JP4723882B2 - ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタンの原料となるポリイソシアネートの製造方法、および、そのポリイソシアネートの製造方法を実施するためのポリイソシアネートの製造装置に関する。
ポリウレタンの原料として用いられるポリイソシアネートは、塩化カルボニルとポリアミンとをイソシアネート化反応させることにより、工業的に製造されている。
このようなイソシアネート化反応においては、ポリアミンから、対応するポリイソシアネートが生成されるとともに、大量の塩化水素ガスが副生する。
副生した塩化水素ガスは、例えば、塩化ビニルの製造におけるオキシクロリネーションに用いられる。
また、副生した塩化水素ガスを酸化して、塩素を工業的に製造することが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特開昭62−275001号公報 特開2000−272906号公報
しかし、ポリイソシアネートの製造設備に塩化ビニルの製造設備が近接していないと、イソシアネート化反応において副生した塩化水素ガスを、塩化ビニルの製造におけるオキシクロリネーションに利用することはできない。
また、同一コンビナート内または製造所内に塩素のユーザーが存在すれば、副生した塩化水素ガスを酸化して塩素を製造し、他の用途に使用または販売が可能であるが、他の製品の生産量とバランスをとるために、ポリイソシアネートの製造量の調整、塩素の製造量を調整し、使用しない塩化水素の排出または高価な塩素貯留用高圧設備またはブラインを有する低温設備が必要となる。同一コンビナート内に塩素のユーザーが無い場合は、高価な塩素貯留設備に加えて払い出し設備も必要となり、同一製造設備内で塩素を使用し、消費できる製造方法、およびその効率的なスタートアップ方法が望まれている。
本発明の目的は、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を、有効利用しつつ、環境への負荷を低減することのできるポリイソシアネートの製造方法、および、そのポリイソシアネートの製造方法を実施するためのポリイソシアネートの製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のポリイソシアネートの製造方法は、塩素と一酸化炭素とを反応させて塩化カルボニルを製造する塩化カルボニル製造工程と、塩化カルボニル製造工程において得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させてポリイソシアネートを製造するポリイソシアネート製造工程と、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を製造する塩素製造工程とを備え、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルを製造開始し、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートを製造開始し、塩素製造工程において塩素を製造開始することにより、スタートアップ操作を実施し、その後、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルの製造量を増加させるか、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートの製造量を増加させるか、または、塩素製造工程において塩素の製造量を増加させるかのいずれか1つの工程を、選択的に実施した後、残りの2つの工程を実施するロードアップ操作を、ポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施することを特徴としている。
本発明のポリイソシアネートの製造方法によれば、塩素製造工程において、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を得るので、塩化カルボニル製造工程において、その得られた塩素を、一酸化炭素と反応させて塩化カルボニルを得ることができる。つまり、副生した塩化水素から塩素を製造して、その塩素を塩化カルボニルの原料として再使用することができる。そのため、塩素を系外に排出することなく、循環使用することができるので、副生した塩化水素を、有効利用すると同時に、環境への負荷を低減することができる。
また、この方法では、塩素原子が系内を循環して、ポリイソシアネートを所定の製造量で定常的に製造するので、運転を開始するときのスタートアップ操作と、運転を開始したときから定常となるまでのロードアップ操作とを効率的に実施することが要求される。
しかるに、この方法では、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルを製造開始し、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートを製造開始し、塩素製造工程において塩素を製造開始することにより、スタートアップ操作を実施した後に、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルの製造量を増加させるか、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートの製造量を増加させるか、または、塩素製造工程において塩素の製造量を増加させるかのいずれか1つの工程を、選択的に実施した後、残りの2つの工程を実施するロードアップ操作を、ポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施する。そのため、ポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで、各工程での製造量を全体的かつ段階的に増加させることにより、効率的な運転を実現することができる。
