JP4723138B2 - 芳香族ポリカーボネート粒状成形体及びそれを用いたポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート粒状成形体及びそれを用いたポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを結晶化し、その結晶化した低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体又は粒状物から得られる非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体、及びその製造方法およびその非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体から高分子量芳香族ポリカーボネートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネートは、透明性、耐熱性、機械物性に優れた材料として従来よりCD(コンパクトディスク)、光ディスク、レンズなどの光学用途やエンジニアリングプラスチックとして自動車分野、電気電子分野、各種容器等さまざまな分野で利用されている。
【0003】
かかる芳香族ポリカーボネートの製造方法としては従来よりホスゲンと芳香族ジヒドロキシ化合物を、水及び水と混合しない溶剤中で重合させる界面重合法、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをエステル交換触媒の存在下に加熱溶融反応させる溶融重縮合法等が利用されている。
【0004】
一方、低分子量非晶性芳香族ポリカーボネート(これらはポリカーボネートのオリゴマーあるいはプレポリマーと称されることがある)を結晶化させた後、これを真空下あるいは不活性ガス流通下において固相で重合させて高分子量のポリカーボネートを製造する方法もよく知られている。例えば、特開平1−158033号公報、特開平3―223330号公報では、有機溶剤等を使用して低分子量非晶性ポリカーボネートを結晶化させること、加熱により結晶化させることに関する記載がある。また低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートの溶融物に剪断をかけて結晶化させる方法がWO98/45351に開示されている。さらにこれらのいずれかの方法で得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを固相重合によって高分子量化する技術が先述の特開平1−158033号公報、特開平3―223330号公報に開示されている。これらには、溶融重縮合と固相重合とを組み合わせる重合方法は、色相、成形性が良好な高分子量(高重合度)の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られるという利点がある。
【0005】
しかしながら、こうした低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートの結晶化方法は工業的利用には未だ問題を有しているのが現状である。すなわち溶剤等を使用する結晶化方法は結晶化に使用される溶媒の回収プロセスが別途必要になるため設備が大掛かりになる問題点がある。さらに、結晶化に使用する溶媒は通常、同時に低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートにクラックを起こすことが多い。すると、低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートのクラックが発生した部分が崩れることにより微粉末が発生し、工程トラブルが発生しやすい問題点がある。また加熱による結晶化方法は単に一定温度で低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを保持するだけであるが、結晶化後そのまま固相重合すると所望の分子量にするのに多大な重合時間が必要であり、生産性が悪いという問題点を有する。一方溶融物に剪断をかけて結晶化させる方法は短時間に結晶化させることができるが、こうして結晶化させたオリゴマーをそのまま固相重合にかけても重合時間が多大にかかるためこの方法も好ましくない。
【0006】
また特開平3―223330号公報においては比表面積が0.2m2/g以上の多孔性の低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを使用して固相重合を行う方法が記載されている。しかしこのような低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを用いて重合を行うことは、その低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートが多孔性であるため表面が崩れることにより微粉末が発生しやすいために、製造プロセスの上でハンドリング(取り扱い)が難しく、通常の条件では工程トラブルが発生しやすく、実施が困難である。従って工程トラブルが発生するような微粉末を生じず、かつ十分な重合速度を有した固相重合法の開発に注目が置かれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上述のような問題を解消するにあたり、低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体および/または粒状体からなる非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を製造プロセスに採択することで、先述のような製造プロセスの上のハンドリングの問題の抑制と固相重合時間の短縮を実現し、同時に微粉末による収率の低下を軽減することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するため、次の構成を有する。
第1に、実質的に下記式(1)
【0009】
【化2】
Figure 0004723138
【0010】
[上記式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、Wは炭素数2〜10のアルキリデン基、炭素数1〜15のアルキレン基、炭素数7〜20のアリール置換アルキレン基、炭素数8〜20のアリール置換アルキリデン基、炭素数3〜15のシクロアルキリデン基、炭素数3〜15のシクロアルキレン基、炭素数10〜20のアルキリデン−アリーレン−アルキリデン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基又はスルホン基である。]
で表される繰り返し単位である低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体および/または粒状物のみからなる、固有粘度[η]0.05〜0.38、結晶化度10%〜60%、比表面積が0.001〜0.2m2/g、および嵩密度が0.4〜1.3g/ccである非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体。
【0011】
第2に、該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を製造する方法において
(A)実質的に上記式(1)で表される繰り返し単位で構成される固有粘度[η]0.05〜0.38の低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを製造する工程。
(B)低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを結晶化させる工程。
(C)結晶化させた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートから、固有粘度[η]0.05〜0.38、結晶化度10〜60%である低分子量結晶性芳香族ポリカーボネート粉体または粒状物を得る工程。
(D)該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネート粉体または粒状物を造粒し非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を製造する工程
からなり、
該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の表面上に0.1〜10μmの微小孔の存在する面積が、全表面積に対して10%未満であり、かつ該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の造粒前の比表面積(c)と造粒後の比表面積(d)の増加率{(d−c)/c}が0.5〜20倍であることを特徴とする非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法。
【0012】
第3に、前記のいずれかの方法により得られた非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を、該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体のガラス転移温度(Tg)以上かつ融点より低い温度で、減圧下または常圧下にて、加熱することにより高重合度化することを特徴とする高分子量芳香族ポリカーボネートの製造方法についてである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明ついて詳細に説明する。まず本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体について説明する。
本発明で用いられる低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートは実質的に下記式(1)
【0014】
【化3】
Figure 0004723138
【0015】
[上記式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、Wは炭素数2〜10のアルキリデン基、炭素数1〜15のアルキレン基、炭素数7〜20のアリール置換アルキレン基、炭素数8〜20のアリール置換アルキリデン基、炭素数3〜15のシクロアルキリデン基、炭素数3〜15のシクロアルキレン基、炭素数10〜20のアルキリデン−アリーレン−アルキリデン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基又はスルホン基である。]
