JP4722299B2 - 切断端面をカール部内に封鎖している鋼板製容器及びその封鎖方法 - Google Patents

切断端面をカール部内に封鎖している鋼板製容器及びその封鎖方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内外面が樹脂被膜によって被覆されており、口頸部の開口端部分に外巻きの閉じたカール部を有し、そのカール部を閉じている一方の部分である鋼板の切断端面よりも手前側の部分と、そのカール部分を閉じている他方の部分である前記口頸部の壁部分との間を、両方の部分に熱融着している熱可塑性樹脂で被覆することにより、前記切断端面を前記カール部内に封鎖した状態にしたことを特徴とする切断端面をカール部内に封鎖している鋼板製容器とその封鎖方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、金属容器の開口部付近を小径化してネジ部を設けたアルミニウム合金製のボトル型缶が販売され、人気を集めている。その一例を図1に示す。このボトル型缶1は、円筒形の胴部2と、胴部2に続くドーム状(凸曲面状)の肩部3と、肩部3に続く略円筒状でネジ部7と閉じられたカール部6とが成形されている口頸部4があり、胴部下端のいわゆる缶底は、底蓋が巻き締められている。尚、ボトル型缶としては、胴部と底部とを一体成形してシームレス缶胴とした後、胴部の開口部側を縮径加工(ネックイン加工)して肩部と口頸部となる部分を形成したタイプの肩部が円錐台形状で、底部が胴部及び口頸部と一体成形されたアルミニウム合金板製のボトル型缶も販売されている。
【0003】
そして、口頸部4の上端部には外巻きのカール部6が設けられて、開口部を形成しており、その下方にはネジ部7が設けられ、更にネジ部7の下方には、口頸部4に冠着されるピルファープルーフキャップのピルファープルーフバンドを固着するための環状凸部8及び環状凹部9が設けられている。
【0004】
金属容器には、必ず金属切断面が露出している部分が存在するが、通常は塗料を塗布して被覆したり、またその部分が開口端部であれば缶蓋と二重巻き締めすることにより、露出しないようにするので、空気中の水分等の影響を受けて発錆することは殆どない。
【0005】
しかしながら、ボトル型缶1の開口端部分の様にキャップを冠着することによって密封する場合には、キャップとの密封面の強度アップを図る必要があり(キャップのシール材との密着を強くして密着面からの漏洩を防止するため)、そのために、カール加工をして強度を高めることが行われている。
【0006】
開口端部をカールした金属容器の他の例としては、開口部にアルミニウム合金板製の開封容易なキャップを冠着して、キャップのスカート部をカール部の下面にクリンプする(スカート部を縮径させる)ことにより開口部を密封するタイプの金属容器がよく知られている(例えば、実公昭62−44910号公報及び特開昭57−86450号公報参照)。
【0007】
このような金属容器のカール部6には、依然として金属面が露出している切断端面が存在し、カール部6が内巻きならば、常に容器内容物と接触する可能性があり、もしも内容物が腐食性の液体ならば切断端面は早期に腐食されるので、カール巻きは外巻きが好ましい。
【0008】
一方、外巻きのカール部6ではあっても、切断端面が露出していると、金属容器が水で冷やされた場合や、空気中の水分と外気温の急激な変化があった場合(金属容器の置かれている外気温の急激な下降により金属表面に結露が起こる)には、切断端面に水分が付着して、発錆する可能性があり、特に鋼板製容器では切断端面を起点として赤錆が生じる虞があり、そのような場合には、その金属容器の商品価値を損なうことになる。
【0009】
このような鋼板面露出部を起点とした錆の発生を防止するために、切断端面保護材として種々の提案がなされており、保護効果を発揮している。代表的な保護材としては、特開平7−310029号公報に開示されている防錆用コーティング剤等の常温硬化型塗料が挙げられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平7−310029号公報に開示されている塗料は、低粘度流動特性を利用して優れた保護材ではあるが、薄膜形状により保護するため、カール部6の隙間の程度により被覆のばらつきが生じやすく、しかも角部の被覆が薄くなりやすいので、常に完全な被覆性を確保することが難しいという問題がある。
【0011】
また、常温硬化型塗料の代わりに熱硬化型塗料を用いることも考えられるが、常温硬化型塗料と同様に完全被覆は困難である。
