JP4738024B2 - 二酸化炭素及び水蒸気によるメタンの改質方法及びシステム、この改質用の触媒、並びにこの触媒の製造方法 - Google Patents

二酸化炭素及び水蒸気によるメタンの改質方法及びシステム、この改質用の触媒、並びにこの触媒の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、二酸化炭素及び水蒸気によるメタンの改質方法及びシステム、この改質用の触媒、並びにこの触媒の製造方法に関する。
メタンを改質して水素を生成する方法は、メタンと水蒸気とを反応させる水蒸気改質反応(式1)が主体となっている。
CH4+H2O→3H2+CO・・・(式1)
水蒸気改質反応は、反応の段階で、原料の水を水蒸気にする必要があるが、メタンに対する水蒸気の比(以下、「S/C比」と略す)が低い場合、メタンの水蒸気改質が十分に行われずに、副反応として、メタンの分解反応(式2)が起こる。
CH4→2H2+C・・・(式2)
この副反応によって触媒上に炭素が析出すると、触媒の活性が阻害され、反応効率が低下するという問題がある。したがって、炭素析出を防止するために、S/C比を高くする必要がある。しかしながら、S/C比を高くすると熱効率の低下などが生じ、経済的な面での損失が大きくなるという問題がある。
一方、温室効果ガスである二酸化炭素を固定化する方法の1つとして、二酸化炭素をメタンと反応させて水素を生成する方法が提案されている。この反応を式3に示す。
CH4+CO2→2H2+2CO・・・(式3)
この式3の反応に有効な触媒としては、酸化アルミニウム担持ニッケル触媒がある。しかしながら、このNi/Al23触媒は、副反応(式2)の炭素析出により活性低下が甚だしいという問題がある。そこで、炭素の析出防止を図るために、上記の触媒にランタン(La)又はバリウム(Ba)を添加することが提案されている(非特許文献1)。
田村祐介、外3名,「メタンの二酸化炭素によるリフォーミングI−Ni/Al2O3触媒への塩基性物質添加の影響−」,広島工業大学研究紀要,2001年,第35巻,p.207−216
本発明は、メタンに対する水蒸気の比(S/C比)を相対的に減少させるために、水蒸気とともに二酸化炭素によってメタンを改質することを図るものである。すなわち、本発明は、水蒸気改質反応(式1)と二酸化炭素改質反応(式3)とを同時に進行させることを図るものである。しかしながら、水蒸気改質反応に用いられる従来の触媒は、二酸化炭素改質反応に対して活性が非常に低いという問題がある。一方、上記文献に記載されたLa又はBa添加のNi触媒は、二酸化炭素改質反応に対して活性が高いものの、依然として副反応(式2)により炭素が析出して触媒活性が低下すること、及び触媒成分であるNiが水蒸気により酸化され触媒性能が低下することから長期間にわたって安定してメタンを改質することができないという問題がある。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、メタンに対する水蒸気の比(S/C比)を低くできるとともに、メタンを長期間にわたって安定して改質することができる二酸化炭素及び水蒸気によるメタンの改質方法及びシステム、この改質用の触媒、並びにこの触媒の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る二酸化炭素及び水蒸気によりメタンを改質するための触媒は、ルテニウム及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1つの活性成分が、酸化セリウムの第1の酸化物と、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1つの第2の酸化物とを含む担体に担持されていることを特徴とする。
このように、活性成分としてルテニウム又はロジウムを採用することで、水蒸気改質反応及び二酸化炭素改質反応の両方に対して優れた活性を得ることができる。また、上記第1の酸化物と上記第2の酸化物との両方を含む担体を採用することで、第1の酸化物である酸化セリウムにより担体全体が電子供与性(δ-)となり、水蒸気及び二酸化炭素が担体に活性化吸着するので、相対的に触媒表面でのメタンの分解反応を防止することができる。したがって、本触媒によれば、S/C比を低くすることができるとともに、触媒上への炭素析出が防止され、メタンを長期間にわたって安定して改質することができる。
前記活性成分であるルテニウム又はロジウムの粒径は、5nm以下であることが好ましい。活性成分の粒径を5nm以下にすることで、活性成分も電子供与性(δ-)にすることができる。したがって、水蒸気及び二酸化炭素が活性成分に活性化吸着するので、活性成分表面への炭素析出をより確実に防止することができるので、触媒の活性低下をさらに顕著に防止することができる。
