JP4735581B2 - 報知制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、反復運動中に、使用者に適した反復報知テンポをその反復報知テンポの拍位置の報知により報知するのに適した報知制御装置に関するものである。
特に、ユーザ(使用者)がウォーキングやジョギング、ダンス等の有酸素反復運動をしながら、曲を再生する携帯音楽プレーヤ用の音楽再生制御装置に適したものである。
従来、運動中の使用者の心拍数をモニターし、モニターされた心拍数と使用者に対する生理学的なテストによって生成された使用者固有の「心拍数曲線」とを比較して、モニターされた心拍数が非常に高いとき、又は、非常に低いときに視覚及び聴覚表示する運動モニターが知られている(特許文献1参照)。
運動を終了した時に、運動の間に経験した困難性の程度に関して使用者が評価(まずまず軽い、いくらかきつい等)をし、「心拍数曲線」の「安定期間」、「安定期間における望ましい心拍数」を変更する。すなわち、基準とする心拍数を、使用者に最適なものに設定できる。
しかし、基準とする心拍数の設定は、運動時の体験を思い起こして運動後にするものであるため、その設定が本当に使用者に最適な設定になるとは限らない。
また、運動中の使用者の心拍数、年齢、及び、安静時心拍数に基づいて使用者の運動強度を演算し、この運動強度が目標運動強度以上であるときに警告を発する運動強度評価装置が知られている(特許文献2参照)。
この運動強度評価装置においては、年齢が下限年齢(20才)未満の場合は、年齢を下限年齢として運動強度を演算する。また、運動習慣のある人の場合は年齢に0.8程度の定数を乗算して運動強度を求めてもよいことが記載されている。
従って、運動強度を演算するための基準となる年齢を変更可能とする演算式は示されているが、実際には、運動前に下限年齢未満の年齢を下限年齢に変更することしか行っていない。そのため、基準となる演算式を使用者に最適なものとなるように変更することはできない。
また、筋力測定又は歩行速度測定等の体力測定を長期間にわたってした測定データより体力年齢を予測し、この体力年齢に暦年齢を加味した運動処方を指示する健康管理システムが知られている(特許文献3参照)。
しかし、体力年齢の予測方法、運動処方について具体的な開示はない。
これに対し、ランニングペースメーカというものが知られている(特許文献4記載の従来の技術)。
使用者が、許容される脈拍数の上限値と下限値、及び、所望するペース(反復運動テンポ)を設定すると、使用者の脈拍数が上限値を越えると可変周波数発振回路の出力する電子音の出力ペースが減少し、使用者の脈拍数が下限値を下回ると電子音の出力ペースが増加するものである。
しかし、上述した従来技術では、使用者に対し、最適な運動強度を保つために積極的に運動を支援するものではなかった。
電子音に代えて音楽データを用い、運動テンポ(反復運動テンポ)を検出するセンサを用いて、テンポ(音楽テンポ)を変更することも知られている(特許文献4参照)。
使用者設定に応じて目標脈拍時間関数が発生し、使用者の脈拍数と目標脈拍数のとの差ΔH(t)にテンポ及び係数Aを乗算した補正量を、運動テンポに係数Dを乗算した値に加算したものを変更後のテンポとする。その結果、使用者の脈拍数を制御する運動支援装置となる。変更後のテンポを求める演算式中に、重み係数α又はβが含まれている。
この重み係数を体調や気分に合わせて使用者が任意に設定できることも記載されている。しかし、この重み係数αは、音楽データの元のテンポに近づけるためのものであり、重み係数βは音楽データのテンポを使用者の好みの値に近づけるためのものにすぎない。
また、使用者が一定距離を歩行する毎に、運動開始からの経過時間TC、運動強度m、心拍数S、反復運動テンポTを配信サイトに送出し、配信サイトでは、最適な運動負荷を与えるテンポ(音楽テンポ)の曲データ(演奏データ形式)を検索して配信し、この曲データを端末装置の音源で再生させるという配信装置が知られている(特許文献5参照)。
配信サイトでは、心拍数履歴テーブルTBL1において、経過時間TCに対応した心拍数Sを基準とする負荷心拍数Fに新たに加えて平均化することにより負荷心拍数Fを更新させる。
しかし、実際の運動中において自動的に基準となる値を更新しているため、使用者の運動状態がそのまま基準に反映されてしまうために、合理的な基準に基づいた運動支援ができなくなる。
また、運動している時の瞬時心拍数が目標運動範囲の下限心拍数より低い間は、現在の瞬時心拍数より速いリズム(下限心拍数から目標運動範囲の平均心拍数までのビート)の音楽を提示して使用者に認知させるものが知られている(特許文献6参照)。
現在心拍数より速いリズムの音楽に合わせて運動を行わせることによって自然に心拍数が速くなる方向に運動を促進させる。
しかし、音楽のリズム(ビート)は、単に、瞬時心拍数が目標運動範囲の下限心拍数より低いことを使用者に知らせているにすぎない。すなわち、反復運動テンポ等との関連で音楽のビート(音楽テンポ)を変更するものではない。音楽のビートは、使用者の反復運動テンポと一致しない。音楽ファイルのデータ形式は明らかでない。
また、上述した目標運動範囲(最大目標心拍数の90%±10%)と目標安定範囲(最小目標心拍数の80%±10%)は、使用者が自分の身体条件に合わせて調節できる。最小目標心拍数を基盤とする目標安定範囲の上限値と下限値も各使用者の身体条件に合わせて使用者自らが調節及び設定できると記載されている。
しかし、いつの時点で、どのように調節及び設定するのかは開示されていない。
特表平11−501233号公報 特開2006−187469号公報 特開2004−113471号公報 特開2001−299980号公報 特開2003−108154号公報 特開2005−87731号公報
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、使用者の反復運動中に、使用者に適した反復報知テンポを有する報知信号を出力させるものにおいて、反復報知テンポの値が運動者に合わない場合に、反復運動中の操作により、反復報知テンポの値を、直ちに、使用者に適した値に修正できる報知制御装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、請求項1に記載の発明においては、使用者の反復運動中に前記使用者に適した反復報知テンポを有する報知信号を報知装置に出力させる報知制御装置において、前記使用者によるペースアップ操作又はペースダウン操作を検出する操作検出手段と、前記使用者に適した反復報知テンポを指示するためのパラメータの値として、前記反復運動の運動開始時における反復報知テンポの値を設定する設定手段と、該設定手段から前記運動開始時における反復報知テンポの値を取得し、前記運動開始時において、取得した運動開始時における反復報知テンポの値を指示するとともに、前記運動開始後の所定時間内であるウォーミングアップ段階において、前記操作検出手段により、前記ペースアップ操作が検出されたときは、前記報知装置により現に報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも大きな値の反復報知テンポを指示し、前記ペースダウン操作が検出されたときは、前記報知装置により現に報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも小さな値の反復報知テンポを指示する反復報知テンポ指示手段と、前記反復報知テンポ指示手段により前記反復報知テンポの値が指示されたとき、前記指示された反復報知テンポの値と略同じ値の反復報知テンポを有する報知信号を前記報知装置に出力させる報知制御手段を有するものである。
運動能力には個人差があるから、単に運動者の身体情報(使用者の暦年齢等)のパラメータに基づいて反復報知テンポが設定されるだけでは、使用者に適した値の反復報知テンポが報知されない。これに対し、使用者が、運動開始後の所定時間内であるウォーミングアップ段階においてペースアップ操作又はペースダウン操作をすれば、運動開始時において報知装置により報知される反復報知テンポの値が、直ちに、使用者に適した値に修正される。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の報知制御装置において、前記操作検出手段は、前記使用者による前記パラメータの確定操作を検出し、前記設定手段は、前記反復運動の終了後、前記操作検出手段により前記確定操作が検出されたとき、前記反復運動の運動開始後の所定時間内であるウォーミングアップ段階において、前記反復報知テンポ指示手段が前記反復報知テンポの値を変更したことにより変更された、前記報知信号が有する反復報知テンポの値を、前記反復運動の運動開始時における反復報知テンポの値として保存するものである。
従って、次回の反復運動において、ペースアップ操作、ペースダウン操作をしなくても、反復報知テンポ指示手段は、運動開始時における反復報知テンポを、使用者に適した値に指示できるようになる
請求項3に記載の発明においては、使用者の反復運動中に前記使用者に適した反復報知テンポを有する報知信号を報知装置に出力させる報知制御装置において、前記使用者によるペースアップ操作又はペースダウン操作を検出する操作検出手段と、前記使用者に適した反復報知テンポを指示するためのパラメータの値として、前記反復運動における最速反復報知テンポの値を設定する設定手段と、該設定手段から前記反復運動における最速反復報知テンポの値を取得し、前記反復運動中において、取得した最速反復報知テンポの値以下の範囲で前記反復報知テンポの値を指示するとともに、前記反復動中において、前記最速反復報知テンポの値を指示しているときに、前記操作検出手段により、前記ペースアップ操作が検出されたときは、前記報知装置により現に報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも大きな値の反復報知テンポを指示するとともに、指示した反復報知テンポの値を前記最速反復報知テンポの値とし、前記ペースダウン操作が検出されたときは、前記報知装置により現に報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも小さな値の反復報知テンポを指示するとともに、指示した反復報知テンポの値を前記最速反復報知テンポの値とする反復報知テンポ指示手段と、前記反復報知テンポ指示手段により前記反復報知テンポの値が指示されたとき、前記指示された反復報知テンポの値と略同じ値の反復報知テンポを有する報知信号を前記報知装置に出力させる報知制御手段を有するものである。
従って、反復運動中において、最速反復報知テンポで拍位置が報知されているときに、使用者がペースアップ操作ペースダウン操作をすることにより、最速反復報知テンポが使用者に適した値に修正される。
請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載の報知制御装置において、前記操作検出手段は、前記使用者による前記パラメータの確定操作を検出し、前記設定手段は、前記反復運動の終了後、前記操作検出手段により前記確定操作が検出されたとき、前記反復運動中において、前記反復報知テンポ指示手段が前記最速反復報知テンポの値を変更したことにより変更された、前記報知信号が有する反復報知テンポの値を、前記反復動における最速反復報知テンポの値として保存するものである。
従って、次回の反復運動において、ペースアップ操作、ペースダウン操作をしなくても、反復報知テンポ指示手段は、使用者に適した最速反復テンポ以下の範囲内に制限された値の反復報知テンポを指示することができるようになる。
請求項5に記載の発明においては、請求項1から4までのいずれか1項に記載の報知制御装置において、前記使用者の心拍数を検出する心拍数検出手段を有し、前記設定手段は、前記パラメータの値として、前記使用者の年齢、安静時心拍数、初期反復報知テンポ、及び、目標運動強度の各値を設定するものであり、ここで、前記初期反復報知テンポは、前記反復運動の運動開始時における反復報知テンポであり、前記反復報知テンポ指示手段は、前記設定手段から前記使用者の年齢、安静時心拍数、初期反復報知テンポ、及び、目標運動強度の各値を取得し、前記反復運動中において、取得した初期反復報知テンポの値を最初に指示し、前記心拍数検出手段により検出された心拍数の値と、取得した目標運動強度、使用者の年齢、安静時心拍数の各値に応じて決定される目標心拍数の値、との差が小さくなるように、前記反復報知テンポの値を指示するとともに、前記反復運動中において、前記操作検出手段により、前記ペースアップ操作が検出されたときは、前記現に報知装置により報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも大きな値の反復報知テンポを指示した後、前記目標心拍数の値を前記心拍数検出手段により検出される心拍数の値に変更し、前記ペースダウン操作が検出されたときは、前記現に報知装置により報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも小さな値の反復報知テンポを指示した後、前記目標心拍数の値を前記心拍数検出手段により検出される心拍数の値に変更するものである。
従って、反復運動中において、使用者がペースアップ操作、ペースダウン操作をすれば、反復報知テンポの値が使用者に適した値に修正される。
請求項6に記載の発明においては、請求項5に記載の報知制御装置において、前記操作検出手段は、前記使用者による前記パラメータの確定操作を検出し、前記設定手段は、前記反復運動の終了後、前記操作検出手段により前記確定操作が検出されたとき、前記反復運動中において、前記反復報知テンポ指示手段が変更した目標心拍数の値を最初から取得できるように、前記使用者の年齢の値を変更して保存するとともに、前記安静時心拍数、前記初期反復報知テンポ、及び、前記目標運動強度の各値を保存するものである。
従って、次回の反復運動中において、ペースアップ操作、ペースダウン操作をしなくても、反復報知テンポ指示手段は、使用者に適した値の反復報知テンポを指示できるようになる。
請求項に記載の発明においては、請求項1からまでのいずれか1項に記載の報知制御装置において、複数の音楽データがそれぞれの音楽テンポとともに音楽データ記憶装置に格納されており、前記報知装置は音楽再生装置であり、前記報知制御手段は、再生制御装置であって、前記反復報知テンポ指示手段により反復報知テンポの値が指示されたとき、前記反復報知テンポ指示手段により指示された反復報知テンポの値と略同じ値の音楽テンポを有する音楽データを、前記音楽データ記憶手段に格納された複数の音楽データの中から選択し、前記音楽再生装置に再生させるものである。
報知装置は、例えば、無機的な電子音を発生する装置や発光素子を点滅させる装置でもよい。しかし、報知装置を音楽再生装置とすれば、反復報知テンポと略同じ値を有する音楽テンポの音楽データを用いることにより、生き生きとした音楽を聴きながら反復報知テンポを知ることができるから、飽きることなく反復運動を続けることができる。
上述したいずれかの請求項に記載の発明における、操作検出手段、設定手段、反復報知テンポ指示手段(音楽テンポ指示手段)、報知制御手段(音楽再生制御手段)の各機能、アシストモードにおいて使用される場合に追加される、心拍数検出手段の各機能は、コンピュータを用いて、報知制御プログラム(音楽再生制御プログラム)の各ステップが実行する機能として実現することができる。
上述した各請求項に記載の発明において、報知装置(音楽データ記憶装置、音楽再生装置)は、本発明の報知制御装置と一体化されていてもよいし、別体とし、本発明の報知制御装置とは有線又は無線で接続されたものでもよい。
本発明は、使用者が反復運動中に、報知信号により報知されている反復報知テンポが速すぎたり遅すぎたりする場合に、ペースアップ操作、ペースダウン操作をすることにより、反復報知テンポの値を使用者に適した値に、直ちに修正できるという作用効果がある。
反復運動中は、使用者が運動の軽重を実感している最中であるから、反復報知テンポの速さを正確に把握している。従って、反復報知テンポを使用者に適した値に修正することが容易となる。
図1は、本発明の実施の一形態を説明するための機能構成図である。
この実施の形態は、ユーザ(使用者)が、単に音楽再生をするだけではなく、反復運動をしながら音楽再生をする場合に適した機能を備えている。
単に音楽再生をする場合は、ミュージック・リスニング(音楽鑑賞)モードで使用し、反復運動をしながら音楽再生をする場合は、エクササイズ(運動)モードで使用する。
