JP4718061B2 - 液処理装置および液処理方法ならびに現像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板や半導体ウエハ等の基板に所定の液処理を施す液処理装置および液処理方法、ならびにこれらの基板に対してフォトリソグラフィー処理を施す際に用いられる現像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示ディスプレイ(LCD)や半導体デバイスのフォトリソグラフィー工程においては、一般的にスピンナ型と呼ばれる液処理装置を用いて、被処理基板であるLCD基板や半導体ウエハを面内でスピン回転させ、洗浄、レジスト塗布、現像等の処理が行われる。
【0003】
例えば、スピンナ型の現像処理装置では、基板を水平姿勢となるようにスピンチャックに保持して基板の表面に現像液を液盛りし、所定時間放置した後に基板に純水等のリンス液を供給するとともにスピンチャックを回転させて基板上の現像液とリンス液を基板から振り切り、さらにリンス液の供給を停止させた状態で基板を所定の回転数で回転させることで基板上のリンス液を振り切って、基板を乾燥するという一連の処理が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年では生産効率を向上させるために、LCD基板として一辺の長さが1mを超える大きさの基板が用いられるようになってきているために、このような大型の基板を高速で回転させて、現像液やリンス液をLCD基板から振り切るといった処理は、安全性の観点や基板に掛かる応力が大きくなる問題、基板を保持する方法や保持力の確保といった種々の問題を有している。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、基板を回転させることなく基板に対して所定の液処理を施す液処理装置および液処理方法を提供することを目的とする。また本発明は、このような液処理の一つである現像処理に適した現像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板に処理液を塗布する処理液供給ノズルと、前記基板に塗布された処理液が前記基板から流れ落ちるように前記保持手段を所定角度傾斜させる傾斜機構と、前記保持手段に保持された基板に乾燥気体を吐出して前記基板を乾燥させる気体吐出ノズルと、を具備し、基板に対する処理液の塗布、基板に塗布された処理液の除去、基板の乾燥の一連の処理を行う液処理装置であって、前記基板が前記保持手段に保持された状態で、この保持手段を、前記傾斜機構を用いて傾斜させることで、前記基板を回転させることなく前記一連の処理が行われることを特徴とする液処理装置、が提供される。
【0007】
本発明の第2の観点によれば、基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板に第1の処理液を塗布する第1処理液供給ノズルと、前記保持手段に保持された基板に第2の処理液を供給する第2処理液供給ノズルと、前記保持手段に保持された基板に乾燥気体を吐出して前記基板を乾燥させる気体吐出ノズルと、前記保持手段を所定角度傾斜させる傾斜機構と、前記第1の処理液の液盛りされた基板が前記傾斜機構によって前記基板の一方の端面または逆の端面が下方となるように第1の所定角度に傾けられた際に前記基板から流れ落ちる前記第1の処理液を回収する第1回収機構と、前記第1の処理液が流れ落ちた基板を前記傾斜機構によって前記第1の所定角度と同じ傾斜方向または逆の傾斜方向で第2の所定角度に傾けた状態で、前記基板に前記第2の処理液を所定量供給したときに前記基板から流れ落ちる前記第1の処理液を含む前記第2の処理液を回収する第2回収機構と、を具備し、基板に対する第1の処理液の塗布、基板に対する第2の処理液の供給、基板に塗布された第1の処理液の除去と回収、基板に供給された第2の処理液の回収、基板の乾燥の一連の処理を行う液処理装置であって、前記基板が前記保持手段に保持された実質的に移動しない状態で前記一連の処理が行われることを特徴とする液処理装置、が提供される。
【0008】
本発明の第3の観点によれば、基板を保持する保持手段に前記基板が保持された状態で、この保持手段を傾斜させることで、前記基板を回転させることなく前記基板に所定の液処理を施す液処理方法であって、基板を所定の保持手段に保持する第1工程と、前記保持手段に保持された基板に第1の処理液を塗布して所定時間保持する第2工程と、前記保持手段を所定角度に傾斜させて前記基板を傾斜姿勢に保持し、前記基板上の第1の処理液を流し出すとともに前記基板から流れ出した第1の処理液を回収する第3工程と、前記傾斜姿勢に保持された基板に第2の処理液を供給して前記基板から前記第1の処理液を前記第2の処理液によって洗い流すとともに、流れ出した第1の処理液と第2の処理液を回収する第4工程と、前記保持手段に保持された基板に乾燥気体を吐出して前記基板を乾燥させる第5工程と、を有することを特徴とする液処理方法、が提供される。
【0009】
