JP4736838B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、特に、プリンタや複写機等の電子写真方式の画像形成に使用される静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)に関する。
レーザプリンタやMFP(マルチファンクショナルペリフェラル)等に代表される電子写真方式の画像形成装置によるカラー画像形成のニーズは、今後さらに拡大するものと見られている。そして、さらなる普及を実現する上で、コンパクト性やメンテナンス性も求められ、これらのニーズを満足するカラーの画像形成装置として、キャリアを使用せずに画像形成が行える非磁性1成分現像剤を用いたものが主に使用されている。非磁性1成分現像剤を用いた画像形成方法は、例えば、静電潜像担持体上に形成された潜像を現像ローラ等の現像剤担持体により搬送、供給されたトナーよりなる非磁性1成分現像剤により現像し、形成されたトナー像を転写材に転写し、転写材上のトナー像を熱定着する方法が主にとられている。
また、近年では、オフィスでの会議資料作成やPOP広告の作成等、迅速なフルカラー画像形成が市場で求められる様になってきた。そして、コンパクトな高速カラープリンタでプリントを行う場合、トナーには迅速で安定した帯電立ち上がり性能が求められる。このニーズに対応した技術として、例えば、ポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤及び酸化型ポリオレフィンワックスを含有した粉砕トナーにより、迅速な帯電立ち上がりを実現したものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献に開示されたトナーでは、構成材料が限定されるためトナーの生産コストへの影響は否めなかった。しかも、連続プリントを行うとチャージアップによる画像濃度低下が徐々に現れる傾向があり必ずしも好ましいものではなかった。
ところで、近年のトナーの技術動向を見ると、樹脂粒子を水系媒体中で凝集させる工程を経て作製される、いわゆる重合トナーの開発がめざましい。重合トナーは、その製造工程で小粒径で形状や粒度分布の揃ったものを作製するのに適しており、ピクトリアルな画像形成に最適なトナーを提供することが可能である(たとえば、特許文献2参照)。
また、画像形成装置のコンパクト化も進んでいるが、装置が小型化するとトナーや構成部材に加わる衝撃も大きくなり、これらに耐久性を付与することが検討される様になった。画像形成時における耐久性を向上させる技術も検討され、例えば、水系媒体中での粒子形成時にトナー粒子の硬度強度を制御するトナー製造技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−235280号公報 特開2000−214629号公報 特開2000−347445号公報
しかしながら、上記特許文献3に開示されたトナーを「コンパクトな非磁性1成分高速カラープリンター」に搭載し、低温低湿環境で大量に連続プリントを行うと、画像濃度の低下が問題となった。コンパクトなままで高速化を図ったため、大量プリントの機会が増え、従来に無かった問題が発覚している。
さらに、現像ローラーの寿命が問題となった。高速にすれば、1週間、1ヶ月あたりのプリント数は飛躍的に増加する。そこへ、従来と同様のコンパクトな現像ローラー(径の小さい現像ローラー)を採用すれば、現像ローラー、現像ユニットの交換頻度が増え、プリンターのダウンタイム(活用したくてもできない時間)が増加してしまう。コンパクトナ高速プリンターでは機内温度が上昇しやすいため、現像ローラーのフィルミングによる劣化がさらに寿命を圧縮するようになった。
本発明では、(1)低温低湿環境で大量に連続プリントしても、画像濃度低下の発生しないトナー、(2)現像ローラーへのフィルミングを抑制し、現像ローラーの寿命を延長させるトナーを提供することを目的とする。
本発明の課題は、下記構成を採ることにより達成される。
1.
少なくとも樹脂及び着色剤を含有してなる静電荷像現像用トナーであって、
該静電荷像現像用トナーの作製時に、樹脂粒子を凝集させる工程で、
一分子中につきカルボキシル基を1個、水酸基を1個以上有する下記から選ばれるオキシモノカルボン酸化合物あるいはその塩を添加し、
該静電荷像現像用トナー中に前記オキシモノカルボン酸化合物あるいはその塩を10ppm乃至173ppm含有させて得られたものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
Figure 0004736838
Figure 0004736838
2.
前記静電荷像現像用トナーは、ナトリウム元素を1ppm乃至134ppm、2価または3価の金属元素を300ppm乃至1800ppm含有するものであることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー。
3.