で表される。
【0016】
上記式(1)中、R1,R2,R3,R4は具体的には水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。Wは具体的にはエチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基等の炭素数2〜10のアルキリデン基;メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜15のアルキレン基;フェニルメチレン基、ジフェニルエチレン基等の炭素数7〜20のアリール置換アルキレン基;1−フェニル−1−エチリデン基、1−フェニル−2−プロピリデン基等の炭素数8〜20のアリール置換アルキリデン基;シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基等の炭素数3〜15のシクロアルキリデン基;1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等の炭素数3〜15のシクロアルキレン基;m−ジイソピロピリデンフェニレン基、p−ジイソピロピリデンフェニレン基等の炭素数10〜20のアルキリデン−アリーレン−アルキリデン基;エーテル基;スルフィド基、スルホキシド基、スルホン基などが挙げられる。また実質的にとは上記式(1)で表される繰り返し単位が全繰り返し単位に対して少なくとも85モル%、好ましくは90モル%以上からなるものを表す。
【0017】
また本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の固有粘度[η]は0.05〜0.38である。好ましくは0.07〜0.30、より好ましくは0.10〜0.25、最も好ましくは0.11〜0.16のものが使用される。ここで言う固有粘度[η]は、ジクロロメタン溶液にて温度20℃で測定した粘度から算出される値である。本発明で使用する非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の固有粘度[η]が上記範囲より低いと、固相重合反応を実施するのに十分な融点を有する低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを得ることが困難である、または固相重合反応時に生成する揮発成分が多くなりすぎる問題点があるので好ましくない。一方固有粘度[η]が上記範囲を超えると、固相重合速度が遅くなり、目的とする固有粘度の高分子量芳香族ポリカーボネートの製造に時間がかかりすぎ、場合によって着色、ゲル化等が生じるため、好ましくない。
【0018】
また本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の結晶化度は10〜60%である。結晶化度が10%未満では固相重合中に非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体同士が融着する可能性が高くなり好ましくなく、結晶化度が60%を越えるものは製造が実質的に困難である。該結晶化度は15〜50%が好ましく、より好ましくは25〜40%である。
【0019】
また本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の比表面積は0.001〜0.2m2/g未満である。0.001m2/gより小さいと非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を用いる固相重合速度が遅くなり好ましくない。本発明では固相重合の際には特開平3−223330号公報に記載されているように0.2m2/g以上の大きな比表面積を必ずしも必要としない。このような大きな比表面積を有する低分子量芳香族ポリカーボネートを製造するとその表面は多孔性になり、先述のように表面が崩れ微粉末が発生する問題点がある。本発明の好ましい比表面積の範囲は0.001〜0.19m2/gであり、より好ましくは0.005〜0.17m2/g、最も好ましいのは0.05〜0.15m2/gの範囲である。比表面積を0.001〜0.2m2/g未満の範囲に保つことによって本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体は非多孔性を実現することができる。なお、この比表面積の値はBET法によりKrガスを用いて測定したものである。
【0020】
本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の嵩密度は0.4〜1.3g/ccの範囲である。0.4g/cc未満の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体は微粉末が発生しやすい。また1.3g/ccを越える非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体成形体は固相重合速度が遅くなり好ましくない。好ましい嵩密度の範囲は0.6〜1.2g/ccである。
【0021】
また本発明における粉体、粒状物とは結晶化した低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを細かくしたものであれば特に限定しない。しかし本発明では低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを例えば粉砕等の手法により、得られた形状が一定でないものを粉体と、または例えばペレタイズや打ち抜き等の手法により一定の形状に成形したものを粒状物と称し、好ましい例として挙げられる。その形状について特に制限はないが例えばペレット、または顆粒等の形状にしたものが好ましい。さらに後で述べるような非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を一旦成形し、これを再び粉砕化した粉体も含む。必要に応じて、篩をかけて一定の平均粒子径になるように分級したものを用いても構わない。
【0022】
非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体は上記粉体、粒状物を加圧又は押出し加工等の加工を行い成形したものを表す。その成形体の形状はすべて一定の形状に統一されていても、そうでなくても構わない。形状については特に限定はないが、通常ペレット状、球状、円柱状、円板状、多角柱状、立方体状、直方体状、円筒状、レンズ状等が具体的に挙げられる。
【0023】
該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の平均粒子径は10mm以下であることが好ましい。平均粒子径が大きいと造粒時に十分に圧縮圧力をかけることができず、十分な機械的強度を有した非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を得ることができない。逆に小さすぎると空気を含みやすく成形不良、強度不足の原因になる。好ましくは0.1mm〜8mmである。さらに好ましくは0.2mm〜1mmである。また平均粒子径が0.1mm未満の粉末が50wt%以下であることが好ましい。粒子径0.1mm未満の粉末(以下微粉末と称することがある)が50wt%より多いと微粉末が原因となる工程トラブルが生じ、ロスとなるので好ましくない。より好ましくは30wt%以下、特に好ましくは20wt%以下である。微粉末が原因となる工程トラブルとは具体的には、閉塞、磨耗、偏析、付着・凝集、粉塵飛散、フラッシングなどである。微粉末による工程トラブルで生じやすい閉塞は供給・排出、貯蔵、輸送時に、磨耗は輸送、粉砕時に、偏析は貯蔵、付着・凝集は輸送、供給・排出、集塵、粉砕時に、粉塵飛散は集塵時に、フラッシングは供給・排出時に生じる。また特に微粉末が伴うと、固相重合による製造プロセスにおいては不活性ガスにより微粉末が舞って微粉末滞留時間が長くなり樹脂の色相や組成に影響を与え芳香族ポリカーボネートの品質に悪影響を及ぼす。さらに微粉末量が多いと、固相重合中に微粉末が接着剤のような役割をはたし、非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体同士の接着、固相重合用反応容器と非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の接着があり好ましくない。本発明では上記のような工程トラブルを製造プロセスハンドリングの問題と称している。なお本発明によって得られる非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体は上記の工程トラブルを解決できる。
【0024】
また本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体においてはその表面に、幅0.1〜10μm、長さ10μmを越え500μm以下のクラックが存在する面積が全表面積に占める割合が1〜20%であることが好ましい。この評価方法は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて表面観察を行い、得られた写真について画像処理を行うことによって上述のクラックが存在する面積の割合を算出するものである。該クラックの幅は0.1〜10μm、長さ10μmを越え500μm以下である。本発明では長さが10μmを越えるものをクラックと称し、後述の微小孔と区別している。該クラックが存在する面積の割合が20%を超えると非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の機械的強度が低下し、移送などの際に非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体が破壊され好ましくない。また表面が多孔性になりやすく好ましくない。また1%より小さいと固相重合速度が遅くなりすぎて前述のような問題が発生し好ましくない。
【0025】
