JP4718153B2 - 重包装用クラフト紙およびその製造方法 - Google Patents

重包装用クラフト紙およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、例えば粉末製品を充填して運搬するために用いられる重包装用の多層袋に用いられる重包装用クラフト紙およびその製造方法に関するものである。
針葉樹材をクラフト蒸解して得られるクラフトパルプは、引張強さ、破裂強さ、引裂強さ等が優れ、針葉樹未晒クラフトパルプより得られる未晒クラフト紙は角底袋、手提げ袋や、重量物の充填・搬送用の多層袋を構成するのに用いられている。特に、重量物の運搬用である重包装用の多層袋(以下重袋と称する。)には、JIS規格で定められ高い引張強さ、引裂強さ等が求められている。
近年、重袋に微細な粒子状粉体を充填する場合、風送充填を行うメーカが多くなってきており、さらに効率を高めるため、風送充填の高速化が進んでいる。しかし、クラフト紙は強度を考慮してパルプ繊維が緻密に組み合わされており、空気が透気し難い紙支持体で形成されている。そのため風送された空気が袋外に漏れ出やすく、内容物も空気に伴って袋外へ飛び出て封緘部が汚されたり、空気が袋内に籠もって破袋が生じる原因となっていた。
これらのことから、JISで定められるクラフト紙の規格内に強度等を維持しつつ、紙支持体の透気度が低く、風送充填を行っても空気が紙支持体を通して袋外へ容易に透気する重袋用クラフト紙の開発が強く望まれている。
これらの重袋を得るため、特許文献1に示すように、抄紙においてベントナイトクレーなどの多孔質無機材料とポリアクリルアミドなどの高分子凝集剤を添加して、透気度(透気抵抗度)を低減し袋外へ空気が容易に透気するようにしたクラフト紙を重袋に用いる従来技術が知られている。
特許第3024452号
特許文献1のクラフト紙は、未晒クラフトパルプの紙支持体中には多孔質無機材料が分散性良く抄き込まれており、パルプ繊維のみで形成される通常の紙支持体に比べ強度を低下させる可能性があった。
また、従来の製造方法に対して新たに多孔質無機材料と高分子凝集剤を添加する必要があるため、製造コストが高騰する可能性もある。
本発明は、前記の問題を解決できる重包装用クラフト紙およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、重量平均繊維長が2.3〜4.0mmであるクラフトパルプを用いて、離解フリーネスが600〜680mlとなる紙支持体を形成することにより、クラフト紙の強度を下げることなく、高い透気性の達成が可能な重包装用クラフト紙を提供することを目的とする。
また、本発明は、クラフトパルプをパルプスラリー濃度4.0〜4.5重量%で重量平均繊維長2.3〜4.0mmとなるように粘状叩解し、離解フリーネスが600〜680mlとなるよう、該クラフトパルプを抄紙することにより、紙支持体の強度をJIS規格内に維持しつつ、高い透気性を紙支持体に付与することができ、低米坪で原料費を下げられ製造コストの低減が可能となる重包装用クラフト紙の製造方法を提供することを目的とする。
なお、ストックインレットの流出速度がワイヤーの接線方向速度の102〜106%となるようにして抄紙を行い、前記抄紙で形成された紙匹に対して、ロールとロールの隙間でプレスするロールプレスの場合はニップ圧を100〜150kN/mmとして、または、加圧シューでプレスするシュープレスの場合はニップ圧を400〜600kN/mmとしてプレスを行って脱水するのが好ましい。
前記目的を達成するため、本発明は重包装用クラフト紙に、次の手段を講じた。即ち、重量平均繊維長が2.3〜4.0mmであるクラフトパルプを用いて、JIS P−8220に規定されたパルプ離解方法で離解してJIS P−8121に規定される方法に従い測定した離解フリーネスが600〜680ml、引張強度が縦方向で4.5kN/m以上、横方向で2.2kN/m以上、引裂強度が縦方向で760mN以上、横方向で810mN以上、JIS P−8117に規定される透気度が10〜25秒となる紙支持体を形成している。
