JP4733402B2 - 調光光学要素 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の波長または波長体の光の透過率または吸光度を制御しつつ光の透過、屈折、集光、拡散などを制御する調光光学要素である。
古くから「五感」として呼ばれる視覚、聴覚、皮膚感覚、臭覚、味覚のうち、われわれ人間が人体外部の環境から得る情報の80%が視覚を通じて得られていると言われているほど、視覚は人間の生活と切り離すことのできない感覚である。(非特許文献1。)この視覚を司っている人体器官としては、眼のほかに、脳の松果体および視床下部が光の受容体であることがわかっているが、松果体は、フランスの哲学者デカルトが「精神の座」と称したほど、人間の精神・生理と密接にかかわっている。(非特許文献2。)このことは、たとえ自然光ではあっても照りつける真夏の陽光が眩しく不快に感じたり、人工光である白色蛍光灯の光に照らされた食べ物も、わずかに赤味のある光とすることによって美味のように感じて食欲を増進するなど、人間の日常生活の中で極めて身近なものである。
一方、光は、光の透過、屈折、集光、拡散などを制御するさまざまな光学要素を介して人間に受容され得る。光学要素は、例えば、眼鏡に用いられるレンズ、各種照明器具に用いられるカバーや照明窓、テレビ受像機に用いられる光学フィルター、溶接などの工業や医療などのゴーグルに用いられる窓またはレンズ等、種々挙げられるが、これら事例にとどまらず、さまざまな光学機器において光の透過、屈折、集光、拡散などを制御する重要な機能を有する。このような光学要素は、通常、可視光に対して高い透過率を有しているが、調光レンズ、調光ガラスなどのように自然光やさまざまな人工光の透過率または吸光度を制御することを目的として用いられる光学要素も数多く、調光光学要素と総称されている。
上記例示の眼鏡用レンズのうち、サングラス用レンズは、強い光量を減ずることによって眩しいという不快感を軽減するものであり、調光光学要素の最も代表的な例である。特に、波長400〜500nmの光量を減ずることにより、防眩効果の高いサングラスが得られる。同じ眼鏡用レンズではあるが、通常の人の目が有する感度曲線と異なる感度曲線を先天的に有しているために色の識別が困難になることがある視覚障害者に対しては、特定の波長の光に対して選択的に吸光度を増大させることによって視覚異常者の視感度にあわせて光の透過率を調整する矯正用レンズがある。また上記例示の照明窓またはカバーのうち、自動車用ヘッドライトなどのようにハロゲンランプを用いた照明に関して、波長約560〜600nmの光の透過率を抑制することによって、防眩効果の高い窓やカバーが得られる。
このように、特定の波長または波長帯の光の透過率または吸光度を制御する手法として、色素などさまざまな吸光材料を光学要素に形成する材料にドープする手法が知られている。中でも、希土類金属または希土類元素と総称されるスカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロムチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホロミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム又は/及び第4周期遷移金属のバナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅は、各元素ごとに固有の波長帯において急峻かつ大きな吸収スペクトルを呈するため、用途や目的に応じて特定の波長または波長帯の光の透過率または吸光度を制御するためのドープ材料として優れていることが知られている。このような希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の特徴を利用した発明としては、ネオジウムの酸化物(Nd2O3)をガラス中にドープしてコントラスト増強ガラス、およびこれを用いたレンズ(特許文献1、2参照)や窓(特許文献3参照)、自動車用ヘッドライト(特許文献4参照)、ホロミウム、プラセオジウム、ジスプロシウムなど各種希土類元素をガラスにドープした光フィルタ(特許文献5参照)など、数多く出願されている。
一方、光の透過、屈折、集光、拡散などを制御するさまざまな光学要素を構成する材料として、成形加工性や経済性、軽量性に優れる高分子材料の普及が進んでおり、眼鏡用軽量レンズ、光ディスク装置用レンズなど、現代社会に不可欠の材料技術となっている。したがって、前段落で見たような希土類金属又は/及び第4周期遷移金属がドープされてなる光学要素に関しても、高分子材料を用いたものが求められている。
しかしながら、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属は有機媒質中において溶解・分散されにくいという性質を有しているため、希土類特有の光透過・吸収特性を発現する、高分子材料を母材とする光学要素の実用化を阻んできた。