さらに非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体においては芳香族ヒドロキシ末端基濃度(a)とアリールカーボネート末端基濃度(b)の合計に対する芳香族ジヒドロキシ末端基濃度(a)の比率a/(a+b)が0.01〜0.90であることが好ましい。該比率が0.01未満であると固相重合の際に炭酸ジアリールカーボネートの脱離反応が圧倒的に多くなり、その結果固相重合速度が遅くなる問題が生じ好ましくない。また該比率が0.90を超えると、最終的に得られる高分子量芳香族ポリカーボネートの全末端基中の芳香族ヒドロキシ末端基が多くなり、溶融時に着色しやすいあるいは加水分解により分子量が低下しやすいなどの問題が生じるので好ましくない。該比率のより好ましい範囲は0.10〜0.80、最も好ましい範囲は0.30〜0.40である。
【0026】
次に本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法について説明する。
【0027】
本発明の低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート結合性化合物から製造することができる。具体的には芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをエステル交換触媒の存在下加熱溶融反応させる溶融重合法、若しくは固相重合法、または芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンなどから製造する界面重合法が好ましく挙げられる。これらの中で芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを溶融重合法して製造されたものがより好ましい。
【0028】
本発明で使用される該芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略す。)、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等およびその芳香環に例えばアルキル基、アリール基等が置換されたものがあげられる。これらは単独で用いても2種以上併用しても良い。なかでもビスフェノールAが最も好ましく用いられる。
【0029】
また、該カーボネート結合性化合物としては炭酸ジエステルやホスゲンが挙げられる。炭酸ジエステルの具体的な例にはジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上併用しても良い。なかでもジフェニルカーボネートが最も好ましく用いられる。
【0030】
また該エステル交換触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、チタン系化合物、錫系化合物、ゲルマニウム系化合物等の金属含有化合物と、含窒素塩基性化合物、含燐塩基性化合物等を挙げることができる。
【0031】
具体的にはアルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸ルビジウム、硝酸リチウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、チオシアン酸セシウム、カプロン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジカリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAのジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0032】
アルカリ土類金属化合物としては水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ビスフェノールAのマグネシウム塩、ビスフェノールAのカルシウム塩が挙げられる。これらの化合物の中でアルカリ金属の水酸化物、フェノールのアルカリ金属塩、ビスフェノールAのアルカリ金属塩が特に好ましい。
【0033】
チタン系化合物としてはテトラフェノキシチタン、ブトキシトリフェノキシチタン、ジブトキシジフェノキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラクレゾキシチタン等が挙げられる。
【0034】
錫系化合物としては、酢酸第一錫、ジ−n−ブチル錫ジアセテート、ジ−n−ブチル錫ジラウレートが挙げられ、ゲルマニウム系化合物としては、酸化ゲルマニウムが挙げられる。
【0035】
また含窒素塩基性化合物としては
(I)テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(Ph−CH2(Me)3NOH)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール、アラルキル基等を有するアンモニウムヒドロキシド類、
(II)テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムフェノキシド、テトラブチルアンモニウム炭酸塩、ベンジルトリメチルアンモニウム安息香酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムエトキシド等のアルキル、アリール、アラルキル基等を有する塩基性アンモニウム塩、
(III)トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン等の第三級アミン、及び
(IV)テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)等のアンモニウムボレートを挙げることができる。
【0036】
また含燐塩基性化合物としては、
(V)テトラメチルホスホニウムヒドロキシド(Me4POH)、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド(Et4POH)、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド(Bu4POH)、ベンジルトリメチルホスホニウムヒドロキシド(Ph−CH2(Me)3POH)、ヘキサデシルトリメチルホスホニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール、アラルキル基等を有するホスホニウムヒドロキシド類、及び
(VI)テトラメチルホスホニウムボロハイドライド(Me4PBH4)、テトラブチルホスホニウムボロハイドライド(Bu4PBH4)、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート(Bu4PBPh4)、テトラメチルホスホニウムトラフェニルボレート(Me4PBPh4)等のアンモニウムボレート塩を挙げることができる。
これらの中でテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルホスホニウムヒドロキシド(Me4POH)が好ましく用いることができる。
【0037】
これらのエスエル交換触媒は単独で用いても2種以上併用しても良い。さらにこれらのエステル交換触媒としては、上記の如き金属含有化合物を含有する触媒系が好ましく使用できるが、これらの金属含有化合物は、カーボネート結合を分解する能力もまた有するため、重合反応速度の触媒能をできうる限り保持しつつ、その使用量を抑えることが好ましい。
【0038】
この目的を達成するためには、上記の金属含有化合物触媒のうちアルカリ金属化合物を使用し、さらに含窒素塩基性化合物及び/又は含燐塩基性化合物を併用し、アルカリ金属元素の使用量を芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-8〜5×10-5モルの範囲になるように使用することが好ましい。より好ましくは5×10-8〜3×10-6モル、特に好ましくは7×10-8〜2×10-6モルである。さらに含窒素塩基性化合物及び含燐塩基性化合物の使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-5〜5×10-3モルの範囲になるように使用することが好ましい。より好ましくは2×10-5〜5×10-4モル、特に好ましくは5×10-5〜5×10-4モルである。
【0039】
上記範囲を逸脱すると、得られる高分子量芳香族ポリカーボネートの諸物性に悪影響を及ぼしたり、またエステル交換反応が十分に進行せず、後に実施する固相重合工程で高分子量芳香族ポリカーボネートが得られないことがある。
【0040】
本発明における低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートは、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを、エステル交換触媒の存在下、加熱溶融反応させる溶融重合法により製造されることが好ましい。この場合の重合原料仕込みモル比としては、重合反応装置の形式や大きさ等にも多少依存するが、炭酸ジエステル/芳香族ジヒドロキシ化合物のモル比として概略1.07/1〜0.9/1である。更にこれらの混合物を常圧およびまたは減圧の不活性ガス雰囲気下で加熱しながら攪拌して、生成するアルコールまたは芳香族モノヒドロキシ化合物を留出させることで行われる。その反応温度は生成物の沸点等により異なるが、反応により生成するアルコールまたは芳香族モノヒドロキシ化合物を除去するため通常120〜350℃の範囲であり、金属不純物の少ない低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを得るために好ましくは180〜280℃の範囲であり、さらに好ましくは、250〜270℃の範囲である。反応系の内圧は、好ましくは26.6kPa(200mmHg)以下であり、より好ましくは13.3kPa(100mmHg)以下である。必要に応じて内部にごく微量の不活性ガスを流通させて反応系内気相中の留出成分濃度を減少させる方法も好ましく採用できる。反応時間はおおよそ30分〜10時間である。
【0041】
