JP4720981B2 - マグネシウム基複合材料 - Google Patents

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Description

本発明は、金属マトリクス中にセラミクスからなる分散材が分散された複合材料の製造方法に関するものである。特に、純マグネシウム又はマグネシウム合金を金属マトリクスとし、SiC粒子を分散材とするマグネシウム基複合材料の製造方法、及びマグネシウム基複合材料に関するものである。
従来、金属マトリクス中にセラミクス粒子が分散された複合材料が種々の分野で利用されている。このような複合材料として、例えば、熱伝導性に優れるセラミクスを含有させて複合材料自体の熱伝導性を向上させると共に、マトリクスとなる金属と異なる熱膨張係数を有するセラミクスとを組み合わせて熱膨張係数を所望の値とした複合材料が知られおり、この複合材料は、例えば、ヒートスプレッダーなどといった半導体素子の放熱部材に利用されている。
上記放熱部材に利用される複合材料として、アルミニウム合金マトリクス中にSiCといったセラミクスを分散させたアルミニウム基複合材料がある。一方、マグネシウムは、アルミニウムより軽量であるため、純マグネシウムやマグネシウム合金をマトリクスとしたマグネシウム基複合材料にて放熱部材などを作製できれば、部品の軽量化が望まれている電気自動車などの輸送機器に有用である。マグネシウム基複合材料の製造方法として、マトリクスとなる金属粉末と、分散材となるセラミクス粉末とを混合したものを成形型に配置して焼成する粉末法と呼ばれる方法がある。しかし、粉末法は、大気中の酸素と反応し易いマグネシウム合金粉末の取り扱いが難しい、複雑な形状のものが製造しにくいといった不具合がある他、粉末法により得られた複合材料は、内部に気孔などが存在して機械的特性や熱伝導性を低下させ易いといった問題がある。ヒートスプレッダーといった放熱部材は、熱伝導性が高いことが望まれるため、粉末法により得られた複合材料では、放熱部材の形成材料に好ましくない場合がある。
上記粉末法以外の製造方法として、溶融させたマグネシウム合金にセラミクス粉末やセラミクス繊維を投入し、攪拌して混合したものを成形型に供給して冷却し、マグネシウム合金を凝固する溶融法と呼ばれる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。溶融法は、マグネシウム合金粉末の取り扱いがなく、溶融金属を用いることで複雑な形状のものも得ることができるといった利点がある。
特開2003-234445号公報
しかし、溶融法では、混合作業が行いにくいという問題がある。溶融法では、溶融金属にセラミクス粉末などを混合させる際、攪拌することで溶融金属中にガスの巻き込みを生じ易いため、真空雰囲気下で混合を行うことが一般的である(特許文献1段落0055,0056記載参照)。ところが、マグネシウム合金は、蒸気圧が大きいため、真空雰囲気下における作業が行いにくい。従って、作業性の改善が望まれている。
そこで、本発明の主目的は、マグネシウム基複合材料を作業性よく製造することができるマグネシウム基複合材料の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、放熱部材の形成材料に適した熱特性を有するマグネシウム基複合材料の製造方法を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、熱膨張係数が小さく、熱伝導性に優れるマグネシウム基複合材料を提供することにある。
本発明者らは、粉末法や溶融法以外の方法にて、熱伝導性に優れ(熱伝達係数が大きく)、熱膨張係数が小さいといった熱特性を有するマグネシウム基複合材料を得るべく、種々の検討を行った。特に、分散材となるセラミクスがSiCである場合について検討を行った。その結果、マグネシウム基複合材料を得るには、溶融法のように攪拌を行うのではなく、鋳型に分散材となるSiC粉末或いはSiC粉末からなる成形体を予め配置し、この状態で鋳型にマグネシウム合金や純マグネシウムの溶湯を注湯して上記SiC粉末やその成形体に接触させ、SiC粉末などと溶湯とを溶浸させて複合させた後、この複合物を冷却して溶湯を凝固させる、という手法が好ましいとの知見を得た。特に、SiC粉末やその成形体と溶融させた純マグネシウム又はマグネシウム合金の溶湯とを接触させる際、不活性雰囲気とすることが好ましいとの知見を得た。
SiC粒子やその成形体と溶融させた純マグネシウム又はマグネシウム合金の溶湯とを接触させる際、雰囲気中に酸素や窒素などのMgと反応するガスが存在すると、溶湯表面にMgと上記ガスとの化合物が生成される。これらガス起因化合物は、Mgが溶解を生じるような高温状態(約650℃以上)において活性であり、SiC粒子と反応してしまう。また、このような高温状態では、SiC粒子そのものも酸素や窒素などのガスと反応して、その表面に窒化物や酸化物を生成し易く、これら窒化物や酸化物もまたマグネシウム合金などの溶湯やガス起因化合物と反応し易い。そのため、複合材料中のSiC成分が低減し、所望の熱伝達係数や熱膨張係数を有する複合材料を得ることが困難になる。
そこで、本発明マグネシウム基複合材料の製造方法では、SiC粒子を主体とする分散材原料を鋳型に配置しておき、この分散材原料と溶融状態にある純マグネシウムやマグネシウム合金とを接触させて複合すること、及びこの接触を不活性雰囲気下で行うことを規定する。即ち、本発明は、金属マトリクス中にセラミクスからなる分散材が分散されたマグネシウム基複合材料の製造方法であり、以下の工程を具える。
