域が大きく異なることがあり、ポリビニルブチラールを使用するためにはより安定な染料を使用する必要がある。しかも染料インキでは通常銅フタロシアニン系造塩染料が必須成分となるため、染料間及び原材料間の相溶性については更に安定性が高い染料が望まれる。ポリビニルブチラールを中心としてこれらの樹脂の配合量としては、1〜30質量%がよく、より好ましくは1〜20質量%である。その配合量が1質量%未満であると粘度調整やペン先での摩耗が困難となり、30質量%超だと樹脂以外の原材料が配合できなくなったり、書き味に悪影響を及ぼすことになる。
【0047】
更に、本発明では必要に応じて、インキに悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防黴剤、界面活性剤、潤滑剤及び湿潤剤等を配合することができる。特に脂肪酸などは、潤滑剤として好適に使用できる。また、乾燥抑制用添加剤として製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等も配合することができる。
【0048】
本発明の油性インキ組成物によれば、金属錯塩染料または顔料分散体を使用する場合は発色が良好なトリアリールメタン系の染料と併用することが多く、使用する溶剤や原材料及びそれらの添加量によっては極端なインキ粘度の増粘や沈降物の発生等インキの不具合を引き起こす等の欠点を解決するもので、炭素数2以上のアルコール、多価アルコール、グリコールエーテルなどのエーテル類を使用した際、黒や青色で隠蔽性を付与する染料として高濃度の添加が可能で、高濃度条件下においても金属錯塩染料やインキ中の他の原材料、特にポリビニルブチラール樹脂との相溶性も良好にすることが可能となり、低温経時安定性に優れた油性インキ組成物を提供することを可能にする。
【0049】
この様な効果を発揮する理由としてはインキ組成物に特徴があり、アルコールや多価アルコールそしてグリコールエーテルなどのエーテルにスカイブルー系の色相として通常使用する銅フタロシアニン系染料が高濃度条件下で溶存する際、ポリビニルブチラール樹脂の様な吸着性の高い樹脂に対しても粘度増加や沈降物発生等の不具合が起こりやすいことが解った。そのため銅フタロシアニン系染料の濃度低減を化学構造式で示される酒性溶性型の造塩染料で部分的に代替することで銅フタロシアニンの持つ耐光性を維持し、経時的な安定性や相溶性をより向上させることができると考えられる。そのため、高濃度条件下や低温での経時安定性に対しても優れた油性インキ組成物を提供することが可能となった。
【0050】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、この実施例によって限定されるものではない。
【0051】
染料の製造
化学構造式の染料(Na塩、NH4塩、癸巳化成製)20gを90℃に加熱した精製水に80gに溶解し、攪拌しながら、これに反応液のpHが6.0となるまで下記化学構造式5
【化7】
Figure 0004744029
を有する4級アンモニウム塩を加え、その後30分攪拌した。添加した化学構造式3を有する4級アンモニウムは20gであった。攪拌終了後、反応液を放冷し室温にした後、沈殿した粘ちょう体を分取し、更にその水分を取り除き、造塩体染料を得た。
得られた造塩染料は下記化学構造式で表される化合物であった。
【化8】
Figure 0004744029
【0052】
油性サインペン形態
(比較例1)
スピロンブルー2GNH new [保土ヶ谷化学工業製] 6.0%
エスレックB.BL−1 [積水化学製] 1.5%
マルキードNo. 34 [荒川化学製] 3.0%
エタノール 39.5%
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.0%
3−メトキシ、1−ブタノール 20.0%
【0053】
(実施例1)
スピロンブルー2GNH new [保土ヶ谷化学工業製] 2.0%
化学構造式6の造塩染料 4.0%
エスレックB.BL−1 [積水化学製] 1.5%
マルキードNo. 34 [荒川化学製] 3.0%
エタノール 39.5%
プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.0%
3−メトキシ、1−ブタノール 20.0%
実施例1は、ブルー色を全てフタロシアニン染料(スピロンブルー2GNH new)で発色させているポリビニルブチラール樹脂(エスレックB.BL−1)入りのインキ組成物である比較例1に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニン染料の使用量を減らしたポリビニルブチラール樹脂入りのインキ組成物である。なお、以下でもエスレック(B.BL−Sなど)はポリビニルブチラールである。
【0054】
(実施例2)
シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 3.0%
化学構造式の造塩染料 2.0%
エスレックB.BL−1 [積水化学製] 1.0%
エタノール 50.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル 34.0%
ベンジルアルコール 10.0%
【0055】
(比較例2)
シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 5.0%
エスレックB.BL−1 [積水化学製] 2.0%
エタノール 50.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル 33.0%
ベンジルアルコール 10.0%
実施例2は、ブルー色を全てフタロシアニン顔料(シアニンブルーZCA350EP)で発色させているインキ組成物である比較例2に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニン顔料の使用量を減らしたインキ組成物である。