また界面重合法にて低分子量非晶性芳香族ポリカーボネート製造する場合は、芳香族ジヒドロキシ化合物を塩基性化合物の存在下、水に溶解しジクロロメタンなどの有機溶媒と接触させ、さらに分子量調節剤の存在下ホスゲンを吹き込むことにより製造できる。触媒として3級アミン、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、含窒素複素環化合物及びその塩、イミノエーテル及びその塩、アミド基を有する化合物等が使用される。界面重合法では反応の際に生じる塩酸などのハロゲン化水素の捕捉剤として多量のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属が使用される。そのため製造後の低分子量非晶性芳香族ポリカーボネート中に、こうした不純物が残留しないように充分な洗浄や精製を行うことが好ましい。
【0042】
これらの方法で製造した低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートは以下に説明する結晶化方法、粒状成形体を製造する方法、固相重合方法を効率よく行うために非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の項で説明したように固有粘度[η]が0.05〜0.38と低分子量になるように製造するのが好ましい。このような低分子量にするには、低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートの製造で説明した中で反応温度、反応系の内圧、および反応時間を適切に選択する事によって製造することができる。以下このような方法で製造した低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートをプレポリマーと称することがある。
【0043】
つぎに得られた低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートの結晶化方法について説明する。上述のような方法により得られた低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートは通常非晶性であり、本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を得るには、これを結晶化させる。その結晶化方法については1)結晶化溶媒を使用して結晶化する方法、2)ガラス転移温度以上融点以下の温度に加熱保持して結晶化させる加熱結晶化による方法、3)溶融状態で剪断付与によって低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを結晶化させる方法が特開平3−223330号公報、WO98/45351に開示されている。結晶化溶媒を使用した低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの結晶化方法の一般的な問題は微粉末が多量に発生することである。すなわち溶媒の種類によっては溶媒が低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートに接触した個所は素早く結晶化が進行し、結晶化した部分が結晶化直後に剥がれ落ちることにより微粉末が発生する。その結果表面は多孔性になるものと思われる。このような微粉末の粒子径を制御することは極めて困難であり、このような状態で固相重合を行うと微粉末が舞い均一な重合物を得ることができないばかりか、低分子量結晶性芳香族ポリカーボネート同士の接着が発生し好ましくない。一方加熱結晶化による方法は、温度一定にして低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを保持する方法であり極めて簡単な操作で結晶化できる。溶融状態で剪断付与によって結晶化させる方法は加熱結晶化による方法と比較して結晶化時間を大幅に短縮できるといった点が長所である。剪断付与する方法は溶融状態で実施するのが好ましい。これら結晶化方法の中で溶融状態で剪断処理することによって結晶化する方法、または加熱結晶化による方法が好ましく採用される。
【0044】
加熱結晶化による方法は好ましくは100℃以上、低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートの分解温度以下で加熱する事によって結晶化する方法である。加熱時間は加熱温度、低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートの構造によっても異なるが0.1〜50時間が好ましい。溶融状態で剪断付与によって結晶化させる方法では、好ましくは低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを例えば1軸ルーダーを用いてTg以上分解温度以下に加熱し溶融状態とし、さらに回転数を1〜60rpmに設定し、滞留時間を1〜20分の範囲になるようにして溶融状態で剪断をかけることにより結晶化する方法である。これらの方法により所望の物性の低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートが製造できる。
【0045】
得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートは低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートと同様に固有粘度[η]が0.05〜0.38であり、結晶化度は10〜60%になるように製造されるのが好ましい。この範囲の結晶化度を実現するには加熱結晶化による方法では加熱温度、加熱時間を、溶融状態で剪断付与によって結晶化させる方法では加熱温度,回転数、および滞留時間を適切に選択する事によって実現できる。さらに好ましい固有粘度の範囲は0.07〜0.30であり、結晶化度の範囲は15〜50%である。さらに上記の結晶化方法の条件を適切に選ぶことで非多孔性という特性も実現できる。
【0046】
これら固有粘度と結晶化度がこの範囲から外れる際は非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の項で説明したように非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の箇所で説明したような問題点が発生し好ましくない。得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートは非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を成形しやすい程度の大きさの粉体又は粒状物にするのが好ましい。このような粉体または粒状物を得るのに特に制限はないが、ハンマークラッシャー等を用いて粉砕して粉体を得る方法、若しくはペレタイズするのと同様な手法で粒状物を得る方法が最も一般的に行われる。
【0047】
非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を製造する前の低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの平均粒子径は5mm以下であることが好ましい。平均粒子径が5mmより大きいと非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を造粒する工程で十分に圧縮圧力をかけることができず、十分な機械的強度を有した芳香族ポリカーボネート粒状成形体を得ることができない。逆に小さすぎると空気を含みやすく成形不良、強度不足の原因になる。平均粒子径のより好ましい範囲は0.1mm〜4.5mmである。さらに好ましくは0.2mm〜1mmである。また平均粒子径0.1mm未満の微粉末が50wt%以下であることが好ましい。平均粒子径0.1mm未満の微粉末が50wt%より多いと先述のような微粉末による工程トラブルが生じ、ロスとなるので好ましくない。より好ましくは30wt%以下、特に好ましくは20wt%以下である。
【0048】
さらに本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を製造する工程では粉体または粒状物の表面に0.1〜10μmの微小孔が存在する面積が全表面積比で10%未満であることが好ましい。本発明において微小孔とは、長径、短径ともに0.1〜10μmの範囲であり、この点で前述のクラックとは異なる。なおこの評価方法は、結晶化工程で得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体または粒状物の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、得られた写真について画像処理を行うことによって微小孔の面積比を算出するものである。この値が10%以上になると多孔性になりやすく好ましくない。
【0049】
本発明における非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を得る方法は、このようにして得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネート粉体および/または粒状物を造粒し、その後におこなう固相重合工程において破壊されないような手法で製造する方法であれば特に制限はない。具体的には、一般的な造粒の工程で用いられている方法が好ましく挙げられ、押出し造粒法、圧縮造粒法などがより好ましく挙げられる。押出し造粒法としてスクリュー方式、ロール型円筒ダイス方式、ロール型円盤ダイス方式などが例示される。また圧縮造粒法として圧縮ロール方式、ブリケッテング方式、打錠方式等が挙げられる。より具体的には錠剤成形機や圧縮成形機を用いて造粒するのが好ましい。
【0050】
圧縮造粒法を用いる際の圧縮圧力は通常は1MPa〜700MPaが好ましい。1MPaより小さいと非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を輸送、供給・排出時に多量に微粉末を伴い好ましくない。逆に700MPaより大きいと圧縮成形器と非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の摩擦熱によって非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体が溶融しやすく、成形不良を引き起こしやすい。好ましくは10MPa〜500MPaである。さらに好ましくは50MPa〜300MPaである。
【0051】
