以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観について図1から図3を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10は、図1及び図2に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、基板ユニット400、遊技価値を付与する球払出ユニット500などから構成されている。
上述したガラスドア11は、図2に示すように、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、図1に示すように、開口11aが形成されている。また、この開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。この保護ガラス19は、ガラスドア11が閉鎖された状態で、後述する遊技盤14の前面に対面するように配設されている。特に、この保護ガラス19は、少なくとも遊技領域15の全域と対面するように配設されておればよいが、遊技領域15に該当しない遊技盤14の前面領域16(以降、遊技領域外16と称する)に対面するように配設されてもよい。
また、ガラスドア11は、その開口11aの下方に、コントロールパネル80が配設されている。このコントロールパネル80には、遊技球の貸し出し用操作部82、メニュー画面表示、メニュー選択、決定、取り消しなどのメニュー操作部84、遊技の進行に関する操作などのゲーム操作部88などが含まれている。尚、本実施形態において、このゲーム操作部88などは、遊技者に対して操作可能な操作手段の一例に相当する。
上述した皿ユニット21は、図2に示すように、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、図1に示すように、その上方に上皿20が設けられている。また、上皿20の下方には下皿22が設けられている。上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。また、上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、後述する球払出ユニット500に貯留されている遊技球が排出されることとなる。
上述した発射装置130は、図2に示すように、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、図1に示すように、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されている。発射ハンドル26は、回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル26の裏側には、発射モータ(図示せず)、球送りソレノイド(図示せず)などが設けられている。尚、遊技を行う遊技者は、発射ハンドル26等の操作が可能なパチンコ遊技機10の前方側に位置することとなる。つまり、このパチンコ遊技機10は、前方から遊技可能である。
また、この発射ハンドル26の周縁には、タッチセンサ(図示せず)、発射停止スイッチ(図示せず)などが設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。また、発射ハンドル26が回動操作されている場合であっても、この発射停止スイッチが操作されたときには、発射装置130によって遊技球が発射されない。
尚、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル26を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
上述した遊技盤14は、図2に示すように、ガラスドア11における保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。この遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂によって形成されている。この透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。つまり、遊技盤14は、透光性部材により一部又は全部が後方を視認可能に形成されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、図3に示すように、ガイドレール30などに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘(図示せず)が設けられている。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。また、この遊技盤14は、遊技場の管理者などによって他の遊技盤に交換可能であり、遊技盤を交換することにより、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
この遊技盤14の前面中央には、図3に示すように、始動口44、シャッタ40などが設けられている。この始動口44に遊技球が入球したことを条件として、特別図柄(識別情報の一例)の可変表示が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、この特別図柄の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態、所謂、「大当り」)となる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ容易な開放状態となることがある。
上述したように、ガラスドア11、遊技盤14、皿ユニット21、発射装置130が配設されたベースドア13は、図2に示すように、木枠12に軸着されている。ベースドア13の中央には開口13aが形成されている。このため、ベースドア13の後方に配設される液晶表示装置32の表示領域32aが、透過性を有する遊技盤14、保護ガラス19を介して、前方から視認可能となる。また、このベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
また、遊技盤14の中央には、図3に示すように、特別図柄表示装置33が配設されている。この特別図柄表示装置33は、7セグ表示が可能な表示装置であり、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置33における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この特別図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“0”から“9”の数字、“−”の絵柄を用いる。つまり、特別図柄表示装置33は、遊技領域15における始動口44(始動領域の一例)を遊技球が通過したことを条件として、識別情報の可変表示を行うこととなる。
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
また、この特別図柄表示装置33において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様(例えば、“0”から“9”のいずれかが導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様(例えば、“−”が導出表示される態様、所謂「はずれ態様」)になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
また、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、“1”、“3”、“5”、“7”、“9”が導出表示される態様、所謂「特別大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変状態に移行することとなる。一方、導出表示された特別図柄が、特定の表示態様のうち、特別の表示態様ではない非特別の表示態様(例えば、“0”、“2”、“4”、“6”、“8”が導出表示される態様、所謂「通常大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、遊技者に相対的に有利な時短状態に移行することとなる。そして、時短状態に移行した後に、大当り遊技状態に移行することなく、100回の識別情報の可変表示が行われた場合には、遊技者に相対的に不利な通常遊技状態に移行することとなる。
上述したような確変状態では、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。また、時短状態では、通常遊技状態よりも、識別情報の可変表示時間が短く、羽根部材48が開放状態となる時間が長くなるように制御されるため、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する可能性が向上する。
尚、導出表示された特別図柄が特別の表示態様となった場合に大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行する遊技状態を、特別大当り遊技状態と称する。また、導出表示された特別図柄が非特別の表示態様となった場合に大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態の終了後に通常遊技状態に移行する遊技状態を、通常大当り遊技状態と称する。
また、大当り遊技状態となった後に、確変状態となる特別大当りにおいては、大当り遊技状態中におけるラウンド制御の上限ラウンド数が15ラウンドとなる。つまり、遊技者に相対的に有利な第一の大当り遊技状態に遊技状態が移行されることとなる。一方、大当り遊技状態となった後に、確変状態とならない通常大当りにおいては、大当り遊技状態中におけるラウンド制御の上限ラウンド数が2ラウンドとなる。尚、本実施形態において、特別図柄表示装置33は、可変表示装置の一例に相当する。
上述した液晶表示装置32は、図2に示すように、ベースドア13に配設されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この液晶表示装置32は、開口13aを介して、遊技盤14の後方(背面側)に配設されることとなる。また、液晶表示装置32は、表示領域32aが開口13aを介して遊技盤14の全部又は一部と背面側から奥行き方向に重なるように配設されている。この液晶表示装置32における表示領域32aには、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。つまり、液晶表示装置32は、遊技に関する演出画像を表示する。また、言い換えると、液晶表示装置32は、遊技に関する演出画像を視認可能に表示する表示領域32aを有することとなる。
また、この液晶表示装置32には、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示に合わせて、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する装飾図柄が可変表示される。言い換えると、液晶表示装置32は、複数の図柄列(表示列)のそれぞれにおいて装飾図柄の可変表示を行う。これら複数の図柄列において装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。また、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示の結果が特別大当り表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが、特定の組合せのうちの特別の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“1”、“3”、“5”、“7”、“9”のうちいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「特別大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、確変状態に移行することとなる。一方、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示の結果が通常大当り表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが、特定の組合せのうちの特別の組合せではない非特別の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”、“2”、“4”、“6”、“8”のうちいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「通常大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行し、その大当り遊技状態が終了した場合に、通常遊技状態に移行することとなる。このように、液晶表示装置32は、装飾図柄(識別情報の一例)の可変表示を行う。言い換えると、液晶表示装置32は、大当り遊技状態に移行するか否かが判定された結果を表示することとなる。また、液晶表示装置32には、これらの装飾図柄の他にも、背景画像、演出用の演出画像等が表示される。つまり、液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示することとなる。尚、本実施形態における液晶表示装置32は、表示手段の一例に相当する。
このように、遊技者によってパチンコ遊技機10の前方から遊技が行われている場合、つまり、ガラスドア11が閉鎖した状態である場合には、透過性を有する遊技盤14の背面側に液晶表示装置32が配設されるとともに、遊技盤14の前面側に透過性を有する保護ガラス19が配設されるので、液晶表示装置32における表示領域32aに表示された画像が、透過性を有する遊技盤14及び保護ガラス19を介して遊技者に対して視認可能となる。
このため、透過性を有する遊技盤14の背面に液晶表示装置32が配設され、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて各種の演出を行うことによって、従来の遊技機にはなかった斬新な表示演出を提供することができ、興趣の向上を図ることができる。また、従来の遊技機においては、表示領域のサイズを大きくすることによって、遊技領域のサイズが小さくなる可能性があった。また、表示領域のサイズを大きくしないで、各種の画像を表示することは、遊技者にとって視認することが煩雑となるおそれもあった。そこで、各種の表示演出を実行することによって、液晶表示装置32における表示領域のサイズにとらわれない多種多様な演出を実行でき、興趣の向上を図ることができる。また、遊技盤14と、その遊技盤14の後方に配設される液晶表示装置32との間に隙間を設けたので、障害釘の調整を行う際などにおける衝撃が液晶表示装置32に伝導しにくく、液晶表示装置32を傷つけることを防止し、液晶表示装置32の製品寿命を永らえることができる。尚、液晶表示装置32に、役物、入賞口、球流路、リールの配置等のための穴を設けてもよい。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
上述した木枠12は、木製の枠体であり、その前方にベースドア13が軸着される。尚、本実施形態においては、木製の木枠12を用いた構成としたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、金属製、樹脂製の枠体を用いた構成としてもよい。また、この木枠12の中央には、開口12aが形成されている。この開口12aには、上述したベースドア13、液晶表示装置32、詳しく後述する基板ユニット400、球払出ユニット500などが配置される。
上述した基板ユニット400は、ベースドア13の後方に軸着されている。基板ユニット400には、パチンコ遊技機10を制御するための回路が形成された各種の基板(図示せず)などが内蔵されており、それらの基板が基板ケース(図示せず)によって覆われている。
上述した球払出ユニット500は、ベースドア13の後方に軸着されている。球払出ユニット500には、遊技球を貯留するための球貯留タンク(図示せず)と、球通路ケース(図示せず)とから構成され、球貯留タンクに貯留されている遊技球を、上述した払出口20a、22aへと導くこととなる。
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が設けられている。各種の役物の一例として図3を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技盤14の遊技領域15内の中央上方には、特別図柄表示装置33が設けられている。
また、特別図柄表示装置33の右側方には、普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置35が設けられている。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば“○”、“×”等の記号である。
また、遊技盤14の上方には、特別図柄ゲームにおける保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34aから34d(図4においては符号34と表す)、普通図柄ゲームにおける保留個数を表示する普通図柄保留表示装置37がそれぞれ設けられている。
また、遊技盤14の右上方には、大当り遊技状態における上限ラウンド数を表示する大当りラウンド数表示装置41が設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15内の上方には、球通過検出器54a及び54bが設けられている。この球通過検出器54a及び54bは、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、普通図柄表示装置35における普通図柄(図示せず)の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば“○”、“×”等の記号である。この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、後述する始動口44の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物、以降、普通電役と称することがある)48が閉鎖状態から開放状態となり、始動口44に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口44に遊技球が入りにくくなるようにする。
また、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、遊技球の一般入賞口56aから56dが設けられている。
また、遊技盤14の遊技領域15の下方には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。上述したように、導出表示された特別図柄が特定の表示態様である場合には、遊技状態が大当り遊技状態に移行され、このシャッタ40が遊技球を受け入れやすい開放状態(第一の状態)となるように駆動される。また、この大入賞口には、カウントセンサ104(図4参照)を有する一般領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ40は、上限ラウンド数に至っていないことを条件に、再度開放状態に駆動される。
また、シャッタ40の上方には、始動入賞球センサ116(図4参照)を有する始動口44が設けられている。この始動口44に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、特別図柄を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の可変表示開始条件としては、本実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと(始動領域を遊技球が通過したこと)を主な条件とする。つまり、所定の可変表示開始条件が成立したときに(始動領域を遊技球が通過したことを条件に)特別図柄の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと等を所定の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
また、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示中に遊技球が始動口44へ入賞した場合には、可変表示中の特別図柄が導出表示されるまで、当該始動口44への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留される、つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合(所定の可変表示保留条件が成立した場合)には、所定の可変表示開始条件が成立するまで、特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。特別図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示の実行が開始される。また、特別図柄が導出表示された場合に実行される特別図柄の可変表示の実行は一回分である。例えば、特別図柄の可変表示の実行が三回分保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示のうち一回分が実行され、残りの二回分は保留される。また、特別図柄の可変表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の可変表示が保留される。このように特別図柄ゲームにおける識別情報の可変表示が保留された場合には、特別図柄保留表示装置34は、その保留個数を表示することとなる。
また、普通図柄ゲームにおいても同じように、普通図柄の変動表示中において球通過検出器54a及び54bの近傍を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が導出表示されるまで、当該球通過検出器54a及び54bへの遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。普通図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、普通図柄が導出表示された場合には、所定時間経過後、保留されている普通図柄の可変表示が開始される。また、普通図柄が導出表示された場合に実行される普通図柄の可変表示の実行は一回分である。この保留された普通図柄の可変表示の実行回数(所謂、「普通図柄に関する保留個数」、「普通図柄ゲームにおける保留個数」)は、普通図柄保留表示装置37によって表示される。また、普通図柄の可変表示の実行が保留される回数にも上限が設定されており、例えば、4回を上限として普通図柄の可変表示が保留される。このように普通図柄ゲームにおける識別情報の可変表示が保留された場合には、普通図柄保留表示装置37は、その保留個数を表示することとなる。
尚、本実施形態においては、4回を上限として特別図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、特別図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、特別図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。また、本実施形態においては、4回を上限として普通図柄の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、普通図柄の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、普通図柄の可変表示を保留しないように構成してもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図4に示す。