1. SiC粒子を主体とする分散材原料を用意する工程
2. 上記分散材原料を成形型に配置する工程
3. 成形型に配置した分散材原料と、溶融させた純マグネシウム又はマグネシウム合金とを不活性雰囲気下で接触させ、分散材原料に溶融金属を溶浸させ、複合させる工程
4. 複合させた複合物を冷却して純マグネシウム又はマグネシウム合金を凝固させる工程
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明において金属マトリクスは、純マグネシウム又はマグネシウム合金とする。純マグネシウムとは、99.8質量%以上のMgと不純物とからなるものとし、マグネシウム合金とは、添加元素と残部がMg及び不純物からなるものとする。添加元素としては、例えば、Al,Zn,Mn,Si,Cu,Zrなどの元素群のうち、少なくとも1種の元素が挙げられる。添加元素の含有量は、合計で20質量%以下が望ましい。このような添加元素を含むマグネシウム合金として、例えば、ASTM記号におけるAZ系,AS系,AM系,ZK系,ZC系などを利用してもよい。また、マグネシウム合金を用いる場合、純マグネシウムを溶解した後、この純マグネシウムの溶湯に添加元素を添加して合金の溶湯としてもよいし、市販の合金塊を溶解して合金の溶湯としてもよい。
上記金属マトリクス中に分散させる分散材は、SiC(粒子)とする。SiCは、熱伝達係数が高く、熱膨張係数が小さいため、熱伝導性に優れ、熱変形しにくい複合材料の分散材に好適である。そこで、本発明では、SiCを主成分とする分散材原料を用いる。例えば、粒子状のSiC粒子や繊維状のSiC繊維(SiCウィスカ)を用いることができる。特に、分散材原料として高純度のSiC粒子を用いると、SiCの熱特性を十分に活かした複合材料を得ることができるとの知見を得た。SiC粒子を純マグネシウム又はマグネシウム合金の溶湯に接触させた際、溶湯は、SiC粒子中のSiC成分とほとんど反応することがなく、SiC粒子中の不純物(大部分がSiO2)と主に反応する。そのため、高純度のSiC粒子であれば、純マグネシウム又はマグネシウム合金の溶湯に接触させても、溶湯は、SiC粒子とほとんど反応することなくSiC粒子を濡らす、即ち、SiC粒子の表面全体に亘ってほぼ隙間なく接触することができる。特に、SiC粒子中のSiC成分が95質量%以上、換言すると不純物の含有量が5質量%以下のSiC粒子を分散材原料として用いれば、SiC粒子中の不純物とマグネシウム合金などの溶湯との反応が非常に低減され、複合材料の製造性を向上できることがわかった。また、SiC粒子中のSiC成分が95質量%以上といった高純度の場合、不純物であるSiO2とマグネシウム合金などの溶湯とが反応しても、SiC成分が損なわれることがほとんどなく、所望の熱特性を有する複合材料をより確実に製造することができる。
従って、上記SiCの熱特性がより有効に活かされた複合材料を得るには、分散材原料としてSiC成分の含有率が高い高純度のもの、特に、純度が95質量%以上のものを用いることが好ましい。上述のようにSiC自体は、純マグネシウムやマグネシウム合金の溶湯とほとんど反応することがない。従って、不純物が少ない、或いは実質的に存在しない高純度のSiC粒子を用い、後述するように不活性雰囲気下でこの高純度のSiC粒子とマグネシウム合金などの溶湯とを接触させることで、SiC粒子と溶湯とが反応して、SiC粒子が損傷したり破壊されたりして、所望の熱伝達係数や熱膨張係数が得られなくなるという不具合を効果的に低減できる。不純物の大部分であるSiO2は、純マグネシウムやマグネシウム合金の溶湯と反応し易く、この反応によりSiC粒子が損傷したり、反応生成物が活性であることから、この反応生成物がSiC成分と反応し、最悪の場合、SiC粒子を破壊することがある。従って、SiC粒子の純度は、高い方が好ましく、具体的には、純度が95質量%以上、特に、SiC粒子の純度が99質量%以上であれば、SiC粒子が損傷するなどの不具合が実質的に生じない。従って、このような高純度のSiC粒子を分散材原料として用いれば、得られた複合材料中に分散されるSiC粒子も高純度の状態が維持される。このようなSiC成分が高い高純度のSiC粒子は、例えば、アチソン法により製造することで得られる。また、SiC成分の表面にSiO2を形成させて、純度を95質量%以上としたSiC粒子を利用してもよい。SiO2の形成には、反応などによりSiC成分が不必要に低減しないような適切な酸化条件にて行うことが好ましい。市販の高純度のSiC粒子粉末を利用してもよい。
分散材原料として用いるSiC粒子やSiC繊維の大きさは特に問わないが、平均粒径が大き過ぎても、小さ過ぎてもマトリクス金属中に均一的に分散させることが難しくなるため、平均粒径(繊維の場合、平均短径)3000〜1μm程度が適切である。分散材原料として用いるSiC粒子は、上記のようにSiC粒子中の不純物とマグネシウム合金などの溶湯とが反応することで、損傷したり破壊されたりすることがあるため、複合材料中におけるSiC成分が所望の量(体積%)となるように調整するとよい。得られた複合材料は、その中のSiC粒子の含有量(体積%)やSiC粒子の大きさ、SiC粒子の分散状態により、熱伝達係数及び熱膨張係数が変化する。従って、分散材原料となるSiC粒子の含有量を適宜変更調整したり、損傷されないようにすることで、複合材料中のSiC粒子の含有量やSiC粒子の大きさ、分散状態を所望の状態とし、所望の熱伝達係数及び熱膨張係数を有する複合材料がより確実に得られる。
