JP4718358B2 - スペクトラム拡散信号受信装置 - Google Patents

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本発明は、PNコードによるスペクトラム拡散及びサブキャリアによるバイナリオフセットキャリア変調がされた信号を受信して、逆拡散及びバイナリオフセットキャリア復調を行うスペクトラム拡散信号受信装置に関する。
一般に、PN(Pseudo Noise)コードにより拡散されたスペクトラム拡散信号は、図8(a)に示すような電力スペクトラムを示す。また、近年においては、PNコードに加えてPNコードのチップレートの整数倍となるサブキャリアを更に変調し、図8(a)における中心周波数f0近辺の電力密度を分散するバイナリオフセットキャリア(BOC:Binary Offset Carrier)変調方式も知られている(非特許文献1を参照)。図8(b)は、チップレートとサブキャリアとの比を1:1とした場合のBOC変調方式の電力スペクトラムを示すものである。
具体的に、1:1の比率のBOCコードの構成例を図9に示す。PNコード(a)にPNコードと同じ周期のNRZ(Non Return Zero)の矩形波であるサブキャリア(b)を変調したのがBOCコード(c)である。
このようなBOC変調方式で変調された受信信号を復調するに際し、CDMA(Code
Division Multiple Access)方式により複数の送信信号を受信可能な複数の受信チャンネルを備えた受信装置では、空中線で受信した信号は所望の利得を得て、所定の中間周波数信号に周波数変換してから、各受信チャンネルで次のように処理する。
すなわち、中間周波数信号に対してI成分ローカル信号、Q成分ローカル信号をそれぞれ混合してベースバンド変換し、I成分のベースバンド信号、Q成分のベースバンド信号を得る。また、レプリカPNコードとサブキャリアとをそれぞれ生成して、これらを混合したレプリカBOCコードを得る。そして、I成分、Q成分のベースバンド信号とレプリカBOCコードとの相関処理を行なって相関値(レプリカBOCコードは所定の位相差で複数用意し、各レプリカBOCコードとベースバンド信号との相関値を求める)を得、さらには積算相関値を得ることができる。
このような受信装置では、中間周波数信号の初期捕捉を行った後、追尾を維持する制御ループを構成する。具体的には、コードの追尾点であるP位相を得るために、Pより位相の進んでいるE(Early)、及びPより位相が遅れているL(Late)信号を利用し、いわゆるEarly‐Lateとしたコード位相ディスクリミネート特性、すなわち“E−L=0”となるような制御を行う。
同時に、中間周波数信号に含まれる搬送波成分の初期捕捉を行った後、搬送波成分の追尾を維持するよう制御ループを構成する。
そして、このような追尾動作を維持することで、送信信号に含まれるデータの復調、コード追尾情報、搬送波成分の追尾情報を得ることが可能となる。
Phillip W. Ward, A Design Technique toRemove the Correlation Ambiguity in Binary Offset Carrier(BOC) Spread SpectrumSignals ,Proceeding of the Institute of Navigation 2004 National technicalMeeting,2004,Jan.,pp886-896
以上のように、変調コードに対して追尾を維持する必要があるが、BOC復調方式では、通常のPNコード変調と比較して異なる積算相関特性を示す。
すなわち、通常のPNコードの積算相関値は、図10(a)のとおり、理想的には±1チップの区間で、0チップを中心とした三角形状の積算相関値を示す。このため、±1チップの範囲内であれば、図11(a)のとおり、“E−L=0”となるのは必ず0チップ付近となる。
ところで、瞬間的な受信中断が生じた後、再び受信が回復した場合、中断直前の追尾情報を利用して再追尾を行うが、この場合に、補正できない若干の誤差が生じて追尾点がわずかにずれる場合がある。
