JP4725681B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents
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Description
前記したインクジェット式の記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化により、また塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
そして、クリーニング操作によって記録ヘッドから吸引排出されたインクは、吸引ポンプの駆動によって廃インクタンク内に導入され、廃インクタンク内に収納されたインク吸収体によってインクを保持されるように構成されている。
しかしながら、切欠き部分に滴下された廃インクは、一旦切欠き部分に溜まってから徐々に吸収される。このため、廃インクの表面が乾燥し、吸収され難い粘性の高い部分が切欠き部分に付着し、これが繰り返されることで、切欠き部分に目詰まりを生ずる。このように目詰まりが生ずると、インク吸収体への廃インクの吸収が阻止され、インク吸収体が飽和状態になる前に、廃インクが廃インクタンクから溢れてしまう不具合があった。
前記インク吸収体には、前記貫通孔、第1切欠き溝が形成されているために、第1、2インク吸収体とインクとの間の接触面積が大きくなる。このために、導入されたインクは貫通孔および第1切欠き溝内に進入しつつ、目詰まりを起こしたらその部分を避けて、インク吸収体に浸透して効率よく吸収される。
そしてまた、自然乾燥によってインク溶媒が蒸発することによって、順次新たな廃インクを吸収保持するように作用する。
すなわち、インク吸収体は貫通孔、第1切欠き溝からインクを吸収するのみならず、毛管力発生部を介して周囲からもインクが吸収されるため、インクの吸収効率が良好になる。
このように、第1インク吸収材を複数積層させたり、第2インク吸収材を複数積層させてインク吸収体としたので、耐用年数に合わせてインク吸収体のトータルの厚さを調整できる。
このように、第2切欠き溝を設けることによって、第2インク吸収材は第2切欠き溝からもインクを吸収するので、第2インク吸収材は効率よくインクを吸収することができる。
このように、インク吸収体と廃インクタンクの側壁との間に隙間が形成されているため、インクを毛管力発生部へ効率よく供給してインク吸収体の周囲(外周部)に効率よくインクを吸収させることができる。
このように、毛細管力発生部が複数設けられているため、第2インク吸収材の外周部から効率よくインクを吸収させることができる。また、毛細管力発生部を各側壁に1つ設けたので、第2インク吸収材の外周部から効率よくインクを吸収させることができる。
このように、第1切欠き溝が毛細管力発生部の間に少なくとも1つ配されているため、前記第1切欠き溝を挟む毛細管力発生部のいずれかあるいは両方の毛細管力発生部からインクを効率よく上昇させ、インク吸収体の外周部から吸収させることができる。
このように、廃インクタンクの側壁が形成する形状、第1インク吸収材および第2インク吸収材の平面形を、上下および/または左右を対称にしたので、廃インクタンクに間違いなく第1インク吸収材および第2インク吸収材を収容させることができる。また、平面形状は多角形で、第1インク吸収材の各側辺に少なくとも1つの第1切欠き溝を設けたので、第1インク吸収材の外周に効率よくインクを吸収させることができる。
また、前記したような所定の開度でもって形成された溝に限定されるものではなく、例えば、断面が矩形形状の溝であってもよい。この場合、例えば幅0.3mm、深さ0.6mm程度に形成するのが好ましい。
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、インクジェット式の記録ヘッド7が搭載され、またその上部には前記記録ヘッド7にインクを供給するブラック用インクカートリッジ8、およびカラー用インクカートリッジ9が着脱可能に装填されている。
前記キャッピング手段10はインクジェット式記録装置の休止期間中における記録ヘッド7のノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッド7に印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記吸引ポンプ11からの負圧を記録ヘッド7に作用させて、インクを吸引排出させるクリーニング操作の機能も兼ね備えている。
そして、キャップ部材10bの内底部には、多孔質材料により形成されたインク吸収材10cが収納されており、このインク吸収材10cはキャップ部材10bに一体に形成された保持体10dにより保持されている。
この状態で吸引ポンプ11を駆動させることで、キャップ部材10bの内部空間に負圧が与えられ、記録ヘッド7のノズル開口7bからインクが吸引排出される。一定時間吸引ポンプ11を駆動した後、停止する。
そして、図5に示す形態の第1および第2インク吸収材32,35が上下方向に積層されてケース部材21内に収納されている。
なお、図4に示すように、この実施形態にあっては、第1インク吸収材32は1枚の、第2インク吸収材35は3枚の吸収材から構成されている。この枚数は特に限定されるものではなく、いずれも複数枚であってもよい。これら枚数は、耐用年数等を考慮して適宜決定される。
