JP4736705B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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本発明は、制動手段を備える車両を制御する車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、車速を目標車速以下に維持するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された車輪自動車(以下、「従来の技術」と称する)によれば、電子制御ユニットが、検出車速がしきい値を超えた又は下回った値に応じて夫々制動力が増加又は減少するように液圧制動制御装置を制御するため、検出車速をしきい値以下に維持することが可能であるとされている。
特表平10−507145号公報
このような車速維持のための制御は、車速が目標車速よりも十分に小さい判定値に達した時点で終了するが、係る制御の終了に伴って制動手段における制動液の液圧を急激に抜いた場合、坂路の勾配によっては車両が再加速する場合がある。一方で、このような判定値が適切に設定されない場合、車速維持のための制御が不要となるような緩勾配であっても制御が継続され、制動手段を酷使することになりかねない。即ち、従来の技術には、車速維持のための制御を効率的且つ効果的に終了することが困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、車速維持のための制御を効率的且つ効果的に終了することが可能な車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の制御装置は、車輪に対し制動液の液圧に応じた制動力を付与する制動手段を備えた車両を制御する車両の制御装置であって、所定の入力に応じて、前記車両が坂路を降坂する際の速度が所定値以下に維持されるように前記制動手段を制御する車速維持制御を実行する第1制御手段と、前記車速維持制御の実行に伴う、前記制動手段における前記制動力に対応する液圧を特定する特定手段と、前記特定された液圧に基づいて前記車速維持制御を終了する第2制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明における「制動手段」とは、制動対象となる車輪各々に対し制動液の液圧に応じた制動力を与えることによって車両を制動することが可能に構成された機構、装置又はシステムなどを包括する概念である。従って、制動手段は、好適には液圧制御駆動系を含んで構成される。液圧制御駆動系とは、液圧を伝達すると共に後述する制御手段によって係る液圧を可変に制御するべく駆動される機構、装置又はシステムを包括する概念であり、例えば、ブレーキアクチュエータと称される形態を採る。但し、本発明に係る制動手段の態様は、係る液圧制御駆動系の有無によらず、制御手段によって、制動力を規定する制動液の液圧を、運転者の制動意思に基づいた制動操作(例えば、ブレーキペダルの踏下)とは無関係に制御し得る限りにおいて何ら限定されない。
尚、液圧制御駆動系は、好適には、個々の車輪に対応する制動液の液圧(以下、適宜「制動圧」と称する)を相互に独立して制御する目的から、個々の車輪に対応する液圧伝達経路に、増圧経路及び減圧経路を備え、各経路に電磁開閉弁(例えば、ソレノイドバルブ)を備える場合が多い。この場合、電磁開閉弁の開閉状態や、液圧伝達経路に制動液を供給する循環手段(例えば、ポンプなど)の出力など駆動態様が適宜制御されることによって、個々の車輪に対応する制動圧が相互に独立に制御される。
本発明に係る車両の制御装置によれば、その動作時には、第1制御手段によって、車速維持制御が実行される。尚、車速維持制御とは、車両が坂路を降坂する際の速度(以下、適宜「車速」と称する)を所定値以下に維持するために制動手段に対し行われる制御を指す。尚、「坂路」とは、少なくとも車輪に何ら制動力が付与されない場合に車両が降坂を開始又は継続する程度の傾斜を有する路面を包括する概念である。言い換えれば、車輪各々に付与される制動力を制御することによって、ゼロではない車速を維持することが可能となる路面を指す。