このように追尾点がずれたときは、通常のPNコードによるスペクトラム拡散では、誤差が生じても0チップ付近しか“E−L=0”とならないため、位相追尾制御のプロセスで真の追尾点に引き込むことが可能である。
ところが、BOC復調の場合、図10(b)に示すとおり、±1チップの相関利得は有するものの、±0.5チップ近傍で傾きの符号は反転する。従って、図11(b)に示すとおり、±1チップ内で“E−L=0”となる箇所は、0チップ付近、−0.5チップ付近、+0.5チップ付近の3箇所になる。
そのため、BOC復調の場合は、図10(c)の積算相関値に示すように、誤って真の位相P0に対して約±0.5チップずれたP1又はP2点に追尾してしまう危険性がある。
このような誤追尾を回避する手段としては、追尾用の相関値を求める相関器を図10(c)のE0、L0位相用に設けるのみならず、少なくともここから±0.5チップずれた位相に多数の相関器を設けるか(E1,L1,E2,L2の位置)、あるいは、一度±0.5チップの近傍に相関器の位相を再設定して、誤追尾していないかチェックすることが考えられる。
しかし、前者の場合は、多数の相関器を用意しなければならず、回路規模の大幅な増加を招き、製造コストが増大してしまう不具合がある。
また、後者の場合は、相関器の位相の再設定に時間を要し、追尾点の修正を迅速に行うことができないという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、BOC復調において、回路規模の大幅な増大を招くことなく、追尾点の修正を迅速に行うことができるようにすることである。
本発明は、PNコードによるスペクトラム拡散及びサブキャリアによるバイナリオフセットキャリア変調がされた信号を受信信号として逆拡散及びバイナリオフセットキャリア復調を行うスペクトラム拡散信号受信装置であって、前記PNコードを発生する第1信号発生器と、前記サブキャリアを発生する第2信号発生器と、前記第1信号発生器が出力するPNコードと前記受信信号との相関値を求める第1相関器と、前記第1信号発生器が出力するPNコード及び前記第2信号発生器が出力するサブキャリアと前記受信信号との相関値を求める第2相関器と、前記第1相関器で求めた相関値及び前記第2相関器で求めた相関値に基づいて前記受信信号の追尾点の正誤を判定する第1判定手段と、を備えていることを特徴とするスペクトラム拡散信号受信装置である。
この場合に、前記第1判定手段で受信信号の追尾点を誤と判定したときは、当該追尾点を補正する補正手段をさらに備えるようにしてもよい。
また、前記第2相関器で求めた相関値を予め設定されている値と比較することにより前記補正手段による補正が行えるか否かを判定する第2判定手段をさらに備え、前記補正手段は、前記第2判定手段で補正が行えると判定されたときに補正を行うようにしてもよい。
さらに、前記第1判定手段は、前記第1相関器で求めた相関値及び前記第2相関器で求めた相関値の振幅及び符号に基づいて前記受信信号の追尾点の正誤を判定するようにしてもよい。
そのうえ、複数の受信チャンネルごとに、前記受信信号を処理する前記第1及び第2の信号発生器、前記第1及び第2の相関器、前記第1及び第2の判定手段、前記補正手段を備えているようにしてもよい。
本発明によれば、第1、第2相関器でそれぞれ求めた相関値のそれぞれの積算相関値は、各々図3(b)、図3(a)のようになる。本発明は、第1相関器を設けたことにより、図3(b)のような0チップの前後で符号の異なる積算相関値を得ることができるので、第1、第2相関器でそれぞれ求めた相関値に基づいて追尾点の修正を行うことができる。
また、この第1相関器を設けても相関器の数はそれほど増えないので(図2参照)、回路規模の大幅な増加を招くことなく、製造コストを抑制することができる。
さらに、第1相関器は第2相関器と共用しないので、相関器の位相の再設定に時間を要することはなく、追尾点の修正を迅速に行うことができる。
