JP4721241B2 - Coシフト反応用触媒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化炭素(CO)と水蒸気( H2O)から水素(H2)を生成するCOシフト反応を行う触媒に関し、詳しくは空間速度が大きい条件下でかつ水蒸気量が少なくても活性が高く、燃料電池及び内燃機関の排ガス浄化などに利用できるCOシフト反応用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
アンモニアの合成、都市ガスなどにおけるCOの除去、あるいはメタノール合成、オキソ合成におけるCO/H2比の調整などに、COシフト反応が応用されている。また近年では、内部改質型燃料電池の燃料改質システムにおけるCOの除去などにも用いられている。このCOシフト反応は、[化1]式に示すようにCOと H2OからH2を生成する反応であり、水性ガスシフト反応とも称されている。
【0003】
【化1】
Figure 0004721241
【0004】
COシフト反応を促進させる触媒としては、例えば1960年代に Girdler社や du Pont社からCu−Zn系触媒が発表され、現在まで主として工場におけるプラント用などに幅広く利用されている。また、W.Hongli et al, China-Jpn.-U.S. Symp. Hetero. Catal. Relat. Energy Probl.,B09C,213(1982)には、アナターゼ型チタニアよりなる担体にPtを担持した触媒を 500℃付近で還元処理した触媒が、さらに高いCOシフト反応活性を示すことが報告されている。
【0005】
またγ-Al2O3にPt,Rh,Pdなどの貴金属を担持した触媒もCOシフト反応活性を有することが知られている。そしてγ-Al2O3にCuを担持した触媒は、γ-Al2O3にPt,Rh,Pdなどの貴金属を担持した触媒よりもCOシフト反応活性が高いことも報告されている。
【0006】
ところで、自動車などの移動体に搭載する内部改質型燃料電池の燃料改質システム、あるいは自動車排ガス中のCOをH2に改質し、そのH2を用いて触媒上に吸蔵されたNOx を還元する排ガス浄化システムなどに用いられるCOシフト反応用触媒としては、触媒反応器の大きさに制約があるため、空間速度の大きな反応条件下でも高い活性を示すことが必要となる。
【0007】
ところが従来のCu−Zn系触媒では、空間速度が大きな反応条件下では活性が低いという不具合がある。そのため内部改質型燃料電池の燃料改質システム、あるいは自動車排ガス浄化システムなどのように空間速度が大きな反応条件下では、COをH2に効率よく転換することが困難となる。
【0008】
また[化1]式の反応は平衡反応であり、反応温度が高いほど左矢印方向の反応が主流となって、COからH2への転換に不利となる。したがってCu−Zn系触媒では、空間速度の大きな反応条件での活性を補うことを目的とし、いくら反応温度を挙げても、COをH2に効率よく転換することはできない。
【0009】
さらに、COシフト反応用触媒を内部改質型燃料電池の燃料改質システム、あるいは自動車排ガス浄化システムなどに用いた場合には、使用条件によって一時的に反応場が高温雰囲気となる場合があるため、その場合には、Cu−Zn系触媒の活性種であるCu、あるいはγ-Al2O3にCuを担持した触媒のCuが容易に粒成長して活性が低下するという問題もあり、COをH2に効率よく転換することが一層困難となる。
【0010】
さらにCOシフト反応用触媒を内部改良型電池の燃料改質システムに用いる場合は、[化1]式の反応から H2Oの濃度が高いほどH2を生成する反応が進行しやすいので、Cu−Zn系触媒などでは一般に H2O/CO比が2以上となる条件下で用いられる。
【0011】
しかし、自動車のように限られた環境でこの反応を行うためには、多量の水を保存する水タンク及び大きな蒸発器などが必要となるため、装置が大きくなるという不具合がある。さらに水蒸気を供給するためには、水を蒸発させるための多量のエネルギーを必要とし、システム全体としてのエネルギー効率を低下させることになる。したがって、できるだけ少量の水蒸気で反応させることが望まれるものの、従来のCOシフト反応用触媒では H2O/CO比を低下させると活性が低下し、平衡値以下のH2しか得られなくなる。
【0012】
