JP4723741B2 - 希土類磁石合金塊の良否判定方法、製造方法、希土類磁石合金塊および希土類磁石合金 - Google Patents

希土類磁石合金塊の良否判定方法、製造方法、希土類磁石合金塊および希土類磁石合金 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、RE(REはYを含むランタノイド(Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)のうち少なくとも1種からなる金属である。)が27〜34質量%、B(硼素)が0.7〜1.4質量%、TM(TMはFeを必須の元素として含む遷移元素からなる金属である。)が残部を占める組成を持つ希土類磁石合金(RE−TM−B系磁石合金)塊の良否判定方法、製造方法、希土類磁石合金塊および希土類磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、RE−TM−B系磁石合金は、パソコン向けハードディスク用のボイスコイルモーター(VCM)、医療用磁気共鳴画像装置(MRI)に加えて、モーター用途にも需要が伸びつつあり、また、高性能化、小型化に伴い、磁石そのものにも磁気特性のさらなる向上が求められている。
【0003】
RE−TM−B系磁石合金を用いた焼結磁石は、以下のようにして作られる。まず、REの原料として希土類メタルあるいはREFe(REとFeの2元系合金)などの母合金、硼素(B)の原料として固体ホウ素あるいはフェロボロン、TMの原料として純鉄あるいはアトミロン、およびその他添加元素を適宜用いる。それらを、アルミナ坩堝にて真空中あるいは不活性ガス雰囲気で溶解して鋳造し、合金塊とする。得られた合金塊を、窒素ガスあるいは不活性ガス雰囲気中にて粉砕し、粒径数μm程度の粉末とする。液体あるいは粉末状固体の潤滑剤を、粉砕の途中あるいは粉砕後に添加する。得られた合金粉末を磁場中で成型し、その成型体を真空中あるいは不活性ガス中にて焼結させることで焼結体が得られる。得られた焼結体の形状を整え、防錆、腐食の防止のために表面をニッケルあるいはアルミメッキで被覆して、最終的に焼結磁石が得られる。
【0004】
焼結磁石の磁気特性の中で、残留磁化、保磁力、角型性は特に重要である。
残留磁化を高めるには、粉末の配向度が高く、焼結体の密度が大きい方が好ましい。また、保磁力を高めるためには、粉砕粒度を小さくする必要がある。さらに、角型性を改善するためには、粉末の粒度分布を揃える必要がある。つまり、焼結磁石の磁気特性は、その材料である合金粉末に大きく左右される。
【0005】
合金粉末は次のように製造される。すなわち鋳造された合金塊を好ましくは数cm程度に粗砕(本明細書では、合金塊を0.1〜10cm程度に分割することを粗砕という)し、それを密閉容器にて真空引きした後、水素を導入して水素雰囲気下に置き、合金が水素を吸って膨張して自ら割れを生じる性質を利用して割れを生じさせる。この操作は水素解砕と呼ばれている。
水素解砕は、RE−TM−B系磁石合金中の主相と、主相の間に点在しているREを多く含む相(以下、REリッチ相と称する)とでは、REリッチ相の方が水素化しやすい、ということを利用して、水素化に伴う膨張から、割れを生じさせ、その現象が、合金の表面から連鎖して起こることで割れていくようにする工程である。
【0006】
水素解砕の工程を経た合金は、その後さらに、例えばブラウンミルなどで数百μmに粗粉砕され、さらに、例えばジェットミルなどによって数μm程度まで微粉砕される。
【0007】
合金粉末に求められている特性として、次の条件の全てに適合することが望ましいとされている。
1)1つの粉末粒子の中に複数の結晶がないこと。これは、粉末に磁場をかけた時、1方向に配向させるためには重要である。一つの粒子の中に、異なった結晶方向を持つ結晶が複数存在すると、磁場をかけた際、その粒子は、複数の結晶方向のベクトル和の方向に配向してしまい、高配向が得られなくなる。
【0008】
2)REリッチ相が各々の粉末粒子の表面に存在していること。また、REリッチ相だけが独立して粒子となっていないこと。この条件は、REリッチ相が液相焼結の際に液相として重要な役割を果たすという点で非常に重要となる。つまり、液相焼結が均一に進行し、合金粉末を高密度の焼結体とするためには、液相が成型体中で均一に分布していることが望ましい。REリッチ相が各々の粉末粒子の表面のみにあるようにすれば、液相をおおよそ均一に分布させることができる。REリッチ相が粒内にあると、液相焼結に寄与しないREリッチ相が生じてしまい、REリッチ相を有効に使えなくなる。また、REリッチ相だけが独立して粒子になっていると、REリッチ相の分布がまばらになったり、混合が不足するなどによって、REリッチ相の分布の均一性が低下する。
【0009】
3)粉末の粒度が、フィッシャーサブシーブサイザーによる測定値でおよそ3〜4μm程度であり、且つ、粒度分布が狭いこと。粉末粒度は、その後の成型、焼結によって得られる焼結体に影響する。粒度分布が広い場合、微粉によって、粉末がより活性になり、磁石の酸素濃度が上がってしまうなどの弊害が生じる。また、粉末の中に粒度の大きい粒子が入っていたり、粒度全体が5μm以上になると、作製された磁石の磁気特性、特に保磁力が劣化してしまう。
【0010】
機械粉砕の前に水素解砕を行うと、予め合金中において粒界、粒内に存在するREリッチ相に沿って細かい割れを生じさせることができる。また、得られる粉末の粒度は、合金の組織によって決まってくる。従って、合金組織が適切な希土類磁石合金塊に水素解砕を施して粉砕することによって、上記の1)〜3)の全ての条件を満たす合金粉末を得ることができる。
【0011】
好ましい粒度分布を持つ合金粉末を得るのに適した合金の鋳造方法として適当なものの一つに、ストリップキャスティング法(以下、SC法と称する)が挙げられる。SC法では、溶湯を銅ロール上に流し込んで、合金を薄片状にして鋳造する。得られた合金は、薄片を回収するための容器に入り、さらに冷却速度を制御されることとなる。その際の、合金の冷却速度については、特開平09−170055号公報に示すように、融点から800℃の間における冷却速度は300℃/秒以上、且つ、800〜600℃の間の冷却速度は10℃/秒以下とするのが好ましい。
【0012】
これに対して従来のBookMold法により得られた合金では、粉砕によって、REリッチ相だけが独立して粉末粒子になってしまう傾向が強く、良好な粉末を得ることができなくなる。
【0013】
しかしSC法であっても、上述の冷却速度の条件から逸脱するのは好ましくない。その理由を以下に述べる。
まず、800〜600℃の間の冷却速度が10℃/秒を超えると、REリッチ相はより微細に分布するようになる。このようなSC材に水素解砕を施すと、REリッチ相の水素化による膨張が小さくなってしまうことで、SC材に割れが入る速度が遅くなる。これによって、以下のような弊害が生じる。
【0014】
a)好ましい条件で鋳造されたSC材の場合よりも、水素解砕工程の時間をさらに長く取らないと、割れが生じない部分が残ってしまい、その後の粉砕工程を経て得られた粉末では、表面でなく、内部にREリッチ相が存在する傾向が現れてしまう。
b)水素解砕工程にさらに時間をかけて割れを生じさせたとしても、REリッチ相に沿って形成される割れが過剰に細かくなってしまい、粉砕粒度が細かくなりすぎてしまう。このことによって、合金粉末が酸化しやすくなってしまい、また、粉体の流動性が著しく低下してしまう傾向が強くなる。
【0015】
また、800〜600℃の間の冷却速度が0.5℃/秒以下になると、REリッチ相はよりまばらになり、且つ、REリッチ相も凝集気味となる。これによって、以下のような弊害が生じる。
【0016】
c)REリッチ相の水素解砕工程は非常に短時間で済むようになるものの、水素解砕によって生じる割れの入り方は非常に粗くなる。これによって、粉砕粒径がより大きくなってしまう。また、機械粉砕で粒径を整えたとしても、粉末の周囲に存在するREリッチ相の均一性が低下し、また、REリッチ相のみが独立して粉末となる危険性が増大する。
このように希土類磁石合金塊の組織構造により、水素解砕後の合金粉末の粒度分布は変化し、また合金の水素吸蔵挙動も変化する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにRE−TM−B系磁石合金の鋳造合金塊から、磁気特性に優れる焼結磁石を形成するために好適な粒度分布を有する合金粉末を製造するためには、機械粉砕の前に行う水素解砕が、重要な要素となる。
しかし従来、RE−TM−B系磁石合金塊の水素解砕の程度を定量的に評価し、それを磁気特性と関連付けるための明確な希土類磁石合金塊の良否判定方法が存在していなかった。
【0018】
例えば、特開平08−269643号公報のように、1次冷却速度、2次冷却速度と合金組織との関係が記載されているものや、特開平09−170055号公報のように、800〜600℃における冷却挙動と、合金組織との関係に関する記載がなされているものが既に存在するが、水素解砕の挙動の違いが如何に合金粉末の特性に影響を及ぼすか、さらに、如何に磁石の磁気特性に影響を及ぼすか、という点が示されていない。
【0019】
希土類磁石合金塊の水素解砕では、合金中のREリッチ相が破壊挙動を支配していることになり、REリッチ相の分布状態は非常に重要となってくるが、従来の希土類磁石合金塊のREリッチ相の分布状態の評価方法からは、水素解砕後の合金粉末の粒度分布やさらにその後の焼結磁石の磁気特性を予想することは非常に困難であった。そのため、実際に磁石にしてみるまで希土類磁石合金の鋳造合金塊の良し悪しが分からないという問題があった。
【0020】
これに対して本発明者は、適切な水素吸蔵挙動を示すような希土類合金の鋳造合金塊を製造することができれば、水素解砕により好ましい粒度分布を持つ合金粉末を製造することができ、磁気特性に優れた燒結磁石を製造することができることを見出した。
