上述したように、従来の移動通信端末装置では様々な機能を果たすことが必要なため、内蔵されるプロセッサは汎用的なものが採用されている。これは、装置を簡易な構成とし、装置の小型化及び低消費電力化するという観点からは優れた方法である。しかしながら、汎用的なプロセッサを用いるのでは、例えばゲームや音楽鑑賞を楽しむための付加機能動作における性能を向上させようとしても、飛躍的な性能向上を図ることは困難である。
ところで、他の情報処理装置と比べたときに、移動通信端末装置における性能向上が求められているのは、付加機能動作であるといえる。このように性能向上が求められている付加機能動作は具体的にはゲーム実行や音楽再生等であるが、こうした付加機能動作に際しては、特に画面表示処理及び音データ出力処理が、プロセッサにとって大きな負荷となっているといえる。
また、移動通信端末装置に対しては、上述した必須機能と付加機能とを果たすことが要請されているが、利用者が原則として一人であるため、必須機能動作と付加機能動作とが、いかなる場合においても同時に独立して動作することまでは要請されていない。例えば、必須機能動作である通話動作を行っている間にも、付加機能動作であるゲーム等を実行することまでは要請されていない。
以上の理由から、画面表示処理及び音データ出力処理に優れた付加機能専用のエンジンプロセッサを投入し、通信動作を行うプロセッサであるホストプロセッサを備えるホスト部による管理のもとで、エンジンプロセッサを備えるエンジン部に付加機能動作に対応するアプリケーションを実行させることが考えられる。こうしたホスト部とエンジン部とを備える構成を採用しつつ、装置全体をコンパクトに構築するうえでは、両者が連係して動作することが必須となると考えられる。
しかしながら、上記のようにホスト部とエンジン部とを備える構成を採用した際における両者の連係については、具体的な技術が提案されていないのが現状である。例えば、通信回線や記録媒体等を介したゲーム等のアプリケーションの取得はホスト部により行われることになるが、当該アプリケーションに付随している著作権管理情報等を含むアプリケーション管理情報に応じた管理処理をホスト部が行うのか、又は、エンジン部が行うのか等については、何等の提案もなされていない。
こうした、アプリケーション管理情報としては、例えば、アプリケーションがサンプル(いわゆる「お試し版」)として提供される場合における、実行(閲覧等)に関する累積実行回数や累積実行時間の制限情報がある。また、著作権、著作者人格権等の保護や、国ごとに著作権管理者が異なるという事情があるとの観点から、提供されたアプリケーションが実行可能なリージョン属性に関するリージョン情報や、当該アプリケーションの複写、送信、改変等の制限情報も、アプリケーション管理情報に含ませる傾向が進展している。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、ホストプロセッサを備え、外部との通信に関連する処理を行うホスト部と、エンジンプロセッサを備え、ホスト部の管理下で所定の機能を実行するエンジン部とを備える構成において、アプリケーションに関する処理をホスト部とエンジン部とが連係して行う連係動作方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、外部との通信に関連する処理を行うホスト部と、ホスト部の管理下で所定の機能を実行するエンジン部とを備えつつ、かつ、アプリケーションに関する処理をホスト部とエンジン部とが連係して行う通信端末装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1の観点からすると、本発明の連係動作方法は、外部との通信に関連する処理を行うホスト部と、前記ホスト部の管理下でアプリケーションを実行するエンジン部と、画像を表示する表示部と、音声を出力する音声出力部とを備え、前記エンジン部がアプリケーション動作状態の場合には、前記エンジン部が前記表示部及び前記音声出力部を制御し、前記エンジン部がアプリケーション非動作状態の場合には、前記ホスト部が前記表示部及び前記音声出力部を制御する通信端末装置において、前記ホスト部と前記エンジン部とが連係して動作する連係動作方法であって、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、前記アプリケーションの本体部と、著作物である前記アプリケーションの実行制限を含む利用制限に関するアプリケーション管理情報とを含むアプリケーションを取得するアプリケーション取得工程と;前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、前記アプリケーションの本体部を前記エンジン部へロードするアプリケーションロード工程と;前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、利用者からの前記アプリケーションの実行指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照し、前記アプリケーションを実行可能か否かを判定するアプリケーション実行判定工程と;前記アプリケーション実行判定工程における判定結果が肯定的であった場合に、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、前記エンジン部に前記アプリケーションの実行指令を送るアプリケーション実行指令送信工程と;前記アプリケーションの実行指令を受けた前記エンジン部が前記アプリケーションを実行するアプリケーション実行工程と;を備え、前記アプリケーション実行工程が開始されると、前記アプリケーション動作状態に移行する、ことを特徴とする連係動作方法である。
この連係動作方法では、アプリケーション取得工程において、ホスト部が、エンジン部がアプリケーション非動作状態の場合に、アプリケーション本体部及びアプリケーション管理情報を含むアプリケーションを取得する。引き続き、アプリケーションロード工程において、ホスト部が、エンジン部がアプリケーション非動作状態の場合に、アプリケーションの本体部を前記エンジン部へロードする。このロードは、利用者による当該アプリケーションのロード指令に応じて行われる。
こうしてアプリケーションの本体部がエンジン部にロードされた後に、利用者により当該アプリケーションの実行指令が行われると、アプリケーション実行判定工程において、ホスト部が、エンジン部がアプリケーション非動作状態の場合に、アプリケーション管理情報を参照して、当該アプリケーションを実行可能か否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合に、アプリケーション実行指令送信工程において、ホスト部が、エンジン部がアプリケーション非動作状態の場合に、エンジン部に前記アプリケーションの実行指令を送る。この実行指令を受けると、アプリケーション実行工程において、エンジン部が、アプリケーションを実行する。このアプリケーション実行工程が開始されると、前記アプリケーション動作状態に移行する。
すなわち、本発明の連係動作方法では、アプリケーションの実行機能に特化したエンジン部は、ホスト部からアプリケーション実行指令を受けた場合におけるアプリケーションの本体部を利用した当該アプリケーションの実行に専念する。一方、通信端末装置としての汎用的な機能を果たすことができるホスト部が、当該アプリケーションに関連する処理のうち、アプリケーションの実行処理以外のアプリケーション実行管理処理を行う。したがって、本発明の連係動作方法では、ホスト部とエンジン部とが、アプリケーションに関する処理を合理的に分担しつつ、互いに連係をとってアプリケーションに関する処理を適切に行うことができる。
本発明の連係動作方法では、前記アプリケーション取得工程において、前記ホスト部が、通信回線を利用して、前記アプリケーションを取得するようにすることができる。この場合には、ホスト部が、自身がアクセス可能な通信網に接続された様々なサーバ装置から、通信回線を利用して所望のアプリケーションを取得することができる。
また、本発明の連係動作方法では、前記アプリケーション取得工程において、前記ホスト部が、可搬型記録媒体を利用して、前記アプリケーションを取得するようにすることができる。ここで、可搬型記録媒体には、メモリカードやメモリスティック等の可搬型の記憶媒体が含まれる。この場合には、ホスト部が、所望のアプリケーションが記録された可搬型記録媒体からアプリケーションを読み出すことにより、所望のアプリケーションを取得することができる。
また、本発明の連係動作方法では、前記アプリケーション管理情報に実行回数制限の情報が含まれている場合には、前記アプリケーション実行判定工程において、前記アプリケーションの取得後における前記アプリケーションの累積実行回数が実行回数制限に抵触しないか否かが判定されるようにすることができる。この場合には、アプリケーション管理情報におけるアプリケーションの実行回数制限を超えて利用者からアプリケーションの実行が指令されると、アプリケーション実行判定工程において否定的な判定がなされ、アプリケーションは実行されない。このため、アプリケーションの実行回数制限の範囲でのみアプリケーションを実行可能とすることができる。
また、本発明の連係動作方法では、前記アプリケーション実行判定工程において、前記アプリケーション管理情報に実行時間制限の情報が含まれている場合には、前記アプリケーションの取得後におけるアプリケーションの累積実行時間が前記実行時間制限に抵触しないか否かが判定されるとともに、前記アプリケーション実行工程と並行して、前記ホスト部が、前記アプリケーションの累積実行時間を計時し、計時結果の前記実行時間制限の超過を監視する累積実行時間監視工程と;前記累積実行時間監視工程において前記計時結果が前記実行時間制限を超過したことが検出された場合に、前記ホスト部が、前記エンジン部に前記アプリケーションの実行の停止指令を送るアプリケーション強制停止指令工程と;前記アプリケーションの停止指令を受けた前記エンジン部が前記アプリケーションの実行を停止するアプリケーション強制停止工程と;を更に備えるようにすることができる。
この場合には、アプリケーション管理情報におけるアプリケーションの実行時間制限を当該アプリケーションの累積実行時間が超えている状態で利用者からアプリケーションの実行が指令されると、アプリケーション実行判定工程において否定的な判定がなされ、アプリケーションは実行されない。