前記静電荷像現像用トナーは、非磁性1成分現像方式の画像形成方法に用いられるものであることを特徴とする前記1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
本発明によれば、画像形成時に現像ローラや感光体に負担をかけずに良好な画質のプリント物を作成することができるようになった。その結果、現像ローラや感光体等の部材の寿命が延び、良好なプリント物を長期にわたり安定して提供するとともに、画像形成装置のメンテナンス性能も大幅に向上させた。特に、画像形成時に現像ローラ等の部材にかかる負荷の大きい非磁性1成分現像剤を用いたコンパクトな画像形成装置においてはその効果が顕著に奏された。
また、本発明によれば、低温低湿環境で大量に連続プリントしても画像濃度低下が発生しなくなった。特に、ナトリウム元素を1ppm乃至134ppm、2価または3価の金属元素を300ppm乃至1800ppm含有するトナーでは、画像濃度低下が発生し易い低温低湿環境下においても、連続プリントを行った時に濃度変化を防止する効果が著しい。
本発明は、オキシモノカルボン酸あるいはその塩を特定量含有するトナーに関する。
本発明によれば、画像形成を繰り返し行っても、現像ローラや感光体に負担をかけることなく、良好な画質のプリント物を長期にわたり安定して提供することができる。この様に、感光体や現像ローラの寿命を延ばせるようになった理由は、トナーに含有されたモノオキシカルボン酸により、トナーからの外添剤の離脱が防止される様になったためと推察される。すなわち、外添剤として添加されたシリカや二酸化チタンとオキシカルボン酸との間に強固な水素結合が形成され、トナー粒子表面に強く保持された外添剤の作用により、現像ローラや感光体へのトナーからの衝撃が緩和されるためと推察される。また、外添剤の脱離が抑制されることにより、脱離外添剤による外添剤凝集物の現像ローラや感光体上への付着、滞留をなくなったことも上記課題を達成したものと推察される。フィルミングが発生するきっかけは、まずトナー粒子より離脱した外添剤が現像ローラーのトップ層や感光体の感光層に刺さり、その突起がトナーを削りながら融着を促進していたと推察される。
また、本発明によれば、迅速なトナーの帯電立ち上がりが実現され、安定した帯電量を有するトナーによる画像形成が確実に行える様になった。その理由は、おそらく、トナーに含有されるオキシカルボン酸がトナー粒子表面を容易に移動し、かつ、粒子表面を占有する状態を形成し易いため、トナー表面に残存する硫酸イオン等の重合開始剤残さをはじめとする不純物を封じ込めるものと推察される。その結果、トナー粒子表面における帯電上昇が防止されて帯電立ち上がりが迅速になったものと推察される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のトナーは、該トナー中にオキシモノカルボン酸あるいはその塩を10ppm乃至173ppm含有することを特徴とする。
これらの化合物の分子量は、47〜1500、好ましくは、120〜1000のものである。
本発明でいうオキシモノカルボン酸は、1分子につきカルボキシル基を1個、水酸基を1個以上有する化合物で、炭素数が12以下のものが好ましい。
尚、オキシモノカルボン酸化合物中のカルボキシル基や水酸基中のH原子の代わりに、前述した金属原子に置き換えられたものが本発明に係るオキシモノカルボン酸化合物の塩に相当するものである。
本発明では、前述したオキシモノカルボン酸のカルボキシル基に金属イオンが結合して金属塩を形成したものも使用可能である。金属塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属と呼ばれる1価の金属が好ましい。
以下に、本発明に使用可能なオキシモノカルボン酸化合物の具体例を例示する。
Figure 0004736838
Figure 0004736838
上記例示化合物中で、本発明に好ましく使用される化合物としては、(2−2)、(2−10)、(4−6)を挙げることができる。
トナー中に含有するオキシモノカルボン酸あるいはその塩の量は、下記の測定方法により測定することができる。
1.測定するトナーについて以下(1−1)〜(1−2)の抽出操作を行う。
(1−1)トナー500mgに、1Nの塩酸を含むメタノール溶液10mlを加え、15分間超音波分散機にかける。
(1−2)これを目開き0.2μmのクロマトディスクで濾過し、濾液を超純水で10倍に希釈する。
2.上記(1−2)で得られた水溶液を、以下(2−1)の条件でイオンクロマトグラフィーにより分析する。得られたピークについての構造決定は、分取後、定法により構造決定を行う。具体的には、質量分析(マススペクトロメトリー)、核磁気共鳴分析法(NMR)により、標準サンプルとのリテンションタイムの一致で行う。構造決定ができたら、同構造の標準サンプルにより検量線を作成する。さらにピーク面積の比較から、得られたトナーからの抽出液の濃度から換算し、トナーに含まれるオキシモノカルボン酸の量を求める。尚、複数のオキシモノカルボン酸が含まれる場合には、その和をもってトナーに含まれるオキシモノカルボン酸の量とする。
(2−1)イオンクロマトグラフィー装置条件
検出:UV210nm
カラム:東ソー製ODS−80TM4.6×250mm
+東ソ製ODS−80TM4.6×150mm
流速:0.5ml/min
移動相:5mMリン酸二水素アンモニウム(pH=2.4)
カラム温度:25℃
分析量:20μl
分析時間:45分
尚、移動相は、リン酸二水素アンモニウム(特級)1.15gをイオン交換水1980gに溶解し、85質量%正リン酸でpH2.40に合わせ、さらにイオン交換水を加えて2000gとし良く撹拌して調製したものである。
本発明のトナーは、該トナー中にナトリウム元素を1ppm乃至134ppm含有していることが好ましい。
本発明のトナーは、該トナー中に2価または3価の金属元素を300ppm乃至1800ppm含有していることが好ましく、600ppm乃至1400ppm含有していることがより好ましい。2価の金属元素としては、カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅等を挙げることができる。3価の金属元素としては、アルミニウム、鉄等を挙げることができる。
トナー中に含有される金属元素量の測定は、誘導結合プラズマ分光分析装置(ICP)で行う。
トナー中に含有される金属元素は、例えば、以下の手順で定量することができる。
先ず、トナー0.1gをはかりとり、これに硫酸1.5mlを添加して、マイクロウェーブを用いて、炭化処理を行う。次に、炭化処理を行ったものに硝酸0.5mlと過酸化水素1.5mlを添加し、マイクロウェーブを用いて分解処理を行う。分解処理したものに蒸留水を加えて溶解し、溶解液を50mlメスフラスコに正確に測りとる。
メスフラスコ中の水溶液を、誘導結合プラズマ分光分析装置で測定することにより、トナー中のナトリウム、2価あるいは3価の金属元素の含有量が定量される。