パチンコ遊技機10は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものである。副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うものである。
主制御回路60は、図4に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、高確率フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。高確率フラグは、大当り遊技状態に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、導出表示される特別図柄を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、特別図柄及び装飾図柄の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。尚、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。尚、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態における大入賞口39の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口39に入賞し、カウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更には、保留個数を示すデータは、始動口44へ遊技球が入賞したが、特別図柄の可変表示が実行できないときに、当該可変表示を保留するが、その保留されている特別図柄の可変表示回数を示すものである。
尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。尚、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図4に示すように、特別図柄表示装置33、特別図柄保留表示装置34、普通図柄表示装置35、普通図柄保留表示装置37、大当りラウンド数表示装置41、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、バックアップクリアスイッチ124などが接続されている。
特別図柄表示装置33は、主制御回路60からの信号に応じて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行うものである。
特別図柄保留表示装置34は、主制御回路60からの信号に応じて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示するものである。
普通図柄表示装置35は、主制御回路60からの信号に応じて、普通図柄ゲームにおける識別情報としての普通図柄の可変表示を行うものである。
普通図柄保留表示装置37は、主制御回路60からの信号に応じて、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示するものである。
大当りラウンド数表示装置41は、主制御回路60からの信号に応じて、移行した大当り遊技状態における上限ラウンド数を表示するものである。
カウントセンサ104は、大入賞口39内に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dに設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114、115は、球通過検出器54a及び54bに設けられている。この通過球センサ114、115は、球通過検出器54a及び54bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
始動入賞球センサ116は、始動口44に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材48に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図1に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。具体的には、払出・発射制御回路126には、その払出・発射制御回路126を制御するためのCPU(図示せず)と、CPUに処理を実行させるためのプログラムが記憶されているROM(図示せず)と、CPUの作業領域であるRAM(図示せず)とが少なくとも備えられている。また、カードユニット150には、貸し出し用操作部82が接続されており、その操作に応じて、カードユニット150に操作信号が供給される。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。尚、払出装置128は、発射(投入)された遊技媒体が所定の領域を通過することにより遊技媒体を払出す払出手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、払出手段の駆動制御を行う払出制御手段の一例として採用されている。
また、発射装置130には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射モータにより遊技盤14に順次発射される。尚、このような発射装置130は、遊技者の操作に応じて遊技媒体を発射する発射手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、発射手段の駆動制御を行う発射制御手段の一例として採用されている。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46(図1においては46L及び46R)から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ(図示せず)などを含むランプ132の制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、サブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどを含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、副制御回路200には、遊技者によって操作可能なメニュー操作部84、ゲーム操作部88などが接続されており、その操作(操作状態)に応じて操作信号が副制御回路200に供給される。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
また、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータなどから構成されている。表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。
上述したサブCPU206は、プログラムROM208に記憶された複数のオブジェクトから仮想空間内に配置するオブジェクトの種類と、その配置位置を決定する。また、サブCPU206は、視点位置、視点方向を決定する。更には、サブCPU206は、オブジェクトに設定されるテクスチャを決定する。サブCPU206は、このように決定したオブジェクトと、視点との位置関係によって、視点から見たオブジェクトなどの立体画像データを生成する。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される立体画像データや、サブCPU206から供給される画像表示命令などに応じて、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データなど、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
つまり、サブCPU206は、仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類、そのオブジェクトの位置、オブジェクトに設定するテクスチャ、視点位置を決定するとともに、そのテクスチャが設定されたオブジェクトと視点位置との仮想空間内における位置関係を所定の時間毎に算出することによって、視点位置から見た立体画像を生成することとなる。また、表示制御回路250は、サブCPU206によって生成される立体画像を液晶表示装置32に表示させる制御を行うこととなる。また、プログラムROM208には、仮想空間内に配置される複数種類のオブジェクトや、明度、色相、彩度が異なる複数種類のテクスチャが記憶されている。尚、本実施形態において、このようなサブCPUは、画像生成手段の一例に相当する。また、本実施形態において、このような表示制御回路250は、可変表示制御手段、画像表示制御手段の一例に相当する。また、本実施形態において、このようなプログラムROM208は、オブジェクト記憶手段、テクスチャ記憶手段の一例に相当する。尚、本実施形態においては、オブジェクトの種類、そのオブジェクトの位置、オブジェクトに設定するテクスチャ、視点位置などを示すデータがプログラムROM208に記憶されていたが、これに限らず、例えば、プログラムROM208とは別の記憶媒体(例えば、画像データROMなど)に記憶されていてもよい。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)などから構成されている。
この音源ICは、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROMなどから構成されている。
[配置領域テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるプログラムROM208に記憶されている配置領域テーブルについて図5を用いて説明する。尚、以下に説明する配置領域テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。また、仮想空間内に予め設定されている各種の領域(バウンディングボックス)について図6を用いて説明する。
プログラムROM208に記憶された配置領域テーブルは、仮想空間内において設定されている領域を示すテーブルである。この配置領域テーブルにおいては、図5に示すように、各種の領域と、領域の相互関係と、が対応付けて記憶されている。
具体的には、図5及び図6に示すように、仮想空間Z内に設定されている各種の領域には、オブジェクトを配置するためのオブジェクト配置領域Oと、視点を配置するための複数の視点位置配置領域とが含まれている。複数種類の視点位置配置領域には、視点位置配置領域A、視点位置配置領域B、視点位置配置領域Cが含まれている。これら各種の領域は、仮想空間内に設定されるバウンディングボックスであり、オブジェクトのみが配置可能な領域と、視点のみが配置可能な領域とのいずれかに設定されている。また、これら各種の領域間を跨いでオブジェクトや視点が移動不可能であり、隣接する隣接位置に視点位置が設定されることによって、隣接する領域に再度設定されることとなる。尚、本実施形態においてこれらバウンディングボックスは立方形状であるが、これに限らない。
オブジェクト配置領域Oは、複数の視点位置配置領域とは別の領域であり、それら複数の視点位置配置領域とは隣接していない。また、オブジェクト配置領域Oは、視点が配置不可能な領域である。つまり、プログラムROM208には、仮想空間Z内のうち、視点位置配置領域とは別であり、オブジェクトが配置可能であり、視点位置が配置不可能なオブジェクト配置領域Oが設定されている。尚、本実施形態において、このようなオブジェクト配置領域Oが設定されているプログラムROM208は、オブジェクト配置設定手段の一例に相当する。
一方、複数の視点位置配置領域は、オブジェクト配置領域Oと別の領域であり、相互にも別の領域である。それら複数の視点位置配置領域のうち、視点位置配置領域Aは、視点位置配置領域Bと隣接位置(隣接面)ABで隣接している。また、視点位置配置領域Bは、視点位置配置領域Aと隣接位置ABで隣接しており、視点位置配置領域Cと隣接位置(隣接面)BCで隣接している。つまり、プログラムROM208には、仮想空間Z内のうち、オブジェクト配置領域Oとは別であり、視点位置が配置可能であり、オブジェクトが配置不可能な視点位置配置領域が複数設定されている。また、プログラムROM208には、複数の視点位置配置領域のうちいずれかが相互に隣接して設定されている。つまり、プログラムROM208には、第1の視点位置配置領域(例えば、視点位置配置領域B)と、その第1の視点位置配置領域に隣接する第2の視点位置配置領域(例えば、視点位置配置領域Aや視点位置配置領域C)とが設定されている。また、視点位置配置領域Aから視点位置配置領域Cは、オブジェクトが配置不可能な領域である。また、視点位置配置領域Cは、視点位置配置領域Bと隣接位置BCで隣接している。また、視点位置は、これら複数の視点位置配置領域のいずれかの領域内に限り移動可能に決定され、隣接する一方の視点位置配置領域の隣接位置に配置された場合には、隣接する他方の視点位置配置領域の隣接位置に配置されることとなる。尚、本実施形態において、これらのような視点位置配置領域Aから視点位置配置領域Cが設定されているプログラムROM208は、視点位置配置設定手段の一例に相当する。
[視点決定テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるプログラムROM208に記憶されている視点決定テーブルについて図7を用いて説明する。尚、以下に説明する視点決定テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
プログラムROM208に記憶された視点決定テーブルは、視点を決定するためのテーブルである。この視点決定テーブルには、図7に示すように、ボックスの種類と、乱数値と、視点位置の始点から終点までの座標情報や視点方向(視点パターン番号を含む)と、内容と、が対応付けて記憶されている。このボックスの種類とは、上述した視点位置を決定するための視点位置配置領域(視点のバウンディングボックス)の種類を示す。特に、乱数値は、大当り遊技状態に移行させると判定された場合における乱数値と、大当り遊技状態に移行させないと判定された場合における乱数値と、が含まれている。
具体的には、視点位置配置領域が視点位置配置領域Aであり、かつ、大当り遊技状態に移行させると判定された場合において、乱数値が“0”〜“5”であるときには、視点位置配置領域Aのままである視点パターン番号“01”が選択され、乱数値が“6”〜“11”であるときには、視点位置配置領域Aのままである視点パターン番号“02”が選択され、乱数値が“12”〜“17”であるときには、視点位置配置領域Aのままである視点パターン番号“03”が選択され、乱数値が“18”〜“23”であるときには、視点位置配置領域Aのままである視点パターン番号“04”が選択され、乱数値が“24”〜“49”であるときには、視点位置配置領域Bへ移動する視点パターン番号“05”が選択され、乱数値が“50”〜“99”であるときには、説明を省略するが、視点位置配置領域Aのままである視点パターンが選択される。
一方、視点位置配置領域が視点位置配置領域Aであり、かつ、大当り遊技状態に移行させないと判定された場合において、乱数値が“0”〜“9”であるときには、視点位置配置領域Aのままである視点パターン番号“01”が選択され、乱数値が“10”〜“19”であるときには、視点位置配置領域Aのままである視点パターン番号“02”が選択され、乱数値が“20”〜“29”であるときには、視点位置配置領域Aのままである視点パターン番号“03”が選択され、乱数値が“30”〜“39”であるときには、視点位置配置領域Aのままである視点パターン番号“04”が選択され、乱数値が“40”〜“49”であるときには、視点位置配置領域Bへ移動する視点パターン番号“05”が選択され、乱数値が“50”〜“99”であるときには、説明を省略するが、視点位置配置領域Aのままである視点パターンが選択される。
また、視点位置配置領域が視点位置配置領域Bであり、かつ、大当り遊技状態に移行させると判定された場合において、乱数値が“0”〜“5”であるときには、視点位置配置領域Bのままである視点パターン番号“31”が選択され、乱数値が“6”〜“27”であるときには、視点位置配置領域Aへ移動する視点パターン番号“32”が選択され、乱数値が“28”〜“33”であるときには、視点位置配置領域Bのままである視点パターン番号“33”が選択され、乱数値が“34”〜“39”であるときには、視点位置配置領域Cへ移動する視点パターン番号“34”が選択され、乱数値が“40”〜“61”であるときには、視点位置配置領域Bのままである視点パターン番号“35”が選択され、乱数値が“62”〜“99”であるときには、説明を省略するが、視点位置配置領域Bのままである視点パターンが選択される。
一方、視点位置配置領域が視点位置配置領域Bであり、かつ、大当り遊技状態に移行させないと判定された場合において、乱数値が“0”〜“9”であるときには、視点位置配置領域Bのままである視点パターン番号“31”が選択され、乱数値が“10”〜“19”であるときには、視点位置配置領域Aへ移動する視点パターン番号“32”が選択され、乱数値が“20”〜“29”であるときには、視点位置配置領域Bのままである視点パターン番号“33”が選択され、乱数値が“30”〜“39”であるときには、視点位置配置領域Cへ移動する視点パターン番号“34”が選択され、乱数値が“40”〜“49”であるときには、視点位置配置領域Bのままである視点パターン番号“35”が選択され、乱数値が“50”〜“99”であるときには、説明を省略するが、視点位置配置領域Bのままである視点パターンが選択される。
また、視点位置配置領域が視点位置配置領域Cであり、かつ、大当り遊技状態に移行させると判定された場合において、乱数値が“0”〜“5”であるときには、視点位置配置領域Cのままである視点パターン番号“61”が選択され、乱数値が“6”〜“11”であるときには、視点位置配置領域Cのままである視点パターン番号“62”が選択され、乱数値が“12”〜“37”であるときには、視点位置配置領域Bへ移動する視点パターン番号“63”が選択され、乱数値が“38”〜“43”であるときには、視点位置配置領域Cのままである視点パターン番号“64”が選択され、乱数値が“44”〜“49”であるときには、視点位置配置領域Cのままである視点パターン番号“65”が選択され、乱数値が“50”〜“99”であるときには、説明を省略するが、視点位置配置領域Cのままである視点パターンが選択される。
一方、視点位置配置領域が視点位置配置領域Cであり、かつ、大当り遊技状態に移行させないと判定された場合において、乱数値が“0”〜“9”であるときには、視点位置配置領域Cのままである視点パターン番号“61”が選択され、乱数値が“10”〜“19”であるときには、視点位置配置領域Cのままである視点パターン番号“62”が選択され、乱数値が“20”〜“29”であるときには、視点位置配置領域Bへ移動する視点パターン番号“63”が選択され、乱数値が“30”〜“39”であるときには、視点位置配置領域Cのままである視点パターン番号“64”が選択され、乱数値が“40”〜“49”であるときには、視点位置配置領域Cのままである視点パターン番号“65”が選択され、乱数値が“50”〜“99”であるときには、説明を省略するが、視点位置配置領域Cのままである視点パターンが選択される。
尚、視点パターン番号が“01”である場合には、始点における視点位置が“x01,y01,z01”、終点における視点位置が“x11,y11,z11”、視点方向が“x21,y21,z21”となる。また、視点パターン番号が“02”である場合には、始点における視点位置が“x02,y02,z02”、終点における視点位置が“x12,y12,z12”、視点方向が“x22,y22,z22”となる。また、視点パターン番号が“03”である場合には、始点における視点位置が“x03,y03,z03”、終点における視点位置が“x13,y13,z13”、視点方向が“x23,y23,z23”となる。また、視点パターン番号が“04”である場合には、始点における視点位置が“x04,y04,z04”、終点における視点位置が“x14,y14,z14”、視点方向が“x24,y24,z24”となる。また、視点パターン番号が“05”である場合には、始点における視点位置が“x05,y05,z05”、終点における視点位置が“x15,y15,z15”、視点方向が“x25,y25,z25”となる。
また、視点パターン番号が“31”である場合には、始点における視点位置が“x31,y31,z31”、終点における視点位置が“x41,y41,z41”、視点方向が“x51,y51,z51”となる。また、視点パターン番号が“32”である場合には、始点における視点位置が“x32,y32,z32”、終点における視点位置が“x42,y42,z42”、視点方向が“x52,y52,z52”となる。また、視点パターン番号が“33”である場合には、始点における視点位置が“x33,y33,z33”、終点における視点位置が“x43,y43,z43”、視点方向が“x53,y53,z53”となる。また、視点パターン番号が“34”である場合には、始点における視点位置が“x34,y34,z34”、終点における視点位置が“x44,y44,z44”、視点方向が“x54,y54,z54”となる。また、視点パターン番号が“35”である場合には、始点における視点位置が“x35,y35,z35”、終点における視点位置が“x45,y45,z45”、視点方向が“x55,y55,z55”となる。
また、視点パターン番号が“61”である場合には、始点における視点位置が“x61,y61,z61”、終点における視点位置が“x71,y71,z71”、視点方向が“x81,y81,z81”となる。また、視点パターン番号が“62”である場合には、始点における視点位置が“x62,y62,z62”、終点における視点位置が“x72,y72,z72”、視点方向が“x82,y82,z82”となる。また、視点パターン番号が“63”である場合には、始点における視点位置が“x63,y63,z63”、終点における視点位置が“x73,y73,z73”、視点方向が“x83,y83,z83”となる。また、視点パターン番号が“64”である場合には、始点における視点位置が“x64,y64,z64”、終点における視点位置が“x74,y74,z74”、視点方向が“x84,y84,z84”となる。また、視点パターン番号が“65”である場合には、始点における視点位置が“x65,y65,z65”、終点における視点位置が“x75,y75,z75”、視点方向が“x85,y85,z85”となる。
尚、これら複数種類の視点パターンのうち、視点位置配置領域Aへ移動する視点パターン、視点位置配置領域Bへ移動する視点パターン、視点位置配置領域Cへ移動する視点パターンなどにおいては、一方の視点位置配置領域が他方の視点位置配置領域に隣接する隣接位置に視点位置が視点パターンの終点として配置された後に、他方の視点位置配置領域が一方の視点位置配置領域に隣接する隣接位置に次の視点位置が視点パターンの始点として配置されることによって、一方の視点位置配置領域から他方の視点位置配置領域に移動することとなる。これによって、相互に隣接する複数の視点位置配置領域間において、視点位置が移動可能に配置されることとなる。