特に、本発明では、複合材料中のSiCの含有量(体積割合)が40体積%以上70体積%以下といった高割合の複合材料を得ることもできる。このとき、SiCが高割合な複合材料、特に、SiCが50体積%超の複合材料を得る場合、分散材原料として、ある平均粒径のSiC粒子を1種類用いるよりも、平均粒径が異なるSiC粒子を複数用意し、これらを混合したものを用いることが好ましい。SiCが高割合である複合材料を得るには、分散材原料となるSiC粒子の含有量を増大させればよいが、大量のSiC粒子を成形型に配置するには、粒子間に生じる隙間をできる限りなくして、SiC粒子同士が互いに接触するように行う必要がある。このようにSiC粒子を配置させるには、粒子間の隙間をなくすべく、SiC粒子を成形型に配置後、例えば、振動を与えたり、圧縮させることが考えられる。しかし、SiC粒子の粉末を単独で用いた場合、振動や圧縮させたとしても、含有できる量は、せいぜい40〜50体積%であり、それ以上となると、圧縮時に成形型が圧縮力の増大により割れたり破損する恐れがある。そこで、一種類の大きさのSiC粒子を単独で用いるのではなく、ある平均粒径のSiC粒子間の隙間に存在することが可能な大きさを有する別のSiC粒子を用いれば、成形型を破壊するなどの不具合を生じることなく、SiC粒子の含有量を増加させることができる。即ち、平均粒径が大きなSiC粒子と、平均粒径が小さいSiC粒子とを組み合わせて用いることで、SiC成分の体積割合がより高い、具体的には、50体積%超といった非常に高割合の複合材料を得ることができる。しかし、複合材料中のSiC粒子の体積割合が70体積%を超えると、分散材原料として平均粒径が異なるSiC粒子の混合粉末を用いても、成形型に配置した後、過剰な圧縮が必要であり、成形型が破損する恐れがある。従って、SiC粒子の含有量は、70体積%が上限である。用いるSiC粒子粉末の具体的な大きさとしては、例えば、平均粒径が大きい第一粉末と、この第一粉末よりも平均粒径が小さい第二粉末とを用意し、第二粉末の平均粒径を第一粉末の平均粒径の70%以下とすることが好ましい。第二粉末の平均粒径が第一粉末の平均粒径の70%超となると、第一粉末の粒子間の隙間に第二粉末の粒子を存在させにくい。平均粒径が異なるSiC粒子の粉末は、2種類でもよいし、3種類以上組み合わせて用いてもよい。3種以上組み合わせて用いる場合、上記関係を満たす平均粒径を有する粉末を少なくとも1組含むことが好ましい。なお、複合材料中のSiC粒子の体積割合が40体積%未満の複合材料を得る場合は、分散材原料として平均粒径が異なるSiC粒子の混合粉末を用いなくても十分製造することができる。しかし、後述するようにSiC粒子の体積割合が小さい場合、本発明複合材料を分散材原料として用いると、低割合の複合材料をより容易に得ることができる。
上記分散材原料とマグネシウム合金などの溶湯との複合をより容易とするべく、溶浸剤を利用してもよい。溶浸剤としては、例えば、酸化アルミニウム及び酸化珪素の少なくとも1種からなるものが挙げられる。具体的には、酸化アルミニウム粉末や酸化珪素粉末、酸化アルミニウム繊維や酸化珪素繊維などを利用するとよい。これら酸化アルミニウムや酸化珪素は、マグネシウム合金などの溶湯と反応して、反応生成物(例えば、溶浸剤が酸化アルミニウム:Al2O3の場合、MgAlなど)を形成するのと引き換えに、SiC粒子間に溶湯が浸透して溶湯中にSiC粒子が分散する速度を向上させる。但し、溶浸剤や上記反応生成物は、溶湯が凝固されるまでの間に化学反応や拡散などにより、得られた複合材料から実質的に存在しないことが好ましい。これら溶浸剤や溶浸剤に起因した反応生成物が複合材料中に残存すると、複合材料の特性を低下させるからである。実質的に存在しないとは、複合材料中において溶浸剤が化学反応するなどして消費されたり、反応生成物が拡散することにより、これらの存在が確認できないことである。溶浸剤や反応生成物の存在は、例えば、複合材料の断面をSEM(走査電子顕微鏡)やEDX(エネルギー分散型X線分析装置)などで分析観察することで確認できる。一般的にEDXの感度は0.1重量%以上であることから、EDX分析を行った場合、実質的に存在しないとは、分析できない量であること、即ち、0.1重量%未満であることで判断される。SEM分析を行った場合、実質的に存在しないとは、SEMによる確認ができないことで判断される。
溶浸剤や溶浸剤に起因する反応生成物を複合材料中に実質的に存在させないようにするには、溶浸剤として、マグネシウム合金などの溶湯と反応し易いように小さいものを用いることが好適である。特に、溶浸剤の平均粒径又は平均短径が1μm以下であると、溶浸剤やその反応生成物がマグネシウム合金などの溶湯中に拡散し易く好ましい。
また、上述のように、溶浸剤や溶浸剤に起因する反応生成物は、複合工程において化学反応により消費されたり、拡散することで実質的になくなることが好ましい。しかし、溶浸剤や反応生成物が消費されたり拡散してなくなることで、SiC粒子が重力などにより移動して、複合材料中におけるSiC粒子の配置位置(分散状態)に影響を受ける恐れがある。上述のようにSiC粒子の分散状態は、熱伝達係数や熱膨張係数に関与することがあるため、溶浸剤やその反応生成物に起因するSiC粒子の移動は、できるだけ少ないことが望まれる。従って、溶浸剤を用いる場合、複合材料中におけるSiC粒子の配置に多大な影響を与えない程度の大きさ及び量とすることが好ましい。例えば、溶浸剤として、粒子状のものを用いる場合、溶浸剤の平均粒径は、分散材原料となるSiC粒子の平均粒径の70%以下とすることが好ましい。また、溶浸剤は、細長い形状のものや繊維状のものを用いてもよい。このとき、溶浸剤の平均短径は、分散材原料となるSiC粒子の平均粒径の70%以下とすることが好ましい。平均粒径が異なる複数のSiC粒子粉末を用いる場合、溶浸剤の平均粒径又は平均短径は、最小のSiC粒子の平均粒径の70%以下とすることが好ましい。
