JP4732226B2 - 型締装置及び型締力制御方法 - Google Patents

型締装置及び型締力制御方法 Download PDF

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本発明は、型締装置及び型締力制御方法に関し、より具体的には、電磁石によって型締力を発生する型締装置及び当該型締力の制御方法に関する。
従来、成形機、例えば、射出成形機は、射出装置、金型装置及び型締装置を備え、樹脂を射出装置の射出ノズルから射出して金型装置のキャビティ空間に充填し、固化させることによって成形品を得るようになっている。そして、前記金型装置は、固定金型及び可動金型を備え、前記型締装置を作動させ、固定金型に対して可動金型を進退させることによって、型閉じ、型締め及び型開きを行うことができる。
前記型締装置は、前記固定金型が取り付けられた固定プラテン、前記可動金型が取り付けられた可動プラテン、電動式のモータ、該モータの出力軸に連結されたボールねじ軸、及び該ボールねじ軸と螺合させられるボールナットから成るボールねじ、前記ボールナットと連結されたクロスヘッド、該クロスヘッドと可動プラテンとの間に配設されたトグル機構等を備え、前記モータを駆動することによってクロスヘッドを前進させ、前記トグル機構を伸展させることによって型閉じ及び型締めを行うことができる。
ところが、前記構成の型締装置においては、型締力を発生させるためにトグル機構を使用するようになっているので、可動プラテンに曲げモーメントが作用し、可動プラテンにおける金型取付面に歪みが発生してしまう。
また、トグル機構を伸展させることによって型締めが行われるので、型締力を制御するのが困難になってしまう。
そこで、電動式のモータ及び電磁石を備え、型閉じ及び型開きの動作にモータのトルクを、型締めの動作に電磁石の吸引力を利用した型締装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
該型締装置においては、固定プラテンと所定の間隔を置いてリヤプラテンが配設され、前記固定プラテンとリヤプラテンとの間に架設されたタイバーに沿って可動プラテンが進退自在に配設される。そして、前記リヤプラテンの後端面に電磁石が固定され、前記リヤプラテンの後方に吸着板が進退自在に配設されるとともに、吸着板と可動プラテンとの間にリンク機構が配設され、該リンク機構をモータによって屈伸させることができるようになっている。
従って、該モータを駆動してリンク機構を伸展させることによって型閉じを行った後、前記電磁石を構成するコイルに電流を供給して前記電磁石を駆動し、当該電流の大きさに従った磁力を発生させて吸着板を吸着することにより、型締めを行うことができる。この場合、型締力を発生させるために電磁石を使用するので、可動プラテンに曲げモーメントが作用せず、前記金型取付面に歪みが発生することがなくなるだけでなく、型締力を容易に制御することができる。
特許3190600号公報
しかしながら、型締め開始時等、型締力を変化させる際に、電磁石を構成するコイルに電流を供給しても、磁場を打ち消す方向の渦電流が発生し、電流は供給されているものの所望の磁場が得られない状態が生じ得る。
図1は、かかる状態を説明するためのグラフを示す。図1(a)に示すグラフの縦軸は、電磁石のコイルに供給される電流の大きさを、横軸は電磁石のコイルに電流を供給する時間を示し、図1(b)に示すグラフの縦軸は、電磁石に発生する吸着力の大きさを、横軸は電磁石のコイルに電流を供給する時間を示す。
図1を参照するに、時間tにおいて型締めが開始され、電磁石を作動させるために必要な電流である定格電流Iを供給しても、前記渦電流の発生により、型締めを行うために前記吸着板を電磁石に吸着させるに必要な吸着力Aを直ちに得ることはできず、約数秒経過し時間tになって初めて当該吸着力Aが発生する。
このように、型締め開始時等、型締力を変化させるために電磁石を構成するコイルに電流を供給しても、所望の型締力の発生には一定の時間を要する。これは、型締工程において定常的なものではなく、型締力を変化させるときの立ち上がり特性固有のものであるが、型締力の発生の遅延を招き、成形品の生産の効率化の観点から望ましくない。特に、成形サイクルが短い場合には、型締力の発生時間を少しでも短縮させて、成形品の生産性を向上させる必要がある。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、電磁石によって型締力を発生する型締装置であって、所望の型締力が発生するまでの時間を短縮して、型締工程における立ち上がり特性の向上を図ることができる当該型締装置及び前記型締力の制御方法を提供することを、本発明の目的とする。