誘導結合プラズマ分光分析装置としては、例えば、ICP発光分光分析装置「SPS7800シリーズ、SPS3100シリーズ、SPS5100シリーズ」(セイコーインスツルメンツ株式会社(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社)製)や、ICP発光分析装置「CIROS MarkII」(株式会社リガク製)等が挙げられる。
次に、本発明のトナーの物性について説明する。
(体積基準におけるメディアン径(D50))
本発明のトナーの体積基準におけるメディアン径(D50)は、3〜9μmのものが好ましい。
トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)や体積基準の粒度分布における変動係数は、コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いることにより測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度8質量%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。尚、コールターマルチサイザーのアパチャ−径は50μmのものを使用する。
(体積基準の粒度分布における変動係数)
本発明のトナーの体積基準の粒度分布における変動係数は、8〜21%のものがが好ましく、10〜19%のものがより好ましい。
体積基準の粒度分布における変動係数は、下記式から算出される。
体積基準の粒度分布における変動係数(%)=(S2/Dn)×100
(式中、S2は体積基準の粒度分布における標準偏差を示し、Dnは体積基準におけるメディアン径(D50)を示す。)
(平均円形度)
本発明のトナーの平均円形度は、0.951〜0.990のものが好ましい。
トナーの円形度は下記式にて定義される。
円形度=(粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また、平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせた値を全粒子数で除して算出した値である。
トナーの円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナーを界面活性剤入りの水溶液でなじませ、超音波分散処理を1分間行ってトナーを分散させた後、「FPIA−2100」を用いて測定を行う。測定条件は、HPF(高倍率撮像)モードに設定してHPF検出数を3000〜10000個の適正濃度にして測定するものである。
(トナーの製造方法)
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、乳化重合法により樹脂粒子を形成し、その樹脂粒子を凝集させる工程を経てトナーを作製する製造方法が好ましい。
樹脂粒子を凝集させる工程を経てトナーを作製するトナーの製造方法の一例について詳
細に説明する。オキシモノカルボン酸を添加する工程は限定されるものではないが、下記(2)の工程で添加することが好ましい。ただし、(4)の工程で流出する分もあるので、予備実験によって、トナーに添加するオキシモノカルボン酸化合物の量にあたりをつけておくことが好ましい。
本発明に係るトナーの製造方法では、以下の工程を経て製造される。
(1)重合性単量体を重合して樹脂粒子分散液を調製する重合工程
(2)樹脂粒子や着色剤粒子等のトナー粒子構成材料を水系媒体中で凝集させることによりトナーの母体となるトナー粒子中間体を形成する凝集工程(以下、樹脂粒子を凝集させる工程という)
(3)樹脂粒子を凝集させる工程に引き続き加熱撹拌を行って、トナー粒子中間体を構成する材料の融合を完了させるともに形状を制御する形状制御工程
(4)生成されたトナー粒子中間体を水系媒体中より固液分離するとともに、トナー粒子中間体表面の洗浄を行う固液分離・洗浄工程
(5)固液分離・洗浄工程での処理を行ったトナー粒子中間体を乾燥する乾燥工程
(6)乾燥処理されたトナー粒子中間体に外添剤を添加する等により画像形成に使用可能なトナーにする外添剤処理工程
を有するものである。
以下、各工程について、具体的に説明する。
〔重合工程〕
重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した水系媒体中に、ラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記水系媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良い。
重合は、連鎖移動剤の量を変えて、数段階に分けて分子量分布を制御することが好ましい。この重合工程により、樹脂粒子が得られる。
かかる樹脂粒子は、離型剤(ワックス)を含んでもよく、或いは着色剤を含んでもよい。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。
また、着色されていない樹脂粒子を使用する場合には、後述する凝集工程において、樹脂粒子分散液に、着色剤粒子分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集させることでトナー粒子中間体(トナー母体)とすることができる。
〔樹脂粒子を凝集させる工程〕
この工程は、本発明における「水系媒体中で樹脂粒子を凝集させ粒子を成長させる工程」に該当するものである。そして、本発明では、この工程、すなわち樹脂粒子の凝集が進行している状態でオキシモノカルボン酸あるいはその塩のうち、少なくとも一方を水系媒体中に添加することが好ましい。この工程では、重合工程で生成された樹脂粒子を着色剤粒子などのトナー粒子構成材料と凝集させることによりトナー粒子中間体(外添剤処理等の最終処理によりトナーとしての機能が付与される前の粒子のこと、トナー母体、着色粒子ともよばれる)を形成させる。尚、この工程では、凝集とともに、凝集した粒子同士を熱等の作用により強固に結合させる融合(融着)も行われている。
樹脂粒子及び着色剤等の融合、あるいは融着は凝集とともに進行させることが好ましい。ほかには凝集が完結してから加熱などの手段により一気に融合させてもよい。
具体的には、2価、あるいは3価の塩を水系媒体中に添加することにより、樹脂粒子や着色剤粒子等の粒子間における静電反発力が緩和される結果、凝集が可能になり、これらの粒子同士が凝集するとともに成長してトナー粒子中間体が形成される。凝集した粒子同士は、熱などの作用を受けて結合することにより融合する。この様にしてトナー粒子中間体の形成及び成長が行われる。
この工程においては、オキシモノカルボン酸あるいはの塩の添加量は、水系媒体100質量部に対し、0.8〜2.8質量部が好ましい。上記添加量とすることにより、本発明の効果をより確実に発現することが可能である。
樹脂粒子を凝集させる工程について更に説明する。樹脂粒子を凝集させる工程では、前述した様に、重合工程で生成された樹脂粒子や着色剤粒子等を凝集させるとともに、樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度環境の下で粒子を融合させるものである。