上記大きさを満足する溶浸剤であっても、過剰に用いた場合、溶浸剤は、複合材料中におけるSiC粒子の配置に影響を与える恐れがある。従って、SiC粒子の配置に影響を与えないようにするためには、溶浸剤の含有量は、分散材原料(溶浸剤を含む)100質量%に対して5質量%以下とすることが好ましい。
上述した大きさを満たす溶浸剤を上記含有量で用いることで、SiC粒子が移動することを効果的に低減することができる。また、上述した大きさを満たす溶浸剤を上記含有量で用いることで、溶浸剤とマグネシウム合金などの溶湯との反応により分散材となるSiC粒子が損傷することも抑制できる。このような溶浸剤は、SiC粒子と混合させて分散材原料に含有させた状態で用いるとよい。
本発明は、上記純マグネシウム又はマグネシウム合金と、上記分散材原料とを用いて、複合材料を形成する。具体的には、分散材原料を成形型に配置→成形型の分散材原料とマグネシウム合金などの溶湯とを接触させ、分散材原料と溶融金属とを複合する→複合物を冷却して溶湯を凝固させる、といった工程により複合材料を製造する。以下、工程順に説明する。まず、成形型への分散材原料の配置は、例えば、分散材原料が流動性を有する場合、具体的には、分散材原料としてSiC粒子の粉末を利用する場合、成形型に流し込むことで行うことができる。流し込みによる分散材原料の配置では、単純な形状の成形型だけでなく、複雑な形状の成形型であっても容易に分散材原料を配置することができる。従って、この方法では、複雑な形状の複合材料を得ることができる。SiC粒子粉末を大量に成形型に配置する場合、成形型に配置後、SiC粒子間に存在する隙間をできる限りなくすことが望まれる。この隙間を低減する操作としては、例えば、成形型を振動させたり、成形型に配置された分散材原料に圧力を加えて圧縮するといったプレス的な手法が挙げられる。プレス的な手法は、成形型の形状に応じて適宜利用する。
或いは、分散材原料を予め成形体とし、この成形体を成形型に配置させてもよい。成形体の形成には、適宜バインダーを利用して、成形体の形状を維持できるようにしてもよい。バインダーとしては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウムなどを含有するケイ酸ナトリウム水溶液などが挙げられる。バインダーに添加される酸化珪素や酸化アルミニウムなどのセラミクスは、溶浸剤としても利用される。従って、これらセラミクスも、上述した溶浸剤と同様に、平均粒径がSiC粒子の平均粒径の70%以下、特に、1μm以下のものを用い、分散材原料中における含有量を5質量%以下とすることが好ましい。
次に、成形型に配置した分散材原料と、溶融させた純マグネシウム又はマグネシウム合金とを接触させ、分散材原料に溶融金属を溶浸させて複合させる。特に、本発明では、この工程を不活性雰囲気下で行うことを特徴とする。上述のようにMgは、活性な金属であり、大気中に置かれると、大気中に含まれる酸素や窒素などといったガスと反応して、ガスとの化合物を生成する。そして、このガスとの生成物は、マグネシウム合金などが溶融される高温状態において活性であり、SiC粒子(特に、SiC成分)と反応する。また、SiC粒子自体も上記高温状態において活性であるため、大気中に置かれると、SiC成分が大気中の酸素や窒素などと反応して、ガスとの生成物を生成する。そして、この生成物は、マグネシウム合金などと反応し易い。即ち、Mgを主成分とするマグネシウム合金などに反応するガスが存在する雰囲気や、高温においてSiC粒子と反応するガスが存在する雰囲気において、マグネシウム合金などとSiC粒子との複合を行うと、SiC粒子が損傷したり破壊されて、所望の特性を有する複合材料が得られない恐れがある。そこで、本発明では、分散材原料と溶融金属との複合を不活性雰囲気で行う。
上記不活性雰囲気は、雰囲気を形成するガスと純マグネシウムやマグネシウム合金、高温状態にあるSiC粒子とが実質的に反応しない雰囲気であればよく、例えば、Arガスが最適である。複合時における不活性雰囲気の圧力は、大気圧(概ね0.1MPa(1atm))としてもよいが、本発明では、SiC粒子と溶融させたマグネシウム合金などの溶湯との濡れを利用して複合させるため、大気圧とすると、不活性雰囲気を形成するガスがマグネシウム合金などの溶浸の仕方によって取り込まれて(トラップされて)、得られた複合材料中にボイドが存在する恐れがある。ボイドが存在すると、複合材料の特性の低下を招く。そこで、複合工程は、不活性雰囲気を低圧状態で行い、その後の凝固工程は、不活性雰囲気を上記低圧状態よりも圧力が高い状態、例えば大気圧にして行うことで、ボイドを小さくする或いはボイドができないようにすることができる。従って、複合工程における不活性雰囲気の圧力は、大気圧以下、特に、大気圧よりも低くすることが好ましい。しかし、不活性雰囲気の圧力が低過ぎる、即ち、高真空状態であると、Mgは蒸気圧が高いため、溶湯の取り扱いが難しくなる。また、高真空にすることで成形型などが損傷する恐れもある。そこで、複合工程における不活性雰囲気の圧力は、汎用されているロータリーポンプで到達できる程度、具体的には0.1×10-5MPa(1×10-5atm)以上で十分効果がある。