また、このポリイソシアネートの製造方法では、前記スタートアップ操作では、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルを製造開始した後に、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートを製造開始し、次いで、塩素製造工程において塩素を製造開始することが好適である。
また、このポリイソシアネートの製造方法では、前記ロードアップ操作では、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルの製造量を増加させた後に、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートの製造量を増加させ、次いで、塩素製造工程において塩素の製造量を増加させることが好適である。
また、このポリイソシアネートの製造方法では、塩素製造工程では、流動床型反応器により塩化水素を酸化し、前記スタートアップ操作では、塩素製造工程において塩素を製造開始する以前に、流動床型反応器の準備運転を実施することが好適である。
また、このポリイソシアネートの製造方法では、塩素製造工程では、固定床型反応器により塩化水素を酸化し、前記スタートアップ操作では、塩素製造工程において塩素を製造開始する以前に、固定床型反応器の準備運転を実施することが好適である。
本発明のポリイソシアネートの製造方法は、塩素と一酸化炭素とを反応させて塩化カルボニルを製造する塩化カルボニル製造工程と、塩化カルボニル製造工程において得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させてポリイソシアネートを製造するポリイソシアネート製造工程と、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を製造する塩素製造工程とを備え、まず、塩化カルボニル製造工程において、予め用意された原料の塩素と一酸化炭素とを反応させて、塩化カルボニルを得た後、ポリイソシアネート製造工程において、得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させて、ポリイソシアネートを得た後、塩素製造工程において、副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を得るスタートアップ操作を実施し、次いで、塩化カルボニル製造工程において、原料の塩素とともに塩素製造工程において得られた塩素を、一酸化炭素と反応させて、塩化カルボニルを得た後、ポリイソシアネート製造工程において、得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させて、ポリイソシアネートを得た後、塩素製造工程において、副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を得るロードアップ操作を、ポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施することを特徴としている。
本発明のポリイソシアネートの製造方法によれば、塩素製造工程において、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を得るので、塩化カルボニル製造工程において、その得られた塩素を、一酸化炭素と反応させて塩化カルボニルを得ることができる。つまり、副生した塩化水素から塩素を製造して、その塩素を塩化カルボニルの原料として再使用することができる。そのため、塩素を系外に排出することなく、循環使用することができるので、副生した塩化水素を、有効利用すると同時に、環境への負荷を低減することができる。
また、この方法では、塩素原子が系内を循環して、ポリイソシアネートを所定の製造量で定常的に製造するので、運転を開始するときのスタートアップ操作と、運転を開始したときから定常となるまでのロードアップ操作とを効率的に実施することが要求される。
しかるに、この方法では、まず、塩化カルボニル製造工程において、予め用意された原料の塩素と一酸化炭素とを反応させて、塩化カルボニルを得た後、ポリイソシアネート製造工程において、得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させて、ポリイソシアネートを得た後、塩素製造工程において、副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を得るスタートアップ操作を実施し、次いで、塩化カルボニル製造工程において、原料の塩素とともに塩素製造工程において得られた塩素を、一酸化炭素と反応させて、塩化カルボニルを得た後、ポリイソシアネート製造工程において、得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させて、ポリイソシアネートを得た後、塩素製造工程において、副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を得るロードアップ操作を、ポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施する。そのため、ポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで、各工程での製造量を全体的かつ段階的に増加させることにより、効率的な運転を実現することができる。
また、このポリイソシアネートの製造方法では、前記スタートアップ操作および前記ロードアップ操作において、塩化カルボニル製造工程において用いられる原料の塩素の量は、一定量であることが好適である。