そこで卑金属より活性が高く、高温雰囲気で安定であると予想される貴金属を用いることが想起される。しかしながら上記したように、γ-Al2O3にPt,Rh,Pdなどの貴金属を担持した触媒はγ-Al2O3にCuを担持した触媒よりも活性が低い。またアナターゼ型チタニアよりなる担体にPtを担持した触媒では、Ptと担体との間で強い相互作用(SMSI: strong metal support interaction)が生じることが知られている。そのため通常の使用条件に含まれる 200℃〜 400℃で反応ガスに曝されると、SMSIによってPtを担体成分の一部が覆うようになり、活性点の減少により活性が著しく低下するという不具合がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、平衡論的にCOからH2への転換が有利となる低温域において特に高いCOシフト反応活性を示す実用的な触媒とすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の一つのCOシフト反応用触媒の特徴は、チタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物がルチル型チタニア粉末中に結合材として介在してなる担体と、主としてルチル型チタニアに担持された貴金属とよりなることにある。
【0015】
またもう一つの本発明のCOシフト反応用触媒の特徴は、チタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物がルチル型チタニア粉末中に結合材として介在してなる担体と、主としてルチル型チタニアに担持された貴金属とよりなるコート層が耐熱性基材表面に被覆形成されてなることにある。
【0016】
上記二つの触媒において、チタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物は、ルチル型チタニア 100重量部に対して5〜25重量部含まれていることが望ましく、チタニア、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物が占める表面積(その酸化物のみの比表面積と酸化物の含有量から計算される)がルチル型チタニアが占める表面積(ルチル型チタニアの比表面積と含有量から計算される)の40%以下であることが望ましい。貴金属は白金を主成分とすることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
COシフト反応では、触媒表面に吸着したCOと H2Oとが反応すると言われている(Langmuir-Hinshelwood機構)。したがって触媒表面に多くのCOと H2Oが吸着するようにすれば、両者が反応する確率が高まりCOシフト反応活性が向上すると考えられる。
【0018】
そこで本発明の触媒では、主としてルチル型チタニアに貴金属を担持している。ルチル型チタニアは親水性が高く、水蒸気( H2O)の吸着性が高い。また担持されている貴金属には、COが吸着しやすい。したがって、表面に吸着した多量の H2OとCOの存在によってCOシフト反応活性が向上する。さらに[化1]式の左側の成分量が多くなれば、平衡論的には[化1]式の右矢印方向への反応が進行しやすくなる。これにより特に低温域におけるCOシフト反応活性が向上し、空間速度が大きな反応条件下でも効率よくCOがH2に転換される。したがって触媒反応器を小型化することができ、内部改質型燃料電池の燃料改質システム、あるいは自動車排ガス中のCOをH2に改質してNOx を還元するシステムなどに用いることが可能となる。
【0019】
そして担持されている貴金属は、Cuなどの卑金属に比べて高温雰囲気下で比較的安定であり、粒成長が抑制されるので、上記作用を長期間持続させることができる。
【0020】
またルチル型チタニアを担体とする触媒では、 200℃付近で還元処理してもアナターゼ型チタニアを担体とした触媒のように貴金属が担体で覆われるような不具合が生じにくい。このようになる原因は不明であるが、ルチル型とアナターゼ型とでは結晶構造が異なり、ルチル型チタニアに貴金属を担持した触媒ではSMSIが生じにくくなるためと考えられる。
【0021】
ルチル型チタニアは、結晶粒子径が20nm以下、あるいは比表面積が60m2/g以上のものを用いることが特に望ましい。このようなルチル型チタニアでは、反応が生じる界面がきわめて多く、親水性がきわめて高い超親水性であり、吸着する H2O量がさらに増大するため、COシフト反応活性がさらに向上する。
【0022】
ところで実用的な触媒とする場合には、触媒成分と水性ガスとの接触面積を充分に大きくする必要があり、従来の触媒構造として広く用いられているペレット形状に形成したり、ハニカム形状の基材表面に触媒成分をコートしたりして用いることが望ましい。そのためには、触媒成分どうしを結合するバインダ(結合材)の使用が不可欠である。バインダを使用せずに、ルチル型チタニアを高温で焼結させてペレット形状にする方法も挙げられるが、その場合は、ルチル型チタニアの比表面積が大きく低下(通常、数m2/g)するため、COシフト反応活性が低下してしまう。
【0023】
ところが本発明者らのさらなる研究によれば、バインダとして一般に用いられている酸化物ゾルの種類によっては、上記した触媒のCOシフト反応活性が低下する場合があることが明らかとなったのである。
【0024】