【0021】
すなわち本発明は、良好な磁気特性の焼結磁石が得られる合金粉末を得ることが出来るRE−TM−B系磁石合金塊を判別する希土類磁石合金塊の良否判定方法と、その良否判定方法を用いた希土類磁石合金塊の製造方法、および良好な磁気特性の焼結磁石が得られる希土類磁石合金塊、さらにその合金塊を粉砕して得られた粉末から作られた希土類磁石を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は
(1)RE(REはYを含むランタノイド(Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)のうち少なくとも1種からなる金属である。)が27〜34質量%、B(硼素)が0.7〜1.4質量%、TM(TMはFeを必須の元素として含む遷移元素からなる金属である。)が残部を占める組成を持つ希土類磁石合金塊を、減圧雰囲気に保持し、その後水素雰囲気下に置いて、水素雰囲気下に置いた際の希土類磁石合金塊が水素を吸蔵する挙動を測定する希土類磁石合金塊の良否判定方法である。
特に本発明は、
(2)希土類磁石合金塊を、減圧雰囲気に保持し、その後水素雰囲気下に置いて、水素雰囲気下に置いた瞬間からの希土類磁石合金塊の水素吸蔵量の時間変化を測定する(1)に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法である
【0023】
(3)(1)または(2)に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法において、希土類磁石合金塊は、粗砕した後減圧雰囲気に保持しても良い。
【0024】
(4)(1)ないし(3)に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法において、希土類磁石合金塊を減圧雰囲気に保持する際の圧力は8×10-4〜1×10-2Paであることが好ましい。
【0025】
(5)(1)ないし(4)に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法において、希土類磁石合金塊を水素雰囲気下に置く際の温度は273〜373Kであることが好ましい。
【0026】
(6)(1)ないし(5)に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法において、希土類磁石合金塊を水素雰囲気下に置く際の圧力は101〜160kPaであることが好ましい。
【0027】
(7)(1)ないし(6)に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法において、希土類磁石合金塊は急冷鋳造法によって製造されたものであることが好ましい。
【0028】
(8)(7)に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法において、急冷鋳造法はストリップキャスティング法であることが好ましい。
【0029】
また、本発明は、
(9)(1)ないし(8)に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法において、希土類磁石合金塊を減圧雰囲気に保持し、その後水素雰囲気下に置いて、水素雰囲気下に置いた瞬間から希土類磁石合金塊が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔および希土類磁石合金塊の水素吸蔵速度の最大値を測定することを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、
(10)(1)ないし(9)に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法を用いて希土類磁石合金塊の良否を判定し、不良の希土類磁石合金塊を磁石の製造工程から取り除く希土類磁石合金塊の製造方法である。
【0031】
また、本発明は、
(11)RE(REはYを含むランタノイド(Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)のうち少なくとも1種からなる金属である。)が27〜34質量%、B(硼素)が0.7〜1.4質量%、TM(TMはFeを必須の元素として含む遷移元素からなる金属である。)が残部を占める組成を持つ希土類磁石合金塊を、8×10-4〜1×10-2Paの減圧雰囲気に保持し、その後101〜160kPaの水素雰囲気下に置いて283〜313Kの温度範囲に保持し、その際の希土類磁石合金塊が水素を吸蔵する挙動が、水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔が200〜2400秒であり、且つ、該合金の水素吸蔵速度の最大値が1.0×10-4〜1.2×10-3質量%/秒である希土類磁石合金塊である。
【0032】
(12)(11)に記載の希土類磁石合金塊は、粗砕された後減圧雰囲気に保持されたものでも良い。
【0033】
(13)(11)または(12)に記載の希土類磁石合金塊は、急冷鋳造法によって製造されたものであるのが好ましい。
【0034】
(14)(13)に記載の急冷鋳造法はストリップキャスティング法であるのが好ましい。
【0035】
また、本発明は、
(15)(11)ないし(14)に記載の希土類磁石合金塊から製造された希土類磁石である。
【0036】
また、本発明は、
(16)RE(REはYを含むランタノイド(Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)のうち少なくとも1種からなる金属である。)が27〜34質量%(但し、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Yb、Luの合計が1質量%未満とする。)、B(硼素)が0.7〜1.4質量%、TM(TMはFeを必須の元素として含む遷移元素からなる金属である。)が残部を占める組成を持つ希土類磁石合金塊を、8×10-4〜1×10-2Paの減圧雰囲気に保持し、その後101〜160kPaの水素雰囲気下に置いて283〜313Kの温度範囲に保持し、その際の希土類磁石合金塊が水素を吸蔵する挙動が、水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔が100〜1800秒であり、且つ、該合金の水素吸蔵速度の最大値が1.2×10-4〜1.5×10-3質量%/秒である希土類磁石合金塊である。
【0037】
(17)(16)に記載の希土類磁石合金塊は、粗砕された後減圧雰囲気に保持されたものでも良い。
【0038】
(18)(16)または(17)に記載の希土類磁石合金塊は、急冷鋳造法によって製造されたものであるのが好ましい。
【0039】
(19)(18)に記載の急冷鋳造法は、ストリップキャスティング法であることが好ましい。
【0040】
また、本発明は、
(20)(16)ないし(19)に記載の希土類磁石合金塊から製造された希土類磁石である。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明者は、RE−TM−B系磁石合金塊の水素吸蔵挙動について観察を行い、磁気特性に優れた焼結磁石を得ることができる合金粉末を製造するために望ましい希土類磁石合金塊が示す水素吸蔵挙動の特徴を見出した。すなわち、合金塊内でREリッチ相が適度な分布状態であり、且つ、水素解砕によって、REリッチ相に沿って好適な割れが入るような希土類磁石合金塊かどうかは、下記のような条件で水素吸蔵挙動を測定することにより判定することができる。
【0042】
すなわち、RE(REはYを含むランタノイド(Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)のうち少なくとも1種からなる金属である。)が27〜34質量%、B(硼素)が0.7〜1.4質量%、TM(TMはFeを必須の元素として含む遷移元素からなる金属である。)が残部を占める組成を持つ、好ましくは急冷鋳造法によって得られた合金について、密閉容器内において好ましくは8×10-4〜1×10-2Paの減圧雰囲気に置いた後、好ましくは273〜373Kの温度において、好ましくは101〜160kPaの水素雰囲気下に置き、その際の水素を吸蔵する挙動の違いを測定することにより、希土類磁石合金塊の良否を判定することができる。
【0043】
また、上記の希土類磁石合金塊の良否判定方法から磁気特性の優れた焼結磁石が得られる希土類磁石合金塊が示す特性を見出した。すなわち、磁気特性に優れた焼結磁石が得られる希土類磁石合金塊の水素吸蔵挙動は、上記の希土類磁石合金塊を8×10-4〜1×10-2Paの減圧雰囲気に置いた後、283〜313Kの範囲内のある一定温度に保持された状態で101〜160kPaの水素を導入すると、水素雰囲気下に置いた瞬間から合金が水素吸蔵可能量の1%まで水素を吸蔵した時点までの時間間隔が200〜2400秒であり、且つ、水素吸蔵速度の最大値が1.0×10-4〜1.2×10-3質量%/秒の範囲に入る特性を示す。
【0044】
また、RE(REはYを含むランタノイド(Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)のうち少なくとも1種からなる金属である。)が27〜34質量%、(但し、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの合計が1質量%未満)、B(硼素)が0.7〜1.4質量%、TM(TMはFeを必須の元素として含む遷移元素からなる金属である。)が残部を占める組成を持つ、好ましくは急冷鋳造法によって得られた希土類磁石合金塊については、磁気特性に優れた焼結磁石が得られる希土類磁石合金塊の水素吸蔵挙動は、希土類磁石合金を8×10-4〜1×10-2Paの減圧雰囲気に置いた後、283〜313Kの範囲内のある一定温度に保持された状態で101〜160kPaの水素を導入すると、水素雰囲気下に置いた瞬間から合金が水素吸蔵可能量の1%まで水素を吸蔵した時点までの時間間隔が100〜1800秒であり、且つ、水素吸蔵速度の最大値が1.2×10-4〜1.5×10-3質量%/秒の範囲に入る特性を示す。