また、実行開始時点においては、それまでの当該アプリケーションの累積実行時間がアプリケーションの実行時間制限を超えない場合には、当該アプリケーションの実行が開始される。こうしてアプリケーションの実行が開始されると、累積実行時間監視工程において、ホスト部が、前記アプリケーションの累積実行時間を計時し、計時結果の実行時間制限の超過を監視する。そして、累積実行時間監視工程において、計時結果が実行時間制限を超過したことが検出されると、アプリケーション強制停止指令工程において、ホスト部が、エンジン部にアプリケーションの停止指令を送る。このアプリケーションの停止指令を受けると、アプリケーション強制停止工程において、エンジン部がアプリケーションの実行を停止する。
したがって、アプリケーションの実行時間制限の範囲でのみアプリケーションを実行可能とすることができる。
また、本発明の連係動作方法では、前記アプリケーション管理情報に実行許可をする地域を限定するためのアプリケーションリージョンコードが含まれている場合には、前記アプリケーション実行判定工程において、前記通信端末装置に付与されている端末リージョンコードが前記アプリケーションリージョンコードに適合しているか否かを判定するようにすることができる。この場合には、端末リージョンコードがアプリケーションリージョンコードに適合していないときには、アプリケーション実行判定工程において否定的な判定がなされ、当該アプリケーションは実行されない。このため、アプリケーションリージョンコードに適合する端末リージョンコードを有する場合にのみ、当該アプリケーションを実行するようにすることができる。なお、アプリケーションリージョンコードとしては、移動通信端末装置の製造国コード、当該移動通信端末による回線使用契約をしている契約国コード、当該移動通信端末が在圏している地域の在圏地域コード等を採用することができる。
また、本発明の連係動作方法では、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、利用者からの前記アプリケーションの複写指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照して、前記アプリケーションを複写可能か否かを判定するアプリケーション複写判定工程と;前記アプリケーション複写判定工程における判定結果が肯定的であった場合に、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、前記アプリケーションを複写するアプリケーション複写工程と;を更に備えるようにすることができる。
この場合には、利用者によりアプリケーションの複写指令がなされると、アプリケーション複写判定工程において、ホスト部が、アプリケーション管理情報を参照して、当該アプリケーションを複写可能か否かを判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、アプリケーション複写工程において、ホスト部がアプリケーションを複写する。このため、アプリケーション管理情報に記載されている著作権者の意図に忠実に、著作物の複製を管理することができる。この結果、著作権者が許容していないアプリケーションの複写を防止することができ、複製権の侵害を防止することができる。
また、本発明の連係動作方法では、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、利用者からの前記アプリケーションの送信指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照して、前記アプリケーションの送信が可能か否かを判定するアプリケーション送信判定工程と;前記アプリケーション送信判定工程における判定結果が肯定的であった場合に、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、前記アプリケーションを送信するアプリケーション送信工程と;を更に備えるようにすることができる。
この場合には、利用者によりアプリケーションの送信指令がなされると、アプリケーション送信判定工程において、ホスト部が、アプリケーション管理情報を参照して、当該アプリケーションを送信可能か否かを判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、アプリケーション送信工程において、ホスト部がアプリケーションを送信する。このため、アプリケーション管理情報に記載されている著作権者意図に忠実に、著作物の送信による拡布を管理することができる。この結果、著作権者が許容していないアプリケーションの送信による拡布を防止することができ、公衆送信権等の侵害を防止することができる。
また、本発明の連係動作方法では、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、利用者からの前記アプリケーション本体の改変指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照して、前記アプリケーション本体の改変が可能か否かを判定するアプリケーション改変判定工程と;前記アプリケーション改変判定工程における判定結果が肯定的であった場合に、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、前記アプリケーション本体を改変するアプリケーション改変工程と;を更に備えるようにすることができる。ここで、アプリケーションの改変には、アプリケーション実行時の画面表示における色調の変更等が含まれる。
この場合には、利用者によりアプリケーションの改変指令がなされると、アプリケーション改変判定工程において、ホスト部が、アプリケーション管理情報を参照して、当該アプリケーションを改変可能か否かを判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、アプリケーション改変工程において、ホスト部がアプリケーションを改変する。このため、アプリケーション管理情報に記載されている著作者の意図に忠実に、著作物の改変を管理することができる。この結果、著作者が許容していないアプリケーションの改変を防止することができ、著作者の同一性保持権の侵害を防止することができる。
また、本発明の連係動作方法では、前記アプリケーションロード工程は、前記ホスト部が、利用者からの前記アプリケーションのロード指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照し、前記アプリケーションをロードすべきか否かを判定するアプリケーションロード判定工程と;前記アプリケーションロード判定工程における判定結果が肯定的であった場合に、前記ホスト部が、前記エンジン部へ前記アプリケーションの本体部をロードするアプリケーションロード実行工程と;を備えるようにすることができる。
この場合には、利用者によりアプリケーションのロード指令がなされると、アプリケーションロード判定工程において、ホスト部が、アプリケーション管理情報を参照し、アプリケーションをロードすべきか否かを判定する。この判定の基準には、例えば、上述したアプリケーション実行の可否の基準を採用することができ、アプリケーションの実行ができない場合には、アプリケーションをロードすべきではないと判定するようにすることができる。そして、アプリケーションロード判定工程における判定結果が肯定的であった場合には、アプリケーションロード実行工程において、ホスト部が、エンジン部へアプリケーションの本体部をロードする。このため、実効性のないエンジン部へのアプリケーションロード動作を省略することができる。
本発明は、第2の観点からすると、ホストプロセッサを有し、外部との通信に関連する処理を行うホスト部と;エンジンプロセッサを有し、前記ホスト部の管理下でアプリケーションを実行するエンジン部と;画像を表示する表示部と;音声を出力する音声出力部と;を備え、前記エンジン部がアプリケーション動作状態の場合には、前記エンジン部が前記表示部及び前記音声出力部を制御し、前記エンジン部がアプリケーション非動作状態の場合には、前記ホスト部が前記表示部及び前記音声出力部を制御する通信端末装置であって、前記ホスト部は、前記アプリケーション非動作状態において、前記アプリケーションの本体部と、著作物である前記アプリケーションの実行制限を含む利用制限に関するアプリケーション管理情報とを含むアプリケーションを取得するアプリケーション取得手段と;前記アプリケーション非動作状態において、前記アプリケーションの本体部を前記エンジン部へロードするアプリケーションロード手段と;前記アプリケーション非動作状態において、利用者からの前記アプリケーションの実行指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照し、前記アプリケーションを実行可能か否かを判定するアプリケーション実行判定手段と;前記アプリケーション非動作状態において、前記アプリケーション実行判定手段における判定結果が肯定的であった場合に、前記エンジン部に前記アプリケーションの実行指令を送るアプリケーション実行指令送信手段と;を備え、前記アプリケーションの実行指令を受けた前記エンジン部が前記アプリケーションの実行を開始すると、前記アプリケーション動作状態へ移行する、ことを特徴とする通信端末装置である。
この通信端末装置では、アプリケーション非動作状態において、アプリケーション取得手段が、アプリケーション本体部及びアプリケーション管理情報を含むアプリケーションを取得する。引き続き、アプリケーション非動作状態において、アプリケーションロード手段が、アプリケーションの本体部を前記エンジン部へロードする。こうしてアプリケーションの本体部がエンジン部にロードされた後に、アプリケーション非動作状態において、利用者により当該アプリケーションの実行指令が行われると、アプリケーション実行判定手段が、アプリケーション管理情報を参照して、当該アプリケーションを実行可能か否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合に、アプリケーション非動作状態において、アプリケーション実行指令送信手段が、エンジン部に前記アプリケーションの実行指令を送る。この実行指令を受けると、アプリケーション実行手段が、アプリケーションを実行する。そして、アプリケーションの実行指令を受けたエンジン部が当該アプリケーションの実行を開始することにより、アプリケーション動作状態へ移行する。