粒子の凝集は、樹脂粒子のガラス転移温度以下で樹脂粒子分散液や着色剤粒子分散液を混合し、粒子の凝集を行いながら温度を上げて凝集させた粒子を融合(融着)させると同時に、粒子の凝集を進行させる方法がある。この方法によれば、粒子を成長させながら融合を進行させることができるので、粒子形状と粒子径分布を均一に制御し易いメリットを有する。
このような観点から、樹脂粒子を凝集させる工程では、凝集と融合(融着)を並行して進め、所望の粒子径まで成長させるとともに、必要に応じて粒子形状を制御するために加熱を継続するいわゆる「塩析/融着法」と呼ばれる方法を用いることが好ましい。
尚、本発明でいう「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。水以外の成分としては、水に可溶性の有機溶媒が挙げられ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン等が挙げられる。
また、粒子の凝集は2価の塩をはじめとする金属塩を添加することにより促進される。凝集を促進させる金属塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等の1価のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅等の2価の金属塩、アルミニウム、鉄等の3価の金属塩等が挙げられる。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられる。これらの塩を1種類単独で使用しても、或いは、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
これらの金属塩の中でも、特に、2価の金属塩は少ない添加量で凝集を進行させることができるので好ましい。
これらの金属塩の添加量は、金属塩の濃度が水系媒体中で臨界凝集濃度以上になるように添加することが好ましく、具体的には、臨界凝集濃度の1.2倍以上、好ましくは、1.5倍以上添加することが好ましい。ここで、「臨界凝集濃度」とは、水性分散物の安定性に関する指標である。臨界凝集濃度は、例えば、岡村誠三他著「高分子化学、Vol17、601頁(1960)(高分子学会編)」に記載の手法等により詳細に算出することができる。また、目的とする凝集用分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その凝集用分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として算出することも可能である。
また、樹脂粒子を凝集させる工程では、樹脂粒子や着色剤粒子とともに、ワックスや定着助剤、帯電制御剤等のトナー粒子構成材料を凝集させることも可能である。
〔形状制御工程〕
本発明に係るトナーの製造方法では、前述の樹脂粒子を凝集させる工程においてオキシモノカルボン酸あるいはその塩を添加させた後も引き続き、加熱撹拌を継続してトナー粒子中間体(トナー母体)の形状を制御している。即ち、加熱撹拌時間を長くすることで、トナー粒子中間体(トナー母体)の形状を球形に近いものに制御することが可能である。
〔固液分離・洗浄工程〕
固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー−粒子中間体(トナー母体)の分散液から当該トナー粒子中間体(トナー母体)を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子中間体(トナー母体)をケーキ状に凝集させた塊状物)から界面活性剤や塩析剤などの不要物を除去する洗浄処理とが施される。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄する。
ここに、固液分離、洗浄方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う方法など特に限定されるものではない。
〔乾燥工程〕
乾燥工程は、洗浄処理されたトナー粒子中間体を乾燥処理する工程である。乾燥工程では、通常、トナーケーキの状態で乾燥処理が行われる。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー粒子中間体の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子中間体(トナー母体)同士が、粒子間引力で弱く凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子中間体(トナー母体)に外添剤を混合し、画像形成に使用可能なトナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
次に、本発明で用いられる材料(素材)について説明する。
(結着樹脂)
樹脂粒子を構成する結着樹脂は、ビニル重合体を含有していることが好ましく、重合性単量体を重合して作製することができる。重合に用いられる重合性単量としては、カルボキシル基を有する重合性単量体、該カルボキシル基を有する重合性単量体と組み合わせて用いる重合性単量体を挙げることができる。
具体的には、カルボキシル基を有する重合性単量体として、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
また、カルボキシル基を有する重合性単量体と組み合わせて用いる重合性単量体として、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類が挙げられる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
また、乳化会合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
本発明のトナーを構成する樹脂の分子量は、数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000にあるものが好ましい。トナーを構成する樹脂の分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフ法やゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法により算出することが可能である。
ここで、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(以下、GPCともいう)による分子量測定について説明する。
具体的には以下の手順で行われる。先ず、測定用樹脂1mgに対してテトラヒドロフラン溶媒を1ml加え、室温にてマグネチックスターラー等を用いて撹拌を行い、樹脂を充分に溶解し、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで濾過してGPC測定用試料を作製する。次いで、GPCの測定カラムを40℃に加熱安定させた後、テトラヒドロフランを毎分1mlの速さで流し、1mg/mlの濃度の測定試料を100μl注入して測定する。測定カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、806、807の組み合わせや、東ソー社製のTSK gel G1000H、G2000H、G3000H、G4000H,G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組み合わせ等を挙げることができる。また、検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、或いはUV検出器を用いるとよい。