【0012】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので、内外面が硬化型樹脂塗膜や熱可塑性樹脂被膜のような樹脂被膜によって被覆されている鋼板製容器の開口端部にある外巻きカール部の切断端面に水分が付着しないようにカール部を閉じている部分の外側を樹脂で完全に封鎖して切断端面で赤錆が発生することを防止する鋼板製容器とその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
請求項1記載の発明では、容器の口頸部の先端側の開口端部分に外巻きの閉じられたカール部を備え、内外面が樹脂被膜によって被覆されている鋼板製容器であって、
前記カール部を閉じている一方の部分である鋼板の切断端面よりも手前側の部分と、前記カール部を閉じている他方の部分である前記口頸部の壁部分との間を、両方の部分に熱融着している熱可塑性樹脂で被覆することにより、前記切断端面を前記カール部内に封鎖した状態にしたことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明では、内外面が樹脂被膜により被覆されている容器の口頸部の開口部となる先端部分に外巻き状にカールされて反対側の壁面と接触して閉じられたカール部が形成されており、しかも該カール部内に露出している鋼板製容器の切断端面をカール部内に封鎖する方法であって、
前記カール部を閉じている一方の部分である該切断端面よりも手前側の部分と、前記カール部を閉じている他方の部分である前記口頸部の壁部分との間に、糸状の熱可塑性樹脂を巻き付けた後、該熱可塑性樹脂を加熱して溶融させ、前記カール部の接触部及びその近傍部分に該熱可塑性樹脂を融着させることによって、該切断端面を該カール部内に封鎖したことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明では、内外面が樹脂被膜により被覆されている容器の口頸部の開口部となる先端部分に外巻き状にカールされて反対側の壁面と接触して閉じられたカール部が形成されており、しかも該カール部内に鋼板の切断端面が露出している鋼板製容器の切断端面をカール部内に封鎖する方法であって、
該鋼板製容器を倒置状態にして回転させながら、ホットメルト吐出装置のノズルを該カール部に接近させ、前記カール部を閉じている一方の部分である該切断端面よりも手前側の部分と、前記カール部を閉じている他方の部分である前記口頸部の壁部分との間に、該ノズルから、溶融した糸状の熱可塑性樹脂を吐出させ、該切断端面よりも手前側の部分と、前記口頸部の壁部分との間に、該溶融した糸状の熱可塑性樹脂を巻き付けることによって、前記カール部の接触部分及びその近傍部分に前記熱可塑性樹脂を融着させて前記カール部を封鎖したことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明では、請求項1に記載の切断端面をカール部内に封鎖している鋼板製容器において、
前記鋼板製容器は、円筒形の胴部と、該胴部に続く傾斜面を備えた肩部と、該肩部に続く略円筒状でネジ部とカール部とが形成されている口頸部とを備えたボトル型缶であることを特徴とする。
【0017】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の発明にあっては、内外面が樹脂被膜によって被覆されている鋼板製容器の口頸部に形成されている閉じられたカール部内に鋼板の切断端面が露出しており、該切断端面よりも手前側の部分と、この部分と接触している口頸部の壁部分との間を、これら両方の部分に熱融着している熱可塑性樹脂で被覆することにより、該切断端面を該カール部内に封鎖した状態にしたので、塗料を塗布した場合に比べて樹脂被覆層が厚くなって被覆も完全になるので、たとえ容器に対して外側から水を掛けた場合であっても、カール部内に封鎖されている切断端面に水が付着することは無く、従って、切断端面から赤錆が発生することはない。
【0018】