【0045】
従って、本発明の希土類磁石合金塊の製造方法では、本発明の希土類磁石合金塊の良否判定方法により合金塊の段階で製品として製造される希土類磁石合金の良否を予測し、不良の合金塊を磁石の製造工程から取り除くことにより、効率良く良好な希土類磁石合金塊を製造することができる。
【0046】
上記の希土類磁石合金塊の製造方法としては、RE−TM−B系磁石合金を急冷鋳造法によって鋳造し、上記の水素吸蔵挙動の条件を満たすような合金組織にするのが好ましい。
急冷鋳造法としては、ガスアトマイズ法、スプレーフォーミング法、ストリップキャスティング法などが挙げられるが、特に好ましくは、ストリップキャスティング法(以下、SC法と称す)が適用される。
【0047】
急冷鋳造における鋳造条件としては、溶湯温度(例えば1400℃)〜1000℃の範囲における平均冷却速度が300℃/秒以上、且つ、800〜600℃における平均冷却速度が0.5〜10℃/秒とする。さらに望ましくは、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度が500℃/秒以上、且つ、800〜600℃における平均冷却速度が0.5〜5.0℃/秒とする。
【0048】
急冷鋳造における平均冷却速度の測定方法としては、例えば、SC法においては、ロール上において合金中の主相が凝固するため、ロールに乗る直前の溶湯温度を浸漬熱電対で測定して得られる値と、ロール上に乗って主相が凝固しつつある溶湯の温度を2色温度計で測定して得られる値とを時間で割り返すことで、溶湯温度〜1000℃(合金中の主相が完全に凝固している温度)との間における平均冷却速度とする。また、製品回収部分では、合金の組成にもよるが、700〜900℃の間が初期温度で、そこから次第に冷えていくため、製品回収部分における温度の時間変化を測定して、その平均値を800〜600℃における平均冷却速度とする。
【0049】
本発明において好ましい希土類磁石合金塊の鋳造方法について以下に記す。
まずREが27〜34質量%、Bが0.7〜1.4質量%、TMが残部となるように合金原料を配合し、真空チャンバー内にて加熱、真空雰囲気または不活性ガス雰囲気において溶湯を作る。
【0050】
次に、急冷鋳造法として、SC法を例に挙げて説明する。
SC装置については、銅ロールに溶湯を接触させるためのタンディッシュ、溶湯を急冷させるための急冷ロール、凝固した合金を回収するためのコンテナから成り、真空チャンバーの中に納まっている。
溶湯をタンディッシュに流し込み、タンディッシュからさらに急冷ロール上で冷やされるように溶湯を流し込んで鋳造する。溶湯温度(例えば1400℃)〜1000℃の範囲における冷却速度は、急冷ロール上における冷却速度に相当する。この急冷ロール上における冷却速度は、急冷ロールの周速度によって調整可能である。例えば、急冷ロールの周速度を遅くして、合金の厚さを厚めにすれば、それだけ冷却速度は遅くなる。凝固した合金は、コンテナの中に蓄積され、保温あるいは不活性ガスを吹き込むなどによって、800〜600℃の間の冷却速度を制御する。SC法などの急冷法による合金鋳造では、従来、溶湯から合金凝固の間における冷却速度しか考慮されていなかったが、今回、800〜600℃の間における冷却速度を制御することで、適切な水素吸蔵挙動を示すような急冷合金を得ることが可能となった。
【0051】
次に、本発明において好ましい希土類磁石合金の合金組成について述べる。
まず、希土類元素については、Sm、Er、Tmは含んでいない方が好ましい。これらの元素は、RE2TM14Bの化合物になった場合、面内異方性を示し、磁気異方性の障害となる。
【0052】
Alについては、鋳造に用いるルツボによって不可避的に入ってくるため、0.05質量%以下とするのは難しい。Alは保磁力向上の効果があるが、あまり大量に添加されると残留磁化の低下を招くので、3質量%以下とするのが好ましい。
Cuについては、保磁力向上の効果があるので、添加した方がよい。但し、あまり大量に添加すると、残留磁化の低下を招くので、3質量%以下とするのが好ましい。
【0053】
酸素については、原料中あるいは鋳造時に不可避的に入ってくるため、0.02質量%以下にするのは難しい。また、多すぎると磁気特性に悪影響を及ぼすので、1質量%以下とするのが好ましい。
炭素については、原料中あるいは鋳造時に不可避的に入ってくるため、0.005質量%以下にするのは難しい。また、あまり多すぎると磁気特性に悪影響を及ぼすので、0.2質量%以下にするのが好ましい。
【0054】
また、本発明において水素吸蔵挙動を測定するのに好ましい水素解砕の方法について以下に記す。
【0055】
水素吸蔵挙動を測定するための水素解砕に用いる装置は、温度保持が可能で、油回転ポンプ、油拡散ポンプによる真空引きが出来、かつ、200kPa程度の内部加圧に耐えられるものが好ましい。用いる合金試料は、表面の若干の酸化皮膜などの影響を除くために好ましくは1〜3mm程度に軽く破砕して新しい破面を露出させた後、水素吸蔵に伴う発熱による測定温度の変動を抑えるためにSC材同士の重なりが1〜2枚程度になるくらいに薄く広げた状態にして試料容器に入れ、その試料容器を装置にセットし、密閉状態とする。この内部を8×10-4〜1×10-2Pa程度の減圧雰囲気にして一定時間(例えば3時間程度)保持した後、装置内部を273〜373K、好ましくは283〜313Kの温度範囲内におけるある一定温度に保った上で、水素を導入し、101〜160kPa、好ましくは101〜140kPaの圧力の水素雰囲気下においた時点を初期時間として、その後の装置内における圧力の時間変化を測定する。
【0056】
その際、温度については、周辺の環境によって、283〜313Kの範囲内である方が望ましい。283K、特に273K以下の温度では、合金の水素吸蔵挙動が遅くなるため、水素吸蔵にかかる時間が非常に長くなってしまい、効率的でない。また313K、特に373K以上の温度では、合金の水素吸蔵反応が速くなってしまい、良否評価が困難になる。また、合金の水素吸蔵挙動を比較するためには、水素解砕における温度は同一である必要がある。
【0057】
減圧雰囲気の条件としては、1×10-2Pa以上の減圧では合金塊の表面に付着した水分やガス分子などを引き剥がすことができず、水素吸蔵挙動が全体的に遅くなってしまう。また、8×10-4Pa以下の減圧にするには、油拡散ポンプの能力でも非常に時間がかかってしまい、測定の効率の面から好ましくない。したがって、減圧雰囲気の条件は8×10-4〜1×10-2Paであるのが好ましい。
【0058】
また、水素雰囲気の条件としては、160kPa以上になると、合金塊の水素吸蔵反応が速くなってしまい、良否判定が困難になる。また、101kPa以下では、水素吸蔵反応が遅くなることで測定に時間がかかってしまうことと、装置の内圧が外気より低くなることで、装置トラブルなどによって空気が装置内に入り込み、爆鳴気となる恐れがあることから、好ましくない。したがって、101〜160kPaであるのが好ましい。
【0059】
上記の水素解砕の際の装置内圧力の時間変化から、希土類磁石合金塊の水素吸蔵量の時間変化(水素吸蔵挙動)を計算し、グラフにプロットすることで曲線を得る。その模式図を図1に示す。この曲線において、水素吸蔵量が飽和して安定した量を水素吸蔵可能量とし、水素が導入された瞬間の時間から、希土類磁石合金塊の水素吸蔵可能量の1%の水素吸蔵量になるまでの時間間隔Tを計算する。また、図1の曲線において、その接線の傾きを求め、その時間経過をグラフにプロットし、合金の水素吸蔵速度の時間変化のグラフとする。その模式図を図2に示す。この曲線は、ほとんどの場合、あるピークを持った曲線で描かれるので、曲線のピークの高さを読み取ることで、水素吸蔵速度の最大値rmaxが計算できる。そして、得られた2つの指標T、rmaxの値から、希土類合金の状態を評価し、焼結磁石として好ましい磁気特性が得られるかどうかを判断する。
なお本明細書では、希土類磁石合金塊の水素吸蔵量は、希土類磁石合金塊の質量に対するその合金塊に吸蔵される水素の質量の割合の百分率によって表す。従って、水素吸蔵量の単位は質量%となる。また本発明者は、実験的には水素吸蔵可能量を、水素吸蔵量が飽和して安定し水素吸蔵速度がおよそ5×10-6質量%/秒以下に低下するまでの量として求めている。
【0060】
その実例を、図3、図4に示す。図3は、合金の水素吸蔵量の時間変化、図4は、合金の水素吸蔵速度の時間変化を表すグラフである。図3および図4中の(1)、(2)、(3)は、希土類磁石合金の急冷鋳造の際の800〜600℃における冷却速度がそれぞれ異なる合金を表している。その冷却速度の関係は、
(3)>(2)>(1)
となっている。これらの図から、800〜600℃における冷却速度が遅いほど、Tが小さく、且つ、rmaxが大きくなる傾向が伺える。この傾向は、どの合金組成でも同様に見られることが判明した。
また、これらの合金を粉砕し、磁石としてその磁気特性を調べたところ、実際に磁気特性に違いが見られ、Tとrmaxとが適切な範囲に収まっていなければ磁気特性が低下してしまうことが確認された。
【0061】
但し、合金を比較する際、それらの合金組成、特にREの比率が同じ合金で比較する必要がある。また、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの合計が1質量%以上になると、REリッチ相が水素化物となり膨張する挙動自体が変化するため、Tが長くなり、且つ、rmaxが小さくなる。従って、良好な磁気特性が得られるようなTとrmaxの適切な範囲も変わってくるので注意すべきである。
