JP4735944B2 - 積層型インダクタ - Google Patents

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Description

この発明は、携帯用電話等の小型電源に使用する積層型インダクタの改良に関し、磁性体層にZrSiO4を添加して、焼結などの製造工程で発生し易い残留応力等を低減し、インダクタンス特性の変化を抑制した積層型インダクタに関する。
近年、ノート型パーソナルコンピュータ及び携帯電話などの精密機器の小型化の要求に伴い、それに搭載する電源も小型化が進み、電源回路に使用されるインダクタには小型化及び低背化が要求されている。
前記インダクタには、コイル形成法により大別して、巻線型インダクタと積層型インダクタがある。
巻線型インダクタの場合は、小型かつ低背化すると、フェライトコアやフランジ部の薄肉化で強度低下を招き欠けなどが生じやすいため、耐衝撃性が要求されるノート型パーソナルコンピュータや携帯電話、携帯電子端末機器には、その適用が困難であるとされている。また、機器の省スペース化に伴い閉回路構造とすることが困難となり、漏れ磁束等の問題が生じやすい。
積層型インダクタの場合は、その構造が例えば、フェライトからなる磁性体層にAg系合金などの内部導体を印刷形成して、これら磁性体層を複数枚積層して焼結にて一体化し、さらに内部導体に導通する外部電極を焼結体の両端部に形成するものであると、モノリシックで閉回路構造を有する構成となり、強度に優れかつ漏れ磁束の少ないインダクタを得ることができる。
積層型インダクタは、前述のごとく内部導体や外部電極に主としてAg系合金が用いられるが、Ag系合金の熱膨張係数は約20ppm/℃と磁性体層の約2倍である。従って、焼結後の冷却工程において磁性体層と内部導体あるいは外部電極との熱膨張係数の違いから残留応力が発生して磁性体層内部に歪みが生じ、その結果、インダクタンスの低下やばらつきが生じるという問題があった。
かかる問題を解決する手段として、磁性体層と内部導体との間の全部もしくは一部に空隙を形成する方法、あるいは磁性体層と内部導体が焼結、一体化された焼結体に対して熱衝撃処理を行なう方法が開示されている。
特開平4-65807号公報 特開平8-148363号公報 特開平11-154618号公報
上述の積層型インダクタの構造や製造方法に着目し、問題の解決を試みた先行技術の他、磁性体層に副成分として、熱膨張係数が低いBi2O3を添加することにより、焼結後の結晶粒子に引張応力を生じさせ、積層型インダクタの抗応力特性を向上させる方法が開示されている。
特開平10-223424号公報
すなわち、磁性体層中に熱膨張係数が低いBi2O3が存在することで、フェライト粒子にはBi2O3による引張応力が作用するため、積層型インダクタの抗応力特性を向上させることが可能となる。しかしながら、Bi2O3は融点が約810℃と低融点物質であり蒸発しやすいため、製造に際して添加量の制御が難しく、その焼結温度を比較的低く設定する必要が有り、従来と比べて主成分の反応が進行し難く、インダクタとして十分な特性を発揮させることができない。
この発明は、積層型インダクタとして十分な特性を有し、かつ前述した残留応力等によるインダクタンス特性などの低下やばらつきを抑制できる構成からなる積層型インダクタの提供を目的としている。
発明者は、磁性体層と内部導体、外部電極との熱膨張係数の違いに基づく残留応力や該残留応力に起因する圧縮応力の発生を抑制すべく、フェライト組成について鋭意検討を加えた結果、Fe2O3、(NiO,MgO,LiO)、ZnOあるいはさらにCuOを主成分とする磁性体層のフェライトよりも低い熱膨張係数を有するZrSiO4を、磁性体層に添加することで該残留応力を緩和、相殺することが可能であり、インダクタンスの低下とばらつきを防ぎ、さらにこの発明による積層型インダクタをスイッチング電源に使用した際に、DC/DC変換効率を向上できることを知見し、この発明を完成した。
