JP2016108704A - 透湿性シート及びその製造方法並びに前記透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝熱性、透湿性、ガスバリア性及び強度に優れる透湿性シート及びその製造方法を提供すること。また、従来のセルロース等を主体とする全熱交換器エレメント用原紙よりも、伝熱性、透湿性、ガスバリア性及び原紙強度に優れる全熱交換器エレメント用原紙を提供すること。【解決手段】パーチメント処理された繊維基材と、該繊維基材中に含まれる吸湿剤とを有し、かつ、透湿度が1000g/m2・24h以上である透湿性シート。透湿性シートの製造方法は、繊維基材を硫酸と接触させる硫酸処理工程と、前記硫酸処理した繊維基材を水洗する工程と、前記水洗した繊維基材に吸湿剤を塗布する工程と、前記吸湿剤を塗布した繊維基材を乾燥する工程と、を有し、前記吸湿剤を塗布する工程が、水洗した繊維基材を、乾燥せずに湿潤状態で、吸湿剤を含有する塗被液に含浸するものであることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、透湿性シート及びその製造方法に関する。また、新鮮な空気を供給するとともに、室内の汚れた空気を排出する際に、顕熱(温度)と潜熱(湿度)の両方の熱交換を行う全熱交換器エレメント用原紙に関する。
従来、冷房や暖房の効果を損なわずに換気できる装置として、換気の際に吸気と排気との間で熱交換をさせる熱交換器装置(熱交換器)が提案されている。
この熱交換器としては、スペーサーを介して複数の仕切り板、所謂エレメント用原紙(以下ライナーともいう)を積層させ、室外の空気を室内に導入する吸気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路とが区画されている全熱交換器エレメント(以下エレメントともいう)を有するものが広く採用されている。
新鮮な外気を供給すると共に、室内の汚れた空気を排出する際に熱交換を行う空気対空気の熱交換器において、顕熱(温度)と同時に潜熱(湿度)の熱交換を行う全熱交換器エレメント用原紙は、伝熱性と透湿性の両方を有する必要がある。そのため、全熱交換器エレメント用原紙としては、多くの場合、セルロースを主成分とする紙が用いられている。
さらに、ライナーに使用する原紙としては、伝熱性と透湿性のほかに、該ライナーを介して吸気と排気が交じり合わないように、ガスバリア性(主としてCO2バリア性)が求められる。
この熱交換器としては、スペーサーを介して複数の仕切り板、所謂エレメント用原紙(以下ライナーともいう)を積層させ、室外の空気を室内に導入する吸気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路とが区画されている全熱交換器エレメント(以下エレメントともいう)を有するものが広く採用されている。
新鮮な外気を供給すると共に、室内の汚れた空気を排出する際に熱交換を行う空気対空気の熱交換器において、顕熱(温度)と同時に潜熱(湿度)の熱交換を行う全熱交換器エレメント用原紙は、伝熱性と透湿性の両方を有する必要がある。そのため、全熱交換器エレメント用原紙としては、多くの場合、セルロースを主成分とする紙が用いられている。
さらに、ライナーに使用する原紙としては、伝熱性と透湿性のほかに、該ライナーを介して吸気と排気が交じり合わないように、ガスバリア性(主としてCO2バリア性)が求められる。
前記エレメントのうち、室外の空気と室内の空気が、前記ライナーを介し直交する形で熱交換を行う直交型全熱交換器エレメントに対して、向かい合う形で熱交換を行う対向流型全熱交換器エレメントが知られている。対向流型全熱交換器エレメントにおいては、熱交換効率を高めるために、吸気及び排気の経路が長く形成される。さらに、前記エレメントにおいては、空気とライナーとの接触面積を大きくするために、ライナーを隔てるスペーサーとライナーの接合ピッチが広く形成される。このようなエレメントは、構造上、ライナーを支えるスペーサーの間隔が広く、疎となる。このため、エレメントに流入する風量が大きくなった時、該ライナーの紙力が弱いと、ライナーが風圧に耐え切れずに、ライナーそのもの、或いは、スペーサーとの接合部分でライナーが破れるといった不具合を生じる。そのため、特に対向流型のエレメントに供するライナーは、伝熱性、透湿性、ガスバリア性に加えて、原紙強度が高いことが求められる。
さらに、近年では、改正省エネルギー法、ビル管理法、改正建築基準法等の動きにより、省エネルギーに対するニーズが高まっている。そのため、全熱交換器の需要増が見込まれるとともに、従来よりも高性能な全熱交換器、即ち、ガスバリア性が高く、かつ全熱交換効率が高い全熱交換器エレメント用原紙の開発が望まれている。
全熱交換器エレメント用原紙としては、例えば、和紙や、クラフト紙など、セルロースを主体とする多孔質原紙に、吸湿剤、ポリビニルアルコールなどの目止め剤を添加し、透湿性、ガスバリア性を付与したものや、セルロースの叩解を進めて高度にフィブリル化した繊維を用いて抄紙を行い、その後、スーパーカレンダーなどの加圧処理により、バリア性を高めたもの等が挙げられる。特許文献1には、多孔質シートに、親水性高分子を含有する水溶液を塗工し、次いで親水性高分子を不溶化させて、多孔質シートの孔を塞いだシートを用いることが提案されている。また、特許文献2には、パーチメント紙またはそれらの加工品を素材として全熱交換器の熱交換用構造体を構成し、かつこの構造体に塩化リチウム等のリチウム化合物を含浸させたものが提案されている。
しかしながら、従来の全熱交換器エレメント用原紙は、伝熱性、透湿性、ガスバリア性、及び強度を、高度にバランス良く兼ね備えたものではなかった。
本発明は、伝熱性、透湿性、ガスバリア性及び強度により優れる透湿性シート及びその製造方法を提供することを目的とする。また、従来のセルロース等を主体とする全熱交換器エレメント用原紙よりも、伝熱性、透湿性、ガスバリア性及び原紙強度に優れる全熱交換器エレメント用原紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、以下の透湿性シート及び該透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙を開発するに至った。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