すなわち、本発明の通信端末装置では、上述した本発明の連係動作方法を使用して、アプリケーションに関する処理を行うことができる。したがって、本発明の通信端末装置によれば、ホスト部とエンジン部とが、アプリケーションに関する処理を合理的に分担しつつ、互いに連係をとってアプリケーションに関する処理を適切に行うことができる。
本発明の通信端末装置では、前記ホストプロセッサに接続され、前記アプリケーションが記録された記録媒体から前記アプリケーションを読み出す記録内容読取装置を更に備える構成とすることができる。この場合には、ホスト部が、通信回線を利用して、所望のアプリケーションを取得できるとともに、所望のアプリケーションが記録された可搬型記録媒体を記録内容読取装置に装着することにより、所望のアプリケーションを取得することができる。
また、本発明の通信端末装置では、前記アプリケーション実行判定手段が、前記アプリケーション管理情報に実行回数制限の情報が含まれている場合に、前記アプリケーションの取得後における累積実行回数が前記実行回数制限に抵触しないか否かを判定するようにすることができる。この場合には、アプリケーション管理情報におけるアプリケーションの実行回数制限を超えて利用者からアプリケーションの実行が指令されると、アプリケーション実行判定手段の実行回数判定手段による判定結果が否定的なものとなり、アプリケーションは実行されない。このため、アプリケーションの実行回数制限の範囲でのみアプリケーションを実行可能とすることができる。
また、本発明の通信端末装置では、前記アプリケーション実行判定手段が、前記アプリケーション管理情報に実行時間制限の情報が含まれている場合には、前記アプリケーションの取得後における前記アプリケーションの累積実行時間が前記実行時間制限に抵触しないか否かを判定するとともに、前記ホスト部が、前記アプリケーションの実行中に、前記アプリケーションの累積実行時間を計時しつつ、計時結果の前記実行時間制限の超過を監視する累積実行時間監視手段と;前記累積実行時間監視手段により前記計時結果が前記実行時間制限を超過したことが検出された場合に、前記エンジン部に前記アプリケーションの実行の停止指令を送るアプリケーション強制停止指令手段と;を更に備える構成とすることができる。
この場合には、アプリケーション管理情報におけるアプリケーションの実行時間制限を当該アプリケーションの累積実行時間が超えている状態で利用者からアプリケーションの実行が指令されると、アプリケーション実行判定手段の累積実行時間判定手段による判定結果が否定的なものとなり、アプリケーションは実行されない。
また、実行開始時点においては、それまでの当該アプリケーションの累積実行時間がアプリケーションの実行時間制限を超えない場合には、当該アプリケーションの実行が開始される。こうしてアプリケーションの実行が開始されると、ホスト部の累積実行時間監視手段が、アプリケーションの累積実行時間を計時し、計時結果の実行時間制限の超過を監視する。そして、累積実行時間監視手段により、計時結果が実行時間制限を超過したことが検出されると、ホスト部のアプリケーション強制停止指令手段が、エンジン部にアプリケーションの停止指令を送る。この結果、エンジン部におけるアプリケーションの実行が停止する。
したがって、アプリケーションの実行時間制限の範囲でのみアプリケーションを実行可能とすることができる。
また、本発明の通信端末装置では、前記アプリケーション実行判定手段が、前記アプリケーション管理情報に実行許可をする地域を限定するためのアプリケーションリージョンコードが含まれている場合に、前記通信端末装置に付与されている端末リージョンコードが前記アプリケーションリージョンコードに適合しているか否かを判定するようにすることができる。この場合には、端末リージョンコードがアプリケーションリージョンコードに適合していないときには、アプリケーション実行判定手段のリージョンコード判定手段による判定結果が否定的なものとなり、当該アプリケーションは実行されない。このため、アプリケーションリージョンコードに適合する端末リージョンコードを有する場合にのみ、当該アプリケーションを実行するようにすることができる。
また、本発明の通信端末装置では、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、利用者からの前記アプリケーションの複写指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照して、前記アプリケーションを複写可能か否かを判定し、その判定結果が肯定的であった場合に、前記アプリケーションを複写するアプリケーション複写手段を更に備える構成とすることができる。この場合には、利用者によりアプリケーションの複写指令がなされると、ホスト部のアプリケーション複写判定手段が、アプリケーション管理情報を参照して、当該アプリケーションを複写可能か否かを判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、ホスト部のアプリケーション複写手段がアプリケーションを複写する。このため、アプリケーション管理情報に記載されている著作権者の意図に忠実に、著作物の複製を管理することができる。この結果、著作権者が許容していないアプリケーションの複写を防止することができ、複製権の侵害を防止することができる。
また、本発明の通信端末装置では、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、利用者からの前記アプリケーションの送信指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照して、前記アプリケーションの送信が可能か否かを判定し、その判定結果が肯定的であった場合に、前記アプリケーションを送信するアプリケーション送信手段を更に備える構成とすることができる。この場合には、利用者によりアプリケーションの送信指令がなされると、ホスト部のアプリケーション送信判定手段が、アプリケーション管理情報を参照して、当該アプリケーションを送信可能か否かを判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、ホスト部のアプリケーション送信手段がアプリケーションを送信する。このため、アプリケーション管理情報に記載されている著作権者の意図に忠実に、著作物の送信による拡布を管理することができる。この結果、著作権者が許容していないアプリケーションの送信による拡布を防止することができ、公衆送信権等の侵害を防止することができる。
また、本発明の通信端末装置では、前記ホスト部が、前記アプリケーション非動作状態において、利用者からの前記アプリケーション本体の改変指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照して、前記アプリケーション本体の改変が可能か否かを判定し、その判定結果が肯定的であった場合に、前記アプリケーション本体を改変するアプリケーション改変手段を更に備える構成とすることができる。この場合には、利用者によりアプリケーションの改変指令がなされると、ホスト部のアプリケーション改変判定手段が、アプリケーション管理情報を参照して、当該アプリケーションを改変可能か否かを判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、ホスト部のアプリケーション改変手段がアプリケーションを改変する。このため、アプリケーション管理情報に記載されている著作者の意図に忠実に、著作物の改変を管理することができる。この結果、著作者が許容していないアプリケーションの改変を防止することができ、同一性保持権の侵害を防止することができる。
また、本発明の通信端末装置では、前記アプリケーションロード手段が、利用者からの前記アプリケーションのロード指令に応じて、前記アプリケーション管理情報を参照し、前記アプリケーションをロードすべきか否かを判定するアプリケーションロード判定手段と;前記アプリケーションロード判定手段による判定結果が肯定的であった場合に、前記エンジン部へ前記アプリケーションの本体部をロードするアプリケーションロード実行手段と;を備える構成とすることができる。この場合には、利用者によりアプリケーションのロード指令がなされると、アプリケーションロード判定手段が、アプリケーション管理情報を参照し、アプリケーションをロードすべきか否かを判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、アプリケーションロード実行手段が、エンジン部へアプリケーションの本体部をロードする。このため、実効性のないエンジン部へのアプリケーションロード動作を省略することができる。
また、本発明の通信端末装置では、前記ホスト部が、前記ホストプロセッサに接続され、移動通信網の基地局と無線通信を行うための無線通信部を更に備える構成とすることができる。すなわち、本発明の通信端末装置を移動通信端末装置とすることができる。
以上説明したように、本発明の連係動作方法を採用することにより、外部との通信に関連する処理を行うホスト部と、ホスト部の管理下で所定の機能を実行するエンジン部とを備える構成において、アプリケーションに関する処理を、ホスト部とエンジン部とで合理的に分担しつつ、互いに連係して行うことができる。
また、本発明の通信端末装置によれば、外部との通信に関連する処理を行うホスト部と、ホスト部の管理下で所定の機能を実行するエンジン部とを備えつつ、アプリケーションに関する処理を、ホスト部とエンジン部とで合理的に分担しつつ、互いに連係して行うことができる。
以下、本発明の一実施形態を、図1A〜図13を参照して説明する。
図1A〜図2には、一実施形態に係る通信端末装置である携帯電話装置10の構成が概略的に示されている。この携帯電話装置10は、いわゆるクラムシェル型の折りたたみ可能な携帯電話装置である。ここで、図1Aには携帯電話装置10の展開状態における外観の正面図が示され、図1Bには携帯電話装置10の展開状態における外観の右側面図が示され、図1Cには携帯電話装置10の展開状態における外観の裏面図が示されている。また、図2には、携帯電話装置10の機能ブロック構成が示されている。
図1A〜図1Cに示されるように、携帯電話装置10は、第1部分11と、該第1部分11に対して、軸AX1を中心軸として回動可能な第2部分12とを備えている。
第1部分11には、図1Aに示されるように、(a)テンキー、ファンクションキー等の操作キーが配列された操作部21と、(b)通話時に音声を入力するためのマイクロフォン22とが配置されている。また、第1部分11における操作部21の配置面を正面としたときの背面側には、図1Cに示されるように、(c)着信音や案内音を発生するための案内用スピーカ26Sが配置されている。また、第1部分の内部には、(d)メモリカード等の可搬型の記録媒体PRMに記録されたデータを読み出したり、記録媒体PRMにデータを書き込んだりするための読取書込装置23が配置されている。