すなわち、この発明は、Fe、(NiO,MgO,LiOのうち1種以上、但しNiO+LiO、MgO+LiO、NiO+MgO+LiOを除く)、ZnOあるいはさらにCuOを主成分とし、前記主成分を100mass%とした場合に、副成分として3mass%〜15mass%のZrSiO を含む磁性体層と内部導体並びに外部電極とを有する積層型インダクタである。
また、この発明において前記ZrSiO は、前記主成分からなるフェライトよりも熱膨張係数が小さく、フェライト結晶粒の粒界にあり、もって前記フェライト結晶粒に応力を与える。更にZrSiOの平均粒径が1μm〜5μmであるのが好ましい
この発明による積層型インダクタは、磁性体層成分にZrSiO4を添加することにより、焼結後の冷却時に磁性体層のフェライトと内部導体及び外部電極との熱膨張係数の違いにより残留応力が生じた場合にも、逆に磁性体層内部に引張応力を発生させることで該残留応力を緩和、相殺することができ、インダクタンスの低下とばらつきを防ぎ、さらにこの発明による積層型インダクタをスイッチング電源に使用した際に、DC/DC 変換効率を向上できる。
この発明による積層型インダクタは、製造工程を増加させたり、取扱いが困難や煩雑になるなどの問題を生じることなく、単に磁性体層成分にZrSiO4を添加するだけで容易に製造でき、また、非磁性体であるZrSiO4を磁性体層に拡散させるため、磁場中での透磁率を高め、直流重畳時のインダクタンスを改善できるという利点がある。
この発明による積層型インダクタは、Fe2O3、(NiO,MgO,LiO)、ZnOあるいはさらにCuOを主成分とするフェライトからなる磁性体層に、該フェライトよりも低い熱膨張係数を有するZrSiO4が添加されていることを特徴とする。すなわち、添加成分のZrSiO4は、その熱膨張係数が4.5ppm/℃とフェライトの熱膨張係数のおよそ半分であり、またその融点が高く、フェライトを構成する上記主成分と反応し難いため極めて好ましい成分である。
この発明のZrSiO4に対して、例えば、Bi2O3やPbO等のように融点が低いものは、焼結時に液化もしくは蒸発するのを防ぐため、焼結温度を通常より低くすると、主成分の反応が進まず、十分なインダクタンスを有する積層型イングクタを得ることができす、さらには液化した場合、絶縁性が取れなくなりショートしてしまう懸念もある。その結果、該インダクタをスイッチング電源に用いたとしても、DC/DC変換効率を向上させることができない。
また一方、Al2O3等のように主成分と反応しやすいものは、目的の効果を得るためには多量に添加しなければならず、その結果、積層型インダクタそのものの特性が大きく低下してしまうため好ましくない。さらに、ZrSiO4は、Bi2O3等と比べて4.5g/cm3と密度が小さいため、少ない添加量で所望の効果を得ることができ、かつ比較的安価なため好ましい。
ZrSiO4の添加量は、Fe2O3、(NiO,MgO,LiO)、ZnOあるいはさらにCuOからなる主成分を100mass%とした場合、3〜15mass%添加することが望ましい。添加量が3mass%未満では、残留応力などを打ち消すだけの引っ張り応力を発生させることができず、また、直流重畳特性に対する改善効果も少ない。また、添加量が15mass%を超えるとフェライトの焼結が進行し難く、インダクタンスが低下してしまうため好ましくない。磁性体層の焼結を十分に進行させるために、さらに好ましいZrSiO4の添加量は、3mass%〜10mass%である。さらに好ましくは、5mass%〜10mass%である。
副成分であるZrSiO4の平均粒径は、1〜5μmであることが望ましい。1μm未満では残留応力を打ち消すだけの引張応力が発生し難く好ましくなく、また、5μmを超えると焼結性が悪化してしまうため好ましくない。さらに好ましくは、1μm〜3μmである。
この発明において、磁性体層のフェライトは、Fe2O3、(NiO,MgO,LiO)、ZnOあるいはさらにCuOを主成分とする組成であればよく、例えば、主成分組成は、表1のごとき組成とすることができ、他の成分としてBi2O3、SiO、CaOなどを、主成分100mass%に対して0.05〜2mass%適宜添加できる。これらの組成からなるフェライトに前記所定のZrSiO4を添加することにより、この発明の効果を達成することができる。
