JP4739803B2 - X線ステレオ透視装置及びそれを用いたステレオ観察方法 - Google Patents

X線ステレオ透視装置及びそれを用いたステレオ観察方法 Download PDF

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Description

本発明は、非破壊検査などで被検体を立体視するためのX線ステレオ透視装置及びそれを用いたステレオ観察方法に関するものである。
従来、非破壊検査において、被検体の内部構造の観察や内部欠陥等を検出する方法としては、コーンビーム型X線コンピュータ断層撮影(XCT)が用いられている。これにより、例えば基板等に実装された各種電子部品の半田部の電気接続不良等を検出し、不良品の投入を未然に防いでいた。
しかし、このXCTによる画像処理には様々な角度から撮影した画像が必要で撮影に時間を要すると共に、三次元画像の情報処理に多大な時間と労力を要し、工場等で大量生産されるものを検査する方法としては適していなかった。
そこで、これらの課題を解決すべく種々研究がなされている。例えば、X線画像を用いてステレオ表示を行うものとして、(特許文献1)には「観察者距離測定部がステレオ表示を行うモニタとX線画像の観察者との距離を測定するとともに、観察者距離測定部による検出距離に基づき、画像距離制御部がモニタの画面上にステレオ表示する2つのX線画像の中心間距離をステレオ表示に対する観察視差と撮影視差とが略等しくなるよう自動調節することにより、ステレオ表示を適切な立体視のできるものにするディジタルX線撮影装置」が開示されている。
また、透過型電子顕微鏡によりステレオ観察する方法として(特許文献2)には「非晶質体に対する電子線の入射角度を変えて複数の観察を行い、それら複数の観察の結果を合成することにより、欠陥の3次元的な観察を行うことを特徴とする透過型電子顕微鏡による観察方法」が開示されている。
特開平10−5206号公報 特開2004−111839号公報
しかしながら上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)のディジタルX線撮影装置は、主に医療分野で用いられ、イメージインテンシファイアを用いたステレオ撮影により、手術現場等で被検体の患部における三次元的な情報を得ようとするものであり、被検体を挟んで対向支持されたX線管とイメージインテンシファイアとを被検体の周りで回転させて撮影を行わなければならず、機構が複雑で装置が大型化するという課題を有していた。
また、入力面が球面上であるため画像に歪が発生し易く、歪を改善するためにはX線管とイメージインテンシファイアとの距離を1m以上にしなければならず、装置が大型化し観察対象が微小な工業用途には不向きであるという課題を有していた。
(2)(特許文献2)の透過型電子顕微鏡による観察方法では、電子線を透過させるために被検体を200nm以下の厚さまで薄膜化する必要があり、観察対象が限定され汎用性に欠けるという課題を有していた。
また、平行な電子線を照射して得られる画像を用いたステレオ観察は擬似的なものであり、実際のステレオ画像とは異なり、深さ方向の情報を得ることができず、三次元的な観察が困難で実用性に欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、X線を用いることにより被検体の寸法や形状によらず内部構造の観察や内部欠陥等を検出することができ、被検体を回転させる簡素な構造で装置を小型化することができる汎用性、取扱い性に優れるX線ステレオ透視装置の提供、及びそれを用いた短時間で正確な画像処理を行うことができ、立体認識が容易で簡便に三次元情報を得ることができ実用性に優れるステレオ観察方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明のX線ステレオ透視装置及びそれを用いたステレオ観察方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1にX線ステレオ透視装置は、X線源と、被検体を回動自在に保持する角度設定機構と、前記被検体を挟んで前記X線源に対向配置され前記被検体の透過画像を検出する平面状のイメージセンサと、前記イメージセンサで検出した前記透過画像をステレオ表示する表示器と、を有し、前記角度設定機構が、初期状態で前記イメージセンサと平行に配置され前記被検体の表面と前記イメージセンサの表面が平行になるように前記被検体が固定される傾斜テーブルと、前記傾斜テーブルの表面と平行な面内で互いに直交する2つの軸周りに前記傾斜テーブルを回動自在に保持する回動保持部と、を備えている構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)被検体を回動自在に保持する角度設定機構を有するので、角度設定機構により被検体を回動させることができ、被検体の表面とイメージセンサの表面とのなす角を容易に設定することができ、X線源からX線を照射して被検体の任意の角度における透過画像を簡便に撮影することができる。
(2)X線源と平面状のイメージセンサが被検体を挟んで対向配置されているので、被検体の透過画像を精度よく検出することができ、表示器によるステレオ表示の再現性に優れる。
(3)X線源を用いることにより、被検体の寸法や形状によらず確実に被検体の内部構造の観察や内部欠陥等を検出することができ実用性、汎用性に優れる。
(4)被検体を左右方向及び前後方向に回動させる互いに直交した2つの回動軸を有することにより、被検体を奥行き(前後)方向に傾斜(回動)させることができ、厚さ方向を強調して表示することができる。特に薄板状の被検体の観察を容易に行うことができ汎用性、実用性に優れる。
(5)角度設定機構で、初期状態で被検体の表面とイメージセンサの表面が略平行になるように被検体を固定することにより、角度設定機構で被検体を回動させる際に、角度を容易に設定でき、正確な角度で被検体の透過画像を検出することができる。
(6)角度設定機構が、被検体が固定される傾斜テーブルを互いに直交する2つの軸周りに回動自在に保持する回動保持部を有することにより、回動保持部により被検体を三次元的に傾斜させることができるので、透過画像の撮影角度や観察角度を任意に設定することができ、汎用性、実用性に優れる。