前記活性成分であるルテニウム又はロジウムの結晶形態は、アモルファス状であることが好ましい。活性成分の結晶形態をアモルファス状にすることで、特に二酸化炭素改質反応の活性を顕著に向上させることができる。
前記活性成分の量は、触媒全体を100重量%とすると、0.01〜5重量%であることが好ましい。また、前記第1の酸化物の量は、前記第1の酸化物と前記第2の酸化物の合計を100重量%とすると、20〜60重量%であることが好ましい。
このように、ルテニウム又はロジウムの水酸化物を含有するスラリーを、担体である粒状の酸化物に添加して焼成することで、活性成分となるルテニウム又はロジウムを担体上に5nm以下の粒径でアモルファス状に高分散化させることができる。
なお、前記粒状の担体は、アルカリ沈殿法又は蒸発乾固法によって生成する沈殿物又は乾固物を焼成することによって得られるものが好ましい。
本発明は、別の態様として、二酸化炭素及び水蒸気によりメタンを改質するための触媒を製造する方法であって、ルテニウム及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1つの元素の水酸化物を含有するスラリーを、酸化セリウムの第1の酸化物と、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1つの第2の酸化物とを含む粒状の担体に添加して焼成する工程と含んでなることを特徴とする。
本発明に係る製造方法は、アルカリ沈殿法又は蒸発乾固法によって生成する沈殿物又は乾固物を焼成して前記粒状の担体を得る工程をさらに含むことが好ましい。
本発明は、さらに別の態様として、二酸化炭素及び水蒸気によりメタンを改質する方法であって、上記に記載した触媒を用いることを特徴とする。
本発明は、またさらに別の態様として、二酸化炭素及び水蒸気によりメタンを改質するシステムであって、上記に記載した触媒を備えていることを特徴とする。
上記したように、本発明によれば、S/C比を低くできるとともに、メタンを長期間にわたって安定して改質することができる二酸化炭素及び水蒸気によるメタンの改質方法及びシステム、この改質用の触媒、並びにこの触媒の製造方法が提供される。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。先ず、本発明に係る触媒の一実施の形態について説明する。触媒の活性成分は、ルテニウム(Ru)又はロジウム(Rh)である。Ru又はRhを活性成分として用いることで、水蒸気改質反応及び二酸化炭素改質反応の両方に対して優れた活性を得ることができる。また、Ru又はRhの粒径は直径5nm以下であることが好ましい。粒径を5nm以下にすることで、活性成分を電子供与性(δ-)にすることができる。
Ru又はRhの結晶形態は、アモルファス状であることが好ましい。アモルファス状にすることで、特に二酸化炭素改質反応の活性を顕著に向上させることができる。活性成分の量は、触媒全体を100重量%とすると、0.01〜5重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましい。0.01重量%以上にすることで、反応活性サイトが多くなり十分な反応速度を得ることができる。また、5重量%以下にすることで、担体からの電子供与効果が十分に得られ、メタンの直接分解反応をより確実に防止することができる。
また、触媒の担体は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)及び酸化ストロンチウム(SrO)のうちの少なくとも1種の第1の酸化物と、酸化アルミニウム(Al23)及び酸化ジルコニウム(ZrO2)のうちの少なくとも1種の第2の酸化物とを含む担体である。第1の酸化物としてMgO、CeO2又はSrOを用いることで、担体を電子供与性(δ-)にすることができる。そして、第1の酸化物と第2の酸化物との両方を含む担体とすることで、担体全体が電子供与性(δ-)となり、水蒸気及び二酸化炭素が担体に活性化吸着されるので、相対的に触媒表面でのメタンの分解反応を防止することができる。
なお、第2の酸化物としてAl23又はZrO2を用いることで、800℃以上の高温状態に晒されてもその多孔質性を維持することができ、改質反応時における触媒のメタンに対する高い接触効率が維持される。第1の酸化物の量は、第1の酸化物と第2の酸化物との合計を100重量%とすると、20〜60重量%であることが好ましい。20重量%以上にすることで、これらは容易に複合酸化物となり電子供与効果を十分に発揮することができる。また、60重量%以下にすることで、800℃以上の高温使用によっても担体の比表面積を確実に維持することができる。