車速維持制御は、所定の入力に応じて実行される。ここで、「所定の入力」とは、例えば、乗員による操作ボタン、操作レバー又は操作ダイアルの操作などに応じて発生するものであってもよい。尚、このような操作は、複数の操作が複合したものとして規定されていてもよい。例えば、乗員による操作ボタンの操作が有り、且つトランスミッションのギア比を選択するためのシフトポジションが、相対的に大きいギア比に相当するシフトポジション(例えば、オートマチックトランスミッションにおける「L」又は「R」などに相当するポジション)である場合に発生するものであってもよい。また、このような入力とは、車速を維持すべきものとして定められた何らかの条件が満たされた場合にコントローラや他の装置などから乗員などの操作を介さずに発生するものであってもよい。
車速維持制御が実行されることによって、車速は、巨視的な期間において概ね所定値(即ち、目標となる車速)以下に維持される。このような制御は、例えば、車速が所定値を超えた場合に制動圧を増圧し、車速が所定値未満となった場合に制動圧を減圧するような態様を採る。即ち、好適には、車速に基づいて制動圧或いは制動圧に対応する液圧をフィードバック制御することによって車速は所定値以下に維持される。
一方で、このような車速維持制御は、制動手段に、或いは制動手段が液圧制御駆動系を含む場合には特に液圧制御駆動系に大きな負荷を与え易い。従って、車速維持制御が要求される期間であっても、制動力を規定する液圧を制御する必要性の低い(例えば、何ら制動力を与えずとも車速が増加することのない)緩勾配の坂路などでは、車速維持制御は終了するのが望ましい。
然るに、このような観点から、車速が所定値(目標車速)よりも十分に小さい判定値未満となった場合に車速維持制御を終了した場合、車速が必ずしも緩勾配の坂路でのみこのような判定値を下回る訳ではないため(例えば、制動力を増加することによって車速を低下させることも可能である)、車速維持制御の終了と共に車両が再加速し、快適性が損なわれることがある。このような問題を解決するため、判定値を極小さな値に設定すると、現実的な制動制御の範囲では極めて到達し難く、結局車速維持制御を終了させてもよい場合であっても車速維持制御が継続されるといった不都合が生じかねない。
そこで、本発明に係る車両の制御装置は、以下の如くにして効率的且つ効果的に車速維持制御を終了させることが可能に構成されている。
即ち、本発明に係る車両の制御装置によれば、その動作時には、特定手段によって、制動力に対応する液圧が特定される。ここで、本発明における「特定」とは、例えば物理的、電気的、機械的、機構的又は化学的な検出手段によって直接的に検出することの他に、これら検出された結果を電気信号として間接的に取得することを含み、更にはこれら検出又は取得された値から所定のアルゴリズム又は算出式に基づいて導出することを含む概念である。従って、本発明に係る特定手段とは、制動手段の所定箇所に配置された圧力センサなどの検出手段であってもよいし、これら検出手段によって検出された温度を電気信号として取得することが可能に構成されたECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)などの処理ユニットであってもよい。尚、液圧を直接検出する検出手段の配設位置は、例えば予め実験的に、経験的に或いはシミュレーションなどに基づいて、制動力との相関性が比較的高い位置に決定されていてもよい。また、検出手段の数量は何ら限定されない。複数の検出手段が備わる場合、複数の圧力検出結果(圧力値)に基づいた数値演算的な処理によって、係る液圧を規定する数値が導出されてもよい。
尚、「制動力に対応する液圧」とは、制動手段内の液圧であって、制動力と何らかの対応関係を有し、且つ係る対応関係が予め少なくとも定性的に判明している液圧を包括する概念である。即ち、少なくとも制動力が増加するのに伴って増加する又は減少することが判明している液圧を指す。無論、前述した制動圧(例えば、ホイールシリンダ圧など)であってもよい。或いは、制動手段が前述した如く液圧制御駆動系を備え、且つ液圧制御駆動系に、個々の車輪に対応する制動圧を一元的に制御する差圧弁が備わる場合などには、係る差圧弁の目標差圧が本発明に係る「制動力に対応する液圧」として利用されてもよい。