造粒において成形温度は低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートプレポリマーのガラス転移点Tg程度まで上昇させることにより造粒後の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の強度は上昇する。造粒温度範囲としては室温〜低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの融点以下、好ましくは(低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートのガラス転移点―70℃)〜(低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートのガラス転移点+70℃)、より好ましくは(低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートのガラス転移点―20℃)〜(低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートのガラス転移点+20℃)である。
【0052】
また同時に得られた非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の比表面積は0.001〜0.2m2/g未満である。さらに本発明の好ましい比表面積の範囲は、0.001〜0.19m2/gであり、より好ましくは0.005〜0.17m2/g、最も好ましいのは0.05〜0.15m2/gの範囲である。この範囲外の比表面積では問題があることは先述のとおりである。本発明においてはこのようにして得られる造粒前の比表面積(c)と造粒後の比表面積(d)の増加率(d−c)/cが0.5〜20倍であることが好ましい。より好ましくは2〜10倍%、より好ましくは2.5〜8倍である。
【0053】
このようにして本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体、および本発明の製造方法によって得られる非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体は以下のような特徴を有する。
【0054】
1)固相重合速度を飛躍的に高めることができる。
例えば造粒する前の低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体または粒状物と、造粒後の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を比較すると、固相重合速度はその平均粒子径が非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体のほうが大きいにも関わらず、非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体のほうが格段に上昇している点があげられる。この理由は明確ではないが非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の結晶粒子が微細化していることが関連しているように推定しているが詳細は明らかではない。
【0055】
2)均一な固相重合物を得ることができる。
粉体および/または粒状物を取り扱う製造プロセスの問題としてハンドリングの問題を挙げたが、粉体および/または粒状物を固相重合することで起きる問題がいくつか生じる。一つは比表面積を高めるために加熱結晶化、剪断による結晶化により作成した低分子量結晶性芳香族ポリカ−ボネートを粉砕する工程においては如何様にも粒子径分布を有する事は避けられないことである。このような粒子径分布の広さは、副生するフェノールの低分子量結晶性芳香族ポリカ−ボネート中の拡散速度の分布に直接関係するため、重合度のまちまちな高分子量芳香族ポリカーボネートが生じるという問題を有する。しかし本発明方法に従えば粒子径分布が広くても均一な重合度を有する高分子量芳香族ポリカーボネートを得ることが出来ることが大きな特徴である。この理由は明確ではないが造粒加工によって粒子にマイクロクラックが生じているためと思われる。
【0056】
3)製造プロセスのハンドリングにかかる問題の発生を大幅に抑制できる。
微粉末によって発生しやすいトラブルについては既に述べたとおりである。
次にこのようにして製造した非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を使用して固相重合反応を進める。固相重合反応は固体状態を維持できるように、該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体のガラス転移温度(Tg)以上かつ融点より低い温度で、減圧下または常圧下にて非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を加熱することによって行う。この固相重合反応は不活性ガス気流下または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。そうすることによって高分子量化し、固有粘度[η]が0.38を越え1.0以下の所望の分子量を有する高分子量芳香族ポリカーボネートとなる。この重合反応は通常の溶融重合と同様に加熱減圧下でも可能であるが、次に述べるように常圧下重合を行い製造してもよい。本発明の製造方法は固有粘度[η]が0.38を越え0.8以下の芳香族ポリカーボネートを製造する際にさらに好ましく、0.38を越え0.7以下の芳香族ポリカーボネートを製造する際に最も好ましく採用できる。
【0057】
常圧重合は前述のような不活性ガス気流下で行われることが好ましい。その際に固相重合槽に流通させる不活性ガスの種類としては、ヘリウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素ガス等を例示できる。さらに不活性ガスを流通させる方式には特に制限はないが、下部に非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の抜き出し口、不活性ガス流通管及び不活性ガス噴出口を備え、上部に冷却管及び原料流通管を備えた縦型反応装置を用いて、温度調節装置で不活性ガスの温度を制御後、該反応装置に流通させる方法が好ましい。不活性ガスは通常溶融重縮合の反応当初から反応終了まで流通させる。該不活性ガスは非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体に直接吹き込むように供給するのが好ましい。通常、温度140〜350℃の不活性ガスを該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体1kgあたり0.1NL/分以上の流量で、流通させることによって実施される。上記の不活性ガスの温度範囲内でも145〜330℃が更に好ましく、150〜300℃が特に好ましい。例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとジフェニルカーボネートとを溶融重縮合して高分子量芳香族ポリカーボネートを製造する場合、150〜300℃の不活性ガスを流通させることが好ましく、160〜280℃が特に好ましい。また不活性ガス雰囲気下で重合反応を行うには、反応容器内部を不活性ガスで置換し、好ましくは後述のような方法にて撹拌を行いながら行うことが好ましい。
【0058】
固相重合温度としては先述の不活性ガスの温度がそのまま固相重合の温度となり、140〜350℃程度が好ましく採用できる。固相重合温度は高い方が重合速度の点では好ましいが、非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の融着を防ぐため、非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の融点より低い温度で実施する必要がある。また、重合度の上昇と共に、非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の融点も上昇するため、融点の上昇に伴い順次固相重合温度を上昇する方法も好ましく用いられる。
【0059】
また不活性ガスの流量は、非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体1kgあたり0.1〜1.7NL/分が好ましく、0.3〜1.7NL/分が特に好ましく特に0.5〜1.7NL/分が特に好ましい。流通量が上記範囲より小さい場合、固相重合反応の進行が遅くなり、重合時間が長くなり好ましくない。流通量が上記範囲より大きい場合、熱エネルギーコストが高くなり好ましくない。
【0060】
本発明では固相重合槽に流通する不活性ガス流量と、非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の溶融重合槽に流通される不活性ガス流量は必ずしも同量である必要はない。2基以上で並列実施されている固相重合槽から排出される不活性ガスを低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートの溶融重合槽に導入してもよく、またこれを再び固相重合槽に導入する方法も好ましい。その際には、不活性ガス中に気体状の反応留出物が含まれているので、これをある一定量以下まで除去した上で導入する方法が好ましく採用できる。さらに固相重合槽から排出した不活性ガスを一部別用途に使用してもよい。このようにして非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を使用して固相反応を進めるが、固相重合工程から排出される不活性ガスは多くの場合上記の温度範囲内にあるので、そのまま溶融重合の工程や固相重合の工程に使用できる。また必要に応じて不活性ガスの温度調整をした上で溶融重合工程に供給してもよい。なお、その際に固相重合槽からの不活性ガス排出量と溶融重合槽に供給する不活性ガス量とがバランスせず、固相重合で排出されるガス量が過剰な場合は、過剰分を他の用途に利用してもよく、ガス量が不足する場合は、排出ガスに新たな不活性ガスを補充して溶融重合工程に供給すればよい。
【0061】
固相重合反応に要する時間は、通常、数時間〜数十時間が好ましく採用される。重合時間が長すぎると固相重合反応に使用する装置が大掛かりになり、設備製造コストの点で好ましくない。固相重合反応中に、非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を機械的に攪拌するか、あるいは気体流により攪拌してもよい。