第2部分12には、図1Aに示されるように、(a)操作案内、動作状況、受信メッセージ、後述する撮像部29による撮像結果、アプリケーションによる画像等を表示するメイン表示部25Mと、(b)通話時に通信相手から送られてきた音声信号を再生するスピーカ26Mと、(c)利用者に注意を喚起するためのLED(Light Emitting Diode)27とが配置されている。また、第2部分12におけるメイン表示部25Mの表示面を正面としたときの背面側には、図1Cに示されるように、(c)補助的な表示を行うサブ表示部25Sと、(g)結像光学系の視野内の像を撮像する撮像部29とが配置されている。ここで、メイン表示部25Mは、図2に示されるように、液晶表示素子25MLとバックライト25MBとを有している。
また、図2に示されるように、携帯電話装置10は、(h)着信時に携帯電話装置10を振動させて着信を利用者に通知するためのバイブレータ24と、(i)携帯電話装置10に作用している加速度及び携帯電話装置10の姿勢を検出するための加速度・姿勢センサ28を更に備えている。これらのバイブレータ24及び加速度・姿勢センサ28は、携帯電話装置10の内部に配置されている。
また、携帯電話装置10は、(j)通信機能等の携帯電話装置としての基本機能を果たすためのホスト部30と、(k)アプリケーションの実行を行うエンジン部40とを備えている。これらのホスト部30及びエンジン部40は、携帯電話装置10の内部に配置されている。
ホスト部30は、携帯電話装置10の全体を統括制御するホストプロセッサ31と、アンテナ33を介して通信信号の送受信を行うための無線通信部32と、プログラムやデータを格納する記憶部35とを備えている。ここで、無線通信部32及び記憶部35はホストプロセッサ31に接続されている。また、ホストプロセッサ31には、上述した操作部21、マイクロフォン22、読取書込装置23、案内用スピーカ26S、LED27、サブ表示部25S、バイブレータ24、加速度・姿勢センサ28及びメイン表示部25Mのバックライト25MBも接続されている。
ホストプロセッサ31には、中央処理装置(CPU)機能、デジタル信号プロセッサ(DSP)機能が搭載されている。そして、ホストプロセッサ31が、記憶部35に格納されたホスト用プログラム38(図3参照)を読み出して実行することにより、通信機能動作等の基本機能動作や、エンジン部40との間における様々なデータのやりとりが行われる。
記憶部35は、様々なデータを一時的に記憶するための揮発性領域36と、プログラム等を恒久的に記憶するための不揮発性領域37とを備えている。ここで、不揮発性領域37には、不図示のSIM(Subscriber Identification Module)カードにおける契約国コードを含む契約番号の記憶領域も含まれるものとする。揮発性領域36は、動作電力が供給されなくなると記憶内容が保証されなくなる揮発性記憶素子により構成されている。また、不揮発性領域37は、動作電力が供給されなくなっても記憶内容が保証される不揮発性記憶素子により構成されている。ここで、不揮発性領域37には、図3に示されるように、上記のホスト用プログラム38に加えて、携帯電話装置10に付与された端末リージョンコードTRC、並びにエンジン統括制御プログラム390及びエンジンアプリケーション391,392,…,39Mが格納されている。また、記録媒体PRMには、エンジンアプリケーション39M+1,…が格納されている。ここで、端末リージョンコードTRCとしては、製造時に付与される製造番号コード、SIMカードに格納された契約国コード及び通信中の在圏セルの基地局から通知される在圏地域コードの3種類が採用されている。なお、在圏セルが変化したときに、端末リージョンコードTRCに含まれる在圏地域コードが更新されるようになっている。
エンジンアプリケーション39j(j=1,2,…)それぞれは、図4Aに示されるように、アプリケーション管理情報61jと、エンジン部40において実際に実行されるべきアプリケーション本体62jと、当該アプリケーションの取得後における実行情報63jとから構成されている。ここで、アプリケーション管理情報及びアプリケーション本体は、エンジンアプリケーション39jの作成時に定められる。一方、実行情報63jは、エンジンアプリケーション39jの取得後に更新される。なお、以下の説明においては、「エンジンアプリケーション39jの実行」と「アプリケーション本体62jの実行」とを、同一の意味で用いるものとする。
アプリケーション管理情報61jには、図4Bに示されるように、実行回数制限情報LET1j、実行時間制限情報LET2j及びアプリケーションリージョンコードARCjが含まれている。また、アプリケーション管理情報61jには、複写可否情報DCIj、送信可否情報DTIj及び改変可否情報DMIjが含まれている。
実行回数制限情報LET1jは、エンジンアプリケーション39jを実行できる回数を示している。また、実行時間制限情報LET2jは、エンジンアプリケーション39jを実行できる時間を示している。
アプリケーションリージョンコードARCjは、エンジンアプリケーション39jを実行する装置が有すべきリージョンコードを示している。このアプリケーションリージョンコードARCjとしては、上述した製造番号コード、契約国コード及び在圏地域コードのうちで採用されているものの種類ごとに、1つ以上のリージョンコードが指定されている。そして、携帯電話装置10における端末リージョンコードTRCが、アプリケーションリージョンコードARCjとして指定されているリージョンコードの内の1つと一致している場合に、アプリケーションリージョンコードARCjと端末リージョンコードTRCとが整合しており、携帯電話装置10によるエンジンアプリケーション39jの実行が許可されるようになっている。
複写可否情報DCIjは、エンジンアプリケーション39jを複写することが許可されているか否かが示されている。また、送信可否情報DTIjは、取得されたエンジンアプリケーション39jを、通信回線を介して他の装置へ送信することが許可されているか否かが示されている。また、改変可否情報DMIjは、例えば、画面表示の色調を変更する等のエンジンアプリケーション39jの改変をすることが許可されているか否かが示されている。
実行情報63jには、図4Cに示されるように、累積実行回数情報AET1j及び累積実行時間情報AET2jが含まれている。ここで、累積実行回数情報AET1jは、アプリケーション39jが実行された累積回数を示している。また、累積実行時間情報AET2jは、アプリケーション39jが実行された累積時間を示している。
ホスト用プログラム38は、図5に示されるように、(i)利用者が操作部21からエンジンアプリケーション39jに関連した指令を行った場合に、その指令を解析したり、メイン表示部25Mへの表示を行ったりするとともに、携帯電話装置10全体を統括制御する統括制御部79と、(ii)利用者によりアプリケーション取得指令がなされた場合に、無線通信部32を介して、エンジンアプリケーションを取得し、不揮発性領域37に格納するアプリケーション取得部71とを備えている。なお、図5においては、統括制御部79は、操作部21及びメイン表示部25Mへ直接的にアクセスすることが明示的にしめされているが、統括制御部79は、上述した図2においてホスト部30に接続されている全ての資源にアクセス可能となっている。
また、ホスト用プログラム38は、(iii)利用者によりエンジンアプリケーション39jのエンジン部40へのアプリケーションロード指令がなされた場合に、エンジンアプリケーション本体62jを不揮発性領域37又は読取書込装置23に装着された記録媒体PRMから読み出して、エンジン部40へロードするアプリケーションロード部72を備えている。ここで、アプリケーションロード部72は、図6に示されるように、端末リージョンコードTRC、並びにエンジンアプリケーション39jのアプリケーション管理情報61j及び実行情報63jに基づいて、エンジンアプリケーション本体62jをエンジン部40へロードすべきか否かを判定するロード判定部81と、ロード判定部81による判定結果が肯定的であった場合に、エンジンアプリケーション本体62jをエンジン部40へロードするロード実行部82とを備えている。
図5に戻り、ホスト用プログラム38は、(iv)利用者によりエンジンアプリケーション39jの実行指令がなされた場合に、エンジンアプリケーション39jの識別子をパラメータとするアプリケーション実行指令をエンジン部40へ送るとともに、利用者によりエンジンアプリケーション39jの停止指令がなされた場合に、エンジンアプリケーション39jの識別子をパラメータとするアプリケーション停止指令をエンジン部40へ送るアプリケーション実行制御部73と、(v)エンジンアプリケーション39jの累積実行時間を監視する実行時間監視部74とを備えている。
アプリケーション実行制御部73は、図7に示されるように、利用者によりエンジンアプリケーション39jの実行指令又は再開指令がなされた場合に、エンジンアプリケーション39jの実行指令又は再開指令をエンジン部40へ送るアプリケーション実行指令部83を備えている。また、アプリケーション実行制御部73は、利用者によりエンジンアプリケーション39jの停止指令又は一時指令がなされた場合に、エンジンアプリケーション39jの停止指令又は再開指令をエンジン部40へ送るアプリケーション停止指令部84とを備えている。なお、アプリケーション停止指令部84は、実行時間監視部74から累積実行時間及び実行時間制限に達したことが通知された場合に、エンジンアプリケーション39jの停止指令をエンジン部40へ送るようになっている。ここで、アプリケーション停止指令部84は、エンジンアプリケーション39jの停止指令又は一時停止指令をエンジン部40へ送る際には、実行時間監視部74にその旨を通知し、その時点までにおけるエンジンアプリケーション39jの累積実行時間を取得する。そして、アプリケーション停止指令部84は、不揮発性領域37内のエンジンアプリケーション39jにおける実行情報部63jに取得された累積実行時間を新たな累積実行時間として格納するようになっている。