第2制御手段は、このように特定された液圧に基づいて車速維持制御を終了する。ここで、車両が坂路を降坂する場合に限れば、車両が主として重力成分の影響によって下降することになるのであるから、必要となる制動力は必然的に下降方向に作用する重力成分と比例した関係となる。重力成分は無論坂路の勾配と比例するのであり、結局、車速を維持するために要する制動力は、少なくとも長期的に見れば坂路の勾配と対応関係を有することとなる。即ち、車速と異なり、制動力に対応する液圧は、坂路の勾配と相関し得る。
従って、制動力に対応する液圧に基づいて車速維持制御を終了する場合、坂路の勾配を特定することなく、勾配に応じた車速維持制御の終了制御が可能となる。坂路が緩勾配であれば、車速維持制御を終了したとしても車両に急激な加速は生じないのであり、また、車速が十分に低い値に維持されていても、制動力(或いは液圧)が高ければ、急勾配の坂路で大きな制動力を付与することによって車両を制動しているに過ぎず、明らかに車速維持制御を終了すべき条件ではないのである。
以上説明したように、本発明に係る車両の制御装置によれば、制動力に対応する制動液の液圧に基づいて車速維持制御を終了するため、車速維持制御を終了すべき状況において確実に車速維持制御を終了することが可能となる。即ち、効率的且つ効果的に車速維持制御を終了することが可能となるのであり、必ずしも坂路の勾配と一義的に規定されない車速に基づいて車速維持制御を終了する場合と比較して明らかに有利に構成される。
尚、本発明に係る第1制御手段及び第2制御手段は、夫々車速維持制御を実行及び終了する手段であるから、少なくとも一部が相互に共通のハードウェア構成を有していてもよい。
本発明に係る車両の制御装置の一の態様では、前記第2制御手段は、前記液圧が所定値以下である場合に前記車速維持制御を終了する。
この態様によれば、第2制御手段は、特定された液圧が所定値以下である場合に車速維持制御を終了するため、車速維持制御をすべきか否かの判定を比較的簡便に実行することが可能となり、好適である。尚、所定値とは、車速維持制御を好適に終了し得る値として、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーションなどに基づいて設定されていてもよい。
本発明に係る車両の制御装置の他の態様では、前記第2制御手段は、前記液圧が所定値以下である状態が所定時間以上継続した場合に前記車速維持制御を終了する。
この場合、液圧が所定値以下の状態が所定時間以上継続した場合に車速維持制御が終了するため、何らかの要因で坂路の勾配が十分に緩やかではない状況で制動力に対応する液圧が減少し、所定値以下となった場合などに誤判断が生じる可能性が低減し得る。尚、所定時間とは、例えば、坂路が緩勾配であるとの判断を正確に行える程度の時間として、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーションなどに基づいて決定されていてもよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<実施形態>
以下、適宜図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10の模式図である。
図1において、車両10は、本発明に係る「車両」の一例であり、四輪駆動型の車両である。車両10には、動力源であるエンジン11が備わっている。エンジン11は、例えばガソリンエンジンである。エンジン11には、エンジン11が出力する回転駆動力を、後述する駆動軸14F及び駆動軸14Rに夫々伝達すると共に、係る回転駆動力の回転を減速(変速)するためのトランスミッション12及びトランスファ(副変速機)13が接続されている。
トランスミッション12は、運転者が不図示のシフトレバーを操作することによって、ギア比が相互に異なる複数のギアの中から一のギアを選択することが可能に構成されると共に、係るギア比の選択を自動的に実行することをも可能に構成されたオートマチックトランスミッション(AT)である。
トランスファ13は、トランスミッション12から伝達される駆動力を前輪側の駆動軸14Fと後輪側の駆動軸14Rとに分配する副変速機である。トランスファ13は、その内部に差動装置(センターデファレンシャル)を備え、車両10の旋回時に前輪と後輪との間に生じる回転差を吸収する構造となっている。