本発明の一観点によれば、型開閉駆動部によって型開閉動作が行われ、電磁石と吸着部とを有する型締用駆動部に対して電流が電流供給部から前記電磁石に供給されて吸着力を発生させることにより型締動作が行われる型締装置であって、前記型開閉駆動部及び前記電流供給部を制御する制御部を備え、前記制御部は、型締力を変化させる前に、前記電流供給部に前記電磁石へ電流を供給させて前記吸着力を発生させ、前記型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する推力を発生させることを特徴とする型締装置が提供される。
前記制御部は、可動金型の型送りが完了する迄に、前記電流供給部に前記電磁石へ前記電流を供給させて前記吸着力を発生させ、前記型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する前記推力を発生させることとしてもよい。また、前記制御部は、前記型締力を変化させる際に、前記型開閉駆動部による前記推力の発生を遮断することとしてもよく、前記電流供給部に前記電磁石へ定格電流を供給させることとしてもよい。
更に、前記型開閉駆動部の応答性は、前記電磁石の応答性よりも早いこととしてもよい。前記型開閉駆動部は、リニアモータ又はモータと、前記モータにより回転し進退可能なボールねじと、を備えたていてもよい。
本発明の別の観点によれば、型開閉駆動部により型開閉動作が行われ、電磁石と吸着部とを有する型締用駆動部により型締動作が行われる型締装置であって、前記型開閉駆動部を制御する制御部を備え、前記電磁石は、永久磁石を備え、前記制御部は、型締力を変化させる前に、前記電磁石の磁束を発生させて吸着力を発生させ、前記型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する推力を発生させることを特徴とする型締装置が提供される。
本発明の更に別の観点によれば、型締装置において電磁石と吸着部とを用いて発生させられる型締力の制御方法であって型締力を変化させる前に、前記電磁石へ電流を供給して吸着力を発生させ、更に、型開閉動作を行う型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する推力を発生させることを特徴とする型締力制御方法が提供される。

可動金型の型送りが完了する迄に、前記電磁石へ前記電流を供給して前記吸着力を発生させ、更に、前記型開閉動作を行う前記型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する前記推力を発生させることとしてもよい。また、前記型締力を変化させる際に、前記推力の発生を遮断する、又は前記電磁石へ定格電流を供給する、こととしてもよい。
本発明によれば、電磁石によって型締力を発生する型締装置であって、所望の型締力が発生するまでの時間を短縮して、型締工程における立ち上がり特性の向上を図ることができる当該型締装置及び前記型締力の制御方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下では、型締装置については、型閉じを行う際の可動プラテンの移動方向を前方とし、型開きを行う際の可動プラテンの移動方向を後方とし、射出装置については、射出を行う際のスクリューの移動方向を前方とし、計量を行う際のスクリューの移動方向を後方として説明する。
図2は本発明の実施の形態における金型装置及び型締装置の概略構成図である。
図2において、10は型締装置であり、Frは射出成形機のフレームである、Gdは、該フレームFr上に敷設されてレールを構成し、型締装置10を支持するとともに、案内する第1の案内部材としての2本のガイドである。図においては、2本のガイドGdのうち1本だけを示している。
11は、前記ガイドGd上に載置され、前記フレームFr及びガイドGdに対して固定された第1の固定部材としての固定プラテンである。固定プラテン11と所定の間隔を置いて、かつ、固定プラテン11と対向させて第2の固定部材としてのリヤプラテン13が配設されている。前記固定プラテン11とリヤプラテン13との間に4本の連結部材としてのタイバー14(図においては、4本のタイバーのうちの2本だけを示す。)が架設される。なお、前記リヤプラテン13は、タイバー14が伸縮するのに伴って、ガイドGdに対して僅かに移動することができるように前記ガイドGd上に載置される。