【0062】
本発明において使用される固相重合槽の形式について特に制限はないが、下部に不活性ガス導入部を有し上部に不活性ガス排出部を有する縦型反応装置、回転式の反応装置等を好ましい形態として例示できる。
【0063】
また減圧下で固相重合反応を行う場合は低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを製造する時と同様に不活性ガス雰囲気の減圧下あるいはごく微量の不活性ガス気流下で重合反応を行うのが好ましい。圧力は低いほど、重合の効率は高いが、実用的な範囲を考慮すると概略5Pa〜30kPa、好ましくは10Pa 〜15kPa程度である。この際に非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を機械的にあるいは気体流により撹拌しても良い。重合反応温度、時間については先述の常圧で重合する際と同様な条件で行うことが好ましく採用できる。
【0064】
以上のごとき固相重合法により製造された所望重合度の高分子量芳香族ポリカーボネート(以下,「芳香族ポリカーボネート樹脂」と称することがある)は、色相が良く、ゲル成分も少なく成形性に優れたものとなるが、必要に応じて、末端ヒドロキシ基の封鎖反応や溶融粘度の安定化を行うことができ、その方が芳香族ポリカーボネート樹脂の成形時の熱安定性や、耐久安定性を向上させる上で好ましい。
【0065】
芳香族ポリカーボネート樹脂の末端ヒドロキシ基の封鎖反応は、重合反応終了後の芳香族ポリカーボネート樹脂を2軸押し出し機等の溶融混合設備を使用し、例えば米国特許第5,696,222号記載の方法に従いサリチル酸エステル系化合物を用いて必要に応じて実施することができる。この場合、サリチル酸エステル系化合物の使用量は封止反応前の高分子量芳香族ポリカボネートにおける末端ヒドロキシ基の1化学当量当たり0.8〜10モル、より好ましくは0.8〜5モル、特に好ましくは0.9〜2モルの範囲が好ましい。かかる量比で添加することにより、末端ヒドロキシ基の80モル%以上を好適に封鎖することができ好ましい。
【0066】
本発明により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂は、使用目的により、離型剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤等の各種添加剤、ガラス繊維、鉱物、フィラーといった無機剤、アラミド繊維などの有機剤、または本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂以外の樹脂を混合し樹脂組成物を得ることができる。その樹脂組成物は成形用樹脂、フィルム、繊維等の用途に使用可能である。
【0067】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
1)固有粘度[η]
ジクロロメタン溶液として、20℃でウベローデ粘度管にて測定した。
【0068】
2)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)
示査走査型熱量計(DSC)パーキンエルマーDSC7により、昇温速度20℃/分で測定してガラス転移温度(Tg)、融点を求めた。また、結晶融解のエンタルピー(ΔH)は、結晶融解に対応するピーク部分の面積より算出した。
【0069】
3)結晶化度
結晶化度は、DSC測定によって得られたΔHから、100%結晶化ポリカーボネートのΔHをジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス;パートB:ポリマー・フィジックス(J.Polym.Sci.:B:Polym.Phys.)1979年第25巻1511〜1517ページを参考にして109.8J/gとして計算した。
【0070】
4)比表面積
比表面積は、日本ベル(株)製高精度全自動ガス吸着装置を使用してKrガスを用いて測定し、サンプルの重量で除して求めた。
【0071】
5)嵩密度
1000ccの金属製円筒容器にサンプルを入れ、余剰分をすり落として秤量し、内容物の重量W(g)を求め、次式により算出した。
嵩密度(g/cc)=W/1000
【0072】
6)末端基濃度
末端基濃度はJEOLの核磁器共鳴装置(1H−NMR)によって芳香族ヒドロキシ末端基とアリールカーボネート末端基に由来するピークの積分量と測定サンプル量から芳香族ヒドロキシ末端基濃度(a)とアリールカーボネート末端基濃度(b)を算出した。
【0073】
7)平均粒子径、粒子径分布
孔径が10mm、5mm、1000μm、850μm、600μm、250μm、150μm、100μm、75μm、50μmの篩を用いて篩分け、篩上に残った成分の重量をそれぞれ測定し、重量分率を求める。それぞれの重量分率から粒子径分布が求められる。また重量分率と孔径の積の和を計算すること平均粒子径を求める。また成形機により成形した場合は成形器の金型内の成形部分の大きさを粒子径とした。
【0074】
8)クラック面積比、微小孔存在面積比
サンプル表面の電顕写真倍率1000倍で撮影し、得られた写真を目視にて、クラックの存在する面積、微小孔が存在する面積領域、これらが存在しない面積を識別した。これをスキャナーにてパソコン画面に取り込み、それぞれの領域の画素数により写真上の全表面積に対する割合を算出した。
【0075】
9)固相重合の収率
固相重合反応を行う前の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体または低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの重量を100%として、固相重量終了後の重量を百分率で算出した。
【0076】
[参考例]
低分子量非晶性芳香族ポリカーボネート合成例
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部、ジフェニルカーボネート223重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.009重量部及びビスフェノールAジナトリウム塩0.00014重量部を攪拌装置、減圧装置、蒸留塔等を具備した反応装置に仕込み、180℃窒素雰囲気下で30分攪拌し溶解した。次いで、昇温と同時に徐々に減圧下とし、最終的に220℃、4.0kPa(30mmHg)とした。この時点で、得られた低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.15、ガラス転移温度(Tg)は116℃であり、透明であることと結晶融解に基づくピークがDSC測定にて観察されないことから非晶性であった。
【0077】
[実施例1]
参考例で得られた低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを窒素雰囲気下180℃で12時間静置して低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを得、さらに粉砕して低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。その表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面は平滑であり非多孔性であることがわかった(図1、倍率;10000倍)。この時DSC測定によりTmは225℃、また固有粘度は0.17、結晶化度25%であった。ついで該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を形状波型の圧縮成形機を用い圧縮圧力100MPaで圧縮を行い、得られた板状の成形体をスクリーン径3〜5mmのハンマークラッシャー型破砕機を用いて粉砕し非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を得た。得られた該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の固有粘度は0.17、結晶化度は25%であり、比表面積は0.15m2/gあり、嵩密度は0.58g/cc、平均粒子径はおおよそ3〜5mmであった。またクラックが存在する面積の割合、末端基濃度の比率等他の物性は表1に示した。なお粒子径が0.1mm未満の微粉末は13wt%であった。
【0078】
結晶化した該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を、下部に不活性ガスの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、0.8NL/kg・分で窒素ガスの流通下、200℃で3時間、その後210℃に昇温して3時間、更に220℃で3時間、230℃で6時間固相重合反応を行った。得られた高分子量芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.52であった。
【0079】
[実施例2]
参考例で得られた低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを窒素雰囲気下180℃で12時間静置して低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを得た。この低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの固有粘度は0.17、結晶化度は28%であった。該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを粉砕し平均粒子径が0.5mmの低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を錠剤成形器により20MPaの圧力をかけて厚さ×直径:2mm×10mmのタブレット状の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を得た。該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の物性を表1に示す。この非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体をロータリーエバポレーターに入れ13.3Pa(0.1mmHg)の減圧下で200℃で3時間、その後210℃に昇温して3時間、更に220℃で3時間、230℃で6時間固相重合反応を行った。この時の各温度での重合終了時点の[η]を表1に示す。得られた高分子量芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.48であった。