このような問題を解決するために、従来、(a)ピリジン類、フェナントロリン類、キノリン類、β−ジケトンなどの有機配位子と希土類金属又は/及び第4周期遷移金属との錯体を形成することにより、有機媒質中への希土類金属又は/及び第4周期遷移金属を分散させる、(b)希土類金属又は/及び第4周期遷移金属を有機包摂化合物中にとりこんだのち有機媒質中に分散させる、(c)希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の重合成モノマを用いて重合体を生成する、などの有機無機複合体合成手法が提案されてきた。
(a)や(b)のような手法としては、必ずしも本発明が目的とする調光光学要素への応用を目的としたものではないが、非特許文献3および4など、多くの提案がなされている。しかしながら、これらの方法に拠った場合、有機配位子や有機包摂化合物に由来する紫外光領域での吸収が大きくなりやすく、有機配位子や有機包摂化合物から母材高分子材料へのエネルギー移動や、有機配位子や有機包摂化合物中の分子鎖切断に伴うラジカル発生などによって母材高分子材料の紫外線劣化を誘発するという問題が生じる。また、このような有機配位子や有機包摂化合物の多くは原料価格が高く、高分子光学要素の特徴である経済性の高さを損ねる。
また、(c)の手法としては、希土類金属の(メタ)アクリル酸塩とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとフタル酸、及びこれらと共重合可能な重合性モノマとを混合したのち重合させて重合体を生成する手法が知られている。(特許文献6参照。)しかしながら、この手法に拠った場合、母材として用いることのできる高分子材料が、アクリル樹脂、スチレン樹脂などごく限られた高分子に限定されてしまい、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などさまざまな高分子材料を母材として発展してきた高分子光学要素に対するニーズを満たすことができないという問題が残る。

特開平08−301632号公報 米国特許第6604824号公報 米国特許第6416867号公報 米国特許第5961208号公報 米国特許第4106857号公報 特開2004−226913号公報 松田隆夫『視知覚』培風館(1995年) 大石正編『光と人間』朝倉書店(1999年) L.H.Slooffら、Journal of Applied Physics, 第83巻、497頁(1998) Y.Hasegawaら、Chemistry Letters、(1999)、35頁
以上のように、さまざまな方法によって希土類金属又は/及び第4周期遷移金属を有機重合体中にドープされてなる有機無機複合体の合成手法が提案されてきたが、紫外領域での吸収に起因する母材高分子材料劣化の抑制、多様な高分子材料への希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の高濃度ドープ化、さらには、高分子光学要素の特徴である成形加工性、軽量性、経済性の確保の5点をすべて満たしながら調光光学要素として用い得る材料は知られていない。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、(1)希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の高濃度ドープが可能で、(2)母材高分子材料の紫外光劣化を誘起せず、(3)高い成形加工性、軽量性、経済性が確保された希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体を用い、特定の波長または波長帯の光の透過率や吸光度を制御するために用いられる調光光学要素を提供することである。
本願発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した。その結果、本発明者等が発明し、特願2004−197711にて出願した有機無機複合体その他を適用することによって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る調光光学要素は、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に他の金属種が酸素を介して配位されてなる無機分散相が有機重合体と複合化された、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体を用いた光学要素である。これによって、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の高濃度ドープが可能になる。また、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属自身の吸収が紫外光領域にあっても、紫外光を吸収した希土類金属の励起状態エネルギーが、酸素を介して他の金属が配位されてなる本発明の配位子を介して母材高分子材料に移動されることはなく、また、配位子そのものの開裂にともなうラジカル発生もおこらない。さらに、本発明の実施に必要な原材料は入手容易性や経済性が高く、かつ、さまざまな高分子材料中への希土類金属又は/及び第4周期遷移金属ドープを可能にするため、高分子光学要素の特徴である経済性、成形加工性、軽量性を損なうことがない。