このエクササイズモードは、さらに、フリー(自由運動)モードとアシスト(運動支援)モードに分かれている。しかし、いずれか1つのモードを備えた装置であってもよい。
フリーモードは、使用者が任意の歩行テンポ又は走行テンポ(以後、反復運動テンポという)で自由に歩行又は走行をしながら音楽を聴くモードである。使用者の反復運動テンポの変化に追従して、反復運動テンポに対応した値の音楽テンポの曲を再生する。
アシストモードは、運動計画に従って使用者の反復運動を支援するモードであって、使用者の心拍数と目標運動強度に対応する目標心拍数との差が小さくなるように、音楽テンポの値を指示するものである。再生される曲の音楽テンポに対応した反復運動テンポで使用者が反復運動をすれば、使用者に最適な運動ができるようになる。
図1において、1は音楽データ取得部、2はデータ記憶部である。音楽データ取得部1は、音楽データベースからインターネット及びパーソナルコンピュータを介し、使用者により選択された所望の音楽データを取得したり、手許のCD(Compact Disk)等の媒体に記録された多数の音楽データの中から、所望の音楽データを取得したりして、取得した音楽データをデータ記憶部2に格納保存する。
音楽データ取得部1は、音楽データを取得する際に、音楽データとともに、そのオリジナルの音楽テンポの値をデータ記憶部2に格納する。音楽データは、時間軸の圧縮伸長処理をされると音楽テンポが大幅に変化してしまう。オリジナルの音楽テンポとは、このような処理がされていない、元の波形データにおける音楽テンポを意味する。
取得する音楽データのファイルに、この音楽テンポの値が含まれていなければ、音楽データを自動分析することにより、そのオリジナルの音楽テンポを抽出する。自動分析は、パーソナルコンピュータ等の外部装置、又は、本装置の音楽データ取得部1で行う。
また、音楽データを取得する際に、音楽データとともに、この音楽データの曲調(以後、特に数値化されたものを曲調評価パラメータという場合がある)をデータ記憶部2に格納する。
曲調とは、一般に、音楽データの内容(曲)から受ける心理的な感情を表すものである。例えば、特許文献(特開2002−278547号公報)では、「楽曲の主観的な印象」として、「激しさ、のりのよさ、爽やかさ、素朴さ、ソフトさ」が例示されている。
特許文献(特開2003−132085号公報)では、「検索キーワード」として、「陽気な曲」、「スカットとする曲」、「聞かせる曲」が例示されている。
特許文献(特開2005−209276号公報)では、「感性語」として、「ノリがいい」、「静かな」、「明るい」、「悲しい」、「癒される」、「せつない」が例示されている。
フリーモード、アシストモードでの使用においては、反復運動との関連づけた音楽再生をすることから、音楽データの「曲調」は、音楽テンポの速い遅いを感じさせるという1つの観点に着目している。その評価値(1次元の数値)を「曲調評価パラメータ」として算出する。本願の明細書では、この「曲調評価パラメータ」を「エキサイト度」と名付けている。
音楽テンポの値が同じものであっても、人が聴いた場合、音楽テンポに差があるように聴こえることが知られており、「リズミカルな曲」、「明るい曲」、「ノリが良い曲」は「アップテンポな曲」に属する。
これに対し、「ゆったりした曲」であるとか、「リラックスできる曲」は、相対的に、「ダウンテンポな曲」に属する。
そこで、音楽テンポを最も速く感じさせるものを、例えば100とし、最も遅く感じさせるものを、例えば、1とした曲調評価パラメータとして、「エキサイト度」を定義する。この「エキサイト度」は、明るさ「明るい−暗い」という評価に近い。この評価は、意欲を感じさせるか感じさせないかに密接に関連する。
曲調評価パラメータの値が大きいほど、音楽テンポを速いと感じさせる、意欲が昂揚する、元気な曲調であり、曲調評価パラメータの値が小さいほど、音楽テンポを遅いと感じさせる、意欲が沈静化する、落ち着いた曲調である。
上述した特許文献(特開2002−278547号公報)では、音響信号の複数の物理的特徴量(スペクトル変化度、平均発音数、発音非周期性、拍周期、拍周期比率、拍強度1,拍強度2、拍強度比)を抽出し、これを楽曲の主観的な印象を数値化した印象値に変換し、楽曲データベースに登録している。
そこで、音楽データを再生したときの音響信号の複数の物理的特徴量と上述した「エキサイト度」との相関係数をあらかじめ設計しておく。次に、ある音楽データについて音響信号の複数の物理的特徴量を検出し、各物理的特徴量にそれぞれの相関係数を乗算して総和を算出すれば、その音楽データの「エキサイト度」の値が計算される。
また、特許文献(特開2005−209276号公報)では、楽曲データの特徴値として、和音変化度(3種類)、ビート、ビート最大レベル、平均振幅レベル、最大振幅レベル、及びキーが記載されている。
この場合、音楽データを再生したときの複数の特徴値と上述した「エキサイト度」との相関係数をあらかじめ設計しておく。次に、ある音楽データについて複数の特徴値を検出し、各特徴値にそれぞれの相関係数を乗算して総和を算出すれば、その音楽データの「エキサイト度」の値が計算される。
また、特許文献(特開2003−132085号公報)では、音楽について、「明るさ」、「暗さ」、「楽しさ」、「元気」、「ノリの良さ」等の特徴ワードに対する指標値が記載されている。
この場合、上述した特徴ワードと上述した「エキサイト度」との相関係数をあらかじめ設計しておく。また、各音楽データについて複数の特徴ワードの指標値を設定しておく。その結果、各指標値にそれぞれの相関係数を乗算して総和を算出すれば、その音楽データの「エキサイト度」の値が計算される。
なお、「ミュージック・リスニング」モードにおいては、反復運動との関連性がないため、曲調として、上述した「エキサイト度」に限定する必要はない。使用者が、曲調を指示してもよい。
また、複数の観点から決められた複数の曲調、それぞれの曲調評価パラメータの値を、各音楽データに設定してもよい。この場合、再生すべき音楽データの「曲調」を指示する場合、複数の「曲調評価パラメータ」についてその値を計算し、それぞれの値を個別に評価したり、又は、各値の総和を最終的な曲調の総合値として評価したりすればよい。
上述したデータ記憶部2は、また、各音楽データの再生回数や再生優先度ポイント等の選曲処理用のデータを記憶している。
データ記憶部2に格納される音楽データは、波形データ形式であることが好ましい。
しかし、MIDIシーケンスデータのような音符の音高と音長を表す演奏データで曲が記録された演奏データ形式でもよい。
ただし、演奏データ形式であっても、音楽テンポの値を含んだファイルとする。この音楽テンポの値は、演奏データを生成したときの電子楽器演奏時の音楽テンポの値にするなど、意図的にあらかじめ設定された値である。演奏データの再生時には、原則として、音楽データにあらかじめ設定された音楽テンポの値で再生する。
演奏データ形式の場合、音楽テンポの値を変更してもピッチは変わらない。従って、再生時の音楽テンポの値を、上述した設定された音楽テンポから少しの範囲であれば変更しても違和感はない。
再生時の音楽テンポの値を、設定された音楽テンポの値から変更することを許容する場合、演奏データ形式の音楽データは、音楽テンポの値そのものに代えて、再生時に許容する音楽テンポ値の範囲(例えば、範囲の最大値と最小値)を含むものであってもよい。
なお、あらかじめ複数の、演奏データ形式音楽データをデータ記憶部2に格納しておかない方法もある。音楽テンポ及び曲調指示部6により条件(音楽テンポ値及び又は曲調評価パラメータ値)が指示されたときに、指示された条件を満たす演奏データ形式の音楽データを自動生成(自動作曲)し、自動生成された音楽データをデータ記憶部2の一時記憶部に格納してもよい。
9は、使用者による各種の操作を検出する操作検出部であり、その操作検出出力を、設定部3等に出力する。実際の装置においては、メニュー表示方式で設定操作をすることにより、僅かな数のスイッチで多数の機能を設定できるようにしている。
3は設定部であって、上述した各種の操作により、後述する音楽テンポ指示部6、再生制御部7を制御するパラメータ値を設定して、設定部内のメモリ、又は、データ記憶部2に記憶する。パラメータとしては、例えば、現在のモード、使用者の個人情報(身体情報を含む)、初期音楽テンポ、及び、目標運動強度等がある。
4は反復運動テンポ検出部であり、使用者が歩行又は走行している時の反復運動テンポを検出する。フリーモードにおいて使用される。例えば、右足、左足を区別しない1歩(1ステップ)が、単位時間(例:1分)あたりに何回あったかを検出する。
この反復運動テンポ検出部4は、一時的に大きく変動した反復運動テンポの値を除いたり、数ステップにわたる移動平均値をとったりする。
5は心拍数検出部であり、使用者が歩行又は走行している反復運動時の心拍数を検出する。アシストモードにおいて使用される。心拍数と脈拍数とは同一値であるから、本発明の実施の形態では用語を心拍数に統一している。
6は音楽テンポ及び曲調指示部であって、フリーモード及びアシストモードにおいて、再生制御部7に対し少なくとも音楽テンポの値を指示する。音楽テンポの値を指示する際に、併せて、運動状態に適した曲調評価パラメータの値を指示する場合がある。
音楽テンポ及び曲調指示部6は、この他、ミュージック・リスニングモードにおいて、曲調あるいは曲調評価パラメータの値のみを指示する場合がある。
音楽テンポ及び曲調指示部6は、データ記憶部2から、現に再生されている音楽データの、再生位置、音楽テンポ値、及び、曲調評価パラメータ値等のデータを取得している。
7は再生制御部であって、従来のMP3プレーヤ等の音楽データ再生装置と同様の再生制御機能を有する他、音楽テンポ及び曲調指示部6により指示された音楽テンポの値及び/又は曲調評価パラメータの値に応じた音楽データを、データ記憶部2に格納された複数の音楽データの中から選択し、音楽データ再生部8に再生させる。
音楽データ再生部8は、再生制御部7が選択した音楽データを、その音楽データが波形データ形式、演奏データ形式のいずれの場合でも、そのオリジナルの音楽テンポで再生し、音響信号をスピーカやヘッドフォンに出力する。
音楽テンポ及び曲調指示部6は、ミュージック・リスニングモードにおいて、データ記憶部2に記憶された複数の音楽データの中から、任意の1曲を選択し、再生の開始、再生の一時停止、再生の終了をする。
その他、アルバム再生(所定の順番、例えば、データ記憶部2に保存された順番で複数曲を連続再生)、シャッフル再生(ランダムな順番で複数曲を連続再生)等の機能を有する。
音楽テンポ及び曲調指示部6は、フリーモードにおいて、図9を参照して後述するように、反復運動テンポ検出部4により検出された反復運動テンポの値に対応した値の音楽テンポを指示する。
より具体的には、音楽テンポ及び曲調指示部6は、反復運動テンポ検出部4により検出された反復運動テンポの値が、現に音楽データ再生部8により再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準とする所定範囲を外れたとき、上述した反復運動テンポの値に一致する値の音楽テンポを指示する。
あるいは、音楽テンポ及び曲調指示部6は、反復運動テンポの値が、現に再生されている音楽データの有する音楽テンポの値から第1の所定範囲を外れる状態が続いた後、この反復運動テンポの変動が第2の所定範囲に収まる状態が続いたときの反復運動テンポの値に応じた値の音楽テンポを指示するものであってもよい。
再生制御部7は、音楽テンポ及び曲調指示部6により指示された音楽テンポの値と略同じ値(指示された値そのものを含む)、より具体的には、指示された音楽テンポの値を基準とする所定範囲内の音楽テンポを有する音楽データを、データ記憶部2に格納された複数の音楽データの中から選択し、選択した音楽データを音楽データ再生部8に再生させる。
なお、再生時に許容される音楽テンポ値の範囲が設定された演奏データ形式の音楽データを再生する場合、指示された音楽テンポの値を含む音楽テンポ値の範囲が設定されている演奏データ形式の音楽データを選択すればよい。
ここで、音楽テンポの値を反復運動テンポの値に等しくしても構わないが、音楽テンポを頻繁に変更することになり、音楽が聴きづらくなる。
そのため、新たに選択された音楽データの再生開始後、所定時間(例えば、30秒)を経過するまでは、音楽テンポ及び曲調指示部6が、音楽テンポ値を変更指示しないようにしてもよい。この場合、運動開始時に、最初に再生される音楽データについても同様に、上述した所定時間を経過するまでは、音楽テンポ値を変更指示しないようにする。
データ記憶部2には、指示された音楽テンポの値に等しい値の音楽テンポを有する音楽データ(波形データ形式音楽データ)が、1曲も格納されていない場合がある。そのため、所定範囲内にあるものを選択する。
従って、指示された音楽テンポの値に等しい値の音楽テンポを有する十分な数の音楽データ(波形データ形式音楽データ)が格納されている場合は、指示された音楽テンポの値に等しい値の音楽テンポを有する音楽データのみを選択するようにしてもよい。
音楽テンポ及び曲調指示部6により指示される音楽テンポの値が変更されないとき、再生制御部7は、先に選択した音楽データを、この音楽データの再生終了位置(図4参照)になるまで、音楽データ再生部8に再生させ、この音楽データの再生終了位置になったとき、新たに選択した次の音楽データの再生を開始させる。
そのため、再生制御部7は、音楽テンポ及び曲調指示部6に指示されている音楽テンポの値と略同じ値の音楽テンポを有する次の音楽データを、データ記憶部2に保存された複数の音楽データの中から選択する。
一方、アシストモードにおいて、図10〜図12を参照して後述するように、音楽テンポ及び曲調指示部6は、設定部3により設定された初期音楽テンポの値を初期値とし、心拍数検出部5により検出された実績心拍数[bpm](実績運動強度)と設定部3により設定された目標運動強度に対応する目標心拍数[bpm]との差が小さくなるように、音楽テンポの値を指示する。その際、音楽データ再生部8において現に再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして、例えば、基準から何パーセント上げるか下げるかした値を指示する。
使用者が音楽テンポに合うように自身の反復運動テンポを変えれば、実績心拍数が目標運動強度に対応する目標心拍数に近づくように誘導されるから、使用者は目標運動強度で反復運動ができるようになる。
より具体的には、音楽テンポ及び曲調指示部6は、実績心拍数が、目標心拍数から第1の所定範囲を超えたとき(警告範囲になったとき)は、指示する音楽テンポの値を、実績心拍数と目標運動強度に対応する目標心拍数との差が小さくなるように、現に再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして直ちに変更する。再生制御部7は、指定された音楽テンポに応じた値の音楽テンポを有する音楽データを新たに選択し、音楽データ再生部8に再生させる。
一方、現に再生されている音楽データの再生区間が終了するときに、実績心拍数が、目標運動強度に対応する目標心拍数から、上述した第1の所定範囲内である第2の所定範囲(適正範囲)を超えているときは、指示する音楽テンポの値を、実績心拍数と目標運動強度に対応する目標心拍数との差が小さくなるように、再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして変更し、かつ、再生制御部7に対し、現に再生されている音楽データの再生区間が終了した後に、変更した音楽テンポの値に応じた音楽テンポを有する音楽データを再生するように指示する。再生制御部7は、変更された音楽テンポの値に応じた値の音楽テンポを有する音楽データを新たに選択し、音楽データ再生部8に再生させる。
なお、現に再生されている音楽データの再生区間が終了するまでに、実績心拍数が、目標運動強度に対応する目標心拍数から、上述した第2の所定範囲(適正範囲)を超えていないとき、音楽テンポ及び曲調指示部6は、これまで指示していた音楽テンポ値をそのまま指示する。再生制御部7は、音楽テンポ及び曲調指示部6に指示されている音楽テンポの値と略同じ値の音楽テンポを有する次の音楽データを、データ記憶部2に保存された複数の音楽データの中から選択する。