【0080】
[実施例3]
参考例で得られた低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを窒素雰囲気下180℃で12時間静置して低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを得た。該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを粉砕し平均粒子径0.5mmの低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を錠剤成形器により20MPaの圧力をかけて厚さ×直径:5.6mm×10mmのタブレット状の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を得た。該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の物性を表1に示す。この非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体をロータリーエバポレーターに入れ13.3Pa(0.1mmHg)の減圧下で200℃で3時間、その後210℃に昇温して3時間、更に220℃で3時間、230℃で6時間固相重合反応を行った。この時の各温度での重合終了時点の[η]を表1に示す。得られた高分子量芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.48であった。
【0081】
[実施例4]
参考例で得られた低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートをヒーター温度180℃に設定した(株)陸亜製RY45−30−IM7.5型一軸ルーダー(L/D=40)を用いて40rpmで剪断をかけながら滞留時間5分で低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを吐出した。その表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面は平滑であり非多孔性であることがわかる(図2、倍率;10000倍)。さらにこの低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの断面を観察したところやはり平滑であり非多孔性であることがわかる(図3、倍率;10000倍)。この低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートをDSCにより測定するとTmは225℃、結晶化度は26%であり、固有粘度は0.17であった。ついで該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを粉砕機にかけ低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。得られた該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を形状波型の圧縮造粒機を用い圧縮圧力100MPaで圧縮を行い成形体を得た。得られた成形体をスクリーン径3〜5mmのハンマークラッシャー型破砕機を用いて粉砕し非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を得た。得られた該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の固有粘度は0.17、結晶化度は26%であり、この芳香族ポリカーボネート粒状成形体は平均粒径3〜4mmであった。このものの比表面積は0.16m2/gであり、嵩密度は0.57g/ccであった。
【0082】
さらに非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を、下部に不活性ガスの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、0.8NL/kg・分で窒素ガスの流通下、200℃で3時間、その後210℃に昇温して3時間、更に220℃で3時間、230℃で6時間固相重合反応を行った。得られた高分子量芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.46であった。
【0083】
[実施例5]
参考例で得られた低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートをヒーター温度180℃に設定した(株)栗本鐵工 KRCS−1型ニーダー(L/D=10)を用いて30rpmで剪断をかけながら低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを吐出した以外は実施例4と同様に実施した。得られた芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.48であった。
【0084】
なお実施例1〜5においては固相重合直前の重量に対する、固相重合後の重量で表す固相重合の収率はすべて99%以上であった。
【0085】
[比較例1]
参考例で得られた粒径0.5mm〜1mmの低分子量非晶性の芳香族ポリカーボネートをアセトン溶媒中室温で一時間浸漬し、その後アセトンを留去して、低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを得た。その表面を走査型電子顕微鏡で観察すると、その表面はハニカム状の多孔性であることがわかる(図4、倍率;10000倍)。この結晶化した低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートは取り扱うとすぐにその表面がはがれ落ち微粉末が多量に発生した。
【0086】
[比較例2]
参考例で得られた粒径0.5mm〜1mmの低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートをアセトニトリル溶媒中室温で一時間浸漬し、その後アセトニトリルを留去して、低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを得た。その表面を走査型電子顕微鏡で観察すると表面はハニカム状の多孔性であることがわかる(図5、倍率;10000倍)。この低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートは取り扱うとすぐにその表面がはがれ落ち微粉末が多量に発生した。
【0087】
[比較例3]
実施例で得られた粒径0.5mm〜1mmの低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを酢酸エチル溶媒中室温で一時間浸漬し、その後酢酸エチルを留去して、低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを得た。その表面を走査型電子顕微鏡で観察すると表面はハニカム状の多孔性であることがわかる(図6、10000倍)。この結晶化物は取り扱うとすぐに結晶化体がはがれ落ち微粉末が多量に発生した。
【0088】
[比較例4]
実施例2の成形前の低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを分級し粒子径0.5〜1.19mmの低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体は非多孔性であった。該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体にすることなく、下部に不活性ガスの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体1kgあたり0.8NL/分で窒素ガスの流通下、200℃で3時間、その後210℃に昇温して3時間、更に220℃で3時間、230℃で6時間固相重合反応を行った。この時の各温度での重合終了時点の[η]を表1に示す。得られた高分子量芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.39であった。なお固相重合直前の重量に対する、固相重合後の重量で表す固相重合の収率は95%であった。
【0089】
[比較例5]
実施例2の成形前の低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを分級し3.35〜4.0mmの粒子径の低分子量結晶性芳香族ポリカーボネート粉体を得た。該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体は非多孔性であった。該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体にすることなく、下部に不活性ガスの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体1kgあたり0.8NL/分で窒素ガスの流通下、200℃で3時間、その後210℃に昇温して3時間、更に220℃で3時間、230℃で6時間固相重合反応を行った。この時の各温度での[η]を表1に示す。得られた高分子量芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.32であった。
【0090】
[比較例6]