請求項1に記載の調光光学要素は、上記の課題を解決するために、少なくとも1種の希土類金属又は/及び第4周期遷移金属が有機重合体中に分散されてなる複合体であって、該希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に他の金属種が酸素を介して配位してなることを特徴としている。
上記の構成によれば、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に他の金属種を酸素を介して配位させることによって有機重合体中への高濃度ドープが可能になる。また、他の金属種が酸素を介して配位されることにより、有機重合体中のCH基やOH基と希土類金属との間のエネルギー移動を抑制する。
希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の有機重合体中への分散を目的とした配位化合物の適用は、上記従来技術にも記載されており、一般的に金属配位可能な酸素又は窒素を介して有機化合物の配位が行われる。しかしながら、有機化合物を配位子とした配位では、上記に示した有機重合体中のCH基やOH基と希土類金属又は/及び第4周期遷移金属との間のエネルギー移動を抑制する事が出来ない。
本発明において希土類金属は、その他の金属種に結合した酸素を介して配位されている。
本発明の無機分散相は、模式的に図2のように示される。同図に示すように、本発明の調光光学要素に用いられる希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体は、酸素を介して他の金属種(3)が配位してなる希土類金属又は/及び第4周期遷移金属(2)からなる無機分散相と、図示しない有機重合体とを含む複合体によって形成されている。ここで、該分散相において重要なことは、酸素を介した隣接位置への同種の希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の存在を可能な限り低減することである。従って、酸素および他の金属種からなる配位子の数や種は固定されたものではなく、化学量論的に見て厳密に図2のような分子構造に限られるものではない。
本発明に係る有機重合体は、光学材料等に用いられる場合には、光学的に透明(透過性)を有していることが望ましい。有機重合体の透過率は透過性を有している範囲であれば特に限定されないが、透過率として30〜100%であることが好ましく、80〜100%であることがさらに好ましい。
また、本発明の調光光学要素に用いられる希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体は、酸素を介した隣接位置に同種の希土類金属の存在を可能な限り低減することが可能であれば、会合構造をとることも可能である。ここで、図2中のRは、アルキル基、アセチル基などのアルキルカルボニル基、水素などである。
請求項2に記載の調光光学要素は、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属と、これに他の金属種が酸素を介して配位してなる無機分散相全体の直径が0.1〜1000nmであることを特徴としている。
上記の構成によれば、酸素を介して他の金属が希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に配位してなる希土類金属分散相の平均直径が上記範囲内であることで、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体中を透過する光の波長と比較して同直径が相対的に小さくなるため、希土類又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体の高い透明性を確保することができる。
請求項3に記載の調光光学要素は、上記の課題を解決するために、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の割合が、固形分換算で、有機重合体と、希土類金属およびこれに他の金属種が酸素を介して配位してなる無機分散相と、の総量の90重量%以下であることを特徴としている。
上記の構成によれば、他の金属種が酸素を介して配位された希土類金属の2次凝集による光の散乱損失を来たすことがなく、本発明が深くかかわる光学機能応用分野において高い光透過性を発現させることができる。
請求項4に記載の調光光学要素は、上記の課題を解決するために、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に酸素を介して配位する金属が、3B族、4A族、5A族金属からなる群より選ばれた1種もしく2種以上の元素であることを特徴としている。