これによって、通常のクラフト紙より繊維長が長いパルプ繊維を用いているためクラフト紙の強度低下が防止でき、高い濾水度を有しているので高い透気性の達成が可能となり、かつ原料パルプの量を削減できるので製造コストの低減も可能となる。また、この透気度に紙支持体をすることによって、風送された空気が重袋内に籠もらなくなり、内容物の噴出や破袋を防ぐことが可能となる。
前記紙支持体に、乾燥紙力剤として両性澱粉が0.4〜0.8重量%添加されている。
これによって、両性澱粉は従来から乾燥紙力剤として用いられてきたPAMやカチオン澱粉等に比べて引裂強さの低下が少ないため、紙支持体の強度を高くすることが可能となる。
前記目的を達成するため、本発明は重包装用クラフト紙の製造方法に、次の手段を講じた。即ち、クラフトパルプをパルプスラリー濃度4.0〜4.5重量%で重量平均繊維長2.3〜4.0mmとなるように粘状叩解し、JIS P−8121に規定される方法に従い測定した離解フリーネスが600〜680ml、引張強度が縦方向で4.5kN/m以上、横方向で2.2kN/m以上、引裂強度が縦方向で760mN以上、横方向で810mN以上、JIS P−8117に規定される透気度が10〜25秒となるクラフト紙を抄紙する。
これによって、粘状叩解によってマイクロフィブリル化されたパルプ繊維を用いているので紙支持体の強度を高くすることが可能となり、紙支持体の強度をJIS規格内に維持しつつ、高い透気性を紙支持体に付与することができ、かつ低米坪で原料費を下げられ製造コストの低減が可能となる。
重包装用クラフト紙およびその製造方法において、クラフト紙の強度を下げることなく、高い透気性の達成と製造コストの低減が可能となる。
本発明の重包装用クラフト紙は、主に小麦粉などの粉末製品を充填して運搬するために用いられる重包装用の多層袋に用いられ、JIS P−3401(2000年)に規定されるクラフト紙1種または2種に該当するクラフト紙である。
前記重包装用クラフト紙はクラフトパルプを用いて形成された紙支持体から成っており、この紙支持体は、JIS P−8121(1995)に規定されるカナダ標準濾水度を用いて、離解後の紙支持体が640〜680ml、好ましくは650〜680mlとなるようにポーラスに形成されている。前記紙支持体の離解フリーネスを640mlより大きくすることで、クラフト紙の透気度を下げることができ、風送された空気がクラフト紙を透気するので、風送充填時に重袋から内容物の漏れるのを防ぐことができる。また、前記紙支持体の離解フリーネスを680ml未満にすることで、紙支持体の強度が低下するのを防ぐことが可能となる。
前記クラフトパルプに用いられるパルプ種別は、重袋に成形したときの強度に優れるため、未晒のものが主に用いられる。しかし、印刷特性を向上させるために未晒クラフトパルプ以外の晒パルプ、半晒パルプを一部に用いても良い。また、強度を補うためにクラフトパルプ以外のパルプ、例えば亜硫酸パルプなどの他の化学パルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、麻パルプ、古紙パルプなどを適宜混合して用いても良い。
前記クラフトパルプに加工される原木には、繊維長が長く強度向上に有利な針葉樹、特にダグラスファーが好適に用いられる。針葉樹、特にダグラスファーを原木とすることで、平均繊維長が長いパルプを得ることが可能となる。
前記クラフトパルプは粘状叩解を行ってマイクロフィブリル化される。粘状叩解を行うことにより、パルプは長さ方向に沿って分枝化あるいは膨潤化し、抄紙した紙支持体の強度を向上させることが可能となる。また、カッティング叩解のように繊維長を短くすることなく、平均繊維長が長いパルプ繊維を得ることが可能となる。
前記粘状叩解を行ってマイクロフィブリル化することにより、パルプ繊維が膨潤化してパルプ繊維間に水素結合が生じやすくなり、パルプ繊維同士の結合力が向上して強度等が増すため、前記平均繊維長の場合と同様に低米坪で抄造しても強度等(引張強さ、伸びまたは引裂強さ)を高く維持することが可能となる。
前記クラフトパルプは、重量平均繊維長2.3〜4.0mm、好ましくは2.3〜2.5mmのパルプとするのが好ましい。パルプの平均繊維長を従来のクラフト紙に比べて長い2.3〜4.0mmとすることで、パルプを低米坪で抄造しても強度等(引張強さ、伸びまたは引裂強さ)を高く維持することが可能となる。