樹脂粒子中のテトラヒドロフラン溶解成分の数平均分子量、重量平均分子量はスチレン樹脂換算分子量で表す。スチレン樹脂換算分子量はスチレン検量線から求める。スチレン検量線は単分散ポリスチレン標準樹脂を10点程度測定し作成するとよい。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(連鎖移動剤)
樹脂の分子量を調整する為には、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。用いられる連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
(ワックス)
本発明に用いられるワックスは、公知の化合物を用いることができる。
この様なものとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
トナーに含有されるワックスの量は、トナー全体に対し1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
(荷電制御剤)
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
(外部添加剤)
外部添加剤として使用できる無機粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子及びこれらの複合酸化物等を好ましく用いることができる。これら無機粒子は疎水性であることが好ましい。
外部添加剤として使用できる有機微粒子としては、個数平均1次粒子径が10〜2000nm程度の球形の微粒子を挙げることができる。かかる有機微粒子の構成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体等を挙げることができる。
本発明のトナーは、1成分現像剤、2成分現像剤として用いることができる。
1成分現像剤として用いる場合は、非磁性1成分現像剤、或いはトナー中に0.1μm〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性1成分現像剤としたものが挙げられ、何れも使用することができる。
また、キャリアと混合して2成分現像剤として用いることができる。キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの粒子径は、20〜100μmが好ましく、25〜80μmがより好ましい。
本発明のトナーは、現像装置の小型化、低価額価という点から非磁性1成分現像剤として用いるのが好ましい。
次に、本発明のトナーを用いてトナー画像を形成する画像形成装置について説明する。
本発明のトナーを、非磁性1成分現像剤として用いる現像方法の一例を挙げて説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
図1は、非磁性1成分現像剤用現像器の一例を示す概要断面図である。
図1において、14は非磁性1成分現像剤用現像器、10は潜像保持体(感光体ドラム)であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段または静電記録手段により成される。14aは現像ローラーであり、アルミニウム或いはステンレス等からなる非磁性スリーブからなる。
現像ローラーはアルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズ等を吹きつけて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、或いは樹脂等でコートしたものがよい。
トナーTはホッパー3に貯蔵されており、供給ローラー4によってトナー担持体上へ供給される。供給ローラーはポリウレタンフォーム等の発泡材より成っており、トナー担持体に対して、順または逆方向に相対速度をもって回転し、トナー供給とともに、トナー担持体上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りも行っている。トナー担持体上に供給されたトナーはトナー薄層化規制部材の一種であるトナー規制ブレード5によって均一かつ薄層に塗布される。
トナー規制ブレードとトナー担持体との当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧として、3〜250N/m、好ましくは5〜12N/mが有効である。当接圧力が3N/mより小さい場合、トナーの均一塗布が困難となり、トナーの帯電量分布がブロードになりカブリや飛散の原因となることがある。また当接圧力が250N/mを超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーが劣化するため、トナーの凝集が発生するなど好ましくない。またトナー担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を3〜250N/mに調整することで、本発明のトナーの凝集を効果的にほぐすことが可能になり、またトナーの帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
トナー薄層化規制部材は、弾性ブレード、弾性ローラー等で、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
本発明においては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂等の有機樹脂層を設けても良い。また導電性ゴム、導電性樹脂等を使用、または、金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカー、無機繊維等のフィラーや荷電制御剤をブレードのゴム中、樹脂中に分散するなども適度の誘電性、帯電付与性を与え、トナーを適度に帯電させることができて好ましい。
尚、ブレードにより現像ローラー上にトナーを薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像ローラー上のトナー層の厚さを現像ローラーと感光体ドラムとの対抗空隙長よりも小さくし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。すなわち図1に示すバイアス電源7により、現像ローラー14aと感光体ドラム10との間に交番電場または交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像ローラー上から感光体ドラム上へのトナー移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