【0056】
(比較例3)
SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 7.0%
エスレックB.BL−S [積水化学製] 1.5%
YP90L [ヤスハラケミカル製] 1.5%
エタノール 40.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル 35.0%
ベンジルアルコール 15.0%
【0057】
(実施例3)
SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 2.0%
化学構造式6の造塩染料 3.0%
C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン
酸ナトリウムの造塩体 2.0%
エスレックB.BL−S [積水化学製] 1.5%
YP90L [ヤスハラケミカル製] 1.5%
エタノール 40.0%
プロピレングリコールモノメチルエーテル 35.0%
ベンジルアルコール 15.0%
実施例3は、ブルー色を全てフタロシアニン染料(SPTブルー#26)で発色させているインキ組成物である比較例3に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニン染料の使用量を減らし、トリフェニルメタン系染料(B.V.4系造塩染料)を用いたインキ組成物である。
【0058】
油性スタンプ台の形態
(比較例4)
シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 12.0%
エスレックB.BM−1 [積水化学製] 3.0%
ポリプロピレングリコール 43.0%
ジプロピレングリコール 42.0%
【0059】
(実施例4)
シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 5.0%
化学構造式の造塩染料 5.0%
C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン
酸ナトリウムの造塩体 2.0%
エスレックB.BM−1 [積水化学製] 3.0%
ポリプロピレングリコール 43.0%
ジプロピレングリコール 42.0%
実施例4は、ブルー色を全てフタロシアニン顔料(シアニンブルーZCA350EP)で発色させているインキ組成物である比較例4に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニン顔料の使用量を減らし、トリフェニルメタン系色素(B.V.4系造塩染料)を含むインキ組成物である。
【0060】
(比較例5)
SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 15.0%
エスレックB.BL−S [積水化学製] 6.0%
タマノル531 [荒川化学製] 8.0%
ジグリセリンモノステアレート 1.0%
ジプロピレングリコール 25.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 45.0%
【0061】
(実施例5)
SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 10.0%
化学構造式6の造塩染料 5.0%
エスレックB.BL−S [積水化学製] 6.0%
タマノル531 [荒川化学製] 8.0%
ジグリセリンモノステアレート 1.0%
ジプロピレングリコール 25.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 45.0%
実施例5は、ブルー色を全てフタロシアニン染料(SPTブルー#26)で発色させているインキ組成物である比較例5に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニン染料の使用量を減らしたインキ組成物である。
【0062】
(比較例6)
スピロンブルー2GNH new [保土ヶ谷化学工業製] 20.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow 36の造塩体 3.0%
エスレックB.BL−1 [積水化学製] 5.0%
YP90L [ヤスハラケミカル製] 5.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 52.0%
ベンジルアルコール 15.0%
【0063】
(実施例6)
スピロンブルー2GNH new [保土ヶ谷化学工業製] 10.0%
化学構造式の造塩染料 10.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow 36の造塩体 3.0%
エスレックB.BL−1 [積水化学製] 5.0%
YP90L [ヤスハラケミカル製] 5.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 52.0%
ベンジルアルコール 15.0%
実施例6は、ブルー色としてフタロシアニン染料(スピロンブルー2GNH new)とトリフェニルメタン系染料(B.V.4系造塩染料)を含むインキ組成物である比較例6に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニン染料の使用量を減らした、トリフェニルメタン系染料を含むインキ組成物である。
【0064】
油性ボールペン
(比較例7)
サビニルブルーGLS [クラリアント製] 25.0%
エスレックB.BM−1 [積水化学製] 5.0%
ラロパールA101 [BASF製] 5.0%
ジプロピレングリコール 10.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 40.0%
ベンジルアルコール 15.0%
【0065】