前記紙支持体は、縦方向の配向性に対する横方向の配向性が均一になるように形成されるのが好ましい。この配向性の縦/横方向性を均一にするには、抄紙機におけるストックインレットでのパルプスラリー流出速度をワイヤーの接線方向速度より速くすることで調整が可能である。この比率を102〜106にすることで、微視的にパルプが紙匹上で等方位的に抄合され、地合が良好になる。
このパルプの配向性の調整により、引裂方向や引張方向による強度差が無くなるので、パルプを低米坪で抄造しても強度等を高く維持することが可能となる。
前記パルプスラリーには、乾燥紙力剤として両性澱粉が前記紙支持体に対して0.4〜0.8重量%になるように添加されているのが好ましい。両性澱粉は澱粉分子中にアニオン基とカチオン基が導入されたもので、他の紙力剤(ポリアクリルアミド、澱粉誘導体など)に比べて引裂強さの向上効果が高いため、両性澱粉の添加により紙支持体の引張強さ、伸びおよび引裂強さをいずれも向上させることができる。また、両性澱粉の添加量を0.4〜0.8重量%とすることで、添加量に比して効果的にパルプの強度を向上させることができ、低米坪で抄造しても強度等を高く維持することが可能となる。
前記パルプの長繊維化、粘状叩解によるマイクロフィブリル化、またはパルプスラリー流出速度とワイヤーの接線方向速度との比率の制御による繊維配向の等方位化は、いずれも低米坪で紙支持体を抄紙しても強度が下がるのを防止でき、低い透気度を得るための有効である。これらの手段を少なくとも1つ以上、好ましくは全て行うことで、紙支持体の強度等が向上し、低米坪で紙支持体を成形しても強度が低下することが無くなるので、実坪量を3〜6%下げることが可能となり、原料費のコストダウンが可能となる。
前記紙支持体は、パルプを用いてポーラス状に形成されることにより、JIS P−8117(1998年)に規定される透気度(透気抵抗度)が10〜25秒となる。透気度を10〜25秒にすることで、重袋を構成する重包装用クラフト紙から風送時の空気が抜け出れるようになり、風送で重袋が破袋したり、内容物が漏れ出て封緘部を汚すことが無くなる。
本発明の重包装用クラフト紙の製造方法は、ダグラスチップを主原料にクラフト法で蒸解し、未晒クラフトパルプを得た後、この未晒クラフトパルプをリファイニング(叩解)してパルプスラリーを得る。なお、このパルプスラリーには未晒クラフトパルプ以外のパルプを添加しても良い。
前記リファイニング(叩解)は、粘状叩解プレートを用いた粘状叩解を行う工程であり、仕上がりのフリーネスが600〜680mlとなるまで叩解を行う。また、リファイニングに供給されるパルプスラリー濃度は4〜4.2重量%と、通常のパルプスラリー濃度3.5重量%より高くするのが好ましい。パルプスラリー濃度を高くすることで、平均繊維とフリーネスを本発明の範囲にするのが、容易となり、強度を維持することができる。
前記リファイニング後のパルプスラリーは、乾燥紙力剤として両性澱粉をパルプ絶乾重量当たり0.4〜0.8重量%になるように内添し、他の添加剤(硫酸バンド、染料、サイズ剤、填料、歩留まり向上剤、ピッチコントロール剤またはスライムコントロール剤など)を適宜加えて抄紙工程に送る。なお、乾燥紙力剤等の内添はファンポンプ前に直接行
っても良く、必ずしも調整タンク等で行う必要はない。
前記抄紙工程では、縦方向と横方向との繊維配向性を揃えるために、ストックインレットの流出速度をワイヤーの接線方向速度の102〜106%に調整するのが好ましい。この調整により、紙匹の縦方向の繊維配向性に対する横方向の繊維配向性が均一となり、微視的にパルプ繊維が等方位的に抄合され、地合が良好な紙匹を得ることが可能となる。
前記抄紙工程で形成された紙匹は、プレス工程で力学的に脱水される。
ロールとロールの隙間でプレスされるロールプレスの場合は、ニップ圧は、通常のクラフト紙では150〜250kN/mmであるが、本発明においては100〜150kN/mm、より好ましくは100〜130kN/mmとするのが良い。通常のクラフト紙の製造条件より低いニップ圧で脱水を行うことで、紙匹には通常のクラフト紙より多くの水分が含有されるようになり、含水量が多い状態で乾燥することで水分が抜けた部分が空隙となり、透気度を低くすることができる。