本発明のトナーは、トナー像が形成された転写材を、定着装置を構成する加熱ローラーと加圧ローラーとの間に通過させて定着する工程を含む画像形成方法に好適に使用される。
図2は、本発明のトナーを用いて画像形成を行うフルカラー画像形成装置の一例を示す構成断面図である。
図2に示すフルカラー画像形成装置は、ユニット10Y、10M、10C、10Bkと、ベルト形状の中間転写体16と、転写ローラー17Y、17M、17C、17Bkと、転写材搬送ローラー18と、定着装置2とを備えている。本発明では、ベルト形状の中間転写体16のベルト材料として、ベルト形状の前記本発明に係る中間転写体を備える。本発明では中間転写体16や、後述する定着装置2のエンドレスベルトのベルト材料として、ポリイミド樹脂が使用される。
ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転可能にそれぞれ感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkが備えらる。感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkの周囲には、コロトロン帯電器12Y、12M、12C、12Bkと、露光器13Y、13M、13C、13Bkと、各色現像器(イエロー現像器14Y、マゼンタ現像器14M、シアン現像器14C、ブラック現像器14Bk)と、感光体クリーナ15Y、15M、15C、15Bkとがそれぞれ配置されている。
ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、中間転写ベルト16に対して4つ並列に配置されているが、ユニット10Bk、10Y、10C、10Mの順等、画像形成方法に合わせて適当な順序を設定することができる。
中間転写ベルト16は、バックアップローラー30、支持ローラー31、32、33によって、矢印の反時計方向に感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkと同じ周速度をもって回転可能になっており、支持ローラー32、33の中間に位置するその一部が感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkとそれぞれ接するように配置されている。中間転写ベルト16は、ベルト用クリーニング装置34が備えられている。支持ローラー31はテンションローラーの役割を担い、中間転写ベルト16面方向に移動可能に配置され、中間転写ベルト16のテンションを調節することができる。
転写ローラー17Y、17M、17C、17Bkは、中間転写ベルト16の内側であって、中間転写ベルト16と感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkとが接している部分に対向する位置にそれぞれ配置され、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkと、中間転写ベルト16にトナー画像転写する一次転写部(ニップ部)を形成している。
バイアスローラー35は、中間転写ベルト16のトナー像が担持される表面側に、中間転写ベルト16を介しバックアップローラー30と対向して配置されている。この中間転写ベルト16を介したバイアスローラー35とバックアップローラー30とで二次転写部(ニップ部)を形成している。又、バックアップローラー30には、バックアップローラー30に圧接して回転する電極ローラー26を備える。
定着装置2は、転写材Pが上記二次転写部を通過した後に搬送できるように配置されている。
図2に示す画像形成装置のユニット10Yにおいては、感光体ドラム11Yを回転駆動させる。これと連動してコロトロン帯電器12Yが駆動し、感光体ドラム11Yの表面を所定の極性・電位に一様に帯電させる。表面が一様に帯電された感光体ドラム11Yは、次に、露光器13Yによって像様に露光され、その表面に静電潜像が形成される。
続いて該静電潜像は、イエロー現像器14Yによって現像されと、感光体ドラム11Yの表面にトナー画像が形成される。
このトナー画像は、感光体ドラム11Yと中間転写ベルト16との一次転写部(ニップ部)を通過すると同ときに、転写ローラー17Yから印加される転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト16の外周面に順次、一次転写される。
この後、感光体ドラム11Y上に残存したトナーは、感光体クリーナ15Yによって清掃・除去される。そして、感光体ドラム11Yは、次の転写サイクルに供される。
以上の転写サイクルは、ユニット10M、10C、10Bkでも同様に行われ、第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され中間転写ベルト16上に重ね合わせられて、フルカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト16に転写されたフルカラートナー像は、転写ベルト16の回転でバイアスローラー35が設置された二次転写部(ニップ部)に到る。
転写材Pは、二次転写部の中間転写ベルト16とバイアスローラー35との間に所定のタイミングで給送される。バイアスローラー35及びバックアップローラー30による圧接搬送と中間転写ベルト16の回転により、該中間転写ベルト16に担持されたトナー像が転写材P上に転写される。
トナー像が転写された転写材Pは、定着装置2に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を定着する。尚、転写の終了した中間転写ベルト16は、二次転写部の下流に設けたベルト用クリーニング装置34で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。
本発明に係る画像形成装置の中間転写ベルトや、定着装置のエンドレスベルトには、ベルト材料としてポリイミド樹脂が好ましく使用される。
(転写材)
本発明に使用される転写材は、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材或いは転写紙と通常よばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙や上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下に、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〈樹脂粒子分散液1の作製〉
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコ内で、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液97.0質量部(有効成分2.6質量部)をイオン交換水1510質量部に溶解させて「水系媒体1」を調製した後、下記成分よりなる混合液を「水系媒体1」中に添加した。
スチレン 213質量部
n−ブチルアクリレート 62質量部
アクリル酸 7質量部
ペンタエリスリトールテトラステアレート 154質量部