このように、大当り遊技状態に移行させるか否かと、乱数値とに基づいて、視点位置、視点方向などの視点パターンが決定される。また、大当り遊技状態に移行させると判定された場合には、大当り遊技状態に移行させないと判定された場合よりも高い確率で、視点位置配置領域の隣接位置(具体的には、視点位置配置領域Aと視点位置配置領域Bとの隣接位置、視点位置配置領域Bと視点位置配置領域Cとの隣接位置など)に配置を変更させる視点位置が決定されることとなる。この場合においては、その隣接位置に視点位置を決定した場合には、一方の視点位置配置領域から他方の視点位置配置領域に視点位置の配置が変更されることとなる。
[表示画面の説明]
また、上述した構成において実行される特別図柄ゲームに関する表示画面について図8を用いて説明する。
[特別図柄ゲームの説明]
特別図柄表示装置33においては、図3に示すように、特別図柄が可変表示される。具体的には、特別図柄の導出表示がされている場合において、所定の可変表示開始条件が成立したときには、特別図柄の可変表示が実行される。そして、停止表示され、その導出表示された特別図柄が、非特定の表示態様(例えば、“0”から“9”などにならない態様、“−”)となったことを条件に、大当り遊技状態に移行せず、通常遊技状態等、現在の遊技状態が維持され、特定の表示態様(例えば、“0”から“9”など)となったことを条件に、遊技状態が大当り遊技状態に移行されることとなる。
また、液晶表示装置32における表示領域32a上では、特別図柄表示装置33における特別図柄を装飾するための複数列の装飾図柄の可変表示が行われる。具体的には、特別図柄が導出表示されている場合には、図8(A)に示すように、装飾図柄も導出表示されている。そして、上述した所定の可変表示開始条件が成立したときには、特別図柄と同じように、図8(B)に示すように、装飾図柄の可変表示も実行される。そして、特別図柄が導出表示される前に、図8(C)に示すように、左列に装飾図柄が停止表示され、その後、右列に装飾図柄が停止表示される。そして、特別図柄が導出表示されるタイミングで、中列の装飾図柄が停止表示され、装飾図柄が導出表示されることとなる。
また、導出表示される装飾図柄は、導出表示される特別図柄と関連性を有する。具体的には、特別図柄が“−”である場合には、装飾図柄は、非特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃わない態様)となり、特別図柄が“0”から“9”である場合には、装飾図柄は、特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となる。つまり、全ての列が停止表示され、その導出表示された複数列の装飾図柄が、図8(D)に示すように、非特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃わない態様)となると、特別図柄が“−”として導出表示され、通常遊技状態等、現在の遊技状態が維持される。一方、複数列の装飾図柄が、図8(E)に示すように、リーチとなり、図8(F)に示すように、特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となると、特別図柄が“0”から“9”として導出表示され、遊技状態が大当り遊技状態に移行されることとなる。
また、装飾図柄以外にも、背景画像などが表示される。この背景画像は、上述したように、オブジェクトと視点との位置関係によって描画される立体画像である。図8(A)から図8(C)に示すように、視点が移動され、木々に近づき、大当りとなる可能性が高い場合には、図8(E)に示すように、木々の側方に固定して配置された立て札が表示され、その立て札には“大当り期待度80%”と表示される。一方、大当りとなる可能性が低い場合には、図8(D)に示すように、木々の側方に固定して配置された立て札が表示されない。このように、立て札を表示させることによって、大当り遊技状態に移行させるか否かが判定された結果が示唆されることとなる。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図9から図11、図13から図22に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図11)の状態遷移について図12を用いて説明する。
[メイン処理]
最初に、図9に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図11を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示装置33に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。そして、メインCPU66は、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS16)。そして、メインCPU66は、ステップS15、ステップS16の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する(ステップS19)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15、ステップS16及びステップS19の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図10を用いて説明する。
最初に、図10に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、この処理において、メインCPU66は、始動口44等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、導出表示される特別図柄の種類を示す導出図柄指定コマンド、特別図柄の変動表示パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図9のステップS15において実行されるサブルーチンについて図11を用いて説明する。尚、図11において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図11に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図13を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。また、メインCPU66は、移行する大当り遊技状態の種類を示す遊技状態コマンドを示すデータをメインRAM70の所定領域にセットする。このように記憶された遊技状態コマンドを示すデータは、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に遊技状態コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した遊技状態コマンドに基づいて、大当り遊技状態に移行されることと、移行される大当り遊技状態の種類が認識可能となる。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。尚、このような処理を実行するメインCPU66は、大当り移行制御手段の一例に相当する。
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。尚、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである、具体的には、特別大当り遊技状態においては15ラウンド、通常大当り遊技状態においては2ラウンド)という条件を満たすか否かを判断する。メインCPU66は、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
ステップS79においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。そして、メインCPU66は、大当り図柄が確変図柄である場合には、高確率フラグをセットすることによって、確変状態に移行させる制御を行い、大当り図柄が非確変図柄である場合には、時短フラグをセットすることによって、時短状態に移行させる制御を行うこととなる。また、メインCPU66は、確変状態に移行させる場合には、確変状態に移行する旨の遊技状態コマンドを示すデータを、時短状態に移行させる場合には、時短状態に移行する旨の遊技状態コマンドを示すデータを、メインRAM70の所定領域にセットする。このように記憶された遊技状態コマンドを示すデータは、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に遊技状態コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した遊技状態コマンドに基づいて、確変状態、時短状態に移行されることが認識可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。また、メインCPU66は、通常遊技状態に移行させる場合には、通常遊技状態に移行する旨の遊技状態コマンドを示すデータをメインRAM70の所定領域にセットする。このように記憶された遊技状態コマンドを示すデータは、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に遊技状態コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した遊技状態コマンドに基づいて、通常遊技状態に移行されることが認識可能となる。また、メインCPU66は、時短状態である場合には、識別情報の可変表示の回数を計数し、その回数が所定回数(例えば、100回)となった場合には、時短フラグをクリアし、時短状態から通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図12に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図11に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図11に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図11に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。尚、特定遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件(特定遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図11に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。尚、この特定遊技終了条件には、大当りラウンド最大継続数(上限ラウンド数、例えば、本実施形態においては2又は15ラウンド)が終了したことを条件として大当り遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図11のステップS72において実行されるサブルーチンについて図13を用いて説明する。
最初に、図13に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
そして、ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。例えば、通常時における大当り判定テーブルでは、2個の大当り判定値が設定されているが、高確率時における大当り判定テーブルでは、10個の大当り判定値が設定されており、高確率フラグに基づいて大当り判定テーブルを選択することによって、大当り遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、高確率フラグが所定の値(例えば“77”)である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、大当り遊技状態に移行する確率(特別図柄の可変表示の結果を特定の表示態様とする確率)は、通常時よりも向上することとなるのである。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。言い換えると、メインCPU66は、遊技領域15における始動口44(始動領域)を遊技球が通過したことを条件として、大当り遊技状態に移行させるか否かを判定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するメインCPU66は、大当り判定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、ステップS107に処理を移し、大当りであるとは判別しなかった場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS107において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。また、メインCPU66は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、上述したステップS79において確変状態に移行させる制御を行うこととなる。このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
一方、ステップS108においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄を、特別図柄に決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS107及びステップS108により決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。メインCPU66は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。つまり、メインCPU66は、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置33の表示制御を行うこととなる。尚、本実施形態において、このようなメインCPU66は、可変表示制御手段の一例に相当する。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、図10のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
ステップS110においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動時間を示す変動時間テーブルと、に基づいて、変動時間を算出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図14を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、図14に示すように、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS201)。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。詳しくは図17を用いて後述するが、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。詳しくは図22を用いて後述するが、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う。
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ132の発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、再度、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、コマンドを受信したタイミングなど)によりコマンド割込処理を実行することとなる。このコマンド割込処理について図15を用いて説明する。
最初に、図15に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS221)を行い、主制御回路60から受信した各種の受信コマンドを、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファに格納する(ステップS222)。そして、サブCPU206は、ステップS221において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS223)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[VDP割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、表示装置における垂直同期のタイミング(1/60s)など、一定の周期毎など)によりVDP割込処理を実行することとなる。このVDP割込処理について図16を用いて説明する。
最初に、図16に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS231)を行い、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたVDPカウンタを“1”増加させて記憶する(ステップS232)。このVDPカウンタは、画像を表示させるためのカウンタであり、画像を表示させるタイミングをカウントする。具体的には、垂直同期のタイミング毎に呼び出される本処理を実行する度に、VDPカウンタが“1”増加することとなる。これによって、後述する表示制御処理(図22参照)において、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”増加する毎に、表示制御を行うためのデータを表示制御回路250に供給することとなる。つまり、本処理を実行するサブCPU206は、画像を表示するためのタイミングをカウントしている。そして、サブCPU206は、ステップS231において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS233)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図14のステップS203において実行されるサブルーチンについて図17を用いて説明する。
最初に、図17に示すように、サブCPU206は、受信コマンドがあるか否かを判断する(ステップS401)。この処理において、サブCPU206は、コマンド割込処理(図15参照)のステップS222においてコマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、受信コマンドがあるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出し(ステップS402)、ステップS403に処理を移す。一方、サブCPU206は、受信コマンドがないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
つまり、ステップS402を実行するサブCPU206は、主制御回路60によって送信された各種のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドなど)を受信することとなる。尚、本実施形態において、ステップS402を実行するサブCPU206は、コマンド受信手段の一例に相当する。
ステップS403において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS404に処理を移す。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS406に処理を移す。
ステップS404において、サブCPU206は、演出パターン決定処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、装飾図柄の変動パターン、背景画像を表示する画像演出パターンなど、各種の演出パターンを決定する。そして、詳しくは図18を用いて詳しく後述するが、サブCPU206は、表示パターン決定処理を実行する(ステップS405)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS406において、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、導出図柄指定コマンドに基づいて、導出表示させる装飾図柄を決定する導出装飾図柄決定処理を実行し(ステップS407)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS408に処理を移す。
ステップS408において、サブCPU206は、遊技状態コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、遊技状態コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、遊技状態コマンドを受信したと判別した場合には、遊技状態コマンドに対応するデータをセットし(ステップS409)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、遊技状態コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS410に処理を移す。
ステップS410において、メインCPU66は、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし、本サブルーチンを終了する。
[表示パターン決定処理]
図17のステップS405において実行されるサブルーチンについて図18を用いて説明する。
最初に、図18に示すように、サブCPU206は、大当りか否かを参照する(ステップS421)。この処理において、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドが、大当りとなる変動パターン指定コマンドか否かによって、大当りか否かを参照することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS422に処理を移す。
ステップS422において、サブCPU206は、変動時間に基づいて視点パターンの選択回数を決定する。この処理において、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、変動時間が10.0s以下である場合には、視点パターンの選択回数を1回として、変動時間が10.0sより長く20.0s以下である場合には、視点パターンの選択回数を2回として、変動時間が20.0sより長く30.0s以下である場合には、視点パターンの選択回数を3回として、変動時間が30.0sより長く40.0s以下である場合には、視点パターンの選択回数を4回として決定する。これによって、サブCPU206は、後述するステップS423、ステップS424を一回又は複数回実行させることとなる。尚、サブCPU206は、視点パターンの選択回数を複数回とすると決定した場合には、後述するステップS423、ステップS424において、識別情報の可変表示中における視点を決定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS423に処理を移す。