ここで、X線透視装置の少なくとも表示器以外は遮蔽箱により覆われ、X線透視装置の外部にX線が漏れない構成となっている。遮蔽箱には開閉扉を配設する。これにより、角度設定機構への被検体の固定や角度設定機構からの被検体の回収を容易に行うことができる。遮蔽箱や開閉扉にX線遮蔽ガラス付の窓を設けた場合、外部から角度設定機構の動きを直視して動作を確認することができる。遮蔽箱の左右両側に開閉扉を配設した場合、左右の開閉扉から被検体の出し入れを行うことができるので、X線透視装置を検査ライン等に容易に組込んで作業を自動化することができ効率性に優れる。
角度設定機構としては被検体を少なくとも1つの軸周りに回動自在に保持できるものであればよい。例えば、回動軸を有するアームやテーブル等に被検体を固定し、回動軸を手動或いはパルスモータやサーボモータ等のモータで回動させるものやアームやテーブル等の一端をピストンシリンダ等で牽引或いは押圧し回動軸周りに回動させるもの等が好適に用いられる。また、被検体を左右方向及び前後方向に回動させる互いに直交した2つの回動軸を有する多関節のアーム等を用いて被検体を保持してもよい。これにより、被検体を奥行き(前後)方向に傾斜(回動)させることができ、厚さ方向を強調して表示することができる。特に薄板状の被検体の観察を容易に行うことができ汎用性、実用性に優れる。
角度設定機構は、初期状態で被検体の表面とイメージセンサの表面が略平行になるように被検体を固定することが好ましい。これにより、角度設定機構で被検体を回動させる際に、角度を容易に設定でき、正確な角度で被検体の透過画像を検出することができる。
被検体の固定方法としては、直接、被検体を挟持するもの、両面テープ等により貼着するもの、エアにより吸引して吸着するもの等を用いることができる。
ステレオ表示は、撮影角度の異なる二つの画像を表示することにより、撮影角度の差(撮影視差)に基づいて被検体を立体として認識させることができる。被検体の回動中心となる回動軸が被検体よりもイメージセンサ側に位置する場合、被検体全体を回動軸よりX線源側で回動させることができる。これにより、ステレオ表示した際に、被検体全体を表示器の画面より手前側、即ち相対的に観察者の近傍に存在する立体として表示でき、被検体を立体として認識し易い。特に、内部欠陥の発生位置等を容易に把握でき、被検体の任意の位置を画面上で簡便に指し示すことができるので実用性に優れる。
イメージセンサとしては、CCD型やCMOS型のものが好適に用いられる。イメージセンサが平面状に形成されていることにより、画像に歪が発生し難く、装置の小型化が容易で微小物を対象とした観察に好適に用いることができる。
表示器としては、平面画像をステレオ表示できるものであればよい。赤青メガネを利用したアナグリフ立体表示を行うもの、裸眼立体視による交差法立体表示や平行法立体表示を行うもの、単独で立体表示可能な液晶ディスプレイや立体視メガネ、或いは画面切替えが可能なディスプレイと液晶シャッターメガネを組合せたもの等を用いることができる。
特に立体視メガネは、大型のディスプレイが不要なため装置全体を小型化することができ、安価で省スペース性に優れる。
X線透視装置は制御部としてパーソナルコンピュータを備えることにより、角度設定機構の制御を行うことができる。また、透過画像のデータは制御部に配設したハードディスクやMO,CD,DVD等の各種記憶媒体に保存することができる。これにより、保存したデータの管理を容易に行うことができ、適宜、取出して表示器でのステレオ表示を行ったり、画像処理ソフトウェア等による画像の加工等を行ったりできる。
回動保持部としては傾斜テーブルを互いに直交する2つの軸周りに回動自在に保持できるものであればよい。例えば、傾斜テーブルを左右方向に回動させる左右方向回動軸を回動自在に保持するアーム部と、左右方向回動軸と直交してアーム部に配設された前後方向回動軸を備えたものが好適に用いられる。また、傾斜テーブルの四隅或いは傾斜テーブルの略中心で互いに直交する2つの軸線上(傾斜テーブルの左右及び前後両端)に1つずつフレキシブルジョイントを対向配置し、パルスモータやサーボモータ等のモータで選択的に上下動させてもよい。フレキシブルジョイントとしては、回転2自由度に加え伸縮機構を有するものが好適に用いられる。例えばユニバーサルジョイント等の端部にバネやゴム等の弾性体を配設してもよいし、回転2自由度を有する球状のジョイント部を長孔に摺動自在に保持してもよい。
傾斜テーブルにXYステージを備えた場合、被検体をイメージセンサと平行な面内で前後及び左右に移動させることができ、被検体の任意の箇所を選択して観察することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のX線透視装置であって、前記X線源と前記角度設定機構と前記イメージセンサを覆う遮蔽箱を有し、前記遮蔽箱の左右両側に配設された開閉扉を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)X線透視装置の少なくとも表示器以外が遮蔽箱で覆われることにより、X線透視装置の外部にX線が漏れることがなく、開閉扉を有することにより、角度設定機構への被検体の固定や角度設定機構からの被検体の回収を容易に行うことができる。
(2)遮蔽箱の左右両側に開閉扉を配設することにより、左右の開閉扉から被検体の出し入れを行うことができるので、X線透視装置を検査ライン等に容易に組込んで作業を自動化することができ効率性に優れる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のX線透視装置であって、前記X線源と前記被検体との間に配設され前記被検体の表面から反射された反射光を反射させる反射ミラーと、前記被検体までの距離が前記X線源と光学的に等距離の位置に焦点を有し前記反射ミラーで反射された前記被検体の表面画像を撮影する光学カメラと、を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)X線源と被検体との間に配設され被検体の表面から反射された反射光を反射させる反射ミラーを有するので、X線による透過画像に加え、反射ミラーで反射された被検体の表面画像を光学カメラにより撮影することができ、被検体の表面観察を行うことができる。
