JP4729367B2 - 樹脂モールド金型 - Google Patents
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Description
これらの被成形品は平坦状(平面状)に形成された基板5に半導体チップ6を搭載したものであるが、これらに類似する基板で、半導体チップ6を搭載する部位が基板面から段差状に盛り上がり、チップ搭載部の裏面に凹部が形成された基板がある。
なお、樹脂モールド時に樹脂圧によりチップ搭載部10aが湾曲するといった問題は、チップ搭載部10aが基板面から段差状に突出する場合に限らず、チップ搭載部10aの裏面に凹部が形成されている場合に同様に発生し得る。
本発明は、これらの課題を解決すべくなされたものであり、チップ搭載部の裏面に凹部が形成された基板に半導体チップを搭載した被成形品を樹脂モールドする際に、半導体チップにクラックが発生するといった問題を解消して、的確に半導体チップを樹脂モールドすることができる樹脂モールド金型を提供することを目的とする。
すなわち、チップ搭載部の裏面に凹部が形成され、チップ搭載部に半導体チップが搭載された基板を被成形品とし、前記基板の前記半導体チップが搭載された片面側を樹脂モールドする樹脂モールド金型であって、前記基板をクランプする一対の金型の一方に、前記半導体チップを樹脂モールドするキャビティ凹部が形成され、前記金型の他方に、前記凹部に位置合わせして形成され、樹脂モールド時に前記凹部の底面に当接する当接コマと、該当接コマを前記凹部の底面に向けて突出する向きに付勢する付勢機構とを備える段差受け機構が設けられていることを特徴とする。なお、金型に設けるキャビティ凹部は上型と下型のいずれであってもよく、前記段差受け機構は上型と下型のいずれにも設けられる。
また、前記当接コマと前記押圧板との間に、前記当接コマの突出高さを調節するスペーサが介装され、前記押圧板に、該押圧板の厚さを調節するスペーサが設けられていることにより、当接コマの突出高さおよび当接コマの出力(弾性)をより精度よく調節することができる。
また、前記一方の金型に、金型のクランプ面にリリースフィルムをエア吸着するエア吸着孔と、前記リリースフィルムを前記キャビティ凹部の内面にエア吸着するエア吸引孔とが、エア吸引機構に接続可能に設けられていることを特徴とする。
また、チップ搭載部の裏面に凹部が形成され、チップ搭載部に半導体チップが搭載された基板を被成形品とし、前記基板の前記半導体チップが搭載された片面側を樹脂モールドする樹脂モールド金型であって、前記基板をクランプする一対の金型の一方に、前記半導体チップを樹脂モールドするキャビティ凹部が形成され、前記金型の他方に、型開閉方向に可動に支持され、前記キャビティ凹部の平面領域に合わせて形成された可動ブロックと、型開閉方向に可動にかつ前記一方の金型に向けて付勢して支持され、前記基板のクランプ領域に合わせて形成されたクランプブロックと、前記可動ブロックを型開閉方向に移動させる移動機構が設けられ、前記可動ブロックに、前記チップ搭載部に位置合わせして形成され、樹脂モールド時に前記凹部の底面に当接する当接コマと、該当接コマを前記凹部の底面に向けて突出する向きに付勢する付勢機構とを備える段差受け機構が設けられていることを特徴とする。
(第1の実施の形態)
図5および図6は、本発明に係る樹脂モールド金型の一実施形態について、上型20および下型30のクランプ面の構成を示す。
本発明に係る樹脂モールド金型は、図12に示すような、半導体チップを搭載するチップ搭載部10aが段差状に突出して形成され、チップ搭載部10aの裏面に凹部Aが形成された基板10に半導体チップ6が搭載された製品を被成形品とする。本実施形態では、基板10に4つのチップ搭載部10aが設けられ、チップ搭載部10aに半導体チップ6が搭載された基板10を被成形品として樹脂モールドする樹脂モールド金型を示す。
上キャビティブロック22a、22bには、基板10に搭載された半導体チップ6の搭載位置に合わせて各々、4つのキャビティ凹部24が形成されている。キャビティ凹部24と金型カル21とはランナー路21aにより連通される。