分散材原料と純マグネシウム又はマグネシウム合金とを複合させる際、純マグネシウム又はマグネシウム合金の温度は、融点又は固相線温度以上であればよい。しかし、SiC粒子と純マグネシウム又はマグネシウム合金との濡れ性は、750℃以上で向上するため、純マグネシウム又はマグネシウム合金を750℃以上にして分散材原料との複合を行うことが好ましい。特に、純マグネシウム又はマグネシウム合金を750℃以上にして溶浸を行うと、潜伏時間(純マグネシウム又はマグネシウム合金が分散材原料と接触後、溶浸を開始するまでの時間)がほとんどない。このように複合時においてマグネシウム合金などの温度を高めて濡れ性を向上させることで、生産速度をも向上させることができるため、マグネシウム合金などの温度を750℃以上とすることは、量産に適する。複合時の温度は、高いほど両者の濡れ性を高めることができるが、純マグネシウム又はマグネシウム合金は、大気圧において約1000℃で沸騰を開始するため、1000℃未満とすることが好ましい。また、不活性雰囲気の圧力によっては、1000℃未満でも沸騰を開始するため、純マグネシウム又はマグネシウム合金の温度は、不活性雰囲気の圧力において沸騰しない温度を上限とする。
次に、上記複合工程により分散材原料とマグネシウム合金などの溶湯とを複合させた複合物を冷却し、溶湯を凝固させて、純マグネシウム又はマグネシウム合金からなるマトリクス中にSiC粒子が分散された複合材料を得る。この冷却及び凝固も上記複合工程と同様に不活性雰囲気にて行うことが好ましい。このとき、不活性雰囲気の圧力は、大気圧とするとよい。従って、例えば、複合工程を大気圧未満の低圧状態にて行った場合は、溶浸後、不活性雰囲気の圧力を大気圧に戻してから、複合物を冷却し、溶湯を凝固させるとよい。溶湯を凝固させるための冷却は、複合物全体に亘って均一的に行われることが好ましい。また、冷却速度が遅すぎると、晶出物の成長を促進するため、できるだけ速くすることが好ましい。冷却を均一的に行ったり、冷却速度を速めるには、例えば、熱伝導性に優れる材料、具体的には、炭素、黒鉛、ステンレス鋼などで形成した成形型を利用したり、自然放冷だけでなく、ファンなどを用いた空冷や水冷などの強制冷却を行うことが挙げられる。
なお、冷却されて複合物が約300℃以下の温度となった後には、純マグネシウム又はマグネシウム合金と大気中の酸素や窒素との反応が許容できるほど小さいため、不活性雰囲気ではなく、通常の雰囲気(大気雰囲気)としてもよい。
上記本発明製造方法により、複合材料中における分散材の含有量が高い、具体的には、40〜70体積%といったマグネシウム基複合材料を得ることができる。即ち、本発明マグネシウム基複合材料は、純マグネシウム又はマグネシウム合金からなるマトリクス中にセラミクスからなる分散材が分散されたマグネシウム基複合材料であって、分散材は、純度が質量比で95%以上であるSiC粒子であり、複合材料中の分散材の含有量が40体積%以上70体積%以下であることを特徴とする。
また、上記本発明製造方法により、熱伝導性に優れ、熱変形しにくいといった優れた熱特性を有する複合材料が得られる。即ち、本発明マグネシウム基複合材料は、純マグネシウム又はマグネシウム合金からなるマトリクス中にセラミクスからなる分散材が分散されたマグネシウム基複合材料であって、熱伝達係数が150W/m・K以上(150W/m・℃以上)であり、熱膨張係数が6×10-6/K以上16×10-6/K以下(6ppm/K以上16ppm/K以下)であることを特徴とする。本発明製造方法では、溶浸剤を利用した場合であっても、上述のように粒径が小さい溶浸剤や溶浸剤の含有量を少なくすることで、複合材料中に溶浸剤や溶浸剤に起因する反応生成物が実質的に存在しない複合材料を得ることができる。そのため、本発明製造方法により、SiCの特性を十分活して、上記のような伝導性に優れ、熱変形しにくいといった優れた熱特性を有する複合材料をより確実に得ることができる。熱伝達係数、熱膨張係数は、主として分散材であるSiC粒子の含有量により変化する。従って、分散材原料の量を適宜調整することで、所望の熱伝達係数、熱膨張係数を有する複合材料を得ることができる。従って、本発明は、分散材の量を調整することで、熱伝達係数が180W/m・K以上(180W/m・℃以上)といった非常に優れた熱伝導性を有する複合材料とすることもできる。
上記熱膨張係数を有する本発明複合材料は、半導体素子(4×10-6/K〜7×10-6/K程度(例えば、Si:4.2×10-6/K、GaAs:6.5×10-6/K))やその周辺部品(セラミクスパッケージの場合周辺部品を形成するセラミクス、例えば、Al2O3が6.5×10-6/K、プラスチックパッケージの場合周辺部品を形成するプラスチックが12×10-6/K〜17×10-6/K程度)と熱膨張係数の整合性に優れる。従って、本発明複合材料は、セラミクスパッケージ、メタルパッケージはもちろんのこと、プラスチックパッケージにおいても、半導体素子の近傍に配置される放熱部材の形成材料として好適に利用することができる。特に、本発明複合材料は、アルミニウム系複合材料よりも軽量なマグネシウム系であるため、軽量化が求められている種々の分野での利用に適する。なお、熱伝達係数、熱膨張係数は、半導体素子や周辺部品、その他用途に応じて適宜調整するとよい。
上記のように本発明製造方法では、分散材の含有割合が高い複合材料を得ることができるだけでなく、この分散材の含有割合が高い複合材料を分散材原料として用いることで、分散材の含有割合が低い複合材料をも容易に得ることができる。具体的には、不活性雰囲気下において、凝固させて得られた上記複合材料を溶融させた純マグネシウム又はマグネシウム合金に溶解させて希釈し、希釈物を上記分散材原料と同様に成形型に配置し、この希釈物を冷却して純マグネシウム又はマグネシウム合金を凝固させることで得られる。希釈工程に加えて、上記と同様に冷却凝固工程は、Arガスなどといった不活性ガスを用いて、不活性雰囲気にて行うことが好ましい。また、上記と同様に希釈工程の不活性雰囲気の圧力を低圧状態とし、凝固工程の不活性雰囲気の圧力を大気圧に戻して行ってもよい。複合材料中のSiC粒子の体積割合が40%未満、特に、10〜35体積%といった低割合の場合、個々の粒子を溶湯に添加分散させることが難しい。しかし、SiC粒子が高割合の本発明複合材料を分散材原料として用いることで、SiC粒子が10体積%〜35体積%といった低割合の複合材料を容易に得ることができる。希釈物をつくる際の溶湯と、原料として用いたSiC割合が大きい複合材料中のマトリクス金属とは、得られたSiC割合が小さい複合材料のマトリクス金属が所望の組成となるのであれば、同一成分のものであってもよいし、異なる組成であっても構わない。