該タイバー14に沿って固定プラテン11と対向させて第1の可動部材としての可動プラテン12が型開閉方向に進退(図において左右方向に移動)自在に配設される。そのために、前記可動プラテン12のタイバー14と対応する箇所にタイバー14を貫通させる図示されないガイド穴が形成される。
前記タイバー14の前端部(図において右端部)には、図示されない第1のねじ部が形成され、前記タイバー14は、前記第1のねじ部とナットn1とを螺合させることによって固定プラテン11に固定される。また、前記各タイバー14の後方(図において左方)の所定の部分には、タイバー14より外径が小さい第2の案内部材としてのガイドポスト21が、リヤプラテン13の後端面(図において左端面)から後方に向けて突出させて、かつ、タイバー14と一体に形成されている。
各ガイドポスト21の、リヤプラテン13の後端面の近傍に、図示されない第2のねじ部が形成され、前記固定プラテン11とリヤプラテン13とは、前記第2のねじ部とナットn2とを螺合させることによって連結される。本実施の形態においては、ガイドポスト21がタイバー14と一体に形成されるようになっているが、ガイドポスト21をタイバー14とを別体に形成することもできる。
また、前記固定プラテン11には第1の金型としての固定金型15が、前記可動プラテン12には第2の金型としての可動金型16がそれぞれ固定され、前記可動プラテン12の進退に伴って固定金型15と可動金型16とが接離させられ、型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
なお、型締めが行われるのに伴って、固定金型15と可動金型16との間に複数の図示されないキャビティ空間が形成され、射出装置17の射出ノズル18から射出された成形材料としての図示されない樹脂が前記各キャビティ空間に充填される。
固定金型15及び可動金型16によって金型装置19が構成される。
そして、前記可動プラテン12と平行に配設された第2の可動部材としての吸着板22が、リヤプラテン13より後方において前記各ガイドポスト21に沿って進退自在に配設され、ガイドポスト21によって案内される。なお、前記吸着板22には、各ガイドポスト21と対応する箇所に、ガイドポスト21を貫通させるガイド穴23が形成される。
該ガイド穴23は、前端面(図において右端面)に開口させられ、ボールナットn2を収容する大径部24、及び吸着板22の後端面に開口させられ、ガイドポスト21と摺動させられる摺動面を備えた小径部25を備える。本実施の形態において、吸着板22は、ガイドポスト21によって案内されるようになっているが、吸着板22を、ガイドポスト21だけでなく、ガイドGdによって案内することもできる。
ところで、前記可動プラテン12を進退させるために、第1の駆動部としての、かつ、型開閉駆動部としてのリニアモータ28が、可動プラテン12とフレームFrとの間に配設される。前記リニアモータ28は、前記フレームFr上に、前記ガイドGdと平行に、かつ、可動プラテン12の移動範囲に対応させて形成された第1の駆動要素としての固定子29、及び前記可動プラテン12の下端において、前記固定子29と対向させて、かつ、所定の範囲にわたって形成された第2の駆動要素としての可動子31を備える。
前記可動子31は、固定子29に向けて突出させて、かつ、所定のピッチで複数の磁極歯33が形成されたコア34、及び各磁極歯33に巻装されたコイル35を備える。なお、前記磁極歯33は可動プラテン12の移動方向に対して直角の方向に、互いに平行に形成される。前記固定子29は、図示されないコア、及び該コア上に延在させて形成された図示されない永久磁石を備え、該永久磁石は、N極及びS極の各磁極を交互に、かつ、前記磁極歯33と同じピッチで着磁させることによって形成される。
従って、前記コイル35に所定の電流を供給することによってリニアモータ28を駆動すると、可動子31が進退し、それに伴って、可動プラテン12が進退させられ、型閉じ及び型開きを行うことができる。
なお、本実施の形態においては、固定子29に永久磁石を、可動子31にコイル35を配設するようになっているが、固定子にコイルを、可動子に永久磁石を配設することもできる。その場合、リニアモータ28が駆動されるのに伴って、コイルが移動しないので、コイルに電力を供給するための配線を容易に行うことができる。