ここで、別の具体例を説明する。音楽テンポ及び曲調指示部6は、実績心拍数が、第1の所定範囲を超えたとき(警告範囲になったとき)は、上述した具体例と同様に、現に再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして直ちに変更する。また、音楽テンポ及び曲調指示部6は、実績心拍数が、上述した第1の所定範囲内であって第2の所定範囲(適正範囲)を超えているときも、現に再生されている音楽データの有する音楽テンポの値を基準にして直ちに変更するようにしてもよい。この場合、音楽テンポの変更量(例えば、変更率[%])、警告範囲の場合よりも小さな値にする。
この具体例において、先に、再生制御部7の説明において触れたように、運動開始時に最初の音楽データの再生開始後、及び、新たに選択された音楽データの再生開始後、所定時間(例えば、30秒)を経過するまでは、実績心拍数が第1,第2の所定範囲を超えても、音楽テンポ及び曲調指示部6が、音楽テンポ値を変更指示しないようにすれば、再生音楽データの変更が頻繁に生じないようにすることができる。
上述した初期音楽テンポの値は、反復運動の運動開始時に設定する。
上述した目標心拍数(目標運動強度)は、反復運動の主運動期間において所定の一定値を設定する。反復運動の運動開始段階においては、所定の初期値から経過時間に比例して増加し、反復運動の主運動期間になったときに上述した所定の一定値になるようにする。反復運動の運動終了段階においては、上述した所定の一定値から、経過時間に比例して減少し、運動終了時の所定の最終値になるように設定する。
上述した説明では、音楽テンポ及び曲調指示部6において、実績心拍数と目標運動強度に対応する目標心拍数とを比較していたが、心拍数[bpm]と運動強度[%](予測最大心拍予備能に対するパーセント)とは換算可能であるから、実績運動強度と目標運動強度とを比較してもよい。
本明細書において、目標心拍数、心拍数(実績心拍数)というとき、これらは、目標運動強度、運動強度(実績運動強度)に換算して比較する場合を含む。
なお、再生制御部7は、現に再生されている音楽データから新たに選択した音楽データの再生に切り替える前に、つなぎ用の音楽データを再生させてもよい。
図2は、図1に示した構成により実現される機能を示す説明図である。
実施の一形態では、ミュージック・リスニングモード、フリーモード、アシストモードという3つのモードがある。モードによっては適用できない機能がある。適用可能な場合であっても、適用しない設定にすることもできるため、適用可能な場合に○/×の表記をした。△/×の表記は、一部の機能が適用可能であることを示している。
各機能を、図1のブロック構成図も参照して、以下、説明する。
第1の機能は、再生する音楽データとして、波形データ形式のもの、演奏データ形式のもの、いずれかを優先して再生させる機能である。全てのモードに適用可能である。操作子を用いて優先選択確率の値を、例えば、あらかじめ用意された複数のプリセット値から1つを選択することにより設定することができる。
第2の機能は、現に再生されている音楽データが有する音楽テンポ及び/又は曲調と略同じ音楽テンポ及び/又は曲調を指定して、次に再生する曲を選択する機能である。音楽テンポについては、例えば、現に再生中の音楽テンポ値[bpm]の±3%の範囲内の値を有する音楽データを選択する。
音楽データを再生中に、使用者が、気分や運動意欲と合って心地よい曲であると感じたときにホールド操作子を操作することによって実行される。
全てのモードにおいて適用可能であるが、ミュージック・リスニングモードに適用するのが一般的である。
ただし、アシストモードでは、使用者に適した運動計画に従って音楽テンポを指示するモードであるため、このホールド操作により、音楽テンポの値を、現に再生している曲の音楽テンポと同じ値に固定しまう場合は、本来の機能を損なうことになる。従って、曲調のみにホールド機能を適用するか、適用を全面的に禁止した方がよい場合もある。しかし、アシストモードの一時停止の機能として利用することもできる。
第3の機能は、使用者の好みの曲を学習し、好みの大きな曲を優先して選択し再生する機能である。この機能は、使用者が、現に再生中の曲に対し、好む/好まないを指示することにより、以後の選曲時に使用者の好みが大きい曲ほど高い再生確率で再生されるようにする。
この機能は、全てのモードに適用可能である。しかし、指示された音楽テンポ及び又は曲調等の条件がある場合などにおいて、この機能は、これらの条件を満たす、再生候補データの中で、使用者の好みが大きい曲ほど高い再生確率で再生されるようにする。
第4の機能は、運動に適した曲調の曲を選択する機能である。
複数の曲の音楽テンポ値が同じであっても、曲によって使用者に与える音楽テンポの心理的な効果が異なる。そのため、運動をしながら音楽を聴く場合に、音楽テンポに加えて使用者の運動に適した曲調を条件として選曲する機能である。
フリーモード、アシストモードに適用可能である。
第5の機能は、音楽信号(報知信号)を再生(出力)させることにより運動を支援する際に、音楽テンポ(反復報知テンポ)の値を使用者に適した値にする機能である。
アシストモードに適用可能である他、運動開始時における音楽テンポ(反復報知テンポ)の値や、反復運動における最速音楽テンポ(最速反復報知テンポ)の値の修正については、フリーモードにおいても適用可能である。
ここで、最速音楽テンポ(最速反復報知テンポ)について説明しておく。
ある運動の形態(ウォーキング、ジョギング等)において適する反復運動テンポには最速値があることが知られている。例えば、ウォーキング運動中に、反復運動テンポを早くして行くと、ウォーキングの運動形態を維持することが無理になり、ジョギングの運動形態で運動した方が望ましくなる。
音楽テンポは、同じ値の反復運動テンポで運動するように使用者を誘導するから、音楽テンポ(反復報知テンポ)についても、最速値、すなわち、最速音楽テンポ(最速反復報知テンポ)を設定する。しかし、使用者に適した値にする必要がある。
図1においては、音楽データを再生することにより運動を支援していたが、必ずしも音楽データを再生する必要はない。単純な電子音、ビート音、又は、リズム音を発音させたり、発光素子を点滅させたりすることによって、反復報知テンポを有する報知信号を出力する。
この場合、図1における、「複数の音楽データがそれぞれの音楽テンポとともに格納されたデータ記憶部2及び音楽データ再生部8」が報知部、再生制御部7が報知制御部、音楽テンポ及び曲調指示部6が反復報知テンポ指示部という機能ブロックになる。
この第5の機能を実現する構成を、図1を参照しながら、以下、音楽再生制御装置の実施形態において説明する。
操作検出部9は、使用者によるペースアップ操作又はペースダウン操作を検出する。
設定部9は、使用者の身体情報に基づいて使用者に適した音楽テンポ(反復報知テンポ)を指示するためのパラメータの値を設定する。
パラメータの値は、入力された使用者の身体情報に基づいて使用者に適した値が自動的に設定されるが、使用者が手動で設定してもよい。パラメータの値は、運動期間中の全期間、又はその一部の段階において一定値であってもよいし、時間経過に従って値が変化するものでもよい。複数の使用者が装置を使用する場合は、身体情報やパラメータの値は、使用者毎に設定でき、保存できるようにする。
音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6は、設定部3から上述したパラメータの値を取得し、反復運動中において、取得したパラメータの値に応じて反復報知テンポの値を指示する。
音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6は、また、反復運動中において、操作検出部9により、ペースアップ操作が検出されたときは、「データ記憶部2及び音楽データ再生部8」(報知部)により現に再生(報知)されている音楽データ(報知信号)が有する音楽テンポ(反復報知テンポ)の値よりも大きな値の音楽テンポ(反復報知テンポ)を指示する。例えば、現に再生されている音楽データが有する音楽テンポの所定比だけ大きな値の音楽テンポまたは、所定値だけ大きな値の音楽テンポを指示する。
一方、ペースダウン操作が検出されたときは、現に再生(報知)されている音楽データ(報知信号)が有する音楽テンポ(反復報知テンポ)の値よりも小さな値の音楽テンポ(反復報知テンポ)を指示する。例えば、現に再生されている音楽データが有する音楽テンポの所定比だけ小さな値の音楽テンポまたは、所定値だけ小さな値の音楽テンポを指示する。
再生制御部(報知制御部)7は、音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6により音楽テンポ(反復報知テンポ)の値が指示されたとき、指示された音楽テンポ(反復報知テンポ)の値と略同じ値の音楽テンポ(反復報知テンポ)の値を有する音楽データ(報知信号)を、データ記憶部2に格納された複数の音楽データの中から選択し、音楽データ再生部8に再生(報知)させる。
ここで、指示された音楽テンポの値を有する音楽データが、いつでも、データ記憶部2に格納されているとは限らないから、指示された音楽テンポの値と音楽データ再生部8により再生される音楽データが有する音楽テンポとは、略同じであるが必ずしも一致しない。これに対し、電子音や光の点滅により、反復報知テンポを報知する場合は、指示された値の反復報知テンポを報知することができる。
操作検出部9は、使用者によるパラメータの確定操作を検出する。
設定部3は、反復運動の終了後、操作検出部9により確定操作が検出されたとき、反復運動中において、音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示ぶ)6が音楽テンポ(反復報知テンポ)の値を変更したことにより変更された、音楽データ(報知信号)が有する音楽テンポ(反復報知テンポ)の値を、音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示ぶ)6が指示するように、パラメータの値を変更して保存する。
その結果、パラメータ値が使用者に適した値に修正されて保存されるから、次回以降は、使用者によるペースアップ操作又はペースダウン操作をしなくてもよい。
上述した設定部3が設定するパラメータが、反復運動の運動開始時(ウォーミングアップ段階の開始時)における反復報知テンポの値(初期反復報知テンポ値)である場合は、次のようになる。
音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6は、設定部3から運動開始時における反復報知テンポの値を取得し、運動開始時において、取得した運動開始時における反復報知テンポの値を指示する。
音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6は、また、運動開始後所定時間内において、操作検出部9によりペースアップ操作が検出されたときは、現に「データ記憶部2及び音楽データ再生部8」(報知部)により再生(報知)されている音楽データ(報知信号)が有する音楽テンポ(反復報知テンポ)の値よりも大きな値の音楽データ(反復報知テンポ)を指示し、ペースダウン操作が検出されたときは、現に「データ記憶部2及び音楽データ再生部8」(報知部)により再生(報知)されている音楽テンポ(反復報知テンポ)の値よりも小さな値の音楽テンポ(反復報知テンポ)を指示する。
設定部3は、反復運動の終了後、操作検出部9により確定操作が検出されたとき、反復運動の運動開始後所定時間内において、音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6が音楽テンポ(反復報知テンポ)の値を変更したことにより変更された、再生音楽データ(報知信号)が有する音楽テンポ(反復報知テンポ)の値を、運動開始時における値である、初期音楽テンポ(初期反復報知テンポ)の値として保存する。
上述した設定部3が設定するパラメータが、使用者の年齢、安静時心拍数、初期反復報知テンポ、及び、目標運動強度である場合は、次のようになる。
音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6は、設定部3から上述したパラメータの各値を取得し、運動開始時に、取得した初期反復報知テンポの値を指示し、心拍数検出部5により検出された心拍数の値と、取得した目標運動強度、使用者の年齢、安静時心拍数の各値に応じて決定される目標心拍数の値、との差が小さくなるように、反復報知テンポの値を指示する。
音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6は、また、操作検出部9により、ペースアップ操作が検出されたときは、現に「データ記憶部2及び音楽データ再生部8」(報知部)により再生(報知)されている音楽信号(報知信号)が有する音楽テンポ(反復報知テンポ)の値より大きな値の音楽テンポ(反復報知テンポ)を指示した後、目標心拍数の値を心拍数検出部5により検出される心拍数の値に変更する。
ペースダウン操作が検出されたときは、現に「データ記憶部2及び音楽データ再生部8」(報知部)により再生(報知)されている音楽テンポ(反復報知テンポ)の値より小さな値の音楽テンポ(反復報知テンポ)を指示した後、目標心拍数の値を心拍数検出部5により検出される心拍数の値に変更する。
設定部3は、反復運動の終了後、操作検出部9により確定操作が検出されたとき、音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6が変更した目標心拍数の値を最初から取得できるように、使用者の年齢の値を変更して保存するとともに、安静時心拍数、初期反復報知テンポ、及び、目標運動強度の各値を変更することなく保存する。
ここで、ペースアップ操作子、ペースダウン操作子の操作に応じて、年齢の値を変更することなく、目標運動強度の設定値を変更することにより、目標心拍数を変更することも考えられる。しかし、目標運動強度は、使用者の運動強度を表す信頼できる指標であるから、これを変更することは望ましくない。
使用者が運動をつらいと感じたり、楽であると感じたりするのは、体力の余裕度によるものと考えられる。従って、目標運動強度を変化させることなく、年齢値を変更することが理にかなっている。
上述したように使用者の年齢値は、再設定されるため、暦年齢とは区別して、体力年齢として保存するとよい。その初期値は暦年齢とすればよい。
上述した設定部3が設定するパラメータが、最速反復報知テンポの値である場合は、次のようになる。
反復報知テンポの最速値には個人差があって、使用者によって異なる。そこで、この反復報知テンポの最速値(最速反復報知テンポの値)を使用者の適した値に修正する。
音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6は、設定部3から反復運動の主運動段階における最速反復報知テンポの値を取得し、反復運動の主運動段階において、取得した最速反復報知テンポの値以下の範囲で反復報知テンポを指示する。
音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6は、また、反復運動の主運動段階において、最速音楽テンポ(最速反復報知テンポ)の値を指示しているときに、操作検出部9により、ペースアップ操作が検出されたときは、現に「データ記憶部2及び音楽データ再生部8」(報知部)により報知されている音楽信号(報知信号)が有する音楽テンポ(反復報知テンポ)の値よりも大きな値の音楽テンポ(反復報知テンポ)を、指示するとともに、指示した反復報知テンポの値を最速音楽テンポ(最速反復報知テンポ)の値とし、ペースダウン操作が検出されたときは、現に「データ記憶部2及び音楽データ再生部8」(報知部)により報知されている音楽信号(報知信号)が有する音楽テンポ(反復報知テンポ)の値よりも小さな値の音楽テンポ(反復報知テンポ)を、指示するとともに、指示した反復報知テンポの値を最速音楽テンポ(最速反復報知テンポ)の値とする。
設定部3は、反復運動の終了後、操作検出部9により確定操作が検出されたとき、反復運動の主運動段階において、音楽テンポ及び曲調指示部(反復報知テンポ指示部)6が最速音楽テンポ(最速反復報知テンポ)の値を変更したことにより変更された、再生音楽データ(報知信号)が有する音楽テンポ(反復報知テンポ)の値を、反復運動の主運動段階における最速音楽テンポ(最速反復報知テンポ)の値として保存する。
この最速音楽テンポ(最速反復報知テンポ)の値は、運動を支援するアシストモードにおいて重要である。しかし、フリーモードにおいて、最速反復報知テンポの値を設定し、指示する音楽テンポの値を制限してもよい。