【0062】
【作用】
本発明によれば、水素解砕における水素吸蔵挙動を希土類磁石合金塊の良否判定手段として利用し、希土類磁石合金塊を減圧雰囲気に保持した後の水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔Tと、該合金の水素吸蔵速度の最大値rmaxを測定することにより、希土類磁石合金塊の水素解砕の程度を定量的に評価し、焼結磁石の磁気特性を予測することが可能となった。これは、上記の時間間隔Tと最大値rmaxが希土類磁石合金塊中のREリッチ相の分布状態によって変化し、REリッチ相の分布状態を精度良く予測するための指標となるためと考えられる。
【0063】
【実施例】
(実施例1)
合金原料を準備し、Nd=30.0質量%、B=0.98質量%、Al=0.3質量%、Cu=0.03質量%、残部=鉄となるような配合とした。(以下、この組成の合金を合金Aと称す)合金原料をアルミナルツボ内にセットし、真空チャンバー内にて加熱、途中で真空雰囲気からアルゴンガス雰囲気として溶湯を作り出した。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュに流し込み、タンディッシュからさらに急冷銅ロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は、1.2m/秒とした。このときの溶湯温度(約1400℃)〜1000℃の範囲における平均冷却速度は、タンディッシュにおける溶湯温度を浸漬熱電対で測定された温度と、ロールが60度回転した位置における合金温度を2色温度計で測定して得られた値との差を、ロールが60度回転する時間で割り返して計算した。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は、800℃/秒であった。出来上がった合金は、合金を回収するコンテナの中に蓄積させた。800〜600℃の間の冷却速度については、このコンテナ内における温度の時間変化を測定し、その800〜600℃に温度が変化する時間で割り返して、平均の冷却速度とした。その結果、平均冷却速度は、0.5℃/秒であった。得られた合金の平均厚さは、0.23mmとなった。
【0064】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。装置の内容積は0.010m3、合金は1〜3mmに破砕したものを挿入し、密閉状態とした。この内部を1×10-3Pa雰囲気として3時間保持した後、温度を303Kの一定温度とした上で、140kPaの水素雰囲気とし、装置内における圧力変化を測定した。得られたデータから、合金の水素吸蔵量の時間変化をグラフにプロットし、水素加圧開始時点と合金の水素吸蔵可能量の1%吸蔵した時点との時間間隔(以下、Tと略す)、さらに、水素吸蔵速度の最大値(以下、rmaxと略す)を計算したところ、得られた結果は、T=1320秒、さらに、rmax=4.6×10-4質量%/秒となった。
【0065】
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、残留磁束密度(以下、Brと略す)=1.37T、保磁力(以下、iHcと略す)=812kA/m、磁気エネルギー積(以下、BHmaxと略す)=375kJ/m3となった。
【0066】
(実施例2)
実施例1と同様に合金Aの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0067】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1580秒、さらにrmax=3.3×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕してフィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.35T、iHc=788kA/m、BHmax=355kJ/m3となった。
【0068】
(実施例3)
実施例1と同様に合金Aの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.5℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0069】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1090秒、さらにrmax=5.4×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.38T、iHc=828kA/m、BHmax=376kJ/m3となった。
【0070】
(実施例4)
実施例1と同様に合金Aの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0071】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1320秒、さらにrmax=4.0×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.36T、iHc=788kA/m、BHmax=360kJ/m3となった。
【0072】
(比較例1)
実施例1と同様に合金Aの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にヘリウムガスを流し、非常に速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は15℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0073】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=2540秒、さらにrmax=7.6×10-5質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.32T、iHc=716kA/m、BHmax=347kJ/m3となった。
【0074】
(比較例2)
実施例1と同様に合金Aの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.7m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は300℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ付近を減圧として、冷却速度が遅くなるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.40mmとなった。
【0075】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=170秒、さらにrmax=1.9×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.30T、iHc=676kA/m、BHmax=337kJ/m3となった。
【0076】
(比較例3)
実施例1と同様に合金Aの溶湯を作り、この溶湯を厚さ20mmの箱鋳型に流し込んで鋳造した(BookMold法)。合金が溶湯温度から1000℃になるまで冷却するのに要した時間を測定し、平均冷却速度を計算したところ、8℃/秒であった。また、800〜600℃の範囲における平均冷却速度を測定したところ、0.1℃/秒であった。
【0077】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=60秒、さらにrmax=2.5×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.25T、iHc=629kA/m、BHmax=311kJ/m3となった。
【0078】
上記の実施例1〜4と比較例1〜3に記載した合金Aについて、希土類磁石合金塊を水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金塊が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔T、該合金塊の水素吸蔵速度の最大値rmaxとBHmaxとの関係を示したグラフをそれぞれ図5(a)(b)に示す。図5(a)(b)で●は実施例1〜4の結果を示し、□は比較例1〜3の結果を示す。この図5(a)(b)から、Tが100〜1800秒の範囲内にあり、且つ、rmaxが1.2×10 -4 〜1.5×10 -3 質量%/秒の範囲内にある合金塊から製造された磁石の特性が、範囲外の合金塊から製造された磁石よりもより高特性を示していることが分かる。
【0079】
(実施例5)
合金原料を準備し、Nd=33.4質量%、B=1.1質量%、Al=0.4質量%、Cu=0.03質量%、残部=鉄となるような配合とした。(以下、この組成の合金を合金Bと称す)合金原料をアルミナルツボ内にセットし、真空チャンバー内にて加熱、途中で真空雰囲気からアルゴンガス雰囲気として溶湯を作り出した。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュに流し込み、タンディッシュからさらに急冷銅ロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は、1.2m/秒とした。平均冷却速度の測定は、実施例1と同様に行った。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は、800℃/秒であった。出来上がった合金は、合金を回収するコンテナの中に蓄積させた。その結果、平均冷却速度は、0.5℃/秒であった。得られた合金の平均厚さは、0.23mmとなった。