ところで、前記可動プラテン12が前進(図において右方向に移動)させられて可動金型16が固定金型15に当接すると、型閉じが終了し、続いて、型締めを行われる。型締めを行うために、リヤプラテン13と吸着板22との間に、第2の駆動部としての、かつ、型締用駆動部としての電磁石ユニット37が配設される。
また、型閉じ時及び型開き時に、可動プラテン12の進退に連動させて吸着板22を進退させ、型締め時に、電磁石ユニット37によって発生させられた型締力を可動プラテン12に伝達するために、リヤプラテン13及び吸着板22を貫通して延び、可動プラテン12と吸着板22とを連結する型締力伝達部材としてのロッド39が、進退自在に配設される。
固定プラテン11、可動プラテン12、リヤプラテン13、吸着板22、リニアモータ28、電磁石ユニット37、ロッド39等によって型締装置10が構成される。
前記電磁石ユニット37は、リヤプラテン13側に配設された第1の駆動部材としての電磁石49、及び吸着板22側に配設された第2の駆動部材としての吸着部51から成る。
吸着部は、前記吸着板22の前端面の所定の部分、本実施の形態においては、吸着板22において前記ロッド39を包囲し、電磁石49と対向する部分に形成される。また、リヤプラテン13の後端面の所定の部分、本実施の形態においては、前記ロッド39よりわずかに上方及び下方に、水平方向に延在させて二つの溝45が互いに平行に形成され、各溝45間に矩形の形状を有するコア46、及び他の部分にヨーク47が形成される。そして、前記コア46に励磁コイル48が巻装される。
従って、電磁石ユニット37において、前記溝45に設けられた励磁コイル48に電流を供給すると、電磁石49が駆動され、吸着部51を吸着し、前記型締力を発生させることができる。
図2を再度参照するに、前記ロッド39は、後端部(図において左端部)において吸着板22と連結させて、前端部において可動プラテン12と連結させて配設される。従って、ロッド39は、型閉じ時に可動プラテン12が前進するのに伴って前進させられて吸着板22を前進させ、型開き時に可動プラテン12が後退(図において左方向に移動)するのに伴って後退させられて吸着板22を後退させる。
そのため、前記リヤプラテン13の中央部分に、ロッド39を貫通させるための穴41、及び前記吸着板22の中央部分にロッド39を貫通させるための穴42が形成され、前記穴41の前端部の開口に臨ませて、ロッド39を摺動自在に支持するブッシュ等の軸受部材Br1が配設される。また、前記ロッド39の後端部にねじ43が形成され、該ねじ43と、吸着板22に対して回転自在に支持されたナット44とが螺合させられる。
型締装置10は、制御部4及びドライバ5及び5’に接続されている。より具体的には、電磁石49の励磁コイル48及びリニアモータ28のコイル35は、夫々の電流供給部たるドライバ5及び5’に接続している。制御部4は、ドライバ5及び5’の動作を制御し、電磁石49の励磁コイル48及びリニアモータ28のコイル35に供給される電流を制御する。
かかる構造の下、本実施の形態では、型締め工程を開始する前等、型締力を変化させる前に、電磁石49の励磁コイル48に電流を供給して吸着力を発生させ、更に、リニアモータ28により前記吸着力をキャンセルする力を発生させている。これについて、図2に加えて図3も参照して説明する。
ここで、図3は、本発明の基本概念を説明するためのグラフである。より具体的には、図3(a)は、本発明の、型締力を変化させる前後における電磁石49が発生する力、リニアモータ28が発生する力、及び型締力の変化を示したグラフであり、縦軸は夫々の力の大きさを、横軸は時間を示す。図3(b)は、本発明との比較のためのグラフであり、従来の技術の、型締力を変化させる前後における電磁石が発生する力の変化を示したグラフであり、縦軸は、電磁石に発生する吸着力の大きさを、横軸は電磁石のコイルに電流を供給する時間を示す。
図3(a)及び図3(b)を参照するに、時間tにおいて、例えば、型締動作を開始するため、型締力の大きさを多段階に変化させるため、又は型締工程後に磁場を切断して型開きを行うために型締力とマイナス方向の力を作用させるため等、型締力を変化させるために、型締力を変化させる指令が制御部4からドライバ5に発せられる。
従来は、図3(b)に示すように、時間tの時点で電磁石のコイルに電流を供給しているが、前記渦電流の発生により、型締めを行うために前記吸着板を電磁石に吸着させるに必要な吸着力Aは直ちに得られず、時間tになって初めて当該吸着力Aが発生している。