[1]パーチメント処理された繊維基材と、該繊維基材中に含まれる吸湿剤とを有し、かつ、透湿度が1000g/m2・24h以上であることを特徴とする透湿性シート。
[2]前記吸湿剤が塩化カルシウムであることを特徴とする[1]に記載の透湿性シート。
[3][1]又は[2]に記載の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙。
[4]繊維基材を硫酸と接触させる硫酸処理工程と、前記硫酸処理した繊維基材を水洗する工程と、前記水洗した繊維基材に吸湿剤を塗布する工程と、前記吸湿剤を塗布した繊維基材を乾燥する工程と、を有し、前記吸湿剤を塗布する工程が、水洗した繊維基材を、乾燥せずに湿潤状態で、吸湿剤を含有する塗被液に含浸するものであることを特徴とする透湿性シートの製造方法。
[5]前記の硫酸処理工程、水洗する工程、吸湿剤を塗布する工程及び乾燥する工程を、パーチメント加工機を用いてインラインで行うことを特徴とする[4]に記載の透湿性シートの製造方法。
[6]前記塗被液中の吸湿剤の濃度が、8質量%以上であることを特徴とする[4]又は[5]に記載の透湿性シートの製造方法。
[7]前記塗被液が、紙力増強剤を含有することを特徴とする[4]〜[6]のいずれかに記載の透湿性シートの製造方法。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
[1]パーチメント処理された繊維基材と、該繊維基材中に含まれる吸湿剤とを有し、かつ、透湿度が1000g/m2・24h以上であることを特徴とする透湿性シート。
[2]前記吸湿剤が塩化カルシウムであることを特徴とする[1]に記載の透湿性シート。
[3][1]又は[2]に記載の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙。
[4]繊維基材を硫酸と接触させる硫酸処理工程と、前記硫酸処理した繊維基材を水洗する工程と、前記水洗した繊維基材に吸湿剤を塗布する工程と、前記吸湿剤を塗布した繊維基材を乾燥する工程と、を有し、前記吸湿剤を塗布する工程が、水洗した繊維基材を、乾燥せずに湿潤状態で、吸湿剤を含有する塗被液に含浸するものであることを特徴とする透湿性シートの製造方法。
[5]前記の硫酸処理工程、水洗する工程、吸湿剤を塗布する工程及び乾燥する工程を、パーチメント加工機を用いてインラインで行うことを特徴とする[4]に記載の透湿性シートの製造方法。
[6]前記塗被液中の吸湿剤の濃度が、8質量%以上であることを特徴とする[4]又は[5]に記載の透湿性シートの製造方法。
[7]前記塗被液が、紙力増強剤を含有することを特徴とする[4]〜[6]のいずれかに記載の透湿性シートの製造方法。
本発明の透湿性シートは、伝熱性、透湿性、ガスバリア性及び強度に優れる。また、本発明により、従来のセルロースを主体とする全熱交換器エレメント用原紙よりも、伝熱性、透湿性、ガスバリア性及び原紙強度に優れる全熱交換器エレメント用原紙を効率よく得ることができる。
<透湿性シート>
本発明の透湿性シートは、パーチメント処理された繊維基材と、該繊維基材中に含まれる吸湿剤とを有する。
本発明の透湿性シートは、パーチメント処理された繊維基材と、該繊維基材中に含まれる吸湿剤とを有する。
(パーチメント処理された繊維基材)
本発明の透湿性シートは、パーチメント処理された繊維基材(以下、パーチメント基材ともいう)を有することで、伝熱性、ガスバリア性及び強度が高められる。
パーチメント基材の原料である繊維基材としては、パルプを主体とする紙基材が挙げられる。前記パルプは、針葉樹パルプでもよいし、広葉樹パルプでもよい。原紙強度やCO2バリア性がより高められる点からは、針葉樹パルプが好ましく、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)がより好ましい。前記パルプとしては、木材パルプ以外にも、麻パルプやケナフ、竹などの非木材パルプが挙げられる。これらのパルプは、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明で使用するパルプのフリーネスは、特に限定されるものではなく、パーチメント加工が可能な範囲で適宜調整される。また、パルプを得る際の蒸解方法や漂白方法は特に限定されない。
上記繊維基材には、パルプと共に、レーヨン繊維等のパルプ以外の繊維や、紙力増強剤、着色剤等の内添薬品を任意に配合することができる。
本発明の透湿性シートは、パーチメント処理された繊維基材(以下、パーチメント基材ともいう)を有することで、伝熱性、ガスバリア性及び強度が高められる。
パーチメント基材の原料である繊維基材としては、パルプを主体とする紙基材が挙げられる。前記パルプは、針葉樹パルプでもよいし、広葉樹パルプでもよい。原紙強度やCO2バリア性がより高められる点からは、針葉樹パルプが好ましく、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)がより好ましい。前記パルプとしては、木材パルプ以外にも、麻パルプやケナフ、竹などの非木材パルプが挙げられる。これらのパルプは、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明で使用するパルプのフリーネスは、特に限定されるものではなく、パーチメント加工が可能な範囲で適宜調整される。また、パルプを得る際の蒸解方法や漂白方法は特に限定されない。
上記繊維基材には、パルプと共に、レーヨン繊維等のパルプ以外の繊維や、紙力増強剤、着色剤等の内添薬品を任意に配合することができる。
(吸湿剤)
本発明の透湿性シートは、吸湿剤を有することで透湿性が高められる。
吸湿剤としては、特に限定されず公知の吸湿剤を用いることができる。吸湿剤としては、例えば塩化カルシウム、塩化リチウム等の水溶性塩類、シリカゲル、ゼオライト等の水不溶性又は水難溶性塩類等が挙げられる。吸湿剤としては、吸湿効果と経済性に優れる点から、水溶性塩類が好ましく、中でも塩化カルシウムが好ましい。
吸湿剤の付着量は、特に限定されないが、例えばパーチメント基材の絶乾坪量に対し、5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。吸湿剤の付着量が、5質量%未満であると、吸放湿性能が不充分となるおそれがある。また、吸湿剤の付着量が30質量%を超えると、結露を起こす可能性があり全熱交換効率を損なうおそれがある。