請求項2に記載の発明にあっては、口頸部に閉じられた外巻きカール部を備えた鋼板製容器を形成した後に、該カール部の接触部を構成する切断端面よりも手前側の部分と該切断端面よりも手前側の部分と接触している口頸部の壁部分との間に、糸状の熱可塑性樹脂を巻き付けた後、該熱可塑性樹脂を加熱して溶融させ、該カール部の接触部及びその近傍部分該熱可塑性樹脂を融着させることにより該切断端面を該カール部内に封鎖するので、切断端面に水分が付着することが無く、更に、予め隙間のばらつきを考慮した所定の幅を有する糸状の熱可塑性樹脂を使用すれば、該カール部の該切断端面よりも手前側の部分と、該切断端面よりも手前側の部分と対面する口頸部の壁部分との間隙から溶融した熱可塑性樹脂が流下してしまうことはなく、完全にカール部を封鎖することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明にあっては、鋼板製容器を倒置状態で回転させながら、ホットメルト吐出装置のノズルを口頸部のカール部に接近させて、カール部の接触部を構成する切断端面よりも手前側の部分と、該切断端面よりも手前側の部分と接触している口頸部の壁部分との間に、該ノズルから溶融した糸状の熱可塑性樹脂を吐出させるだけで、該カール部の接触部及びその近傍部分に該溶融状態の熱可塑性樹脂を融着させることができると共に該切断端面を該カール部内に封鎖状態にできるので、カール部を封鎖する操作が容易である。
【0020】
請求項4に記載の発明では、鋼板製容器が、円筒形の胴部と、該胴部に続く傾斜面を備えた肩部と、該肩部に続く略円筒状でネジ部とカール部とが形成されている口頸部とを備えたボトル型缶とされている。すなわち、従来のボトル型缶はアルミ製であり、鋼板に比べると強度的に弱いので、厚い材料を使用する必要があり、コスト高となっていた。しかしながら、本発明では、鋼板製としたことで、十分な強度を得ると共に、赤錆等の発生を防止することが可能となり、内容物に関わらずボトル型缶を適用することができる。また、カール部を成形し、ネジ部を成形した後、或いは、胴部の一端に底蓋を固着するタイプのボトル型缶の場合には、胴部の開口端にフランジ加工を施した後に、熱可塑性樹脂によりカール部の封鎖又は被覆を行うことができるので、この工程のための装置を最終工程の加工装置と並設することにより、アルミニウム合金板製ボトル型缶の製造ラインの大幅な改造をすることなく、しかもそのライン速度をあまり減殺することなく(アルミニウム合金板製の場合には全くライン速度は低下しない)、鋼板製ボトル型缶を製造することが可能となる。(鋼板製ボトル型缶の場合には、カール部封鎖装置を通す。)
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のボトル型缶の全体図であり、図2は、それぞれ(a)口頸部を二段絞り成形した状態、(b)口頸部の先端部のトリミングをした状態、(c)開口した口頸部の先端部分を外巻きカールして閉じたカール部を形成した状態、(d)カール部の下方の口頸部にネジ部を形成した状態、(e)ネジ部の下方に環状凸部と環状凹部とを形成した状態(環状凹部を成形すると必然的にその上に環状凸部ができる)を示す。尚、肩部形状はドーム状だけでなく、円錐台形状等任意の傾斜面にすることができる。また、本発明は、底部と胴部とを一体成形したシームレス缶胴を成形した後に、開口部側を縮径して口頸部と肩部とを成形する方法により形成される缶や缶胴に固着される缶蓋に口頸部と肩部とを形成した缶にも適用可能である。
【0022】
は、本発明の実施例のボトル型缶1の要部を拡大した半縦断面図であり、外巻きのカール部6の鋼板切断端面12の下側付近(手前側)の樹脂被覆されている部分から該鋼板切断端面12の手前側の部分と接触している口頸壁部分13までの間を熱可塑性樹脂10で被覆している状態を示す。
【0023】
(第1実施例)
板厚0.22mmの電解クロム酸処理鋼板の両面に、厚さ20μmのポリエステル樹脂(ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとを6:4の混合比率で混合した樹脂)フィルムをそれぞれラミネートした後、ラミネート鋼板をポリエステル樹脂の融点以上の温度に加熱してから、直ちに冷却水中を通して急冷して両面のポリエステル樹脂フィルムを非晶質化させた。
【0024】
このラミネート鋼板の両面に対してグラビアロールにより、ノルマルブチルステアレート又は流動パラフィンの様な高温揮発性潤滑剤を薄く塗布した後、プレスに通して打ち抜き絞り成形により、カップを成形し、このカップを再絞り成形すると共にストレッチ加工をして薄肉化し、更にしごき加工により薄肉化したシームレス缶胴を成形した。
【0025】
このシームレス缶胴の底部側に対して、皺押さえをしながら複数回の絞り加工及び段差部を滑らかにする再成形を行うことにより、胴部2よりも小径の円筒状の口頸部4とドーム状(凸曲面形状)の肩部3を成形する。
【0026】
その後、小径の口頸部4の上半分を二回再絞り加工して図2の(a)に示す形状にする。
【0027】