例えばルチル型チタニア粉末とアルミナゾルからスラリーを調製し、それをハニカム基材にコートして焼成したものにPtを担持した触媒では、ルチル型チタニアにPtを同量担持した粉末触媒に比べてCOシフト反応活性が著しく低くなる。この理由は、アルミナゾルから形成されたアルミナはルチル型チタニアに比べて比表面積がきわめて大きいために、Ptの大部分がアルミナに担持されてしまうからと考えられている。
【0025】
また予めPtが担持されたルチル型チタニア粉末とアルミナゾルからスラリーを調製し、それをハニカム基材にコートして焼成してなる触媒であっても、ルチル型チタニアにPtを同量担持した粉末触媒に比べてCOシフト反応活性が低下することが明らかとなった。この理由はまだ不明であるが、比表面積の大きなアルミナがルチル型チタニアの表面を覆ってその親水性を低下させるためと推測されている。
【0026】
そこで本発明では、結合材としてチタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物を含んでいる。これらの酸化物は、貴金属を担持したルチル型チタニアと共存してもそのCOシフト反応活性に悪影響がない。またルチル型チタニアと共存した状態で貴金属を担持しても、貴金属の大部分はルチル型チタニアに担持されるためCOシフト反応活性に悪影響がない。この理由は、チタニア、シリカ及びジルコニアはそれぞれ比表面積がルチル型チタニアより小さく、ルチル型チタニア表面との親和性が低いためと考えられる。
【0027】
しかしながらチタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物は、COシフト反応活性に効果を与えるものではなく、その含有量は少ないほど好ましい。すなわちこの酸化物は、ルチル型チタニア 100重量部に対して5〜25重量部含まれていることが望ましい。また、この酸化物が占める表面積は、ルチル型チタニアが占める表面積の40%以下であることが望ましい。この酸化物の含有量が5重量部より少ないと結合材としての機能に不足し、クラックや剥離が生じるようになる。また25重量部を超えて含有すると、ルチル型チタニアの含有量が相対的に減少する結果、COシフト反応活性が低下するようになる。
【0028】
なおチタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物は、酸化物ゾル、水酸化物、酢酸塩など、焼成によって酸化物となる酸化物前駆体としてルチル型チタニア粉末又は予め貴金属が担持されたルチル型チタニア粉末と混合され、それを焼成することによって形成される。
【0029】
主としてルチル型チタニアに担持される貴金属としては、Pt,Pd,Rh,Ir,Ruなどが例示される。中でもCOの吸着性が高いPtが特に望ましい。また貴金属の担持量は、担体に対して 0.1〜20重量%とすることができる。貴金属の担持量がこの範囲より少ないとCOシフト反応活性がほとんど得られず、この範囲より多く担持しても効果が飽和するとともに高コストとなる。
【0030】
本発明のCOシフト反応用触媒を調製するには、例えばルチル型チタニア粉末とチタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種を含む酸化物前駆体と水を適量混合し、スラリーを調製する。そして金属箔あるいはセラミックスから形成されたハニカム基材にスラリーをコートし、乾燥・焼成してチタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物がルチル型チタニア粉末中に結合材として介在してなる担体コート層を形成する。その後定法によって貴金属を担持する。この場合、貴金属はルチル型チタニアに優先的に担持され、チタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物には僅かしか担持されない。これによりCOシフト反応活性の高い本発明のCOシフト反応用触媒が調製される。
【0031】
また、予めルチル型チタニア粉末に貴金属を担持して触媒粉末を調製し、この触媒粉末に酸化物前駆体と水を適量混合し、スラリーを調製する。そして金属箔あるいはセラミックスから形成されたハニカム基材にスラリーをコートし、乾燥・焼成してチタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物が貴金属を担持したルチル型チタニア粉末中に結合材として介在してなる触媒層を形成して、本発明のCOシフト反応用触媒を調製することもできる。この場合、チタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物が貴金属を担持したルチル型チタニア表面を覆うような不具合が生じないと考えられ、COシフト反応活性の高いCOシフト反応用触媒となる。
【0032】