なお、吸湿剤として塩化カルシウムを用いる場合、塩化カルシウムは吸湿性が高く、通常結晶水を保持しており、乾燥質量による付着量が算出しにくい。したがって、塩化カルシウムの付着量は、塩化カルシウム水溶液のウェット付着量に、塩化カルシウムの無水物としての濃度を乗じたものである。塩化カルシウム水溶液における塩化カルシウム(無水物)の濃度は、EDTA滴定法により求めることができる。
本発明の透湿性シートは、吸湿剤を有することで透湿性が高められる。
吸湿剤としては、特に限定されず公知の吸湿剤を用いることができる。吸湿剤としては、例えば塩化カルシウム、塩化リチウム等の水溶性塩類、シリカゲル、ゼオライト等の水不溶性又は水難溶性塩類等が挙げられる。吸湿剤としては、吸湿効果と経済性に優れる点から、水溶性塩類が好ましく、中でも塩化カルシウムが好ましい。
吸湿剤の付着量は、特に限定されないが、例えばパーチメント基材の絶乾坪量に対し、5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。吸湿剤の付着量が、5質量%未満であると、吸放湿性能が不充分となるおそれがある。また、吸湿剤の付着量が30質量%を超えると、結露を起こす可能性があり全熱交換効率を損なうおそれがある。
なお、吸湿剤として塩化カルシウムを用いる場合、塩化カルシウムは吸湿性が高く、通常結晶水を保持しており、乾燥質量による付着量が算出しにくい。したがって、塩化カルシウムの付着量は、塩化カルシウム水溶液のウェット付着量に、塩化カルシウムの無水物としての濃度を乗じたものである。塩化カルシウム水溶液における塩化カルシウム(無水物)の濃度は、EDTA滴定法により求めることができる。
吸湿剤は、パーチメント基材の表面に付着した状態で該基材に含まれていてもよいし、該基材中に分散した状態で該基材に含まれていてもよい。また、吸湿剤は、パーチメント基材の表面に付着した状態と、該基材中に分散した状態の両方の状態で該基材に含まれていてもよい。
<透湿性シートの物性値>
(透湿度)
本発明の透湿性シートの透湿度は、1000g/m2・24h以上であり、1200g/m2・24h以上が好ましく、1500g/m2・24h以上がより好ましい。透湿度は、全熱交換器エレメント用原紙の吸放湿性、熱交換効率の指標として用いることができ、透湿度が高ければ、概して熱交換効率も高くなる。透湿性シートの透湿度が1000g/m2・24h以上であると、良好な熱交換効率が得られやすくなる。
なお、本発明における透湿度は、25℃、相対湿度65%RHにおいて、JIS Z0208:1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じて測定した値である。ただし、本発明における透湿度は、下記式(1)を用いて算出された値の換算値である。
透湿度=(A+B)/2・・・(1)
ただし、式(1)におけるAは、測定開始1時間後の質量増分であり、Bは、測定開始1時間後から測定開始2時間後までの1時間の質量増分である。
(透湿度)
本発明の透湿性シートの透湿度は、1000g/m2・24h以上であり、1200g/m2・24h以上が好ましく、1500g/m2・24h以上がより好ましい。透湿度は、全熱交換器エレメント用原紙の吸放湿性、熱交換効率の指標として用いることができ、透湿度が高ければ、概して熱交換効率も高くなる。透湿性シートの透湿度が1000g/m2・24h以上であると、良好な熱交換効率が得られやすくなる。
なお、本発明における透湿度は、25℃、相対湿度65%RHにおいて、JIS Z0208:1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じて測定した値である。ただし、本発明における透湿度は、下記式(1)を用いて算出された値の換算値である。
透湿度=(A+B)/2・・・(1)
ただし、式(1)におけるAは、測定開始1時間後の質量増分であり、Bは、測定開始1時間後から測定開始2時間後までの1時間の質量増分である。
(吸湿率)
本発明の透湿性シートの吸湿率は、10〜30%が好ましい。透湿性シートの吸湿率が10%未満であると、熱交換効率が不充分となるおそれがある。透湿性シートの吸湿率が30%超であると、結露が発生するおそれがあり、また、透湿性シートの強度が低下するおそれがある。
なお、本発明の吸湿率は、下記式(2)で算出される値である。
吸湿率={(C−D)/D}×100・・・(2)
ただし、式(2)におけるCは、試料の質量(20℃、65%RHの条件下)であり、Dは、試料の絶乾質量(105℃のオーブンで2時間加熱乾燥後の質量)である。
本発明の透湿性シートの吸湿率は、10〜30%が好ましい。透湿性シートの吸湿率が10%未満であると、熱交換効率が不充分となるおそれがある。透湿性シートの吸湿率が30%超であると、結露が発生するおそれがあり、また、透湿性シートの強度が低下するおそれがある。
なお、本発明の吸湿率は、下記式(2)で算出される値である。
吸湿率={(C−D)/D}×100・・・(2)
ただし、式(2)におけるCは、試料の質量(20℃、65%RHの条件下)であり、Dは、試料の絶乾質量(105℃のオーブンで2時間加熱乾燥後の質量)である。
(透気度)
本発明の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙においては、吸気と排気を混合させないため、充分なガスバリア性を有する必要がある。
本発明の透湿性シートの透気度は、50000秒以上であることが好ましく、100000秒以上であることがより好ましい。透湿性シートの透気度が前記の好ましい範囲であると、ガスバリア性に優れたシートとなる。
なお、本発明における透気度は、「JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000の王研式透気度法」で測定した値である。
本発明の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙においては、吸気と排気を混合させないため、充分なガスバリア性を有する必要がある。
本発明の透湿性シートの透気度は、50000秒以上であることが好ましく、100000秒以上であることがより好ましい。透湿性シートの透気度が前記の好ましい範囲であると、ガスバリア性に優れたシートとなる。
なお、本発明における透気度は、「JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000の王研式透気度法」で測定した値である。