以上説明したように本発明製造方法によれば、溶融法のように攪拌を行うことなく、所望の特性を有する複合材料を容易に製造することができるという優れた効果を奏し得る。特に、本発明製造方法によれば、分散材の含有量が多い複合材料をも容易に製造することができる。また、本発明複合材料は、熱膨張係数が小さいことから半導体素子やその周辺部品の熱膨張係数と整合性が高く、かつ熱伝達係数が高いため、ヒートスプレッダーなどの放熱部材の形成材料に好適に利用することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(試験例1)
マトリクス金属が純マグネシウム又はマグネシウム合金であり、分散材がSiC粒子であるマグネシウム基複合材料を作製した。本例では、マトリクス金属として、純マグネシウム(99.8質量%以上のMg及び不純物からなるもの)、マグネシウム合金(AZ31材,ZC63材)を用意した。また、分散材原料として、SiC粒子の粉末を用意した。表1には、用いたSiC粒子の純度(SiC粒子中のSiC成分の質量割合(質量%))、SiC粒子の平均粒径(μm)、SiC粒子の含有量(体積%)を示す。SiC粒子は、アチソン法により製造した。アチソン法によるSiC粒子は、採取位置により純度が異なるため、採取位置を適正に管理することによりSiC粒子の純度の調整が可能である。SiC粒子の含有量は、成形型のキャビティ(後述)の体積を100体積%として用意した。表1に示す試料のうち、SiC粒子の平均粒径が複数記載されている試料は、表1に示す平均粒径のSiC粒子の粉末をそれぞれ用意し、これら平均粒径が異なるSiC粒子の粉末を混合させた混合粉末を分散材原料として用いた。また、表1に示す試料のうち、溶浸剤が記載されている試料は、SiC粒子と溶浸剤とを混合させ、溶浸剤を含有させたものを分散材原料として用いた。用いた溶浸剤の成分、平均粒径、分散材原料100質量%に対する溶浸剤の含有量(質量%)も表1に示す。
Figure 0004720981
複合材料は、以下のようにして作製した。まず、成形型に分散材原料(SiC粒子の粉末、複数のSiC粒子粉末の混合粉末、SiC粒子と溶浸剤との混合物のいずれか)を流し込むことで配置した。これら分散材原料は、流動性を有しており、成形型に容易に配置させることができた。成形型10は、図1に示すようにキャビティ11を有する本体10aと、キャビティ11の開口部を覆うように配置される蓋部10bとを具えるものを用いた。本体10aには、分散材原料やマグネシウム合金などの溶湯をキャビティ11に導入させるための供給口12を有している。キャビティ11は、w:100mm×h:50mm×d:10mmの直方体状とし、w:100mm×h:50mmである一面が開口しており、この開口部が蓋部10bにより覆われる。また、本例において成形型10は黒鉛製のものを用いた。分散材原料の成形型10への配置は、蓋部10bにて本体10aを閉めた状態にて行い、成形型10に分散材原料を流し込むことで行った。また、SiC粒子の体積割合が高い試料については、SiC粒子間の隙間やSiC粒子と溶浸剤間の隙間を低減できるように振動を与たり、別途用意した、図1に示す成形型とほぼ同様な構成で、原料粉末を圧縮するための押し治具を導入できる成形型を適宜採用した。この押し治具を使用する成形型の材質はステンレス鋼を用いた。
次に、Ar雰囲気(大気圧)下において、表1に示す溶湯温度とした純マグネシウム又はマグネシウム合金の溶湯を成形型10の供給口12から導入して分散材原料と溶融状態の純マグネシウム又はマグネシウム合金とを接触させ、分散材原料にマグネシウム合金などの溶湯を溶浸させて複合させる。そして、Ar雰囲気(大気圧)のまま、鋳型を強制空冷により冷却してこの複合物を冷却し、溶湯を凝固させて複合材料を得た。このような工程により、複合が良好に行えるか否かを調べた。その結果を表2に示す。
Figure 0004720981
その結果、表2に示すように不活性雰囲気下にて分散材原料と純マグネシウム又はマグネシウム合金とを接触させることで、両者を複合できた。特に、純度が95質量%以上のSiC粒子を用いた場合、SiC粒子の損傷がほとんどなく、良好に複合できた。また、純度が95質量%以上のSiC粒子を用いて良好に複合されたものは、得られた複合材料中のSiC粒子において形状変化を起こすような損傷がほとんど見られず、分散材原料として用いたSiC粒子がほぼそのまま維持されていると共に、均一的に分散されていた。一方、SiC粒子の純度が95質量%未満のものでも、複合可能であるが、得られた複合材料中のSiC粒子に損傷が認められた。これは、SiC粒子中の不純物とマグネシウム合金などの溶湯とが反応したためであると考えられる。