加圧シューでプレスされるシュープレスの場合は、ニップ圧は、通常のクラフト紙では700〜1000kN/mmであるが、本発明においては400〜600kN/mm、より好ましくは400〜500kN/mmとするのが良い。通常のクラフト紙の製造条件より低いニップ圧で脱水を行うことで、紙匹には通常のクラフト紙より多くの水分が含有されるようになり、含水量が多い状態で乾燥することで水分が抜けた部分が空隙となり、透気度を低くすることができる。
[実施例]
本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
ダグラスファーおよびアカシアを原木とする未晒クラフトパルプを、粘状叩解プレートおよび通常の遊離状叩解用プレートを用いて叩解し、叩解後に乾燥紙力剤を添加してパルプスラリーを調整した。この乾燥紙力剤としては両性澱粉(日本NSC株式会社製、「CATO3212」)およびPAM(星光PMC株式会社製、「DS4336」)を用い、調整後のパルプスラリーを長網多筒抄紙機で坪量75.5g/m2に抄紙して紙支持体を得た。
このようにして得られた紙支持体をJIS P−8220に規定されたパルプ離解方法において、標準離解機で離解して、JIS P−8121(1995年)に規定される方法に従い離解フリーネスを、カヤニ社製試験機FS−200により重量平均繊維長を測定した。
また、紙支持体はJIS P−8171(1998年)のガーレ試験方法に従って透気度(透気抵抗度)をそれぞれ測定し、さらにJIS P−8116(2000年)のエルメンドルフ形引裂試験機法に従って引裂強さを、JIS P−8113(1998年)の引張特性の試験方法に従って引張強さを、JIS P−8113(1998年)の引張特性の試験方法に従って伸び(引張破断伸び)を、紙支持体の縦方向と横方向とでそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004718153
表1の性能評価は、縦方向の引張強さについては、5.0kN/m以上の場合を◎、4.7kN/m以上5.0kN/m未満の場合を○、4.5kN/m以上4.7kN/m未満の場合を△、4.5kN/m未満の場合を×と評価した。横方向の引張強さについては、2.5kN/m以上の場合を◎、2.4kN/m以上2.5kN/m未満の場合を○、2.2kN/m以上2.4kN/m未満の場合を△、2.2kN/m未満の場合を×と評価した。
また、縦方向の伸びについては、2.2%以上の場合を◎、2.1%以上2.2%未満の場合を○、2.0%以上2.1%未満の場合を△、2.0%未満の場合を×と評価した。横方向の伸びについては、4.4%以上の場合を◎、4.2%以上4.4%未満の場合を○、4.0%以上4.2%未満の場合を△、4.0%未満の場合を×と評価した。
さらに、縦方向の引裂強さについては、910mN以上の場合を◎、830mN以上9
10mN未満の場合を○、760mN以上830mN未満の場合を△、760mN未満の場合を×と評価した。横方向の引裂強さについては、960mN以上の場合を◎、860mN以上960mN未満の場合を○、810mN以上860mN未満の場合を△、810mN未満の場合を×と評価した。
最後に、透気度については、10秒以上15秒未満の場合を◎、15秒以上25秒未満の場合を○、25秒以上30秒未満の場合を△、30秒以上の場合を×と評価した。以下に実施例及び比較例を詳説する。
実施例1は、パルプスラリー4.5重量%で重量平均繊維長2.3mmに粘状叩解し、両性澱粉を内添紙力剤として0.6重量%添加し、離解フリーネス600mlのクラフト紙を抄造したものである。
離解フリーネスが590mlの比較例1に比べると、引裂強さが縦方向および横方向とも優れており、このことから引裂強さを良好に保つには離解フリーネスを600ml以上とするのが好ましいことが分かる。
また、重量平均繊維長が2.1mmの比較例1との比較から、引裂強さを良好にするには重量平均繊維長が2.3mm以上ある方が良いことが分かる。
実施例2は、実施例1より離解フリーネスが640mlと大きくなっており、引裂強さは実施例1よりさらに良好になっている。このことから、引裂強さを良好にするには離解フリーネスを640ml以上とするのがより好ましいことが分かる。
実施例3は離解フリーネスが660mlであり、これより離解フリーネスが680mlと大きな実施例4では引張強さが実施例3よりやや低下していることから、引張強さと引裂強さとの双方を最も良好に満足するのは離解フリーネスを640〜660mlの範囲にするのが好ましいことが分かる。
