JP4720134B2 - 水の消毒装置および消毒方法 - Google Patents
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例えば、下水の消毒において処理水の流入量及び消毒後の消毒剤の残留塩素濃度を測定した上で塩素注入率を決定し、フィ−ドバック制御を行うことで残留塩素濃度を一定にする制御を行っている(特許文献1参照)。
本発明に係る水の消毒方法は、処理水と消毒剤とを混和する消毒槽で消毒された処理水中の微生物の酵素活性値を測定する水の消毒方法であって、消毒された処理水中の微生物の酵素活性値が0より大きくかつ培養法で測定した場合の処理水中の微生物数が非検出となる最大酵素活性値よりも小さくなるように消毒剤の注入量を制御するものである。
まず、本発明の消毒方法の原理を説明する
本発明では微生物測定装置として図1に示す大腸菌群数計測装置を用いる。この大腸菌群数計測装置は被処理水に含まれる大腸菌群が特異的に持つ酵素β−ガラクトシダ−ゼによる酵素触媒反応を利用して、β−ガラクトシダ−ゼ活性値を測定するものである。
被処理水は導水管10を介して貯留タンク17に貯留される。貯留タンク17は大気圧開放となっている。貯留タンク17は配管18を介して、第1の混合部分24の一方に接続される。配管18の途上にポンプ20を設ける。
混合試薬容器25には酵素反応を行わせる混合試薬が入っている。混合試薬は蛍光酵素基質、緩衝液、界面活性剤の混合物である。ここでは蛍光酵素基質として4−メチルウンベリフェリル−β−ガラクトピラノシドを用いている。
ここで、図2において、番号はそれぞれのプロットにおける塩素注入率を示している。このことから、塩素注入率が増加するにつれて、大腸菌群数およびβ−ガラクトシダ−ゼ活性値の値は低くなることがわかる。
さらに、この場合の塩素注入率と残留塩素濃度の関係を図4に示す。図4において横軸は塩素注入率(mg/L)、縦軸は残留塩素濃度(mg/L)である。プロットに付された番号は図2の番号に対応している。
この場合、殺菌すべき大腸菌群数に比して、塩素の量が十分ではないので図3のAの状態に示すように塩素注入率が増加するにつれ、大腸菌群数は減少し、β−ガラクトシダ−ゼ活性値は大腸菌群数に対し比例的に減少する。その時、塩素はすべて消費されるので、図4のAの状態に示すように残留塩素濃度は0mg/Lとなる。
この場合、β−ガラクトシダ−ゼ活性値と大腸菌群数の関係は図3のBの状態となる。この場合においても、大腸菌群数に比較して塩素の量は十分ではなく、塩素注入率が増加するにつれて、大腸菌群数は減少する。しかし、大腸菌群数に比してβ−ガラクトシダ−ゼ活性値はあまり減少しない図3のBに示すような特異な状況となる。この時の塩素注入率は大腸菌群をすべて殺菌するほど十分ではないので、塩素はほぼ消費され、図4に示すように残留塩素濃度は0.01mg/L以下となる。
この場合、図3のCのとおり、デソキシコレ−ト寒天培地法による大腸菌群数は非検出となる。
通常、デソキシコレ−ト寒天培地法は被測定試料そのものを希釈しないでそのまま測定し、一つのシャ−レに1mLの試料水を混釈した場合は、寒天培地上にコロニーが1個形成されれば1個/mLとなりこの値が最小の分解能である。従ってコロニーが1個も形成されなければ非検出であり、正確には大腸菌群が0個/mLではないが、検出限界以下となるので大腸菌群が全く存在しない場合(0個/mL)とみなせる。
Cl=k1×Q+k2・(C*−C)+k3・Σ(C*−C) (1)
ここで
Cl:塩素注入率(mg/L)
k1:流量項の係数
Q:流量(m3/hr)
k2:偏差項の係数
C*:大腸菌群数の目標値(個/mL)
C:大腸菌群数の測定値(個/mL)
k:積分項の係数
となる。ここで係数であるk1、k2、k3については、あらかじめシミュレ−ションなどで決定される値である。
図5は本発明の実施の形態1の水の消毒装置を使用した消毒システムの全体構成図である。
消毒装置100は消毒槽7と管渠6d内に設置されている流量計9とを有している。さらに、管渠6eの消毒処理水を大腸菌群数計測装置12に送液する導水管10とポンプ11と大腸菌群数計測装置12を有する。また、大腸菌群数計測装置12で測定した後の排水を管渠6eに排水するように接続された排水管60をも有している。また、流量計9および大腸菌群数計測装置12より得られたデータにより注入する消毒剤量を制御する制御装置13をも有している。
消毒装置100に流入する水の流量を測定する流量計9で測定し、得られた流量の信号を運転制御装置13に送る。また消毒処理水をポンプ11により導水管10を介して採水し、大腸菌群数計測装置12に送る。この大腸菌群数計測装置は前述の図1の構成を有しており、酵素活性値であるβ−ガラクトシダ−ゼ活性値を測定する。この測定値は制御装置13に送られる。流量の測定値と、β−ガラクトシダ−ゼ活性値とから制御装置13では例えば、式(1)を用いて塩素注入率を決定する。測定した流量に決定した塩素注入率を乗ずることにより塩素注入量を決定する。決定した塩素注入量に基づいて消毒剤供給装置110ではポンプ15の回転数が設定され、次亜塩素酸ナトリウムタンク14から導水管16を介して次亜塩素酸ナトリウムが送液される。次亜塩素酸ナトリウムは消毒槽7の直前で注入され、注入された次亜塩素酸ナトリウムは水中で塩素および次亜塩素酸イオンに変化し、消毒が行われる。消毒槽7は一定の滞留時間が保たれるようにコの字状に流路が形成されており、滞留時間は流量に依存するが、通常は5分から15分の間に設定されている。