【0080】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=380秒、さらに、rmax=6.7×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.27T、iHc=836kA/m、BHmax=321kJ/m3となった。
【0081】
(実施例6)
実施例5と同様に合金Bの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0082】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=570秒、さらにrmax=4.5×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.25T、iHc=804kA/m、BHmax=311kJ/m3となった。
【0083】
(実施例7)
実施例5と同様に合金Bの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.5℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0084】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=280秒、さらにrmax=8.3×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.29T、iHc=867kA/m、BHmax=331kJ/m3となった。
【0085】
(実施例8)
実施例5と同様に合金Bの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0086】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=470秒、さらにrmax=5.6×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.26T、iHc=796kA/m、BHmax=316kJ/m3となった。
【0087】
(比較例4)
実施例5と同様に合金Bの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にヘリウムガスを流し、非常に速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は15℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0088】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=960秒、さらにrmax=1.3×10-5質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.23T、iHc=788kA/m、BHmax=301kJ/m3となった。
【0089】
(比較例5)
実施例5と同様に合金Bの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.7m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は300℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ付近を減圧として、冷却速度が遅くなるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.40mmとなった。
【0090】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=90秒、さらにrmax=2.3×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.21T、iHc=796kA/m、BHmax=286kJ/m3となった。
【0091】
(比較例6)
実施例5と同様に合金Bの溶湯を作り、この溶湯を厚さ20mmの箱鋳型に流し込んで鋳造した。合金が溶湯温度から1000℃付近になるまで冷却するのに要した時間を測定し、平均冷却速度を計算したところ、8℃/秒であった。また、800〜600℃の範囲における平均冷却速度を測定したところ、0.1℃/秒であった。
【0092】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=40秒、さらにrmax=3.1×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.20T、iHc=716kA/m、BHmax=286kJ/m3となった。
【0093】
上記の実施例5〜8と比較例4〜6に記載した合金Bについて、希土類磁石合金塊を水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金塊が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔T、該合金塊の水素吸蔵速度の最大値rmaxとBHmaxとの関係を示したグラフをそれぞれ図6(a)(b)に示す。図6(a)(b)で●は実施例5〜8の結果を示し、□は比較例4〜6の結果を示す。この図6(a)(b)から、Tが100〜1800秒の範囲内にあり、且つ、rmaxが1.2×10 -4 〜1.5×10 -3 質量%/秒の範囲内にある合金塊から製造された磁石の特性が、範囲外の合金塊から製造された磁石よりもより高特性を示していることが分かる。
【0094】
(実施例9)
合金原料を準備し、Nd=29.2質量%、B=0.97質量%、Al=0.4質量%、Cu=0.03質量%、残部=鉄となるような配合とした。(以下、この組成の合金を合金Cと称す)合金原料をアルミナルツボ内にセットし、真空チャンバー内にて加熱、途中で真空雰囲気からアルゴンガス雰囲気として溶湯を作り出した。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュに流し込み、タンディッシュからさらに急冷銅ロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は、1.2m/秒とした。平均冷却速度の測定は、実施例1と同様の方法で行った。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は、800℃/秒であった。出来上がった合金は、合金を回収するコンテナの中に蓄積させた。その結果、平均冷却速度は、0.5℃/秒であった。得られた合金の平均厚さは、0.23mmとなった。
【0095】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1410秒、さらに、rmax=3.8×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.38T、iHc=804kA/m、BHmax=379kJ/m3となった。
【0096】
(実施例10)
実施例9と同様に合金Cの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0097】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1690秒、さらにrmax=2.2×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.35T、iHc=764kA/m、BHmax=363kJ/m3となった。
【0098】
(実施例11)
実施例9と同様に合金Cの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.5℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0099】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1200秒、さらにrmax=4.7×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.39T、iHc=820kA/m、BHmax=384kJ/m3となった。
【0100】
(実施例12)
実施例9と同様に合金Cの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0101】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1550秒、さらにrmax=3.0×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.37T、iHc=772kA/m、BHmax=373kJ/m3となった。
【0102】
(比較例7)
実施例9と同様に合金Cの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にヘリウムガスを流し、非常に速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は15℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0103】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=3040秒、さらにrmax=8.8×10-5質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.33T、iHc=621kA/m、BHmax=352kJ/m3となった。
【0104】
(比較例8)