(2)被検体までの距離がX線源と光学的に等距離の位置に焦点を有する光学カメラを備えることにより、X線による透過画像とほぼ同等の画角で被検体の表面画像を撮影することができるので、透過画像又は表面画像に拡大や縮小等の特別な画像処理等を施す必要がなく、透過画像と表面画像との比較が容易で画像データの取扱性に優れる。
ここで、X線源と被検体との間に反射ミラーを配設しても、X線源から照射されるX線は反射ミラーを透過するので、反射ミラーがX線による透過画像の撮影に影響を与えることはない。これにより、透過画像の撮影と表面画像の撮影を同時に行うことができ、作業時間を大幅に短縮することができる。また、透過画像と表面画像を同時に撮影することにより、透過画像と表面画像を重ねて表示した際に位置ずれが発生することがなく、被検体の構造や配置を正確に把握することができ信頼性に優れる。
光学カメラのレンズには単焦点レンズやズームレンズ等を使用することができる。単焦点レンズは焦点距離が一定で撮影画角が固定されているので、使用時に光学系の調整が不要で取扱性に優れる。また、ズームレンズに比べレンズ収差が少なく、高画質の画像を撮影することができ信頼性に優れる。
表面画像は透過画像と同様に制御部に配設した各種記憶媒体に保存することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のX線透視装置であって、前記表示器が、前記透過画像と前記表面画像を重ねて表示することを特徴とする請求項にされている構成を有している。
この構成により、請求項3の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)透過画像と表面画像を重ねて表示することにより、実物の内部を透視したような状態を表現することができ、三次元的な距離感が掴み易く、被検体の構造や配置が分かり易く位置合わせ等を容易に行うことができる。
ここで、透過画像及び表面画像は必要に応じて画像処理ソフトウェア等により加工を行うことができる。画像の大きさや表面画像の透過率等を変更することにより、作業者にとって観察し易い状態で表示を行うことができ、より正確な情報を得ることができる。
請求項5に記載のステレオ観察方法は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載のX線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法であって、前記被検体が回動自在に保持された前記角度設定機構により前記被検体を回動させ前記被検体の表面と前記イメージセンサの表面とのなす角を設定する検出角度設定工程と、前記検出角度設定工程で設定された少なくとも二種類の角度で前記被検体にX線源からX線を照射し前記被検体を挟んで前記X線源に対向配置された平面状の前記イメージセンサで前記被検体の少なくとも二種類の角度の透過画像を検出する透過画像検出工程と、前記透過画像検出工程で検出した前記透過画像の中から角度の異なる二種類の前記透過画像を選択して前記表示器でステレオ表示するステレオ表示工程と、を備えている構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)検出角度設定工程により、被検体を回動させ被検体の表面とイメージセンサの表面とのなす角を容易に設定することができ、透過画像の撮影角度を任意に選択して被検体を固定することができる。
(2)透過画像検出工程により、検出角度設定工程で設定された少なくとも二種類の角度で被検体にX線源からX線を照射することができ、被検体を挟んでX線源に対向配置された平面状のイメージセンサで被検体の少なくとも二種類の透過画像を検出することができる。
(3)ステレオ表示工程により、透過画像検出工程で検出した透過画像の中から角度の異なる二種類の透過画像を選択して表示器でステレオ表示することができ、短時間で正確に被検体の内部構造や内部欠陥の状態や位置を三次元的に観察できる。
ここで、検出角度設定工程で設定する回動角度は、適宜、選択することができる。観察を行いたい角度が分かっている場合には、二種類の角度を設定してステレオ表示に最低限必要な二枚の透過画像のみの撮影を行うことができる。また、少しずつ角度を変えながら多数の透過画像の撮影を行った後、任意の角度を組合せて観察を行うこともできる。さらに、ステレオ表示を行う際に、二つの画像の内の一方を固定し、他方を角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させた場合、動画のように視野角を変えながら表示させることができる。このとき、視野角に応じて深さ方向の倍率が変化するので、画面を見ながら観察を行い易い角度を選択することができ観察の作業性に優れる。また、ステレオ表示の二つの画像を同時に角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させた場合は、被検体全体を回転させながら視点を変えて観察を行うことができる。これにより、様々な角度からの観察を短時間で連続的に行うことができ、被検体の内部構造や内部欠陥の観察が容易で実用性に優れる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のステレオ観察方法であって、前記ステレオ表示工程において、二つの透過画像の内の一方を固定し、他方を角度の異なる透過画像に連続的に切替えて表示させる構成を有している。
この構成により、請求項5の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)ステレオ表示を行う際に、二つの画像の内の一方を固定し、他方を角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させることにより、動画のように視野角を変えながら表示させることができる。このとき、視野角に応じて深さ方向の倍率が変化するので、画面を見ながら観察を行い易い角度を選択することができ観察の作業性に優れる。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のステレオ観察方法であって、前記ステレオ表示工程において、二つの透過画像を同時に角度の異なる透過画像に連続的に切替えて表示する構成を有している。