また、ルチル型チタニア粉末と酸化物前駆体との混合物からペレットを形成し、それに貴金属を担持したペレット触媒としてもよいし、予め貴金属が担持されたルチル型チタニア粉末と酸化物前駆体との混合物からペレット触媒を形成することもできる。
【0033】
そして本発明のCOシフト反応用触媒は、その高い反応活性により生成するH2を利用して、内部改質型燃料電池の燃料改質システム、あるいは自動車排ガス浄化システムなどに用いることができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0035】
(実施例1)
ルチル型チタニア粉末 102gと、チタニアとしての固形分が10重量%のチタニアゾル 180g(TiO2:18g)と、イオン交換水 140gをこの比率で磁製ボールミルに投入し、粉砕してスラリーを調製した。
【0036】
次にコーディエライト製のハニカム基材(0.12L,400セル)に上記スラリー中に浸漬し、引き上げて余分なスラリーを吸引して除去した後、 120℃で1時間乾燥し 500℃で1時間焼成してコート層を形成した。コート層は、ハニカム基材1L当たり 120g形成した。
【0037】
その後、所定濃度のジニトロジアンミン白金硝酸溶液の所定量をコート層に含浸させ、 300℃で3時間焼成してコート層にPtを担持した。Ptの担持量はハニカム基材1L当たり2gである。
【0038】
(実施例2)
ルチル型チタニア粉末 108gと、シリカとしての固形分が40重量%のシリカゾル30g(SiO2:12g)と、イオン交換水 140gとからなるスラリーを実施例1と同様にして調製した。このスラリーを用いたこと以外は実施例1と同様にして本実施例の触媒を調製した。
【0039】
(実施例3)
ルチル型チタニア粉末 108gと、ジルコニアとしての固形分が30重量%のジルコニアゾル40g(ZrO2:12g)と、イオン交換水 140gとからなるスラリーを実施例1と同様にして調製した。このスラリーを用いたこと以外は実施例1と同様にして本実施例の触媒を調製した。
【0040】
(実施例4)
コート層の形成量をハニカム基材1L当たり 240gとしたこと、及びPtの担持量をハニカム基材1L当たり12gとしたこと以外は実施例1と同様にして、本実施例の触媒を調製した。
【0041】
(比較例1)
ルチル型チタニア粉末 108gと、ベーマイト( AlO(OH))14gと、イオン交換水 140gとからなるスラリーを実施例1と同様にして調製した。このスラリーを用いたこと以外は実施例1と同様にして本比較例の触媒を調製した。
【0042】
(比較例2)
ルチル型チタニア粉末 108gと、セリアとしての固形分が15重量%のセリアゾル80g(CeO2:12g)と、イオン交換水 140gとからなるスラリーを実施例1と同様にして調製した。このスラリーを用いたこと以外は実施例1と同様にして本比較例の触媒を調製した。
【0043】
(比較例3)
コート層の形成量をハニカム基材1L当たり 240gとしたこと、及びPtの担持量をハニカム基材1L当たり12gとしたこと以外は比較例1と同様にして、本比較例の触媒を調製した。
【0044】
(実施例5)
ルチル型チタニア粉末 116gと、チタニアとしての固形分が10重量%のチタニアゾル40g(TiO2:4g)と、イオン交換水 140gとからなるスラリーを実施例1と同様にして調製した。そしてこのスラリーを用いたこと、コート層の形成量をハニカム基材1L当たり 240gとしたこと、及びPtの担持量をハニカム基材1L当たり12gとしたこと以外は実施例1と同様にして本実施例の触媒を調製した。
【0045】
(実施例6)
ルチル型チタニア粉末90gと、チタニアとしての固形分が10重量%のチタニアゾル 300g(TiO2:30g)と、イオン交換水 140gとからなるスラリーを実施例1と同様にして調製した。そしてこのスラリーを用いたこと、コート層の形成量をハニカム基材1L当たり 240gとしたこと、及びPtの担持量をハニカム基材1L当たり12gとしたこと以外は実施例1と同様にして本実施例の触媒を調製した。
【0046】
(従来例1)
ルチル型チタニア粉末に代えて、市販のCu−Zn系触媒(東洋CCI社製)を同量用いたこと以外は比較例1と同様にしてスラリーを調製した。このスラリーを用いたこと以外は実施例1と同様にしてコート層を形成し、本従来例の触媒を調製した。
【0047】
<試験・評価>
実施例1〜6と比較例1〜3の触媒の構成を表1にまとめて示す。なお表1には、コート層におけるルチル型チタニア 100重量部に対するルチル型チタニア以外の酸化物の重量部も示している。
【0048】
【表1】
Figure 0004721241
【0049】
上記した各触媒を常圧固定床流通型反応装置にそれぞれ装着し、CO(4.5%)-H2(33.6%)-CO2(8.5%)-H2O(28.4%)-N2(残部)からなるモデルガスを空間速度約3,800h-1で供給しながら、2℃/分の降温速度で 350℃から 150℃まで降温した。そのときの触媒出ガス中のCO濃度をガスクトマトグラフ法によって測定し、CO転化率を算出した。結果を図1〜図3に示す。