まず、本実施形態の比較例となるスペクトラム拡散信号受信装置について説明し、次に、当該スペクトラム拡散信号受信装置と比較しつつ、本実施形態のスペクトラム拡散信号受信装置について説明する。
[比較例について]
図6は、PNコードによるスペクトラム拡散及びサブキャリアによるBOC変調がされた信号を受信信号として、逆拡散及びBOC復調を行うスペクトラム拡散信号受信装置301の構成例を示すブロック図である。スペクトラム拡散信号受信装置301において、電波を受信する空中線2で受信した受信信号は、ダウンコンバータ3において、所望の利得を与えられ、更に後段において処理可能な中間周波数信号Sに周波数変換される。この中間周波数信号Sは、ベースバンド処理部4で処理される。
図7は、ベースバンド処理部4の回路構成を示すブロック図である。ここでPNコードのチップレートをfcode[Hz]、サブキャリアをfsub[Hz]、中間周波数信号Sの中心周波数をf0とする。PNコードのチップレートとサブキャリアの関係を1:1とすると、“fcode=fsub”となる。また、BOC変調により中心周波数よりシフトした中間周波数信号Sの周波数を各々fL、fH[Hz]とした場合、“fL=f0−fsub”“fH=f0+fsub”となる。
ベースバンド処理部4では、CDMA方式により複数の送信信号を受信可能なように複数個の受信チャネル(Nチャネル)に対応している。各受信チャネル部5は各受信チャネルの回路を示す。この各受信チャネル部5の回路構成は共通であるため、ここでは代表して第1受信チャネルの回路構成について説明する。
第1受信チャネルの受信チャネル部5において、PNコード発生器11は、中間周波数信号Sに含まれるPNコードと同一のレプリカPNコード列を発生する。
サブキャリア発生器12は、この例ではレプリカPNコード列のチップレートと同一の周波数(fsub=fcode)のCW信号を発生する。
サブキャリア混合器13は、PNコード発生器11が発生するレプリカPNコード列と、サブキャリア発生器12が発生するサブキャリアとを混合することにより、レプリカBOCコードを生成する。
BOCコード位相遅延器14は、サブキャリア混合器13が出力するレプリカBOCコードから、例えば0.1チップ程度の位相差をもった複数のレプリカBOCコード(E,P,L位相)を生成する。
以上の動作と並行して、ローカル信号発生器15は、中間周波数信号Sに含まれる中間周波数成分f0や受信信号に含まれるドップラ周波数偏差、送受信装置間のクロック誤差による微細な周波数偏差Δfを除去するI成分ローカル信号及び当該I成分ローカル信号に直交したQ成分ローカル信号を発生する。この場合、両信号の周波数は、“f0+Δf[Hz]”である。
ベースバンド変換器16、16は、中間周波数信号Sと、I成分ローカル信号、Q成分ローカル信号とをそれぞれ混合し、I成分ベースバンド信号とQ成分ベースバンド信号を生成するベースバンド変換を行う。
相関器17は、I成分ベースバンド信号、Q成分ベースバンド信号と、E,P,L位相のレプリカBOCコードとの相関処理を行い、相関値を得る。
積算相関器18は、PNコードの繰り返し周期の間、相関器17で得られる各相関値を積算することで各積算相関値をそれぞれ得る。
制御部21は、マイクロコンピュータ等で構成され、積算相関器18で得られた各積算相関値を用い、制御部21の機能で実現される受信制御部22のコード制御器14は、中間周波数信号Sに含まれる信号成分のPNコードの初期捕捉を行った後、PNコードの追尾を維持する制御ループを構成する。
具体的には、コードの追尾点であるP位相を得るために、Pより位相の進んでいるE(Early)位相、及びPより位相が遅れているL(Late)位相の信号を利用し、いわゆるEarly‐Lateとしたコード位相ディスクリミネート特性、すなわち“E−L=0”となるよう制御を行う。
同時に、受信制御部22のローカル信号制御部24は、中間周波数信号Sに含まれる搬送波成分の初期捕捉を行った後、搬送波成分の追尾を維持するよう制御ループを構成する。
スペクトラム拡散信号受信装置301では、このような追尾動作を維持することで、送信信号に含まれるデータの復調、コード追尾情報、搬送波成分の追尾情報を得ることができる。