実施の形態2では、実施の形態1の消毒装置において、大腸菌群数計測装置12を用いずβ−ガラクトシダ−ゼ活性値は手動にて分析を行い、得られたβ−ガラクトシダ−ゼ活性値を利用して、消毒剤の注入制御を行うものである。これは実施の形態1において自動で行っていたものを、すべて手動で行うものであり、同じ測定原理を用いて測定すれば、同様な消毒剤注入制御が実現可能である。手動による分析の具体的な操作は以下の通りである。
実施の形態3では、実施の形態1において、酵素として大腸菌群に特異的なβ−ガラクトシダ−ゼではなく、大腸菌に特異的なβ−グルクロニダ−ゼに着目する。
公衆衛生学的な指標としては大腸菌群ではなく大腸菌を用いることがある。例えば既に述べたように上水では大腸菌が非検出と定められている。そのために、大腸菌群数ではなく大腸菌数を指標とする必要がある。
この実施の形態においては、実施の形態1で用いた4−メチルウンベリフェリル−β−ガラクトピラノシドの代わりに4−トリフロオロウンベリフェリル−β−ガラクトピラノシドを用いる。この蛍光酵素基質は4−メチルウンベリフェリル−β−ガラクトピラノシドと同じくβ−ガラクトシダ−ゼに反応するが、反応後に生成する蛍光物質として4−トリフルオロウンベリフェロンが生成する。この蛍光物質は4−メチルウンベリフェロンと励起波長が異なり390nm付近が最適であり、蛍光波長は490nmとなる。
この実施の形態では、実施の形態4で用いていた4−トリフロオロウンベリフェリル−β−ガラクトピラノシドの代わりに4−トリフロオロウンベリフェリル−β−グルクロニドを用いている。その他は実施の形態4と同様であるので説明は省略する。この基質はβ−グルクロニダ−ゼと特異的に反応し、4−トリフルオロウンベリフェロンを生成する。従って水質指標が大腸菌群から大腸菌になった点と着目する酵素と蛍光酵素基質とが異なるだけで、他の点は実施の形態4と全く同様である。
この実施の形態では着目する酵素としてエステラ−ゼとした。エステラ−ゼは一般細菌が所持している酵素であり、一般細菌の酵素活性とみなすことができる。その他の構成や動作は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
本実施の形態では着目する酵素として実施の形態6と同様にエステラ−ゼであるが、用いる蛍光酵素基質として、4−トリフルオロウンベリフェリル−アセテ−トを用いる点のみが異なる。4−トリフルオロウンベリフェリル−アセテ−トはエステラ−ゼにより分解されて、4−トリフルオロウンベリフェロンを生成する。
この実施の形態の構成については実施の形態4と同様であり詳細な説明を省略する。
Claims (8)
- 処理水と消毒剤を混和する消毒槽と
前記消毒槽で消毒された処理水中の微生物の酵素活性値を測定する微生物測定装置と
前記酵素活性値が0より大きくかつ培養法で測定した場合の処理水中の微生物数が非検出となる最大酵素活性値よりも小さくなるように、酵素活性目標値を設定して、消毒剤注入量を制御する制御装置と
前記制御装置からの信号にもとづいて消毒剤を注入する消毒剤供給装置と
を有する水の消毒装置。 - 消毒槽に供給される処理水の流量を測定する流量計を有し、前記流量計で測定された前記処理水の流量と微生物測定装置で測定された酵素活性値とから前記酵素活性値が0より大きくかつ培養法で測定した場合の微生物数が非検出となる最大酵素活性値よりも小さくなるように消毒剤注入量を制御する制御装置を有する請求項1記載の水の消毒装置。
- 制御装置において、酵素活性値が培養法で測定した場合の微生物数が非検出となる最大酵素活性値の10%以上かつ90%以下となるように消毒剤注入量を制御することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の水の消毒装置。
- 消毒剤はハロゲン系の消毒剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水の消毒装置。
- 酵素活性値として測定する酵素がβ−ガラクトシダ−ゼであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水の消毒装置。
- 酵素活性値として測定する酵素がβ−グルクロニダ−ゼであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水の消毒装置。
- 処理水と消毒剤とを混和する消毒槽で消毒された前記処理水中の微生物の酵素活性値を測定する水の消毒方法であって、
消毒された前記処理水中の前記微生物の酵素活性値が0より大きくかつ培養法で測定した場合の前記処理水中の前記微生物数が非検出となる最大酵素活性値よりも小さくなるように、酵素活性目標値を設定して、前記消毒剤の注入量を制御することを特徴とする水の消毒方法。 - 酵素活性値が培養法で測定した場合の微生物数が非検出となる場合の最大酵素活性値の10%以上でかつ90%以下となるように消毒剤注入量を制御することを特徴とする請求項7記載の水の消毒方法。
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