ステップS423において、サブCPU206は、乱数値を抽出する。この処理において、サブCPU206は、視点位置や視点方向を決定するための乱数値を抽出する。尚、サブCPU206は、ステップS422において決定された回数に対応する乱数値を抽出することとなる。つまり、サブCPU206は、所定の乱数値を抽出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、乱数抽出手段の一例に相当する。
そして、サブCPU206は、視点決定テーブル(図7参照)を参照し、ステップS421において大当りであるか否かを参照した結果と、ステップS423において抽出された乱数値とに基づいて、視点位置配置領域内における視点位置や視点方向などの視点パターンを決定する(ステップS424)。つまり、サブCPU206は、ステップS423によって抽出される乱数値に基づいて、複数種類の視点パターンからいずれかを選択することとなる。また、詳しくは後述するが、サブCPU206は、このように選択された視点パターンに対応して視点位置を移動可能に決定することとなる。特に、サブCPU206は、今現在の視点位置配置領域(例えば、視点位置配置領域内Aなど)内に視点位置を移動可能に決定することとなる。また、この視点決定テーブルにおいては、上述したように、大当り遊技状態に移行させると決定された場合には、大当り遊技状態に移行させないと決定された場合よりも高い確率で、相互に隣接する視点位置配置領域の隣接位置に視点位置の配置が変更される。このため、サブCPU206は、大当り遊技状態に移行させると判定された場合には、大当り遊技状態に移行させないと判定された場合よりも高い確率で、相互に隣接する視点位置配置領域の隣接位置に配置を変更させる視点位置を決定することとなり、相互に視点位置配置領域が隣接する隣接位置に視点位置を決定した場合には、一方の視点位置配置領域から他方の視点位置配置領域に配置を変更させる視点位置を決定することとなる。尚、サブCPU206は、ステップS422において決定された回数に対応する乱数値に基づいて、視点位置や視点方向などの視点パターンを決定する。つまり、サブCPU206は、識別情報の可変表示の時間が長い場合には、識別情報の可変表示の時間が短い場合よりも多くの回数分の視点位置を決定することとなる。また、サブCPU206は、ステップS422において視点パターンの選択回数を複数回とすると決定した場合には、識別情報の可変表示中において視点位置を移動可能に決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、視点位置決定手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、このように決定した視点位置や視点方向を示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[画像生成処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミングにより画像生成処理を実行することとなる。この画像生成処理について図19を用いて説明する。尚、この画像生成処理は、VDPカウンタが“0”に変更されたタイミングから所定のタイミングで実行され、次にVDPカウンタが“2”となるまでに、各種の処理のバックグラウンドで、今現在表示されている画像の次のコマに対応する画像データを生成する処理である。
最初に、図19に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避を行う(ステップS361)。そして、サブCPU206は、オブジェクト設定処理を実行する(ステップS362)。詳しくは図20を用いて後述するが、サブCPU206は、仮想空間内に配置するオブジェクトを決定し、そのオブジェクトを仮想空間内に配置させる設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS363に処理を移す。
ステップS363において、サブCPU206は、視点設定処理を実行する。詳しくは図21を用いて後述するが、サブCPU206は、仮想空間内に配置する視点の視点位置や視点方向を決定し、その視点を仮想空間内に配置させる設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS364に処理を移す。
ステップS364において、サブCPU206は、設定されたオブジェクトにテクスチャを設定する。この処理において、サブCPU206は、ステップS362において設定されたオブジェクトの表面に対応するテクスチャを設定する。この処理が終了した場合には、ステップS365に処理を移す。
ステップS365において、サブCPU206は、オブジェクトと視点との位置関係に基づいて、画像データを生成させる。この処理において、サブCPU206は、ステップS362において設定され、ステップS364においてテクスチャが設定されたオブジェクトと、ステップS363において設定された視点との位置関係を算出する。そして、サブCPU206は、その位置関係に基づいて、画像データの生成し、生成処理を終了する。尚、このサブルーチンは、VDPカウンタが“0”から“2”となるまでに終了する。つまり、サブCPU206は、仮想空間内に配置されると決定されたオブジェクトと、決定された視点位置との仮想空間内における位置関係を所定の時間毎に算出することによって、視点位置から見た立体画像を生成することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、画像生成手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、このように生成処理を開始させた後に、ステップS361において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS366)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[オブジェクト設定処理]
図19のステップS362において実行されるサブルーチンについて図20を用いて説明する。
最初に、図20に示すように、サブCPU206は、決定された演出パターン及びそのコマ数に対応してオブジェクトの種類、位置を決定する(ステップS371)。この処理において、サブCPU206は、ステップS404において決定された演出パターンを読み出す。また、サブCPU206は、読み出した演出パターンのうち、VDPカウンタが所定数(例えば、“2”など)となる毎にカウントされるコマ数に対応して、仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類や、そのオブジェクトの配置される位置を決定する。特に、サブCPU206は、予め設定されているオブジェクト配置領域内に、オブジェクトを配置させると決定することとなる。つまり、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶された複数種類のオブジェクトのうち、仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類を決定するとともに、設定されたオブジェクト配置領域内においてそのオブジェクトの位置を決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS372に処理を移す。
ステップS372において、サブCPU206は、決定されたオブジェクトを仮想空間内に配置する。この処理において、サブCPU206は、ステップS371やステップS372において仮想空間内に配置すると決定されたオブジェクトを、仮想空間内に配置する。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、決定されたオブジェクトを仮想空間内に配置させる設定を行うオブジェクト設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[視点設定処理]
図19のステップS363において実行されるサブルーチンについて図21を用いて説明する。
最初に、図21に示すように、サブCPU206は、決定された視点パターンに対応して視点位置、視点方向を決定する(ステップS381)。この処理において、サブCPU206は、ステップS426において決定された視点パターンのうち、上述したコマ数に対応して、視点位置、視点方向を決定する。つまり、サブCPU206は、ステップS423によって抽出される乱数値に基づいて、仮想空間内に配置された視点位置を移動可能に決定することとなる。特に、サブCPU206は、ステップS423によって抽出される乱数値に基づいて、視点位置配置領域内に配置された視点位置を移動可能に決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、視点位置決定手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、決定された視点を仮想空間内に配置する(ステップS382)。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、視点位置や視点方向が決定された視点を仮想空間内に配置させる設定を行う視点設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[表示制御処理]
図14のステップS204において実行されるサブルーチンについて図22を用いて説明する。
最初に、図22に示すように、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”であるか否かを判断する(ステップS351)。この処理において、サブCPU206は、上述したVDP割込処理(図16参照)のステップS232においてカウントされているVDPカウンタからVDPカウンタ値を読み出し、“2”であるか否かを判断する。つまり、上述したように、VDP割込処理において、1/60s毎にVDPカウンタが“1”増加するため、サブCPU206は、1/30s経過したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”であると判別した場合には、ステップS352に処理を移す。一方、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS352において、サブCPU206は、制御データ出力処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、画像を表示させるための制御データを、表示制御回路250に供給する。例えば、サブCPU206は、上述したように生成された画像データなど、演出を示す制御データを表示制御回路250に供給することとなる。そして、表示制御回路250は、生成された画像データなどを一時的にフレームバッファに格納する。そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給することによって、液晶表示装置32に立体画像を表示させることとなる。つまり、このような表示制御回路250は、サブCPU206によって生成される立体画像を液晶表示装置32に表示させる制御を行うこととなる。尚、本実施形態において、このような表示制御回路250は、画像表示制御手段の一例に相当する。
そして、サブCPU206は、VDPカウンタに“0”をセットする(ステップS353)。そして、サブCPU206は、バンク切替指示を表示制御回路250に供給する(ステップS354)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
従って、抽出された乱数値に基づいて、仮想空間内のうち視点位置が配置可能に設定された視点位置配置領域内に視点位置を移動可能に決定するとともに、仮想空間内のうち、視点位置配置領域とは別であり、オブジェクトが配置可能に設定されたオブジェクト配置領域内にオブジェクトの位置を決定する。従って、視点位置が配置可能な視点位置配置領域と、オブジェクトが配置可能なオブジェクト配置領域と、が別々に設定されているため、オブジェクトと視点位置との衝突を防止することができ、オブジェクトと視点位置との衝突を考慮する必要がなく容易に設計可能である。
また、視点位置配置領域が複数設定された。従って、例えば、複雑な視点位置配置領域を設定する場合であっても、複数の視点位置配置領域が設定可能であるため、視点位置配置領域が設定し易く、更には、複数の視点位置配置領域に設定された視点位置からの画像を表示させることができ、画像の表示の多様化を図ることによって演出効果が向上し、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、第1の視点位置配置領域と第2の視点位置配置領域とが隣接する隣接位置に視点位置を決定した場合には、第1の視点位置配置領域から第2の視点位置配置領域に、又は、第2の視点位置配置領域から第1の視点位置配置領域に配置を変更させる視点位置を決定する。従って、複数の視点位置配置領域が隣接して設定された場合には、それら複数の視点位置配置領域間を跨いで視点位置が決定されるため、複数の視点位置配置領域を跨いで連続的に視点位置からの画像を表示させることができ、画像の表示の多様化を図ることによって演出効果が向上し、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、大当り遊技状態に移行されると判定された場合には、大当り遊技状態に移行されないと判定された場合と比べて高い確率で、隣接位置に配置を変更させる視点位置を決定する。従って、視点位置が隣接位置となった場合には、大当り遊技状態に移行される可能性が高くなるため、大当り遊技状態への期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、識別情報の可変表示中において、決定された視点位置からの画像を表示させる。従って、識別情報の可変表示中において、視点位置としての隣接位置からの画像が表示される期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[第二の実施形態]
尚、上述した実施形態においては、サブCPU206において立体画像の生成が行われ、表示制御回路250において立体画像の表示制御が行われたが、これに限らず、例えば、表示制御回路250において立体画像の生成と表示制御とが行われてもよい。具体的な実施形態について第二の実施形態として以下に説明する。尚、発明を容易に理解するために、上述した実施形態と同じような構成、処理については説明を省略する。
副制御回路200は、図31に示すように、プログラムROM208の他に、画像に関するデータが記憶された画像データROM209を含む構成である。サブCPU206には、プログラムROM208の他に、画像データROM209等が接続されている。
画像データROM209には、画像に関するデータが記憶されている。具体的には、画像データROM209には、立体画像を描画するためのオブジェクトに関するデータ(例えば、オブジェクトを構成するポリゴンのデータや、テクスチャの種類を示すデータ、テクスチャデータなど)や、視点位置、視点方向に関するデータなどが記憶されており、サブCPU206によって、電源投入後に、後述する表示制御回路250のバッファ254に供給されることとなる。
尚、本実施形態においては、画像に関するデータ等を記憶する記憶手段として画像データROM209を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においては、この画像データROM209をパチンコ遊技機10に着脱可能としたが、これに限らず、例えば、着脱不可能としてもよい。また、記憶手段として表示制御回路250内部に設けてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらの画像に関するデータは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらの画像に関するデータをダウンロードし、ワークRAM210や後述するバッファ254等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、上述したプログラムROM208、画像データROM209を一体としてもよいし、更に、プログラム、テーブル、画像データ等を別の記憶媒体に記憶させてもよい。
また、表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)252、画像データをバッファするバッファ254、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ(図示せず)などから構成されている。表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。
上述したサブCPU206は、電源投入時(リセット時)において、画像データROM209に記憶された画像に関する画像データの全部又は一部(例えば、複数のオブジェクトのデータなど)を表示制御回路250に供給し、表示制御回路250においては、VDP252は、その画像データの全部又は一部を受け取り、バッファ254の所定領域に記憶する。そして、サブCPU206は、仮想空間内に配置するオブジェクトの種類と、その配置位置、視点位置及び視点方向を決定し、所定のタイミングで、画像を表示させる旨の画像表示命令(例えば、オブジェクトの種類、配置位置や、視点位置及び視点方向などを含むデータ)を表示制御回路250に供給する。そして、表示制御回路250において、VDP252は、受け取った画像表示命令に基づいて、バッファ254に一時的に記憶されたオブジェクトのデータを読み出し、仮想空間内にオブジェクトや視点を配置する。更には、VDP252は、サブCPU206から供給される画像表示命令に基づいて、オブジェクトにおけるテクスチャを設定する。VDP252は、このように決定したオブジェクトと、視点との位置関係によって、視点から見たオブジェクトなどの立体画像データを生成する。そして、VDP252は、生成した立体画像データや、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ等、各種の画像データなど、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にバッファ254の所定領域に格納する。そして、VDP252は、所定のタイミングで、バッファ254の所定領域に格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
このように、サブCPU206は、仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類、そのオブジェクトの位置、オブジェクトに設定するテクスチャ、視点位置及び視点方向を決定する。また、表示制御回路250は、決定された種類のオブジェクトを、決定された配置位置に配置するとともに、決定された視点位置に、決定された視点方向で視点を配置する。また、表示制御回路250は、オブジェクトにテクスチャを設定する。そして、表示制御回路250は、そのテクスチャが設定されたオブジェクトと視点位置との仮想空間内における位置関係を所定の時間毎に算出することによって、視点位置から見た立体画像を生成することとなる。また、表示制御回路250は、生成された立体画像を液晶表示装置32に表示させる制御を行うこととなる。また、画像データROM209には、仮想空間内に配置される複数種類のオブジェクトや、それらオブジェクトに対して設定され、明度、色相、彩度が異なる複数種類のテクスチャが予め記憶されており、バッファ254には、それらデータが一時的に記憶されることとなる。尚、本実施形態において、このような表示制御回路250は、画像生成手段、画像表示制御手段の一例に相当する。また、本実施形態において、このような画像データROM209やバッファ254は、オブジェクト記憶手段、テクスチャ記憶手段の一例に相当する。尚、本実施形態においては、オブジェクトの種類、そのオブジェクトの位置、オブジェクトに設定するテクスチャ、視点位置などを示すデータが画像データROM209やバッファ254に記憶されていたが、これに限らず、例えば、画像データROM209やバッファ254とは別の記憶媒体(例えば、プログラムROM208など)に記憶されていてもよい。
[コマンド解析処理]
図14のステップS203において実行されるサブルーチンについて図32を用いて説明する。
図32に示すように、ステップS404において、サブCPU206は、演出パターン決定処理を実行し、その後は、上述した実施形態とは異なり、このタイミングでは表示パターン決定処理を実行することなく、本サブルーチンを終了する。
[オブジェクト視点決定処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、1/30sなど、一定の周期毎など)によりオブジェクト視点決定処理を実行することとなる。このオブジェクト視点決定処理について図33を用いて説明する。
最初に、図33に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避を行う(ステップS461)。そして、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS462)。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS464に処理を移す。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS463に処理を移す。
ステップS463において、サブCPU206は、デモ表示コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、デモ表示コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、デモ表示コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS466に処理を移す。一方、サブCPU206は、デモ表示コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS464からステップS467を実行することなく、ステップS468に処理を移す。
ステップS464において、サブCPU206は、変動中オブジェクト決定処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、識別情報の可変表示中におけるオブジェクトの種類、配置される位置などを決定する。そして、サブCPU206は、表示パターン決定処理を実行する(ステップS465)。詳しくは上述した実施形態における図18に示すように、サブCPU206は、識別情報の可変表示中における視点位置、視点方向などを決定する。この処理が終了した場合には、ステップS468に処理を移す。
一方、ステップS466において、サブCPU206は、デモ中オブジェクト決定処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、識別情報の可変表示中ではないデモ中におけるオブジェクトの種類、配置される位置などを決定する。そして、サブCPU206は、デモ中視点決定処理を実行する(ステップS467)。この処理において、サブCPU206は、識別情報の可変表示中ではないデモ中における視点位置、視点方向などを決定する。この処理が終了した場合には、ステップS468に処理を移す。