アプリケーション実行指令部83は、図8に示されるように、端末リージョンコードTRC、並びにエンジンアプリケーション39jのアプリケーション管理情報61j及び実行情報63jに基づいて、エンジンアプリケーション39jを実行可能か否かを判定する実行判定部91と、実行判定部91による判定結果が肯定的であった場合に、エンジンアプリケーション39jの実行指令をエンジン部40へ送る実行指令送信部92とを備えている。ここで、実行判定部91は、実行回数制限情報LET1jにて累積実行回数が制限されている場合には、当該判定結果が肯定的であったときに、累積実行回数を1だけ加算して、不揮発性領域37内のエンジンアプリケーション39jにおける実行情報部63jに新たな累積実行回数として格納するようになっている。また、実行判定部91は、実行時間制限情報LET2jにて累積実行時間が制限されている場合には、当該判定結果が肯定的であったときに、その時点の累積実行時間と、エンジンアプリケーション39jの累積実行時間制限情報を、実行時間監視部74へ通知するようになっている。
図5に戻り、ホスト用プログラム38は、(iv)エンジンアプリケーション39jの複写、送信及び改変を管理する複写等管理部75を備えている。この複写等管理部75は、図9に示されるように、複写管理部86と、送信管理部87と、改変管理部88とを備えている。ここで、複写管理部86は、利用者によりエンジンアプリケーション39jの複写指令がなされたときに、エンジンアプリケーション39jの複写可否情報DCIjに基づいて、エンジンアプリケーション39jの複写が許可されているか否かを判定し、判定結果が肯定的であった場合に、エンジンアプリケーション39jの複写を行う。また、送信管理部87は、利用者によりエンジンアプリケーション39jの送信指令がなされたときに、エンジンアプリケーション39jの送信可否情報DTIjに基づいて、エンジンアプリケーション39jの送信が許可されているか否かを判定し、判定結果が肯定的であった場合に、無線通信部32を介して、エンジンアプリケーション39jの送信を行う。また、改変管理部88は、利用者によりエンジンアプリケーション39jの改変指令DMIjがなされたときに、エンジンアプリケーション39jの改変可否情報に基づいて、エンジンアプリケーション39jの改変が許可されているか否かを判定し、判定結果が肯定的であった場合に、エンジンアプリケーション39jの改変を行う。
図2に戻り、エンジン部40は、エンジン部40の全体を統括制御するエンジンプロセッサ41と、エンジンプロセッサ41が実行するプログラムやデータを記憶する記憶部42とを備えている。ここで、記憶部42は、エンジンプロセッサ31に接続されている。また、エンジンプロセッサ41には、上述したメイン表示部25Mの液晶表示部25ML及びスピーカ26Mが接続されている。
記憶部42は、動作電力が供給されなくなると記憶内容が保証されなくなる揮発性記憶素子により構成されている。ここで、記憶部42には、図10に示されるように、上述したエンジン統括制御プログラム390が格納されるシステム領域46と、アプリケーション本体621,622,…のいずれか1つ以上が格納されるアプリケーション領域47とを備えている。
エンジンプロセッサ41は、図11に示されるように、制御処理部51と、ホストインターフェース部52とを備えている。また、エンジンプロセッサ41は、液晶表示素子25MLに供給される表示画像信号MIDとして、ホスト部30からのホスト表示画像信号HID及び制御処理部51からのエンジン表示画像信号EIDのいずれかを選択して液晶表示素子25MLへ供給するための表示出力選択部53を備えている。さらに、エンジンプロセッサ41は、スピーカ26Mに供給される音信号MADとして、ホスト部30からのホスト音信号HAD及び制御処理部51からのエンジン音信号EADのいずれかを選択してスピーカ26Mへ供給するための音出力選択部54を備えている。
制御処理部51には、上述したエンジン統括制御プログラム390の実行が開始される前段階で、ホスト部30との間のインターフェース動作を含むエンジン部40の動作を制御するための基本インターフェースプログラム59が内蔵されている。また、制御処理部51は、3次元グラフィック処理機能及び音生成処理機能を有しており、上記のエンジンアプリケーション391,392,…のいずれかを実行する際に、3次元グラフィック処理機能及び音生成処理機能を発揮する。
ホストインターフェース部52は、ホスト部30と制御処理部51との間に位置し、ホスト部30との間で授受する各種コマンド及び各種データのバッファリングや各種制御信号の仲立ちを行う。このホストインターフェース部52は、2ポートRAM(Random Access Memory)素子を有している。
ホストインターフェース部52では、2ポートRAM素子の一方のポートにおいて、内部データ信号DT及び内部制御信号CNTにより制御処理部51と接続される。ここで、内部制御信号CNTには、制御処理部51がホストインターフェース部52へ向けて発行する、2ポートRAMからの内部読出指令信号及び2ポートRAMへの内部書込指令信号等が含まれている。また、内部制御信号CNTには、ホストインターフェース部52が制御処理部51へ向けて発行する、ホスト部30からエンジン部40へ向けてデータが送られたことを示す内部割込信号等が含まれている。
また、ホストインターフェース部52では、2ポートRAM素子の他方のポートにおいて、例えば8ビットパラレルもインターフェースデータ信号IDT及びインターフェース制御信号ICTによりホスト部51と接続される。ここで、インターフェース制御信号ICTには、ホスト部30がホストインターフェース部52へ向けて発行する、2ポートRAMからのインターフェース読出指令信号及び2ポートRAMへのインターフェース書込指令信号等が含まれている。また、インターフェース制御信号ICTには、ホストインターフェース部52がホスト部30へ向けて発行する、エンジン部40からホスト部30へ向けてデータが送られたことを示すインターフェース割込信号等が含まれている。
以上のような信号をやりとりすることにより、ホストインターフェース部52を介して、ホスト部30とエンジン部40の間で、必要に応じて付属データを伴う指令及び応答の授受が行われるようになっている。
表示出力選択部53では、ホスト部30からのホスト出力制御信号HCT及び制御処理部51からのエンジン出力制御信号ECTの信号レベルに応じて、次のようにして、ホスト表示画像信号HID及びエンジン表示画像信号EIDの一方を表示画像信号MIDとして選択して出力する。ここで、ホスト出力制御信号HCTの信号レベルが有意レベルであり、ホスト出力制御信号HCTによりホスト表示画像信号HIDを選択すべき旨が指定されている場合には、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルにかかわらず、表示出力選択部53は、ホスト表示画像信号HIDを選択して、表示画像信号MIDとして出力する。一方、ホスト出力制御信号HCTの信号レベルが非有意レベルの場合には、表示出力選択部53は、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルに従って、表示画像信号MIDとして、ホスト表示画像信号HID及びエンジン表示画像信号EIDの一方を選択する。
すなわち、表示出力選択部53では、ホスト出力制御信号HCTの信号レベルが非有意レベルであり、かつ、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルが有意レベルの場合には、エンジン表示画像信号EIDを選択して、表示画像信号MIDとして出力する。また、表示出力選択部53では、ホスト出力制御信号HCTの信号レベルが非有意レベルであり、かつ、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルが非有意レベルの場合には、表示出力選択部53は、ホスト表示画像信号HIDを選択して、表示画像信号MIDとして出力する。
音出力選択部54では、上述した表示出力選択部53と同様にして、ホスト出力制御信号HCT及びエンジン出力制御信号ECTの信号レベルに応じて、ホスト音信号HAD及びエンジン音信号EADの一方を音信号MADとして選択して出力する。すなわち、ホスト出力制御信号HCTの信号レベルが有意レベルである場合には、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルにかかわらず、音出力選択部54は、ホスト音信号HADを選択して、音信号MADとして出力する。また、ホスト出力制御信号HCTの信号レベルが非有意レベルであり、かつ、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルが有意レベルの場合には、音出力選択部54は、エンジン音信号EADを選択して、音信号MADとして出力する。また、ホスト出力制御信号HCTの信号レベルが非有意レベルであり、かつ、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルが非有意レベルの場合には、音出力選択部53は、ホスト音信号HADを選択して、音信号MADとして出力する。
次に、以上のように構成された携帯電話装置10におけるホスト部30とエンジン部40との連係動作について説明する。
<初期動作>
まず、携帯電話装置10における初期動作について説明する。
携帯電話装置10の電源がオンされると、ホスト部30が初期化されるとともに、エンジン部40への動作用電力及び動作用基本クロックの供給が開始される。この動作用電力及び動作用基本クロックの供給が開始されると、エンジン部40では、制御処理部51が初期化動作を行い、アイドル状態となり、上述した基本インターフェースプログラム59が制御処理部51において実行される。なお、エンジン部40では、ホスト部30からのリセット指令信号RSTが発行されたことを検出した場合にも、制御処理部51が初期化動作を行い、アイドル状態となり、上述した基本インターフェースプログラム59が制御処理部51において実行されるようになっている。
なお、ホスト部30が初期化されると、ホスト部30(より詳しくは、ホストプロセッサ31において実行されるホスト用ブログラムにおける統括制御部79)は、ホスト出力制御信号HCTの信号レベルを有意レベルとする。この結果、液晶表示素子25MLには、ホスト表示画像信号HIDが表示出力選択部53を介して表示画面信号MIDとして供給される。また、スピーカ26Mには、ホスト音信号HADが音出力選択部53を介して音信号MADとして供給される。この結果、ホスト部30が初期化されると、液晶表示素子25ML及びスピーカ26Mは、ホスト部30による制御を受けることになる。