次に、本発明に係る触媒の製造方法の一実施の形態について説明する。触媒の担体は、アルカリ沈殿法や蒸発乾固法等により調製することが好ましい。以下に先ず、アルカリ沈殿法による手順について詳細に説明する。先ず、Mg、Ce又はSrの塩化物や硝酸塩等の塩と、Al又はZrの塩化物や硝酸塩等の塩とに、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)、アンモニア(NH4OH)等のアルカリを加える。これにより、Mg、Ce又はSrと、Al又はZrとの水酸化化合物又は塩基性炭酸塩を含む沈殿物を得ることができる。
この得られた沈殿物を焼成することで、Mg、Ce又はSrと、Al又はZrとの複合酸化物が得られる。なお、焼成温度は500〜1100℃が好ましく、焼成時間は1〜24時間が好ましい。また、焼成前に沈殿物を乾燥させておくことが好ましい。得られた複合酸化物は直径10〜30μmの粉末状であるので、反応ガスの通気性向上のため、直径1〜7mmの粒状に成型することが好ましい。
次に、蒸発乾固法による担体の調製手順について詳細に説明する。先ず、Mg、Ce又はSrの塩化物や硝酸塩等の塩を溶解させた水溶液にAl23又はZrO2の粉末又は粒子を浸漬する。この水溶液を加熱して水分を蒸発させることで、乾固物を得ることができる。また、Al23又はZrO2は、Al又はZrの塩化物や硝酸塩等の塩にアルカリを加えることで得られる。そして、この乾固物を焼成して酸化物化することで、Mg、Ce又はSrと、Al又はZrとの複合酸化物を得ることができる。なお、焼成の条件は上記と同様である。
そして、上記により得られた粒状の複合酸化物に活性成分を担持させる。活性成分の担持方法は、活性成分の水酸化物を含有するスラリーを担体に分散させて焼成する方法が好ましい。以下、本方法の手順について詳細に説明する。先ず、アルカリ沈殿法や、Ru又はRhの水酸化物を湿式粉砕する等の方法によって、Ru又はRhの水酸化物スラリーを調製する。アルカリ沈殿法では、Ru又はRhの硝酸塩又は炭酸塩を、アンモニウム水や水酸化ナトリウム等のアルカリで中和して、Ru又はRhの水酸化物を含有するスラリーを生成する。
このスラリーを、上記により得られた粒状の複合酸化物に混合添加した後、この混合添加したものを焼成する。これにより、Ru又はRhの水酸化物は、結晶形態がアモルファス状で、粒径が直径5nm以下であるRu又はRhとなり、粒状の複合酸化物の表面上に分散担持される。なお、焼成温度は500〜1100℃が好ましく、焼成時間は1〜24時間が好ましい。また、焼成前に乾燥させておくことが好ましい。以上により、本発明に係る触媒を製造することができる。
さらに次に、本発明に係る二酸化炭素及び水蒸気によりメタンを改質するシステムの一実施の形態について説明する。本システムは、本発明に係る触媒が内部に充填された改質部と、この改質部に原料であるメタンを供給するメタン供給部と、この改質部に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給部と、この改質部に水蒸気を供給する水蒸気供給部と、この改質部を加熱する加熱部とから主に構成されている。
このような構成によれば、先ず、加熱部によって改質部の内部を500〜1000℃、好ましくは650〜850℃の温度に加熱する。そして、この改質部の内部にメタン、二酸化炭素及び水蒸気を各供給部から供給する。ここで、メタンに対する水蒸気の比(S/C比)は、0.1〜3mol/molが好ましく、1.0〜2.0mol/molがより好ましい。S/C比を0.1mol/mol以上にすることで、二酸化炭素とメタンの改質反応を安定に行うことができる。また、S/C比を3mol/mol以下にすることで、水蒸気添加によるプロセス効率の低下を防止することができる。
また、メタンに対する二酸化炭素の比(CO2/CH4比)は、0.1〜3.0mol/molが好ましく、1.0〜2.0mol/molがより好ましい。CO2/CH4比を0.1mol/mol以上にすることで、水蒸気とメタンの改質反応を安定に行うことができる。また、CO2/CH4比を3.0mol/mol以下にすることで、水及び二酸化炭素を効率よくメタンの改質反応に利用することができる。さらに、メタンに対する二酸化炭素と水蒸気の比((CO2+H2O)/CH4比)は、2.5mol/mol以上が好ましい。(CO2+H2O)/CH4比を2.5mol/mol以上にすることで、二酸化炭素と水蒸気とメタンの改質反応を安定に行うことができる。