実施例9と同様に合金Cの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.7m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は300℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ付近を減圧として、冷却速度が遅くなるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.40mmとなった。
【0105】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=150秒、さらにrmax=1.6×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.30T、iHc=637kA/m、BHmax=337kJ/m3となった。
【0106】
(比較例9)
実施例9と同様に合金Cの溶湯を作り、この溶湯を厚さ20mmの箱鋳型に流し込んで鋳造した。合金が溶湯温度から1000℃付近になるまで冷却するのに要した時間を測定し、平均冷却速度を計算したところ、8℃/秒であった。また、800〜600℃の範囲における平均冷却速度を測定したところ、0.1℃/秒であった。
【0107】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=90秒、さらにrmax=2.2×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.24T、iHc=573kA/m、BHmax=306kJ/m3となった。
【0108】
上記の実施例9〜12と比較例7〜9に記載した合金Cについて、希土類磁石合金塊を水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金塊が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔T、該合金塊の水素吸蔵速度の最大値rmaxとBHmaxとの関係を示したグラフをそれぞれ図7(a)(b)に示す。図7(a)(b)で●は実施例9〜12の結果を示し、□は比較例7〜9の結果を示す。この図7(a)(b)から、Tが100〜1800秒の範囲内にあり、且つ、rmaxが1.2×10 -4 〜1.5×10 -3 質量%/秒の範囲内にある合金塊から製造された磁石の特性が、範囲外の合金塊から製造された磁石よりもより高特性を示していることが分かる。
【0109】
(実施例13)
合金原料を準備し、Nd=27.5質量%、Dy=2.5質量%、B=0.98質量%、Al=0.3質量%、Cu=0.03質量%、残部=鉄となるような配合とした。(以下、この組成の合金を合金Dと称す)合金原料をアルミナルツボ内にセットし、真空チャンバー内にて加熱、途中で真空雰囲気からアルゴンガス雰囲気として溶湯を作り出した。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュに流し込み、タンディッシュからさらに急冷銅ロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は、1.2m/秒とした。平均冷却速度の測定は、実施例1と同様の方法で行った。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は、800℃/秒であった。出来上がった合金は、合金を回収するコンテナの中に蓄積させた。その結果、平均冷却速度は、0.5℃/秒であった。得られた合金の平均厚さは、0.23mmとなった。
【0110】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1610秒、さらに、rmax=4.1×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.32T、iHc=1289kA/m、BHmax=328kJ/m3となった。
【0111】
(実施例14)
実施例13と同様に合金Dの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0112】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1900秒、さらにrmax=2.8×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.30T、iHc=1265kA/m、BHmax=318kJ/m3となった。
【0113】
(実施例15)
実施例13と同様に合金Dの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.5℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0114】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1390秒、さらにrmax=4.9×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.33T、iHc=1305kA/m、BHmax=333kJ/m3となった。
【0115】
(実施例16)
実施例13と同様に合金Dの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0116】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1630秒、さらにrmax=3.5×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.31T、iHc=1273kA/m、BHmax=323kJ/m3となった。
【0117】
(比較例10)
実施例13と同様に合金Dの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にヘリウムガスを流し、非常に速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は15℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0118】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=3030秒、さらにrmax=6.4×10-5質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.27T、iHc=1218kA/m、BHmax=304kJ/m3となった。
【0119】
(比較例11)
実施例13と同様に合金Dの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.7m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は300℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ付近を減圧として、冷却速度が遅くなるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.40mmとなった。
【0120】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=180秒、さらにrmax=1.4×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.25T、iHc=1202kA/m、BHmax=295kJ/m3となった。
【0121】
(比較例12)
実施例13と同様に合金Dの溶湯を作り、この溶湯を厚さ20mmの箱鋳型に流し込んで鋳造した。合金が溶湯温度から1000℃付近になるまで冷却するのに要した時間を測定し、平均冷却速度を計算したところ、8℃/秒であった。また、800〜600℃の範囲における平均冷却速度を測定したところ、0.1℃/秒であった。
【0122】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=80秒、さらにrmax=2.1×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.20T、iHc=1162kA/m、BHmax=273kJ/m3となった。
【0123】
上記の実施例13〜16と比較例10〜12に記載した合金Dについて、希土類磁石合金塊を水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金塊が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔T、該合金塊の水素吸蔵速度の最大値rmaxとBHmaxとの関係を示したグラフをそれぞれ図8(a)(b)に示す。図8(a)(b)で●は実施例13〜16の結果を示し、□は比較例10〜12の結果を示す。この図8(a)(b)から、Tが200〜2400秒の範囲内にあり、且つ、rmaxが1.0×10 -4 〜1.2×10 -3 質量%/秒の範囲内にある合金塊から製造された磁石の特性が、範囲外の合金塊から製造された磁石よりもより高特性を示していることが分かる。
【0124】
(実施例17)
合金原料を準備し、Nd=31.9質量%、Dy=1.5質量%,B=1.1質量%、Al=0.4質量%、Cu=0.03質量%、残部=鉄となるような配合とした。(以下、この組成の合金を合金Eと称す)合金原料をアルミナルツボ内にセットし、真空チャンバー内にて加熱、途中で真空雰囲気からアルゴンガス雰囲気として溶湯を作り出した。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュに流し込み、タンディッシュからさらに急冷銅ロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は、1.2m/秒とした。平均冷却速度の測定は、実施例1と同様の方法で行った。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は、800℃/秒であった。出来上がった合金は、合金を回収するコンテナの中に蓄積させた。その結果、平均冷却速度は、0.5℃/秒であった。得られた合金の平均厚さは、0.23mmとなった。