上記「水系媒体1」中に、下記の構成からなる開始剤溶液を添加して温度を82.5℃に昇温後、2時間かけて重合反応を行った。
過酸化水素水溶液(有効成分2.5質量部) 42質量部
エリソルビン酸ナトリウム水溶液(有効成分6.5質量部) 42質量部
n−オクチルメルカプタン 0.6質量部
次に、
スチレン 542質量部
n−ブチルアクリレート 157質量部
アクリル酸 18質量部
よりなる単量体混合液を添加し、続いて、
過酸化水素水溶液(有効成分9質量部) 145質量部
エリソルビン酸ナトリウム水溶液(有効成分23.5質量部) 153質量部
n−オクチルメルカプタン 8.2質量部
よりなる開始剤溶液を添加した。更に、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液(有効成分4.8質量部)48質量部を添加し、90℃に昇温後、1時間撹拌しながら重合反応を行って、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液1」とした。
〈着色剤粒子分散液の作製〉
着色剤粒子分散液は、マゼンタ着色剤としてC.I.ピグメントレッド122を固形分濃度12.5質量%となるようにイオン交換水中に分散して水系分散液を作製した。これを「着色剤粒子分散液」とした。
《トナーの作製》
〈トナー1の作製〉
「樹脂粒子分散液1」1700質量部(固形分換算)、イオン交換水2100質量部、「着色剤粒子分散液」250質量部を、温度計、冷却管、窒素導入装置、及び、撹拌装置を設けたセパラブルフラスコに投入した。さらに、系内の温度を30℃に保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加してpHを10に調整した。
次に、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液を添加し、その後、系内の温度を75℃に昇温させて、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始した。凝集反応開始後、定期的にサンプリングを行って、粒度分布測定装置「コールターマルチサイザーIII」(ベックマン・コールター社製)を用いて、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が5.8μmになったときに、例示化合物(2−2)を10.5質量部添加し、さらに、撹拌を継続した。
粒子の円形度が0.976になったところで、系内の温度を30℃に冷却して凝集反応を終了させ、「着色粒子1」の分散液を作製した。生成された「着色粒子1」は体積基準におけるメディアン径(D50)が5.8μmであり、体積基準の粒度分布における変動係数が18.8であった。
次に、「着色粒子1」の分散液をバスケット型遠心分離機「MARK III型」(型式番号60×40)(松本機会製作社製)で固液分離して、「着色粒子1」のウェットケーキを形成した。以後、ろ液の電気伝導度の値が15μS/cm以下になるまで「着色粒子1」の洗浄と固液分離を繰り返した。
最終のウェットケーキを気流式乾燥機「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%になるまで、「着色粒子1」を乾燥処理した。尚、乾燥処理は40℃、20%RHの気流を吹き付けて行った。
乾燥処理を終えた「着色粒子1」に、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化学工業株式会社製)を用いて、数平均1次粒子径が12nm、疎水化度が68の疎水性シリカを1質量%、及び、数平均1次粒子径が80nm、疎水化度が63の疎水性酸化チタンを1質量%となる様に添加して、「トナー1」を作製した。
得られた「トナー1」の体積基準におけるメディアン径(D50)と体積基準の粒度分布における変動係数は前述の測定値と同じ値であった。
〈トナー2の作製〉
「トナー1」の作製において、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、塩化マグネシウム・6水和物108.6質量部をイオン交換水160.8質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が3.1μmになったときに、例示化合物(2−2)12.4質量を部添加した。他は同様の手順により「トナー2」を作製した。
〈トナー3の作製〉
「トナー1」の作製において、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、塩化マグネシウム・6水和物162.9質量部をイオン交換水198.0質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が8.9μmになったときに、例示化合物(2−2)85.7質量部を添加した。他は同様の手順により「トナー3」を作製した。
〈トナー4の作製〉
「トナー1」の作製において、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、硫酸アルミニウム45.7質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、例示化合物(2−2)10.5質量部を例示化合物(2−2)のナトリウム塩を30.6質量部に変更した。他は同様の手順により「トナー4」を作製した。
〈トナー5の作製〉
「トナー1」の作製において、硫酸アルミニウム45.7質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、硫酸アルミニウム91.4質量部をイオン交換水160.8質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が7.5μmになったときに、例示化合物(2−10)18.1質量部を添加した。他は同様の手順により「トナー5」を作製した。
〈トナー6の作製〉
「トナー5」の作製において、硫酸アルミニウム45.7質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、硫酸アルミニウム137.1質量部をイオン交換水201.3質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が4.0μmになったときに、例示化合物(2−10)のナトリウム塩23.8質量部を添加した。他は同様の手順により「トナー6」を作製した。
〈トナー7の作製〉
「トナー5」の作製において、例示化合物(2−10)のナトリウム塩23.8質量部を例示化合物(2−10)のナトリウム塩42.1質量部に変更した。他は同様の手順により「トナー7」を作製した。
〈トナー8の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(2−2)10.5質量部を例示化合物(4−6)20.2質量部に変更した。他は同様の手順により「トナー8」を作製した。
〈トナー9の作製〉