上記の構成によれば、酸素を介してなる希土類金属への他の金属種の配位を容易にし、有機重合体中への分散と、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の発光過程における消光の抑制を効果的に発現しえる。
請求項5に記載の調光光学要素は、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属と、これに酸素を介して他の金属種を希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に配位してなる無機分散相が、希土類金属塩と他の金属アルコキシドによって形成されてなることを特徴とする。
上記構成により、酸素を介して他の金属種が希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に配位してなる分散相が効率よく形成される。
本発明の調光光学要素に用いられる希土類又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体は、以上のように、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に他の金属種が酸素を介して配位された希土類金属又は/及び第4周期遷移金属を含む分散相と、有機重合体とを含む構成である。
それゆえ、希土類金属が高濃度でドープされてなり、かつ吸収された紫外光のエネルギー移動や分子鎖切断に伴う母材高分子材料の劣化を誘起することなく、光学的透明性や特定の波長または波長帯の光に対する透過・吸収性制御の確保が満たされた調光光学要素を提供できるという効果を奏する。
本発明の調光光学要素とは、さまざまな光学機器において光の透過、屈折、集光、拡散などを制御する重要な機能を有する光学要素の総称である。このような調光光学要素は、通常、可視光に対して高い透過率を有しているが、調光レンズ、調光ガラスなどのように自然光やさまざまな人工光の透過率または吸光度を制御することを目的として用いることができる。
図1(a)〜(d)は、本発明の調光光学要素の代表例を示した説明図である。図1(a)では、調光光学要素が、レンズ1aとして眼鏡用レンズに用いられている。図1(b)では、調光光学要素は、各種照明器具に用いられるカバー1b(または、照明窓)である。図1(c)は、溶接などの工業や医療などのゴークルに用いられるレンズ1c(または、窓)を示す図である。図1(d)は、調光光学要素がテレビ受像機で用いられる光学フィルター1dである図である。
図1(a)に示された眼鏡用のレンズ1aのうち、サングラス用レンズは、強い光量を減ずることによって眩しいという不快感を軽減するものであり、調光光学要素の最も代表的な例である。特に、波長400〜500nmの光量を減ずることにより、防眩効果の高いサングラスが得られる。同じ眼鏡用レンズではあるが、通常の人の目が有する感度曲線と異なる感度曲線を先天的に有しているために色の識別が困難になることがある視覚障害者に対しては、特定の波長の光に対して選択的に吸光度を増大させることによって視覚異常者の視感度にあわせて光の透過率を調整する矯正用レンズがある。図1(b)に示した照明窓またはカバーのうち、自動車用ヘッドライトなどのようにハロゲンランプを用いた照明に関して、波長約560〜600nmの光の透過率を抑制することによって、防眩効果の高い窓やカバーが得られる。
本発明の調光光学要素に用いられる希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体は、特定の波長または波長体の光の透過率または吸光度を制御しつつ光の透過、屈折、集光、拡散などを制御する調光光学要素に好適に用いられる希土類金属又は/及び第4周期遷移金属と有機重合体の複合体であって、他の金属種が酸素を介して配位してなる無機分散相(希土類金属又は/及び第4周期遷移金属分散相)と有機重合体とを含んでいる。
本発明の調光光学要素に用いられる希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体の構成としては、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に酸素を介して配位可能な金属、および有機重合体とを含む複合体であれば、どのような組合せであってもよい。
希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に他の金属種が酸素を介して配位してなる無機分散相の形成手法は、特に限定されるものではないが、例えば、希土類金属塩と金属アルコキシドの反応により形成される。
酸素を介して他の金属に配位されてなる無機分散相と有機重合体との複合体は、例えば、上記の金属アルコキシドと希土類金属塩又は/及び第4周期遷移金属塩との反応で形成された無機分散相と有機重合体とを混合・分散することにより調整できる。
[希土類金属]