また、前記したような所定の開度でもって形成された溝に限定されるものではなく、例えば、断面が矩形形状の溝であってもよい。この場合、例えば幅0.3mm、深さ0.6mm程度に形成するのが好ましい。
また、第2インク吸収材35には、隅の一部を位置合わせ側壁23に対応させて切り欠いた位置合わせ切欠き36と、そのほぼ中央に廃インクが滴下する貫通孔37が形成されている。なお、貫通孔37は夫々の第1切欠き溝34の一端部において、それぞれ連通している。
そして、第1インク吸収材32の第1切欠き溝34の末端部(側辺部)を大気に開放させるために、側壁22と第1および第2インク吸収材32,35との間に毛管力発生部24によって、隙間Sが形成されている。
この場合、第1インク吸収材32の第1切欠き溝34を介して、貫通孔37が大気に開放していることで、インクは抵抗なく貫通孔37内に流れ込むことができる。なお、貫通孔37が大気に開放していることで、通風性が向上して第2インク吸収材35に吸収された後のインク溶媒の蒸発が促進され、未蒸発のインクを少なくすることができる。
そして、自然乾燥によってインク溶媒が蒸発することによって、順次新たな廃インクを吸収保持するようになされる。その結果、第1、2インク吸収材32,35の全面にわたって、廃インクを吸収保持するようになされる。
そして、廃インクタンク13の外郭を構成するケース部材21は、図6および図7に示すように、その側壁22および位置合わせ側壁23が立ち上げられて上部が開放したほぼ四辺形の形態で、各側壁22の内面にそれぞれ1つずつインクを吸い上げると共に、第1および第2インク吸収材32,35に当接して位置決めする毛細管力発生部24が一体的に設けられている。
なお、各毛細管力発生部24には、インクを吸い上げるV字状の溝、もしくは断面が矩形形状の溝25が複数形成されている。
四辺形の第1インク吸収材32Aには、隅の一部を位置合わせ側壁23に対応させて切り欠いた位置合わせ切欠き33Aと、各側辺のほぼ中央に開口して内側の中心へ延びる等間隔(90度間隔)に形成された4つの第1切欠き溝34Aとが設けられている。
第2インク吸収材35Aには、隅の一部を位置合わせ側壁23に対応させて切り欠いた位置合わせ切欠き36Aと、そのほぼ中央に廃インクが滴下する貫通孔37Aと、この貫通孔37Aから放射状に等間隔(90度間隔)で延びて外側端部が対応する第1切欠き溝34Aに連通する4つの第2切欠き溝38Aとが形成されている。
なお、上記した第1および第2インク吸収材32A,35Aは、位置合わせ切欠き33A,36Aが形成されているため、ケース部材21に対して適切に収納することができる。
また、廃インクタンクの側壁22が形成する形状、第1インク吸収材32,32Aおよび第2インク吸収材35,35Aの平面形状を四角形としたが、他の形状であってもよい。
更に、上記実施形態では、第1および第2インク吸収材32,35,32A,35Aに位置合わせ切欠き33,36,33A,36Aを形成した場合について説明したが、位置合わせ切欠きを形成せず、第1および第2インク吸収材を上下および/または左右が対称形状に形成しても良い。
すなわち、廃インクタンクの側壁が形成する形状、前記第1インク吸収材および前記第2インク吸収材の平面形状を、上下および/または左右が対称に形成することにより、廃インクタンクに間違いなく第1インク吸収材および第2インク吸収材を収容させることができる。
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、廃インクタンクの側壁には毛細管力発生部が形成され、インクは、毛細管力発生部によってインク吸収体の外周部からも吸収されるため、前記インクをインク吸収体に均一にかつ効率よく吸収させることができる。
Claims (4)
- インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドから排出されたインクを吸収するインク吸収体を収納した廃インクタンクとを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記インク吸収体は、下側に位置して、側面に開口して内側へ延びる少なくとも1つの第1切欠き溝を有する第1インク吸収材と、前記第1インク吸収材の上側に積層されて、前記キャッピング手段から排出されたインクが滴下すると共に、前記記録ヘッドから排出されたインクが滴下すると共に前記第1切欠き溝の一部と連通する空間部と前記第1切欠き溝の他部を覆う部分を有した第2インク吸収材とから構成され、
前記インク吸収体と廃インクタンクの側壁との間に隙間が形成され、
前記空間部は、前記第1切欠き溝と前記隙間を介して直接大気に連通していることを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 前記第1インク吸収材は、複数積層されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記第2インク吸収材は、複数積層されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記第1切欠き溝と前記空間部とは、前記空間部に連通した前記第2インク吸収材の第2切欠き溝を介して連通されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のインクジェット式記録装置。
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