前輪側の駆動軸14Fは、フロントデファレンシャル15Fを介して左右の駆動軸16FL、16FRに連結され、駆動軸16FL及び16FRには、夫々車輪FL(左前輪)及びFR(右前輪)が連結されている。また、後輪側の駆動軸14Rはリアデファレンシャル15Rを介して左右の駆動軸16RL、16RRに連結され、駆動軸16RL及び16RRには、夫々車輪RL(左後輪)及び車輪RR(右後輪)が連結されている。車両10では、エンジン11の駆動トルクがこれら機構を介して各車輪に伝達される。
車輪FL、FR、RL及びRRには夫々制動装置17FL、17FR,17RL及び17RRが設けられている。各制動装置には、夫々ホイールシリンダ18FL、18FR、18RL及び18RRが備わっており、夫々不図示の制動部材を制動液の液圧に応じて駆動することによって車両10の制動を行う仕組みとなっている。尚、各制動装置の態様は、車両10を制動することが可能な限りにおいてどのような態様を有していてもよく、好適にはディスクブレーキやドラムブレーキなどの態様を採る。
車輪FL、FR、RL及びRRには、夫々車輪速センサ19FL、19FR、19RL及び19RRが備わっている。各車輪速センサは、各車輪の車輪速及び回転方向を検出することが可能に構成されている。
各ホイールシリンダには、通常、マスタシリンダ20を介して制動液の液圧が伝達される構成となっており、マスタシリンダ20における液圧は、運転者によるブレーキペダル21の踏下量に応じて増減する構成となっている。従って、通常、各制動装置の制動力は、運転者のブレーキペダル操作によって制御されている。
一方、各ホイールシリンダとマスタシリンダ20との間にはブレーキアクチュエータ200が介在している。ブレーキアクチュエータ200は、後述するECU100と電気的に接続されており、ECU100の制御によって、運転者による制動操作(例えば、ブレーキペダル21の操作)とは無関係に各ホイールシリンダの液圧を増減させることが可能に構成されている。尚、ブレーキアクチュエータ200、マスタシリンダ20、各制動装置及び各ホイールシリンダは、本発明に係る「制動系」の一例として機能するように構成されている。また、ブレーキアクチュエータ200は、本発明に係る「液圧制御駆動系」の一例として機能するように構成されている。
起動スイッチ22は、車両10の所定箇所、例えば、コンソールパネルなどに運転者による操作が可能となるように配設されている。起動スイッチ22が押下されると、後述する車速維持制御の実行を促す起動信号が出力される構成となっている。尚、起動スイッチ22は、後述するECU100と電気的に接続されており、運転者などによる起動スイッチの押下は、起動信号の入力を介して常にECU100に監視される構成となっている。
シフトポジションセンサ23は、トランスミッション12のギア比を選択するためのシフトレバー(不図示)の位置(即ち、シフトポジション)を検出するセンサである。尚、シフトポジションセンサ23は、後述するECU100と電気的に接続されており、シフトポジションセンサ23によって検出されたシフト位置は、係るシフト位置を表す電気信号としてECU100に出力される構成となっている。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備えると共に車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の制御装置」の一例である。尚、ECU100は、ROMに格納された制御プログラムを実行することによって、後述する車速維持制御を実行することが可能に構成されている。
また、ECU100は、ブレーキアクチュエータ200と電気的に接続されており、ブレーキアクチュエータ200を上位に制御することによって、ブレーキアクチュエータ200を介し各車輪に付与される制動力を運転者の制動操作とは無関係に制御することが可能に構成されている。
<ブレーキアクチュエータの構成>
次に、図2を参照してブレーキアクチュエータ200の構成を一部その動作を交えて説明する。ここに、図2は、ブレーキアクチュエータ200の模式図である。尚、図2において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。また、図2には、説明の簡略化のため、右前輪たる車輪FR及び左後輪たる車輪RLに対する制動液の伝達経路が示されている。