ステップS468において、サブCPU206は、表示フレームに対応してオブジェクト配置領域内にオブジェクトが配置される位置を決定する。この処理において、サブCPU206は、ステップS404において決定された演出パターンを読み出す。また、サブCPU206は、読み出した演出パターンのうち、VDPカウンタが所定数(例えば、“2”など)となる毎にカウントされるコマ数(フレーム数)に対応して、仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類や、そのオブジェクトの配置される位置を決定する。特に、サブCPU206は、予め設定されているオブジェクト配置領域内に、オブジェクトを配置させると決定することとなる。つまり、サブCPU206は、画像データROM209に記憶された複数種類のオブジェクトのうち、仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類を決定するとともに、設定されたオブジェクト配置領域内においてそのオブジェクトの位置を決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS469に処理を移す。
ステップS469において、サブCPU206は、決定された視点パターンに対応して視点位置、視点方向を決定する。この処理において、サブCPU206は、ステップS426において決定された視点パターンのうち、上述したコマ数に対応して、視点位置、視点方向を決定する。つまり、サブCPU206は、ステップS423によって抽出される乱数値に基づいて、仮想空間内に配置された視点位置を移動可能に決定することとなる。特に、サブCPU206は、ステップS423によって抽出される乱数値に基づいて、視点位置配置領域内に配置された視点位置を移動可能に決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、視点位置決定手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、ステップS461において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS470)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[表示制御処理]
図14のステップS204において実行されるサブルーチンについて図22を用いて説明する。
図22に示すステップS352において、サブCPU206は、制御データ出力処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、画像を表示させるための制御データを、表示制御回路250に供給する。例えば、サブCPU206は、オブジェクトの種類及びその位置を示すデータや、視点位置及び視点方向を示すデータなど、演出を示す制御データを表示制御回路250に供給することとなる。これによって、表示制御回路250は、オブジェクトと視点との位置関係に基づいて、立体画像を生成し、液晶表示装置32に表示させる制御を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS353に処理を移す。
[画像生成処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミングにより画像生成処理を実行することとなる。この画像生成処理について図34を用いて説明する。尚、この画像生成処理は、所定の周期で実行され、各種の処理のバックグラウンドで、今現在表示されている画像の次のコマ(フレーム)に対応する画像データを生成する処理である。
最初に、図34に示すように、VDP252は、レジスタの退避を行う(ステップS901)。そして、VDP252は、オブジェクト設定処理を実行する(ステップS902)。この処理において、VDP252は、サブCPU206から供給されたオブジェクトの種類及びその位置を示すデータに基づいて、そのオブジェクトの種類に対応するオブジェクトデータをバッファ254から読み出す。そして、VDP252は、仮想空間内において、オブジェクトの位置を示すデータに対応する位置に、読み出したオブジェクトを配置する。つまり、VDP252は、サブCPU206において決定されたオブジェクトを仮想空間内に配置させる設定処理を実行する。特に、VDP252は、特定のオブジェクトを表示させる視点位置が決定されるか否かに関わらず、常時、その特定のオブジェクトを特定の位置に固定して配置させることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS903に処理を移す。
ステップS903において、VDP252は、視点設定処理を実行する。この処理において、VDP252は、サブCPU206から供給された視点位置及び視点方向を示すデータに基づいて、仮想空間内に視点を配置する。つまり、VDP252は、サブCPU206において決定された視点を、指定された視点位置及び視点方向で仮想空間内に配置させる設定処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS904に処理を移す。
ステップS904において、VDP252は、設定されたオブジェクトにテクスチャを設定する。この処理において、VDP252は、ステップS902において設定されたオブジェクトの表面に対応するテクスチャを設定する。この処理が終了した場合には、ステップS905に処理を移す。
ステップS905において、VDP252は、オブジェクトと視点との位置関係に基づいて、画像データを生成させる。この処理において、VDP252は、ステップS902において設定され、ステップS904においてテクスチャが設定されたオブジェクトと、ステップS903において設定された視点との位置関係を算出する。そして、VDP252は、その位置関係に基づいて、画像データの生成し、生成処理を終了する。尚、このサブルーチンは、VDPカウンタが“0”から“2”となるまでに終了する。つまり、VDP252は、仮想空間内に配置されると決定されたオブジェクトと、決定された視点位置との仮想空間内における位置関係を所定の時間毎に算出することによって、視点位置から見た立体画像を生成することとなる。言い換えると、VDP252は、所定の時間毎に実行される本画像生成処理(所定の割込み処理)毎に、液晶表示装置32に表示させる立体画像を1フレーム生成することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するVDP252は、画像生成手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS906に処理を移す。
ステップS906において、VDP252は、生成した画像データをバッファにセットする。この処理において、VDP252は、ステップS905において生成した画像データを、バッファ254において、今現在表示されている領域とは別の領域にセットする。そして、VDP252は、ステップS901において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS907)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。これによって、VDP252は、所定の表示切替タイミング(例えば、1/30s)で、バッファ254において、今現在表示されている領域を非表示領域として、別の領域を表示領域として切替えることとなり、別の領域にセットした画像データを、D/Aコンバータに供給することによって、液晶表示装置32に立体画像を表示させることとなる。つまり、VDP252は、生成される立体画像を液晶表示装置32に表示させる制御を行うこととなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するVDP252は、画像表示制御手段の一例に相当する。
[第三の実施形態]
また、上述した実施形態においては、図6に示すように、仮想空間Z内に設定されている各種の領域には、オブジェクト配置領域Oと、複数の視点位置配置領域A、B、Cとが含まれており、その中でも、立方体形状の複数のバウンディングボックスの内部を、それぞれ、オブジェクト配置領域O、複数の視点位置配置領域A、B、Cとしたが、これに限らず、例えば、図36に示すように、仮想空間Z内において、バウンディングボックスの内部をオブジェクト配置領域Oとして、バウンディングボックスの外部を視点位置配置領域Vとして設定してもよい。
[第四の実施形態]
また、例えば、図37に示すように、バウンディングボックスを球形状としてもよい。この場合においては、バウンディングボックスの内部が視点位置配置領域Vとして、バウンディングボックスの外部がオブジェクト配置領域Oとして設定される。また、このバウンディングボックスは、その中心cから半径rの形状であり、中心cからの角度と距離とによってバウンディングボックスの位置を認識可能となるため、立方体形状のバウンディングボックスのように縦、横、高さを算出する必要がなく、視点位置やオブジェクトの位置などの位置算出処理による制御負荷を軽減することができる。
[第五の実施形態]
また、例えば、図38に示すように、立方体形状のバウンディングボックスで領域を囲むように設定することによって、オブジェクト配置領域Oと、視点位置配置領域Vとを設定してもよい。この場合において、バウンディングボックスD1からD4によって囲まれた領域をオブジェクト配置領域Oとして、バウンディングボックスD1からD4によって囲まれていない領域を視点位置配置領域Vとして設定することによって、オブジェクトと視点との衝突を防止することができる。
[第六の実施形態]
また、上述した実施形態においては、図7に示すように、視点位置の始点、終点、その間における点が予め記憶されており、それらの視点位置の視点パターンの選択を乱数値に基づいて行ったが、これに限らず、例えば、視点位置の始点及び終点のみが予め記憶されており、それら視点位置の始点と終点とが乱数値に基づいて選択された後に、図39に示すように、その間における視点位置が乱数値に基づいて決定されるようにしてもよい。また、本実施形態においては、始点から終点までの軌跡を決定するための方法として、ベジェ曲線が用いられるが、これに限らない。このベジェ曲線とは、図39に示すように、始点と終点との座標以外に、2点の曲線座標が決定され、それら曲線座標に基づいて、軌跡が生成される曲線である。具体的には、上述したように視点位置の始点Aが“x1,y1,z1”として、視点位置の終点Bが“x2,y2,z2”として決定された場合には、乱数値に基づいて、2つの曲線座標C、Dが“α1,β1,γ1”、“α2,β2,γ2”として決定された場合には、それら視点位置の始点と終点とを結ぶ軌跡が、2つの曲線座標C、Dに基づくベジェ曲線として決定される。このように決定された軌跡Pに沿って、フレーム毎の視点位置が決定されることとなる。
[第七の実施形態]
尚、バウンディングボックスに視点位置などが衝突した場合には、その後の視点位置などの移動を停止させる実施形態について以下に説明する。フレーム毎の視点位置などの決定方法の具体的な一例について図40を用いて詳しく説明する。尚、本実施形態においては、視点位置の移動経路とは、視点位置を移動させる場合における視点位置の始点及び終点を含む移動軌跡を示し、フレーム毎の視点位置だけでなく、フレーム化されない位置も含まれている。
図40(A)に示すように、上述したように視点位置の始点Aが“x01,y01,z01”として、視点位置の終点Bが“x02,y02,z02”として、更には、2つの曲線座標が決定された場合には、それら視点位置の始点と、終点と、それらを結ぶ軌跡とが、2つの曲線座標C、Dに基づくベジェ曲線として決定される。そして、予め所定の位置に設定されているバウンディングボックスEをその軌跡Pが跨ぐか否か、即ち、視点位置がバウンディングボックスEと衝突しないか否かが判定され、その軌跡PがバウンディングボックスEを跨がないときには、このように決定された軌跡Pに沿って、所定の間隔でフレーム毎の視点位置が決定されることとなる。
一方、図40(B)に示すように、始点aとして“x04,y04,z04”が、終点bとして“x05,y05,z05”が、それらの間における軌跡が符号Pとしてそれぞれ決定された場合において、その軌跡PがバウンディングボックスEを跨ぐときには、このように決定された軌跡Pに沿って、所定の間隔でフレーム毎の視点位置が決定されるとともに、その視点位置の軌跡PとバウンディングボックスEとが衝突する境界点dが“x06,y06,z06”として算出される。そして、境界点dを境として、視点位置がバウンディングボックスEと衝突する前における軌跡P1と、視点位置がバウンディングボックスEと衝突した後における軌跡P2とに区別する。そして、この軌跡P1に沿ったフレーム毎の視点位置の配置が維持されるとともに、軌跡P2に沿ったフレーム毎の視点位置が配置されず、境界点dで停止するように視点位置が決定されることとなる。つまり、視点位置(視点位置の軌跡P)が視点位置配置領域の境界(バウンディングボックスE、境界点d)に至ると判定された場合には、その視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置として、その視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置で停止させる視点位置が決定されることとなる。
従って、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その位置で停止させることとなり、視点位置を特定のオブジェクトに近づける場合であっても、視点位置と特定のオブジェクトとが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
また、視点位置がバウンディングボックスEに衝突するか否かの判定のみならず、例えば、オブジェクトがバウンディングボックスEに衝突するか否かの判定が行われる。この場合においては、例えば、図40(A)に示すように、オブジェクトが“x03,y03,z03”の座標cで停止され、オブジェクトがバウンディングボックスEに衝突しない場合には、オブジェクトの位置を変更させなくてもよいが、図40(C)に示すように、オブジェクトが“x03,y03,z03”の座標cから“x07,y07,z07”の座標eまで移動する軌跡Qが決定された場合において、バウンディングボックスEを跨ぐとき、即ち、オブジェクトの位置がバウンディングボックスEに衝突するときには、このように決定された軌跡Qに沿って、所定の間隔でフレーム毎のオブジェクトの位置が決定されるとともに、そのオブジェクトの位置の軌跡QとバウンディングボックスEとが衝突する境界点fが“x08,y08,z08”として算出される。そして、境界点fを境として、オブジェクトの位置がバウンディングボックスEと衝突する前における軌跡Q1と、オブジェクトの位置がバウンディングボックスEと衝突した後における軌跡Q2とに区別する。そして、この軌跡Q1に沿ったフレーム毎のオブジェクトの位置の配置が維持されるとともに、軌跡Q2に沿ったフレーム毎のオブジェクトの位置が配置されず、境界点fで停止するようにオブジェクトの位置が決定されることとなる。つまり、オブジェクトの位置(オブジェクトの位置の軌跡Q)がオブジェクト配置領域の境界(バウンディングボックスE、境界点f)に至ると判定された場合には、そのオブジェクト配置領域の境界に至る位置からの新たなオブジェクトの位置として、そのオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置で停止させるオブジェクトの位置が決定されることとなる。
従って、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、その位置で停止させることとなり、オブジェクトの位置を視点位置に近づける場合であっても、オブジェクトの位置と視点とが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
[変動中オブジェクト決定処理]
図33のステップS464において実行されるサブルーチンについて図41及び図42を用いて説明する。
最初に、図41に示すように、サブCPU206は、大当りか否かを参照する(ステップS431)。この処理において、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドが、大当りとなる変動パターン指定コマンドか否かによって、大当りか否かを参照することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS432に処理を移す。
ステップS432において、サブCPU206は、変動時間に基づいてオブジェクトの移動パターンの選択回数を決定する。この処理において、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、変動時間が10.0s以下である場合には、オブジェクトの移動パターンの選択回数を1回として、変動時間が10.0sより長く20.0s以下である場合には、オブジェクトの移動パターンの選択回数を2回として、変動時間が20.0sより長く30.0s以下である場合には、オブジェクトの移動パターンの選択回数を3回として、変動時間が30.0sより長く40.0s以下である場合には、オブジェクトの移動パターンの選択回数を4回として決定する。これによって、サブCPU206は、後述するステップS433からステップS436を一回又は複数回実行させることとなる。尚、サブCPU206は、オブジェクトの移動パターンの選択回数を複数回とすると決定した場合には、後述するステップS433からステップS436において、識別情報の可変表示中におけるオブジェクトの位置を決定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS433に処理を移す。
ステップS433において、サブCPU206は、乱数値を抽出する。この処理において、サブCPU206は、オブジェクトの位置などを決定するための乱数値を抽出する。尚、サブCPU206は、ステップS432において決定された回数に対応する乱数値を抽出することとなる。つまり、サブCPU206は、所定の乱数値を抽出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、乱数抽出手段の一例に相当する。
そして、サブCPU206は、ステップS431において大当りであるか否かを参照した結果と、ステップS433において抽出された乱数値と、に基づいて、オブジェクトの位置の始点と終点とを決定する(ステップS434)。つまり、サブCPU206は、ステップS433において抽出された乱数値に基づいて、オブジェクトの位置の始点及び終点を決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト始点決定手段、オブジェクト終点決定手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、2つの曲線座標を決定することによって、オブジェクトの位置の始点から終点までの軌跡を決定する(ステップS435)。このように、サブCPU206は、オブジェクトの位置の始点と終点とその間における軌跡とを決定することによって、オブジェクトの位置の移動経路を決定することとなる。尚、本実施形態において、これらのような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト移動経路選択手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS436に処理を移す。
ステップS436において、サブCPU206は、オブジェクトの位置の軌跡に基づいて、オブジェクトの移動パターンとして決定する。この処理において、サブCPU206は、オブジェクトの位置の軌跡に沿って、フレーム毎に移動させるオブジェクトの位置を決定する。具体的には、サブCPU206は、オブジェクトの位置の始点から終点までの軌跡の距離を算出する。つまり、サブCPU206は、選択されたオブジェクトの位置の移動経路における始点から終点までの距離を算出することとなる。尚、本実施形態において、これらのような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト移動距離算出手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、算出した始点から終点までの距離と、変動パターン指定コマンドに基づいて認識可能な識別情報の変動時間と、を参照する。そして、サブCPU206は、その距離を、識別情報の変動時間で割る演算を行うことによって、単位時間当たりにオブジェクトの位置が移動する単位時間移動距離を算出する。そして、サブCPU206は、オブジェクトの位置の始点と終点とその間における軌跡に沿ったオブジェクトの位置を決定することとなる。つまり、サブCPU206は、算出されたオブジェクトの位置の始点から終点までの距離と、識別情報の変動時間と、に基づいて、仮想空間内に配置されるオブジェクトの位置を移動可能に決定することとなる。言い換えると、サブCPU206は、算出されたオブジェクトの位置の始点から終点などを乱数値によって決定しているため、抽出された乱数値に基づいて、仮想空間内に配置されるオブジェクトの位置を移動可能に決定することとなる。この処理が終了した場合には、図42のステップS441に処理を移す。
尚、サブCPU206は、ステップS432において決定された回数に対応する乱数値に基づいて、オブジェクトの位置などのオブジェクトの移動パターンを決定する。つまり、サブCPU206は、識別情報の可変表示の時間が長い場合には、識別情報の可変表示の時間が短い場合よりも多くの回数分のオブジェクトの位置を決定することとなる。また、サブCPU206は、ステップS432においてオブジェクトの移動パターンの選択回数を複数回とすると決定した場合には、識別情報の可変表示中においてオブジェクトの位置を移動可能に決定することとなる。尚、本実施形態において、これらのような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト位置決定手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、このように決定したオブジェクトの位置などを示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図42のステップS441において、サブCPU206は、オブジェクトの位置がバウンディングオブジェクトに衝突するか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、画像データROM209に予め設定されていたバウンディングボックスの位置と、上述したように決定したオブジェクトの移動パターンとを参照し、オブジェクトの位置がバウンディングオブジェクトに衝突するか否かを判断することとなる。サブCPU206は、オブジェクトの位置がバウンディングオブジェクトに衝突すると判別した場合には、ステップS442に処理を移す。これによって、後述するステップS442及びステップS443において、オブジェクト位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判別された位置でオブジェクトが停止するようにオブジェクトの位置の変更が行われる。一方、サブCPU206は、オブジェクトの位置がバウンディングオブジェクトに衝突しないと判別した場合には、後述するステップS442及びステップS443を実行することなく、本サブルーチンを終了する。これによって、ステップS436において決定されたフレーム毎のオブジェクトの位置が維持されるように決定されることとなる。つまり、サブCPU206は、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至るか否かを判定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト位置判定手段の一例に相当する。