図3は、図1に示したデータ記憶部2のデータ構造を示す説明図である。
図3(a)に示すように、データ記憶部2には、複数の音楽データファイルが格納されている。音楽データファイルには、波形データ形式と演奏データ形式とがあり、例えば、楽曲毎にファイル化されている。図示の例では、データ形式毎に領域が分かれているが、混在していてもよい。
波形データ形式には、WAV形式(非圧縮の波形データ形式)、MP3(MPEG-1 Audio Layer-III)等の種々の圧縮方式で圧縮された波形データ形式がある。
演奏データ形式には、MIDIメッセージとイベントタイミングデータとがペアになって記述されたSMF(Standard MIDI File)等のMIDIシーケンスのフォーマットがある。
これらの音楽データファイルは、音楽管理データリストによって管理される。音楽管理データリストを設けない場合は、各音楽データファイルの音楽管理データが、それぞれの音楽データファイルに含まれるようにすればよい。
図3(b)は、音楽管理データリストにおいて、1つの音楽データファイル(波形データ形式)に対する音楽管理データの一例を示すものである。
管理番号は、音楽データファイルを特定する。曲名は、音楽データの曲名である。作曲者名、アーティスト名といった著作権情報や、音楽ジャンル名を加えてもよい。種別データは、波形データ形式であることを示す。
音楽テンポはオリジナル音楽テンポである。
曲調評価パラメータは、図1を参照して先に述べたように、音楽データの曲調(エキサイト度)を数値で表現したものある。
再生回数は、この音楽データがこれまでに再生された回数であり、一種の再生履歴である。リセットされない限り電源をオフにしても保存している。1回の運動期間(セッション)の終了時にリセットしてもよい。
再生優先度(再生優先度ポイント)は、複数の曲をランダムに選曲して再生する際に、その再生確率を決めるパラメータである。1セッション中は、再生優先度を上げる操作及び再生優先度を下げる操作に従って変更設定され、セッション終了時にリセットされる。又は、電源をオフにするまで保存してもよいし、電源をオフにしてもリセットされるまでは保存するようにしてもよい。
音楽データ先頭アドレス(音楽データファイルの先頭アドレス)及び音楽データ長(音楽データファイルのデータ長)は、データ記憶部2において、各音楽データファイルの記憶領域を指示する。
なお、音楽データファイルの記憶領域を、音楽データファイルに付された管理番号等で参照できる場合には、音楽データ先頭アドレス、音楽データ長を記述しなくてもよい。
再生開始位置は、各音楽データにおける再生開始位置を、音楽データ(曲)の開始位置からの時間(秒)あるいはクロック(1拍の時間を細分化した単位、1クロックに対応する時間は、音楽テンポ値に応じて変化する)を単位として表す。
再生終了位置は、各音楽データにおける再生終了位置を、音楽データ(曲)の開始位置からの時間あるいはクロックを単位として表す。
図3(c)は、音楽管理データ部において、音楽データファイル(演奏データ形式)に対する管理データの一例を示すものである。
上述した図3(b)の波形データ形式と同様のものである。種別データは、演奏データ形式であることを示すものとなる。
図1のデータ記憶部2を参照して説明した通り、音楽テンポは、音楽テンポ値を記述する場合と、音楽テンポ値の範囲を記述する場合がある。
図4は、図1、図3に示したデータ記憶部2に格納された音楽データの曲内容を模式的に示す説明図である。
この図は、音楽データファイルに曲が再生時間軸を基準にどのように記録されているかを模式的に示すものである。
図4(a)〜図4(d)は、曲の長さ別に、音楽データの曲内容を示している。
実際の波形データ形式の音楽データファイルには、波形のサンプリングデータ以外に、ヘッダやタグ等が含まれる。また、演奏データ形式の音楽データファイルもまた、ヘッダ等が含まれる。図4では、これらの付加データについては無視している。
曲(音楽データ)は、一般に、前奏部及び後奏部を伴う。
前奏(イントロダクション)部は、主題へ入る前に演奏される導入部分である。本明細書では、単に曲の初めの部分を意味する。前奏部では作曲手法上、曲調がそれ以後の部分とは異なり、曲の開始を感じさせる曲調である場合がある。また、無音期間から始まったり、伴奏のみの演奏であったりする。
後奏部(エンディング)は、主題が終了した後の部分である。本明細書では、単に曲の終わり部分を意味する。後奏部では、作曲手法上、曲調が大きく変化して曲の終了を感じさせる場合がある。伴奏のみの演奏であったり、無音期間で終わったりする。
そこで、フリーモード、アシストモードにおいて、音楽データ再生部8は、音楽データを前奏部及び後奏部を除いて再生する。再生開始位置及び再生終了位置は、前奏部及び後奏部が除かれるように音楽管理データに記述される。
前奏部及び後奏部は、曲の自動解析によって検出するのがよいが、単に時間長で決めてもよい。例えば、前奏部は音楽データの開始位置から20秒まで、後奏部は音楽データの終了位置からさかのぼって60秒以後とする。
一方、ミュージック・リスニングモードにおいて、音楽データ再生部8は、曲(音楽データ)の開始位置から終了位置まで再生するようにした方がよい。
以下、フリーモード又はアシストモードにおける再生区間について説明する。
図4(a)に示す曲は、再生時間が所定の例えば1分未満である。再生時間長が短すぎると、頻繁に音楽データが切替わり聞き苦しくなるので、本発明の実施の一形態では再生対象としない。
図4(b)に示す曲は、再生時間が所定の例えば1分以上3分以下であり、再生対象とする。
図4(c)に示す曲は、再生時間が、所定の例えば3分超のものであり、所定の3分を限度に再生対象とする。図示の例では、後奏部の開始位置を再生終了位置とする再生区間を決めている。これに代えて、前奏部終了位置を再生開始位置とする再生区間を決めてもよい。
しかし、ある音楽テンポ値及びその近傍の音楽テンポを有する曲の数が少ない場合は、上限を設けることなく、前奏部及び後奏部を除いた最大の区間を再生区間にしてもよい。
図4(d)は、曲(音楽データ)中で、音楽テンポが、所定の許容範囲(例えば、±5[%]又は±3[bpm])を超えて変化している例である。
この場合、音楽テンポが略一定している再生区間のそれぞれを、異なる音楽テンポを有した独立の曲(音楽データ)として利用する。ただし、それぞれの再生時間が、所定の、例えば1分以上3分以下であることを条件とする。
図4(d)の音楽データファイルに対する音楽管理データは、図4(a)〜図4(c)とは異なったものとなる。
例えば、前半の再生区間と後半の再生区間とで異なる管理番号を付ける。音楽テンポ、曲調評価パラメータは、前半の再生区間と後半の再生区間とでは異なる値を指示する。
音楽データ先頭アドレス、音楽データデータ長は、前半の管理データと後半の管理データとでは同じ値を指示する。前半の再生区間の再生終了位置と後半の再生区間の再生開始位置とは、テンポ変更位置と一致する。
図5は、図1に示した本発明の実施の一形態を実現するハードウエア構成図である。
一具体例として、加速度センサを内蔵した携帯型音楽再生装置として実現する場合を示す。この装置は、使用者が自分の腰付近又は腕に装着し、耳たぶ用心拍数検出器は、ヘッドフォンに備えられている。
図中、11はCPU(Central Processing Unit)、12はフラッシュROM(Read Only Memory
)、又は、小型で大容量のハード磁気ディスクである。13はRAM(Random Access Memory)である。
CPU11はフラッシュROM12に記憶されたファームウエア(制御プログラム)を用いて、本発明の機能を実現する。RAM13は、CPU11が処理を遂行する上で必要となる一時的なデータの記憶領域として用いられる。
フラッシュROM12は、また、図1に示したデータ記憶部2として用いられ、複数の音楽データ及び音楽管理データリストが保存されている。
CPU11は、フラッシュROM12に保存された音楽データの中から、音楽データを選択したとき、選択された音楽データを、RAM13に一時記憶させる。CPU11は、音楽データを再生させるとき、RAM13に一時記憶された音楽データを波形再生部20に転送する。
14は操作部であって、電源のオンオフ、各種の選択や各種の設定をするための押しボタンスイッチ等である。15は表示部であって、設定入力内容の表示、音楽再生状態の表示、運動後の結果表示をする液晶ディスプレイである。その他、発光ダイオードを備え、点灯表示、点滅繰り返し表示をする場合もある。
設定操作は、メニュー選択方式で行う。操作部14におけるメニューボタンを押す毎に表示部15に表示するメニュー項目を順次切替え、各メニュー項目における設定内容を、例えば、2個の選択ボタンの一方を押したり、両方を同時に押したりして選択し、メニューボタンを押すことにより、選択された設定内容を確定する。
メニュー項目としては、音楽再生モード(ミュージック・リスニングモード、フリーモード、アシストモード)の選択、アシストモードにおける運動種別(ウォーキング、ジョギング等)の選択、曲選択順序モードの選択(アルバム、ランダム)、ホールド,ホールド解除,頭出し,スキップ等の再生制御、運動ペース(ペースアップ、ペースダウン)の選択、個人情報(身体情報を含む)の入力、変更された設定データの確定、その他の設定がある。
16は反復運動テンポ検出器である。例えば、2軸あるいは3軸加速度センサ、あるいは、振動センサであって、運動用音楽再生機器の本体に内蔵される。使用者の体の動き、すなわち、右又は左足で一歩(ステップ)を進めた時の衝撃を検出する。歩行計に使用されている公知のものを用いることができる。
反復運動テンポ検出器16、又は、CPU11は、加速度センサの出力に基づいて、歩行ステップのタイミングを抽出するアルゴリズムを実行し、1ステップの時間長を計測し、反復運動テンポを計算する。
17は心拍数検出器である。心音を検出したり、脈拍を検出したり、血流量の変化を検出したりするものであって、実質的に心拍数を検出する。本発明の実施の形態では、ヘッドフォンにコードで結合された心拍数検出器を用い、心拍検出をする必要がある場合にのみ、クリップで耳たぶに取り付ける。
18はCPU11が実行する処理のタイミングを決めるマスタークロック(MCLK)及び、電源オフ状態でも動作し続ける計時用のリアルタイムクロック(RTC)である。
電源19は、内蔵電池である。AC電源アダプタを用いることもできる。また、後述するUSB端子を介して、外部装置から電源供給を受けることもできる。
音楽データ再生回路20は、CPU11において選択され、再生指示された音楽データをRAM13から入力し、アナログ信号に変換し、増幅してヘッドフォン,イヤフォン,スピーカ21等に出力する。
この音楽データ再生回路20は、ディジタル波形データを入力しアナログ波形データを再生する。圧縮波形データであれば、先に伸長処理をして、アナログ波形データを再生する。この音楽データ再生回路20は、MIDIシンセサイザ機能を備え、演奏データを入力して楽音信号を合成し、アナログ波形データを再生する。
音楽データ再生回路20は、入力データ形式に応じて、個別のハードウエアブロックで実現してもよい。また、一部の処理をCPU11においてソフトウエアプログラムを実行することにより実現してもよい。
サーバ装置23は、多数の音楽データを蓄積しているデータベースを備えたものである。パーソナルコンピュータ(PC)22は、ネットワークを介してサーバ装置23にアクセスし、使用者は所望の音楽データを選択し、自身の記憶装置にダウンロードする。
次に、パーソナルコンピュータ22は、ダウンロードした音楽データに音楽テンポや曲調評価パラメータが含まれていないとき、これらを分析するプログラムを実行する。
分析により取得した音楽テンポや曲調評価パラメータは、ダウンロードした音楽データとともに、自身の記憶装置に記憶する。又、音楽データを分析し、図3に示したその他の音楽管理データについても取得して記憶する。
パーソナルコンピュータ(PC)22は、また、自身のHD(Hard Disk)に保存されている音楽データやCD(Compact Disc)などの記録媒体から取り込んだ音楽データについて分析し、音楽データとともに、音楽テンポ、曲調評価パラメータ等の音楽管理データを取得して記憶してもよい。
なお、波形データ形式の音楽データを分析して、音楽テンポを自動抽出する技術は、特開昭64−21498号公報、特開平8−201542号公報等で周知である。
CPU11は、音楽データを取得するとき、音楽管理データをパーソナルコンピュータ22から、USB端子を経て、フラッシュROM12に転送して格納する。
サーバ装置23に更新ファームウエアが用意されている場合は、パーソナルコンピュータを介して、フラッシュROM12に記憶されたファームウエアの更新ができる。
フラッシュROM12に格納されている、音楽管理データを伴う複数の音楽データは、本装置の工場出荷時にプリセットデータとして格納しておくこともできる。
本装置は、携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistant)として実現することもできる。
本装置は、また、屋内運動用、例えば、トレッドミル(treadmill)上でランニングをするような場合に、据置き型にして実現することもできる。
上述した具体例は、いずれも、音楽再生装置であったが、音楽再生機能、データ記憶部、音楽データ書き込み機能の少なくとも1つの機能は、外付けの装置に持たせることにより、音楽再生制御機能のみを有する装置として本発明を実現することもできる。
具体的には、音楽再生機能、音楽データ記憶機能、音楽データ取得機能は、MP3プレーヤ等の既存の音楽データ再生装置で実現するようにし、この既存の音楽データ再生装置に、音楽再生制御用インタフェースを備えつけて、このインタフェースを介して音楽再生制御機能のみを有する装置を外付けする。
図5に示した構成において、データ記憶部2は、フラッシュROM12を用いているが、これに代えて、パーソナルコンピュータ22の記憶装置を図1のデータ記憶部2として、音楽データ再生システムを構築したり、パーソナルコンピュータ22を介することなく、ネットワークを介してサーバ装置23に接続し、サーバ装置23のデータベース自体を図1のデータ記憶部2として、ネットワークを含んだ音楽データ再生システムを構築したりしてもよい。
図6は、本発明の実施の一形態の動作例を示すメイン処理のフローチャートである。
図5に示したCPU11がファームウエアに従って、各ステップの処理が実行される。電源スイッチをオンにすることにより処理が開始される。
S31において、装置を初期化する。S32において、入力操作があるときは、S33に処理を進め、図7に詳細を示す機器設定をする。
S34において、再生フラグがONのとき(後述する図7(機器設定)のS55)、S35に処理を進め、図8に詳細を示す再生処理を実行する。
S36において、曲選択フラグがON(後述する図8(再生処理)のS69)のとき、S37に処理を進め、図13に詳細を示す曲選択処理を実行し、S38に処理を進める。S38において、音楽管理データリスト(図3)に保存されている、選択された音楽データの再生回数を+1し、曲選択フラグをOFFにしてS32に処理を戻す。
図7は、図6(メイン処理)のS33(機器設定)を説明するフローチャートである。
機器設定はメニュー選択方式でなされるが、このフローチャートでは、何を設定するかに着目して処理を説明する。
S41において、入力操作が使用者の個人情報(身体情報を含む)の設定であれば、S42に処理を進め、性別や暦年齢等の使用者に応じた個人情報の入力を受付け、S43において、入力されたデータを個人情報としてフラッシュROM(図5の12)に登録する。
S44において、入力操作が、図1,図2を参照して説明したペースアップ操作又はペースダウン操作であれば、S45に処理を進める。現在が、アシストモードによる再生中である場合に限り、S46に処理を進める。
S46において、ペースアップ操作であればペースアップフラグをON、ペースダウン操作であればペースダウンフラグをONにし、S47に処理を進める。
S47において、フラッシュROM(図5の12)に記憶された運動目標パラメータ,身体情報を書き替えて、S48に処理を進める。
S48において、入力操作が、図1,図2を参照して説明したスキップ操作又は頭出し操作であれば、S49に処理を進める。
入力操作がスキップ操作であれば、音楽管理データリスト(図3)における、現に再生されている音楽データの再生優先度ポイントを減らす(例えば、−1する)ことにより、現に再生されている音楽データの再生確率を低くする。