また、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造方法は、アニリンとホルムアルデヒドとを塩酸を含有する酸触媒を用いてポリメチレンポリフェニレンポリアミンを製造するポリアミン製造工程と、塩素と一酸化炭素とを反応させて塩化カルボニルを得る塩化カルボニル製造工程と、塩化カルボニル製造工程において得られた塩化カルボニルとポリアミン製造工程で得られたポリメチレンポリフェニレンポリアミンとを反応させてポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを製造するポリイソシアネート製造工程と、ポリイソシアネート製造工程で副生した塩化水素の少なくとも一部を水に吸収または混合して塩酸を製造する塩酸製造工程−1と、塩酸製造工程−1で得られた塩酸を、ポリアミン製造工程に供給する供給工程−1と、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を製造する塩素製造工程とを備え、ポリアミン製造工程においてポリメチレンポリフェニレンポリアミンの製造を開始し、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルを製造開始し、ポリイソシアネート製造工程においてポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを製造開始し、塩素製造工程において塩素を製造開始することにより、スタートアップ操作を実施し、その後、ポリアミン製造工程においてポリメチレンポリフェニレンポリアミンの生産量を増加させるか、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルの製造量を増加させるか、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートの製造量を増加させるか、または、塩素製造工程において塩素の製造量を増加させるかのいずれか1つの工程を、選択的に実施した後、残りの3つの工程を実施するロードアップ操作を、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施することを特徴としている。
ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造方法は、また、アニリンとホルムアルデヒドとを塩酸を含有する酸触媒を用いてポリメチレンポリフェニレンポリアミンを製造するポリアミン製造工程と、塩素と一酸化炭素とを反応させて塩化カルボニルを得る塩化カルボニル製造工程と、塩化カルボニル製造工程において得られた塩化カルボニルとポリアミン製造工程で得られたポリメチレンポリフェニレンポリアミンとを反応させてポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを製造するポリイソシアネート製造工程と、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を製造する塩素製造工程と、塩素製造工程において未酸化の塩化水素を水に吸収または混合し塩酸を製造する塩酸製造工程−2と、塩酸製造工程−2で得られた塩酸をポリアミン製造工程に供給する供給工程−2とを備え、ポリアミン製造工程においてポリメチレンポリフェニレンポリアミンの生産量を増加させるか、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルの製造量を増加させるか、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートの製造量を増加させるか、または、塩素製造工程において塩素の製造量を増加させるかのいずれか1つの工程を、選択的に実施した後、残りの3つの工程を実施するロードアップ操作を、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施することを特徴としている。
このことにより、ポリメチレンポリフェニレンポリアミンの製造に用いる塩酸を、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造で副生する塩化水素で対応することができる。また、塩化水素を水に吸収または混合する設備を有することにより塩素製造設備のトラブル等で塩素生産量を低減する時に、塩酸を製造することにより対応することができる。
本発明のポリイソシアネートの製造方法によれば、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を、有効利用しつつ、環境への負荷を低減することのでき、さらに、ポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで、各工程での製造量を全体的かつ段階的に増加させることにより、効率的な運転を実現することができる。
また、塩化カルボニル製造工程で得られる塩化カルボニル中の一酸化炭素量を低減することにより、ポリイソシアネート製造系内を循環する一酸化炭素濃度を低減することができ、そのため塩素製造工程中の一酸化炭素濃度を10容量%以下、好ましくは、3容量%以下とすることができる。また、塩化カルボニルを液化して使用することにより、ポリイソシアネート製造工程から塩素製造工程までの系内の一酸化炭素濃度を0.5容量%未満等実質的に一酸化炭素を含有しない状態とすることができる、塩素製造工程の原単位向上や運転性を向上することができる。
図1は、ポリイソシアネートの製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。以下、図1を参照して、本発明のポリイソシアネートの製造方法の一実施形態について説明する。
図1において、このポリイソシアネートの製造装置1は、塩化カルボニル製造用反応槽2、イソシアネート化反応槽3、塩化水素精製塔4、塩化水素吸収塔5、塩化水素酸化槽6、これらを接続するための接続ライン(配管)7、および、再使用ライン8を備えている。
塩化カルボニル製造用反応槽2は、塩素(Cl2)と一酸化炭素(CO)とを反応させて、塩化カルボニル(COCl2)を製造するための反応槽であれば、特に制限されず、例えば、活性炭触媒を充填した固定床式反応器などから構成される。また、塩化カルボニル製造用反応槽2は、接続ライン7を介してイソシアネート化反応槽3と接続されている。