ステップS442において、サブCPU206は、衝突位置を算出する。この処理において、サブCPU206は、オブジェクトの位置の軌跡において、オブジェクトとバウンディングボックスとが衝突する位置(境界点)を算出する。そして、サブCPU206は、オブジェクトの位置の軌跡に基づいて算出した位置で停止するオブジェクトの移動パターンとして決定する(ステップS443)。この処理において、サブCPU206は、ステップS442において算出された位置(境界点)でオブジェクトが停止するようにオブジェクトの位置を決定する。具体的には、サブCPU206は、オブジェクトとバウンディングボックスとが衝突した後におけるオブジェクトの位置を消去するとともに、その代わりに、その衝突位置を新たにオブジェクトの位置として設定する。これによって、サブCPU206は、オブジェクトがバウンディングボックスに衝突するまでのオブジェクトの位置を変更することなく維持するとともに、その衝突位置で停止するオブジェクトの位置としてオブジェクトの移動パターンを決定することとなる。つまり、サブCPU206は、オブジェクトの位置がバウンディングボックスによって設定されたオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、そのオブジェクト配置領域の境界に至る位置からの新たなオブジェクトの位置として、そのオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置で停止させるオブジェクトの位置を決定することとなる。
従って、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、その位置で停止させることとなり、オブジェクトの位置を視点位置に近づける場合であっても、オブジェクトの位置と視点とが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
[表示パターン決定処理]
図33のステップS465において実行されるサブルーチンについて図43及び図44を用いて説明する。
最初に、図43に示すように、サブCPU206は、大当りか否かを参照する(ステップS451)。この処理において、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドが、大当りとなる変動パターン指定コマンドか否かによって、大当りか否かを参照することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS452に処理を移す。
ステップS452において、サブCPU206は、変動時間に基づいて視点パターンの選択回数を決定する。この処理において、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、変動時間が10.0s以下である場合には、視点パターンの選択回数を1回として、変動時間が10.0sより長く20.0s以下である場合には、視点パターンの選択回数を2回として、変動時間が20.0sより長く30.0s以下である場合には、視点パターンの選択回数を3回として、変動時間が30.0sより長く40.0s以下である場合には、視点パターンの選択回数を4回として決定する。これによって、サブCPU206は、後述するステップS453からステップS456を一回又は複数回実行させることとなる。尚、サブCPU206は、視点パターンの選択回数を複数回とすると決定した場合には、後述するステップS453からステップS456において、識別情報の可変表示中における視点を決定することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS453に処理を移す。
ステップS453において、サブCPU206は、乱数値を抽出する。この処理において、サブCPU206は、視点位置や視点方向を決定するための乱数値を抽出する。尚、サブCPU206は、ステップS452において決定された回数に対応する乱数値を抽出することとなる。つまり、サブCPU206は、所定の乱数値を抽出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、乱数抽出手段の一例に相当する。
そして、サブCPU206は、ステップS451において大当りであるか否かを参照した結果と、ステップS453において抽出された乱数値と、に基づいて、視点位置の始点と終点とを決定する(ステップS454)。つまり、サブCPU206は、ステップS453において抽出された乱数値に基づいて、視点位置の始点及び終点を決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、始点決定手段、終点決定手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、2つの曲線座標を決定することによって、視点位置の始点から終点までの軌跡を決定する(ステップS455)。このように、サブCPU206は、視点位置の始点と終点とその間における軌跡とを決定することによって、視点位置の移動経路を決定することとなる。尚、本実施形態において、これらのような処理を実行するサブCPU206は、移動経路選択手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS456に処理を移す。
ステップS456において、サブCPU206は、視点位置の軌跡に基づいて、視点パターンとして決定する。この処理において、サブCPU206は、視点位置の軌跡に沿って、フレーム毎に移動させる視点位置を決定する。具体的には、サブCPU206は、視点位置の始点から終点までの軌跡の距離を算出する。つまり、サブCPU206は、選択された視点位置の移動経路における始点から終点までの距離を算出することとなる。尚、本実施形態において、これらのような処理を実行するサブCPU206は、移動距離算出手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、算出した始点から終点までの距離と、変動パターン指定コマンドに基づいて認識可能な識別情報の変動時間と、を参照する。そして、サブCPU206は、その距離を、識別情報の変動時間で割る演算を行うことによって、単位時間当たりに視点位置が移動する単位時間移動距離を算出する。そして、サブCPU206は、視点位置の始点と終点とその間における軌跡に沿った視点位置を決定することとなる。つまり、サブCPU206は、算出された視点位置の始点から終点までの距離と、識別情報の変動時間と、に基づいて、仮想空間内に配置される視点位置を移動可能に決定することとなる。言い換えると、サブCPU206は、算出された視点位置の始点から終点などを乱数値によって決定しているため、抽出された乱数値に基づいて、仮想空間内に配置される視点位置を移動可能に決定することとなる。この処理が終了した場合には、図44のステップS471に処理を移す。
尚、サブCPU206は、ステップS452において決定された回数に対応する乱数値に基づいて、視点位置や視点方向などの視点パターンを決定する。つまり、サブCPU206は、識別情報の可変表示の時間が長い場合には、識別情報の可変表示の時間が短い場合よりも多くの回数分の視点位置を決定することとなる。また、サブCPU206は、ステップS452において視点パターンの選択回数を複数回とすると決定した場合には、識別情報の可変表示中において視点位置を移動可能に決定することとなる。尚、本実施形態において、これらのような処理を実行するサブCPU206は、視点位置決定手段の一例に相当する。そして、サブCPU206は、このように決定した視点位置や視点方向を示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図44のステップS471において、サブCPU206は、視点位置がバウンディングオブジェクトに衝突するか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、画像データROM209に予め設定されていたバウンディングボックスの位置と、上述したように決定した視点パターンとを参照し、視点位置がバウンディングオブジェクトに衝突するか否かを判断することとなる。サブCPU206は、視点位置がバウンディングオブジェクトに衝突すると判別した場合には、ステップS472に処理を移す。これによって、後述するステップS472及びステップS473において、視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判別された位置で視点が停止するように視点位置の変更が行われる。一方、サブCPU206は、視点位置がバウンディングオブジェクトに衝突しないと判別した場合には、ステップS472、473を実行することなく、本サブルーチンを終了する。これによって、ステップS476において決定されたフレーム毎の視点位置が維持されるように決定されることとなる。つまり、サブCPU206は、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至るか否かを判定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、視点位置判定手段の一例に相当する。
ステップS472において、サブCPU206は、衝突位置を算出する。この処理において、サブCPU206は、視点位置の軌跡において、視点とバウンディングボックスとが衝突する位置(境界点)を算出する。そして、サブCPU206は、視点位置の軌跡に基づいて算出した位置で停止する視点パターンとして決定する(ステップS473)。この処理において、サブCPU206は、ステップS472において算出された位置(境界点)で視点が停止するように視点位置を決定する。具体的には、サブCPU206は、視点位置とバウンディングボックスとが衝突した後における視点位置を消去するとともに、その代わりに、その衝突位置を新たに視点位置として設定する。これによって、サブCPU206は、視点位置がバウンディングボックスに衝突するまでの視点位置を変更することなく維持するとともに、その衝突位置で停止する視点位置として視点パターンを決定することとなる。つまり、サブCPU206は、視点位置がバウンディングボックスによって設定された視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置として、その視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置で停止させる視点位置を決定することとなる。
従って、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その位置で停止させることとなり、視点位置をオブジェクトに近づける場合であっても、視点位置とオブジェクトとが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
[第八の実施形態]
また、上述した実施形態においては、視点位置やオブジェクトの位置を衝突位置で停止させるように新たな視点位置やオブジェクトの位置が決定されたが、これに限らず、例えば、視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置を、再度抽出された乱数値に基づいて決定するように構成してもよい。バウンディングボックスに視点位置などが衝突した場合には、その後の視点位置などの移動を、再度抽出される乱数値に基づいて決定する実施形態について以下に説明する。フレーム毎の視点位置などの決定方法の具体的な一例について図45を用いて詳しく説明する。
図45(A)に示すように、始点aとして“x14,y14,z14”が、終点bとして“x15,y15,z15”が、それらの間における軌跡が符号Pとしてそれぞれ決定された場合において、その軌跡PがバウンディングボックスEを跨ぐときには、このように決定された軌跡Pに沿って、所定の間隔でフレーム毎の視点位置が決定されるとともに、その視点位置の軌跡PとバウンディングボックスEとが衝突する境界点dが“x16,y16,z16”として算出される。そして、境界点dを境として、視点位置がバウンディングボックスEと衝突する前における軌跡P1と、視点位置がバウンディングボックスEと衝突した後における軌跡P2とに区別する。そして、この軌跡P1に沿ったフレーム毎の視点位置の配置が維持されるとともに、軌跡P2に沿ったフレーム毎の視点位置が配置されず、その代わりの新たな視点位置が再度抽出された乱数値に基づいて決定される。特に、その新たな視点位置は、同じ識別情報の可変表示中において、視点位置の始点aから境界点dまでの軌跡P1上の視点位置が参照された結果にも基づいて視点位置が決定される。具体的には、図45(A)に示すように、新たな視点位置として、軌跡P1上における再移動開始点e“x17,y17,z17”から境界点d“x16,y16,z16”まで移動する視点位置が決定される。つまり、視点位置(視点位置の軌跡P)が視点位置配置領域の境界(バウンディングボックスE、境界点d)に至ると判定された場合には、その視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置が、今回の識別情報の可変表示中である始点aから境界点dに至るまでの視点位置と、再度抽出された乱数値と、に基づいて決定されることとなる。
尚、本実施形態においては、軌跡P1上の視点位置であり、かつ、始点aから境界点dまでの間における視点位置が参照され、その軌跡P1上の視点位置であり、かつ、始点aから境界点dまでの間における視点位置を再移動開始点eとして、その再移動開始点eから境界点dまでが新たな視点位置として決定されたが、これに限らず、例えば、図45(B)に示すように、軌跡P1上の視点位置であり、かつ、始点aから境界点dまでの間における視点位置が参照され、軌跡P1上の視点位置であり、かつ、始点aから境界点dまでの間における視点位置を再移動終了点f“x18,y18,z18”として、始点aからその再移動終了点fまでが新たな視点位置として決定されてもよい。もちろん、例えば、軌跡P1上の視点位置であり、かつ、始点aから境界点dまでの間における視点位置が参照されず、図45(C)に示すように、軌跡P1上ではない再移動開始点g“x19,y19,z19”から再移動終了点h“x20,y20,z20”までが新たな視点位置として決定されてもよい。つまり、視点位置(視点位置の軌跡P)が視点位置配置領域の境界(バウンディングボックスE、境界点d)に至ると判定された場合には、その視点位置配置領域の境界に至ると判定された視点位置に代わって、その視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置が、視点位置配置領域の境界に至らないように、再度抽出された乱数値に基づいて決定されればよい。
従って、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、再度抽出された乱数値に基づいて、その決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置を決定することとなり、視点位置を特定のオブジェクトに近づける場合であっても、視点位置と特定のオブジェクトとが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
また、視点位置がバウンディングボックスEに衝突するか否かの判定のみならず、例えば、オブジェクトがバウンディングボックスEに衝突するか否かの判定が行われる。この場合においては、例えば、図40(A)に示すように、オブジェクトがバウンディングボックスEに衝突しない場合には、オブジェクトの位置を変更させなくてもよいが、図45(D)に示すように、オブジェクトが“x13,y13,z13”の座標cから“x10,y10,z10”の座標iまで移動する軌跡Qが決定された場合において、バウンディングボックスEを跨ぐとき、即ち、オブジェクトの位置がバウンディングボックスEに衝突するときには、このように決定された軌跡Qに沿って、所定の間隔でフレーム毎のオブジェクトの位置が決定されるとともに、そのオブジェクトの位置の軌跡QとバウンディングボックスEとが衝突する境界点jが“x11,y11,z11”として算出される。そして、境界点jを境として、オブジェクトの位置がバウンディングボックスEと衝突する前における軌跡Q1と、オブジェクトの位置がバウンディングボックスEと衝突した後における軌跡Q2とに区別する。そして、この軌跡Q1に沿ったフレーム毎のオブジェクトの位置の配置が維持されるとともに、軌跡Q2に沿ったフレーム毎のオブジェクトの位置が配置されず、乱数値に基づいて、新たなオブジェクトの位置が決定されることとなる。具体的には、新たなオブジェクトの位置として、軌跡Q1上における再移動開始点k“x12,y12,z12”から境界点j“x11,y11,z11”まで移動する視点位置が決定される。つまり、オブジェクトの位置(オブジェクトの位置の軌跡Q)がオブジェクト配置領域の境界(バウンディングボックスE、境界点j)に至ると判定された場合には、そのオブジェクト配置領域の境界に至ると判定されたオブジェクトの位置に代わって、そのオブジェクト配置領域の境界に至る位置からの新たなオブジェクトの位置が、オブジェクト配置領域の境界に至らないように、再度抽出された乱数値に基づいて決定されることとなる。
従って、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、再度抽出された乱数値に基づいて、その決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たなオブジェクトの位置を決定することとなり、オブジェクトの位置を視点に近づける場合であっても、オブジェクトの位置と視点とが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
[変動中オブジェクト決定処理]
図33のステップS464において実行されるサブルーチンについて図46を用いて説明する。尚、上述した実施形態における図41及び図42と同じような処理については、発明の理解を容易とするために説明を省略する。
図46のステップS442が終了した場合には、ステップS444に処理を移す。ステップS444において、サブCPU206は、乱数値抽出処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ステップS441によって決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、再度、所定の乱数値を抽出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、乱数抽出手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS445に処理を移す。
ステップS445において、サブCPU206は、衝突位置までのオブジェクトの移動パターンからいずれかを参照する。この処理において、サブCPU206は、今回の識別情報の可変表示中であり、かつ、オブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至るまでの座標(例えば、オブジェクトの位置の始点となる座標や、始点から境界点までの間における軌跡上に配置されたオブジェクトの位置など)を参照する。そして、サブCPU206は、参照結果、乱数値に基づいて、オブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置からのオブジェクトの移動パターンを決定する(ステップS446)。この処理において、サブCPU206は、ステップS442において算出された衝突位置(境界点)に至った後における新たなオブジェクトの位置を決定する。具体的には、サブCPU206は、オブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至った後におけるオブジェクトの位置を消去するとともに、その代わりに、参照結果と再度抽出された乱数値とに基づくオブジェクトの位置を、新たなオブジェクトの位置として決定することとなる。これによって、サブCPU206は、オブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至るまでのオブジェクトの位置を変更することなく維持するとともに、オブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至った後における新たなオブジェクトの移動パターン(オブジェクトの位置)を決定することとなる。つまり、サブCPU206は、オブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、オブジェクト配置領域の境界に至る位置からの新たなオブジェクトの位置を、再度抽出された乱数値に基づいて決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト位置決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
従って、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、再度抽出された乱数値に基づいて、その決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たなオブジェクトの位置を決定することとなり、オブジェクトの位置を視点に近づける場合であっても、オブジェクトの位置と視点とが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
[表示パターン決定処理]
図33のステップS465において実行されるサブルーチンについて図47を用いて説明する。尚、上述した実施形態における図43及び図44と同じような処理については、発明の理解を容易とするために説明を省略する。
図47のステップS472が終了した場合には、ステップS474に処理を移す。ステップS474において、サブCPU206は、乱数値抽出処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ステップS471によって決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、再度、所定の乱数値を抽出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、乱数抽出手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS475に処理を移す。
ステップS475において、サブCPU206は、衝突位置までの視点パターンからいずれかを参照する。この処理において、サブCPU206は、今回の識別情報の可変表示中であり、かつ、視点位置が視点位置配置領域の境界に至るまでの座標(例えば、視点位置の始点となる座標や、始点から境界点までの間における軌跡上に配置された視点位置など)を参照する。そして、サブCPU206は、参照結果、乱数値に基づいて、視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの視点パターンを決定する(ステップS476)。この処理において、サブCPU206は、ステップS472において算出された衝突位置(境界点)に至った後における新たな視点位置を決定する。具体的には、サブCPU206は、視点位置が視点位置配置領域の境界に至った後における視点位置を消去するとともに、その代わりに、参照結果と再度抽出された乱数値とに基づく視点位置を、新たな視点位置として決定することとなる。これによって、サブCPU206は、視点位置が視点位置配置領域の境界に至るまでの視点位置を変更することなく維持するとともに、視点位置が視点位置配置領域の境界に至った後における新たなパターン(視点位置)を決定することとなる。つまり、サブCPU206は、視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置を、再度抽出された乱数値に基づいて決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、視点位置決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