本実施形態の樹脂モールド金型において特徴的な構成は、下型30に装着される下キャビティブロック33a、33bに、基板10のチップ搭載部10aの裏面に形成された凹部10bに位置合わせして段差受け機構40を設けたことにある。本実施形態においては、基板10に設けられた凹部10bの配置に合わせて4つの段差受け機構40が配置されている。
段差受け機構40は、上端面がチップ搭載部10aの裏面に形成された凹部10bの底面に当接する大きさのブロック体に形成された当接コマ42と、当接コマ42を下キャビティブロック33aのクランプ面から突出する向きに付勢して支持する付勢機構45とからなる。
また、押圧板43とスプリング44との間にスペーサ43aを装着することにより、スプリング44による付勢力(出力)を調節することができる。
なお、図1では一方の下キャビティブロック33aを例として説明したが、他方の下キャビティブロック33bについても構成は同じである。
図2は、型開きした状態で上型20にリリースフィルム50をエア吸着し、下型30に基板10をセットした状態を示す。樹脂モールド金型内にリリースフィルム50を搬入し、クランプ面をリリースフィルム50によって覆った後、エア吸引機構60によりエア吸着孔26からリリースフィルム50をエア吸引してクランプ面にリリースフィルム50をエア吸着し、次いでエア吸引孔27からエア吸引してキャビティ凹部24の内面にならうようにリリースフィルム50をエア吸着する。なお、リリースフィルム50にはエア吸着によってキャビティ凹部24の内面に容易にエア吸着される柔軟性、樹脂モールド金型の加熱温度に耐えられる耐熱性、樹脂との剥離性を備えたフィルムが用いられる。
また、当接コマ42の下面に装着するスペーサ42aの厚さを調節したり、押圧板43とスプリング44との間に装着するスペーサ43aの厚さを微調整することによって、チップ搭載部10aが湾曲したり変形したりすることをさらに確実に防止することができる。これによって、信頼性の高い、安定した樹脂モールドが可能になる。
しかしながら、スプリング15により下キャビティブロック33a、33bを弾性支持した場合でも、図11に示すように、キャビティに樹脂が充填される際の樹脂圧がキャビティを押し広げるように作用する(破線の矢印)ことから、被成形品のクランプ力を弱め、樹脂モールド時に樹脂ばりが生じる原因になるという別の問題があり、一方、樹脂ばりが生じないようにクランプ力を強めると基板が損傷してしまうといった問題が生じる。
なお、クランプブロック72に基板10をエア吸着する吸引孔34を設ける。吸引孔34のかわりに、可動ブロック70の側面とクランプブロック72に設けた可動ブロック70の装着孔の内側面との間に隙間34aを設けて基板10を下型側に吸着支持することもできる。
固定テーパブロック74と可動テーパブロック76とは、チェイスブロック13を長手方向に貫通させて設けた貫通孔内に、互いにテーパ面を摺接して配置する。固定テーパブロック74と可動テーパブロック76は、可動テーパブロック76を金型内に進入させると可動ブロック70が上型20に接近する向きに移動し、可動テーパブロック76を金型外に移動させると可動ブロック70が上型20から離間する向きに移動するようにテーパ面が設定されている。
クランプブロック72は基板10を弾性的にクランプできるように、クランプブロック72の下面とチェイスブロック13の底部との間にスプリング15が装着される。
可動テーパブロック76を長手方向に進退動させる駆動部78としては、可動テーパブロック76にボールねじを螺合させ、ボールねじをサーボモータによって回動駆動する機構を利用することができる。もちろん、油圧機構等の他の駆動機構を利用することも可能である。
まず、図8に示すように、樹脂モールド金型を型開きした状態で下型30に基板10をセットし、上型20の樹脂モールド面をリリースフィルム50により被覆する。
型開きした状態では、クランプブロック72はスプリング15の弾発力により上位置に支持され、クランプブロック72の上端面は可動ブロック70の上端面よりも若干上位置にあり、基板10をクランプブロック72にセットした状態で基板10の下面は可動ブロック70の上端面から離間する。
リリースフィルム50はエア吸引機構60により、エア吸着孔26およびエア吸引孔27を介して上型20のクランプ面にエア吸着される。