塩化カルボニル製造用反応槽2には、原料として、塩素ガスおよび一酸化炭素ガスが、塩素に対して一酸化炭素が1〜10モル過剰となる割合で、供給される。塩素が過剰に供給されると、イソシアネート化反応槽3において、過剰の塩素によってポリイソシアネートの芳香環や炭化水素基がクロル化される場合がある。
塩素ガスおよび一酸化炭素ガスの供給量は、ポリイソシアネートの製造量や副生する塩化水素ガスの副生量によって、適宜設定される。
そして、塩化カルボニル製造用反応槽2では、塩素と一酸化炭素とがイソシアネート化反応して、塩化カルボニルが生成する(塩化カルボニル製造工程)。このイソシアネート化反応では、塩化カルボニル製造用反応槽2を、例えば、0〜250℃、0〜5MPa−ゲージに設定する。
得られた塩化カルボニルは、塩化カルボニル製造用反応槽2において、適宜、冷却により液化して液化状態としてもよく、適宜の溶媒に吸収させて溶液とすることもできる。
塩化カルボニルを液化状態とすれば、塩化カルボニル中の一酸化炭素濃度を低減することができ、実質的に一酸化炭素を含有しないので、後述する塩化水素酸化反応において、触媒の活性低下や部分失活等の触媒に対する悪影響をを低減または予防することができ、原単位の向上や塩化水素酸化反応や反応器における温度分布の均一化等を達成することができ、塩化水素酸化反応器を安定化させることができる。さらに、触媒の失活や活性低下等の抑制または予防ができ、塩化水素の塩素への転換率を向上させることができる。なお、塩化カルボニルを液化するには、塩化カルボニル製造用反応槽2において、例えば、上記した固定床式反応器の下流側に凝縮器を設けて、その凝縮器により、得られた塩化カルボニルを液化する。また、この液化においては、塩化カルボニル中の一酸化炭素濃度を、好ましくは、10容量%以下、好ましくは3容量%以下にする。
そして、得られた塩化カルボニルは、接続ライン7を介して、イソシアネート化反応槽3に供給される。
そして、得られた塩化カルボニルは、接続ライン7を介して、イソシアネート化反応槽3に供給される。
イソシアネート化反応槽3は、塩化カルボニルとポリアミンとを反応させて、ポリイソシアネートを製造するための反応槽であれば、特に制限されず、例えば、攪拌翼が装備された反応器が用いられる。また、好ましくは、多段槽として構成される。イソシアネート化反応槽3は、接続ライン7を介して、塩化水素精製塔4に接続されている。
イソシアネート化反応槽3には、原料として、塩化カルボニル製造用反応槽2から接続ライン7を介して塩化カルボニル製造用反応槽2において得られた塩化カルボニルが供給されるとともに、ポリアミンが供給される。
塩化カルボニルは、塩化カルボニル製造用反応槽2から、ガスのまま、あるいは、上記したように、液化状態や溶液状態で、ポリアミンに対して1〜10モル過剰となる割合で、供給される。
ポリアミンは、ポリウレタンの製造に用いられるポリイソシアネートに対応するポリアミンであって、特に制限されず、例えば、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(MDI)に対応するポリメチレンポリフェニレンポリアミン(MDA)、トリレンジイソシアネート(TDI)に対応するトリレンジアミン(TDA)などの芳香族ジアミン、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)に対応するキシリレンジアミン(XDA)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)に対応するテトラメチルキシリレンジアミン(TMXDA)などの芳香脂肪族ジアミン、例えば、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)に対応するビス(アミノメチル)ノルボルナン(NBDA)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)に対応する3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(IPDA)、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)に対応する4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(H12MDA)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)に対応するビス(アミノメチル)シクロヘキサン(H6XDA)などの脂環族ジアミン、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に対応するヘキサメチレンジアミン(HDA)などの脂肪族ジアミン、および、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)に対応するポリメチレンポリフェニルポリアミンなどから、適宜選択される。
このポリイソシアネートの製造装置1は、芳香族ジアミンやポリメチレンポリフェニルポリアミンから、芳香族ジイソシアネートやポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを製造するのに適している。
ポリアミンは、直接供給してもよいが、好ましくは、予め溶媒に溶解して、10〜25重量%の溶液として供給する。
溶媒としては、特に制限されないが、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、例えば、クロロトルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、例えば、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル類、例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。好ましくは、ジクロロベンゼンが挙げられる。