Figure 0004735944
次に、この発明による積層インダクタについて説明する。図1Aに模式的に示すとおり、Fe2O3、(NiO,MgO,LiO)、ZnOあるいはさらにCuOを主成分とするフェライトからなる磁性体層2は、その表面に内部導体4が形成され、かかる磁性体層2の複数層が積層され、焼結にて一体化され、磁性体3が構成される。磁性体層2の積層方向に隣接する内部導体4は、Ag系合金等が充填されたスルーホール(図示せず)を介して互いに導通することでコイルを形成する。さらに、端部には内部導体4と電気的に導通するAg系合金などからなる外部電極5が設けられている。
磁性体3においては、図1Bに模式的に示すとおり、非磁性でフェライトよりも低い熱膨張係数を有するZrSiO4が副成分6としてフェライト結晶粒7の粒界に存在している。
図1A及び図1Bに模式的に示すとおり、焼結後の冷却時や外部電極5の形成時に、磁性体3内部のフェライト成分と、内部導体4および外部電極5との熱膨張係数の違いにより磁性体3に残留応力が発生する。そして、該残留応力により、フェライト結晶粒7に圧縮応力8がかかるが、その場合にも副成分6はフェライト結晶粒7に引張応力9を発生させることで、フェライト結晶粒7にかかる圧縮応力を緩和あるいは相殺することができる。また、副成分6は非磁性であるため、磁性体3にギャップを加えたものと同様の効果が得られ、磁場中での透磁率を高め、直流重畳特性を改善することもできる。
積層型インダクタの製造方法について説明すると、まず、Fe2O3、(NiO,MgO,LiO)、ZnOあるいはさらにCuOの主成分からなるフェライトの原料粉末をボールミル等で各原料粉末が均一に分散するように湿式混合する。得られた混合粉末は、乾燥工程を経て、仮焼成および粉砕され、その結果、平均粒径0.6〜1.5μmの仮焼粉末が得られる。
そして、得られた仮焼粉末にZrSiO4を秤量後、添加し、さらにバインダー、可塑剤及び溶剤を加え、再度ボールミル等でZrSiO4が原料粉末に均一に分散するように湿式混合し、磁性体層用のスラリーを得る。このようにして得られたスラリーはシート成形機を用いて厚み20〜100μm程度のグリーンシートに成形される。
得られたグリーンシートにスルーホール加工を施し、内部導体をスクリーン印刷する。この際、内部電極の巻線パターンは任意のパターンとすることができ、また、その巻数および巻線ピッチなども用途に応じて適宜選択することができる。内部導体が印刷されたグリーンシートは熱圧着され、積層一体化される。
得られた積層体は、所定の寸法に切断され、大気中で焼結される。焼結条件は磁性体や導電性粒子の材質等に応じて適宜決定すればよいが、焼結温度は900〜950℃程度が好ましい。900℃未満では主成分の反応が進まず、インダクタンスなど特性が得られないため好ましくなく、950℃を超えると内部導体の溶解や拡散が進むため好ましくない。また、焼結時間は1〜8時間程度が好ましい。
次に、得られた焼結体に外部電極を形成する。外部電極の材質については特に限定はなく、例えば、Ag、Ni、CuおよびAg-Pd等を用いることができる。外部電極の形成方法もまた、特に限定されず、例えば、印刷法、めっき法および蒸着法等、公知の種々の方法を採用することができる。
実施例1
組成が、Fe2O3 47mol%、NiO 20mol%、ZnO 20mol%及びCuO 13mol%となるように、各主成分を秤量し、これらを純水を分散媒としてボールミルを用いて湿式混合した。ついで、得られたスラリー状の混合粉末を乾燥、仮焼成して仮焼粉末を得た。
この仮焼粉末に副成分として、平均粒径1.0μmのZrSiO4を、主成分(Fe2O3、NiO、ZnO及びCuOの総量)100mass%に対して、1mass%、3mass%、5mass%、10mass%、15mass%および17mass%含有するように添加し、この発明の積層型インダクタの磁性材層用原料粉末を得た。
前記各原料粉末100mass%に対して、バインダを10mass%加えて可塑剤及び溶剤とともにボールミルにて混練し、磁性体層用スラリーを得た。スラリーはシート成形機を用いて、厚み約40μmのグリーンシートに成形した。