(実施例7)
サビニルブルーGLS [クラリアント製] 10.0%
化学構造式の造塩染料 15.0%
エスレックB.BM−1 [積水化学製] 5.0%
ラロパールA101 [BASF製] 5.0%
ジプロピレングリコール 10.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 40.0%
ベンジルアルコール 15.0%
実施例7は、ブルー色を全てフタロシアニン染料(サビニルブルーGLS)で発色させているインキ組成物である比較例7に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニン染料の使用量を減らしたインキ組成物である。
【0066】
(比較例8)
SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 22.0%
C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン
酸ナトリウムの造塩体 8.0%
エスレックB.BM−1 [積水化学製] 7.0%
ラロパールA101 [BASF製] 5.0%
ジプロピレングリコール 3.0%
3−メトキシ、1−ブタノール 15.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 40.0%
【0067】
(実施例8)
SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 10.0%
化学構造式6の造塩染料 12.0%
C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン
酸ナトリウムの造塩体 8.0%
エスレックB.BM−1 [積水化学製] 7.0%
ラロパールA101 [BASF製] 5.0%
ジプロピレングリコール 3.0%
3−メトキシ、1−ブタノール 15.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 40.0%
実施例8は、ブルー色としてフタロシアニン染料()とトリフェニルメタン系染料(B.V.4系染料)を含むインキ組成物である比較例8に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニン染料の使用量を減らした、トリフェニルメタン系染料を含むインキ組成物である。
【0068】
(比較例9)
SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 17.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow 36の造塩体 10.0%
C.I.Basic Violet 4とアルキルスルホン酸ナトリウムの造塩体 8.0%
エスレックB.BM−1 [積水化学製] 6.0%
YP90L [ヤスハラケミカル製] 5.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 35.0%
ベンジルアルコール 6.0%
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル 13.0%
【0069】
(実施例9)
SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 7.0%
化学構造式の造塩染料 10.0%
C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow 36の造塩体 10.0%
C.I.Basic Violet 4とアルキルスルホン酸ナトリウムの造塩体 8.0%
エスレックB.BM−1 [積水化学製] 6.0%
YP90L [ヤスハラケミカル製] 5.0%
3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 35.0%
ベンジルアルコール 6.0%
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル 13.0%
実施例9は、スカイブルー色としてフタロシアニン染料(SPTブルー#26)と2種のトリフェニルメタン系染料(B.V.4系造塩染料)を含むインキ組成物である比較例9に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニン染料の使用量を減らした、2種のトリフェニルメタン系染料を含むインキ組成物である。
【0070】
(比較例10)
シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 25.0%
エスレックB.BL−1 [積水化学製] 5.0%
ポリビニルブチラールBM−1 [積水化学製] 2.0%
ベンジルアルコール 15.0%
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル 53.0%
【0071】
(実施例10)
シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 5.0%
化学構造式の造塩染料 10.0%
C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン
酸ナトリウムの造塩体 10.0%
エスレックB.BL−1 [積水化学製] 3.0%
ポリビニルブチラールBM−1 [積水化学製] 2.0%
ベンジルアルコール 20.0%
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル 53.0%