【0050】
図1には、実施例1〜3と比較例1〜2の触媒の結果を示している。いずれの触媒も、温度の上昇とともにCO転化率が向上しているが、ある温度以上ではCO転化率が低下している。これは、温度が高くなると平衡論的にCOの転化が制約されるようになるためである。
【0051】
図1より、実施例1〜3の触媒は比較例1〜2の触媒より高いCO転化率を示していることがわかる。つまり結合材としてチタニア、シリカ、ジルコニアのいずれかが共存する触媒は、アルミナ又はセリアが共存する触媒に比べてCOシフト反応活性が高いことが明らかである。なお比較例1〜2の触媒がCOシフト反応活性が低い理由は、アルミナ又はセリアがルチル型チタニアの親水性を低下させたためか、あるいはアルミナ又はセリアにPtが担持されてルチル型チタニアに担持されたPt量が少なくなったためと推測される。
【0052】
図2には、実施例4,比較例3及び従来例1の触媒の結果を示している。ルチル型チタニアを用いているにも関わらずアルミナが共存している比較例3の触媒は、従来広く用いられている従来例1の触媒に比べてもCOシフト反応活性が低いのに対し、アルミナに代えてチタニアが共存する実施例4の触媒は従来例1に比べてCOシフト反応活性が高いことが明らかである。
【0053】
また図3には、実施例4〜6及び従来例1の触媒の結果を示している。図3より、実施例6の触媒は実施例4の触媒よりCOシフト反応活性が低く、従来例1とほぼ同等のCOシフト反応活性を示している。したがって結合材としてのチタニア量は、ルチル型チタニアの 100重量部に対して33重量部未満であることが望ましく、請求項3に記載したようにルチル型チタニア 100重量部に対して25重量部以下とすれば従来例1の触媒より高いCOシフト反応活性を示すと考えられる。
【0054】
また実施例5の触媒では、上記の試験中にハニカム基材からコート層が剥離する現象が多く観察され、コート層の付着量が大幅に減少したためにCOシフト反応活性が大きく低下した。したがって結合材としてのチタニア量は、ルチル型チタニアの 100重量部に対して 3.4重量部を超えることが望ましく、請求項3に記載したようにルチル型チタニア 100重量部に対して5重量部以上とすればコート層の剥離が防止されると考えられる。
【0055】
【発明の効果】
すなわち本発明のCOシフト反応用触媒によれば、平衡論的に高効率のCOからH2への転換が可能な低温域においてCOシフト反応活性がきわめて高く、空間速度が高い反応条件下でも高効率でCOをH2に転換することができる。また高温雰囲気に曝されても活性種の粒成長を抑制することができる。そしてペレット触媒あるいはハニカム触媒として、内部改質型燃料電池の燃料改質システムにおけるCOの除去、あるいは内燃機関の排ガス中のCOをH2に転換しそのH2を用いて触媒上に吸蔵したNOx を還元する排ガス浄化システムなどに実用として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の触媒における温度とCO転化率の関係を示すグラフである。
【図2】実施例、比較例及び従来例の触媒における温度とCO転化率の関係を示すグラフである。
【図3】実施例及び従来例の触媒における温度とCO転化率の関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. チタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物がルチル型チタニア粉末中に結合材として介在してなる担体と、主として該ルチル型チタニアに担持された貴金属とよりなることを特徴とするCOシフト反応用触媒。
  2. チタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物がルチル型チタニア粉末中に結合材として介在してなる担体と、主として該ルチル型チタニアに担持された貴金属とよりなるコート層が耐熱性基材表面に被覆形成されてなることを特徴とするCOシフト反応用触媒。
  3. チタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる少なくとも一種の酸化物は、前記ルチル型チタニア 100重量部に対して5〜25重量部含まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のCOシフト反応用触媒。
  4. 前記貴金属は白金を主成分とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のCOシフト反応用触媒。
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