この構成により、請求項5の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)ステレオ表示の二つの画像を同時に角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させることにより、被検体全体を回転させながら視点を変えて観察を行うことができる。これにより、様々な角度からの観察を短時間で連続的に行うことができ、被検体の内部構造や内部欠陥の観察が容易で実用性に優れる。
請求項8に記載の発明は、請求項3又は4に記載のX線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法であって、前記反射ミラーにより前記被検体の表面から反射された反射光を反射させ、前記光学カメラにより前記被検体の透過画像に対応する前記表面画像を撮影する表面画像撮影工程を備えている構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)表面画像撮影工程により、X線源と被検体との間に配設された反射ミラーで被検体の表面から反射された反射光を反射させ、透過画像に対応する被検体の表面画像を正確に光学カメラで撮影することができる。
(2)表面画像撮影工程に用いる光学カメラの焦点から被検体までの距離をX線源から被検体までの距離と光学的に等距離の位置となるように光学カメラを配設することにより、X線による透過画像とほぼ同等の画角で撮影された被検体の表面画像を得ることができるので、煩雑な画像処理等を行うことなく透過画像と表面画像との重ね合わせ等の処理を行うことができ、データ処理時間の短縮化を図ることができる。
ここで、表面画像撮影工程は、透過画像検出工程と独立して行うこともできるし、透過画像検出工程と同時に行うこともできる。表面画像撮影工程と透過画像検出工程を同時に行った場合、撮影角度を改めて設定し直す必要がなく、短時間で撮影を行うことができる。また、透過画像と表面画像を正確に同一の角度で撮影することができるので、両者を重ねて表示した際に位置ずれ等が発生することがなく観察の信頼性に優れる。
請求項9に記載の発明は、請求項4に記載のX線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法であって、前記被検体の前記透過画像とそれに対応する前記表面画像を重ねて前記表示器でステレオ表示するハイブリッド表示工程を備えている構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)ハイブリッド表示工程により、異なる角度で撮影された被検体の二種類の透過画像にそれぞれに対応した表面画像を重ね合わせてステレオ表示することができるので、被検体の表面形状と内部状態を同時に表示することができ、被検体の三次元的な構造を容易に把握することができ、観察時間を短縮することができる。
以上のように、本発明のX線ステレオ透視装置及びそれを用いたステレオ観察方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)角度設定機構により被検体を回動させることができ、X線を照射して被検体の任意の角度における透過画像を短時間で簡便に撮影することができる実用性に優れたX線ステレオ透視装置を提供することができる。
(2)平面状のイメージセンサを備えることにより、透過画像の歪が発生し難くステレオ表示の再現性に優れると共に、X線源とイメージセンサとの距離を短縮して装置を小型化することができる省スペース性に優れたX線ステレオ透視装置を提供することができる。
(3)回動保持部により互いに直交する2つの軸周りに傾斜テーブルを回動させることができ、被検体を三次元的に傾斜させることができるので、透過画像の撮影角度や観察角度を任意に設定することができる汎用性、実用性に優れたX線ステレオ透視装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。(1)遮蔽箱の左右両側に開閉扉を配設することにより、左右の開閉扉から被検体の出し入れを行うことができるので、X線透視装置を検査ライン等に容易に組込んで作業を自動化することができ効率性に優れる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)X線源と被検体との間に配設された反射ミラーにより、被検体の表面から反射された反射光を反射させ光学カメラで被検体の表面画像を撮影することができ、X線による透過画像での観察に加え、被検体の表面観察を行うことができる実用性、汎用性に優れたX線ステレオ透視装置を提供することができる。
(2)被検体までの距離がX線源と光学的に等距離の位置に焦点を有する光学カメラで被検体を撮影することにより、X線による透過画像とほぼ同等の画角で被検体の表面画像をえることができるので、透過画像又は表面画像に拡大や縮小等の特別な画像処理等を施すことなく、透過画像と表面画像との比較を容易に行うことができる画像データの取扱性に優れたX線ステレオ透視装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)透過画像と表面画像を重ねて表示することにより、実物の内部を透視したような状態で被検体の三次元構造を表現することができ表示性能に優れ、三次元的な距離感が掴み易く、被検体の構造や配置等を容易に認識することができ、内部欠陥の発生箇所等を正確に検出したり、位置合わせ等の作業を短時間で行ったりできる観察の処理能力に優れたX線ステレオ透視装置を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)検出角度設定工程において、被検体を回動させ被検体の表面とイメージセンサの表面とのなす角を容易に設定することができ、透過画像検出工程において、設定された少なくとも二種類の角度で被検体にX線を照射することにより、平面状のイメージセンサで被検体の少なくとも二種類の透過画像を短時間で精度よく検出することができる実用性、信頼性に優れたステレオ観察方法を提供することができる。
(2)ステレオ表示工程において、透過画像検出工程で検出した透過画像の中から角度の異なる二種類の透過画像を選択してステレオ表示することで画像処理時間を短縮化することができ、短時間で正確に被検体の内部構造や内部欠陥等の三次元的な観察を任意の角度で行うことができる検査の処理能力に優れたステレオ観察方法を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)ステレオ表示を行う際に、二つの画像の内の一方を固定し、他方を角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させることにより、動画のように視野角を変えながら表示させることができ、視野角に応じて深さ方向の倍率が変化するので、画面を見ながら観察を行い易い角度を選択することができ観察の作業性に優れる。