【0125】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=700秒、さらに、rmax=6.2×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.25T、iHc=1074kA/m、BHmax=292kJ/m3となった。
【0126】
(実施例18)
実施例17と同様に合金Eの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0127】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=880秒、さらにrmax=4.2×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.22T、iHc=1058kA/m、BHmax=279kJ/m3となった。
【0128】
(実施例19)
実施例17と同様に合金Eの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.5℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0129】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=590秒、さらにrmax=8.0×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.27T、iHc=1114kA/m、BHmax=302kJ/m3となった。
【0130】
(実施例20)
実施例17と同様に合金Eの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0131】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=810秒、さらにrmax=5.3×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.23T、iHc=1074kA/m、BHmax=283kJ/m3となった。
【0132】
(比較例13)
実施例17と同様に合金Eの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にヘリウムガスを流し、非常に速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は15℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0133】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1430秒、さらにrmax=1.1×10-5質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.20T、iHc=1035kA/m、BHmax=270kJ/m3となった。
【0134】
(比較例14)
実施例17と同様に合金Eの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.7m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は300℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ付近を減圧として、冷却速度が遅くなるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.40mmとなった。
【0135】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=150秒、さらにrmax=2.0×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.18T、iHc=1042kA/m、BHmax=261kJ/m3となった。
【0136】
(比較例15)
実施例17と同様に合金Eの溶湯を作り、この溶湯を厚さ20mmの箱鋳型に流し込んで鋳造した。合金が溶湯温度から1000℃付近になるまで冷却するのに要した時間を測定し、平均冷却速度を計算したところ、8℃/秒であった。また、800〜600℃の範囲における平均冷却速度を測定したところ、0.1℃/秒であった。
【0137】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=50秒、さらにrmax=2.9×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.16T、iHc=955kA/m、BHmax=252kJ/m3となった。
【0138】
上記の実施例17〜20と比較例13〜15に記載した合金Eについて、希土類磁石合金塊を水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金塊が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔T、該合金塊の水素吸蔵速度の最大値rmaxとBHmaxとの関係を示したグラフをそれぞれ図9(a)(b)に示す。図9(a)(b)で●は実施例17〜20の結果を示し、□は比較例13〜15の結果を示す。この図9(a)(b)から、Tが200〜2400秒の範囲内にあり、且つ、rmaxが1.0×10 -4 〜1.2×10 -3 質量%/秒の範囲内にある合金塊から製造された磁石の特性が、範囲外の合金塊から製造された磁石よりもより高特性を示していることが分かる。
【0139】
(実施例21)
合金原料を準備し、Nd=25.2質量%、Dy=4.0質量%、B=0.97質量%、Al=0.3質量%、Cu=0.03質量%、残部=鉄となるような配合とした。(以下、この組成の合金を合金Fと称す)合金原料をアルミナルツボ内にセットし、真空チャンバー内にて加熱、途中で真空雰囲気からアルゴンガス雰囲気として溶湯を作り出した。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュに流し込み、タンディッシュからさらに急冷銅ロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は、1.2m/秒とした。平均冷却速度の測定は、実施例1と同様の方法で行った。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は、800℃/秒であった。出来上がった合金は、合金を回収するコンテナの中に蓄積させた。その結果、平均冷却速度は、0.5℃/秒であった。得られた合金の平均厚さは、0.23mmとなった。
【0140】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1750秒、さらに、rmax=3.2×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.30T、iHc=1560kA/m、BHmax=325kJ/m3となった。
【0141】
(実施例22)
実施例21と同様に合金Fの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0142】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1990秒、さらにrmax=1.7×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.27T、iHc=1520kA/m、BHmax=305kJ/m3となった。
【0143】
(実施例23)
実施例21と同様に合金Fの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ。ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.5℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0144】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1550秒、さらにrmax=4.1×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.31T、iHc=1576kA/m、BHmax=325kJ/m3となった。
【0145】
(実施例24)
実施例21と同様に合金Fの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.8m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は400℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にアルゴンガスを流し、やや速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は1.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.35mmとなった。