なお、ベースバンド処理部4では逆変換、BOC復調を行い、図6の構成の後段でさらに復調を行って最終的な信号を得ることになる。
[実施形態について]
図1は、本実施形態のスペクトラム拡散信号受信装置1の構成例を示すブロック図である。
スペクトラム拡散信号受信装置1においても、前述の比較例と同様、電波を受信する空中線2で受信した信号は、ダウンコンバータ3において、所望の利得を与えられ、更に後段において処理可能な中間周波数信号Sに周波数変換される。この中間周波数信号Sはベースバンド処理部4で処理される。
図2は、ベースバンド処理部4の回路構成を示すブロック図である。図2の回路構成が図7のものと相違するのは、PNコード位相遅延器31、サブキャリア積算情報取得回路32を備え、受信制御部22の機能として誤追尾検出部33を備えている点にあり、図7の回路構成と同様の回路要素等については、同図と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図2において、PNコード位相遅延器31は、PNコード発生器11から出力されるPNコードを、BOCコード位相遅延器14が出力するP位相の出力コードと同じ位相となるよう遅延させる。例えば、BOCコード位相遅延器14のE,P,L位相の出力コードが各々0.1チップの位相差である場合には、0.1チップ遅延させたSP位相のPNコードを出力する。
次に、サブキャリア積算情報取得回路32は、ベースバンド変換器16Q,16Iによりベースバンド成分に変換されたI,Q各々の信号成分と、SP位相のPNコードとの相関値を相関器41Q,41Iで求め、この求めた値について、積算相関器42Q,42IによりPNコードの綾返し周期に相当する期間、積算を行う。
これにより得られる値(サブキャリア積算相関値)を図3(b)に示す。この積算値は、±0.5チップを頂点とした傾きが1の波形を示す。これは、図4に示すとおり、入力BOC信号とレプリカPNコードとが一致した後、重畳されていたサブキャリア成分が出力されるためである。
例えば、図4(a)のように、完全に入力BOC信号とPNコードとの位相が一致した場合、残されるのはサブキャリアの矩形波となり、正負の比率が50%であれば、サブキャリア積算相関値は0となる。また、図(b)(c)には、PNコードが入力BOC信号に対して−0.5チップまたは+0.5チップずれた場合を示しており、サブキャリア積算相関値は最大値に対して各々±0.5となる。
そして、本実施形態では、このサブキャリア積算相関値と、積算相関器18で得られる図3(a)に示す(図10(b)と同じ)積算相関値(BOCコード積算相関値)とを用い、誤追尾していないか否かを誤追尾検出部33により検出する。
そして、誤追尾を検出した場合には、誤追尾検出部33は、コード制御部23に対して位相補正を加えることにより、PNコード発生器11の出力するPNコードの位相とサブキャリア発生器12が出力するサブキャリアの位相とを補正して、正常追尾に戻す。
次に、この場合に誤追尾検出部33、コード制御部23が行う、誤追尾の検出と位相の補正の処理について、図5(a)(b)のフローチャートを参照して説明する。
図5(a)は、誤追尾検出部33、コード制御部23が行う処理のメインフローチャートである。ここでは、BOCコード積算相関値のP位相におけるI相の値をBP、Q相の値をBPとし、BOCコード積算相関値の絶対値BPを“BP=(BP +BP )”とする。また、同様にサブキャリア積算相関値のP位相におけるI相の値をSP、Q相の値をSPとし、サブキャリア積算相関値の絶対値SPを“SP=(SP +SP )”とする。
まず、受信中断が生じて、その後回復した場合、今までの追尾に使用されていた情報、送信局の移動情報、スペクトラム拡散信号受信装置1のクロックの誤差情報などを用いて追尾点を外挿予測することで、捕捉段階にまで戻らなくても、再追尾することは可能である。但し、長時間の中断や、受信地点の大幅な移動、スペクトラム拡散信号受信装置1のクロックの変動から、外挿予測は大きく外れる可能性はある。