これに対し、本発明では、図3(a)に示すように、時間tより前に電磁石49の励磁コイル48に電流を供給し、吸着力Fを発生させている。更に、時間tより前に、リニアモータ28により前記吸着力Fを相殺する力−Fを発生させている。従って、吸着力Fは、リニアモータ28により発生する力−Fにより相殺されるため、時間tより前は型締力は発生していない。そして、時間tになると、リニアモータ28のコイル35への電流の供給を遮断し、電磁石49の励磁コイル48に目標となる型締力、即ち、定常状態で目標とする型締力(定常型締力)を発生するために必要な定常的な電流(「定格電流」)を供給すると、電磁石49による吸着力Fは急激に上昇し、型締力は急激に上昇し、時間tよりも短時間である時間t0.5の時点で型締めを行うために必要な前記吸着力Aを得ることができる。なお、図3(a)では、型締力を示す実線と電磁石49の発生する力を示す点線とは、図の見やすさを考慮して、重ならないように示しているが、実際には時間tの時点からは両者は略同一となり、重なった曲線となる。
電磁石の吸着力は磁束の2乗に比例するという電磁石の特性に因り、低磁場では磁束の変化(上昇)に対する吸着力の変化(上昇)はとても小さい。一方、磁場が高ければ、
磁束の変化(上昇)に対し、吸着力は、大きく変化(上昇)する。即ち、例えば、磁束を0.5テスラから1テスラ上げる場合の吸着力の変化は、磁束を0テスラから1テスラ上げる場合の吸着力の変化よりも大きい。
そこで、本発明では、時間tより前に電磁石49の励磁コイル48に電流を供給し、吸着力Fを発生させ、更に、時間tより前では型締力を生じさせないようにするためリニアモータ28により前記吸着力Fを相殺する力−Fを発生させている。
そして、時間tになると、リニアモータ28のコイル35への電流の供給を遮断し、電磁石49の励磁コイル48に定常型締力を発生するために必要な定格電流を供給する。そうすると、既に、吸着力Fを発生させている電磁石49の吸着力は更に急激に上昇する。即ち、磁束密度の変化率が緩和され、渦電流の影響を抑制することができ、型締めを行うために必要な前記吸着力Aを得ることができ、型締力を極めて短時間で立ち上がらせることができる。
上述の、基本概念に基づき、どのように電磁石49の吸着力を発生させているのか、その具体的な方法について、図2に加え、図4も参照して説明する。
ここで、図4は、本発明における、電磁石の吸着力を発生させるための具体的な方法を説明するためのグラフである。より具体的には、図4(a)は、可動プラテン12に備えられた可動金型16の移動速度の時間変化を示すグラフであり、図4(b)は、電磁石49の励磁コイル48に供給される電流の時間変化を示すグラフであり、図4(c)は、電磁石49が発生する吸着力の時間変化を示すグラフであり、図4(d)は、リニアモータ28の推力の時間変化を示すグラフである。
図4では、型閉工程から型締工程が開始される迄の工程が示されている。
図4における時間TからT迄の工程、即ち、可動金型16が固定金型15から離間している状態から、可動金型16のパーティング面が固定金型15のパーティング面と接触するまでの状態において、可動金型16を固定金型15に接近させる工程を型閉工程という。また、図4における時間TからT迄の工程を、即ち、図示を省略する射出装置の射出ノズルから溶融樹脂を射出して金型装置のキャビティ空間に充填する工程を射出工程という。更に、図4における時間T以降の工程、即ち、可動金型16のパーティング面が固定金型15のパーティング面と接触している状態から、可動金型16に更に力が作用して、固定金型15が可動金型16によって押し付けられる工程を型締工程という。
時間Tにおいて型閉工程が開始されると、リニアモータ28のコイル35に電流が供給されて推力Lが発生し、可動金型16が一定の割合で加速されながら固定金型15に接近する。また、電磁石49の励磁コイル48には電流Iが供給されるが、当該電磁石49には直ちに吸着力は発生しない。なお、この電流Iは時間Tになる迄、電磁石49の励磁コイル48に供給され続ける。
時間Tになると、加速していた可動金型16の移動速度はVに達する。同時に、リニアモータ28のコイル35への電流の供給は遮断され、リニアモータ28が発生する推力はゼロになり、可動金型16の移動速度は、前記速度Vのままの等速となる。なお、この時点においても依然として、該電磁石49には吸着力は発生していない。