請求項7に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)ステレオ表示の二つの画像を同時に角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させることにより、被検体全体を回転させながら視点を変えて観察を行うことができ、様々な角度からの観察を短時間で連続的に行うことができ、被検体の内部構造や内部欠陥の観察が容易で実用性に優れる。
請求項8に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)表面画像撮影工程において、X線源と被検体との間に配設された反射ミラーを用いることにより、透過画像に対応する被検体の表面画像を正確に光学カメラで撮影することができる信頼性、機能性に優れたステレオ観察方法を提供することができる。
(2)表面画像撮影工程に用いる光学カメラの焦点から被検体までの距離をX線源から被検体までの距離と光学的に等距離の位置となるように光学カメラを配設することにより、X線による透過画像とほぼ同等の画角で被検体の表面画像を撮影することができ、透過画像と表面画像との重ね合わせ等の画像処理が容易で、データ処理時間の短縮化を図ることができる実用性に優れたステレオ観察方法を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)ハイブリッド表示工程において、被検体の透過画像にそれに対応した表面画像を重ねてステレオ表示することにより、被検体の三次元情報を短時間に認識することができ、観察時間を短縮することができる実用性に優れたステレオ観察方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態におけるX線ステレオ透視装置及びそれを用いたステレオ観察方法について、以下図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置を示す全体斜視図である。
図1中、1は実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置、2はX線透視装置1の装置本体を覆う遮蔽箱、2aは遮蔽箱2に配設され被検体の出し入れを行う開閉扉、2bは遮蔽箱2に配設されたX線遮蔽ガラス付の窓、3はX線透視装置1の制御を行うパーソナルコンピュータ等の制御部、4は制御部3に接続され被検体の透過画像及び表面画像をステレオ表示する液晶ディスプレイ等の表示器である。
次に、本発明の実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置の構成について詳細に説明する。
図2は本発明の実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置の構成を示す要部正面模式図であり、図3は本発明の実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置の構成を示す要部側面模式図である。
図2及び図3中、5はX線を照射するX線源、6は被検体20を回動自在に保持するX線透視装置1の角度設定機構、7はXYステージ8を備え被検体20が固定される角度設定機構6の傾斜テーブル、8aは傾斜テーブル7の水平面内に連設された角度設定機構6の回動軸、9は回動軸8に連結され傾斜テーブル7を左右方向の任意の角度に回動固定させるパルスモータやサーボモータ等の角度設定機構6の回動駆動部、10は傾斜テーブル7を挟んでX線源5に対向配置されX線が照射された被検体20の透過画像を検出するCCD型やCMOS型の平面状のイメージセンサ、11はX線源5と被検体20との間に配設され被検体20の表面から反射された反射光を反射させる反射ミラー、12は被検体20までの距離がX線源5と光学的に等距離の位置に単焦点レンズ12aの焦点を有し反射ミラー11で反射された被検体20の表面画像を撮影する光学カメラである。
制御部3,表示器4以外を遮蔽箱2で覆うことにより、外部へのX線の漏れを防止した。また、遮蔽箱2には被検体の出し入れを行う開閉扉を配設した(図1)。これにより、傾斜テーブル7への被検体20の固定や傾斜テーブル7からの被検体20の回収を容易に行うことができる。また、遮蔽箱2の開閉扉2a及び窓2bにはX線遮蔽ガラスを配設した。これにより、外部から傾斜テーブル7の動きなどを直視して動作を確認することができ誤動作を防止できる。本実施の形態では、遮蔽箱2の正面に開閉扉2aを設けたが、遮蔽箱の左右両側に開閉扉を設けてもよい。これにより、左右の開閉扉から被検体20の出し入れを行うことができるので、X線透視装置1を検査ライン等に容易に組込んで作業を自動化することができ効率性に優れる。
被検体20は両面テープで貼着することにより傾斜テーブル7のXYステージ8上に固定した。被検体20が比較的大きな場合などは、エアにより吸着したり、被検体20の外形を挟持したりして固定するようにしてもよい。
傾斜テーブル7がXYステージ8を備えることにより、被検体20を傾斜テーブル7と平行な面内で前後及び左右に移動させることができ、被検体20の任意の箇所を選択して詳細に観察することができる。
傾斜テーブル7に回動軸8aを配設し、初期状態で平面状のイメージセンサ10と平行に配置した。これにより、回動駆動部9で傾斜テーブル7を回動させた際に正確な角度で被検体20の透過画像を検出することができる。また、被検体20全体を回動軸8aよりX線源5側で回動させることができるので、ステレオ表示した際に、被検体20全体を表示器4の画面より手前側、即ち相対的に観察者の近傍に存在する立体として表示できる。これにより、被検体20を立体として認識し易く視認性に優れるので、内部欠陥の発生位置等を容易に把握できると共に、被検体20の任意の位置を画面上で簡便に指し示すことができ実用性に優れる。
イメージセンサ10としては、平面状に形成されたCCD型やCMOS型のものを使用した。これにより、画像に歪が発生し難く、X線透視装置1全体を小型化することができ、微小物を対象とした観察に好適に用いることができる。