それから、図2(b)に示すように、口頸部4の先端部をトリミングして口頸部4を開口した後、開口した口頸部4の先端部分を外側にカールさせ、先端に位置する鋼板切断端面12の手前側の部分を反対側の壁面に接触させて外巻きの閉じたカール部6を成形し(図2(c)参照)、その後、カール部6の下方にネジ部7を成形し(図2(d)参照)てから、ネジ部7の下方に環状凹部9を成形することにより環状凹部9の上方に環状凸部8をも成形する(図2(e)参照)。その結果、内外面がポリエステル樹脂被膜で被覆されたボトル型缶胴が得られる。
【0028】
その後カール部6の下端部に糸状の熱可塑性ポリエステル樹脂糸10(未延伸樹脂)を巻き付けて両端部を縛った。それからこの巻き付けたポリエステル樹脂に対して、YAGレーザ(ビームスポット約5mm、出力50W、波形;連続波)を照射して局部加熱処理(照射時間11秒)を行い、ピークメタル温度を約280〜300℃に上昇させ、巻き付けたポリエステル樹脂糸10をカール部6の下面からカール部6の切断端面12の手前側部分と接触している壁面(口頸部4の外壁部分13)の間にかけて熱融着させ、更にもう一度、同様の加工処理を繰り返した。その結果、図3に示すような、鋼板切断端面がカール部内に封鎖されたボトル型缶が得られた。
【0029】
(比較例1)
実施例のボトル型缶と同様の方法で製造したが、カール部6の下端部に熱可塑性ポリエステル樹脂10を熱融着していない点のみ異なる缶を用意した。
【0030】
(比較例2)また、塗料での切断端面保護性を調査するために、熱硬化型切断端面補修用塗料(メラミン硬化型シリコン(商品名;Siコート801,東芝シリコン(株)製の塗料固形分15%)を塗布した。具体的には、缶のカール部6の谷(カール部6の切断端面12の下側と切断端面12に接触している口頸部4の外壁部分13との間の部分)に、上記塗料をマイクロシリンジを用いて15マイクロリットル塗布した後、150〜180℃のオーブン内で3〜6分間加熱し、塗膜の硬化乾燥を行った。
【0031】
(比較試験)
実施例の切断端面被覆保護性を調査するために、実施例と比較例1及び比較例2のボトル型缶を、それぞれ10缶ずつ、95℃の温水に15分間漬ける浸漬処理に加えて、水道水に24時間つける浸漬処理を行って、カール部6の切断端面からの発錆の有無を検査して、耐錆性の評価を行った。
【0032】
テスト結果は、実施例の缶は、全てのテスト品において、赤錆は発生しなかった。
【0033】
一方、切断端面を保護していない比較例1の缶は、全てのテスト品において、95℃×15分の温水浸漬処理で切断端面の略全面から赤錆が発生しているのが認められた。
【0034】
また、比較例2の缶は、95℃×15分間の温水浸漬処理後は、テスト品全てに対して、切断端面に目視では分からない程度の微少錆が認められた程度であり、実用上問題はなかったが、24時間の水道水浸漬処理を追加した後の段階では、赤錆が広がり始め、目視で錆の存在が明瞭に分かるようになり、比較例2の缶は外観上問題があることが判明した。
【0035】
以上の比較試験により、糸状の熱可塑性ポリエステル樹脂10をカール部6の下端部に巻き付けてから、加熱処理して熱可塑性樹脂を溶融させて、カール部6の切断端面12の下側付近の樹脂被覆されている部分(切断端面よりも手前側の部分)と、この部分に接触している口頸部4壁部分13とに、溶融した熱可塑性樹脂を接着させたものは、カール部を封鎖状態にしているので、完璧にカール部6内に露出している切断端面12の保護ができ、鋼板製のボトル型缶1が実用可能なレベルとなることが分かった。
【0036】
以上説明したように、本発明の第1実施例によれば、外巻きカール部6を備えた鋼板製容器を成形した後に、該カール部6の切断端面12の下側付近(切断端面12よりも手前側)の樹脂被覆されている部分と該切断端面12よりも手前側の部分と接触している樹脂被覆されている壁面(口頸部4壁部分13)との間に、糸状の熱可塑性樹脂10を巻き付けた後該熱可塑性樹脂10を加熱して溶融させて、該カール部6の切断端面12よりも手前側の部分と該切断端面12よりも手前側の部分と接触している樹脂被覆されている壁面(口頸部4の外壁部分13)とに、溶融状態の熱可塑性樹脂10を融着させることによって該切断端面12をカール部6内に封鎖する(図参照)ので、封鎖状態のカール部6内に露出している切断端面12に水分が付着することは無く、更に、予め隙間のばらつきを考慮した所定の幅を有する糸状の熱可塑性樹脂10を使用すれば、カール部6の切断端面12と該切断端面12と接触する口頸部4壁部分13との間隙から溶融した熱可塑性樹脂10が流下してしまうことなく、完全にカール部を封鎖することができる。
【0037】
(第2実施例)