また、スキップフラグをONにすることにより、後述する図8(再生処理)のS62,S63により、現に再生されている音楽データの再生を停止させ、S78において曲選択フラグがONとなる。
一方、入力操作が頭出し操作であれば、音楽管理データリスト(図3)における、現に再生されている音楽データの再生優先度ポイントを増やす(例えば、+1する)ことにより、現に再生されている音楽データの再生確率を高くする。
また、頭出しフラグをONにすることにより、後述する図8(再生処理)のS64,S65により、現に再生されている音楽データの再生開始位置から、再生を再開することになる。
S50において、入力操作が図1,図2を参照して説明したホールド操作であれば、S51に処理を進め、現に再生されている音楽データが有する音楽テンポ及び/又は曲調評価パラメータを、次に再生する音楽データを選択する際の条件として指示し、ホールドフラグをONにする。
指示された音楽テンポは、後述する図14のS122において選択条件とし、指示された曲調評価パラメータは、後述する図16のS132において選択条件とする。
S52において、入力操作がモード選択であれば、S53に処理を進め、指示されたモード(ミュージック・リスニングモード、フリーモード、アシストモード)を設定する。
S54において、入力操作が再生開始操作であれば、S55に処理を進め、再生フラグをONとする。再生フラグがONである間は、先に説明した図6(メイン処理)のS34からS35に処理を進め、図8の再生処理が実行される。
S56において、入力操作が再生停止操作であれば、S57に処理を進め、再生フラグをOFFに戻す。
S58において、その他の操作に応じて処理を実行する。
図1,図2を参照して説明した、第1の機能である、優先するデータ形式の設定をする操作、第2〜第5の機能を有効にするか無効にするかを設定する操作、第5の機能における、修正後の運動目標パラメータの値、身体情報の値を確定して保存する操作等がある。
図8は、図6(メイン処理)におけるS35(再生処理)を説明するフローチャートである。
ミュージック・リスニングモードである場合、S61からS62に処理を進める。
S62において、スキップフラグがONであれば、S63に処理を進め、スキップフラグをOFFにした後、S69に処理を進め、曲選択フラグをONにし、図6(メイン処理)のS36に戻る。その結果、現在の再生曲の再生が中断される。図6(メイン処理)のS36からは、S37(図13)の曲選択に処理を進めることになる。
一方、図8のS62において、スキップフラグがOFFであれば、S64に処理を進め、頭出しフラグがONであれば、S65に処理を進め、RAM(図5の13)に記憶されている現に再生されている音楽データの再生開始位置を、音楽データ再生回路(図5の20)に指示し、頭出しフラグをOFFにしてS66に処理を進める。
S66において、現在の再生位置の音楽データを、音楽データ再生回路(図5の20)に再生させ、図6(メイン処理)に処理を戻す。
S64において、頭出しフラグがOFFであれば、S67に処理を進め、現に再生されている音楽データの次の再生位置を指示し、S68に処理を進める。
S68において、現在の再生位置が再生終了位置でなければ、S66に処理を進め、再生終了位置でなければ、S69に処理を進め、曲選択フラグをONにする。
次に、フリーモードであれば、上述したS61からS70、S71に処理を進め、ホールドフラグがONであれば、S62に処理を進め、先に説明したミュージック・リスニングモードと同様の処理をする。
一方、S71において、ホールドフラグがOFFであれば、S72に処理を進め、反復運動テンポ検出器(図15の16)により検出された使用者の反復運動テンポを取得する。
S73において、フリーモードにおける音楽テンポを指示する。
すなわち、反復運動テンポを検出し、反復運動テンポに応じた音楽テンポを指示する。この処理については、フローチャートの図示を省略し、図9を参照し、具体例を用いて説明する。
S74において、音楽テンポの値を直ちに変更する指示がなされたときは、S69に処理を進め、曲選択フラグをONにする。一方、音楽テンポを直ちに変更する指示がなされていないときは、S62に処理を進め、ミュージック・リスニングモードと同様の処理をする。
次に、アシストモードモードであれば、上述したS61からS70、S75、S76に処理を進める。S76において、ホールドフラグがONであればS62に処理を進め、ミュージック・リスニングモードと同様の処理をする。
一方、S76において、ホールドフラグがONでなければ、S77に処理を進め、心拍数検出器(図5の17)により使用者の心拍数を取得する。
S78において、アシストモードにおける音楽テンポを指示する。すなわち、使用者の実績運動強度(又は実績心拍数)と目標運動強度(又は目標心拍数)とに応じて、音楽テンポの値を指示する。
この処理についても、フローチャートの図示を省略し、図10ないし図12を参照し、具体例を用いて後述する。音楽テンポの値を直ちに変更するように指示する場合と、現に再生されている曲が終了して、次の再生音楽データを選択するときに、音楽テンポの値を変更して指示する場合がある。
S78の処理後は、S74に処理を進め、音楽テンポを直ちに変更する指示がなされたときは、S69において曲選択フラグをONにし、音楽テンポを直ちに変更する指示がなされていない場合は、S62に処理を進め、ミュージック・リスニングモードと同様の処理をする。
上述したS75において、アシストモードでもなければ、S79に処理を進め、その他の処理をし、図6(メイン処理)のS38に戻る。
図9は、図8(再生処理)のS73(フリーモードにおける音楽テンポの指示)を具体例で示す説明図である。
反復運動テンポ検出器(図5の16)は、歩行の1ステップ毎にステップタイミング(開始タイミング)を出力している。CPU(図5の11)は、歩行の1ステップに要した時間(ステップ時間)を計測し、計測結果に基づいて、1分間当たりの歩行ステップ数[bpm](Beat Per Minutes:拍/分)を計算し、これを反復運動テンポの値とする。実際には、複数ステップ分についての移動平均をとる。
一方、現に再生中の曲の音楽テンポ値を取得する。音楽テンポの単位も[bpm]である。
図示の例では、反復運動テンポが125[bpm](黒丸)、現に再生中の音楽データAの音楽テンポが123[bpm](白丸、一点鎖線)であったとする。反復運動テンポの値[bpm]が、音楽テンポ123[bpm]から所定範囲(1)(123±3[bpm])を外れ、例えば、図示矢印のように変化して135[bpm]になったとすれば、この反復運動テンポ135[bpm](破線)を、新たに指示する音楽テンポの値とする。
音楽テンポの値が新たに指示されたときは、先に説明した図8(再生処理)のS73,S74を経て、S69において曲選択フラグをONにする。
その結果、図6(メイン処理)のS37の処理である、後述する図13(曲選択)のS105において、新たに指示された音楽テンポ135[bpm](破線)を基準とした所定範囲(2)(135±135×3%[bpm])に含まれる音楽テンポを有し、さらに、S104以降において、後述する他の条件(曲調評価パラメータの値、再生回数、再生優先度ポイント)をも満足する音楽データ、図示の例では、133[bpm](白丸)(一点鎖線)の音楽データBを、フラッシュROM(図5の12)に格納された音楽データの中から選択し、RAM(図5の13)に書き込む。以後、この新たに選択された音楽データBの音楽テンポ133[bpm]を中心とする所定範囲(3)(133±3[bpm])と、反復運動テンポとを比較することになる。
一方、現に再生されている音楽データAの再生位置が再生終了位置(図4)になったときの曲選択においては、先に指示されていた音楽テンポの値(例えば、現在の反復運動テンポの値に等しい125[bpm])を変更することなく、次の曲選択を行うが、ホールドフラグがONになっていた場合は、現に再生されている音楽データAの音楽テンポの値123[bpm]を、次に再生する音楽データが有する音楽テンポの値として指示する。
上述した所定範囲(1),(3)は、現に再生されている音楽データの「音楽テンポの値」から±(所定差)としているが、この「音楽テンポの値」と略同じ値となる範囲であればよく、この「音楽テンポの値」±(この「音楽テンポの値」の所定比%)としてもよい。
一方、上述した所定範囲(2)は、変更後の反復運動テンポ±(所定差)としてもよい。変更後の反復運動テンポと略同じ値であればよい。
図10ないし図12は、図8(再生処理)のS78(アシストモードにおける音楽テンポの指示)を具体例で示す説明図である。
図10は、図1に示した設定部3に対する設定項目の一例を示す説明図である。
図10(a)は設定項目の概要である。個人情報は、生年月日,性別,身長,体重,安静時心拍数等であって、主としてアシストモードに関するものである。
安静時の心拍数は、起床時の心拍数である。この値は、本装置に付属の心拍数検出器17(図5)で測定して入力するか、市販の心拍計で計測した値を使用者が入力する。
使用者は最大心拍数も入力する必要があるが、使用者は通常、自分の最大心拍数を知らないので、入力された生年月日と現時点の年月日とから取得される暦年齢に基づいて、次式で計算する。
最大心拍数=220−暦年齢 ……………(1)
安静時の心拍数及び最大心拍数に基づいて、予測最大心拍予備能のn[%]、すなわち、n%HR Reserveに相当する心拍数が次式で計算される。
n%HR Reserveに相当する心拍数=
(最大心拍数−安静時心拍数)×n/100+安静時心拍数 ………(2)
ここで、予測最大心拍予備能(HR Reserve)は、(最大心拍数−安静時心拍数)である。
n[%]は運動強度であり、予測最大心拍予備能を基準とした比率である。心拍数が安静時心拍数のとき0[%]、最大心拍数のとき100[%]になる。
運動強度n[%]は、次式により換算される。
運動強度n[%]=
(心拍数−安静時心拍数)/(最大心拍数−安静時心拍数)×100 ………(3)
以後、心拍検出器(図5の17)により実測される心拍数を実績心拍数と呼び、式(3)により換算される運動強度を実績運動強度と呼ぶことにする。
モード設定項目としては、ミュージック・リスニングモード、フリーモード、アシストモードの中から1つを選択する。アシストモードにおいては、さらに、ウォーキングモード、ジョギングモード、ランニングモード等の中から1つの運動形態を選択する。
その他の設定項目としては、図7(機器設定)のS58において説明した諸機能のON/OFF(有効/無効)設定のほか、運動時間の設定等がある。設定された運動時間が終了したとき、音楽データの再生を終了させたり、クールダウンの段階に移行させたりする。
アシストモードにおいては、運動形態、各使用者の個人情報、運動時間等に基づいて、使用者に適した運動計画を自動的に決定する。
図10(b),図10(c)は、アシストモードの一運動形態である「ジョギングモード」,「ウォーキングモード」を選択したときに、運動計画によって、具体的に数値が設定される項目を示すものである。
アシストモードにおいて、1運動期間(セッション)は、ウォーミングアップ段階から始まり、次に主運動段階、最後にクールダウン段階になって終了する。
ウォーミングアップ段階は、運動開始後、所定時間経過するまでの段階である。この実施の形態では、目標運動強度を徐々に大きくする。クールダウン段階は、運動終了時点の所定時間前から運動終了時点までの段階である。この実施の形態では、目標運動強度を徐々に小さくする。
なお、先に説明したフリーモードにおいても、反復運動テンポに追従した音楽テンポを指示する運動段階の前後に、ウォーミングアップ段階,クールダウン段階を設けてもよい。
図10(b)のジョギングモード、図10(c)のウォーキングモードに示した例では、各運動段階において、実行時間、及び、使用者に最適な目標運動強度が設定される。
図10(b)の主運動段階において、目標運動強度は70[%]の一定値であり、ウォーミングアップ段階において、目標運動強度は30[%]を初期値として、主運動段階における目標運動強度70[%]まで、例えば、直線的に増やし、クールダウン段階において、主運動段階における目標運動強度70[%]から50[%]を最終値として、例えば、直線的に減らす。
なお、運動開始後、所定時間(例えば、30秒)を経過するまでは、音楽テンポ値を変更指示しないようにした場合、この所定時間(例えば、30秒)内における目標運動強度は、音楽テンポ値の指示に反映されない。
また、運動開始時(ウォーミングアップ段階の開始時でもある)に最初に再生する音楽データに対する音楽テンポ指示値として、初期音楽テンポ値145[bpm]を設定している。
図1に示した、音楽テンポ及び曲調指示部6が指示する音楽テンポ値には、上限(最速音楽テンポ値200[bpm])が設定されている。図1,図2を参照して第5の機能に関して説明したように、運動形態に応じて、反復運動テンポの値に最速値があることが知られていることから、指示する音楽テンポ値に上限を設定している。
なお、クールダウン段階の開始時に、実績運動強度が、適正範囲の下限である65[%]以上であれば、現に再生されている曲の再生音楽テンポより7[%bpm]小さな値の音楽テンポ値を、このクールダウン段階の開始時に指示する。
図10(c)については、設定値が異なるだけであるので説明を省略する。
この実施の形態では、運動開始時から運動終了時まで、使用者の実績運動強度(実績心拍数)と、目標運動強度(目標心拍数)[%]を基準にした所定範囲との比較に応じて音楽テンポを変更し、使用者に適した運動ができるように使用者を支援するように運動計画が設定されている。
図10(d)に、運動終了後に表示部(図5の15)に表示される項目を示す。走行距離は、身長からストライドを割出し、歩数を乗算することにより算出される。消費カロリは、仕事量から算出される。脂肪燃焼量は、実績運動強度が70[%]であった時間などから算出される。
図11は、図8(再生処理)のS78(アシストモードにおける音楽テンポ指示)を具体例で示す第1の説明図である。
音楽テンポの値を指示する処理は、次の通りである。
心拍数検出器17(図5)により検出された実績心拍数(HR)[bpm]に基づいて、先に説明した、式(3)に基づいて実績運動強度[%]を計算する。以下の説明では、実績心拍数を実績運動強度に換算して、目標運動強度と比較する。
実績運動強度は、移動平均をとった値を用いることが望ましく、例えば、直前20秒程度の移動平均をとる。
現在の運動経過時間における使用者の実績運動強度が、目標運動強度からの適正範囲を超えないときは、音楽テンポを変更しない。
図示の例は、ジョギングモードの主運動段階における動作の具体例であって、目標運動強度を、70[%]とし、適正範囲は、これを基準に65[%]以上、75[%]以下としている。また、目標運動強度70[%]を基準に85[%]を上に超える範囲、55[%]を下に超える範囲を警告範囲としている。
上述した適正範囲、警告範囲は、「目標運動強度」からの差で決めているが、「目標運動強度」からこの「目標運動強度」の所定比%としてもよい。
なお、ジョギングモードのウォーミングアップ段階において、適正範囲は、(現時点における目標運動強度−5)[%]以上、75[%]以下としている。警告範囲は、85[%]を上に超える範囲、(現時点における目標運動強度−15)[%]を下に超える範囲としている。
ジョギングモードのクールダウン段階においては、警告範囲のみを設定し、75[%]を上に超える範囲としている。
実績運動強度が、例えば、最初67[%](実績心拍数138[bpm])(黒四角)であって、この値から、51[%](実績心拍数120[bpm])(白四角)に変化した結果、下側の警告範囲に入ったとき、実績運動強度と目標運動強度との差を縮めるように、音楽テンポの値を直ちに変更する。
例えば、現在の音楽テンポの指示値が165[bpm]であって、この値を基準とする所定範囲(1)(165−165×0.03以上165+165×0.03以下)にある音楽テンポ167[bpm](白丸、一点鎖線)を有する音楽データCが現に再生されている。このとき、音楽データCの音楽テンポ167[bpm]を、図示矢印のように直ちに5[%]上げた値、すなわち、167×1.05=175[bpm](破線)の音楽テンポを指示する。