時間Tになると、時間TからTの間発生していたリニアモータ28の推力Lと反対方向の推力−Lが発生し、可動金型16の固定金型15への接近速度は、前記速度Vから一定の割合で減速し始める。
時間Tになると、電磁石49にこれまで発生していなかった吸着力が発生し始める。ここで、通常、リニアモータ28は位置制御で駆動されるが、吸着力が発生し始めると、更に前進しようとする外力がリニアモータ28に働く。このため、リニアモータ28は位置を維持しようとして、更に推力−Lと同じ方向に、推力−Lよりも大きな推力がリニアモータ28に発生し始める。
時間Tになると、時間T以降減速していた可動金型16の移動速度はゼロとなる。即ち、可動金型16の型送りが完了して、型閉工程が終了する。そして、溶融樹脂が射出装置の射出ノズルから射出され金型装置のキャビティ空間に充填される(射出工程)。
時間Tになると、電磁石49に発生していた吸着力は、吸着力Aになる。この吸着力Aが図3における吸着力Fに相当する。一方、推力−Lと同じ方向に増加していた推力は、時間Tになると推力−Lとなる。この推力−Lが図3におけるリニアモータ28により発生する力−Fに相当する。即ち、リニアモータ28により、前記吸着力Aを相殺する推力−Lが発生している。この状態は時間Tまで続く。
時間Tになると、前記射出工程が終了し、型締工程が開始される。この時間Tが図3における時間tに相当する。電磁石49の励磁コイル48には、それまで供給されていた電流Iよりも大きい電流Iが供給される。
電流Iは、目標となる型締力(定常型締力)を発生するために必要な定常的な電流(定格電流)である。一方、リニアモータ28のコイル35への電流の供給は遮断されゼロとなる。すると、電磁石49による吸着力は急激に上昇し、図3を参照して説明したように、型締を行うために必要な吸着力Aを得ることができ、従来よりも短時間で定常型締力を発生させることができる。
このように、本例では、型締工程を開始する前等、型締力を変化させる前に(本例では、可動金型16の型送りが完了する迄に)電磁石49の励磁コイル48に定格電流Iよりも小さい電流を供給して所定の吸着力Aを発生させる一方、リニアモータ28のコイル35への電流の供給を制御してリニアモータ28が発生する推力を制御し、前記吸着力Aを相殺する推力−Lを発生させている。そして、型締力を変化させる際に、リニアモータ28のコイル35への電流の供給を遮断している。リニアモータ28の応答性は、電磁石49の応答性よりも早いため、リニアモータ28が発生する推力を効率よく制御することができる。
そうすると、既に、吸着力Aを発生させている電磁石49の吸着力は更に急激に上昇する。即ち、磁束密度の変化率が緩和され、渦電流の影響を抑制することができ、型締を行うために必要な前記吸着力Aを得ることができる。従って、短時間で定常型締力と同じ値の型締力を発生させることができ、渦電流損失を補填することができる。よって、電磁石を用いた型締工程の立ち上がり特性を向上させることができ、成形品の生産性を向上させることができる。
なお、上述の例では、可動金型16を備えた可動プラテン12を進退させる型開閉駆動部としてリニアモータ28が用いられているが、本発明はかかる例に限定されない。電磁石49の励磁コイル48により発生する所定の吸着力A(F)を相殺する推力−L(−F)を発生することができる限り、例えば、モータ及び当該モータにより回転し進退可能なボールねじの組合せであってもよい。この場合も、上述の、本発明の実施の形態の効果と同一の効果を奏することができる。
また、上述の例では、型締工程を開始する前等、型締力を変化させる前に電磁石49の励磁コイル48に定格電流Iよりも小さい電流を供給して所定の吸着力Aを予め発生させているが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、当該電磁石49は、永久磁石を備え、この永久磁石により磁束に基づいて所定の吸着力A(F)を予め発生させておく態様であってもよい。この場合も、上述の、本発明の実施の形態の効果と同一の効果を奏することができる。
更に、リニアモータ28に逆向きの力を作用させる場合には、予め電流を流す必要があったが、永久磁石を用いた場合には、永久磁石の力により所定のA(F)を発生させることができるので、吸着力が発生していない間は、電流をゼロ(0)にすることもできる。その結果、消費電力を低減させることもできる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