希土類金属としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロムチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホロミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムのすべてが用いられる。
[第4周期遷移金属]
第4周期遷移金属としては、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅が用いられる。
希土類金属及び第4周期遷移金属は、いずれか1種のみを用いてもよく2種以上を複合して用いてもよい。
[酸素を介して希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に配位する他の金属種]
他の金属種は、酸素を介して希土類金属に配位可能な元素であり、目的とする特性に悪影響を与えなければ特に限定されないが、好ましくは、3B族、4A族、5A族金属が用いられる。より好ましくは、アルミニウム、ガリウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタルが用いられる。
[無機分散相の作製]
無機分散相の形成方法は、目的とする希土類への酸素を介した金属の配位が形成可能であれば特に限定されるものではない。例えば、希土類又は/及び第4周期遷移金属原料と配位可能な金属原料を混合した後、加熱処理、粉砕する方法(出発原料としては、金属塩、水酸化物、酸化物などが用いられる)、希土類金属塩又は/及び第4周期遷移金属塩と配位可能な金属塩を溶剤に溶かした後、加水分解により沈殿析出させる方法、有機溶剤中で希土類金属塩又は/及び第4周期遷移金属塩と配位可能な金属のアルコキシドを反応させる方法などがある。
ナノメートルサイズの希土類金属又は/及び第4周期遷移金属分散相を得るためには、有機溶剤中で希土類金属塩又は/及び第4周期遷移金属塩と配位可能な金属のアルコキシドを反応させる方法が、好ましく用いられる。使用される溶剤は特に限定されるものではなく、配位構造を形成した最終生成物を有機重合体に分散できるものであれば何を用いてもよい。このような溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1プロパノール、2プロパノール、1ブタノール、2ブタノール、tブタノールなどの1級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコール−α-モノメチルエーテル、プロピレングリコールーα-モノエチルエーテルなどのグリコールエーテル;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル;アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素化合物;などが用いられる。
配位化合物を形成するために、溶剤の還流温度まで加熱する方法を用いることが可能であり、この方法は、多くの場合反応速度を促進することができるので有効な手段となる。得られた配位形成物に水を添加し、加水分解することで無機分散相のサイズを制御することも可能である。
希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の出発原料として、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物などの鉱酸塩や蟻酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩、アルコキシド等が用いられる。アニオン不純物の低減などを考えると、蟻酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩やアルコキシドの使用が好ましい。より好ましくは、酢酸塩が用いられる。
希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の酢酸塩は、通常結晶水を含んでおり、配位させる金属の種類によってはそのまま使用することも可能であるが、反応前に脱水処理行った方が好ましい。
図2に示された分散相の官能基Rは、複合化する有機重合体の種類により選定され特に限定されない。有機重合体との相溶性を向上するため、有機重合体又は有機重合体を形成可能なモノマー成分との重合性の付与を目的として選択することが可能である。例えば、Rとして、水素、アルキル基、反応性を有するビニル基、アリル基、ジアゾ基、ニトロ基、シンナモイル基、アクリロイル基、イミド基、エポキシ基、シアノ基又はこれらの官能基を含有するアルキル基、アルキルシリル基、アルキルカルボニル基などがある。
また、複合化する有機重合体と均質な複合化が可能であれば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、セルロース類などのカルボキシレート基、水酸基、アミノ基、アミド基などの活性水素を含む官能基を有する重合体も使用可能である。