(CO2透過率)
全熱交換器エレメント用原紙においては、ガスバリア性の中でも特にCO2バリア性が重要である。
CO2バリア性は、CO2透過率を指標として評価することができ、CO2透過率が低いほどCO2バリア性は高い。
本発明の透湿性シートのCO2透過率は、1.3%以下であり、1.0%以下であることがより好ましい。CO2透過率が前記範囲以下であると、本発明の透湿性シートを全熱交換器エレメント用原紙として好適に用いることができる。
なお、本発明における透湿性シートのCO2透過率は、以下のように測定される値である。
[CO2透過率の測定方法]
側面4面と上面1面の各中央に各辺20cmの正方形の窓部を有する各辺1mの立法体形の容器の内部にCO2分析計を設置したものを測定装置とする。
前記測定装置の各窓部に、25cm角とした透湿性シートを貼った状態で、測定装置内にCO2を5000ppm封入し、20℃、65%RH条件下でCO2の濃度を15分おきに4回、計1時間測定する。
15分後、30分後、45分後、60分後の各CO2濃度の測定値(ppm)から、各時点のCO2透過率を下記式により求め、その平均値を透湿性シートのCO2透過率とする。
CO2透過率=100−{100×(CO2濃度の測定値)/5000}
全熱交換器エレメント用原紙においては、ガスバリア性の中でも特にCO2バリア性が重要である。
CO2バリア性は、CO2透過率を指標として評価することができ、CO2透過率が低いほどCO2バリア性は高い。
本発明の透湿性シートのCO2透過率は、1.3%以下であり、1.0%以下であることがより好ましい。CO2透過率が前記範囲以下であると、本発明の透湿性シートを全熱交換器エレメント用原紙として好適に用いることができる。
なお、本発明における透湿性シートのCO2透過率は、以下のように測定される値である。
[CO2透過率の測定方法]
側面4面と上面1面の各中央に各辺20cmの正方形の窓部を有する各辺1mの立法体形の容器の内部にCO2分析計を設置したものを測定装置とする。
前記測定装置の各窓部に、25cm角とした透湿性シートを貼った状態で、測定装置内にCO2を5000ppm封入し、20℃、65%RH条件下でCO2の濃度を15分おきに4回、計1時間測定する。
15分後、30分後、45分後、60分後の各CO2濃度の測定値(ppm)から、各時点のCO2透過率を下記式により求め、その平均値を透湿性シートのCO2透過率とする。
CO2透過率=100−{100×(CO2濃度の測定値)/5000}
(坪量)
本発明の透湿性シートの坪量は、低坪量であるほど好ましく、具体的には75g/m2以下であることが好ましい。透湿性シートの坪量が前記好ましい範囲であると、全熱交換器エレメント用原紙とした場合に、熱交換効率が高められやすくなる。また、全熱交換器エレメントが軽量化され、全熱交換器エレメント中の該原紙の積層段数を増加することができるため、全熱交換器エレメントの熱交換効率がより高められやすくなる。
本発明の透湿性シートの坪量は、低坪量であるほど好ましく、具体的には75g/m2以下であることが好ましい。透湿性シートの坪量が前記好ましい範囲であると、全熱交換器エレメント用原紙とした場合に、熱交換効率が高められやすくなる。また、全熱交換器エレメントが軽量化され、全熱交換器エレメント中の該原紙の積層段数を増加することができるため、全熱交換器エレメントの熱交換効率がより高められやすくなる。
(引裂き強度)
本発明の引裂き強度は、縦方向の引裂き強度が170mN以上が好ましく、200mN以上がより好ましく、210mN以上がさらに好ましい。横方向の引裂き強度が160mN以上が好ましく、200mN以上がより好ましく、220mN以上がさらに好ましい。
なお、本発明の引裂き強度は、JIS P8116:2000「紙−引裂強さ試験方法」に準拠して測定した値である。
本発明の引裂き強度は、縦方向の引裂き強度が170mN以上が好ましく、200mN以上がより好ましく、210mN以上がさらに好ましい。横方向の引裂き強度が160mN以上が好ましく、200mN以上がより好ましく、220mN以上がさらに好ましい。
なお、本発明の引裂き強度は、JIS P8116:2000「紙−引裂強さ試験方法」に準拠して測定した値である。
(引張強度)
本発明の透湿性シートの引張強度は、縦方向の引張強度が3.0kN/m以上が好ましく、4.0kN/m以上がより好ましく、4.5kN/m以上がさらに好ましい。横方向の引張強度が2.0kN/m以上が好ましく、2.5kN/m以上がより好ましく、3.0kN/m以上がさらに好ましい。
なお、本発明の透湿性シートの引張強度は、JIS P8113:1998「紙及び板紙−引張特性の試験方法」に準拠して測定した値である。
本発明の透湿性シートの引張強度は、縦方向の引張強度が3.0kN/m以上が好ましく、4.0kN/m以上がより好ましく、4.5kN/m以上がさらに好ましい。横方向の引張強度が2.0kN/m以上が好ましく、2.5kN/m以上がより好ましく、3.0kN/m以上がさらに好ましい。
なお、本発明の透湿性シートの引張強度は、JIS P8113:1998「紙及び板紙−引張特性の試験方法」に準拠して測定した値である。
(厚み)
本発明の透湿性シートの厚みは、40〜120μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。さらに好ましくは、60〜90μmの範囲である。
本発明の透湿性シートの厚みは、40〜120μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。さらに好ましくは、60〜90μmの範囲である。
<透湿性シートの製造方法>
本発明の透湿性シートの製造方法は、パーチメント処理された繊維基材に、吸湿剤を塗布する工程を有する。
(パーチメント処理)
パーチメント処理とは、周知のように、硫酸をセルロース膨潤剤として使用し繊維基材を変性加工する処理である。
セルロースを含む繊維基材をパーチメント処理(硫酸処理)すると、セルロースは、膨潤し加水分解されて溶解する。溶解したセルロースは、粘調で半透明なゼラチン状の物質となり、繊維基材の表面を被覆し、繊維間を強く結びつける。さらに繊維基材の細孔を塞ぎ、非常に緻密な層構造を形成する。そのため、パーチメント処理した繊維基材は、強度及びガスバリア性に優れた特性を有する。