【0146】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=1780秒、さらにrmax=2.8×10-4質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.28T、iHc=1528kA/m、BHmax=310kJ/m3となった。
【0147】
(比較例16)
実施例21と同様に合金Fの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は1.2m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は800℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ内にヘリウムガスを流し、非常に速く冷えるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は15℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.23mmとなった。
【0148】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=3360秒、さらにrmax=7.6×10-5質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.25T、iHc=1393kA/m、BHmax=294kJ/m3となった。
【0149】
(比較例17)
実施例21と同様に合金Fの溶湯を作り、鋳造を行った。鋳造の際、この溶湯をタンディッシュからさらにロール上に溶湯を流し込んだ、ロールの周速度は0.7m/秒とした。その結果、溶湯温度〜1000℃の範囲における平均冷却速度は300℃/秒であった。出来あがった合金は、製品コンテナの中に蓄積させた。その際、コンテナ付近を減圧として、冷却速度が遅くなるようにした。その結果、800〜600℃の間の平均冷却速度は0.2℃/秒となった。得られた合金の平均厚さは0.40mmとなった。
【0150】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=180秒、さらにrmax=1.3×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.22T、iHc=1377kA/m、BHmax=280kJ/m3となった。
【0151】
(比較例18)
実施例21と同様に合金Fの溶湯を作り、この溶湯を厚さ20mmの箱鋳型に流し込んで鋳造した。合金が溶湯温度から1000℃付近になるまで冷却するのに要した時間を測定し、平均冷却速度を計算したところ、8℃/秒であった。また、800〜600℃の範囲における平均冷却速度を測定したところ、0.1℃/秒であった。
【0152】
その後、得られた合金について、水素解砕を行った。その際、装置、実施条件は実施例1と同じとした。得られた結果は、T=120秒、さらにrmax=1.8×10-3質量%/秒となった。
この合金をさらに粉砕して、フィッシャーサブシーブサイザーによる平均粒径3.2μmの粉末とし、磁場中成型、さらに焼結して焼結磁石を得た。磁気特性を調べたところ、Br=1.16T、iHc=1337kA/m、BHmax=252kJ/m3となった。
【0153】
上記の実施例21〜24と比較例16〜18に記載した合金Fについて、希土類磁石合金塊を水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金塊が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔T、該合金塊の水素吸蔵速度の最大値rmaxとBHmaxとの関係を示したグラフをそれぞれ図10(a)(b)に示す。図10(a)(b)で●は実施例21〜24の結果を示し、□は比較例16〜18の結果を示す。この図10(a)(b)から、Tが200〜2400秒の範囲内にあり、且つ、rmaxが1.0×10 -4 〜1.2×10 -3 質量%/秒の範囲内にある合金塊から製造された磁石の特性が、範囲外の合金塊から製造された磁石よりもより高特性を示していることが分かる。
【0154】
上記の実施例1〜24、比較例1〜18で使用した希土類磁石合金の組成を表1に示す
【0155】
【表1】
Figure 0004723741
【0156】
また、上記の合金A、B、Cに関する実施例1〜12、比較例1〜9の各特性の一覧表を表2に示す。
【0157】
【表2】
Figure 0004723741
【0158】
また、上記の合金D、E、Fに関する実施例13〜24、比較例10〜18の各特性の一覧表を表3に示す。
【0159】
【表3】
Figure 0004723741
【0160】
【発明の効果】
本発明は、希土類磁石合金塊の顕微鏡写真のRリッチ相の間隔を測定したり、画像処理を施すなどの、断面写真のみから合金の組織を評価するという従来の方法とは異なり、水素吸蔵特性から希土類磁石合金塊の組織を評価するという新たな方法を採用することによって、従来と比較して多量の合金塊を良否判定に用いることができるようになり、且つ、合金の一部ではなく全体を評価することができるようになった。その結果、希土類磁石合金塊の状態で、水素解砕後の合金粉末の粒度分布やさらにその後の焼結磁石の磁気特性を精度よく予想し、その良否を判定することが可能となった。
【0161】
本発明の希土類磁石合金塊の良否判定方法は、好ましい合金粉末が得られ、より高特性の磁石を作ることができる希土類磁石合金塊の水素吸蔵挙動の条件を明らかにし、従来の断面写真だけでREリッチ相の分布状態評価する方法よりも、精度良く希土類磁石合金塊から希土類磁石合金粉末の状態やさらに磁気特性を予測することができるようにしたため、希土類磁石合金塊の状態でその良否を判定することができる。その結果、従来では最終の焼結磁石まで製造しないと評価できなかった希土類磁石合金塊の良否が、合金塊の状態で判定できるため、希土類磁石合金塊の製造工程に必要な時間が短縮でき、コストを低減することができる。
【0162】
また、本発明の希土類磁石合金塊の良否判定方法に合格する希土類磁石合金から製造された希土類磁石は、優れた磁気特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】希土類合金塊の水素吸蔵量の時間変化を表したグラフの模式図。
【図2】希土類合金塊の水素吸蔵速度の時間変化を表したグラフの模式図。
【図3】希土類合金塊による水素吸蔵量の時間変化の違いを比較した図。
【図4】希土類合金塊による水素吸蔵速度の時間変化の違いを比較した図。
【図5】(a)合金AにおけるTとBHmaxとの関係を示したグラフ。
(b)合金AにおけるrmaxとBHmaxとの関係を示したグラフ。
【図6】(a)合金BにおけるTとBHmaxとの関係を示したグラフ。
(b)合金BにおけるrmaxとBHmaxとの関係を示したグラフ。
【図7】(a)合金CにおけるTとBHmaxとの関係を示したグラフ。
(b)合金CにおけるrmaxとBHmaxとの関係を示したグラフ。
【図8】(a)合金DにおけるTとBHmaxとの関係を示したグラフ。
(b)合金DにおけるrmaxとBHmaxとの関係を示したグラフ。
【図9】(a)合金EにおけるTとBHmaxとの関係を示したグラフ。
(b)合金EにおけるrmaxとBHmaxとの関係を示したグラフ。
【図10】(a)合金FにおけるTとBHmaxとの関係を示したグラフ。
(b)合金FにおけるrmaxとBHmaxとの関係を示したグラフ。
【符号の説明】
T:水素が導入された瞬間の時間から、希土類磁石合金塊の水素吸蔵可能量の1%の水素吸蔵量になるまでの時間間隔
rmax:水素吸蔵速度の最大値
(1)、(2)、(3):800℃〜600℃における冷却速度がそれぞれ異なる合金

Claims (6)

  1. RE(REはYを含むランタノイド(Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)のうち少なくとも1種からなる金属である。)が27〜34質量%、B(硼素)が0.7〜1.4質量%、TM(TMはFeを必須の元素として含む遷移元素からなる金属である。)が残部を占める組成を持つ希土類磁石合金塊を、8×10-4〜1×10-2Paの減圧雰囲気に保持し、その後101〜160kPaの水素雰囲気下に置いて283〜313Kの温度範囲に保持し、その際の希土類磁石合金塊が水素を吸蔵する挙動が、水素雰囲気下に置いた瞬間から該合金が水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔が200〜2400秒であり、且つ、該合金の水素吸蔵速度の最大値が1.0×10-41.5×10-3質量%/秒である希土類磁石合金塊を良品と判定することを特徴とする希土類磁石合金塊の良否判定方法。
  2. 水素吸蔵可能量の1%を吸蔵する時点までの時間間隔が100〜1800秒であり、水素吸蔵速度の最大値が1.0×10-4〜1.2×10-3質量%/秒であることを特徴とする請求項1に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法。
  3. 希土類磁石合金塊が粗砕された後減圧雰囲気に保持されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法。
  4. 希土類磁石合金塊が急冷鋳造法によって製造されたものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法。
  5. 急冷鋳造法がストリップキャスティング法であることを特徴とする請求項4に記載の希土類磁石合金塊の良否判定方法。
  6. 希土類磁石の製造方法において、請求項1ないし4のいずれかに記載の良否判定方法により良品と判定された希土類磁石合金塊を用いることを特徴とする製造方法。
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