ポリアミンの供給量は、例えば、5〜30重量%の溶液として供給することが好ましい。
そして、イソシアネート化反応槽3では、塩化カルボニルとポリアミンとがイソシアネート化反応して、ポリイソシアネートが生成し、塩化水素ガス(HClガス)が副生する(ポリイソシアネート製造工程)。このイソシアネート化反応では、イソシアネート化反応槽3に、上記したようにポリアミンとともに、あるいは別途単独で、上記した溶媒を加えて、例えば、0〜250℃、0〜5MPa−ゲージに設定する。
得られたポリイソシアネートは、脱ガス、脱溶媒、タールカットなどの後処理をした後、精製し、ポリウレタンの原料として提供される。
また、副生した塩化水素ガスは、接続ライン7を介して、飛沫同伴する溶媒や塩化カルボニルとともに塩化水素精製塔4に供給される。
塩化水素精製塔4は、副生した塩化水素ガスを、飛沫同伴する溶媒や塩化カルボニルと分離して精製できれば、特に制限されず、例えば、凝縮器を装備したトレー塔や充填塔などから構成される。また、塩化水素精製塔4は、接続ライン7を介して、塩化水素吸収塔5と塩化水素酸化槽6とに接続されている。
塩化水素精製塔4では、塩化カルボニルを凝縮器によって凝縮させて、塩化水素ガスから分離し、また、溶媒を活性炭などの吸着により、塩化水素ガスから分離する。
塩化水素精製塔4において、好ましくは、塩化水素ガス中の有機物の濃度を、1重量%以下、好ましくは、100ppm以下にし、かつ、塩化水素ガス中の一酸化炭素の濃度を、1容量%以下にする。塩化水素ガス中の不純物を、このレベルに低減すれば、後述する塩化水素酸化反応において、塩化水素の塩素への転換率を向上させることができる。
そして、精製された塩化水素ガスは、大部分が塩化水素酸化槽6に供給され、一部が塩化水素吸収塔5に供給される。塩化水素酸化槽6に供給される塩化水素ガスと、塩化水素吸収塔5に供給される塩化水素ガスとの割合は、後述するように、塩化水素吸収塔5において所望する塩酸の濃度に基づいて、適宜決定される。
塩化水素酸化槽6は、塩化水素ガスを酸化して、塩素(Cl2)を製造するための反応槽であれば、特に制限されず、例えば、触媒として酸化クロムを用いる流動床式反応器や、ルテニウムを含有する触媒を用いる固定床式反応器等から構成される。また、塩化水素酸化槽6は、再供給ライン8を介して塩化カルボニル製造用反応槽2に接続されるとともに、接続ライン7を介して塩化水素吸収塔5に接続されている。
塩化水素酸化槽6を、流動床式反応器から構成する場合には、例えば、特開昭62−275001号公報に準拠して、塩化水素ガス中の塩化水素1モルに対して、0.25モル以上の酸素を供給して、酸化クロムの存在下、0.1〜5MPa−ゲージ、300〜500℃で反応させる。塩化水素ガスの供給量は、例えば、0.2〜1.8Nm3/h・kg−触媒である。
また、塩化水素酸化槽6を、固定床式反応器から構成する場合には、例えば、特開2000−272906号公報に準拠して、塩化水素ガス中の塩化水素1モルに対して、0.25モル以上の酸素を供給して、ルテニウム含有触媒の存在下、0.1〜5MPa、200〜500℃で反応させる。
そして、塩化水素酸化槽6では、塩化水素ガスが酸素(O2)によって酸化され、塩素が生成し、水(H2O)が副生する(塩素製造工程)。この酸化反応において、塩化水素の塩素への変換率は、例えば、60%以上、好ましくは、70〜95%である。
そして、このポリイソシアネートの製造装置1では、塩化水素酸化槽6において得られた塩素が、再供給ライン8を介して、塩化カルボニル製造用反応槽2に供給され、塩化カルボニル製造用反応槽2において、塩化カルボニルを製造するための原料として用いられる。
このポリイソシアネートの製造装置1を用いたポリイソシアネートの製造方法では、上記したように、イソシアネート化反応槽3において副生した塩化水素を、塩化水素酸化槽6において酸化することにより塩素を得た後、その得られた塩素を、塩化カルボニル製造用反応槽2に供給して、塩化カルボニルの原料として再使用する。そのため、この方法では、塩素を、ポリイソシアネートの製造装置1の系外に排出することなく、循環使用することができるので、副生した塩化水素を、有効利用すると同時に、環境への負荷を低減することができる。
また、塩化水素酸化槽6において、副生した水は排水し、未酸化(未反応)の塩化水素ガスや塩酸水は、接続ライン7を介して、塩化水素吸収塔5に供給される。
塩化水素吸収塔5は、塩化水素ガスを水に吸収させて塩酸(塩化水素の水溶液:HClaq)を調製できるものであれば、特に制限されず、公知の吸収塔から構成される。
塩化水素吸収塔5では、塩化水素酸化槽6から接続ライン7を介して供給される塩化水素ガスや塩酸水と、塩化水素精製塔4から接続ライン7を介して供給される塩化水素ガスとを、水に吸収させて、塩酸を得る。得られた塩酸は、そのまま、あるいは活性炭等で精製して工業用途等として提供される。
また、この塩化水素吸収塔5では、得られた塩酸を、そのまま、工業用途として所望する濃度で提供するため、塩化水素精製塔4へ供給される水量を調整したり、あるいは塩化水素精製塔4から接続ライン7を介して供給される塩化水素ガスの供給量を調整することにより、塩酸の濃度(塩酸中の塩化水素の濃度)を所定濃度に調整している。また、一旦吸収した塩酸を加熱して再び塩化水素ガスを発生させ、その塩化水素を所定量の水で吸収させることによって塩酸濃度を調整することもできる。
すなわち、塩化水素酸化槽6では、一定の変換率で塩化水素が塩素へ変換されるので、塩化水素吸収塔5には、塩化水素酸化槽6から接続ライン7を介して、塩素に変換された残余の塩化水素が、一定割合で供給される。例えば、塩化水素酸化槽6での変換率が、80%であれば、80%の塩化水素が塩素に変換される一方で、残余の20%の塩化水素が、塩化水素酸化槽6から接続ライン7を介して、塩化水素吸収塔5に供給される。