図2において、ブレーキアクチュエータ200は、モータ201を備える。モータ201は、ポンプ202を駆動するための駆動源であり、モータ201から駆動力を供給されたポンプ202は、リザーバ203から制動液を汲み出し、逆止弁204を介して管路217に供給することが可能に構成されている。
マスタシリンダ20に繋がる管路211には、差圧弁205が配設されている。差圧弁205は、非通電時には制動液を両方向に通過させる開放弁となり、通電時には両端部分の差圧が目標差圧に維持されるように、より具体的には、下流側(マスタシリンダとは異なる側)の圧力が上流側よりも目標差圧分高くなるように開閉する圧力調整弁として機能する弁である。尚、係る目標差圧は、ブレーキアクチュエータ200と電気的に接続されたECU100によって設定される構成となっている。また、管路211において差圧弁205をバイパスする管路には、逆止弁206が配設されている。
管路211は、差圧弁205の下流側において、車輪FR及びRL各々に対応する管路213及び214に分岐している。尚、前述した管路217は、管路211が管路213及び214に分岐する位置に合流するように配設されている。尚、差圧弁205の上流位置では、管路212がリザーバ203に接続されており、リザーバ203から制動液が供給されている。
管路213には、増圧弁209が配設されている。増圧弁209は、ECU100の制御によって開閉状態が切り替わる電磁弁である。また、増圧弁209は、非通電時に開弁するように構成されている。また、管路213は、増圧弁209下流位置において、更に管路215に分岐している。管路215には減圧弁210が配設されている。減圧弁210は、ECU100の制御によって開閉状態が切り替わる電磁弁である。また、減圧弁210は、非通電時に閉弁するように構成されている。一方、管路214は、管路213と同様の構成を採り、管路214上には増圧弁207が設置され、管路214から分岐する減圧経路216上には減圧弁208が備わっている。尚、管路214及び215は、夫々ポンプ202下流位置に接続されている。
<実施形態の動作>
<制動モードの詳細>
車両10では、ECU100がブレーキアクチュエータ200を制御することによって車両10を制動するための複数の制動モードが実現される。引き続き図2を参照して車両10に備わる複数の制動モードの詳細について説明する。
<通常制動モード>
通常制動モードは、ブレーキペダル21の踏下量に応じた制動力を各車輪に付与するモードであり、言い換えれば運転者の制動意思を直接反映した制動モードである。通常制動モードを実行するに際し(本実施形態では、デフォルトで通常制動モードが選択されている)、ECU100は、差圧弁205を非通電とし、モータ201及びポンプ202の作動を停止する。これに伴い、差圧弁205は単に開放状態となり、マスタシリンダ20のマスタシリンダ圧が、差圧弁205、増圧弁207及び増圧弁209を介して各ホイールシリンダに伝達される。
<増圧モード>
増圧モードを実行するに際し、ECU100は、差圧弁205に通電し、更にモータ201及びポンプ202を作動させる。この際、ポンプ202は、差圧弁205に、ECU100によって設定される目標差圧以上の液圧が加わるように駆動される。一方、差圧弁205は、上流側端部及び下流側端部の差圧を目標差圧に維持するように開閉するため、下流側に加わる液圧が目標差圧以上である場合には開弁し、低圧側である上流側に制動液を通過させる。他方、下流側に加わる液圧が目標差圧未満である場合には、差圧弁205は閉弁するため、結局差圧弁205の下流における液圧は、差圧弁205が開閉を繰り返すことによって目標差圧に維持される。
このように差圧弁205下流側の液圧が目標差圧に維持された状態で、ECU100は、増圧弁207及び209を開弁し、減圧弁208及び210を閉弁する。尚、前述した通り、各増圧弁は非通電時に開弁する電磁弁であり、各減圧弁は非通電時に閉弁する電磁弁であるから、結局ECU100は、増圧モードにおいてこれらに対し通電を行わない。差圧弁205下流における液圧である目標差圧は、各増圧弁を介して各制動装置に伝達され、各車輪に付与される制動力は、目標差圧の増減に伴って夫々増減し、目標差圧によって一元的に制御される。即ち、目標差圧は、本発明に係る「制動力に対応する液圧」の一例である。
<減圧モード>