音楽テンポの値が新たに指示されたとき、図8(再生処理)のS78からS74を経て、S69において曲選択フラグがONとなる。その結果、図6(メイン処理)のS37の詳細を示す、後述する図13(曲選択)のS105において、指示された音楽テンポの値175[bpm]を基準とする所定範囲(2)(175±175×0.03)内にある音楽データが選択され、再生が開始される。
その音楽テンポ値177[bpm](白丸)を有する音楽データDが、図13(曲選択)における音楽テンポの値以外の選択条件も満足したときには、この音楽データDが最終的に選択され、音楽データ再生回路(図5の20)において再生される。
一方、実績運動強度が、例えば87[%](実績心拍数160[bpm])となって上側の警告範囲に入ったときは、音楽テンポの指示値を、音楽データCの音楽テンポ167[bpm]を直ちに5[%]下げた値の音楽テンポを指示する。
使用者の実績運動強度(実績心拍数)が警告範囲に入らなければ、音楽データCが所定の再生終了位置になるまで再生される。この再生終了位置になる前に、実績運動強度が60[%](実績心拍数130[bpm])に変化し、警告範囲には入らないものの、適正範囲の下方にあるときは、指示する音楽テンポの値を、実績運動強度が外れた方向に応じて変更する。
図示の例では、音楽テンポの指示値を、現に再生されている音楽データCの音楽テンポ167[bpm](白丸)を基準に5[%]上げる。一方、適正範囲の上方に変動したときは、音楽テンポの指示値を、音楽データCの音楽テンポ値167[bpm]を基準に5[%]下げた値とし、現に再生されている音楽データの再生が終了した後に再生する音楽テータを選択する際の条件とする。
一方、実績運動強度が適正範囲内にあるとき、指示する音楽テンポの値を変更することなく、次の曲選択を行う。
現に再生されている音楽データCの再生位置が再生終了位置(図4)になると、図8(再生処理)のS78から、S74,S62〜S68を経て、S69において曲選択フラグがONとなる。
その結果、後述する図13(曲選択)のS105以降の処理において、変更後の音楽テンポの指示値の±3[%]の範囲内に、その音楽テンポ値177[bpm]を有し、音楽テンポの値以外の選択条件も満足する音楽データDが選曲され、音楽データDの再生が開始される。
なお、再生を開始したときも、S69に処理を進めて、曲選択フラグをONにして、曲選択を行う。
上述した所定範囲(1),(2)は、現に指示されている「音楽テンポの値」±(この「音楽テンポの値」の所定比%)としているが、この「音楽テンポの値」±(所定差)としてもよい。この「音楽テンポの値」と略同じ値となる範囲であればよい。
一方、音楽テンポの指示値は、現に再生されている音楽データCの音楽テンポを基準に所定値を加減算した値としてもよい。
図12は、図8(再生処理)のS78(アシストモードにおける音楽テンポ指示)を具体例で示す第2の説明図である。
運動開始時において指示される音楽テンポ初期値[bpm]、最速音楽テンポの値は、図10(b),(c)を参照して説明したように、運動前の設定項目の値に基づいた値が設定されている。
また、指示される音楽テンポの値は、目標運動強度の設定値に応じて指示される。
ここで、アシストモードにおける再生においては、図7(機器設定)のS44,S45において検出した、ペースアップ/ペースダウン操作により、図8(再生処理)のS78において、音楽テンポを使用者に適した値に修正して指示できるようにする。
図12(a)は、ペースアップ/ペースダウン操作による、音楽テンポの値を修正変更する処理を具体例で示す説明図である。図中、縦軸は音楽テンポである。
まず、図12(a)の下方を参照し、初期音楽テンポの修正について説明する。
初期音楽テンポ値は145[bpm]に設定されており、ウォーミングアップ段階の開始時、すなわち、運動開始時に指示され、図8(再生処理)のS78からS74を経て、S69において曲選択フラグがONとなる。
その結果、図6(メイン処理)のS37の詳細を示す、後述する図13(曲選択)のS105以降の処理において、この初期音楽テンポ値を中心とする範囲(1)(145−145×0.03[bpm]以上145+145×0.03[bpm]以下)であって、音楽テンポの値以外の選択条件も満足する音楽データ、例えば、音楽テンポ値146[bpm]の音楽データEが選択されている。
使用者がペースアップ操作又はペースダウン操作を行うと、図7(機器設定)のS46において、ペースアップフラグ又はペースダウンフラグがONとなる。
図8(再生処理)のS78において、運動開始後30秒以内に、ペースアップフラグ又はペースダウンフラグがONになった場合、それぞれ、音楽テンポの値を、現に再生されている音楽データEの音楽テンポ値146[bpm]を5%上げた値(146+146×0.05[bpm])又は5%下げた値(146−146×0.05[bpm])とする。
この処理を終了した後は、ペースアップフラグ又はペースダウンフラグをOFFに戻す。
図示の例は、運動開始後30秒以内に、ペースダウンフラグがONになった場合であり、音楽テンポの値を139[bpm]に修正する。
図8(再生処理)のS78からS74を経て、S69において曲選択フラグがONとなり、図6(メイン処理)のS37の詳細を示す、後述する図13(曲選択)のS105以降の処理において、修正された音楽テンポの値を139[bpm]を中心とする±3%の範囲(2)内に、その音楽テンポ値140[bpm]を有し、音楽テンポの値以外の選択条件も満足する音楽データFが新たに選択され、その再生が開始される。
運動開始後30秒以内に、再度、ペースアップフラグ又はペースダウンフラグがONになった場合は、現に再生されている音楽データ、例えば、上述した音楽データFの音楽テンポ値140[bpm]を基準に、これを5%上げた値又は5%下げた値の音楽テンポを指示する。
次に、図12(a)の上方を参照し、最速音楽テンポ値が指示されているときの処理を説明する。
ジョギングモードにおける最速音楽テンポの値200[bpm]が現に指示されているとき、この値を基準に200−200×0.03[bpm]以上200+200×0.03[bpm]以下の範囲(5)内に音楽テンポ値を有する音楽データが選択されている。例えば、音楽テンポ198[bpm]の音楽データGが選択されている。
ペースアップフラグがONになったとき、図8(再生処理)のS78において、指示する音楽テンポの値を、現に再生されている音楽データGの音楽テンポ値198[bpm]を5%上げた値に修正変更する。処理を終了した後、フラグをOFFに戻す。
一方、ペースダウンフラグがONになったときは、指示する音楽テンポの値を、現に再生されている音楽データGの音楽テンポ値198[bpm]を5%下げた値とする。処理を終了した後、フラグをOFFに戻す。
図示の例は、ペースアップフラグがONになった場合であり、指示する音楽テンポの値を、208[bpm]に修正する。
図8(再生処理)のS78からS74を経て、S69において曲選択フラグがONとなり、図6(メイン処理)のS37の詳細を示す、後述する図13(曲選択)のS105以降の処理において、指示された音楽テンポの値208[bpm]を中心とする±3%の範囲(6)内に、その音楽テンポ値209[bpm]を有し、音楽テンポの値以外の選択条件も満足する音楽データHが新たに選択され、その再生が開始される。
最速音楽テンポの値が現に指示されているときに、再度、ペースアップフラグ又はペースダウンフラグがONになった場合、現に再生されている音楽データ、例えば、上述した音楽データHの音楽テンポ値209[bpm]を基準に、これを再度、5%上げた値又は5%下げた値の音楽テンポを指示する。
なお、ペースアップ操作がされた時には、次にはペースダウン操作しかできないようにし、ペースダウン操作がされた時には、次にはペースアップ操作しかできないようにすることにより、最速音楽テンポの値の変更制御を制限してもよい。
次に、図12(a)の中央を参照し、ジョギングモードでの処理を説明する。
現在の音楽テンポ値として165[bpm]が設定されているとき、この設定値から±3[%]の範囲(3)内の曲が選択されている。例えば、音楽テンポ166[bpm]の音楽データIが選択されている。
ペースアップフラグ又はペースダウンフラグがONになった場合、図8(再生処理)のS78において、指示する音楽テンポの値を、直ちに、現に再生されている音楽データIの音楽テンポ値の5%アップ又は5%ダウンさせた値とする。この処理が終了した後は、ペースアップフラグ又はペースダウンフラグをOFFに戻しておく。
図示の例は、ペースアップフラグがONになった場合であり、指示する音楽テンポの値を174[bpm]にする。
図8(再生処理)のS78からS74を経て、S69において曲選択フラグがONとなる。その結果、図6(メイン処理)のS37の詳細を示す、後述する図13(曲選択)のS105以降の処理において、この音楽テンポ値174[bpm]を中心とする±3%の範囲(4)内
に、その音楽テンポ値176[bpm]を有し、音楽テンポの値以外の選択条件も満足する音楽データJが新たに選択され、その再生が開始される。
図12(a)における上述した所定範囲(1)〜(6)は、現に指示されている「音楽テンポの値」から±(この「音楽テンポの値」の所定比%)としているが、この「音楽テンポの値」±(所定差)としてもよい。
上述したように、使用者がペースアップ/ペースダウン操作をしたとき、音楽テンポの指示値を直ちに変更した。しかし、音楽テンポが直ちに変更されても、その後の音楽テンポ値の指示値は、依然として、使用者の実績運動強度が目標運動強度を基準とした適正範囲になるようにする値であるから、使用者は、何度も、ペースアップ/ペースダウン操作をしなければならない。
そこで、アシストモードにおいて、使用者がペースアップ/ペースダウン操作をしたときに、目標心拍数を変更する処理を行う。
なお、主運動段階における、使用者がペースアップ/ペースダウン操作に対してのみ、目標心拍数を変更する処理を行うように機能制限してもよい。
図12(b)は、アシストモードにおける運動計画を変更する処理の説明図である。
使用者の現在の実績運動強度は、67[%](実績心拍数138[bpm])である。ここで、使用者がペースアップ操作又はペースダウン操作をしたとすると、図12(a)の中央に示したように、再生される音楽データが有する音楽テンポが変更される。使用者は、再生される音楽データが有する音楽テンポに追従して反復運動テンポを変更するから、使用者の実績心拍数が変化することになる。
ペースアップ/ペースダウン操作後に検出される、実績心拍数の変化後の値、図示の例では、150[bpm]を取得する。実績心拍数の変化後の値を検出するには、例えば、実績心拍数が変化したと推測される所定時間後の実績心拍数の値を検出すればよい。
取得した実績心拍数の値150[bpm]が目標運動強度70[%]となる運動計画を作成する。
以後は、ペースアップ/ペースダウン操作後の実績心拍数を目標心拍数とする運動計画に修正して音楽テンポの値を指示するから、使用者の運動能力に適合した音楽テンポが指示される。
図示の例では、ペースアップ/ペースダウン操作後の実績心拍数150[bpm]が、目標運動強度70[%]に対応する目標心拍数になるように、運動強度100[%]に対応する最大心拍数の設定値を188[bpm]にする。その結果、運動強度と心拍数の間の換算率が変更される。
ここで、上述した最大心拍数は、式(1)を用いて暦年齢から推定していた。従って、上述したように最大心拍数を変更するということは、暦年齢を変更することに相当する。変更後の暦年齢を体力年齢と言い換えると、体力年齢に従った運動計画に従って、音楽テンポを指示することになる。図示の例では、体力年齢を32才に修正することになる。
運動期間中の以後の期間においては、運動強度と心拍数の間の換算率が修正されるから、実績心拍数の値が以前と同じであっても、実績運動強度の値が変化する。変化した実績運動強度を、変更されていない目標運動強度を基準に適正範囲にあるか、警告範囲にあるかを判定することにより、音楽テンポの値を指示する。
なお、実績心拍数を用いる場合は、実績心拍数を修正された目標心拍数を基準に比較することになる。
図12(a)を参照して説明した、運動開始後30秒以内に、初期音楽テンポ値145[bpm]を修正して音楽テンポを指定した結果、再生されることになった音楽データFの音楽テンポ値140[bpm]を、運動開始時の初期音楽テンポ値(運動目標パラメータ)として、1運動期間が終了した時にフラッシュROM(図5の12)に保存しておけば、次回以降の運動時において、使用者の運動能力に応じて修正された初期音楽テンポ値を用いることができる。
なお、初期音楽テンポ値145[bpm]を修正して指定した音楽テンポ値を運動開始時の初期音楽テンポ値として保存した場合でも、数値自体は余り変わらない。しかし、実際に再生されて使用者が聴いていた音楽データが有する音楽テンポ値の値を保存する方が、好ましい。
同様に、図12(a)を参照して説明した、運動主段階における最速音楽テンポを修正して音楽テンポを指定した結果、再生されることになった音楽データHの音楽テンポ値209[bpm]を、運動主段階における最速音楽テンポ値(これも運動目標パラメータの一種といえる)として、1運動期間が終了した時にフラッシュROM(図5の12)に保存しておけばよい。
なお、最速音楽テンポ値を修正して指定した音楽テンポ値を最速音楽テンポ値として保存した場合でも、保存される数値自体は余り変わらない。しかし、実際に再生されて使用者が聴いていた音楽データが有する音楽テンポ値の値を保存する方が、好ましい。
一方、図12(b)を参照して説明した、主運動段階における音楽テンポの修正については、修正した年齢の値(身体情報)を、使用者の年齢(体力年齢)として、1運動期間が終了した時にフラッシュROM(図5の12)に保存しておけば、次回以降の運動時において、使用者の運動能力に応じて修正された運動計画に従って、音楽テンポ値が指定されることになる。なお、年齢の値に代えて、最大心拍数(運動目標パラメータ)を修正して保存してもよい。
使用者の体調は、その日その日で変化する。そのため、運動終了後に確認メッセージを表示し、運動者がこれらの修正された初期音楽テンポ値、運動主段階における最速音楽テンポ値といった運動目標パラメータ、使用者の年齢(体力年齢)といった身体情報の保存を許可した場合に、変更された設定値を保存することが望ましい。
図13は、図6(メイン処理)のS37(曲選択処理)を説明するフローチャートである。
この処理は、再生の開示時、音楽テンポを直ちに変更する指示があったとき、又は、現に再生されている音楽データが再生終了位置になったときに、図8(再生処理)のS69において、曲選択フラグがONとなることにより実行される。
音楽データを選択するために参照される条件は、次の通りである。上位の条件を満たすものが再生候補リストに登録され、登録されたものの中から、次の順位の条件を満たすものに絞り込まれる。
S101〜S109において判定する第1の条件は、図1,図2を参照して説明した第1の機能と関係する。あらかじめ優先確率が設定されたデータ形式(波形データ形式又は演奏データ形式)の音楽データであって、かつ、指示された音楽テンポ値と略同じ音楽テンポの音楽データであるという条件である。
S111〜S112において判定する第2の条件は、これまでの再生回数が少ない音楽データを選択するという条件である。
S114において判定する第3の条件は、図1,図2を参照して説明した第2の機能、第4の機能と関係する。使用者によりホールド操作された再生音楽データの曲調評価パラメータと略同じ曲調評価パラメータを有する音楽データであるという条件、又は、運動に適した曲調評価パラメータを有する音楽データであるという条件である。
S116において判定する第4の条件は、図1,図2を参照して説明した第3の機能と関係する。
使用者が好む曲を学習した結果得られる再生優先度ポイントに応じた再生確率で音楽データが選択されるという条件である。
以下、順を追って説明する。
S101において、再生候補リストを初期化する。
S102において、波形データ形式を優先する設定(図7(機器設定)のS58)であれば、S103に処理を進め、ミュージック・リスニングモードであれば、S104に処理を進め(この実施の形態では音楽テンポの値を条件としない)、S110以降の処理を波形データ形式の音楽データを処理対象として行い、そうでなければ、S105に処理を進める。
S105においては、フラッシュROM(図5の12)に保存されている複数の波形データ形式音楽データの中に、指示された音楽テンポの所定範囲内に、その音楽テンポの値を有する音楽データがあるか否かを判定する。