参考例で得られた低分子量非晶性の芳香族ポリカーボネートをヒーター温度180℃に設定した一軸ルーダーで剪断をかけながら低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートを吐出した。ついで吐出物を粉砕機にかけ粒子径2〜3mmの低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体を、下部に不活性ガスの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体1kgあたり0.8NL/分で窒素ガスの流通下、200℃で3時間、その後210℃に昇温して3時間、更に220℃で3時間、230℃で6時間固相重合反応を行った。得られた高分子量芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.25であった。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば製造プロセスにおいて微粉末によって起こる工程トラブルとハンドリングの問題点を解消できるばかりか、重合速度の上昇によって固相重合時間の短縮ができる。また得られた非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を用いた固相での重合反応により品質の良好な高分子量度芳香族ポリカーボネートを容易に製造することができ、この高分子量芳香族ポリカーボネートは色相、成形性が良好で、有用な成形品を与える。
【0092】
さらに実施例2と実施例3を比較すると比較して非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の厚みが2倍以上大きくなったのにも関わらず重合速度はほとんど変わらず粒子径依存性が少ない。このように粒子径依存性が少ないため従来の固相重合方法と比較すると分子量分布が均一な固相重合品を得ることができるものと推定できる。しかしながら非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を造粒する工程を全く含まない比較例4と比較例5を比較すると粒子径依存性が強く均一な固相重合品を得ることが難しい。また重合速度も本発明の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を使用する事により格段に上昇している事がわかる。
【0093】
【表1】
Figure 0004723138

【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体表面の電子顕微鏡写真である。(10000倍)
【図2】実施例4において得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの表面の電子顕微鏡写真である。(10000倍)
【図3】実施例4において得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの断面の電子顕微鏡写真である。(10000倍)
【図4】比較例1において得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの表面の電子顕微鏡写真である。(10000倍)
【図5】比較例2において得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの表面の電子顕微鏡写真である。(10000倍)
【図6】比較例3において得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの表面の電子顕微鏡写真である。(10000倍)

Claims (13)

  1. ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを溶融重合して得られた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体および/または粒状物のみからなる、固有粘度[η]0.05〜0.38、結晶化度が10〜60%、比表面積が0.001〜0.2m2/g未満、および嵩密度が0.4〜1.3g/ccであり、表面において、幅0.1〜10μm、長さ10μmを超え500μm以下のクラックが存在する面積の全表面積に占める割合が1〜20%であることを特徴とする非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体。
  2. 非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体においてその平均粒子径が10mm以下であり、かつ平均粒子径が0.1mm未満の低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体が50wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体。
  3. 非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体において、芳香族ヒドロキシ末端基濃度(a)とアリールカーボネート末端基濃度(b)の合計に対する芳香族ヒドロキシ末端基濃度(a)の比率a/(a+b)が0.01〜0.90であることを特徴とする請求項1または2に記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体。
  4. 非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を製造する方法において、
    (A)ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを溶融重合して固有粘度[η]0.05〜0.38の低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを製造する工程。
    (B)低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを結晶化させる工程。
    (C)結晶化させた低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートから、固有粘度[η]0.05〜0.38、結晶化度10〜60%である低分子量結晶性芳香族ポリカーボネート粉体または粒状物を得る工程。
    (D)該低分子量結晶性芳香族ポリカーボネート粉体および/または粒状物を造粒し非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を製造する工程からなり、該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の表面上に0.1〜10μmの微小孔の存在する面積が、全表面積に対して10%未満であり、かつ該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の造粒前の比表面積(c)と造粒後の比表面積(d)の増加率{(d−c)/c}が0.5〜20倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法。
  5. 非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の造粒前の比表面積(c)と造粒後の比表面積(d)の増加率{(d−c)/c}が2〜10倍であることを特徴とする請求項に記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法。
  6. 低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを結晶化させる工程において、低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートの溶融状態において剪断処理を行うことによって結晶化度10%〜60%に結晶化させることを特徴とする請求項4または5に記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法。
  7. 低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートを結晶化させる工程において、低分子量非晶性芳香族ポリカーボネートに熱を加えることによって結晶化度10%〜60%に結晶化させることを特徴とする請求項4または5に記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法。
  8. 結晶化度が20%〜50%であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つに記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法。
  9. 錠剤成形機を用いて造粒することを特徴とする請求項4〜8のいずれか1つに記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法。
  10. 圧縮成形機を用いて造粒することを特徴とする請求項4〜9のいずれか1つに記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法。
  11. 低分子量結晶性芳香族ポリカーボネートの粉体または粒状物の平均粒子径が5mm以下であり、かつ平均粒子径0.1mm未満の粉体が50wt%以下であることを特徴とする請求項4〜10のいずれか1項に記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体の製造方法。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を、該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体のガラス転移温度以上かつ融点より低い温度で、減圧下または常圧下にて、加熱することにより高重合度化することを特徴とする高分子量芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  13. 請求項4〜11のいずれか1項に記載の方法により製造された非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体を、該非多孔性芳香族ポリカーボネート粒状成形体のガラス転移温度以上かつ融点より低い温度で、減圧下または常圧下にて、加熱することにより高重合度化することを特徴とする高分子量芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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