また、エンジン部40が初期化されると、エンジン部40では、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルを非有意レベルとする。この結果、ホスト出力制御信号HCTの信号レベルにかかわらず、液晶表示素子25ML及びスピーカ26Mは、ホスト部30による制御を受けることになる。
また、エンジン部40は電源オンに伴う初期化に際しては、記憶部42の内容までは初期化することまでは行わない。このため、記憶部42の全領域の記憶内容は不定となる。
以上のようにして、ホスト部30及びエンジン部40の初期化が行われた後、エンジン部40へのエンジン統括制御プログラム390のロードから実行開始までの初期ロード処理が行われる。
この初期ロード処理では、まず、ホスト部30が、エンジン統括制御プログラム390を付属データとする初期プログラムロード命令をエンジン部40へ向けて送る。この際には、ホスト部30は、記憶部35の不揮発性領域37からエンジン統括制御プログラム390を読み出す。引き続き、ホスト部30は、エンジン統括制御プログラム390を付属データとする初期プログラムロード命令を送信データとして、エンジン部40へ向けて送る。
このエンジン統括制御プログラム390を付属データとする初期プログラムロード命令を受けたエンジン部40では、制御処理部51が、初期プログラムロード命令の付属データとしてホスト部30から送られてきたエンジン統括制御プログラム390を、記憶部42のシステム領域46に格納する。そして、制御処理部51が、エンジン統括制御プログラム390のロード完了報告を示す旨を、ホスト部30へ通知する。
この通知を受けたホスト部30は、付属データ無しのエンジン統括制御プログラムの実行開始命令を送信データとして、エンジン部40へ向けて送る。このエンジン統括制御プログラム390の実行開始命令を受けたエンジン部40では、制御処理部51が、エンジン統括制御プログラム390の実行を開始するとともに、エンジン統括制御プログラム390の実行開始報告を示す旨を、ホスト部30へ通知する。こうして、初期ロード処理が終了する。
<エンジンアプリケーションの取得動作>
次に、エンジンアプリケーションの取得動作について説明する。
上記の初期動作の完了後、利用者が操作部21を操作して移動通信網を含む通信網上のサーバアドレスを指定したアプリケーション取得指令の操作入力を行うと、統括制御部79が、操作入力データを解析して、アプリケーション取得指令が入力されたことを認識する。引き続き、統括制御部79は、アプリケーション取得指令が入力された旨及びサーバアドレスをアプリケーション取得部71へ通知する。
この通知を受けたアプリケーション取得部71は、通知されたサーバアドレスを利用して、指定されたサーバに、無線通信部32を介してアクセスする。引き続き、アプリケーション取得部71は、統括制御部79を介して、操作部21及びメイン表示部25Mを利用した利用者の操作入力により指定されたエンジンアプリケーションを、無線通信部32を介して、サーバから取得する。次に、アプリケーション取得部71は、取得したエンジンアプリケーションをエンジンアプリケーション39k(k=1,…,M)として、記憶部35の不揮発性領域37に格納する。こうして、携帯電話装置10にとっての通信回線を介したアプリケーション取得が行われる。
一方、アプリケーション取得は、アプリケーション39p(p=M+1,…)を格納した記録媒体PRMを介しても行われる。この場合には、記録媒体PRMを読取書込装置23に装着することにより、携帯電話装置10にとっての通信回線を介したアプリケーション取得が行われる。
<エンジンアプリケーションのロード動作>
次に、エンジンアプリケーションのロード動作について説明する。
上記のアプリケーションの取得動作の完了後、利用者が操作部21を操作してエンジンアプリケーション39j(j=1,2,…)の識別子(以下、単に「アプリケーション識別子」とも呼ぶ)を指定したエンジンアプリケーションのロード指令の操作入力を行うと、統括制御部79が、操作入力データを解析して、エンジンアプリケーションのロード指令が入力されたことを認識する。引き続き、統括制御部79は、アプリケーションロード指令が入力された旨及びアプリケーション識別子をアプリケーションロード部72へ通知する。
この通知をアプリケーションロード部72が受けると、図12に示されるように、ステップS11において、ロード判定部81が、通知されたアプリケーション識別子に基づいて、ロード判定用情報として、端末リージョンコードTRC、並びにエンジンアプリケーション39jのアプリケーション管理情報61j及び実行情報63jを不揮発性領域37又は記録媒体PRMから読み出す。引き続き、ステップS12において、ロード判定部81が、端末リージョンコードTRCがアプリケーションリージョンコードARCjに整合しているか否かによって、アプリケーション本体62jをロードするか否を判定する。
すなわち、端末リージョンコードTRCがアプリケーションリージョンコードARCjに整合していない場合には、ロード判定部81は、携帯電話装置10によりアプリケーション本体62jを実行することが許可されていないので、実行できないアプリケーション本体62jをエンジン部40へロードすべきではないと判定する。なお、端末リージョンコードTRCがアプリケーションリージョンコードARCjに整合しているか否かの判定は、上述した製造番号コード、契約国コード及び在圏地域コードのうちで採用されているものの種類ごとに、アプリケーションリージョンコードARCj中に含まれるリージョンコードの1つと端末リージョンコードTRCとが一致するか否かにより行われるようになっている。
ステップS12における判定結果が否定的であった場合には、ロード判定部81は、リージョンコードが不整合であるので、エンジンアプリケーション本体62jをエンジン部40へロードしない旨を統括制御部79へ報告する。この報告を受けた統括制御部79は、ロード判定部81から報告された内容をメイン表示部25Mに表示することにより、利用者へ報告する。そして、アプリケーションロード関連の処理が終了する。
ステップS12における判定結果が肯定的であった場合には、処理はステップS13へ移行する。このステップS13では、ロード判定部81が、実行回数制限情報LET1jと累積実行回数情報AET1jに基づいて、累積実行回数が実行回数制限内であるか否かによって、実行回数制限に抵触している状態であるか否かを判定する。この判定結果は肯定的であった場合には、携帯電話装置10によりアプリケーション本体62jを実行することが許可されていないので、実行できないアプリケーション本体62jをエンジン部40へロードすべきではないと判断する。そして、ロード判定部81は、実行回数制限に抵触している状態なので、エンジンアプリケーション本体62jをエンジン部40へロードしない旨を統括制御部79へ報告する。この報告を受けた統括制御部79は、ロード判定部81から報告された内容をメイン表示部25Mに表示することにより、利用者へ報告する。そして、アプリケーションロード関連の処理が終了する。
ステップS13における判定結果が否定的であった場合には、処理はステップS14へ移行する。このステップS14では、ロード判定部81が、実行時間制限情報LET2jと累積実行時間情報AET2jに基づいて、累積実行時間が実行時間制限内であるか否かによって、実行時間制限に抵触している状態であるか否かを判定する。この判定結果は肯定的であった場合には、携帯電話装置10によりアプリケーション本体62jを実行することが許可されていないので、実行できないアプリケーション本体62jをエンジン部40へロードすべきではないと判断する。そして、ロード判定部81は、実行時間制限に抵触しているので、エンジンアプリケーション本体62jをエンジン部40へロードしない旨を統括制御部79へ報告する。この報告を受けた統括制御部79は、ロード判定部81から報告された内容をメイン表示部25Mに表示することにより、利用者へ報告する。そして、アプリケーションロード関連の処理が終了する。
ステップS14における判定結果が否定的であった場合には、処理はステップS15へ移行する。このステップS15では、ロード実行部82が、通知されたアプリケーション識別子に基づいて、アプリケーション本体62jを不揮発性領域37又は記録媒体PRMから読み出す。引き続き、ステップS16において、ロード実行部82が、アプリケーション本体62jをエンジン部40へロードする。このアプリケーションロード処理は、アプリケーション本体62jが記憶部42のアプリケーション領域47に格納されることを除いて、上述した初期プログラムロードと同様にして行われる。すなわち、ロード実行部82からアプリケーション本体62jを付属データとするアプリケーションロード命令がエンジン部40へ向けて送られる。引き続き、アプリケーションロード命令であることを認識した制御処理部51が、ホストインターフェース部52の2ポートRAMからアプリケーション本体62jを読み出して、記憶部42のアプリケーション領域47に格納する。そして、アプリケーション本体62jの記憶部42への格納が終了すると、制御処理部51は、アプリケーション本体62jのロード完了報告をホスト部30へ通知する。こうしてアプリケーション本体62jのロード処理が完了する。
<エンジンアプリケーションの実行指令動作>
次に、エンジンアプリケーションの実行制御動作について説明する。
上記のアプリケーションのロード動作の完了後、利用者が操作部21を操作してエンジンアプリケーション39jの識別子を指定したアプリケーション実行指令の操作入力を行うと、統括制御部79が、操作入力データを解析して、アプリケーション実行指令が入力されたことを認識する。引き続き、統括制御部79は、アプリケーション実行指令が入力された旨及びアプリケーション識別子をアプリケーション実行制御部72へ通知する。
この通知を受けると、アプリケーション実行制御部73では、図13に示されるように、ステップS21において、アプリケーション実行指令部83の実行判定部91が、通知されたアプリケーション識別子に基づいて、実行判定用情報として、端末リージョンコードTRC、並びにエンジンアプリケーション39jのアプリケーション管理情報61j及び実行情報63jを不揮発性領域37又は記録媒体PRMから読み出す。引き続き、ステップS22〜S24において、上述したステップS12〜S14と同様の判定を行って、エンジンアプリケーション39j(より詳しくは、アプリケーション本体62j)の実行が許可されているか否かを判定する。この判定の結果、実行が許可されていないと判定された場合には、実行判定部91は、その旨を、理由を添えて統括制御部79へ報告する。この報告を受けた統括制御部79は、実行判定部91から報告された内容をメイン表示部25Mに表示することにより、利用者へ報告する。そして、アプリケーション実行指令に関連する処理が終了する。