これにより、改質部において、メタンが水蒸気改質及び二酸化炭素改質され、水素と一酸化炭素を含有する合成ガスが得られる。改質部の内部には、本発明に係る触媒が充填されているので、二酸化炭素を供給しても、二酸化炭素によるメタンの改質反応が十分に進む。また、二酸化炭素の供給により相対的にS/C比が減少しても、本発明に係る触媒によって炭素の析出は防止されるので、長期間にわたってメタンを安定して改質することができる。
(触媒番号1の調製)
無水炭酸ナトリウム(Na2CO3、MW=106)1850gをイオン交換水100Lに溶かし、これに塩化マグネシウム6水和物(MgCl2・6H2O、MW=203.3)1730gと無水塩化アルミニウム(AlCl3、MW=133.3)1160gを加えた。これより得られた沈殿物を十分に水洗し、120℃で乾燥した後、1100℃で5h焼成した。これより得られた粉末は、酸化マグネシウムと酸化アルミニウムの重量比が50:50の酸化マグネシウムと酸化アルミニウムの複合酸化物(MgO・Al23)であった。この粉末1kgを直径約3mmの粒状に成型して担体を調製した。
続いて、5wt%の硝酸ルテニウム(Ru(NO34、MW=349)水溶液10Lに1Nのアンモニア水をpH7.5になるまで添加し、黒色の水酸化ルテニウム(Ru(OH)4)を含むスラリーを調製した。そして、先に調製したMgO・Al23粒状担体100gに、この水酸化ルテニウムスラリーをRu量換算で触媒全重量に対し2wt%量添加し、120℃で12h十分に乾燥させた後、さらに700℃で24h焼成させた。これにより、Ruを2wt%担持したRu/MgO・Al23触媒(触媒番号1)を得た。
(触媒番号2の調製)
触媒番号1の調製方法に対し、硝酸ルテニウムを硝酸ロジウム(Rh(NO33、MW=289)に変え、Rh量を触媒全重量に対し0.1wt%にしたこと以外は全て同様の調製方法により、Rh/MgO・Al23触媒(触媒番号2)を調製した。
(触媒番号3及び4の調製)
触媒番号1の調製方法に対し、塩化マグネシウムを硝酸第一セリウム(Ce(NO33・6H2O、MW=434.2)1890g又は無水硝酸ストロンチウム(Sr(NO32、MW=211.6)615gに変えたこと以外は全て同様の調製方法により、Ru/CeO2・Al23触媒(触媒番号3)及びRu/SrO・Al23触媒(触媒番号4)を調製した。
(触媒番号比較1の調製)
無水炭酸ナトリウム(Na2CO3、MW=106)1850gをイオン交換水100Lに溶かし、これに無水塩化アルミニウム(AlCl3、MW=133.3)1160gを加えた。これにより得られた沈殿物を十分に水洗し、120℃で乾燥した後、1100℃で5h焼成した。これにより得られたα−Al23粉末1kgを直径約3mmの粒状に成型した。さらにこれを、塩化マグネシウム6水和物(MgCl2・6H2O、MW=203.3)220gをイオン交換水1.5Lに溶解させた水溶液に浸漬させ、加熱により水分を蒸発させた後、1100℃で5h焼成した。これにより得られた酸化アルミニウムと酸化マグネシウムの複合酸化物(MgO/α−Al23)を直径約3mmの粒状に成型して担体を調製した。
続いて、硝酸ニッケル6水和物(Ni(NO32・6H2O、MW=290.8)50gをイオン交換水0.5Lに溶解させた水溶液に、先に調製したMgO/α−Al23担体90gを浸漬させ、加熱により水分を蒸発させた後、500℃で5h焼成した。これにより、Niを触媒全重量に対し10wt%担持したNi/MgO/α−Al23触媒(触媒番号比較1)を得た。
(触媒番号比較2の調製)
無水炭酸ナトリウム(Na2CO3、MW=106)1850gをイオン交換水100Lに溶かし、これに無水塩化アルミニウム(AlCl3、MW=133.3)1160gを加えた。これにより得られた沈殿物を十分に水洗し、120℃で乾燥した後、1100℃で5h焼成した。これにより得られたα−Al23粉末1kgを直径約3mmの粒状に成型して担体を調製した。
続いて、5wt%の硝酸ルテニウム(Ru(NO34、MW=349)水溶液10Lに1Nのアンモニア水をpH7.5になるまで添加し、黒色の水酸化ルテニウムを含むスラリーを調製した。先に調製したα−Al23粒状担体100gにこの水酸化ルテニウムスラリーをRu量換算で触媒全重量に対し2wt%量添加し、120℃で12h十分に乾燥させた後、さらに700℃で24h焼成させた。これにより、Ruを2wt%担持したRu/α−Al23触媒(触媒番号比較2)を得た。
以上の触媒番号1〜4及び比較1〜2の触媒の組成及び調製方法を表1にまとめる。