本発明においては、パーチメント処理された繊維基材を用いることで、強度及びガスバリア性に優れた透湿性シートが得られる。
パーチメント処理は、通常、パーチメント加工機で行われる。パーチメント加工機は、硫酸処理が行われる硫酸処理装置、水洗が行われる水洗装置、乾燥が行われる乾燥装置から構成される。なお、周知のように、紙基材を硫酸処理し、水洗、乾燥したものはパーチメント紙(硫酸紙)と呼ばれる。
本発明の透湿性シートの製造方法は、パーチメント処理された繊維基材に、吸湿剤を塗布する工程を有する。
(パーチメント処理)
パーチメント処理とは、周知のように、硫酸をセルロース膨潤剤として使用し繊維基材を変性加工する処理である。
セルロースを含む繊維基材をパーチメント処理(硫酸処理)すると、セルロースは、膨潤し加水分解されて溶解する。溶解したセルロースは、粘調で半透明なゼラチン状の物質となり、繊維基材の表面を被覆し、繊維間を強く結びつける。さらに繊維基材の細孔を塞ぎ、非常に緻密な層構造を形成する。そのため、パーチメント処理した繊維基材は、強度及びガスバリア性に優れた特性を有する。
本発明においては、パーチメント処理された繊維基材を用いることで、強度及びガスバリア性に優れた透湿性シートが得られる。
パーチメント処理は、通常、パーチメント加工機で行われる。パーチメント加工機は、硫酸処理が行われる硫酸処理装置、水洗が行われる水洗装置、乾燥が行われる乾燥装置から構成される。なお、周知のように、紙基材を硫酸処理し、水洗、乾燥したものはパーチメント紙(硫酸紙)と呼ばれる。
(吸湿剤を塗布する工程)
パーチメント処理された繊維基材に、吸湿剤を塗布する工程では、前記繊維基材に吸湿剤が塗布される。吸湿剤の塗布方法は、特に限定されないが、含浸装置を用いて、パーチメント処理された繊維基材を、吸湿剤を含有する塗被液に含浸させて、前記繊維基材に吸湿剤を塗布する方法が好ましい。
前記塗被液中の吸湿剤の濃度は、その下限値が、8質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、12質量%以上であることがさらに好ましい。
一方、前記塗被液中の吸湿剤の濃度は、その上限値が、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。なお、前記吸湿剤の濃度は、無水物換算の濃度である。
なお、生産設備によっては、塩化カルシウム等の吸湿剤により錆が発生するおそれがあるため、上記塗被液に水溶性の防錆剤を配合しておくことが好ましい。前記防錆剤としては、環境安全性を考慮し、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩等の非亜硝酸系のものを選択するのが好ましい。
上記塗被液に対する防錆剤の添加量は、特に限定されないが、固形分として塗被液中、0.5〜10質量%の範囲で調整されることが好ましい。
パーチメント処理された繊維基材に、吸湿剤を塗布する工程では、前記繊維基材に吸湿剤が塗布される。吸湿剤の塗布方法は、特に限定されないが、含浸装置を用いて、パーチメント処理された繊維基材を、吸湿剤を含有する塗被液に含浸させて、前記繊維基材に吸湿剤を塗布する方法が好ましい。
前記塗被液中の吸湿剤の濃度は、その下限値が、8質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、12質量%以上であることがさらに好ましい。
一方、前記塗被液中の吸湿剤の濃度は、その上限値が、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。なお、前記吸湿剤の濃度は、無水物換算の濃度である。
なお、生産設備によっては、塩化カルシウム等の吸湿剤により錆が発生するおそれがあるため、上記塗被液に水溶性の防錆剤を配合しておくことが好ましい。前記防錆剤としては、環境安全性を考慮し、脂肪族カルボン酸のナトリウム塩等の非亜硝酸系のものを選択するのが好ましい。
上記塗被液に対する防錆剤の添加量は、特に限定されないが、固形分として塗被液中、0.5〜10質量%の範囲で調整されることが好ましい。
また、上記塗被液に紙力増強剤を配合して、透湿性シートの強度向上を図ることができる。紙力増強剤としては、特に限定されないが、紙力強度の向上効果と経済性に優れる点から、ポリアクリルアミド系の紙力増強剤、ポリアミドエピクロルヒドリン等の湿潤紙力増強剤を用いることが好ましい。また、上記塗被液には、難燃剤、防カビ剤、ブロッキング防止剤、消泡剤等の公知の各種薬剤を必要に応じて添加してもよい。
前記吸湿剤を塗布する工程は、(i)又は(ii)のいずれかの方法で行われることが好ましい。
(i)硫酸処理装置でパーチメント処理された繊維基材を、水洗装置で水洗した後、乾燥装置で乾燥する前に、繊維基材に吸湿剤を塗布する方法。
(ii)硫酸処理装置でパーチメント処理された繊維基材を、水洗装置で水洗し、乾燥装置で乾燥した後に、繊維基材に吸湿剤を塗布する方法。
(i)硫酸処理装置でパーチメント処理された繊維基材を、水洗装置で水洗した後、乾燥装置で乾燥する前に、繊維基材に吸湿剤を塗布する方法。
(ii)硫酸処理装置でパーチメント処理された繊維基材を、水洗装置で水洗し、乾燥装置で乾燥した後に、繊維基材に吸湿剤を塗布する方法。
伝熱性及び透湿性に優れた透湿性シートが得られ、また、透湿性シートの製造工程が簡略化され生産効率及び経済性に優れた透湿性シートが得られる点から、吸湿剤を塗布する工程は(i)の方法で行われることが好ましい。
(i)の方法の場合、繊維基材が、乾燥される前の含水分率が高い所謂ウェットな状態で、該繊維基材に吸湿剤を塗布できるため、繊維基材に多量の吸湿剤を付着しやすくできるとともに、繊維基材の内部に吸湿剤を浸透しやすくできる。このため、繊維基材の透湿性がより高められやすくなる(即ち、湿度交換(潜熱交換)効率が良好になる)。さらに、繊維基材中の空隙に存在する空気が塩化カルシウム等の塗被成分に置換され、繊維基材の断熱効果を低く(伝熱性を高く)でき、温度交換(顕熱交換)効率が良好になる。よって、繊維基材の透湿性、伝熱性をより高められる。
上記の含水分率が高いウェットな状態の繊維基材における水分含量は、繊維基材を水洗した後、水分の絞り量を調整すること等により適宜調整可能であるが、繊維基材中、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。繊維基材中の水分含量が上記の好ましい範囲であると、繊維基材に吸湿剤を付着しやくできる。さらに、繊維基材の内部に吸湿剤を浸透しやすくできる。