ステップS22〜S24において、エンジンアプリケーション39jの実行が許可されていると判定された場合には、実行判定部91は、アプリケーション実行指令を送信すべき旨、及びエンジンアプリケーション39jのアプリケーション識別子を実行指令送信部92へ通知するとともに、それまでの累積実行回数、実行時間制限情報及びその時点における累積実行時間を通知する。この通知を受けた実行指令送信部92は、ステップS25において、アプリケーション識別子をパラメータとするアプリケーション実行指令をエンジン部40へ送るとともに、通知された累積実行回数に1を加算したものを新たな累積実行回数情報AET1として、不揮発性領域37へ格納する。引き続き、ステップS26において、実行指令送信部92は、実行時間制限情報及びその時点における累積実行時間をパラメータとする実行時間監視指令を実行時間監視部74へ送る。この実行時間監視指令を受けた実行時間監視部74は、実行時間の監視を開始する。こうしてアプリケーション本体62jの実行開始処理が完了する。
一方、アプリケーション実行指令を受けたエンジン部40では、制御処理部51が、アプリケーション本体62jの実行を開始するとともに、アプリケーション本体62jの実行開始報告をホスト部30へ通知する。こうしてアプリケーション本体62jの動作が開始されると、エンジン部40では、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルを有意レベルとする。この結果、アプリケーション動作状態においては、エンジン部40が液晶表示素子25ML及びスピーカ26Mを制御するようになる。
<エンジンアプリケーションの停止制御動作>
次に、エンジンアプリケーションの停止制御動作について説明する。
エンジン部40におけるアプリケーション本体62jの実行中に、利用者が操作部21を操作してエンジンアプリケーション39jの識別子を指定したアプリケーション停止指令の操作入力を行うと、統括制御部79が、操作入力データを解析して、アプリケーション停止指令が入力されたことを認識する。引き続き、統括制御部79は、アプリケーション停止指令が入力された旨及びアプリケーション識別子をアプリケーション実行制御部73へ通知する。
この通知を受けたアプリケーション実行制御部73では、アプリケーション停止指令部84が、通知されたアプリケーション識別子をパラメータとするアプリケーション停止指令をエンジン部40へ送る。引き続き、アプリケーション停止指令部84は、当該アプリケーション識別子をパラメータとする実行時間監視の停止指令を、実行時間監視部74へ送る。この実行時間監視の停止指令を受けた実行時間監視部74は、当該アプリケーション識別子に対応するエンジンアプリケーション39jの実行時間監視を中止するとともに、その時点までのエンジンアプリケーション39jの累積実行時間をアプリケーション停止指令部84に報告する。そして、アプリケーション停止指令部84は、報告を受けたエンジンアプリケーション39jの累積実行時間を、新たな累積実行時間情報AET2として、不揮発性領域37へ格納する。
一方、アプリケーション停止指令を受けたエンジン部40では、制御処理部51が、アプリケーション本体62jの実行を停止するとともに、アプリケーション本体62jの停止報告をホスト部30へ通知する。こうしてアプリケーション本体62jの停止処理が行われ、エンジン部40において実行されているアプリケーション本体が存在しなくなると、エンジン部40では、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルを非有意レベルとする。この結果、アプリケーション動作状態においては、ホスト部30が液晶表示素子25ML及びスピーカ26Mを制御するようになる。
<エンジンアプリケーションの一時停止及び再開制御動作>
次に、エンジンアプリケーションの一時停止及び再開制御動作について説明する。
エンジン部40におけるアプリケーション本体62jの実行中に、利用者が操作部21を操作してエンジンアプリケーション39jの識別子を指定したアプリケーション一時停止指令の操作入力を行うと、統括制御部79が、操作入力データを解析して、アプリケーション一時停止指令が入力されたことを認識する。引き続き、統括制御部79は、アプリケーション一時停止指令が入力された旨及びアプリケーション識別子をアプリケーション実行制御部73へ通知する。また、エンジン部40におけるアプリケーション本体62jの実行中に移動通信網からの通話着信を検出すると、統括制御部79は、アプリケーション一時停止をすべき旨及びアプリケーション識別子をアプリケーション実行制御部73へ通知する。
これらの通知を受けたアプリケーション実行制御部73では、アプリケーション停止指令部84が、上述のアプリケーション停止指令の場合と同様にして、通知されたアプリケーション識別子をパラメータとするアプリケーション一時停止指令をエンジン部40へ送る。引き続き、アプリケーション停止指令部84は、当該アプリケーション識別子をパラメータとする実行時間監視の一時停止指令を、実行時間監視部74へ送る。この実行時間監視の停止指令を受けた実行時間監視部74は、当該アプリケーション識別子に対応するエンジンアプリケーション39jの実行時間監視を一時中止する。
一方、アプリケーション一時停止指令を受けたエンジン部40では、制御処理部51が、アプリケーション本体62jの実行を一時停止するとともに、アプリケーション本体62jの一時停止報告をホスト部30へ通知する。こうしてアプリケーション本体62jの停止処理が行われ、エンジン部40において実行されているアプリケーション本体が存在しなくなると、上述したアプリケーション停止指令を受けた場合と同様に、エンジン部40では、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルを非有意レベルとする。この結果、アプリケーション動作状態においては、ホスト部30が液晶表示素子25ML及びスピーカ26Mを制御するようになる。
また、エンジン部40におけるアプリケーション本体62jの一時停止中に、利用者が操作部21を操作してエンジンアプリケーション39jの識別子を指定したアプリケーション再開指令の操作入力を行うと、統括制御部79が、操作入力データを解析して、アプリケーション再開指令が入力されたことを認識する。引き続き、統括制御部79は、アプリケーション再開指令が入力された旨及びアプリケーション識別子をアプリケーション実行制御部73へ通知する。
この通知を受けたアプリケーション実行制御部73では、アプリケーション実行指令部84の実行判定部91が、直ちに、再開指令をエンジン部40へ送信すべき旨、及び、通知されたアプリケーション識別子を実行指令送信部92へ通知する。そして、実行指令送信部92は、アプリケーション識別子をパラメータとするアプリケーション実行指令をエンジン部40へ送るとともに、アプリケーション識別子をパラメータとする実行時間監視再開指令を実行時間監視部74へ送る。この実行時間監視再開指令を受けた実行時間監視部74は、エンジンアプリケーション39jの実行時間の監視を再開する。
一方、アプリケーション再開指令を受けたエンジン部40では、制御処理部51が、アプリケーション本体62jの実行を開始するとともに、アプリケーション本体62jの再開をホスト部30へ通知する。こうしてアプリケーション本体62jの実行開始処理が完了する。なお、アプリケーション本体62jの動作が再開されると、エンジン部40では、エンジン出力制御信号ECTの信号レベルを有意レベルとする。この結果、アプリケーション動作状態においては、エンジン部40が液晶表示素子25ML及びスピーカ26Mを制御するようになる。
<エンジンアプリケーションの複写管理動作>
次に、エンジンアプリケーションの複写管理動作について説明する。
エンジン部40においてアプリケーション本体62jが実行されていない状態で、利用者が操作部21を操作してエンジンアプリケーション39jの識別子及び複写先を指定したアプリケーション複写指令の操作入力を行うと、統括制御部79が、操作入力データを解析して、アプリケーション複写指令が入力されたことを認識する。引き続き、統括制御部79は、アプリケーション複写指令が入力された旨及びアプリケーション識別子を複写等管理部75へ通知する。
この通知を受けた複写等管理部75では、複写管理部86が、まず、通知されたアプリケーション識別子に基づいて、アプリケーション管理情報61jの複写可否情報DCIjを不揮発性領域37又は記録媒体PRMから読み出す。引き続き、複写管理部86は、複写可否情報DCIjに基づいて、アプリケーション39jの複写が許可されているか否かを判定する。この判定が肯定的であった場合には、複写管理部86は、アプリケーション39jを読み出して、指定された複写先にアプリケーション39jを格納する。そして、アプリケーション39jの複写を完了した旨を統括制御部79へ報告する。この報告を受けた統括制御部79は、メイン表示部25Mに当該報告の内容を表示して、利用者に複写完了を知らせる。
一方、上記の判定の結果が否定的であった場合には、複写管理部86は、アプリケーション39jの複写が許可されていないので複写できない旨を統括制御部79へ報告する。この報告を受けた統括制御部79は、メイン表示部25Mに当該報告の内容を表示して、複写できなかったことを利用者に知らせる。
こうして、アプリケーション複写関連の処理が終了する。
<エンジンアプリケーションの送信管理動作>
次に、エンジンアプリケーションの送信管理動作について説明する。
エンジン部40においてアプリケーション本体62jが実行されていない状態で、利用者が操作部21を操作してエンジンアプリケーション39jの識別子及びあて先を指定したアプリケーション送信指令の操作入力を行うと、統括制御部79が、操作入力データを解析して、アプリケーション送信指令が入力されたことを認識する。引き続き、統括制御部79は、アプリケーション送信指令が入力された旨、アプリケーション識別子及びあて先を複写等管理部75へ通知する。