また、表1,2に示すようにSiC粒子の含有量が高割合の場合、特に、50体積%を超える場合は、平均粒径が異なるSiC粒子粉末を混合させて用いることで、良好に複合を行うことができた。但し、複数のSiC粒子粉末の混合粉末を用いても、含有量が70体積%を超えると、分散材原料を成形型に配置後に行う粒子間の隙間などを低減するための圧縮作業において、圧縮圧力を増大する必要があり、この増大により、成形型が破損した(表2では、粉末充填時に成形型破損と示す)。一方、一種類のSiC粒子粉末を単独で用いた場合は、SiC粒子の含有量が50体積%超となると、成形型が破損したり、亀裂が生じたりした。逆に、SiC粒子の含有量が40体積%未満といった低割合の場合、SiC粒子粉末にマグネシウム合金などの溶湯を十分に溶浸させることができなかった。
更に、分散材原料として、溶浸剤を含有させたものを用いる場合、溶浸剤の平均粒径がSiC粒子の平均粒径の70%超又は、溶浸剤の含有量が5質量%超であると、得られた複合材料中においてSiC粒子の移動が認められた(表2にて粉末の移動ありと示す)。また、溶浸剤の含有量が5質量%よりも大きいと、得られた複合材料には、SiC粒子の損傷が認められた。この損傷は、溶浸剤と溶湯との反応により生じたものと考えられる。従って、溶浸剤の平均粒径は、SiC粒子の平均粒径の70%以下であることが好ましく、溶浸剤の含有量は、分散材原料に対して5質量%以下とすることが好ましい。
加えて、溶浸剤の平均粒径が1μmを超えると、溶浸剤や溶浸剤に起因する反応生成物(化合物)の残渣が認められた。一方、溶浸剤の平均粒径として1μm以下のものを用いた試料において、得られた複合材料の断面をSEMにて分析すると、上記溶浸剤や反応生成物が確認できず、これら溶浸剤や反応生成物は金属マトリクス中に拡散したものと考えられる。また、溶浸剤の平均粒径として1μm以下のものを用いた場合、得られた複合材料中には、SiC粒子の分散が均一的に行われており、良好な複合材料であった。
更に、純マグネシウム又はマグネシウム合金の溶湯の温度を750℃以上とすると、潜伏時間がほとんどなく、十分に溶浸を行うことができた。
(試験例2)
表1の試料No.3〜6に示す分散材原料とマトリクス金属と同一の成分を有するSiC粒子粉末とマトリクス金属粉末とを用意し、いわゆる粉末法により複合材料を作製した(試料No.3'〜6')。粉末法においても成形型は、図1に示すものを用いた。粉末法の条件は、公知の条件で行った。そして、粉末法により製造した複合材料No.3'〜6'と、接触法により製造した試料No.3〜6に対して、気孔率、熱伝達係数、靭性を調べた。気孔率は、一般的なアルキメデス法を用いて行った。靭性は、シャルピー衝撃試験器を用いて測定した。すると、接触法により得られた複合材料(試料No.3〜6)は、粉末法により得られた複合材料(試料No.3'〜6')と比較して、気孔率が少なく、熱伝達係数が高く、靭性も優れていた。
(試験例3)
表1の試料No.3,No.4,No.15と同一の分散材原料とマトリクス金属とを用意し、マトリクス金属が分散材原料中に溶浸する際の温度を変化させて、溶浸を開始する温度を調べた。すると、溶浸を開始する温度は、マトリクス金属が固相線温度以上にあるときであった。次に、マトリクス金属を固相線温度に保持して溶浸状態を調べた。すると、溶浸を開始するまでに潜伏時間が存在した。そこで、マトリクス金属の温度を上昇させて遅延無く複合材料を製造するのに適した温度を調べたところ、750℃以上が好ましいことがわかった。更に、マトリクス金属の温度を上昇させて上限温度を調査したところ、いずれのマトリクス金属も約1000℃で沸騰を開始して、複合が困難となった。このことから、溶浸時のマトリクス金属の温度は、1000℃未満が好ましいことが確認された。なお、溶浸時のAr雰囲気は、大気圧とした。
(試験例4)
試験例1で得られた試料No.6の複合材料を分散材原料として用いて複合材料を作製した。具体的には、まず、最終的に得られる複合材料のSiC粒子の含有量が20体積%となるように試料No.6を調整し、Ar雰囲気(大気圧)下において、溶湯温度が700℃である純マグネシウムに上記試料No.6の複合材料を溶解して攪拌して希釈物を作製する。この希釈物を図1に示す成形型に配置し、Ar雰囲気(大気圧)下で、冷却凝固することでSiC粒子の含有量が20体積%の複合材料を得た(試料No.4-1)。比較として、試料No.4-1と同等の大きさとなるように、SiC粒子(平均粒径15μm)の含有量が20体積%の複合材料を粉末法にて作製した(試料No.4-1')。そして、粉末法により製造した複合材料No.4-1'と、試料No.6の複合材料を希釈して製造した試料No.4-1に対して、試験例2と同様にして気孔率、熱伝達係数、靭性を調べた。すると、試料No.6の複合材料を用いて製造した試料No.4-1は、粉末法により得られた複合材料No.4-1'と比較して、気孔率が少なく、熱伝達係数が高く、靭性も優れていた。
また、上記希釈物は、流動性に優れており、図1に示すような直方体状といった単純な形状の成形型だけでなく、複雑な形状の成形型であっても、容易に配置させることができ、複雑な形状の複合材料の作製も可能であった。更に、上記希釈物を用いた方法により、SiC粒子の含有量が10体積%以上40体積%未満の複合材料を容易に作製することができた。
(試験例5)