(i)の方法の場合、繊維基材が、乾燥される前の含水分率が高い所謂ウェットな状態で、該繊維基材に吸湿剤を塗布できるため、繊維基材に多量の吸湿剤を付着しやすくできるとともに、繊維基材の内部に吸湿剤を浸透しやすくできる。このため、繊維基材の透湿性がより高められやすくなる(即ち、湿度交換(潜熱交換)効率が良好になる)。さらに、繊維基材中の空隙に存在する空気が塩化カルシウム等の塗被成分に置換され、繊維基材の断熱効果を低く(伝熱性を高く)でき、温度交換(顕熱交換)効率が良好になる。よって、繊維基材の透湿性、伝熱性をより高められる。
上記の含水分率が高いウェットな状態の繊維基材における水分含量は、繊維基材を水洗した後、水分の絞り量を調整すること等により適宜調整可能であるが、繊維基材中、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。繊維基材中の水分含量が上記の好ましい範囲であると、繊維基材に吸湿剤を付着しやくできる。さらに、繊維基材の内部に吸湿剤を浸透しやすくできる。
また、(i)の方法の場合、吸湿剤の塗布を、パーチメント加工機の中に設けた含浸装置で行うことが好ましい。含浸装置は、パーチメント加工機の水洗装置の後で、かつ乾燥装置の前に設けられることが好ましい。これにより透湿性シートの製造をインラインで行うことができ、透湿性シートの製造工程が簡略化され、生産効率及び経済性に優れた透湿性シートを得ることが可能となる。
(ii)の方法の場合、吸湿剤の塗布を、パーチメント加工機の外に設けた含浸装置で行うことができる。即ち、パーチメント加工機でパーチメント紙を製造した後、該パーチメント紙に、パーチメント加工機とは別に設けた含浸装置でオフラインで吸湿剤を塗布することができる。
吸湿剤が塗布される前のパーチメント処理された繊維基材における硫酸含量は、該繊維基材中、2000ppm以下であることが好ましく、1000ppm以下であることがより好ましく、300ppm以下であることが特に好ましい。
硫酸含量が上記範囲であると、硫酸と、吸湿剤等に含まれるカルシウムから石膏が形成され、これが製造装置や配管に付着、析出し生産性が悪化するのを防ぐことが出来る。また、石膏は吸湿性を有しておらず透湿性に寄与し得ない成分であるため、繊維基材に石膏が付着すると、透湿性シートの透湿性を高められなくなるおそれがあるが、これを防止することが出来る。さらに、セルロースの劣化が経時的に進行することによる紙力強度の低下を防止することが出来る。
なお、上記の硫酸含量は、パーチメント処理(硫酸処理)後の繊維基材の洗浄時間や洗浄回数を調節すること等により容易に調整される。
硫酸含量が上記範囲であると、硫酸と、吸湿剤等に含まれるカルシウムから石膏が形成され、これが製造装置や配管に付着、析出し生産性が悪化するのを防ぐことが出来る。また、石膏は吸湿性を有しておらず透湿性に寄与し得ない成分であるため、繊維基材に石膏が付着すると、透湿性シートの透湿性を高められなくなるおそれがあるが、これを防止することが出来る。さらに、セルロースの劣化が経時的に進行することによる紙力強度の低下を防止することが出来る。
なお、上記の硫酸含量は、パーチメント処理(硫酸処理)後の繊維基材の洗浄時間や洗浄回数を調節すること等により容易に調整される。
本発明の透湿性シートは、必要に応じてカレンダー処理を施すことができる。透湿性シートにカレンダー処理が施されると、透湿性シートの密度が向上するとともに透湿性シートの厚さが減少する。透湿性シートの密度が向上することによって、透湿性シートのガスバリア性が向上し、また透湿性シートの厚さが減少することによって、熱伝導率が向上し熱交換効率が向上するという効果が得られる。さらに、ガスバリア性等の向上を目的として、ポリビニルアルコール(PVA)等の高分子樹脂を後加工で塗工することもできる。
<透湿性シートの用途>
本発明の透湿性シートは、特に限定されないが、上述のとおり伝熱性、透湿性、ガスバリア性及び強度に優れることから、全熱交換器エレメント用原紙として用いることが好ましい。
全熱交換器エレメント用原紙は、全熱交換器において、排気と、吸気とを仕切る仕切板として用いられる。本発明の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙は、伝熱性、透湿性に優れるため、排気と吸気の顕熱(温度)及び潜熱(湿度)の熱交換を良好に行うことができる。さらに、ガスバリア性にも優れるため、例えば排気に含まれるCO2ガス等が吸気と交じり合うことを良好に抑制できる。
本発明の透湿性シートは、全熱交換器エレメント用原紙として1枚(単層)で用いられてもよいし、複数枚が積層されて用いられてもよいが、より良好な熱交換効率が得られる点から、全熱交換器において複数枚が積層されて用いられることが好ましい。このような全熱交換器としては、直交型全熱交換器、対向流型全熱交換器等が挙げられるが、本発明の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙は、原紙強度に優れるため、対向流型全熱交換器エレメント用原紙として好適に用いることができる。
本発明の透湿性シートは、特に限定されないが、上述のとおり伝熱性、透湿性、ガスバリア性及び強度に優れることから、全熱交換器エレメント用原紙として用いることが好ましい。
全熱交換器エレメント用原紙は、全熱交換器において、排気と、吸気とを仕切る仕切板として用いられる。本発明の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙は、伝熱性、透湿性に優れるため、排気と吸気の顕熱(温度)及び潜熱(湿度)の熱交換を良好に行うことができる。さらに、ガスバリア性にも優れるため、例えば排気に含まれるCO2ガス等が吸気と交じり合うことを良好に抑制できる。
本発明の透湿性シートは、全熱交換器エレメント用原紙として1枚(単層)で用いられてもよいし、複数枚が積層されて用いられてもよいが、より良好な熱交換効率が得られる点から、全熱交換器において複数枚が積層されて用いられることが好ましい。このような全熱交換器としては、直交型全熱交換器、対向流型全熱交換器等が挙げられるが、本発明の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙は、原紙強度に優れるため、対向流型全熱交換器エレメント用原紙として好適に用いることができる。