そして、塩化水素酸化槽6から供給される塩化水素ガスおよび塩酸と塩化水素精製塔4から供給される塩化水素ガスに併せて塩化水素吸収塔5の水量を調整して所定濃度にするあるいは、塩化水素酸化槽6から供給された塩化水素をベースとして、塩化水素精製塔4から供給する塩化水素の供給量を調整することにより、所望される濃度の塩酸を調製する。これによって、その後に濃度調整することなく、塩化水素吸収塔5において所望の濃度の塩酸を調製することができ、それを、そのまま工業用途に提供することができる。
また、このポリイソシアネートの製造装置1では、塩化カルボニル製造用反応槽2には、塩化水素酸化槽6から再供給ライン8を介して供給される塩素(再生塩素)以外に、別途原料として用意されている塩素(追加塩素)が、供給される。追加塩素の供給量は、塩化水素吸収塔5での塩酸の生成に必要とされる塩化水素の量(すなわち、再生塩素の不足分)に対応して設定されている。追加塩素は、必要に応じて外部から購入しても電解等のポリイソシアネートの製造方法とは独立した方法で塩素を製造する設備別途保有して該設備から供給してもよい。
追加塩素を、塩化水素吸収塔5での塩酸の生成に必要とされる塩化水素の量に対応して供給すれば、塩化水素吸収塔5から所望の濃度の塩酸を提供しつつ、このポリイソシアネートの製造装置1におけるマスバランスをとることができる。
そして、このポリイソシアネートの製造装置1では、上記したように、塩素原子が系内を循環して、ポリイソシアネートを所定の製造量で定常的に製造するので、運転開始時のスタートアップ操作と、運転開始時から定常運転となるまでのロードアップ操作とを効率的に実施することが要求される。
図2は、このポリイソシアネートの製造装置1における、スタートアップ操作とロードアップ操作との手順の一実施形態を示すフロー図である。
次に、このポリイソシアネートの製造装置1における、スタートアップ操作とロードアップ操作とについて、図2を参照して説明する。
図2に示すように、このポリイソシアネートの製造装置1において、運転開始時のスタートアップ操作(S1〜S4)では、追加塩素のみが用いられる。より具体的には、まず、塩化カルボニル製造用反応槽2に追加塩素と一酸化炭素とを供給する(S1)。追加塩素の供給量は、例えば、定常運転時の供給量を100%としたときの10〜50%、好ましくは、10〜30%である。
そして、塩化カルボニル製造用反応槽2では、塩素と一酸化炭素とのホスゲン化反応により、塩化カルボニルが製造される(S2)。
次いで、塩化カルボニル製造用反応槽2にて得られた塩化カルボニルは、イソシアネート化反応槽3において、ポリアミンと反応して、ポリイソシアネートが製造され、塩化水素ガスが副生される(S3)。
その後、副生した塩化水素ガスは、塩化水素精製塔4において精製された後、塩化水素酸化槽6において酸化され、再生塩素が製造される(S4)。
次いで、このポリイソシアネートの製造装置1では、運転開始時から定常運転となるまでのロードアップ操作(S2〜S6)が繰り返し実施される。より具体的には、まず、追加塩素に加えて、塩化水素酸化槽6において製造された再生塩素を、一酸化炭素とともに塩化カルボニル製造用反応槽2に供給する(S6)。
このときの塩素の供給量は、追加塩素と再生塩素との合計量となり、スタートアップ操作での塩素の供給量よりも増加する。例えば、スタートアップ操作において、追加塩素を25%供給し、塩化水素の塩素への変換率が80%であった場合には、スタートアップ操作において再生塩素が20%製造されるので、ロードアップ操作では、追加塩素の25%に再生塩素の20%が加算され、つまり、ロードアップ操作での当初の塩素の供給量は、45%となる。
次いで、塩化カルボニル製造用反応槽2では、塩素と一酸化炭素とのホスゲン化反応により、塩化カルボニルが製造される(S2)。このときの塩化カルボニルの製造量は、塩素の供給量に対応して増加する。
次いで、塩化カルボニル製造用反応槽2にて得られた塩化カルボニルは、イソシアネート化反応槽3において、ポリアミンと反応して、ポリイソシアネートが製造され、塩化水素ガスが副生される(S3)。このときのポリイソシアネートの製造量および塩化水素ガスの副生量は、増加した塩化カルボニルの製造量に対応して増加する。
その後、副生した塩化水素ガスは、塩化水素精製塔4において精製された後、塩化水素酸化槽6において酸化され、再生塩素が製造される(S4)。このときの再生塩素の製造量は、塩化水素ガスの副生量に対応して増加する。例えば、ロードアップ操作での当初の塩素の供給量が45%であり、塩化水素の塩素への変換率が80%であった場合には、再生塩素が36%製造される。
そして、ポリイソシアネートの製造量が、目標の製造量(すなわち、定常運転時の製造量)に到達するまで、上記の工程(S6〜S4)が繰り返される(S5:NO)。この繰り返しにおいては、毎回増加する塩素の供給量に対応して、塩化カルボニルの製造量、ポリイソシアネートの製造量、塩化水素ガスの副生量および再生塩素の製造量が増加する。例えば、上記のように、再生塩素が36%製造された場合には、次回の塩素の供給量が、追加塩素の25%に再生塩素の36%が加算され、61%となり、その塩素の供給量に対応して、塩化カルボニルの製造量、ポリイソシアネートの製造量、塩化水素ガスの副生量および再生塩素の製造量が増加する。
そして、ポリイソシアネートの製造量が次第に増加して、目標の製造量(すなわち、定常運転時の製造量)に到達すると、ロードアップ操作が終了し(S5:YES)、定常運転が実施される(S7)。
定常運転では、定常運転時のポリイソシアネートの製造量に対応して、塩化カルボニル製造用反応槽2に供給される塩素の供給量(追加塩素と再生塩素との合計量)が固定される。
塩素の供給量を固定するには、特に制限されないが、例えば、追加塩素を、運転開始から定常運転にわたって常に一定量で供給する一方で、定常運転においては、イソシアネート化反応槽3において副生した塩化水素ガスの、塩化水素精製塔4で精製した後に塩化水素吸収塔5において直接水に吸収させる量を調整(増加)する。このようにすれば、追加塩素を常に一定量で供給することができ、マスバランスの計算や制御の容易化を図ることができる。