次に、所定のグリーンシートにスルーホールを形成し、スルーホールを形成したグリーンシート及びスルーホールを形成していないグリーンシートの表面に、例えば内部電極用の導体ペーストをスクリーン印刷して導体パターンを形成した。そして、導体パターンが印刷された磁性体シートを電気的に接続させ、15ターンとなるように積層し、このとき、目的の寸法に合わせて、上下層部に導体パターンが形成されていないグリーンシートを配置した。
得られた積層体は、一定圧力で圧着された後、目的形状に加工し、その後、約900℃、2時間、大気中において焼結し、3.2mm×1.6mm×1.0mmの焼結体を得た。得られた焼結体の両端部に、外部電極用の導体ペーストを塗布し、約600℃で焼き付けを行い、その後、Ni/Snめっき処理をすることで積層型インダクタを得た。
得られた積層型インダクタについて、インダクタンス、Q値及びスイッチング電源に使用した際のDC/DC変換効率を測定した。インダクタンスの測定はf=300kHz、Idc=100mAでLCRメータ(アレンジトテクノロジー社製4192A)を用いて測定した。Q値はLCRメータを用いてf=1MHzで測定した。DC/DC変換効率はスイッチング周波数1MHzで非連続型のICを用いて入力電圧3.6V、出力電圧13.4V、出力電流20mAの条件で評価した。その測定結果を表2に示す。表2には、副成分、含有量、平均粒径、焼結温度とともにインダクタンス(L)、インダクタンスのばらつき(3σ)、Q値及びDC/DC変換効率(%)を記載している。
実施例2
実施例1と同一の仮焼粉末に対して、副成分として、平均粒径1μmのZrSiO4を主成分100mass%に対して3mass%含有するように添加し、焼結温度を850℃および950℃とした他は、実施例1と同一の工程で積層型インダクタを作製し、実施例1と同様の測定を行なった。その測定結果を表2に示す。
実施例3
実施例1と同一の仮焼粉末に対して、副成分として平均粒径0.5μm、1μm、3μm及び10μmのZrSiO4を主成分100mass%に対して5mass%含有するように添加した他は、実施例1と同一の工程で積層型インダクタを作製し、実施例1と同様の測定を行なった。その測定結果を表2に示す。
実施例4(比較例)
実施例1と同一の仮焼成体に対して、副成分を何ら添加しない他は、実施例1と同一の工程で積層型インダクタを作成し、実施例1と同様の測定を行なった。その測定結果を表2に示す。
実施例5(比較例)
実施例1と同一の仮焼成体に対して、副成分として平均粒径1μmのBi2O3を3mass%、5mass%、10mass%及び15mass%含有するように添加し、それぞれの原料粉末ついて850℃で焼結した他は、実施例1と同一の工程で積層型インダクタを作成し、実施例1と同様の測定を行なった。その測定結果を表2に示す。
実施例6(比較例)
実施例1と同一の仮焼成体に対して、副成分として平均粒径1μmのBi2O3を5mass%含有するように添加し、焼結温度を900℃及び950℃とした他は、実施例1と同一の工程で積層型インダクタを作成し、実施例1と同様の測定を行なった。その測定結果を表2に示す。
実施例7(比較例)
仮焼粉末の原料組成をFe2O3 47mol%、NiO 4mol%、MgO 16mol%、ZnO 20mol%及びCuO 13mol%とし、副成分を何ら添加しない他は、実施例1と同一の工程で積層型インダクタを作製し、実施例1と同様の測定を行った。その測定結果を表2に示す。
実施例8
実施例7と同一の仮焼成体に対して、副成分として平均粒径1μmのZrSiO4を主成分(Fe2O3、NiO、MgO、ZnO及びCuOの総量)100mass%に対して1mass%、3mass%、10mass%、及び15mass%含有するように添加した他は、実施例1と同一の工程で積層型インダクタを作製し、実施例1と同様の測定を行った。その測定結果を表2に示す。
実施例9(比較例)
仮焼粉末の原料組成をFe2O3 60mol%、LiO 10mol%、ZnO 20mol%及びCuO 10mol%とし、副成分を何ら添加しない他は、実施例1と同一の工程で積層型インダクタを作製し、実施例1と同様の測定を行った。その測定結果を表2に示す。