渦電流の発生に因る問題点を説明するためのグラフである。 本発明の実施の形態における金型装置及び型締装置の概略構成図である。 本発明の基本概念を説明するためのグラフである。 本発明における、電磁石の吸着力を発生させるための具体的な方法を説明するためのグラフである。
符号の説明
4 制御部
5、5’ ドライバ
10 型締装置
12 可動プラテン
15 固定金型
16 可動金型
28 リニアモータ
35 リニアモータのコイル
37 電磁石ユニット
48 励磁コイル
49 電磁石

Claims (12)

  1. 型開閉駆動部によって型開閉動作が行われ、電磁石と吸着部とを有する型締用駆動部に対して電流が電流供給部から前記電磁石に供給されて吸着力を発生させることにより型締動作が行われる型締装置であって、
    前記型開閉駆動部及び前記電流供給部を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、型締力を変化させる前に、前記電流供給部に前記電磁石へ電流を供給させて前記吸着力を発生させ、前記型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する推力を発生させることを特徴とする型締装置。
  2. 請求項1記載の型締装置であって、
    前記制御部は、可動金型の型送りが完了する迄に、前記電流供給部に前記電磁石へ前記電流を供給させて前記吸着力を発生させ、前記型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する前記推力を発生させることを特徴とする型締装置。
  3. 請求項1又は2記載の型締装置であって、
    前記制御部は、前記型締力を変化させる際に、前記型開閉駆動部による前記推力の発生を遮断することを特徴とする型締装置。
  4. 請求項3記載の型締装置であって、
    前記制御部は、前記型締力を変化させる際に、前記電流供給部に前記電磁石へ定格電流を供給させることを特徴とする型締装置。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項記載の型締装置であって、
    前記型開閉駆動部の応答性は、前記電磁石の応答性よりも早いことを特徴とする型締装置。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項記載の型締装置であって、
    前記型開閉駆動部は、リニアモータであることを特徴とする型締装置。
  7. 請求項1乃至5いずれか一項記載の型締装置であって、
    前記型開閉駆動部は、モータと、前記モータにより回転し進退可能なボールねじと、を備えたことを特徴とする型締装置。
  8. 型開閉駆動部により型開閉動作が行われ、電磁石と吸着部とを有する型締用駆動部により型締動作が行われる型締装置であって、
    前記型開閉駆動部を制御する制御部を備え、
    前記電磁石は、永久磁石を備え、
    前記制御部は、型締力を変化させる前に、前記電磁石の磁束を発生させて吸着力を発生させ、前記型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する推力を発生させることを特徴とする型締装置。
  9. 型締装置において電磁石と吸着部とを用いて発生させられる型締力の制御方法であって
    型締力を変化させる前に、前記電磁石へ電流を供給して吸着力を発生させ、更に、型開閉動作を行う型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する推力を発生させることを特徴とする型締力制御方法。
  10. 請求項9記載の型締力制御方法であって、
    可動金型の型送りが完了する迄に、前記電磁石へ前記電流を供給して前記吸着力を発生させ、更に、前記型開閉動作を行う前記型開閉駆動部に前記吸着力を相殺する前記推力を発生させることを特徴とする型締力制御方法。
  11. 請求項9又は10記載の型締装置であって、
    前記型締力を変化させる際に、前記推力の発生を遮断することを特徴とする型締力制御方法。
  12. 請求項11記載の型締装置であって、
    前記型締力を変化させる際に、前記電磁石へ定格電流を供給することを特徴とする型締力制御方法。
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