実施例4は離解フリーネスが実施例の中で680mlと最も高く、これより離解フリーネスが高い比較例2よりは引張強さ、伸び、引裂強さが良好であるが、実施例3より引張強さは良くない。このことから、離解フリーネスは680ml以下にした方が、引張強さを良好に維持できることが分かる。
また、実施例4は両性澱粉の添加量が0.8重量%であり、両性澱粉の添加量が0.6重量%の実施例3との比較より、引張強さを良好にするには両性澱粉の添加量が0.8重量%超えない方が良いことが分かる。
さらに、実施例4は平均繊維長が2.6mmと、実施例3の平均繊維長の2.4mmより高く、引裂強さに優れている。また平均繊維長が2.3mmの実施例1より引裂強さに優れている。このことから、引張強さと引裂強さとの双方を強くするには、平均繊維長を2.4mm以上とする必要があることが分かる。
実施例5は離解フリーネス、平均繊維長が等しい実施例3より叩解時のパルプスラリー濃度が4.0重量%と低く、引裂強さも実施例3ほど良くない。しかし、パルプスラリー濃度が3.8重量%とさらに低い比較例6より引裂強さは良好であり、このことから引裂強さを高くするには、パルプスラリー濃度を4.0ml以上にした方がよいことがわかる。
「比較例1」
離解フリーネスが590mlと低く平均繊維長も2.1mmと短い。このため引裂強さと透気度が良くない。
「比較例2」
離解フリーネスが690mlと高く平均繊維長も2.8mmと長い。このため引張強さと伸びとが良くない。
「比較例3」
内添紙力剤に両性澱粉を用いず、PAM(ポリアクリルアミド)を用いたものであり、両性澱粉を加えた実施例4より、引裂き強さが良くない。また離解フリーネスが590mlと低く平均繊維長も2.1mmと短いため、実施例1〜5より透気度が良くない。
「比較例4」
内添紙力剤にカチオン澱粉を用いたものであり、比較例3同様に引裂強さが良くなく、また離解フリーネスが590mlと低く平均繊維長も2.1mmと短いため、実施例1〜5より透気度が良くない。
「比較例5」
内添紙力剤を使用していないため、引張強さ、伸び及び引裂強さのいずれもが良くない。
「比較例6」
粘状叩解を行わず、通常のカッティング叩解を行ったものである。両性澱粉を用いているが、粘状叩解による引裂強さの向上効果がないので、引裂強さが低い。

Claims (4)

  1. 重量平均繊維長が2.3〜4.0mmであるクラフトパルプを用いて、JIS P−8220に規定されたパルプ離解方法で離解してJIS P−8121に規定される方法に従い測定した離解フリーネスが600〜680ml、引張強度が縦方向で4.5kN/m以上、横方向で2.2kN/m以上、引裂強度が縦方向で760mN以上、横方向で810mN以上、JIS P−8117に規定される透気度が10〜25秒となる紙支持体を形成していることを特徴とする重包装用クラフト紙。
  2. 前記紙支持体に、乾燥紙力剤として両性澱粉が0.4〜0.8重量%添加されていることを特徴とする請求項1に記載の重包装用クラフト紙。
  3. クラフトパルプをパルプスラリー濃度4.0〜4.5重量%で重量平均繊維長2.3〜4.0mmとなるように粘状叩解し、JIS P−8121に規定される方法に従い測定した離解フリーネスが600〜680ml、引張強度が縦方向で4.5kN/m以上、横方向で2.2kN/m以上、引裂強度が縦方向で760mN以上、横方向で810mN以上、JIS P−8117に規定される透気度が10〜25秒となるクラフト紙を抄紙することを特徴とする重包装用クラフト紙の製造方法。
  4. ストックインレットの流出速度がワイヤーの接線方向速度の102〜106%となるようにして抄紙を行い、
    前記抄紙で形成された紙匹に対して、ロールとロールの隙間でプレスするロールプレスの場合はニップ圧を100〜150kN/mmとして、または、加圧シューでプレスするシュープレスの場合はニップ圧を400〜600kN/mmとしてプレスを行って脱水することを特徴とする請求項3に記載の重包装用クラフト紙の製造方法。
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