従って、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、再度抽出された乱数値に基づいて、その決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たなオブジェクトの位置を決定することとなり、オブジェクトの位置を視点に近づける場合であっても、オブジェクトの位置と視点とが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
[第九の実施形態]
また、上述した実施形態においては、視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置を、再度抽出された乱数値に基づいて決定するように構成したが、これに限らず、例えば、その境界に至ると判定された位置に至るまでの複数の視点位置に基づいて、視点位置の移動ベクトルを算出し、その視点位置の移動ベクトルに基づいて、その視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置を決定するように構成してもよい。バウンディングボックスに視点位置などが衝突した場合には、その後の視点位置などの移動を、衝突以前の複数の視点位置から算出した視点位置の移動ベクトルに基づいて決定する実施形態について以下に説明する。フレーム毎の視点位置などの決定方法の具体的な一例について図48を用いて詳しく説明する。
図48(A)に示すように、始点aとして“x24,y24,z24”が、終点bとして“x25,y25,z25”が、それらの間における軌跡が符号Pとしてそれぞれ決定された場合において、その軌跡PがバウンディングボックスEを跨ぐときには、このように決定された軌跡Pに沿って、所定の間隔でフレーム毎の視点位置が決定されるとともに、その視点位置の軌跡PとバウンディングボックスEとが衝突する境界点dが“x26,y26,z26”として算出される。そして、境界点dを境として、視点位置がバウンディングボックスEと衝突する前における軌跡P1と、視点位置がバウンディングボックスEと衝突した後における軌跡P2とに区別する。そして、この軌跡P1に沿ったフレーム毎の視点位置の配置が維持されるとともに、軌跡P2に沿ったフレーム毎の視点位置が配置されず、その代わりの新たな視点位置が、視点位置の移動ベクトル(視点位置の移動する速さと方向)に基づいて決定される。この視点位置の移動ベクトルは、同じ識別情報の可変表示中において、視点位置の始点aから境界点dまでの軌跡P1上における複数の視点位置から算出される。具体的には、図48(B)に示すように、新たな視点位置として、境界点d“x26,y26,z26”から、新たな終点e“x27,y27,z27”まで移動する視点位置が決定される。これは、図48(C)に示すように、軌跡P1上における複数の視点位置(例えば、視点位置fと境界点dなど)に基づいて、視点位置の移動速度と移動方向とが算出される、即ち、境界点dまでの視点位置の移動ベクトルが算出される。そして、この移動ベクトルと、バウンディングボックスに設定された弾性率αとによって、反射した後の視点位置の反射ベクトルが算出され、その視点位置の反射ベクトルに基づいて、視点位置の終点eが“x27,y27,z27”として決定されることとなる。つまり、視点位置(視点位置の軌跡P)が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、視点位置配置領域の境界に至ると判定された境界点dからの新たな視点位置が、今回の識別情報の可変表示中である始点aから境界点dに至るまでの複数の視点位置から算出された視点位置の移動ベクトルに基づいて決定されることとなる。
従って、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置を決定することとなり、視点位置を特定のオブジェクトに近づける場合であっても、視点位置と特定のオブジェクトとが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。また、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置を視点位置の移動ベクトルに基づいて決定するため、視点位置の移動ベクトルを考慮可能となり、例えば、以前までの視点位置から反射するかのように新たな視点位置を決定することができ、より自然な演出によって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
尚、本実施形態においては、軌跡P1上において境界点dに至るまでの複数の視点位置に基づいて視点位置の移動ベクトルが算出され、その視点位置の移動ベクトルと、バウンディングボックスに設定された弾性率αとに基づいて、新たな視点位置(終点)が決定されたが、これに限らず、例えば、バウンディングボックスに弾性率αが設定されておらず、一定の弾性率βと、その視点位置の移動ベクトルと、に基づいて、新たな視点位置(終点)が決定されてもよい。また、例えば、弾性率α、βを用いることなく、その視点位置の移動ベクトルに基づいて、新たな視点位置(終点)が決定されてもよい。
また、視点位置がバウンディングボックスEに衝突するか否かの判定のみならず、例えば、オブジェクトがバウンディングボックスEに衝突するか否かの判定が行われる。この場合においては、例えば、図40(A)に示すように、オブジェクトがバウンディングボックスEに衝突しない場合には、オブジェクトの位置を変更させなくてもよいが、図48(D)に示すように、オブジェクトが“x23,y23,z23”の座標cから“x29,y29,z29”の座標eまで移動する軌跡Qが決定された場合において、バウンディングボックスEを跨ぐとき、即ち、オブジェクトの位置がバウンディングボックスEに衝突するときには、このように決定された軌跡Qに沿って、所定の間隔でフレーム毎のオブジェクトの位置が決定されるとともに、そのオブジェクトの位置の軌跡QとバウンディングボックスEとが衝突する境界点fが“x30,y30,z30”として算出される。そして、境界点fを境として、オブジェクトの位置がバウンディングボックスEと衝突する前における軌跡Q1と、オブジェクトの位置がバウンディングボックスEと衝突した後における軌跡Q2とに区別する。そして、この軌跡Q1に沿ったフレーム毎のオブジェクトの位置の配置が維持されるとともに、軌跡Q2に沿ったフレーム毎のオブジェクトの位置が配置されず、新たなオブジェクトの位置が決定されることとなる。具体的には、バウンディングボックスEに衝突するまでにおける複数のオブジェクトの位置によって算出されるオブジェクトの移動ベクトルに基づいて、新たなオブジェクトの位置が、“x31,y31,z31”の座標gとして算出されることとなる。つまり、オブジェクトの位置(オブジェクトの位置の軌跡Q)がオブジェクト配置領域の境界(バウンディングボックスE、境界点j)に至ると判定された場合には、そのオブジェクト配置領域の境界に至ると判定されたオブジェクトの位置に代わって、そのオブジェクト配置領域の境界に至る位置からの新たなオブジェクトの位置が、オブジェクト配置領域の境界に至らないように、そのオブジェクト配置領域の境界に至ると判定されるまでにおける複数のオブジェクトの位置によって算出されるオブジェクトの移動ベクトルに基づいて決定されることとなる。
従って、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、その決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たなオブジェクトの位置を決定することとなり、オブジェクトの位置を視点に近づける場合であっても、オブジェクトの位置と視点とが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。また、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たなオブジェクトの位置をオブジェクトの位置の移動ベクトルに基づいて決定するため、オブジェクトの位置の移動ベクトルを考慮可能となり、例えば、以前までのオブジェクトの位置から反射するかのように新たなオブジェクトの位置を決定することができ、より自然な演出によって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[変動中オブジェクト決定処理]
図33のステップS464において実行されるサブルーチンについて図49を用いて説明する。尚、上述した実施形態における図41及び図42と同じような処理については、発明の理解を容易とするために説明を省略する。
図49のステップS442が終了した場合には、ステップS447に処理を移す。ステップS447において、サブCPU206は、衝突位置までのオブジェクトの移動パターンから複数のオブジェクトの位置を参照する。この処理において、サブCPU206は、衝突位置(境界点)までのオブジェクトの移動パターンから、少なくとも2つのオブジェクトの位置を参照する。具体的な一例としては、サブCPU206は、境界点と、その境界点の直前フレームにおけるオブジェクトの位置とを参照する。そして、サブCPU206は、参照した複数のオブジェクトの位置からオブジェクトの移動ベクトルを算出する(ステップS448)。具体的には、サブCPU206は、参照した複数のオブジェクトの位置を結ぶオブジェクトの位置の移動方向を算出する。また、サブCPU206は、参照した複数のオブジェクトの位置の間で経過する時間と、その移動距離とから、オブジェクトの移動速度を算出する。つまり、サブCPU206は、オブジェクトの位置の移動方向及び移動速度を算出することによって、オブジェクトの位置の移動ベクトルを算出することとなる。このように、サブCPU206は、ステップS436によって決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、今回の識別情報の可変表示中であり、かつ、オブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置(境界点)に至るまでの複数のオブジェクトの位置に基づいて、その位置に至るまでのオブジェクトの移動ベクトルを算出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト移動ベクトル算出手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS449に処理を移す。
ステップS449において、サブCPU206は、ステップS448において算出されたオブジェクトの移動ベクトルと、バウンディングボックスに設定された弾性率αと、に基づいて、オブジェクトの反射ベクトルを算出する。この処理において、サブCPU206は、ステップS448において算出されたオブジェクトの移動ベクトルを、バウンディングボックスに対して法線方向と、その法線方向に対して垂直な垂直方向とに分解する。そして、サブCPU206は、法線方向に対する法線移動ベクトルを法線反射ベクトルとして維持するとともに、垂直方向に対する垂直移動ベクトルと、弾性率αとの積を算出し、垂直移動ベクトルとは逆方向に対して、その算出された積となる大きさのベクトルを垂直反射ベクトルとして算出する。そして、サブCPU206は、法線反射ベクトルと垂直反射ベクトルとを合成し、オブジェクトの反射ベクトルを算出する。そして、サブCPU206は、ステップS449において算出された反射ベクトルに基づいて、衝突位置からのオブジェクトの移動パターン(オブジェクトの位置)を決定する(ステップS450)。この処理において、サブCPU206は、ステップS448において算出されたオブジェクトの移動ベクトルに基づいて、新たなオブジェクトの位置の終点を決定する。また、サブCPU206は、境界点から新たなオブジェクトの位置の終点までの距離と、その間において経過する時間とに基づいて、境界点から新たなオブジェクトの位置の終点までの間におけるオブジェクトの位置を所定の間隔で決定する。つまり、サブCPU206は、オブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、その判定された位置からの新たなオブジェクトの位置を、ステップS448によって算出されたオブジェクトの移動ベクトルに基づいて決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、オブジェクト位置決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
従って、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、その決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たなオブジェクトの位置を決定することとなり、オブジェクトの位置を視点に近づける場合であっても、オブジェクトの位置と視点とが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。また、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された場合には、決定されたオブジェクトの位置がオブジェクト配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たなオブジェクトの位置をオブジェクトの位置の移動ベクトルに基づいて決定するため、オブジェクトの位置の移動ベクトルを考慮可能となり、例えば、以前までのオブジェクトの位置から反射するかのように新たなオブジェクトの位置を決定することができ、より自然な演出によって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[表示パターン決定処理]
図33のステップS465において実行されるサブルーチンについて図50を用いて説明する。尚、上述した実施形態における図43及び図44と同じような処理については、発明の理解を容易とするために説明を省略する。
図50のステップS472が終了した場合には、ステップS477に処理を移す。ステップS477において、サブCPU206は、衝突位置までの視点パターンから複数の視点位置を参照する。この処理において、サブCPU206は、衝突位置(境界点)までの視点パターンから、少なくとも2つの視点位置を参照する。具体的な一例としては、サブCPU206は、境界点と、その境界点の直前フレームにおける視点位置とを参照する。そして、サブCPU206は、参照した複数の視点位置から視点位置の移動ベクトルを算出する(ステップS478)。具体的には、サブCPU206は、参照した複数の視点位置を結ぶ視点位置の移動方向を算出する。また、サブCPU206は、参照した複数の視点位置の間で経過する時間と、その移動距離とから、視点位置の移動速度を算出する。つまり、サブCPU206は、視点位置の移動方向及び移動速度を算出することによって、視点位置の移動ベクトルを算出することとなる。このように、サブCPU206は、ステップS456によって決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、今回の識別情報の可変表示中であり、かつ、視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置(境界点)に至るまでの複数の視点位置に基づいて、その位置に至るまでの視点位置の移動ベクトルを算出することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、移動ベクトル算出手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS479に処理を移す。
ステップS479において、サブCPU206は、ステップS478において算出された視点位置の移動ベクトルと、バウンディングボックスに設定された弾性率αと、に基づいて、視点位置の反射ベクトルを算出する。この処理において、サブCPU206は、ステップS478において算出された視点位置の移動ベクトルを、バウンディングボックスに対して法線方向と、その法線方向に対して垂直な垂直方向とに分解する。そして、サブCPU206は、法線方向に対する法線移動ベクトルを法線反射ベクトルとして維持するとともに、垂直方向に対する垂直移動ベクトルと、弾性率αとの積を算出し、垂直移動ベクトルとは逆方向に対して、その算出された積となる大きさのベクトルを垂直反射ベクトルとして算出する。そして、サブCPU206は、法線反射ベクトルと垂直反射ベクトルとを合成し、視点位置の反射ベクトルを算出する。そして、サブCPU206は、ステップS479において算出された反射ベクトルに基づいて、衝突位置からの視点位置の移動パターン(視点位置)を決定する(ステップS480)。この処理において、サブCPU206は、ステップS478において算出された視点位置の移動ベクトルに基づいて、新たな視点位置の終点を決定する。また、サブCPU206は、境界点から新たな視点位置の終点までの距離と、その間において経過する時間とに基づいて、境界点から新たな視点位置の終点までの間における視点位置を所定の間隔で決定する。つまり、サブCPU206は、視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その判定された位置からの新たな視点位置を、ステップS478によって算出された視点位置の移動ベクトルに基づいて決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するサブCPU206は、視点位置決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
従って、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置を決定することとなり、視点位置を特定のオブジェクトに近づける場合であっても、視点位置と特定のオブジェクトとが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。また、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置を視点位置の移動ベクトルに基づいて決定するため、視点位置の移動ベクトルを考慮可能となり、例えば、以前までの視点位置から反射するかのように新たな視点位置を決定することができ、より自然な演出によって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[その他の実施形態]
尚、本実施形態においては、識別情報の可変表示の時間が長い場合には、識別情報の可変表示の時間が短い場合よりも多くの回数分の視点位置を決定するように構成したが、これに限らず、例えば、識別情報の可変表示の時間が長い場合には、識別情報の可変表示の時間が短い場合と同じ回数分の視点位置を決定するように構成してもよい。もちろん、識別情報の可変表示の時間が長い場合には、識別情報の可変表示の時間が短い場合よりも少ない回数分の視点位置を決定するように構成してもよい。
また、本実施形態においては、識別情報の可変表示の開始以前に、識別情報の可変表示中において視点位置を移動可能に決定するように構成したが、これに限らず、例えば、識別情報の可変表示の開始以降に、識別情報の可変表示中において視点位置を移動可能に決定するように構成してもよい。また、識別情報の可変表示中において視点位置を移動可能に決定しないように構成してもよい。
更にまた、本実施形態においては、大当り遊技状態に移行されると判定された場合には、大当り遊技状態に移行されないと判定された場合と比べて高い確率で、隣接位置に配置を変更させる視点位置を決定したが、これに限らず、例えば、大当り遊技状態に移行されると判定された場合には、大当り遊技状態に移行されないと判定された場合と比べて同じ又は低い確率で、隣接位置に配置を変更させる視点位置を決定してもよい。また、一方の視点位置配置領域から隣接位置に配置された場合には、必ず、他方の視点位置配置領域の隣接位置に配置されるようにしたが、これに限らず、例えば、一方の視点位置配置領域から隣接位置に配置された場合には、乱数値に基づいて所定の確率で、一方の視点位置配置領域の隣接位置に配置されるか、他方の視点位置配置領域の隣接位置に配置されるかを決定するようにしてもよい。また、複数の視点位置配置領域に隣接位置が設けられなくてもよい。更には、仮想空間内において一つの視点位置配置領域が設定されていてもよい。更にまた、仮想空間内において複数のオブジェクト配置領域が設定されていてもよい。また、オブジェクトが配置可能であり、視点が配置不可能なオブジェクト配置領域と、視点が配置可能であり、オブジェクトが配置不可能な視点位置配置領域と、が別に設けられていれば、隣接していても問題ない。
[遊技盤の構成]
尚、上述した実施形態においては、遊技盤14の全部を、透過性を有する部材によって構成したが、これに限らず、別の態様であってもよい。遊技盤の具体的な構成の例について図23を用いて説明する。尚、図23は、理解を容易とするために、複数の障害釘等を省略したものである。
例えば、遊技盤の一部を、透過性を有さない部材で構成してもよい。具体的には、図23(A)に示すように、遊技盤314を、透過性を有する部材314aと平板状の透過性を有さない部材314b(例えば、木材)とを結合させて構成してもよい。もちろん、図23(A)に示すように、透過性を有する部材314aと、透過性を有さない部材314bとを単に結合させて構成するだけでなく、図23(B)に示すように、透過性を有する部材315aを、透過性を有さない部材315bで囲むように結合させる構成としてもよい。
また、例えば、透過性を有する遊技盤の一部を遮蔽させる加工を施すように構成してもよい。例えば、図23(C)に示すように、透過性を有する遊技盤316の一部316bを、遮光性を有する色で塗装してもよい。これによって、符号316aに示すように、一部に透過性を有する遊技盤316を構成することができる。もちろん、塗装するかわりに、ブラスト加工、サンドペーパによる微細粗面を形成する光散乱加工を施し、可視光線が散乱してあたかも発光するかのように形成してもよい。
つまり、遊技盤は、その一部分が少なくとも透過性を有するものであればよい。言い換えると、遊技領域15の全部又は一部の後方に位置する表示領域32aに、その遊技領域15の全部又は一部の近傍を介して前方から画像が視認可能に表示されるように構成すればよい。
更には、上述した実施形態においては、一部又は全部に透過性を有する遊技盤14を用いたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、透過性を有さない遊技盤を用いてもよい。
[表示装置の構成]
透過性を有さない遊技盤を用いた構成について図24を用いて説明する。
図24に示すように、扉311には、表示装置332が備えられており、各種の演出画像が表示される。この表示装置332は、遊技者により触接された座標位置を検出するタッチパネル351と、保護カバーである透明アクリル板353、355と、それら透明アクリル板353、355の間に透明液晶表示装置から構成される液晶表示装置354と、が積層されている。この表示装置332(液晶表示装置354)は、表示領域に透過性の高い画像を表示可能となる。尚、液晶表示装置354は、表示領域に透過性の高い画像を表示するだけでなく、特別図柄の可変表示、普通図柄の可変表示、演出用の演出画像の表示等を行う。