減圧モードにおいて、ECU100は、増圧弁207又は増圧弁209を閉弁すると共に、減圧弁208又は減圧弁210を開弁する。下流弁の開閉状態がこのように制御された状態で、更にECU100は、モータ201及びポンプ202を駆動し、管路213又は管路214内の制動液を管路215又は管路216を介して吸い上げ、一方のホイールシリンダにおけるホイールシリンダ圧が減圧される。即ち、減圧モードでは、いずれか一方の車輪に付与される制動力のみを減少させることが可能である。
<保持モード>
保持モードにおいて、ECU100は、増圧弁207及び減圧弁208又は増圧弁209及び減圧弁210を閉弁する。この状態では結局、現時点で各ホイールシリンダに加わっている液圧が保持される。保持モードは、例えば、減圧モードが実行された後、係る減圧状態を一定期間保持するためなどに選択される。
<車両の制御>
ECU100は、ブレーキアクチュエータ200を制御することによって、車速維持制御を実行することが可能に構成される。ここで、図3を参照して、係る車速維持制御を含む車両10の一制御について説明する。ここに、図3は、係る一制御のフローチャートである。
図3において、ECU100は、車両10の始動後、車速維持制御の実行条件が満たされるか否かを判別する(ステップA10)。ここで、実行条件とは、起動スイッチ22から前述した起動信号が入力され且つトランスミッション12のシフト位置が、前後進各々において最もギア比を大きくし得る「L」又は「R」の位置にある場合を指す。シフト位置は、シフトポジションセンサ23のセンサ出力として取得される。
車速維持制御の実行条件が満たされない場合(ステップA10:NO)、ECU100は、実行条件が満たされるまでステップA10を繰り返し、車速維持制御の実行を待機する。一方、車速維持制御の実行条件が満たされた場合(ステップA10:YES)、ECU100は、車速維持制御を開始する(ステップA11)。
車速維持制御を開始する場合、ECU100は、前述した制動モードを、デフォルトの通常制動モードから、増圧モードに移行させる。即ち、ECU100は、ブレーキアクチュエータ200におけるモータ201及びポンプ202を作動させ、差圧弁205の目標差圧Ptの初期値を設定して、差圧弁205に通電する。尚、目標差圧Ptの初期値は、予めROMに格納されており、ECU100はROMから係る初期値を読み出して目標差圧Ptの初期値として設定する。これに伴い、ブレーキアクチュエータ200を介して伝達される制動液の液圧は、目標差圧Ptに維持される。即ち、目標差圧Ptは、この場合、本発明に係る「制動力に対応する液圧」の一例として作用する。尚、本実施形態では、目標差圧Ptの初期値が数Mpa程度(例えば、5Mpa程度)に設定されている。
車速維持制御が開始されると、ECU100は、各車輪速センサの出力に基づいて車両10の車速を算出すると共に、係る車速が目標車速Vtより大きいか否かを判別する(ステップA12)。本実施形態では、目標車速Vtが5km/hに設定されている。尚、目標車速Vtは、一定又は不定の速度範囲として与えられていてもよい。この場合、ステップA12に係る処理では、係る速度範囲を規定する上限値と車速との比較が行われてもよい。
車速が目標車速Vtよりも大きい場合、現時点で設定されている目標差圧Ptでは制動力が不足しているものとして、ECU100は、目標差圧Ptに増加定数Aを加算して目標差圧Ptを更新する(ステップA13)。このような増加定数Aの値は特に限定されないが、予め制動力の過剰な増減を回避し且つ速やかに車速を目標車速に維持し得る程度の値として与えられている。本実施形態では、増加定数Aは1Mpa程度の値に設定されている。
ステップA13に係る処理が実行されるか、又は車速が目標車速Vt以下である場合(ステップA12:NO)、ECU100は、車速が目標車速Vt未満であるか否かを判別する(ステップA14)。車速が目標車速Vt未満である場合(ステップA14:YES)、ECU100は、目標差圧Ptでは制動力が過剰であるものと判断し、目標差圧Ptから減少定数B(B<A)を減算して、目標差圧Ptを更新する(ステップA15)。ここで、減少定数Bは、本実施形態では増加定数A未満の値として規定されるが、増加定数Aと等しい値であってもよいし、増加定数Aより大きい値であってもよい。