無機分散相への官能基Rの導入方法としては、(1)無機分散相を形成した後の反応で導入する方法、又は(2)予め酸素を介して希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に配位可能な出発原料としてのアルコキシドにR基を導入した後に希土類金属塩又は/及び第4周期遷移金属塩と反応させる方法がある。
無機分散相と反応させる化合物は、上記目的の構造を形成可能であれば特に限定されないが、(1)の手法としては末端にカルボキシレート基、水酸基、アミノ基、アミド基などの活性水素を有する化合物、(2)の手法としてはアルキル基、反応性を有するビニル基、アリル基、ジアゾ基、ニトロ基、シンナモイル基、アクリロイル基、イミド基、エポキシ基、シアノ基又はこれらの官能基を含有するアルキル基を含むアルコキシシラン(R1R2R3SiOR4:R1はアルキル基、反応性を有するビニル基、アリル基、ジアゾ基、ニトロ基、シンナモイル基、アクリロイル基、イミド基、エポキシ基、シアノ基又はこれらの官能基を含有するアルキル基、R2、R3はアルキル基、反応性を有するビニル基、アリル基、ジアゾ基、ニトロ基、シンナモイル基、アクリロイル基、イミド基、エポキシ基、シアノ基又はこれらの官能基を含有するアルキル基、アルコキシル基、R4は、アルキル基)、アルコキシゲルマン(R1R2R3GeOR4:R1はアルキル基、反応性を有するビニル基、アリル基、ジアゾ基、ニトロ基、シンナモイル基、アクリロイル基、イミド基、エポキシ基、シアノ基又はこれらの官能基を含有するアルキル基、R2、R3はアルキル基、反応性を有するビニル基、アリル基、ジアゾ基、ニトロ基、シンナモイル基、アクリロイル基、イミド基、エポキシ基、シアノ基又はこれらの官能基を含有するアルキル基、アルコキシル基、R4は、アルキル基)などの縮重合により無機分散相と反応可能な化合物が好ましく用いられる。
[有機重合体]
有機重合体としては、他の金属種が配位されてなる希土類金属を凝集させることなく分散できるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは、光学機能の発現が利用される波長帯域において実質的に透明性を有するものが用いられる。ここで、光学機能の発現が利用される波長帯域とは、紫色〜赤色の可視帯に限られるものではなく、波長約400nmの紫色よりも波長が短い紫外線やX線、および波長約750nmの赤色よりも波長が長い赤外線の帯域であってもよい。
このような有機重合体としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリオレフィン、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリシロキサン、ポリシラン、ポリアミド、環状オレフィン樹脂、ヒドロキシプロピルセルロースなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。また、これらの有機重合体は、単独で用いてもよく2種以上組み合わせて用いることもできる。また、これらの有機重合体を溶媒に溶解し、あるいは加熱などによって溶融したものを目的とする希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体の形態に加工できるが、有機重合体の前駆体となるモノマ、オリゴマ、モノマやオリゴマと有機重合体との混合体を出発原料として目的とする希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体の形態に加工する過程で重合化することもできる。
さらには、これらの有機重合体は、その主鎖や側鎖に、光や熱によって付加、架橋、重合などの反応を促す官能基を有していてもよい。このような官能基としては、ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、ジアゾ基、ニトロ基、シンナモイル基、アクリロイル基、イミド基、エポキシ基などが例示できる。
有機重合体は、可塑剤、酸化防止剤などの安定剤、界面活性剤、溶解促進剤、重合禁止剤、染料や顔料などの着色剤などの添加物を含んでいても良い。さらに、有機重合体は、塗布性などの成型加工性を高めるために、溶媒(水、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、炭化水素類などの有機溶媒)を含んでいてもよい。
以下に、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
<無機分散相の作製>
プロピレングリコールαモノメチルエーテル中に110℃で1時間減圧脱水処理した酢酸ネオジウムとトリ−sブトキシアルミニウム(Nd/Al=3モル、NdとAlの合計酸化物換算濃度5重量%)とを加え1時間還流した結果、薄紫色の透明な溶液を得た。得られた反応物の粒径を動的散乱法で測定し、粒径分布のピークトップが2.3nmの複合ナノ粒子である事を確認した。また、トリ−sブトキシアルミニウムの反応前後の27Al-NMRスペクトルの変化よりNdへの酸素を介したAlの配位を確認した。