実施例10は、ブルー色として2種の樹脂(高分子量のポリビニルブチラールBM−1と低分子量のBL−1)を用いてフタロシアニン顔料(シアニンブルーZCA350EP)を分散させたインキ組成物である比較例10に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニ顔料の使用量を減らしトリフェニルメタン系染料(B.V.4系造塩染料)を用いた、2種の樹脂を含むインキ組成物である。
以上の様な配合でディスパー攪拌あるいはビーズミルまたはロールミル分散によってインキを得た。その後、インキの評価テストとして下記の様に行った。
【0072】
インキの低温安定性評価
実施例、比較例で得られた各インキを20mlのガラス瓶に15ml程度入れ、密栓した後、0℃の恒温層にて1ヶ月間放置し、インキの流動性をスパチュラなどで観察する。更に、各製品形態に整え、製品の劣化性も観察した。
【0073】
(油性サインペン形態の場合)
実施例、比較例で得られた各インキをフェルトのペン芯を使用したマーキングペン(三菱油性マーカー[ピース])に適量充填し、評価用試験サンプルとした。
【0074】
(油性スタンプ台の形態)
実施例5、比較例5で得られた各インキを羊毛フェルトと極細繊維を使用したスタンプ台(三菱油性スタンプ台[HSP−2G])に適量充填し、評価試験用サンプルとした。
但し、実施例6,7及び比較例6,7についてはインキ粘度が低いため、ニードルフェルトと平織りの極細繊維を使用した。
【0075】
(油性ボールペンの形態)
実施例、比較例で得られた各インキを内径1.60mmのポリプロピレンチューブに適量充填し、ステンレスチップ(ボールは超硬合金で、直径1.0mmである)に装着し、後端部にインキ追従体を入れボールペン形態とし、評価試験用サンプルとした。
【0076】
評価項目
1)インキ低温安定性/ガラス瓶中のインキ流動性の状態確認
インキ流動性に問題がないもの;○、インキ流動性に対して初期状態より抵抗が感じられるもの;△、インキ流動性に対して非常に抵抗を感じられるもの;×
【0077】
2)製品劣化度
a)油性サインペン形態の場合
PPC用紙にフリーハンド筆記(丸書き)し、「カスレ」が生じる度合いについて、カスレが生じ難いもの;○、カスレがやや生じているもの;△、カスレが生じやすいもの;×とした。
【0078】
b)油性スタンプ台の形態
ゴム印にスタンプ台のインキを転写させ、PPC用紙に捺印する時、盤面と印面間でのはりつき現象(タック性とする)において、タック性が生じていないもの;○、タック性が少ないもの;△、タック性が非常によく解るもの;×とした。
【0079】
c)油性ボールペンの形態
PPC用紙にフリーハンド筆記(丸書き)し、「カスレ」が生じる度合いについて、カスレが生じ難いもの;○、カスレがやや生じているもの;△、カスレが生じやすいもの;×とした。
【0080】
【表1】
Figure 0004744029
表1の結果から明らかなように本発明の範囲となる実施例1〜10のインキ組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜10のインキ組成物に比べて、インキ低温安定性や製品としての性能劣化の点で非常に優れていることが判明した。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の油性インキ組成物には得られ難い性能としてアルコールまたはエーテルを使用した際、青色を主とする染料として高濃度の添加が可能で、高濃度条件下においても上記欠点を解決するもので、金属錯塩染料やインキ中の他の原材料に対しても相溶性を良好にし、低温経時安定性に優れた油性インキ組成物を提供される。

Claims (11)

  1. 色材として下記化学構造式1で示される染料を少なくとも一種類以上含み、溶剤としてアルコールまたはエーテルを含むことを特徴とするインキ組成物。
    Figure 0004744029
    (これらの式中、Aは、同じでも異なってもよく、炭素原子数6〜20のアルキル基を含む長鎖アルキルアンモニウムイオン基であるか、又は下記構造式2で表わされるイオン基である。)
    Figure 0004744029
    (式中、Rは炭素原子数6〜18のアルキル基である。)
  2. 前記染料が溶剤として使用する炭素数2以上のアルコールまたはエーテルに少なくとも20%質量以上溶解するものである、請求項1記載のインキ組成物。
  3. 金属錯塩染料または顔料を更に含む請求項1又は2記載のインキ組成物。
  4. さらに樹脂として少なくともポリビニルブチラールを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のインキ組成物。
  5. トリアリールメタン系染料を併用する請求項1〜4のいずれか1項に記載のインキ組成物。
  6. アルコールまたはエーテルからなる前記溶剤であって脂肪族系溶剤である溶剤が、インキ組成物の全溶剤の40質量%以上を占める、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインキ組成物。
  7. 金属錯塩染料としては銅フタロシアニン系染料を使用する請求項3〜6のいずれか1項に記載のインキ組成物。
  8. 前記溶剤が炭素原子数2以上の脂肪族アルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルから選ばれたものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインキ組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインキ組成物を用いた油性サインペン。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインキ組成物を用いた油性スタンプ台。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインキ組成物を用いた油性ボールペン。
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