以上、説明したとおり、本発明の透湿性シートは、パーチメント処理された繊維基材と、該繊維基材中に含まれる吸湿剤とを有するため、伝熱性、透湿性、ガスバリア性及び強度に優れる。また、本発明の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙は、排気と吸気の顕熱(温度)及び潜熱(湿度)の熱交換効率に優れる。さらに、本発明の透湿性シートの製造方法は、上記透湿性シートを効率よく製造でき、生産性及び経済性に優れる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本実施例及び比較例における%、部は、特に断りのない限り質量%、質量部をそれぞれ表す。
<実施例1>
(紙基材の調整)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)80部、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)20部の比率のパルプスラリーをレファイナーで叩解してフリーネス(csf)が400ccのパルプスラリーを調整した。得られた紙料をツインワイヤー型抄紙機にて抄紙し、坪量48g/m2の紙基材を得た。
(透湿性シートの製造)
上記紙基材をパーチメント加工機に導入し、上記紙基材に対しセルロース膨潤剤として硫酸を使用してパーチメント処理を施した。次に、パーチメント処理した紙基材を水洗処理した後、乾燥する前に、パーチメント加工機に設置したインラインの含浸装置によって下記の塗被液1を塗被した。これを乾燥して実施例1の透湿性シートを製造した。この透湿性シートの坪量は絶乾で58g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量は、無水塩化カルシウム換算で9.5g/m2であった。
[塗被液1]
塩化カルシウム(吸湿剤、セントラル硝子社製)93.5%(無水物換算固形分含有率)、脂肪族カルボン酸ナトリウム塩防錆剤(商品名「メタレックスANK」、油化産業社製)6.5%(固形分含有率)を配合し、水で希釈して固形分濃度20%としたもの。
(紙基材の調整)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)80部、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)20部の比率のパルプスラリーをレファイナーで叩解してフリーネス(csf)が400ccのパルプスラリーを調整した。得られた紙料をツインワイヤー型抄紙機にて抄紙し、坪量48g/m2の紙基材を得た。
(透湿性シートの製造)
上記紙基材をパーチメント加工機に導入し、上記紙基材に対しセルロース膨潤剤として硫酸を使用してパーチメント処理を施した。次に、パーチメント処理した紙基材を水洗処理した後、乾燥する前に、パーチメント加工機に設置したインラインの含浸装置によって下記の塗被液1を塗被した。これを乾燥して実施例1の透湿性シートを製造した。この透湿性シートの坪量は絶乾で58g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量は、無水塩化カルシウム換算で9.5g/m2であった。
[塗被液1]
塩化カルシウム(吸湿剤、セントラル硝子社製)93.5%(無水物換算固形分含有率)、脂肪族カルボン酸ナトリウム塩防錆剤(商品名「メタレックスANK」、油化産業社製)6.5%(固形分含有率)を配合し、水で希釈して固形分濃度20%としたもの。
<実施例2>
下記の塗被液2を使用し、透湿性シートの坪量を絶乾で54g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量を無水塩化カルシウム換算で6.5g/m2とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の透湿性シートを製造した。
[塗被液2]
塩化カルシウム(吸湿剤、セントラル硝子社製)84.5%(無水物換算固形分含有率)、脂肪族カルボン酸ナトリウム塩防錆剤(商品名「メタレックスANK」、油化産業社製)5.9%(固形分含有率)、ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名「ポリストロン1250」、荒川化学工業社製)9.6%(固形分含有率)を配合し、水で希釈して固形分濃度15%としたもの。
下記の塗被液2を使用し、透湿性シートの坪量を絶乾で54g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量を無水塩化カルシウム換算で6.5g/m2とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の透湿性シートを製造した。
[塗被液2]
塩化カルシウム(吸湿剤、セントラル硝子社製)84.5%(無水物換算固形分含有率)、脂肪族カルボン酸ナトリウム塩防錆剤(商品名「メタレックスANK」、油化産業社製)5.9%(固形分含有率)、ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名「ポリストロン1250」、荒川化学工業社製)9.6%(固形分含有率)を配合し、水で希釈して固形分濃度15%としたもの。
<実施例3>
実施例1と同様にして紙基材に対しパーチメント処理を施した。次に、パーチメント処理した紙基材を水洗処理し、乾燥して、絶乾で49g/m2のパーチメント紙を得た。
このパーチメント紙に対し、パーチメント加工機の外に設けたオフラインの含浸装置によって塗被液1を塗被し、その後、乾燥して実施例3の透湿性シートを製造した。この透湿性シートの坪量は絶乾で53g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量は、無水塩化カルシウム換算で4.0g/m2であった。
実施例1と同様にして紙基材に対しパーチメント処理を施した。次に、パーチメント処理した紙基材を水洗処理し、乾燥して、絶乾で49g/m2のパーチメント紙を得た。
このパーチメント紙に対し、パーチメント加工機の外に設けたオフラインの含浸装置によって塗被液1を塗被し、その後、乾燥して実施例3の透湿性シートを製造した。この透湿性シートの坪量は絶乾で53g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量は、無水塩化カルシウム換算で4.0g/m2であった。