PNコードの場合は、図10(a)に示すとおり、±1チップにわたり積算相関値の振幅があるため、再追尾が可能である。一方、BOCコードの場合は、±1チップ以上及び±0.3チップ付近は、図4(a)に示すとおり積算相関値の振幅は無いため、再追尾は不可能である。
そこで、図5(a)の処理では、まず、BOCコード積算相関値の絶対値BPが予め設定された所定値αより大きいか否かを、
BP≧α …… (1)
という(1)式により判定する(ステップS1)。ここで、絶対値BPは受信環境に応じて変えるが、ここでは一例として、最大値を1に規格化して“α=0.4”としている。
“BP<α”である場合(ステップS1のN)、再追尾は不可能であるため、この場合は再捕捉の処理に移行し(ステップS4)、図5(a)の処理は終了する。この場合は、周知の手段により再捕捉が行われる。“BP≧α”である場合は(ステップS1のY)、補正処理(ステップS2)に移行する。
ここで、図5(b)に示す補正処理(ステップS2)のサブルーチンのフローチャートについて説明する。まず、サブキャリア積算相関値の絶対値SPとBOCコード積算相関値の絶対値BPの大きさを、
SP≧β×BP …… (2)
という(2)式に基づいて比較する(ステップS11)。
図3(a)に示すP0,P1,P2におけるBOCコード積算相関値、及び、図3(b)に示すSP0,SP1,SP2におけるサブキャリア積算相関値の関係から、P0付近で再追尾した場合は、“SP0≒0”となり、真の追尾点付近であることから、“SP<β×BP”となり(ステップS11のN)、誤追尾の補正は実施せず、後述のステップS3に移行する。
しかし、P1又はP2付近で再追尾している場合は、図3のSP1,SP2におけるサブキャリア積算相関値の振幅はP1,P2におけるBOCコード積算相関値と同程度の0.5となる。ここでは、一例として、BOCコード積算相関値とサブキャリア積算相関値とが同等であることを利用するための安定係数“β=0.9”として、“SP≧β×BP”となったときは(ステップS11のY)、ステップS12以降で誤追尾の補正を行う。
すなわち、誤追尾の補正処理では、まず、IQ成分のうち、I符号成分を有するBP I ,SP I を用いて符号を判定する。すなわち、
SGN(BP I )=SGN(SP I ) …… (3)
という(3)式の判定を行う(ステップS12)。ここで“SGN( )"は符号を判定する関数である。
例えば、図3の正しい位相P0に対して0.5チップ遅れているP2とSP2の符号は一致している。従って、この場合は、“SGN(BP I )=SGN(SP I )”となり(ステップS12のY)、位相をマイナス(−)方向(進める方向)へ所定程度補正する(ステップS13)。また、正しい位相P0に対して0.5チップ進んでいるP1とSP1の符号は不一致である。従って、“SGN(BP I )≒SGN(SP I )”となり(ステップS12のN)、位相をプラス(+)方向(遅らせる方向)へ所定程度補正する(ステップS14)。以上のような補正処理の終了後、後述の正常追尾判定処理(ステップS3)に移行する。
図5(a)に戻り、正常追尾判定処理(ステップS3)について説明する。このステップS3の処理では、前述の(1)式と、
SP≦γ×BP …… (4)
という(4)式の論理積をとる。
ここでは、図3のP0におけるBOCコード積算相関値、SP0におけるサブキャリア積算相関値に示すとおり、“SP0におけるサブキャリア積算相関値≒0”、“P0におけるBOCコード積算相関値≒1”となるので、“SP0におけるサブキャリア積算相関値<<P0におけるBOCコード積算相関値”であることから、一例として“γ=0.1”とする。また、前述のとおり位相の補正を行っているため、誤補正を防ぐために、(1)式との論理積をとっている。
“BP≧α”、かつ、“SP≦γ×BP”であるときは(ステップS4のY)、そのまま追尾を継続し、“BP<α”、又は、“SP>γ×BP”であるときは(ステップS3のN)、追尾不可能として再捕捉に移行する(ステップS4)。