<無機分散相と透明有機重合体との複合体の作製>
透明有機重合体として、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達社製)を用いた。この有機重合体と、前記の方法にて作製したNdAl含有複合ナノ粒子をエチルセロソルブ中で混合し、室温にて2時間攪拌させ混合液を得た。混合比は複合組成中のNdの割合が、総固形分に対して8%の重量分率となるよう調整した。
ポリテトラフルオロエチレン容器を成形型として、これに上述のようにして作製した混合液を流し込み、さらに、120℃下でエチルセロソルブを蒸発させて乾燥させることによって厚さ約1mmのNd含有有機無機複合体のキャスト成型体を得た。
<分光吸収特性測定>
このようにして得られたNd含有有機無機複合体の分光吸収特性を、自記分光光度計を用いて測定した。図3は、前記方法にて作製したNdAl含有複合ナノ粒子/ヒドロキシプロピルセルロース複合体の分光吸収スペクトルである。Ndの吸収に由来する約500〜540nm、約560〜600nmの波長帯に対する光吸収が、NdAl含有複合ナノ粒子/ヒドロキシプロピロセルロース複合体においても確保できることがわかる。
<照明用窓の作製>
上記Nd含有有機無機複合体の作製法に準じ、一般に用いられているハロゲンランプ用カバーの上に、Nd含有有機無機複合体のコーティング層を形成した。このカバーを用いた場合、ハロゲンランプ特有の眩しさが減じられており、自動車のヘッドライトなどとして有効であることを確認できた。
[実施例2]
<無機分散相の作製>
プロピレングリコールαモノメチルエーテルに110℃で1時間減圧脱水処理した酢酸プラセオジウムとトリ−sブトキシアルミニウム(Pr/Al=3モル、PrとAlの合計酸化物換算濃度5重量%)とを加え1時間還流した結果、薄緑の透明な溶液を得た。得られた反応物の粒径を動的散乱法で測定し、粒径分布のピークトップが6.5nmの複合ナノ粒子である事を確認した。また、トリ−sブトキシアルミニウムの反応前後の27Al-NMRスペクトルの変化よりPrへの酸素を介したAlの配位を確認した。
<無機分散相と透明有機重合体との複合体の作製>
透明有機重合体として、光重合性アクリル樹脂「サイクロマー」(ダイセル化学社製)を用いた。この有機重合体と、前記の方法にて作製したPrAl含有複合ナノ粒子、および光ラジカル発生剤「Irgacure369」(商品名,チバガイギー社製)をPGMEA中で混合し、室温にて2時間攪拌させ混合液を得た。混合比は複合組成中のPrの割合が、総固形分に対して10%となるよう調整した。
ポリテトラフルオロエチレン容器を成形型として、これに上述のようにして作製した混合液を流し込み、さらに、120℃下でPGMEAを蒸発させて乾燥させることによって厚さ約1mmのPr含有有機無機複合体のキャスト成型体を得た。
<分光吸収特性測定>
このようにして得られたPr含有有機無機複合体の分光吸収特性を、自記分光光度計を用いて測定した。図4は、前記方法にて作製したPrAl含有複合ナノ粒子/光重合性アクリル樹脂複合体の分光吸収スペクトルである。この結果から、Prの吸収に由来する約440〜490nmの波長帯に対する光吸収が、PrAl含有複合ナノ粒子/光重合性アクリル樹脂複合体においても確保できることがわかる。
<レンズの作製>
上記Pr含有有機無機複合体の作製法に準じてレンズを作製した。このレンズは、青色光成分に対する吸収が選択的に大きいため、これを防眩レンズとして適していることが確認できた。
[実施例3]
<無機分散相の作製>
エチレングリコールモノメチルエーテル中に110℃で1時間減圧脱水処理した酢酸ニッケルとペンタエトキシニオブ(Ni/Nb=2モル、NiとNbの合計酸化物換算濃度5重量%)とを加え1時間還流した結果、緑色の透明な溶液を得た。得られた反応物の粒径を動的散乱法で測定し、粒径分布のピークトップが2.9nmの複合ナノ粒子である事を確認した。
<無機分散相と透明有機重合体との複合体の作製>
透明有機重合体として、実施例2に準じて光重合性アクリル樹脂「サイクロマー」(ダイセル化学社製)を用いた。この有機重合体と、前記の方法にて作製したNi-Nb含有複合ナノ粒子をエチルセロソルブ中で混合し、室温にて2時間攪拌させ混合液を得た。混合比は複合組成中のNiの割合が、総固形分に対して8%の重量分率となるよう調整した。
ポリテトラフルオロエチレン容器を成形型として、これに上述のようにして作製した混合液を流し込み、さらに、120℃下でエチルセロソルブを蒸発させて乾燥させることによって厚さ約1mmのNi含有有機無機複合体の透明キャスト成型体を得た。
<分光透過率特性測定>
このようにして得られたNi含有有機無機複合体の分光透過率特性を、自記分光光度計を用いて測定した。図5は、前記方法にて作製したNi-Nb含有複合ナノ粒子/光重合性アクリル樹脂複合体の分光透過スペクトルである。この結果から、Niの吸収に由来する約900〜600nm及び約450nm以下の波長帯に対する光吸収が、Ni-Nb含有複合ナノ粒子/光重合性アクリル樹脂複合体においても確保できることがわかる。