また、X線源5と被検体20との間には反射ミラー11を配設した。これにより、被検体20の表面から反射された反射光を反射させることができ、被検体20の表面画像を撮影することができる。尚、X線源5から照射されるX線は反射ミラー11を透過するので、反射ミラー11がX線による透過画像の撮影に影響を与えることはない。
光学カメラ12のレンズには単焦点レンズ12aを使用し、X線源5から被検体20までの距離と、単焦点レンズ12aの焦点から被検体20までの距離が光学的に等距離の位置となるようにした。単焦点レンズ12aは焦点距離が一定で撮影画角が固定されているので、撮影時に光学系の調整が不要で、X線による透過画像とほぼ同等の画角で被検体20の表面画像を撮影することができる。また、レンズ収差が小さく、高画質の画像を得ることができる。
尚、単焦点レンズ12aの代りにズームレンズを使用してもよいが、その際には焦点距離の調整が必要となると共に、単焦点レンズ12aに比べレンズ収差が大きく、画質が低下し易くなる。
制御部3により、角度設定機構6のXYステージ8及び回動駆動部9を制御して被検体20の観察位置や撮影角度を任意に設定できる。また、透過画像,表面画像,観察条件等のデータは制御部3に配設したハードディスクやMO,CD,DVD等の各種記憶媒体に保存することができる。これにより、保存したデータの管理を容易に行うことができ、適宜、データを取出して表示器4でのステレオ表示を行ったり、画像処理ソフトウェア等による画像の加工等を行ったりできる。
表示器4は撮影角度の異なる二つの画像を表示することにより、撮影角度の差(撮影視差)に基づいて被検体20を立体として認識させることができる。
尚、表示器4は平面画像をステレオ表示できるものであればよく、赤青メガネを利用したアナグリフ立体表示を行うもの、裸眼立体視による交差法立体表示や平行法立体表示を行うもの、或いは画面切替えが可能なディスプレイと液晶シャッターメガネを組合せたもの等を用いてもよい。特に立体視メガネは、大型のディスプレイが不要なためX線透視装置1を小型化することができ、安価で省スペース性に優れる。
以上のように形成された実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法について説明する。
図4はX線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法を示す要部側面模式図である。
まず、検出角度設定工程において、図4(a)に示すように被検体20が固定された傾斜テーブル7を回動駆動部9で回動させ第1の角度θ1(例えば8度)に固定する。
次に、透過画像検出工程において、被検体20にX線源5からX線を照射し、傾斜テーブル7を挟んでX線源5に対向配置された平面状のイメージセンサ10で被検体20の第1の透過画像を検出し、制御部3に記憶する(図1,2参照)。
更に、表面画像撮影工程において、光学カメラ12により第1の透過画像に対応する被検体20の第1の表面画像を撮影し、制御部3に記憶する。
再度、検出角度設定工程において、図4(b)に示すように傾斜テーブル7を回動させ第2の角度θ2(例えば20度)に固定し、透過画像検出工程において、被検体20の第2の透過画像を検出し、制御部3に記憶する(図1,2参照)。
また、表面画像撮影工程において、第2の透過画像に対応する被検体20の第2の表面画像を撮影し、制御部3に記憶する。
次に、ステレオ表示工程について説明する。図5はステレオ表示工程を示す模式図である。
図5中、20aは被検体20の観察ポイント、25は観察者、25a,25bはそれぞれ観察者25の左右の眼、lは表示器4から観察者25までの距離、wは観察者25の左右の眼25a,25bの間隔、αは撮影角度の差(撮影視差)である。
透過画像検出工程で検出した角度の異なる第1及び第2の透過画像を制御部3から取出して表示器4でステレオ表示する。
ここで、α=2tan-1(w/2l)であり、l=300mm、w=60mmの場合、α=11.4(度)となる。従って、例えば前述のように第1の角度θ1=8(度)、第2の角度θ2=20(度)とすることで、α≒θ2−θ1となりほぼ適正なステレオ表示を行うことができる。
検出角度設定工程で設定された二種類の角度θ1,θ2で撮影された第1及び第2の透過画像を用いてステレオ表示できるので、短時間で正確に被検体20の内部構造や内部欠陥等の位置や状態を三次元的に観察できる。
また、ハイブリッド表示工程においては、第1及び第2の透過画像にそれぞれに対応する第1及び第2の表面画像を重ねてステレオ表示する。これにより、実物の内部を透視したような状態で被検体20の三次元構造を表現することができ、被検体20の三次元情報を短時間に認識して観察時間を短縮することができる。
傾斜テーブル7の回動角度θ(図1参照)は、適宜、選択することができる。観察を行いたい角度が予め分かっている場合には、前述のように二種類の角度θ1,θ2を設定してステレオ表示に最低限必要な二種類の透過画像や表面画像の撮影を行えばよい。また、少しずつ回動角度θを変えながら多数の透過画像の撮影を行った後、任意の角度を組合せてステレオ表示し観察を行うこともできる。二種類の角度θ1,θ2の差により深さ(厚さ)方向の倍率を変化させることができる。特にθ1,θ2の角度差を大きくすることで深さ(厚さ)方向に拡大して強調した表示を行うことができる。
さらに、ステレオ表示を行う際に、二つの画像の内の一方を固定し、他方を角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させた場合、動画のように視野角を変えながら表示させることができる。このとき、視野角に応じて深さ(厚さ)方向の倍率が変化するので、画面を見ながら観察を行い易い角度を選択することができ観察の作業性に優れる。
また、ステレオ表示の二つの画像を同時に角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させた場合は、被検体20全体を回転させながら視点を変えて観察を行うことができる。これにより、様々な角度からの観察を短時間で連続的に行うことができ、被検体20の内部構造や内部欠陥の観察が容易で実用性に優れる。
次に、角度設定機構の変形例について説明する。