分散材原料として予め成形した成形体を利用して、複合材料を作製した。具体的には、炭化珪素ウィスカ(平均短径約0.8μm,アスペクト比約200)と、炭化珪素粒子(平均粒径30μm)とを1対1で混合した後、酸化アルミニウム(平均粒径0.3μm)を0.1質量%(上記炭化珪素混合物を100質量%とする)と、フェノール樹脂と混合する。そして、この樹脂混合物を射出成型し、炭化珪素ウィスカ及び炭化珪素粒子の体積割合が35体積%である成形体(50mm×50mm×10mm)を作製した。成形型として、図2に示すように試験例1で使用した成形型(図1参照)と同様の成形型10を用い、上記成形体13を成形型10の本体10aのキャビティ11に配置して蓋部10bを閉じ、700℃で焼成して樹脂を消失させる。焼成後、Ar雰囲気(大気圧)下、溶湯温度850℃のマグネシウム合金(ZC63材)の溶湯と成形体とを複合させ、凝固させた。このように予め成形した分散材原料を用いても複合材料を製造することができる。また、得られた複合材料を調べたところ、酸化アルミニウムやその反応生成物の残渣などが認められず、また、炭化珪素ウィスカや粒子の損傷やSiC成分の減少なども認められず、良好な複合材料であった。更に、得られた複合材料は、所望の位置のみに分散材を有していた。
(試験例6)
試験例5と同様にして、分散材原料の成形体を作製した。具体的には、炭化珪素ウィスカと炭化珪素粒子との混合物の体積割合が35体積%であり、フェノール樹脂を含む成形体(100mm×50mm×10mm)を作製した。用いた炭化珪素ウィスカ、炭化珪素粒子、酸化アルミニウムの量及び大きさは、試験例5と同様である。そして、成形型として、図3に示すように試験例1で使用した成形型(図1参照)と同様の成形型10を用い、この成形体14を成形型10の本体10aのキャビティ11に配置して蓋部10bを閉じ、700℃で焼成する。焼成後、Ar雰囲気(大気圧)下、溶湯温度800℃の純マグネシウムと成形体とを複合させ、凝固させた(試料No.6-1)。一方、同様の方法にて作製した成形体を成形型に配置し、焼成後、Ar雰囲気の圧力を0.1×10-5MPa(1×10-5atm)として、溶湯温度800℃の純マグネシウム合金と成形体とを複合した。そして、溶浸後、Ar雰囲気の圧力を大気圧(0.1MPa(1atm))として、複合物を凝固させた(試料No.6-2)。得られた複合材料(試料No.6-1,6-2)について、試験例2と同様にして気孔率を調べたところ、試料No.6-2は、試料No.6-1と比較してボイドが少なく、気孔率が小さかった。
(試験例7)
試験例1で得られた複合材料をCu-Mo板の代替として、インバータ制御基板用のヒートスプレッダーとして使用した。そして、Cu-Mo板の代替として使用できた複合材料について熱伝達係数を調べた。すると、Cu-Mo板と代替可能な複合材料は、試験例1で得られた複合材料のうち、熱伝達係数が150W/m・K以上の複合材料であった。また、熱伝達係数が150W/m・K超の複合材料について熱膨張係数を調べてみたところ、6〜16×10-6/Kであり、基板に搭載される半導体素子やその周辺機器と整合する値であった。従って、熱伝達係数が150W/m・K以上、熱膨張係数が6〜16×10-6/Kの複合材料は、ヒートスプレッダーに好適に利用できることが確認された。また、これらの複合材料の重さは、Cu-Mo板の半分以下であり、ヒートスプレッダーの軽量化をも図ることができる。
150W/m・K以上を満たした試料のうち、一部の試料ついて熱伝達係数及び熱膨張係数(線膨張係数)を表3に示す。また、比較として、表1に示す分散材原料とマトリクス金属と同一の成分を有するSiC粒子粉末及びマトリクス金属粉末を用意し、粉末法により複合材料を作製した。この複合材料のうち、一部の試料(試料No.1',4',6',14',15',19'、試料No.1,4,6,14,15,19と製造法が異なるもの)について熱伝達係数及び熱膨張係数を調べた。その結果も表3に示す。
Figure 0004720981
表3に示すように、分散材原料とマグネシウム合金などの溶湯とを不活性雰囲気にて溶浸させて複合することにより得られた複合材料No.1,4,6,14,15,19の方が、熱伝達係数が大きく、かつ熱膨張係数が小さい。
本発明複合材料は、半導体素子やその周辺部品との熱膨張係数の整合性に優れると共に、熱放散性に優れるため、ヒートスプレッダーなどといった放熱部材の形成材料に好適に利用することができる。また、本発明複合材料の製造方法は、上記複合材料の製造に好適に利用することができる。
試験例1において、複合材料の製造に用いた成形型の構成を示す概略構成図である。 試験例5において、成形した分散材原料を成形型に配置した状態を示す概略構成図である。 試験例6において、成形した分散材原料を成形型に配置した状態を示す概略構成図である。
符号の説明
10 成形型 10a 本体 10b 蓋部 11 キャビティ 12 供給口
13,14 成形体

Claims (4)

  1. 純マグネシウム又はマグネシウム合金からなるマトリクス中にセラミクスからなる分散材が分散されたマグネシウム基複合材料であって、
    分散材は、純度が質量比で95%以上であるSiC粒子であり、
    複合材料中の分散材の含有量が体積%で50%超〜70%であり、
    複合材料の熱伝達係数が180W/m・K以上であり、
    放熱部材に利用されることを特徴とするマグネシウム基複合材料。
  2. 複合材料の熱膨張係数が6×10-6/K以上16×10-6/K以下であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム基複合材料。
  3. 複合材料中の分散材は、成形体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネシウム基複合材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のマグネシウム基複合材料から構成されたことを特徴とする放熱部材。
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