また、塩素の供給量を固定するには、例えば、追加塩素の供給量を、定常運転において、塩化カルボニル製造用反応槽2に供給される塩素の供給量(追加塩素と再生塩素との合計量)が一定となるように、ロードアップ操作のときよりも、減少させるようにすることもできる。
上記の手順で、スタートアップ操作およびロードアップ操作を実施すれば、ポリイソシアネートの製造量が定常運転時の製造量となるまで、各工程での製造量を全体的かつ段階的に増加させることができ、効率的な運転を実現することができる。
なお、上記の説明においては、ロードアップ操作において、塩化カルボニル製造用反応槽2において塩化カルボニルの製造量を増加させた後に、イソシアネート化反応槽3においてポリイソシアネートの製造量を増加させ、次いで、塩化水素酸化槽6において再生塩素の製造量を増加させたが、このポリイソシアネートの製造装置1では、どの工程からロードアップするかは、適宜決定することができる。
例えば、イソシアネート化反応槽3において、ポリアミンの供給量を調整することにより、イソシアネート化反応槽3においてポリイソシアネートの製造量を増加させた後に、塩化水素酸化槽6において再生塩素の製造量を増加させ、次いで、塩化カルボニル製造用反応槽2において塩化カルボニルの製造量を増加させることもできる。
また、例えば、イソシアネート化反応槽3において副生した塩化水素ガスの、塩化水素精製塔4で精製した後に塩化水素吸収塔5において直接水に吸収させる量を調整(増加)することにより、塩化水素酸化槽6において再生塩素の製造量を増加させた後に、塩化カルボニル製造用反応槽2において塩化カルボニルの製造量を増加させ、次いで、塩化カルボニル製造用反応槽2において塩化カルボニルの製造量を増加させることもできる。
また、スタートアップ操作では、塩化水素酸化槽6において、再生塩素を製造する以前に、準備運転しておくことが好適である。
塩化水素酸化槽6が、流動床式反応器から構成されている場合には、塩化水素酸化槽6に塩化水素ガスが供給される以前に、例えば、窒素等の不活性ガス、空気または塩素もしくは塩化水素を含有する不活性ガスを用いて流動床反応器を循環運転して所定の温度および圧力するの準備運転を実施しておく。
このように準備運転を実施しておけば、さらに効率的に、スタートアップ操作を実施することができる。
本発明のポリイソシアネートの製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図1に示すポリイソシアネートの製造装置における、スタートアップ操作とロードアップ操作との手順の一実施形態を示すフロー図である。
符号の説明
1 ポリイソシアネートの製造装置
2 塩化カルボニル製造用反応槽
3 イソシアネート化反応槽
6 塩化水素酸化槽

Claims (9)

  1. 塩素と一酸化炭素とを反応させて塩化カルボニルを製造する塩化カルボニル製造工程と、塩化カルボニル製造工程において得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させてポリイソシアネートを製造するポリイソシアネート製造工程と、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を製造する塩素製造工程とを備え、
    塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルを製造開始し、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートを製造開始し、塩素製造工程において塩素を製造開始することにより、スタートアップ操作を実施し、その後、
    塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルの製造量を増加させるか、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートの製造量を増加させるか、または、塩素製造工程において塩素の製造量を増加させるかのいずれか1つの工程を、選択的に実施した後、残りの2つの工程を実施するロードアップ操作を、ポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施することを特徴とする、ポリイソシアネートの製造方法。
  2. 前記スタートアップ操作では、
    塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルを製造開始した後に、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートを製造開始し、次いで、塩素製造工程において塩素を製造開始することを特徴とする、請求項1に記載のポリイソシアネートの製造方法。
  3. 前記ロードアップ操作では、
    塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルの製造量を増加させた後に、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートの製造量を増加させ、次いで、塩素製造工程において塩素の製造量を増加させることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリイソシアネートの製造方法。
  4. 塩素製造工程では、流動床型反応器により塩化水素を酸化し、
    前記スタートアップ操作では、塩素製造工程において塩素を製造開始する以前に、流動床型反応器の準備運転を実施することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリイソシアネートの製造方法。
  5. 塩素製造工程では、固定床型反応器により塩化水素を酸化し、
    前記スタートアップ操作では、塩素製造工程において塩素を製造開始する以前に、固定床型反応器の準備運転を実施することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリイソシアネートの製造方法。