本実施形態の樹脂モールド金型によれば、基板10が可動ブロック70と段差受け機構40によって支持されていることにより、第1の実施の形態におけると同様に、基板10のチップ搭載部10aを変形させずに樹脂モールドすることができ、チップ搭載部10aに搭載された半導体チップ6を損傷させることなく樹脂モールドすることができる。
なお、上記実施形態ではリリースフィルム50を使用して樹脂モールドしたが、基板10に形成されたチップ搭載部10aを支持する段差受け機構40を備えた樹脂モールド金型は、リリースフィルムを使用せずに樹脂モールドする樹脂モールド方法にも適用することができる。
10a チップ搭載部
10b 凹部
11 チェイスブロック
13 チェイスブロック
15 スプリング
20 上型
22a、22b 上キャビティブロック
24 キャビティ凹部
24a キャビティ
26 エア吸着孔
27 エア吸引孔
30 下型
31 ポット
33a、33b 下キャビティブロック
40 段差受け機構
42 当接コマ
42a、43a スペーサ
43 押圧板
45 付勢機構
50 リリースフィルム
60 エア吸引機構
70 可動ブロック
72 クランプブロック
74 固定テーパブロック
75 固定ブロック
76 可動テーパブロック
78 駆動部
Claims (6)
- チップ搭載部の裏面に凹部が形成され、チップ搭載部に半導体チップが搭載された基板を被成形品とし、前記基板の前記半導体チップが搭載された片面側を樹脂モールドする樹脂モールド金型であって、
前記基板をクランプする一対の金型の一方に、前記半導体チップを樹脂モールドするキャビティ凹部が形成され、
前記金型の他方に、前記凹部に位置合わせして形成され、樹脂モールド時に前記凹部の底面に当接する当接コマと、該当接コマを前記凹部の底面に向けて突出する向きに付勢する付勢機構とを備える段差受け機構が設けられていることを特徴とする樹脂モールド金型。 - 前記他方の金型のクランプ面側に、コマ収納穴と、該コマ収納穴よりも大径のスプリング収納穴を連通させて凹設し、コマ収納穴に前記当接コマを装着するとともに、
前記付勢機構として、前記スプリング収納穴に、前記当接コマの端面が当接する押圧板と、該押圧板を前記当接コマに向けて付勢して押圧するスプリングとを装着したことを特徴とする請求項1記載の樹脂モールド金型。 - 前記当接コマと前記押圧板との間に、前記当接コマの突出高さを調節するスペーサが介装され、
前記押圧板に、該押圧板の厚さを調節するスペーサが設けられていることを特徴とする請求項2記載の樹脂モールド金型。 - 前記一方の金型に、金型のクランプ面にリリースフィルムをエア吸着するエア吸着孔と、前記リリースフィルムを前記キャビティ凹部の内面にエア吸着するエア吸引孔とが、エア吸引機構に接続可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の樹脂モールド金型。
- 前記他方の金型を型開閉方向に可動に支持するとともに、前記被成形品を弾性的にクランプする弾性支持機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の樹脂モールド金型。
- チップ搭載部の裏面に凹部が形成され、チップ搭載部に半導体チップが搭載された基板を被成形品とし、前記基板の前記半導体チップが搭載された片面側を樹脂モールドする樹脂モールド金型であって、
前記基板をクランプする一対の金型の一方に、前記半導体チップを樹脂モールドするキャビティ凹部が形成され、
前記金型の他方に、型開閉方向に可動に支持され、前記キャビティ凹部の平面領域に合わせて形成された可動ブロックと、型開閉方向に可動にかつ前記一方の金型に向けて付勢して支持され、前記基板のクランプ領域に合わせて形成されたクランプブロックと、前記可動ブロックを型開閉方向に移動させる移動機構が設けられ、
前記可動ブロックに、前記チップ搭載部に位置合わせして形成され、樹脂モールド時に前記凹部の底面に当接する当接コマと、該当接コマを前記凹部の底面に向けて突出する向きに付勢する付勢機構とを備える段差受け機構が設けられていることを特徴とする樹脂モールド金型。
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