ここで、音楽テンポの値は、既に説明したように、図7のS51、又は、図8のS73又はS78においての指示される。直ちに変更するように指示される場合と、現に再生されている音楽データが再生終了位置になった後の次の音楽データを選択するときに指示される場合がある。
図9、図11、図12を参照して具体例を示したように、「指示された音楽テンポの値」に対し、例えば、「指示された音楽テンポの値」−3[bpm]以上、「指示された音楽テンポの値」+3[bpm]以下の範囲内に、その音楽テンポ値を有する波形データ形式の音楽データがあるか否かを判定する。
指示された範囲内に、その音楽テンポの値を有する波形データ形式の音楽データが少なくとも1個あれば、S104に処理を進め、なければ、波形データ形式が優先される場合でもS106に処理を進め、演奏データ形式の音楽データを処理対象として、S110以降の処理をする。
一方、上述したS102において、演奏データ形式を優先する設定(図7(機器設定)のS58)であれば、S107に処理を進め、優先選択確率が設定(図7(機器設定)のS58)されていれば、S108に処理を進め、その所定の優先選択確率に従って、優先設定を行う。
例えば、波形データ形式の音楽データの選択確率が75%に設定されていれば、75%の確率でS109からS103に処理を進め、25%の確率でS109からS106に処理を進める。
なお、上述した処理の前提として、指示され得る全ての値の音楽テンポに対し、指示された音楽テンポの値と略同じ値の音楽テンポ値を有する少なくとも1曲の演奏データ形式音楽データが保存されている。
なお、複数の演奏データ形式音楽データを保存しておく代わりに、指示された音楽テンポの値を有する演奏データ形式の音楽データを、自動生成してもよい。曲調選択する場合は、指示される曲調を有する演奏データ形式の音楽データを、自動生成してもよい。
なお、保存された演奏データ形式の音楽データ、自動生成された演奏データ形式の音楽データのいずれにおいても、演奏データ形式の音楽データに音楽テンポ値の範囲を設定する場合は、後述するS111において、指示された音楽テンポ値が、演奏データ形式の音楽データに設定されている音楽テンポ値の範囲に含まれているものを選択する。
S110において、ミュージック・リスニングモードでなければ、S111に処理を進め、指示された音楽テンポ値に対し、上述したS105と同じ条件(指示された音楽テンポの所定範囲内に、その音楽テンポの値を有する音楽データ)を満たす波形データ形式又は演奏データ形式の音楽データであって、再生回数の少ない音楽データを優先して、再生候補リストに登録し、S113に処理を進める。この処理の詳細は図15を参照して後述する。
一方、ミュージック・リスニングモードであれば、S112に処理を進め、全ての音楽データの中から、再生回数の少ないものを優先して再生候補リストに登録する。この処理は、S111において、音楽テンポを指定しない場合に相当するから、詳細な説明は省略する。
なお、再生回数の少ないものを優先させるか否かを、使用者の操作により設定してもよい。
S113において、自動曲調選択機能がON(図7(機器設定)のS58)であれば、S114に処理を進め、再生候補リストに登録された音楽データを最適な曲調のものに限定する。
すなわち、S111又はS112において再生候補リストに登録された再生候補音楽データの中で、指示されている曲調評価パラメータの値と略同じ値の曲調評価パラメータを有するものに限定して登録しなおす。詳細な処理は、図16,図17を参照して後述する。
S115において、ランダム再生ON(図7(機器設定)のS58)であれば、S116に処理を進め、再生候補リストに登録されている1又は複数の音楽データの中から、再生優先度ポイントに応じた選択確率で1個の音楽データを選曲し、S118に処理を進める。詳細な処理は、図18,図19を参照して後述する。
一方、ランダム再生OFFであれば、S117に処理を進め、再生候補リストに登録されている音楽データの中から、所定の条件、例えば、管理番号(図3に示した音楽管理データリストにおける管理番号)の値が最も小さい音楽データを選曲し、S118に処理を進める。なお、S112において、音楽データの再生回数の小さいものが再生候補リストに登録されるため、次にS112において処理されるとき、管理番号が最も小さい音楽データを選択するだけで、管理番号の順番で再生されることになる。
S118においては、S116又はS117にて選択された音楽データを、図5のフラッシュROM12から読み出してRAM13に書き込んで、図6のS38に処理を戻す。
図14は、図13(曲選択処理)のS111を説明するフローチャートである。
S121において、全ての音楽データについて、S125までの処理を実行する。
S122において、フラッシュROM(図5の12)に格納されている複数の波形データ形式音楽データの中に、指示された音楽テンポの値と略同じ値、言い換えれば、指示された音楽テンポの所定範囲内に、その音楽テンポ値を有するものを1曲ずつ抽出する。
S123において、例えば、セッション(運動モードでは、1回の連続運動期間、ミュージック・リスニングモードでは1回の連続再生期間)中のこれまでの再生回数を検出する。この再生回数は、図3に示した音楽管理データリストに保存されている。
再生回数がK回(Kは正整数であって、初期値は1)未満であるときは、S124に処理を進め、再生候補リストに、この音楽データを追加し、一方、再生回数がK回以上であれば、S124を実行することなくS125に処理を進め、再び、S121に戻り、S122において、指示された音楽テンポの所定範囲内の音楽テンポ値を有する、次の音楽データを抽出し、以下、同様の処理を実行する。
Kが初期値1である場合は、S122で抽出された、指示された音楽テンポの所定範囲内にある全ての音楽データが未再生であるとき、S124に処理を進め、再生候補リストにこの音楽データを追加することになる。
指示された音楽テンポの所定範囲内に音楽テンポ値のある全音楽データについて、上述した処理が終了したとき、S126に処理を進め、このとき、再生候補リストに登録されている音楽データの曲数を調べ、1曲以上あれば、S127に処理を進め、Kの値を初期値1に戻して、図13のS113に処理を戻す。
しかし、再生候補リストに登録されている音楽データが1曲もないとき、すなわち、指示された音楽テンポの所定範囲内にある音楽データは、全て1回以上再生していたときは、S128に処理を進め、K=K+1=2とし、再び、S121に処理を戻して、再度、S121〜S126の処理を実行する。この第2回目となる繰り返し処理においては、S123において、再生回数が2の音楽データが、再生候補リストに登録されることになる。
S126において、再生候補リストに登録されている音楽データが1曲もないとき、すなわち、指示された音楽テンポの所定範囲内にある音楽データは、全で2回以上再生していたときは、S128に処理を進め、K=K+1=3とし、再び、S121に処理を戻して、再度、S121〜S126の処理を実行する。
同様な繰り返し処理により、結局、指示された音楽テンポの所定範囲内にある音楽データのうち、これまでの1セッション中において、再生回数が最も小さな音楽データが、少なくとも1曲(最も小さな再生回数の音楽データが複数曲、存在する場合がある)選択されて、再生候補リストに登録されることになる。
図15は、図14のフローチャートにおける処理を具体例で示す説明図である。
指示された音楽テンポの値が160であったとき、その所定範囲(−3%以上+3以下)である、音楽テンポ値155.2以上164.8以内にある音楽データについて、再生回数を示している。
図示の例では、再生回数が最も小さい値が1であるから、音楽データの管理番号04,18,23,35,67,74,79,81が再生候補リストに登録される。
図16は、図13のS114(再生候補リストの音楽データを最適な曲調のものに限定する処理)を説明するフローチャートである。
図13のS113において、自動曲調選択がONであるとき、又は、ホールドフラグがONの場合に、以下の処理が実行される。
図17は、図16のフローチャートにおける処理を具体例で示す説明図である。
運動と曲調評価パラメータとの関係を表している。図示の例では、曲調評価パラメータ(エキサイト度)を1以上100以下の整数値であるとし、この範囲を3領域に分割している。
すなわち、ウォーミングアップ段階に適した曲調評価パラメータの範囲を70以上100以下とし、音楽のテンポを速く感じさせる曲調評価パラメータ値(アップテンポとなる値)を選択する。
クールダウン段階に適した曲調評価パラメータの範囲を1以上30未満とし、音楽のテンポを遅く感じさせる曲調評価パラメータの値(ダウンテンポとなる値)を選択する。
通常(ノーマル)段階に適した曲調評価パラメータの範囲を30以上70未満とし、中間の範囲とする。
図16のS131において、ホールドフラグがONであれば、S132に処理を進め、現に再生されている音楽データの曲調評価パラメータを基準にした所定範囲(例えば、−5を超えて+5以下の範囲)を指示する。S133において、ホールドフラグをOFFに戻してS134に処理を進める。
一方、S131において、ホールドフラグがOFFであれば、S135に処理を進め、S135において、運動段階を判定する。
判定の結果、ウォーミングアップ段階であれば、S136に処理を進め、図17に示す曲調評価パラメータの範囲(70以上100以下)を選択する。クールダウン段階であれば、S138に処理を進め、図17に示す曲調評価パラメータの範囲(1以上30未満)を選択する。その他のモード、すなわち、この実施の形態においては、アシストモードにおける主運動段階、フリーモード、又は、ミュージック・リスニングモードであれば、S137に処理を進め、図17に示した曲調評価パラメータの範囲(30以上70未満)を選択する。
次に、S139に処理を進め、上述した運動段階が変化したか否かを判定する。
ここで、運動段階が変化したときはS104に処理を進め、上述したS136,S137,S138において選択された曲調評価パラメータ範囲を、そのまま、運動に適したものとして指示する。運動段階が変化していなければ、さらに、S141に処理を進めて、運動ペースが変化したか否かを判定する。ミュージック・リスニングモードにおいては、運動ペースの変化無しと判定する。
運動ペースは、フリーモードにおいては、反復運動テンポ検出器16(図5)により、いつも反復運動テンポが検出されているから、反復運動テンポの値が増加したときは、運動ペースが上がったと判定し、反復運動テンポの値が減少したときは、運動ペースが下がったと判定する。
一方、アシストモードにおいて、反復運動テンポを検出するようにすれば、フリーモードと同様に運動ペースが上がったか下がったかを判定できる。
しかし、反復運動テンポを検出しない場合は、心拍数検出器17(図5)により検出される実績心拍数が増加したときには運動テンポが上がったと判定し、実績心拍数が減少した時に運動テンポが下がったと判定する。
運動ペースの変化率の値を3つの所定範囲に分けることにより、運動ペースのペースアップ、キープ、ペースダウンの判定を行う。なお、フリーモードとアシストモードとで、相対範囲の設定値が異なっていてもよい。
S141において、ペースアップのときはS142に処理を進め、ペースアップ時に曲調評価パラメータを現在値から変更する所定の相対範囲(現在値を基準にした相対範囲)を選択する。
図17において、現在の運動段階に応じて、曲調評価パラメータの現在値として7通りの現在値a〜eを例示している。図示の例では、いずれの範囲にある現在値a〜eに対しても、相対範囲を曲調評価パラメータの現在値から+5を超えて+15以下の範囲としている。
S141において、キープ(運動ペース維持)のときは、S143に処理を進め、キープ時に曲調評価パラメータを現在値から変更する所定の相対範囲を選択する。いずれの範囲にある現在値a〜eに対しても、相対範囲を曲調評価パラメータの現在値から−5を超えて+5以下の範囲としている。
一方、ペースダウン時には、S144に処理を進め、ペースダウン時に曲調評価パラメータを現在値から変更する所定の相対範囲を選択する。いずれの範囲にある現在値a〜eに対しても、相対範囲を曲調評価パラメータの現在値から+5を超えて+15以下の範囲としている。
上述したS142〜S144から処理を進めるS140においては、S136〜S138において選択された運動段階に応じた曲調評価パラメータの範囲(絶対範囲)の条件と、S142〜S144において選択された範囲(相対範囲)の条件とを同時に満足するものを、運動に適した曲調評価パラメータの範囲として指示する。
従って、図17に斜線を付した領域は、隣の運動段階に対応した曲調評価パラメータの範囲に移動するために除外される。
図17に示した例では、クールダウン段階、ノーマル段階、ウォーミングアップ段階に適した曲調評価パラメータの範囲に重なりがない。しかし、部分的に重なるように範囲を設定してもよい。
また、ペースアップ時、キープ時、ペースダウン時の相対範囲を、現在値を中心に正負対称の範囲としたが、現在値を基準にするものの、正方向負方向に非対称であってもよい。また、この相対範囲の幅を、ペースアップ時、キープ時、ウォームアップ時とで、それぞれに応じて異な長さにしてもよい。
S134においては、再生候補リストに登録されている全音楽データにつき、以下のS148までの処理を繰り返し実行し、全音楽データについて同じ処理をした後は、S149に処理を進める。再生候補リストは、図13(曲選択)のS111(図14)において、音楽テンポ及び再生回数の条件を満たすものとして作成されている。
S145においては、再生候補リストに掲載されている全音楽データの中から、音楽データを1曲ずつ抽出する。
S146において、抽出された音楽データの曲調評価パラメータが、S132又はS140において指示された曲調評価パラメータの所定範囲内にあるか否かを判定する。この範囲内にあればS147に処理を進め、一時候補リストにこの音楽データを追加し、上述した所定の範囲内になければ、S148からS134に処理を戻す。この一次候補リストは、S134からS148までの処理過程において使用している。
S149において、一時候補リストに音楽データが1曲以上あるか否かを判定する。あればS150に処理を進め、一時候補リストの内容を用いて再生候補リストの内容を全面的に書換えることにより、再生候補リストを更新し、図13のS115に処理を戻す。
一方、S149において、一時候補リストに1曲も登録されていない場合は、S151に処理を進め、S132又はS144において指示された最適曲調パラメータの所定範囲を、例えば、この所定範囲の中心を基準として幅を33%拡張する。
次のS152において、拡張した後の最適曲調パラメータ範囲が、最適曲調パラメータの全範囲(1以上100以下の範囲)になっていなければ、言い換えれば、1以上100以下の範囲をを含んでいなければ、S134に処理を戻し、拡張した後の最適曲調パラメータ範囲を新たな基準としてS134からの処理を再度実行する。拡張した後の最適曲調パラメータ範囲が全範囲になれば、結局、再生候補リストに最適曲調の音楽データが無いことを意味するから、曲調評価パラメータについて条件を付けないで、元の再生候補リストを変更しないまま、図13のS115に処理を戻す。
図15に示した具体例を用いて説明する。運動段階が主運動期間であって、現在の曲調評価パラメータの値が現在値c(50)であって、運動ペース変化が「キープ」であれば、曲調評価パラメータの範囲は、45を超え55以下となる。その結果、管理番号04,18,35,79,81の音楽データが更新された再生候補リストに登録されている。
図18は、図16,図19の処理を具体例で示す説明図である。
図15に示した具体例において、再生候補リストに登録されている管理番号04,18,35,79,81の音楽データについて、その再生優先度ポイントと、再生優先度ポイントに応じた再生確率を計算する過程のパラメータ値を示している。
図3に示した音楽管理データには、再生優先度ポイントが記述されている。この再生優先度ポイントは、音楽データがフラッシュROM12(図5)に取り込まれた際に、初期値が与えられる。典型的には、音楽データの内容を考慮せずに、一律に同じ値が与えられる。
音楽データがあらかじめフラッシュROM12(図5)に格納された状態で工場出荷される場合も、再生優先度ポイントとして同じ値の初期値が与えられている。図示の例では、初期値を10ポイントとしている。