  6. 塩素と一酸化炭素とを反応させて塩化カルボニルを製造する塩化カルボニル製造工程と、塩化カルボニル製造工程において得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させてポリイソシアネートを製造するポリイソシアネート製造工程と、ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を製造する塩素製造工程とを備え、
    まず、塩化カルボニル製造工程において、予め用意された原料の塩素と一酸化炭素とを反応させて、塩化カルボニルを得た後、ポリイソシアネート製造工程において、得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させて、ポリイソシアネートを得た後、塩素製造工程において、副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を得るスタートアップ操作を実施し、
    次いで、塩化カルボニル製造工程において、原料の塩素とともに塩素製造工程において得られた塩素を、一酸化炭素と反応させて、塩化カルボニルを得た後、ポリイソシアネート製造工程において、得られた塩化カルボニルとポリアミンとを反応させて、ポリイソシアネートを得た後、塩素製造工程において、副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を得るロードアップ操作を、ポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施することを特徴とする、ポリイソシアネートの製造方法。
  7. 前記スタートアップ操作および前記ロードアップ操作において、塩化カルボニル製造工程において用いられる原料の塩素の量は、一定量であることを特徴とする、請求項6に記載のポリイソシアネートの製造方法。
  8. アニリンとホルムアルデヒドとを塩酸を含有する酸触媒を用いてポリメチレンポリフェニレンポリアミンを製造するポリアミン製造工程と、
    塩素と一酸化炭素とを反応させて塩化カルボニルを得る塩化カルボニル製造工程と、
    塩化カルボニル製造工程において得られた塩化カルボニルとポリアミン製造工程で得られたポリメチレンポリフェニレンポリアミンとを反応させてポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを製造するポリイソシアネート製造工程と、
    ポリイソシアネート製造工程で副生した塩化水素の少なくとも一部を水に吸収または混合して塩酸を製造する塩酸製造工程−1と、
    塩酸製造工程−1で得られた塩酸を、ポリアミン製造工程に供給する供給工程−1と、
    ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を製造する塩素製造工程とを備え、
    ポリアミン製造工程においてポリメチレンポリフェニレンポリアミンの製造を開始し、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルを製造開始し、ポリイソシアネート製造工程においてポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを製造開始し、塩素製造工程において塩素を製造開始することにより、スタートアップ操作を実施し、その後、
    ポリアミン製造工程においてポリメチレンポリフェニレンポリアミンの生産量を増加させるか、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルの製造量を増加させるか、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートの製造量を増加させるか、または、塩素製造工程において塩素の製造量を増加させるかのいずれか1つの工程を、選択的に実施した後、残りの3つの工程を実施するロードアップ操作を、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施することを特徴とする、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造方法。
  9. アニリンとホルムアルデヒドとを塩酸を含有する酸触媒を用いてポリメチレンポリフェニレンポリアミンを製造するポリアミン製造工程と、
    塩素と一酸化炭素とを反応させて塩化カルボニルを得る塩化カルボニル製造工程と、
    塩化カルボニル製造工程において得られた塩化カルボニルとポリアミン製造工程で得られたポリメチレンポリフェニレンポリアミンとを反応させてポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを製造するポリイソシアネート製造工程と、
    ポリイソシアネート製造工程において副生した塩化水素を酸化して、塩化カルボニル製造工程において用いる塩素を製造する塩素製造工程と、
    塩素製造工程において未酸化の塩化水素を水に吸収または混合し塩酸を製造する塩酸製造工程−2と、
    塩酸製造工程−2で得られた塩酸をポリアミン製造工程に供給する供給工程−2とを備え、
    ポリアミン製造工程においてポリメチレンポリフェニレンポリアミンの生産量を増加させるか、塩化カルボニル製造工程において塩化カルボニルの製造量を増加させるか、ポリイソシアネート製造工程においてポリイソシアネートの製造量を増加させるか、または、塩素製造工程において塩素の製造量を増加させるかのいずれか1つの工程を、選択的に実施した後、残りの3つの工程を実施するロードアップ操作を、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造量が所定の製造量となるまで繰り返し実施することを特徴とする、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの製造方法。
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