以上説明したように、本実施形態においては、サブキャリア積算情報取得回路32を用いることにより、BOCコード積算相関値、サブキャリア積算相関値の振幅、符号に基づいて、BOC復調信号の誤追尾の検出を行い、さらには、その補正を行うことができる。
なお、上記の例では、サブキャリアの符号を前半+1、後半−1として説明しているが、送信信号の極性が変わったとしても補正方向を逆とするだけで同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかるスペクトラム拡散信号受信装置の概略構成のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかるスペクトラム拡散信号受信装置のベースバンド処理部の回路構成を示すブロック図である。 本実施形態におけるBOCコード積算相関値とサブキャリア積算相関値のグラフである。 サブキャリア積算相関値の生成を説明するタイミングチャートである。 誤追尾の判定と補正処理について説明するフローチャートである。 比較例となるスペクトラム拡散信号受信装置の概略構成のブロック図である。 比較例となるスペクトラム拡散信号受信装置のベースバンド処理部の回路構成を示すブロック図である。 スペクトラム拡散信号の電力スペクトラムを示すグラフである。 1:1の比率のBOCコードの構成例を説明するタイミングチャートである。 PNコード積算相関値とBOCコード積算相関値を説明するグラフである。 PNコードとBOCコードのE‐Lを説明するグラフである。
符号の説明
1 スペクトラム拡散信号受信装置
4 ベースバンド処理部
5 受信チャンネル
11 PNコード発生器
12 サブキャリア発生器
13 サブキャリア混合器
14 BOCコード位相遅延器
17 相関器
18 積算相関器
31 PNコード位相遅延器
32 サブキャリア積算情報取得回路
33 誤追尾検出部

Claims (5)

  1. PNコードによるスペクトラム拡散及びサブキャリアによるバイナリオフセットキャリア変調がされた信号を受信信号として逆拡散及びバイナリオフセットキャリア復調を行うスペクトラム拡散信号受信装置であって、
    前記PNコードを発生する第1信号発生器と、
    前記サブキャリアを発生する第2信号発生器と、
    前記第1信号発生器が出力するPNコードと前記受信信号との相関値を求める第1相関器と、
    前記第1信号発生器が出力するPNコード及び前記第2信号発生器が出力するサブキャリアと前記受信信号との相関値を求める第2相関器と、
    前記第1相関器で求めた相関値及び前記第2相関器で求めた相関値に基づいて前記受信信号の追尾点の正誤を判定する第1判定手段と、
    を備えていることを特徴とするスペクトラム拡散信号受信装置。
  2. 前記第1判定手段で受信信号の追尾点を誤と判定したときは、当該追尾点を補正する補正手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のスペクトラム拡散信号受信装置。
  3. 前記第2相関器で求めた相関値を予め設定されている値と比較することにより前記補正手段による補正が行えるか否かを判定する第2判定手段をさらに備え、
    前記補正手段は、前記第2判定手段で補正が行えると判定されたときに補正を行う、ことを特徴とする請求項2に記載のスペクトラム拡散信号受信装置。
  4. 前記第1判定手段は、前記第1相関器で求めた相関値及び前記第2相関器で求めた相関値の振幅及び符号に基づいて前記受信信号の追尾点の正誤を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの一項に記載のスペクトラム拡散信号受信装置。
  5. 複数の受信チャンネルごとに、前記受信信号を処理する前記第1及び第2の信号発生器、前記第1及び第2の相関器、前記第1及び第2の判定手段、前記補正手段を備えていること、を特徴とする請求項1〜4のいずれかの一項に記載のスペクトラム拡散信号受信装置。
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