図6は角度設定機構の変形例を示す要部平面図である。
図6中、6aは変形例を示す角度設定機構、7aは傾斜テーブル7を互いに直交する2つの軸周りに回動自在に保持する角度設定機構6aの回動保持部、8a’は傾斜テーブル7の両側に突出して配設され回動駆動部9により傾斜テーブル7を左右方向に回動させる左右方向回動軸、8bは略コ字型に形成され左右方向回動軸8a’の両端部を回動自在に保持する回動保持部7aのアーム部、8cは左右方向回動軸8a’と直交してアーム部8bに配設された回動保持部8bの前後方向回動軸、9aは前後方向回動軸8cに連結され回動保持部8bを介して傾斜テーブル7を前後方向に回動させる角度設定機構6aの回動駆動部である。
これにより、被検体20が固定される傾斜テーブル7を互いに直交する2つの軸周りに回動させることができるので、被検体20を三次元的に傾斜させることができ、透過画像の撮影角度や観察角度を任意に設定することができ、汎用性、実用性に優れる。
以上のように実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置は構成されているので、以下の作用を有する。
(1)被検体20を回動自在に保持する角度設定機構6を有するので、角度設定機構6により傾斜テーブル7を回動させるだけで、被検体20の表面とイメージセンサ10の表面とのなす角を容易に設定することができ、X線源5からX線を照射して被検体20の任意の角度における透過画像を簡便に撮影することができる。
(2)X線源5と平面状のイメージセンサ10が被検体20を挟んで対向配置されているので、被検体20の透過画像を精度よく検出することができ、表示器4によるステレオ表示の再現性に優れる。
(3)X線源5を用いることにより、被検体20の寸法や形状によらず確実に被検体20の内部構造の観察や内部欠陥等を検出することができ実用性、汎用性に優れる。
(4)傾斜テーブル7に回動軸8aが配設されていることにより、被検体20全体を回動軸8aよりX線源5側で回動させることができるので、ステレオ表示した際に、被検体20全体を表示器4の画面より手前側、即ち相対的に観察者25の近傍に存在する立体として表示でき、被検体20を立体として認識し易く、内部欠陥の発生位置等を正確かつ容易に把握でき、画面上で指し示すことができる。
(5)傾斜テーブル7にはXYステージ8を備えることにより、被検体20を傾斜テーブル7と平行な面内で前後及び左右に移動させることができ、被検体20の任意の箇所を選択して詳細に観察することができる。
(6)イメージセンサ10が平面状に形成されていることにより、画像に歪が発生し難く、X線ステレオ透視装置1の小型化が容易で微小物を対象とした観察に好適に用いることができる。
(7)X線源5と被検体20との間に配設され被検体20の表面から反射された反射光を反射させる反射ミラー11を有するので、X線による透過画像に加え、反射ミラー11で反射された被検体20の表面画像を光学カメラ12により撮影することができ、被検体20の表面観察を行うことができる。
(8)被検体20までの距離がX線源5と光学的に等距離の位置に焦点を有する光学カメラ12を備えることにより、X線による透過画像とほぼ同等の画角で被検体20の表面画像を撮影することができるので、透過画像又は表面画像に拡大や縮小等の特別な画像処理等を施す必要がなく、比較が容易で画像データの取扱性に優れる。
(9)光学カメラ12のレンズに焦点距離が一定で撮影画角が固定された単焦点レンズ12aを使用した場合、撮影時に光学系の調整が不要で取扱性に優れると共に、ズームレンズに比べレンズ収差が少なく、高画質の画像を撮影することができ非破壊検査を高い精度で効率よく行うことができ信頼性に優れる。
(10)透過画像と表面画像を重ねて表示することにより、実物の内部を透視したような状態を表現することができ、三次元的な距離感が掴み易く、被検体20の構造や配置が分かり易く位置合わせ等を容易に行うことができる。
(11)角度設定機構6aが、被検体20が固定される傾斜テーブル7を互いに直交する左右方向回動軸8a’及び前後方向回動軸8cの2つの軸周りに回動自在に保持する回動保持部7aを有することにより、被検体20を三次元的に傾斜させることができるので、透過画像の撮影角度や観察角度を任意に設定することができ、汎用性、実用性に優れる。
実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法によれば、以下の作用を有する。
(12)検出角度設定工程により、被検体20が固定された傾斜テーブル7を回動駆動部9で回動させるだけで、容易に任意の回動角度θを選択して被検体20を固定することができる。
(13)透過画像検出工程により、検出角度設定工程で設定された少なくとも二種類の角度θ1,θ2で被検体20にX線源5からX線を照射することができ、傾斜テーブル7を挟んでX線源5に対向配置された平面状のイメージセンサ10で被検体20の少なくとも二種類の透過画像を検出することができる。
(14)ステレオ表示工程により、透過画像検出工程で検出した透過画像の中から角度の異なる二種類の透過画像を選択して表示器4でステレオ表示することができ、短時間で正確に被検体20の内部構造や内部欠陥の状態や位置を三次元的に観察できる。
(15)表面画像撮影工程により、X線源5と被検体20との間に配設された反射ミラー11で被検体20の表面から反射された反射光を反射させ、透過画像に対応する被検体20の表面画像を正確に光学カメラ12で撮影することができる。
(16)表面画像撮影工程に用いる光学カメラ12の焦点から被検体20までの距離をX線源5から被検体20までの距離と光学的に等距離の位置となるように光学カメラ12を配設することにより、X線による透過画像とほぼ同等の画角で撮影された被検体20の表面画像を得ることができるので、煩雑な画像処理等を行うことなく透過画像と表面画像との重ね合わせ等の処理を行うことができ、データ処理時間の短縮化を図ることができる。
(17)ハイブリッド表示工程により、異なる角度θ1,θ2で撮影された被検体20の二種類の透過画像にそれぞれに対応した表面画像を重ね合わせてステレオ表示することができるので、被検体20の表面形状と内部状態を同時に表示することができ、被検体20の三次元的な構造を容易に把握することができ、観察時間を短縮することができる。