また、この液晶表示装置354の上方及び下方には、液晶表示装置354のバックライトとしての照明装置の役割を果たす液晶バックライト352が設けられている。また、この液晶バックライト352は、電源供給時においては、点灯するように制御されている。このため、液晶バックライト352を常時電源供給時において常時駆動させることにより、液晶表示装置354に表示される画像を遊技者に対して明瞭に視認可能とさせる。この液晶バックライト352は、主として冷陰極管が採用されているが、本発明はこれに限らない。
遊技盤314には障害釘313が打ちこまれている。この遊技盤314と扉311との間に遊技領域315が設けられ、その遊技領域315に発射された遊技球317が転動可能となる。
尚、この表示装置332は、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶表示装置354、液晶バックライト352等を備えているが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶バックライト352等を備えることなく、液晶表示装置354のみを備えるように構成しても問題ない。
このように、液晶表示装置354は、表示領域と、遊技盤314における遊技領域315の全部又は一部とが重なるように遊技盤314の前方に配設され、表示領域に透過性の高い画像を表示可能とするものであるので、遊技領域315の全部又は一部を、液晶表示装置354を介して前方から画像が視認可能に表示されることとなる。言い換えると、液晶表示装置354は、遊技盤314の前方に設けられ、透過して当該遊技盤314を視認可能であり、遊技に関する演出画像を表示する表示領域を有する装置である。尚、遊技盤と表示装置とが奥行き方向に重ならない構成であってもよい。
尚、本実施形態においては、主制御回路60と副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、図25や図35に示すように、副制御回路200と主制御回路60とをワンボードに構成してもよい。
尚、上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称される第2種パチンコ遊技機、権利モノと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
尚、本実施形態においては、図1に示すようなパチンコ遊技機に本発明を採用したが、これに限らず、例えば、図26に示すようなパチスロ遊技機410や、図27に示すようなゲーム機501など、各種の遊技機に本発明を採用してもよい。具体的には、図26に示すように、パチスロ遊技機410には、透過性の高い画像を表示可能な液晶表示装置430と、その液晶表示装置430の後方にリール(図示せず)とを備えている。このため、液晶表示装置430に透過性の高い画像が表示されている場合には、遊技者に対してリールを視認可能な状態となる。また、図27に示すように、ゲーム機501にも、透過性の高い画像を表示可能な液晶表示装置505と、その液晶表示装置505の後方にリール503L、503C、503Rとを備えている。もちろん、このようなスロットゲームが実行されるゲーム機501でなくとも、ビンゴゲームやクジが実行されるゲーム機に本発明を適用してもよい。
また、ゲーム機などに適用してもよい。例えば、図28に示すように、ゲーム機600は、ゲームの進行を制御するとともに、各種の画像を表示させる制御、各種の音声を発生させる制御を行うゲーム機本体604と、ゲーム機本体604に電気的に接続され、各種の画像を表示する表示装置602と、ゲーム機本体604に電気的に接続され、遊技者によって操作可能な操作部606とから構成される。ゲーム機本体604は、上述したような制御を行う制御部(図示せず)を有する。また、このゲーム機本体604は、上述したような制御を制御部に行わせるためのプログラムが記憶された情報記憶媒体(例えば、CD−ROM、DVD−ROMなど)を着脱可能である。
[シミュレーションプログラムの実施形態]
また、上述した実施形態においては、各種の処理をコンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラムにも適用可能である。このシミュレーションプログラムは、上述した実施形態における各種の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
パチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて図29を用いて説明する。尚、図29は、このシミュレーションプログラムを実行するコンピュータを示す概略図である。
図29に示すように、コンピュータ300Aは、コンピュータ本体302、表示領域304aに画像を表示する表示装置304、操作部としてのキーボード306を備えている。コンピュータ本体302には、表示装置304と、キーボード306と、が電気的に接続されている。尚、本実施形態においては、キーボード306を操作部として構成したが、本発明はこれに限らず、操作可能であれば他の態様であってもよく、例えば、マウス、コントローラ等でもよい。
コンピュータ本体302には、制御回路(図示せず)が内蔵されている。この制御回路は、CPU等からなる制御部(図示せず)と、各種のデータ、プログラム等を記憶する記憶部(図示せず)と、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体からデータを読み出すドライブ装置(図示せず)と、を備えている。また、制御回路は、表示装置304及びキーボード306等の外部装置を制御するためのインターフェイス回路(図示せず)を備えている。
尚、本実施形態においては、コンピュータとしてパーソナルコンピュータを用いた構成としたが、本発明はこれに限らず、別の態様であってもよく、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置であってもよい。
また、本実施形態においては、上述した実施形態におけるパチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて説明する。このシミュレーションプログラムは、具体的には以下のような処理(ステップ)をコンピュータに実行させるためのものである。
(A1) 遊技に関する画像の表示制御を行う表示制御処理。
(A2) 仮想空間内に配置される複数種類のオブジェクトのうち、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類、当該オブジェクトの位置を決定するオブジェクト決定処理。
(A3) 仮想空間内に配置された視点位置を移動可能に決定する視点位置決定処理。
(A4) 前記オブジェクト決定処理において前記仮想空間内に配置されると決定されたオブジェクトと、前記視点位置決定処理において決定された視点位置との前記仮想空間内における位置関係を所定の時間毎に算出することによって、前記視点位置から見た立体画像を生成する画像生成処理。
(A5) 前記表示制御処理において、前記画像生成処理において生成される立体画像を表示させる制御を行う画像表示制御処理。
(A6) 前記視点位置決定処理において、前記仮想空間内のうち視点位置が配置可能な視点位置配置領域内に前記視点位置を移動可能に決定する処理。
(A7) 前記オブジェクト決定処理において、前記仮想空間内のうち、前記視点位置配置領域とは別であり、オブジェクトが配置可能なオブジェクト配置領域内に前記オブジェクトの位置を決定する処理。
(A8) 前記視点位置決定処理において、前記仮想空間内のうち、前記オブジェクト配置領域とは別であり、視点位置が配置可能な複数の視点位置配置領域内に前記視点位置を移動可能に決定する処理。
(A9) 前記視点位置決定処理において、前記第1の視点位置配置領域と、当該第1の視点位置配置領域に隣接する第2の視点位置配置領域とが隣接する隣接位置に視点位置を決定した場合には、前記第1の視点位置配置領域から前記第2の視点位置配置領域に、又は、前記第2の視点位置配置領域から前記第1の視点位置配置領域に配置を変更させる視点位置を決定する処理。
(A10) 遊技球が転動可能な遊技領域における始動領域を遊技球が通過したことを条件として、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かを判定する大当り判定処理。
(A11) 前記視点位置決定処理において、前記大当り判定処理において大当り遊技状態に移行されると判定された場合には、前記大当り判定処理において大当り遊技状態に移行されないと判定された場合と比べて高い確率で、前記隣接位置に配置を変更させる視点位置を決定する処理。
(A12) 遊技球が転動可能な遊技領域における始動領域を遊技球が通過したことを条件として、識別情報の可変表示の表示制御を行う可変表示制御処理。
(A13) 前記画像表示制御処理において、前記可変表示制御処理において表示制御される前記識別情報の可変表示中において、前記視点位置決定処理において決定された視点位置からの画像を表示させる制御を行う処理。
(A14) 前記視点位置決定手段によって決定された視点位置が前記視点位置配置領域の境界に至るか否かを判定する視点位置判定処理。
(A15) 前記視点位置決定処理において、前記視点位置判定処理において前記視点位置が前記視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、当該視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置を、前記乱数抽出処理において再度抽出された乱数値に基づいて決定する処理。
(A16) 前記視点位置決定処理において決定された視点位置が前記視点位置配置領域の境界に至るか否かを判定する視点位置判定処理。
(A17) 前記視点位置決定処理において、前記視点位置判定処理において前記視点位置が前記視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、当該視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置として、当該視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置で停止させる視点位置を決定する処理。
(A18) 前記視点位置決定処理において決定された視点位置が前記視点位置配置領域の境界に至るか否かを判定する視点位置判定処理。
(A19) 前記視点位置判定処理において前記視点位置が前記視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、当該視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置に至るまでの複数の視点位置に基づいて、当該視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置に至るまでの視点位置の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出処理。
(A20) 前記視点位置決定処理において、前記視点位置判定処理において前記視点位置が前記視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、当該視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置を、前記移動ベクトル算出処理において算出された前記視点位置の移動ベクトルに基づいて決定する処理。
このように、(A1)から(A7)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、抽出された乱数値に基づいて、仮想空間内のうち視点位置が配置可能に設定された視点位置配置領域内に視点位置を移動可能に決定するとともに、仮想空間内のうち、視点位置配置領域とは別であり、オブジェクトが配置可能に設定されたオブジェクト配置領域内にオブジェクトの位置を決定する。従って、視点位置が配置可能な視点位置配置領域と、オブジェクトが配置可能なオブジェクト配置領域と、が別々に設定されているため、オブジェクトと視点位置との衝突を防止することができ、オブジェクトと視点位置との衝突を考慮する必要がなく容易に設計可能である。
また、(A8)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、視点位置配置領域が複数設定された。従って、例えば、複雑な視点位置配置領域を設定する場合であっても、複数の視点位置配置領域が設定可能であるため、視点位置配置領域が設定し易く、更には、複数の視点位置配置領域に設定された視点位置からの画像を表示させることができ、画像の表示の多様化を図ることによって演出効果が向上し、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、(A9)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、第1の視点位置配置領域と第2の視点位置配置領域とが隣接する隣接位置に視点位置を決定した場合には、第1の視点位置配置領域から第2の視点位置配置領域に、又は、第2の視点位置配置領域から第1の視点位置配置領域に配置を変更させる視点位置を決定する。従って、複数の視点位置配置領域が隣接して設定された場合には、それら複数の視点位置配置領域間を跨いで視点位置が決定されるため、複数の視点位置配置領域を跨いで連続的に視点位置からの画像を表示させることができ、画像の表示の多様化を図ることによって演出効果が向上し、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、(A10)及び(A11)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、大当り遊技状態に移行されると判定された場合には、大当り遊技状態に移行されないと判定された場合と比べて高い確率で、隣接位置に配置を変更させる視点位置を決定する。従って、視点位置が隣接位置となった場合には、大当り遊技状態に移行される可能性が高くなるため、大当り遊技状態への期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、(A12)及び(A13)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、識別情報の可変表示中において、決定された視点位置からの画像を表示させる。従って、識別情報の可変表示中において、視点位置としての隣接位置からの画像が表示される期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、(A14)及び(A15)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、再度抽出された乱数値に基づいて、その決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置を決定する。従って、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、再度抽出された乱数値に基づいて、その決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置を決定することとなり、視点位置を特定のオブジェクトに近づける場合であっても、視点位置と特定のオブジェクトとが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
また、(A16)及び(A17)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置として、その決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置で停止させる視点位置を決定する。従って、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その位置で停止させることとなり、視点位置を特定のオブジェクトに近づける場合であっても、視点位置と特定のオブジェクトとが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。
また、(A18)から(A20)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置に至るまでの複数の視点位置に基づいて、その位置に至るまでの視点位置の移動ベクトルを算出し、その視点位置配置領域の境界に至る位置からの新たな視点位置を、算出された視点位置の移動ベクトルに基づいて決定する。従って、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、その決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置を決定することとなり、視点位置を特定のオブジェクトに近づける場合であっても、視点位置と特定のオブジェクトとが衝突するようなおそれはなく、不自然な演出の実行を避けて、遊技に対する興趣の減退を防止することができる。また、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された場合には、決定された視点位置が視点位置配置領域の境界に至ると判定された位置からの新たな視点位置を視点位置の移動ベクトルに基づいて決定するため、視点位置の移動ベクトルを考慮可能となり、例えば、以前までの視点位置から反射するかのように新たな視点位置を決定することができ、より自然な演出によって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
尚、本実施形態においては、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、制御部を各種の手段として機能させるように構成したが、本発明はこれに限らず、例えば、上述した記憶媒体よりコンピュータ300Aに内蔵された記憶部にプログラムをインストールし、コンピュータ300Aに内蔵された記憶部に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、上述した実施形態における各種の手段として制御部を機能させるように構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、一つのコンピュータ300Aにおいて各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、他のコンピュータ(例えばゲームサーバ)と、それらの処理を別々に分けて実行させるように構成してもよい。
他のコンピュータを用いて実行されるシミュレーションプログラムについて図30を用いて説明する。尚、図30は、シミュレーションプログラムを実行するゲームシステムを示す概略図である。
図30に示すように、ネットワーク500には、コンピュータ300A、300B、…と、その他のコンピュータであるゲームサーバ400と、が接続されている。つまり、これらのコンピュータ300A、300B、…は、ゲームサーバ400に対して通信可能に接続されている。また、ゲームサーバ400は、制御部(図示せず)と、プログラムを記憶する記憶部(図示せず)と、を備え、制御部は、記憶部に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。
この場合には、上述した実施形態において具体的に記載された処理を、コンピュータ300A、300B、…と、ゲームサーバ400とに、別々に分けて実行させるように構成してもよい。
本実施形態におけるパチンコ遊技を模するシミュレーションプログラムの一例を挙げると、上述した(A10)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをゲームサーバ400の記憶部に記憶し、上述した(A1)から(A9)、(A11)から(A20)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをコンピュータ300A、300B、…の記憶部に記憶する。これにより、ゲームサーバ400の制御部は、(A10)の処理を実行し、コンピュータ300A、300B、…の制御部は、(A1)から(A9)、(A11)から(A20)の処理を実行することとなる。もちろん、上述した処理については一例であり、他の装置によって各種の処理を実行するようにしてもよい。
尚、本実施形態においては、コンピュータ300A、300B、…の各々とゲームサーバ400とに、シミュレーションプログラムに含まれる各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、各種の処理を実行させるためのシミュレーションプログラムをゲームサーバ400に記憶し、コンピュータ300A、300B、…からゲームサーバ400に供給されるダウンロード要求に応じて、ゲームサーバ400からコンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムをダウンロードすることにより、コンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムを実行させるように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技に関する画像を表示する表示手段と、仮想空間内に配置される複数種類のオブジェクトが記憶されたオブジェクト記憶手段と、前記オブジェクト記憶手段に記憶された複数種類のオブジェクトのうち、前記仮想空間内に配置されるオブジェクトの種類、当該オブジェクトの位置を決定するオブジェクト決定手段と、仮想空間内に配置された視点位置を移動可能に決定する視点位置決定手段と、前記オブジェクト決定手段によって前記仮想空間内に配置されると決定されたオブジェクトと、前記視点位置決定手段によって決定された視点位置との前記仮想空間内における位置関係を所定の時間毎に算出することによって、前記視点位置から見た立体画像を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段によって生成される立体画像を前記表示手段に表示させる制御を行う画像表示制御手段と、を備えた遊技機であって、所定の乱数値を抽出する乱数抽出手段と、前記仮想空間内のうち、視点位置が配置可能な視点位置配置領域が設定された視点位置配置設定手段と、前記仮想空間内のうち、前記視点位置配置領域とは別であり、オブジェクトが配置可能なオブジェクト配置領域が設定されたオブジェクト配置設定手段と、を備え、前記視点位置決定手段は、前記乱数抽出手段によって抽出された乱数値に基づいて、前記視点位置配置設定手段によって設定された視点位置配置領域内に前記視点位置を移動可能に決定する機能を有し、前記オブジェクト決定手段は、前記オブジェクト配置設定手段によって設定されたオブジェクト配置領域内に前記オブジェクトの位置を決定する機能を有することを特徴とするものであるが、表示手段、オブジェクト記憶手段、オブジェクト決定手段、視点位置決定手段、画像生成手段、画像表示制御手段、乱数抽出手段、視点位置配置設定手段、オブジェクト配置設定手段、大当り判定手段、可変表示手段、可変表示制御手段、視点位置判定手段、視点位置決定手段、移動ベクトル算出手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。