基本的には、第1実施例と同様であるが、熱可塑性樹脂によって被覆する工程が異なるため、この点について説明する。図は第2実施例の熱可塑性樹脂によるカール部の被覆工程を表す図である。ボトル型缶を倒置状態にし、カール部にホットメルト吐出装置のノズル11を接近させ、ボトル型缶を回転させながらノズル11から熱溶融された熱可塑性樹脂10を吐出させることにより被覆する。第2実施例では、切断端面12の側面と該切断端面12よりも手前側の部分が口頸部4壁部分13と接触しており、熱溶融された熱可塑性樹脂10は、該切断端面12よりも手前側の部分と口頸部4壁部分13との接触部分及びその近傍部分に融着されている。第2実施例においても第1実施例で比較した比較試験を行った結果、第1実施例同様、完璧にカール部6の切断端面12の保護ができ、鋼板製のボトル型缶1が実用可能なレベルとなることが分かった。尚、カール部6の形状としては、上記実施例で示した様に、切断端面12の側面と切断端面12よりも手前側とが口頸部4壁部分13に接触する場合の他に、図に示すように、切断端面12よりも手前側の部分だけが口頸部4の外壁部分13に接触する様にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のボトル型缶の全体図である。
【図2】本発明の実施例のボトル型缶の口頸部の加工工程を表す図である。
【図3】本発明の実施例のボトル型缶の要部を拡大した半縦断面図である。
【図4】本発明の第2実施例のホットメルト吐出装置から吐出される熱可塑性樹脂による被覆工程を表す図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す要部拡大半縦断面図である。
【符号の説明】
1 ボトル型缶
2 胴部
3 肩部
4 口頸部
5 底蓋
6 カール部
7 ネジ部
8 環状凸部
9 環状凹部
10 熱可塑性樹脂
11 ノズル
12 切断端面
13 口頸部の壁部分
14 内面側の樹脂被膜
15 外面側の樹脂被膜

Claims (4)

  1. 容器の口頸部の先端側の開口端部分に外巻きの閉じられたカール部を備え、内外面が樹脂被膜によって被覆されている鋼板製容器であって、
    前記カール部を閉じている一方の部分である鋼板の切断端面よりも手前側の部分と、前記カール部を閉じている他方の部分である前記口頸部の壁部分との間を、両方の部分に熱融着している熱可塑性樹脂で被覆することにより、前記切断端面を前記カール部内に封鎖した状態にしたことを特徴とする切断端面をカール部内に封鎖している鋼板製容器。
  2. 内外面が樹脂被膜により被覆されている容器の口頸部の開口部となる先端部分に外巻き状にカールされて反対側の壁面と接触して閉じられたカール部が形成されており、しかも該カール部内に露出している鋼板製容器の切断端面をカール部内に封鎖する方法であって、
    前記カール部を閉じている一方の部分である該切断端面よりも手前側の部分と、前記カール部を閉じている他方の部分である前記口頸部の壁部分との間に、糸状の熱可塑性樹脂を巻き付けた後、該熱可塑性樹脂を加熱して溶融させ、前記カール部の接触部及びその近傍部分に該熱可塑性樹脂を融着させることによって、該切断端面を該カール部内に封鎖したことを特徴とする鋼板製容器の切断端面をカール部内に封鎖する方法。
  3. 内外面が樹脂被膜により被覆されている容器の口頸部の開口部となる先端部分に外巻き状にカールされて反対側の壁面と接触して閉じられたカール部が形成されており、しかも該カール部内に鋼板の切断端面が露出している鋼板製容器の切断端面をカール部内に封鎖する方法であって、
    該鋼板製容器を倒置状態にして回転させながら、ホットメルト吐出装置のノズルを該カール部に接近させ、前記カール部を閉じている一方の部分である該切断端面よりも手前側の部分と、前記カール部を閉じている他方の部分である前記口頸部の壁部分との間に、該ノズルから、溶融した糸状の熱可塑性樹脂を吐出させ、該切断端面よりも手前側の部分と、前記口頸部の壁部分との間に、該溶融した糸状の熱可塑性樹脂を巻き付けることによって、前記カール部の接触部分及びその近傍部分に前記熱可塑性樹脂を融着させて前記カール部を封鎖したことを特徴とする鋼板製容器の切断端面をカール部内に封鎖する方法。
  4. 請求項1に記載の切断端面をカール部内に封鎖している鋼板製容器において、
    前記鋼板製容器は、円筒形の胴部と、該胴部に続く傾斜面を備えた肩部と、該肩部に続く略円筒状でネジ部とカール部とが形成されている口頸部とを備えたボトル型缶であることを特徴とする切断端面をカール部内に封鎖している鋼板製容器。
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