この通知を受けた複写等管理部75では、送信管理部87が、まず、通知されたアプリケーション識別子に基づいて、アプリケーション管理情報61jの送信可否情報TCIjを不揮発性領域37又は記録媒体PRMから読み出す。引き続き、送信管理部87は、送信可否情報TCIjに基づいて、アプリケーション39jの送信が許可されているか否かを判定する。この判定が肯定的であった場合には、送信管理部87は、アプリケーション39jを読み出し、無線通信部32を介して、指定されたあて先にアプリケーション39jを送信する。そして、アプリケーション39jの送信を完了した旨を統括制御部79へ報告する。この報告を受けた統括制御部79は、メイン表示部25Mに当該報告の内容を表示して、利用者に送信完了を知らせる。
一方、上記の判定の結果が否定的であった場合には、送信管理部87は、アプリケーション39jの送信が許可されていないので送信できない旨を統括制御部79へ報告する。この報告を受けた統括制御部79は、メイン表示部25Mに当該報告の内容を表示して、送信できなかったことを利用者に知らせる。
こうして、アプリケーション送信関連の処理が終了する。
<エンジンアプリケーションの改変管理動作>
次に、エンジンアプリケーションの改変管理動作について説明する。
エンジン部40においてアプリケーション本体62jが実行されていない状態で、利用者が操作部21を操作してエンジンアプリケーション39jの識別子を指定して、表示画像の色調変更指令等のアプリケーション改変指令の操作入力を行うと、統括制御部79が、操作入力データを解析して、アプリケーション改変指令が入力されたことを認識する。引き続き、統括制御部79は、アプリケーション送信指令が入力された旨、アプリケーション識別子及びあて先を複写等管理部75へ通知する。
この通知を受けた複写等管理部75では、改変管理部88が、まず、通知されたアプリケーション識別子に基づいて、アプリケーション管理情報61jの改変可否情報MCIjを不揮発性領域37又は記録媒体PRMから読み出す。引き続き、改変管理部88は、改変可否情報MCIjに基づいて、アプリケーション39jの改変が許可されているか否かを判定する。この判定が肯定的であった場合には、改変管理部88は、アプリケーション39jを読み出し、指定された改変を行う。そして、改変管理部88は、改変されたものを、新たなアプリケーション39jとして、不揮発性領域37に格納する。
一方、上記の判定の結果が否定的であった場合には、改変管理部88は、アプリケーション39jの改変が許可されていないので改変できない旨を統括制御部79へ報告する。この報告を受けた統括制御部79は、メイン表示部25Mに当該報告の内容を表示して、改変できなかったことを利用者に知らせる。
こうして、アプリケーション改変関連の処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態の携帯電話装置10では、アプリケーションロード部72が、取得されたエンジンアプリケーション39jにおけるアプリケーション本体62jをエンジン部40へロードする。この後、利用者によりアプリケーション本体62jの実行指令が行われると、アプリケーション実行制御部73のアプリケーション実行指令部83における実行判定部91が、アプリケーション管理情報61jを参照して、アプリケーション本体62jを実行可能か否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合に、実行指令送信部92が、エンジン部40にアプリケーション本体62jの実行指令を送る。この実行指令を受けると、エンジン部40が、アプリケーション本体62jを実行する。したがって、ホスト部30とエンジン部40とが、エンジンアプリケーション39jに関する処理を合理的に分担しつつ、互いに連係をとってエンジンアプリケーション39jに関する処理を適切に行うことができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10は、ホストプロセッサ31に接続され、エンジンアプリケーション39jが記録された記録媒体からエンジンアプリケーション39jを読み出す記録内容読取装置を備えている。このため、携帯電話装置10は、無線通信部32を介して通信回線を利用することにより、エンジンアプリケーション39jを取得できるとともに、エンジンアプリケーション39jが記録された記録媒体PRMを読取書込装置23に装着することにより、所望のエンジンアプリケーション39jを取得することができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10では、アプリケーション管理情報61jに実行回数制限の情報が含まれている場合には、実行判定部91が、エンジンアプリケーション39jの取得後における累積実行回数が実行回数制限に抵触しないか否かを判定する。そして、この判定結果が肯定的であった場合にのみ、アプリケーション本体62jを実行する。このため、エンジンアプリケーション39jの実行回数制限の範囲でのみアプリケーション本体62jを実行可能とすることができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10では、アプリケーション管理情報61jに実行時間制限の情報が含まれている場合には、実行判定部91が、エンジンアプリケーション39jの取得後における累積実行時間が実行時間制限に抵触しないか否かを判定する。そして、この判定結果が肯定的であった場合にのみ、実行指令送信部92が、アプリケーション本体62jの実行指令をエンジン部40へ送る。また、ホスト部30において、エンジン部40におけるエンジンアプリケーション39jの実行中に、実行時間監視部74が、エンジンアプリケーション39jの累積実行時間を計時しつつ、計時結果の前記実行時間制限の超過を監視し、実行時間制限を超過したことが検出された場合には、アプリケーション停止指令部84が、エンジン部にアプリケーション本体62jの実行の停止指令を送る。このため、エンジンアプリケーション39jの実行時間制限の範囲でのみアプリケーション本体62jを実行可能とすることができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10では、アプリケーション管理情報61jに実行許可をする地域を限定するためのアプリケーションリージョンコードARCjが含まれている場合には、実行判定部91が、携帯電話装置10に付与されている端末リージョンコードTRCがアプリケーションリージョンコードARCjに適合しているか否かを判定する。そして、この判定結果が肯定的であった場合にのみ、実行指令送信部92が、アプリケーション本体62jの実行指令をエンジン部40へ送る。このため、携帯電話装置10は、アプリケーションリージョンコードARCjに適合する端末リージョンコードTRCを有する場合にのみ、エンジンアプリケーション39jを実行することができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10では、複写管理部86が、利用者からのエンジンアプリケーション39jの複写指令に応じて、アプリケーション管理情報61jの複写可否情報DCIjを参照して、エンジンアプリケーション39jを複写可能か否かを判定する。その判定結果が肯定的であった場合に、エンジンアプリケーション39jを複写する。このため、アプリケーション管理情報61jに記載されている著作権者の意図に忠実に、著作物の複製を管理することができ、著作権者が許容していないエンジンアプリケーション39jの複写を防止することができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10では、送信管理部87が、利用者からのエンジンアプリケーション39jの送信指令に応じて、アプリケーション管理情報61jの送信可否情報TCIjを参照して、エンジンアプリケーション39jを送信可能か否かを判定する。そして、その判定結果が肯定的であった場合に、エンジンアプリケーション39jを送信する。このため、アプリケーション管理情報61jに記載されている著作権者の意図に忠実に、著作物の送信を管理することができ、著作権者が許容していないエンジンアプリケーション39jの送信を防止することができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10では、改変管理部88が、利用者からのエンジンアプリケーション39jの改変指令に応じて、アプリケーション管理情報61jの改変可否情報TCIjを参照して、エンジンアプリケーション39jを改変可能か否かを判定する。そして、その判定結果が肯定的であった場合に、エンジンアプリケーション39jを改変する。このため、アプリケーション管理情報61jに記載されている著作者の意図に忠実に、著作物の改変を管理することができ、著作者の同一性保持権に配慮して、著作者が許容していないエンジンアプリケーション39jの改変を防止することができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10におけるアプリケーションロード部72では、ロード判定部81が、利用者からのアプリケーション本体62jのロード指令に応じて、アプリケーション管理情報61jを参照し、アプリケーション本体62jをロードすべきか否かを判定する。そして、この判定結果が肯定的であった場合にのみ、ロード実行部82がエンジン部40へアプリケーション本体62j部をロードする。このため、実効性のないエンジン部へのアプリケーションロード動作を省略することができる。
なお、ホストプロセッサ31は1つのプロセッサとすることもできるし、通信用プロセッサ及びアプリケーション統括用プロセッサの2プロセッサ構成とし、上記の実施形態におけるエンジン部40の制御をアプリケーション統括用プロセッサに行わせるようにすることもできる。
また、上記の実施形態では、表示出力選択部53及び音出力選択部54がエンジンプロセッサ41に内蔵されることとしたが、少なくとも一方をエンジンプロセッサ41の外に配置することもできる。
また、上記の実施形態では、ホストインターフェース部52が2ポートRAMを備えることとしたが、ホスト部30とのインターフェーシングを図ることができる構成であれば、任意の構成とすることができる。
また、上記の実施形態では、携帯電話装置をクラムシェル型としたが、ストレート型、レボルバ型、スライド型等の携帯電話装置についても本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態では、本発明を携帯電話装置に適用したが、他の通信端末装置に本発明を適用することができるのは、勿論である。