図7(機器設定)のS48,S49を参照して説明したように、ある音楽データが再生されているときに、スキップ操作があったときは再生優先度ポイントを減らし、頭出し操作があったときは再生優先度ポイントを増やす処理をしていた。
例えば、管理番号18の音楽データが再生されており、その再生優先度ポイントが10であったときに、スキップ操作がなされると、再生優先度ポイントを−1(所定値を減算)して9に変更する。一方、管理番号79の音楽データが再生されており、その再生優先度ポイントが11であったとき、頭出し操作がなされると、再生優先度ポイントを+1(所定値を加算)して12に変更する。
複数の音楽データを再生している間に、図3(b),(c)の音楽管理データリストにおいて、スキップ操作又は頭出し操作により、各音楽データの再生優先度ポイントが更新される。
なお、再生優先度ポイントは、フラッシュROM12に格納された時点の初期値が、使用者のスキップ操作、頭出し操作によって逐次更新される。これに代えて、本装置の電源スイッチをオンにしたとき、図3(b),(c)の音楽管理データリストの再生優先度ポイントを全て初期値にリセットしてもよい。
あるいは、再生優先度ポイントのリセット操作、又は、使用者の操作に応じて初期値にしてもよい。また、使用者が、各音楽データに任意の再生優先度ポイントを与える設定機能を設けてもよい。
図19は、図13(曲選択)のS116(再生優先度に応じた再生確率で選曲する処理)を説明するフローチャートである。
S161において、再生確率母数の初期値を0とする。再生確率母数とは、再生確率の分母とする数値である。
S162において、再生候補リストにある全ての音楽データについて、S166までの処理をした後に、S167に処理を進める。結果として、全ての音楽データの再生優先度ポイントを累積加算することになる。
S163において、使用者が好む曲を学習する機能(図2の第3の機能)がON(図7(機器設定)のS58)であるか否かを判定し、ONであればS164に処理を進める。
S164において、図18に示した再生候補リストに登録された各音楽データについて、それぞれの再生優先度ポイントを再生確率母数に加算することにより再生確率母数を更新する。
一方、上述した学習機能がOFFであるときは、S165に処理を進め、再生候補リストに登録された各音楽データに対して、所定の等しい再生優先度ポイントを、例えば、1に設定し(図3の音楽管理データリストに保存されている再生優先度ポイントは更新しない)、所定の等しい再生優先度ポイントを、繰り返し処理中に毎回、再生確率母数に加算することにより再生確率母数を更新する。
S165の処理は、一様なランダム選択を、S166以下の処理により実現するためのものである。これに代えて、学習機能がOFFであることを、S162よりも先に判定し、S162〜S166の処理に代えて、各音楽データの再生確率を、1/(再生候補リスト中の音楽データの曲数)としてもよい。
S167以下の処理は、再生中の音楽データに対して行われたスキップ操作/頭出し操作の回数に応じて更新されている再生優先度ポイントの値を用いて各音楽データの再生確率を決定し、使用者の好みを反映した選択確率で再生をするための処理である。
まず、S167において、1個の乱数値を発生させる。乱数値は一様に分布する乱数であり、図示の例では、1以上100以下の値をとるように設定されている。
S168において、再生確率比較値を初期設定して0とする。再生確率比較値とは、S167で得られた乱数値と比較するための数値であって、以下の繰り返し処理により各音楽データに対して割り当てられる。
S169において、再生候補リストにある全音楽データにつき、以下のS172までの処理をS172に示した条件付きで繰返処理し、S173に処理を進める。
S170において、各曲の再生確率を次式で計算する。
再生確率(図示の例では%で表現している)=(再生優先度ポイント/確率母数)×100
S171において、S170で計算された再生確率の値を再生確率比較値に加算する。
S172において、S171において得られた再生確率比較値よりもS167において得られている乱数値の方が大きい間は、S169に処理を戻すが、再生確率比較値の方が大きくなれば、S173に処理を進め、繰返処理を終了したときの管理番号を取得し、この管理番号の音楽データを、再生する音楽データとして選択する。
上述した図18には、S172の条件を設けずに全音楽データについて繰返処理をしたと仮定した場合の、ループ回数、再生確率、再生確率比較値を示している。
再生候補リストの最初の音楽データから順番に繰返処理を実行した場合、ループ回数1(最初の処理)のときは、音楽データ(管理番号04)の再生確率20と再生確率比較値20とが計算され、以下、ループ回数5のとき、音楽データ(管理番号81)の再生確率20と再生確率比較値100とが計算される。
上述した具体的数値において、例えば、S167において乱数値5が発生していた場合は、ループ回数1のときに、S172において繰返処理が終了し、S173に処理を進め、繰返処理終了時の管理番号を取得する。すなわち、ループ回数1により、管理番号04の音楽データが選択される。
また、S167において乱数値70が発生していた場合は、ループ回数4のときに、S172において繰返処理が終了し、S173に処理を進め、繰返処理終了時の管理番号を取得する。すなわち、ループ回数4により、管理番号79の音楽データが選択される。
S167において発生する乱数は、1から100までの値を一様に発生するのに対し、隣接する再生確率比較値の間隔は、この間隔に対応する再生候補リストの音楽データの再生確率に比例した大きさになっている。その結果、再生確率の値に比例して選択される確率が高くなる。
その結果、使用者がその再生中にスキップ操作をした音楽データほど、その後に選択される確率が小さくなり、使用者がその再生中に頭出し操作をした曲ほど、その後に選択される確率が大きくなる。
上述した説明では、反復運動の例として、ウォーキング、ジョギング、ランニングを説明した。
しかし、自転車型エルゴメータ(ergo meter)、トレッドミル(tredmill)、ストレングスマシン(strength machine)等のトレーニング機械を使用した運動、体操、ダンスなどの、反復運動をしながら音楽を聴く場合に本発明を適用できる。反復運動の種類に応じて、加速度センサを人体の適切な部分に装着するとともに、反復の1ステップとする加速度特性を決め、この反復の1ステップを検出するアルゴリズムを設計すればよい。
この場合、フリーモードにおいては、歩行ピッチに替えて、それぞれの反復運動に応じて、その単位となる反復の1ステップ時間により決まる反復運動テンポ(単位時間当たりの繰り返し数)を検出する。アシストモードにおいては、歩行ピッチの初期値に代えて反復運動テンポの初期値を設定する。目標運動強度(目標心拍数)は、同様に設定する。
上述した説明では、楽音データの音楽内容についてまでは説明しなかった。その音楽内容は、楽器演奏である場合に限らず、ボーカルのみ、伴奏付きボーカルなど、拍(ビート)が感じられるものであればよい。必要に応じて、音楽ジャンルを設定し、設定された音楽ジャンル内で、適切な音楽テンポを有する音楽データを選択するようにしてもよい。
上述した説明では、複数の音楽データをその音楽テンポで再生することを前提に説明した。しかし、上述した説明において、反復運動テンポ又は心拍数に応じて音楽テンポを指示する技術、ウォーミングアップ段階や、クールダウン段階において、音楽テンポを指示する技術は、図1,図2を参照して説明した第5の機能と同様に、報知信号の反復報知テンポを変更する技術、あるいは、従来のように、所定の音楽データをそのオリジナル音楽テンポを変更して再生したりするといった技術を前提にした場合にも適用できる。
本発明の実施の一形態を説明するための機能構成図である。 図1に示した構成により実現される機能を示す説明図である。 図1に示したデータ記憶部のデータ構造を示す説明図である。 図1、図3に示したデータ記憶部に格納された音楽データの曲内容を模式的に示す説明図である。 図1に示した本発明の実施の一形態を実現するハードウエア構成図である。 本発明の実施の一形態の動作例を示すメイン処理のフローチャートである。 図6のS33を説明するフローチャートである。 図6におけるS35を説明するフローチャートである。 図8のS73を具体例で示す説明図である。 図1に示した設定部3に対する設定項目の一例を示す説明図である。 図8のS89を具体例で示す第1の説明図である。 図8のS89を具体例で示す第2の説明図である。 図6のS37を説明するフローチャートである。 図13のS111を説明するフローチャートである。 図14の処理を具体例で示す説明図である。 図13のS114を説明するフローチャートである。 図16の処理を具体例で示す説明図である。 図16,図19の処理を具体例で示す説明図である。 図13のS116を説明するフローチャートである。
符号の説明
1…音楽データ取得部、2…データ記憶部、3…設定部、4…反復運動テンポ検出部、5…心拍数検出部、6…音楽テンポ及び曲調指示部、7…再生制御部、8…音楽データ再生部、11…CPU、12…フラッシュROM、13…RAM、14…操作部、15…表示部、16…反復運動テンポ検出器、17…心拍数検出器、20…音楽データ再生回路、22…パーソナルコンピュータ、23…サーバ装置

Claims (7)

  1. 使用者の反復運動中に前記使用者に適した反復報知テンポを有する報知信号を報知装置に出力させる報知制御装置において、
    前記使用者によるペースアップ操作又はペースダウン操作を検出する操作検出手段と、
    前記使用者に適した反復報知テンポを指示するためのパラメータの値として、前記反復運動の運動開始時における反復報知テンポの値を設定する設定手段と、
    該設定手段から前記運動開始時における反復報知テンポの値を取得し、
    前記運動開始時において、取得した運動開始時における反復報知テンポの値を指示するとともに、
    前記運動開始後の所定時間内であるウォーミングアップ段階において、前記操作検出手段により、前記ペースアップ操作が検出されたときは、前記報知装置により現に報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも大きな値の反復報知テンポを指示し、前記ペースダウン操作が検出されたときは、前記報知装置により現に報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも小さな値の反復報知テンポを指示する反復報知テンポ指示手段と、
    前記反復報知テンポ指示手段により前記反復報知テンポの値が指示されたとき、前記指示された反復報知テンポの値と略同じ値の反復報知テンポを有する報知信号を前記報知装置に出力させる報知制御手段、
    を有することを特徴とする報知制御装置。
  2. 前記操作検出手段は、前記使用者による前記パラメータの確定操作を検出し、
    前記設定手段は、前記反復運動の終了後、前記操作検出手段により前記確定操作が検出されたとき、前記反復運動の運動開始後所定時間内であるウォーミングアップ段階において、前記反復報知テンポ指示手段が前記反復報知テンポの値を変更したことにより変更された、前記報知信号が有する反復報知テンポの値を、前記反復運動の運動開始時における反復報知テンポの値として保存する、
    ことを特徴とする請求項に記載の報知制御装置。
  3. 使用者の反復運動中に前記使用者に適した反復報知テンポを有する報知信号を報知装置に出力させる報知制御装置において、
    前記使用者によるペースアップ操作又はペースダウン操作を検出する操作検出手段と、
    前記使用者に適した反復報知テンポを指示するためのパラメータの値として、前記反復運動における最速反復報知テンポの値を設定する設定手段と、
    該設定手段から前記反復運動における最速反復報知テンポの値を取得し、前記反復運動中において、取得した最速反復報知テンポの値以下の範囲で前記反復報知テンポの値を指示するとともに、
    前記反復運動中において、前記最速反復報知テンポの値を指示しているときに、前記操作検出手段により、前記ペースアップ操作が検出されたときは、前記報知装置により現に報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも大きな値の反復報知テンポを指示するとともに、指示した反復報知テンポの値を前記最速反復報知テンポの値とし、前記ペースダウン操作が検出されたときは、前記報知装置により現に報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも小さな値の反復報知テンポを指示するとともに、指示した反復報知テンポの値を前記最速反復報知テンポの値とする反復報知テンポ指示手段と、
    前記反復報知テンポ指示手段により前記反復報知テンポの値が指示されたとき、前記指示された反復報知テンポの値と略同じ値の反復報知テンポを有する報知信号を前記報知装置に出力させる報知制御手段、
    を有することを特徴とする報知制御装置。
  4. 前記操作検出手段は、前記使用者による前記パラメータの確定操作を検出し、
    前記設定手段は、前記反復運動の終了後、前記操作検出手段により前記確定操作が検出されたとき、前記反復運動中において、前記反復報知テンポ指示手段が前記最速反復報知テンポの値を変更したことにより変更された、前記報知信号が有する反復報知テンポの値を、前記反復運動における最速反復報知テンポの値として保存する、
    ことを特徴とする請求項に記載の報知制御装置。
  5. 前記使用者の心拍数を検出する心拍数検出手段を有し、
    前記設定手段は、前記パラメータの値として、前記使用者の年齢、安静時心拍数、初期反復報知テンポ、及び、目標運動強度の各値を設定するものであり、ここで、前記初期反復報知テンポは、前記反復運動の運動開始時における反復報知テンポであり、
    前記反復報知テンポ指示手段は、前記設定手段から前記使用者の年齢、安静時心拍数、初期反復報知テンポ、及び、目標運動強度の各値を取得し、前記反復運動中において、取得した初期反復報知テンポの値を最初に指示し、前記心拍数検出手段により検出された心拍数の値と、取得した目標運動強度、使用者の年齢、安静時心拍数の各値に応じて決定される目標心拍数の値、との差が小さくなるように、前記反復報知テンポの値を指示するとともに、
    前記反復運動中において、前記操作検出手段により、前記ペースアップ操作が検出されたときは、前記現に報知装置により報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも大きな値の反復報知テンポを指示した後、前記目標心拍数の値を前記心拍数検出手段により検出される心拍数の値に変更し、
    前記ペースダウン操作が検出されたときは、前記現に報知装置により報知されている報知信号が有する反復報知テンポの値よりも小さな値の反復報知テンポを指示した後、前記目標心拍数の値を前記心拍数検出手段により検出される心拍数の値に変更するものである、
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の報知制御装置。
  6. 前記操作検出手段は、前記使用者による前記パラメータの確定操作を検出し、
    前記設定手段は、前記反復運動の終了後、前記操作検出手段により前記確定操作が検出されたとき、前記反復運動中において、前記反復報知テンポ指示手段が変更した目標心拍数の値を最初から取得できるように、前記使用者の年齢の値を変更して保存するとともに、前記安静時心拍数、前記初期反復報知テンポ、及び、前記目標運動強度の各値を保存する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の報知制御装置。
  7. 複数の音楽データがそれぞれの音楽テンポとともに音楽データ記憶装置に格納されており、
    前記報知装置は音楽再生装置であり、
    前記報知制御手段は、再生制御装置であって、前記反復報知テンポ指示手段により反復報知テンポの値が指示されたとき、前記反復報知テンポ指示手段により指示された反復報知テンポの値と略同じ値の音楽テンポを有する音楽データを、前記音楽データ記憶手段に格納された複数の音楽データの中から選択し、前記音楽再生装置に再生させるものである、
    ことを特徴とする請求項1からまでのいずれか1項に記載の報知制御装置。
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