実施例10
比較の実施例9と同一の仮焼成体に対して、副成分として平均粒径1μmのZrSiO4を主成分(Fe2O3、NiO、ZnO及びCuOの総量)100mass%に対して1mass%、3mass%、10mass%、及び15mass%含有するように添加した他は、実施例1と同一の工程で積層型インダクタを作製し、実施例1と同様の測定を行った。その測定結果を表2(試料No.に*を付したものは比較例(比較の実施例)である)に示す。
表2に明らかなように、副成分としてZrSiO4を添加したこの発明の実施例1〜実施例3、実施例8及び実施例10は、比較の実施例4〜実施例6、比較の実施例7及び実施例9と対比すると、総じてインダクタンス(L)が高く、また、副成分を何ら添加しない比較例1と比してイングクタンス(L)のばらつきが小さく、DC/DC変換効率も向上している。また、比較の実施例5又は比較の実施例6は、この発明の実施例1〜実施例3と同様にインダクタンス(L)のばらつきは小さいものの、比較の実施例5は、焼結温度が低いため、この発明の実施例1〜実施例3と比してインダクタンス(L)の値が低く、比較の実施例6は、焼結温度が高いため、低融点物質である副成分として添加したBi2O3が蒸発してしまい、副成分を添加する目的である残留応力の緩和の効果が得られない。その結果、インダクタンス(L)が低下し、DC/DC変換効率も低下している。
Figure 0004735944
実施例に明らかなように、この発明による積層型インダクタは、副成分としてZrSiO4を添加することにより、残留応力によるインダクタンス(L)の低下の影響を受け難く、かつイングクタンス(L)のばらつきが小さい積層型インダクタを得ることができた。
Aは、この発明による積層型インダクタの構成例を示す模式説明図であり、Bは、積層型インダクタの磁性体内の一部を拡大してを示す模式説明図である。
符号の説明
1 積層型インダクタ
2 磁性体層
3 磁性体
4 内部導体
5 外部電極
6 副成分
7 フェライト結晶粒
8 圧縮応力
9 引張応力

Claims (7)

  1. Fe、NiO、ZnO及びCuOを主成分とし、前記主成分を100mass%とした場合に、副成分として3mass%〜15mass%のZrSiO を含む磁性体層と内部導体並びに外部電極とを有することを特徴とする積層型インダクタ。
  2. Fe、NiO、MgO、ZnO及びCuOを主成分とし、前記主成分を100mass%とした場合に、副成分として3mass%〜15mass%のZrSiO を含む磁性体層と内部導体及び外部電極を有することを特徴とする積層型インダクタ。
  3. Fe、MgO、ZnO及びCuOを主成分とし、前記主成分を100mass%とした場合に、副成分として3mass%〜15mass%のZrSiO を含む磁性体層と内部導体及び外部電極を有することを特徴とする積層型インダクタ。
  4. Fe2O3、LiO、ZnOを主成分とし、前記主成分を100mass%とした場合に、副成分として3mass%〜15mass%のZrSiO を含む磁性体層と内部導体及び外部電極を有することを特徴とする積層型インダクタ。
  5. Fe2O3、LiO、ZnO及びCuOを主成分とし、前記主成分を100mass%とした場合に、副成分として3mass%〜15mass%のZrSiO を含む磁性体層と内部導体及び外部電極を有することを特徴とする積層型インダクタ。
  6. 前記ZrSiO は、前記主成分からなるフェライトよりも熱膨張係数が小さく、フェライト結晶粒の粒界にあり、もって前記フェライト結晶粒に応力を与えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の積層型インダクタ。
  7. 前記ZrSiOの平均粒径が、1μm〜5μmであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の積層型インダクタ。
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