(18)観察を行いたい角度が分かっている場合には、二種類の角度θ1,θ2を設定してステレオ表示に最低限必要な二枚の透過画像のみの撮影を行うことができ、短時間でステレオ観察を行うことができる。
(19)少しずつ傾斜テーブル7の回動角度θを変えながら多数の透過画像の撮影を行った後、任意の角度を組合せて様々な角度でステレオ観察を行うことができ汎用性、実用性に優れる。
(20)ステレオ表示を行う際に、二つの画像の内の一方を固定し、他方を角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させた場合、動画のように視野角を変えながらステレオ表示させることができる。視野角に応じて深さ方向の倍率が変化するので、画面を見ながら観察を行い易い角度を選択することができ観察の作業性に優れる。
(21)ステレオ表示の二つの画像を同時に角度の異なる画像に連続的に切替えて表示させた場合は、被検体20全体を回転させながら視点を変えて観察を行うことができ、被検体の内部構造や内部欠陥の観察が容易で実用性に優れる。
本発明は、非破壊検査などで被検体を立体視するためのX線ステレオ透視装置及びそれを用いたステレオ観察方法に関し、被検体の寸法や形状によらず内部構造の観察や内部欠陥等を検出することができ、被検体を回転させる簡素な構造で装置を小型化することができる汎用性、取扱い性に優れるX線ステレオ透視装置の提供及びそれを用いた短時間で正確な画像処理を行うことができ、立体認識が容易で簡便に三次元情報を得ることができ実用性に優れるステレオ観察方法の提供を行うものであり、特に観察対象が微小な工業用途に好適に用いることができ、工場等の量産ラインにおける短時間の検査を実現することができる。
本発明の実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置を示す全体斜視図 本発明の実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置の構成を示す要部正面模式図 本発明の実施の形態1におけるX線ステレオ透視装置の構成を示す要部側面模式図 X線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法を示す要部側面模式図 ステレオ表示工程を示す模式図 角度設定機構の変形例を示す要部平面図
符号の説明
1 X線ステレオ透視装置
2 遮蔽箱
2a 開閉扉
2b 窓
3 制御部
4 表示器
5 X線源
6,6a 角度設定機構
7 傾斜テーブル
7a 回動保持部
8 XYステージ
8a 回動軸
8a’ 左右方向回動軸
8b アーム部
8c 前後方向回動軸
9,9a 回動駆動部
10 イメージセンサ
11 反射ミラー
12 光学カメラ
12a 単焦点レンズ
20 被検体
20a 観察ポイント
25 観察者
25a,25b 眼

Claims (9)

  1. X線源と、被検体を回動自在に保持する角度設定機構と、前記被検体を挟んで前記X線源に対向配置され前記被検体の透過画像を検出する平面状のイメージセンサと、前記イメージセンサで検出した前記透過画像をステレオ表示する表示器と、を有し、前記角度設定機構が、初期状態で前記イメージセンサと平行に配置され前記被検体の表面と前記イメージセンサの表面が平行になるように前記被検体が固定される傾斜テーブルと、前記傾斜テーブルの表面と平行な面内で互いに直交する2つの軸周りに前記傾斜テーブルを回動自在に保持する回動保持部と、を備えたことを特徴とするX線ステレオ透視装置。
  2. 前記X線源と前記角度設定機構と前記イメージセンサを覆う遮蔽箱を有し、前記遮蔽箱の左右両側に配設された開閉扉を備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線ステレオ透視装置。
  3. 前記X線源と前記被検体との間に配設され前記被検体の表面から反射された反射光を反射させる反射ミラーと、前記被検体までの距離が前記X線源と光学的に等距離の位置に焦点を有し前記反射ミラーで反射された前記被検体の表面画像を撮影する光学カメラと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線ステレオ透視装置。
  4. 前記表示器が、前記透過画像と前記表面画像を重ねて表示することを特徴とする請求項3に記載のX線ステレオ透視装置。
  5. 請求項1乃至4の内いずれか1項に記載のX線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法であって、
    前記被検体が回動自在に保持された前記角度設定機構により前記被検体を回動させ前記被検体の表面と前記イメージセンサの表面とのなす角を設定する検出角度設定工程と、前記検出角度設定工程で設定された少なくとも二種類の角度で前記被検体にX線源からX線を照射し前記被検体を挟んで前記X線源に対向配置された平面状の前記イメージセンサで前記被検体の少なくとも二種類の角度の透過画像を検出する透過画像検出工程と、前記透過画像検出工程で検出した前記透過画像の中から角度の異なる二種類の前記透過画像を選択して前記表示器でステレオ表示するステレオ表示工程と、を有することを特徴とするステレオ観察方法。
  6. 前記ステレオ表示工程において、二つの透過画像の内の一方を固定し、他方を角度の異なる透過画像に連続的に切替えて表示させることを特徴とする請求項5に記載のステレオ観察方法。
  7. 前記ステレオ表示工程において、二つの透過画像を同時に角度の異なる透過画像に連続的に切替えて表示することを特徴とする請求項5に記載のステレオ観察方法。
  8. 請求項3又は4に記載のX線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法であって、
    前記反射ミラーにより前記被検体の表面から反射された反射光を反射させ、前記光学カメラにより前記被検体の透過画像に対応する前記表面画像を撮影する表面画像撮影工程を有することを特徴とするステレオ観察方法。
  9. 請求項4に記載のX線ステレオ透視装置を用いたステレオ観察方法であって、
    前記被検体の前記透過画像とそれに対応する前記表面画像を重ねて前記表示器でステレオ表示するハイブリッド表示工程を有することを特徴とするステレオ観察方法。
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