Figure 0004738024
(メタンの改質の性能評価)
触媒番号1〜4及び比較1〜2の各触媒を用いて、固定床流通式リアクタでメタンの改質反応を行った。反応条件を表2に示す。なお、試験番号1は、水蒸気と二酸化炭素によるメタンの改質反応であり、試験番号2及び3は、水蒸気のみによるメタンの改質反応である。
Figure 0004738024
改質反応により生成したガスを分析し、以下の式4からメタン反応率(%)を算出した。改質反応の初期のメタン反応率と、500時間経過後のメタン反応率を表3にまとめた。
Figure 0004738024
Figure 0004738024
表3に示すように、水蒸気と二酸化炭素によるメタンの改質反応(試験番号1)では、触媒番号1〜4のいずれの触媒においてもメタン反応率は500時間経過後でもほとんど低下せず、優れた耐久性を示した。一方、活性成分がNiである比較1と、担体が酸化アルミニウムのみの比較2では、メタン反応率が500時間経過後で約3分の1程度まで低下した。また、比較1は、初期のメタン反応率も触媒番号1〜4の触媒の約80%と低かった。
また、二酸化炭素を供給せず、水蒸気を上記と同じS/C比で供給した場合のメタンの改質反応(試験番号2)でも、触媒番号1〜4の各触媒は優れた耐久性を示したが、比較1及び2の各触媒はメタン反応率が約3分の1程度まで低下した。なお、二酸化炭素を供給せず、水蒸気を上記の2倍のS/C比で供給した場合のメタンの改質反応(試験番号3)では、比較1及び2の各触媒のメタン反応率は約3分の2程度までの低下となり、耐久性は向上した。
上記の各試験において、500時間経過後の触媒番号1〜4及び比較1及び2の各触媒に付着した炭素(C)の量を測定した。その結果を表4に示す。触媒番号1〜4のいずれの触媒においても炭素析出量は、触媒全体の重量に対して僅かであったが、比較1及び2の各触媒ではこの数倍以上の炭素が付着していた。
Figure 0004738024
以上により、触媒番号1〜4の各触媒は、S/C比が低くても、触媒上への炭素析出量が非常に少なく、触媒活性の低下が起こらないので、メタンの改質反応を長期にわたって安定して維持できることが確認できた。

Claims (9)

  1. 二酸化炭素及び水蒸気によりメタンを改質するための触媒であって、ルテニウム及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1つの活性成分が、酸化セリウムの第1の酸化物と、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1つの第2の酸化物とを含む担体に担持されている触媒。
  2. 前記活性成分であるルテニウム又はロジウムの粒径が5nm以下である請求項1に記載の触媒。
  3. 前記活性成分であるルテニウム又はロジウムの結晶形態がアモルファス状である請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 前記活性成分の量が、触媒全体100重量%に対して、0.01〜5重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
  5. 前記第1の酸化物の量が、前記第1の酸化物と前記第2の酸化物の合計100重量%に対して、20〜60重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の触媒。
  6. 二酸化炭素及び水蒸気によりメタンを改質するための触媒を製造する方法であって、ルテニウム及びロジウムからなる群から選択される少なくとも1つの元素の水酸化物を含有するスラリーを、酸化マグネシウム、酸化セリウム及び酸化ストロンチウムからなる群から選択される少なくとも1つの第1の酸化物と、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1つの第2の酸化物との粒状の担体に添加して焼成する工程と含んでなる製造方法。
  7. アルカリ沈殿法又は蒸発乾固法によって生成する沈殿物又は乾固物を焼成して前記粒状の担体を得る工程をさらに含んでなる請求項に記載の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の触媒を用いて、二酸化炭素及び水蒸気によりメタンを改質する方法。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の触媒を備えた、二酸化炭素及び水蒸気によりメタンを改質するシステム。
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