「トナー8」の作製において、例示化合物(4−6)20.2質量部を例示化合物(4−6)のナトリウム塩26.2質量部に変更した。他は同様の手順により「トナー9」を作製した。
〈トナー10の作製〉
「トナー8」の作製において、例示化合物(4−6)20.2質量部を例示化合物(4−6)のナトリウム塩46.5質量部に変更した他は同様の手順により「トナー10」を作製した。
〈トナー11の作製〉
「トナー5」の作製において、例示化合物(2−10)の添加量を14.6質量部に変更した他は同様の手順により「トナー11」を作製した。
〈トナー12の作製〉
「トナー8」の作製において、例示化合物(4−6)の添加量を9.2質量部に変更した他は同様の手順により「トナー12」を作製した。
〈トナー13の作製〉
「トナー5」の作製において、例示化合物(2−10)の添加量を24.0質量部に変更した他は同様の手順により「トナー15」を作製した。
〈トナー14の作製〉
「トナー1」の作製において、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が5.8μmになったときに、例示化合物(2−2)10.5質量部を下記構造を有する比較用化合物(A)24.0質量部に変更した他は同様の手順により「トナー14」を作製した。
Figure 0004736838
〈トナー15の作製〉
「トナー1」の作製において、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が5.8μmになったときに、例示化合物(2−2)10.5質量部を下記構造を有する比較用化合物(B)43.2質量部に変更した他は同様の手順により「トナー15」を作製した。
Figure 0004736838
表1に、「トナー1〜15」の作製で用いたオキシモノカルボン酸化合物または比較用化合物、トナー作製時の添加量、トナー中に含有する量、ナトリウムの含有量、2価または3価の金属の含有量、及び、トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)を示す。
Figure 0004736838
《非磁性1成分現像剤》
上記で作製した「トナー1〜15」を非磁性1成分現像剤として用いた。
《評価》
〈画像形成装置〉
評価用の画像形成装置としては、市販のカラーレーザプリンタ「Magicolor 5430DL」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を、マゼンタトナーのみが出力できるように改造し、プリント速度(線速)を市販されている設定の約2倍(300mm/sec)に改造し、ハイスペックな条件で評価した。マゼンタトナーのみで評価するのは、本発明が解決しようとする問題、特に現像ローラーのフィルミングが検知しやすい(フィルミングが発生した場合に目立つ)評価モードとなるためである。いうまでもなく、本発明の効果を簡潔に例示するためであって、効果が限縮されるものではない。
トナーカートリッジは、トナーの残量が少なくなった場合に、プリンタをいったん停止してトナーを追加し、現像ローラーを交換することなく評価を続けた。
〈評価項目〉
(低温低湿での画像濃度低下)
低温低湿での画像濃度低下は、低温低湿(10℃、20%RH)の環境条件で、A4判の上質紙(65g/m2)に5000枚プリントを行い、開始時と5000枚プリント終了時のべた画像部の画像濃度を測定し評価した。尚、画像濃度は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて測定した。
評価基準
◎:開始時と5000枚プリント終了時で、画像濃度の低下が0.01未満で優良
○:開始時と5000枚プリント終了時で、画像濃度の低下が0.04未満で良好
×:開始時と5000枚プリント終了時で、画像濃度の低下が0.04以上で不良。
(現像ローラーのフィルミング)
現像ローラーのフィルミングは、高温高湿(30℃、80%RH)の環境条件で、画素率2%(ハーフトーン)のプリントを行い、現像ローラーのピッチで発生するハーフトーンの濃度ムラを目視でチェックし、ハーフトーンの濃度ムラが発生する枚数により以下の基準で判定した。
評価基準
◎:10000枚プリントまで、フィルミング、現像ローラーピッチの濃度ムラともに未発生
○:5000枚プリント以上、10000枚プリント以下で軽微なフィルミングが発生。現像ローラーピッチの濃度ムラは10000枚プリントまで未発生
△:2000枚プリント以上、5000枚プリント以下でフィルミングが発生。現像ローラーピッチの軽微な濃度ムラは5000枚プリント以上で発生
×:2000枚プリント未満で、フィルミング発生。ハーフトーンに現像ローラーピッチの濃度ムラが発生。
(トナー飛散)
上記記載の評価機で1万枚のプリントを行い、トナー飛散の状態を目視で、ユーザーが現像ユニットを交換したときの手の汚れ具合で評価した。
評価基準
◎:トナー飛散が全く見られない。ユーザーが現像ユニットを交換しても全く手が汚れない
○:現像ローラー付近の上蓋に飛散したトナーの付着が見られる。ユーザーが現像ユニットを交換しても全く手が汚れない程度
△:現像ユニットの上蓋の一部に飛散したトナー付着が見られる
×:ユーザーが現像ユニットを交換した後、手洗いが必要なほどトナー飛散が認められる。
表2に、評価結果を示す。
Figure 0004736838
表2の評価結果から、実施例1〜9の「トナー1〜9」は評価項目の全てで良好であったが、比較例10〜15の「トナー10〜15」は評価項目の何れかに問題があることが判る。
非磁性1成分現像剤用現像器の一例を示す概要断面図である。 本発明のトナーを用いて画像形成を行なうフルカラー画像形成装置の一例を示す概要断面図である。
符号の説明
14 現像器
14a 現像ローラー
3 ホッパー
4 供給ローラー
5 トナー規制ブレード
7 バイアス電源
10 潜像保持体(感光体ドラム)
T トナー

Claims (3)

  1. 少なくとも樹脂及び着色剤を含有してなる静電荷像現像用トナーであって、
    該静電荷像現像用トナーの作製時に、樹脂粒子を凝集させる工程で、
    一分子中につきカルボキシル基を1個、水酸基を1個以上有する下記から選ばれるオキシモノカルボン酸化合物あるいはその塩を添加し、
    該静電荷像現像用トナー中に前記オキシモノカルボン酸化合物あるいはその塩を10ppm乃至173ppm含有させて得られたものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    Figure 0004736838
    Figure 0004736838
  2. 前記静電荷像現像用トナーは、ナトリウム元素を1ppm乃至134ppm、2価または3価の金属元素を300ppm乃至1800ppm含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記静電荷像現像用トナーは、非磁性1成分現像方式の画像形成方法に用いられるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
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