以上の結果から、本発明によれば、希土類金属/及び第4周期遷移金属を有機重合体中に高濃度でドープした有機無機複合体が供給可能であり、ドープ元素が本来有する吸収特性を発現可能である。
<レンズの作製>
上記Ni含有有機無機複合体の作製法に準じてレンズを作製した。このレンズは、青色光から紫外光成分に対する吸収が選択的に大きいため、防眩レンズとして適しているとともに、紫外線による視覚障害防止効果の高いことが確認できた。
本発明は、特定の波長または波長帯の光の透過率や吸光度を制御するために用いられる調光光学要素に用いられるものであり、ニーズに応じて種々の利用形態をとりえる。
そのような例として、調光レンズがあげられる。この具体的な応用例としては、サングラス、防眩レンズ、視覚異常者用レンズ、工業溶接用ゴーグル(保護眼鏡)、医療用ゴーグルなどがあげられる。
各種光源の筐体や窓材なども、本発明の用途として挙げられる。この具体的な応用例しては、自動車のヘッドライトや各種スポット光源などの窓材やレンズカバー材料などがある。
一般家庭において広く使われている種々の放電管照明やレフランプなどの照明に関して、装飾窓などに本発明を応用することにより、取り出す照明光のスペクトルを制御することにも用いられる。たとえば、白色蛍光灯の青色成分を減光することによって暖色感のある色調にするなど、演色性を制御することができる。
透明高分子材料を用いたフィルター効果のある建築用窓材や工業用窓材、あるいはテレビなどディスプレイ用フィルターとしても応用できる。たとえば、赤色帯の光を選択的に吸収するネオジウムなどの希土類金属をドープすることによって熱線減光効果のある窓材となる。

(a)〜(d)は、本発明に係る代表的な調光光学要素を示す図である。 本発明に係る希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体のうち、希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に他の金属種が酸素を介して配位してなる分散相の模式図である。 本発明に係る希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体のうち、実施例1にて用いたネオジウム含有有機無機複合体の分光吸収スペクトルを示す図である。 本発明に係る希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体のうち、実施例2にて用いたプラセオジウム含有有機無機複合体の分光吸収スペクトルを示す図である。 本発明に係る希土類金属又は/及び第4周期遷移金属含有有機無機複合体のうち、実施例3にて用いたニッケル含有有機無機複合体の分光透過率を示す図である。
符号の説明
1a レンズ(調光光学要素)
1b カバー(調光光学要素)
1c レンズ(調光光学要素)
1d 光学フィルター(調光光学要素)
2 希土類金属
3 酸素を介して希土類金属に配位する金属

Claims (5)

  1. 特定の波長または波長体の光の透過率または吸光度を制御しつつ光の透過、屈折、集光、拡散を制御する調光光学要素であって、特定の波長または波長体の光を吸収する少なくとも1種の希土類金属又は/及び第4周期遷移金属と有機重合体との複合体によって形成され、かつ、少なくとも1種の希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に他の金属種が酸素を介して配位してなる無機分散相を形成していることを特徴とする調光光学要素。
  2. 希土類金属又は/及び第4周期遷移金属と、これに他の金属種が酸素を介して配位してなる無機分散相の直径が平均0.1〜1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の調光光学要素。
  3. 希土類金属又は/及び第4周期遷移金属の割合が、固形分換算で、有機重合体と希土類金属又は/及び第4周期遷移金属およびこれに他の金属種が酸素を介して配位してなる無機分散相との総量の90重量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の調光光学要素。
  4. 希土類金属又は/及び第4周期遷移金属に酸素を介して配位する他の金属種が、3B族、4A族、5A族金属からなる群より選ばれた1種または2種以上の元素の組合せである請求項1〜3のいずれか1項に記載の調光光学要素。
  5. 希土類金属又は/及び第4周期遷移金属と、これに他の金属種が酸素を介して配位してなる無機分散相が、希土類金属塩又は/及び第4周期遷移金属塩と他の金属アルコキシドより形成された事を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の調光光学要素。


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