<比較例1>
塗被液1を塗被せず、透湿性シートの坪量を絶乾で49g/m2とした以外は実施例1と同様にして比較例1の透湿性シートを製造した。
塗被液1を塗被せず、透湿性シートの坪量を絶乾で49g/m2とした以外は実施例1と同様にして比較例1の透湿性シートを製造した。
<比較例2>
下記の塗被液3を使用し、透湿性シートの坪量を絶乾で50g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量を無水塩化カルシウム換算で1.5g/m2とした以外は、実施例2と同様にして比較例2の透湿性シートを得た。
[塗被液3]
塗被液2の固形分濃度を5%としたもの。
下記の塗被液3を使用し、透湿性シートの坪量を絶乾で50g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量を無水塩化カルシウム換算で1.5g/m2とした以外は、実施例2と同様にして比較例2の透湿性シートを得た。
[塗被液3]
塗被液2の固形分濃度を5%としたもの。
<比較例3>
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)80%と広葉樹クラフトパルプ(LBKP)20%の比率のパルプスラリーをレファイナーで叩解して変則フリーネス(パルプ採取量0.3g/L)が450ccのパルプスラリーを調整した。次いで、絶乾パルプに対し、紙力剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(商品名「ポリストロン117」、荒川化学工業社製)0.5%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系湿潤紙力剤(商品名「アラフィックス255」、荒川化学工業社製)0.5%、硫酸バンド0.5%を添加、混合して紙料を調整した。得られた紙料を、長網抄紙機にて抄紙した。
抄紙工程中の2ロールサイズプレス装置によって、下記塗被液4を塗被し、乾燥させたものを基材紙とした。該基材紙をスーパーカレンダー処理して比較例3の透湿性シートを製造した。この透湿性シートの坪量は絶乾で45g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量は、無水塩化カルシウム換算で6.0g/m2であった。
[塗被液4]
塗被液1の固形分濃度を30%としたもの。
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)80%と広葉樹クラフトパルプ(LBKP)20%の比率のパルプスラリーをレファイナーで叩解して変則フリーネス(パルプ採取量0.3g/L)が450ccのパルプスラリーを調整した。次いで、絶乾パルプに対し、紙力剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(商品名「ポリストロン117」、荒川化学工業社製)0.5%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系湿潤紙力剤(商品名「アラフィックス255」、荒川化学工業社製)0.5%、硫酸バンド0.5%を添加、混合して紙料を調整した。得られた紙料を、長網抄紙機にて抄紙した。
抄紙工程中の2ロールサイズプレス装置によって、下記塗被液4を塗被し、乾燥させたものを基材紙とした。該基材紙をスーパーカレンダー処理して比較例3の透湿性シートを製造した。この透湿性シートの坪量は絶乾で45g/m2、吸湿剤(塩化カルシウム)の付着量は、無水塩化カルシウム換算で6.0g/m2であった。
[塗被液4]
塗被液1の固形分濃度を30%としたもの。
実施例1〜3、比較例1〜3の透湿度、吸湿率、透気度、CO2透過率、引裂き強度、引張強度を測定した。測定結果を表1に示す。
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜3の透湿性シートは、高い透湿度を有するとともに、適切な吸湿率、高いガスバリア性を有し、さらに、引裂き強度、引張強度が強く、全熱交換器エレメント用原紙として優れた適性を具備するものであった。
比較例1〜2の透湿性シートは、透湿度が低く、さらに吸湿率も低いため、目標とする熱交換効率が得られないおそれがある。比較例3の透湿性シートは、パーチメント処理された繊維基材を用いていないため、充分な引裂き強度、引張強度が得られず、特に、対向流型の全熱交換器エレメント用原紙としての適性に劣る。
比較例1〜2の透湿性シートは、透湿度が低く、さらに吸湿率も低いため、目標とする熱交換効率が得られないおそれがある。比較例3の透湿性シートは、パーチメント処理された繊維基材を用いていないため、充分な引裂き強度、引張強度が得られず、特に、対向流型の全熱交換器エレメント用原紙としての適性に劣る。
Claims (7)
- パーチメント処理された繊維基材と、該繊維基材中に含まれる吸湿剤とを有し、かつ、透湿度が1000g/m2・24h以上であることを特徴とする透湿性シート。
- 前記吸湿剤が塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の透湿性シート。
- 請求項1又は請求項2に記載の透湿性シートからなる全熱交換器エレメント用原紙。
- 繊維基材を硫酸と接触させる硫酸処理工程と、
前記硫酸処理した繊維基材を水洗する工程と、
前記水洗した繊維基材に吸湿剤を塗布する工程と、
前記吸湿剤を塗布した繊維基材を乾燥する工程と、を有し、
前記吸湿剤を塗布する工程が、水洗した繊維基材を、乾燥せずに湿潤状態で、吸湿剤を含有する塗被液に含浸するものであることを特徴とする透湿性シートの製造方法。 - 前記の硫酸処理工程、水洗する工程、吸湿剤を塗布する工程及び乾燥する工程を、パーチメント加工機を用いてインラインで行うことを特徴とする請求項4に記載の透湿性シートの製造方法。
- 前記塗被液中の吸湿剤の濃度が、8質量%以上であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の透湿性シートの製造方法。
- 前記塗被液が、紙力増強剤を含有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の透湿性シートの製造方法。
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