ステップA15に係る処理が実行されるか、又は車速が目標車速Vtである場合(ステップA14:NO)、ECU100は、その時点における目標差圧Ptが予め設定された基準差圧Pend未満であるか否かを判別する(ステップA16)。目標差圧Ptが基準差圧Pend未満ではない場合(ステップA16:NO)、ECU100は、処理をステップA12まで戻し、車速維持制御を継続する。一方、目標差圧Ptが基準差圧Pend未満である場合(ステップA16:YES)、ECU100は、目標差圧Ptが基準差圧Pend未満となってからの経過時間が所定の閾値Tth以上であるか否かを判別する(ステップA17)。所定の経過時間が経過していない場合(ステップA17:NO)、ECU100は、処理をステップA12に戻し、車速維持制御を継続する。
一方、目標差圧Ptが基準差圧Pend未満となってからの経過時間が閾値Tth以上となった場合(ステップA17:YES)、ECU100は、目標差圧Ptが十分に小さい値で安定する状態、即ち車両10が降坂する坂路の勾配が十分に小さくなったものとして、車速維持制御を終了する(ステップA18)。尚、車速維持制御を終了するとは、モータ201及びポンプ202の作動を停止し、差圧弁205への通電も停止して、制動モードを通常制動モードへ移行することを指す。車速維持制御が終了すると、処理は再びステップA10に戻され、車速維持制御の実行条件が満たされるか否かの判別が行われると共に上述した一連の処理が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態に係る車両10では、ECU100が車速維持制御を終了すべきか否かを、ブレーキアクチュエータ200における制動圧(即ち、差圧弁の目標差圧)に基づいて判断しており、制動圧が十分に小さくなったことをもって車速維持制御が終了処理される。目標差圧Ptは、長期的に見れば坂路の勾配と相関するため、結局、車速維持制御は、坂路の勾配が勘案されつつ、その終了が制御されることになる。従って、車速維持制御が終了し、制動モードが通常制動モードに移行した瞬間に車両10が再加速するような事態が防止される。即ち、車速維持制御の終了に伴う車両10の快適性の低下が防止されている。
一方、目標車速よりも十分に小さい車速であるか否かを車速維持制御の終了判定基準として採用した場合、車速が必ずしもそのような小さい値まで低下するとは限らないため、車速維持制御が冗長に継続される可能性もある。本実施形態によれば、このように車速維持制御が冗長に継続される事態も効果的に防止されている。即ち、ブレーキアクチュエータ200の作動機会を最適化することができ、ブレーキアクチュエータ200を効率的に使用することが可能となる。即ち、本実施形態によれば、車速維持のための制御を効率的且つ効果的に防止することが可能となるのである。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る車両の模式図である。 図1の車両に備わるブレーキアクチュエータの模式図である。 図1の車両においてECUが実行する、車速維持制御を含む一制御のフローチャートである。
符号の説明
10…車両、11…エンジン、22…起動スイッチ、23…シフトポジションセンサ、100…ECU、200…ブレーキアクチュエータ。

Claims (3)

  1. 車輪に対し制動液の液圧に応じた制動力を付与する制動手段を備えた車両を制御する車両の制御装置であって、
    所定の入力に応じて、前記車両が坂路を降坂する際の速度が所定値以下に維持されるように前記制動手段を制御する車速維持制御を実行する第1制御手段と、
    前記車速維持制御の実行に伴う、前記制動手段における前記制動力に対応する液圧を特定する特定手段と、
    前記特定された液圧に基づいて前記車速維持制御を終了する第2制御手段と
    を具備することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記第2制御手段は、前記液圧が所定値以下である場合に前記車速維持制御を終了する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記第2制御手段は、前記液圧が所定値以下である状態が所定時間以上継続した場合に前記車速維持制御を終了する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
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