本発明の第4の観点によれば、レジスト膜が形成されて露光処理の施された基板を実質的に移動しない状態で現像処理する現像処理装置であって、基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板に現像液を塗布する現像液塗布ノズルと、前記保持手段に保持された基板にリンス液を吐出するリンス液吐出ノズルと、前記保持手段に保持された基板に乾燥気体を吐出して前記基板を乾燥させる乾燥気体吐出ノズルと、前記保持手段を所定角度傾斜させる傾斜機構と、前記傾斜機構によって前記基板の一方の端面または逆の端面が下方となるように第1の所定角度に傾けられた基板から流れ落ちる高濃度の現像液を回収する第1の現像液回収機構と、前記現像液が流れ落ちた後の前記傾斜機構によって前記第1の所定角度と同じ傾斜方向または逆の傾斜方向で第2の所定角度に傾けられた基板へ前記リンス液を供給したときに前記基板から流れ落ちる低濃度の現像液を回収する第2の現像液回収機構と、前記傾斜機構によって前記第2の所定角度の傾斜方向と逆の傾斜方向で第3の所定角度に傾けられた基板へ前記リンス液を供給したときに前記基板から流れ落ちるリンス液を回収するリンス液回収機構と、を具備することを特徴とする現像処理装置、が提供される。
【0010】
このような本発明の液処理装置および現像処理装置によれば、基板を回転させることなく所定の液処理を行うことができるために安全性が高められる。また、基板を高速で回転させないために、基板に掛かる応力を低減して基板の品質を高く維持することができる。さらに、用いる処理液の種類に応じて基板の傾斜状態を変化させて使用された処理液を専用の回収手段によって回収することによって、処理液を効率的に利用することができる。
【0011】
大型基板の液処理においては、基板を略水平姿勢で一方向に所定の速度で搬送しながら、基板に処理液を塗布し、所定位置に到達したときに基板を傾斜姿勢に変換して基板上の処理液を流し出し、基板を傾斜姿勢に保持しながら所定速度で搬送しながら処理液を洗い流すためのリンス液を供給するといった、所謂、平流し処理も行われているが、このような方法では必然的にフットプリントが広くなる問題がある。しかし、本発明の液処理装置を用いれば、基板は実質的に移動しない状態で処理されるために、フットプリントを小さくすることが可能であり、これによってコンパクトな処理システムを実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ここでは、LCD基板に対して所定の現像処理を施す現像処理装置(現像処理ユニット)を具備し、LCD基板に対して洗浄から現像までの処理を一貫して行うことができるレジスト塗布・現像処理システム100を例に説明することとする。図1はこのレジスト塗布・現像処理システム100の構造を示す概略平面図である。
【0013】
レジスト塗布・現像処理システム100は、複数の基板Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション1と、基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理部2と、露光装置(図示せず)との間で基板Gの受け渡しを行うためのインターフェイス部3とを備えており、処理部2の両端にそれぞれカセットステーション1およびインターフェイス部3が配置されている。
【0014】
カセットステーション1は、カセットCと処理部2との間で基板Gの搬送を行うための搬送機構10を備えている。そして、カセットステーション1においてカセットCの搬入出が行われる。また、搬送機構10はカセットの配列方向に沿って設けられた搬送路10a上を移動可能な搬送アーム11を備え、この搬送アーム11によりカセットCと処理部2との間で基板Gの搬送が行われる。
【0015】
処理部2は、前段部2aと中段部2bと後段部2cとに分かれており、それぞれ中央に搬送路12・13・14を有し、これら搬送路の両側に各処理ユニットが配設されている。そして、これらの間には中継部15・16が設けられている。
【0016】
前段部2aは、搬送路12に沿って移動可能な主搬送装置17を備えており、搬送路12の一方側には、2つの洗浄ユニット(SCR)21a・21bが配置されており、搬送路12の他方側には紫外線照射ユニット(UV)と冷却ユニット(COL)とが2段に重ねられた処理ブロック25、加熱処理ユニット(HP)が2段に重ねられてなる処理ブロック26および冷却ユニット(COL)が2段に重ねられてなる処理ブロック27が配置されている。
【0017】
また、中段部2bは、搬送路13に沿って移動可能な主搬送装置18を備えており、搬送路13の一方側には、レジスト塗布処理ユニット(CT)22および基板Gの周縁部のレジストを除去する周縁レジスト除去ユニット(ER)23が一体的に設けられており、搬送路13の他方側には、加熱処理ユニット(HP)が2段に重ねられてなる処理ブロック28、加熱処理ユニット(HP)と冷却ユニット(COL)が上下に重ねられてなる処理ブロック29、およびアドヒージョン処理ユニット(AD)と冷却ユニット(COL)とが上下に重ねられてなる処理ブロック30が配置されている。
【0018】
さらに、後段部2cは、搬送路14に沿って移動可能な主搬送装置19を備えており、搬送路14の一方側には、3つの現像処理ユニット(DEV)24a・24b・24cが配置されており、搬送路14の他方側には加熱処理ユニット(HP)が2段に重ねられてなる処理ブロック31、およびともに加熱処理ユニット(HP)と冷却ユニット(COL)が上下に重ねられてなる処理ブロック32・33が配置されている。
【0019】
なお、処理部2は、搬送路を挟んで一方の側に洗浄ユニット(SCR)21a、レジスト塗布処理ユニット(CT)22、現像処理ユニット(DEV)24aのようなスピンナ系ユニットのみを配置しており、他方の側に加熱処理ユニット(HP)や冷却ユニット(COL)等の熱系処理ユニットのみを配置する構造となっている。
【0020】
また、中継部15・16のスピンナ系ユニット配置側の部分には、薬液供給ユニット34が配置されており、さらに主搬送装置17・18・19のメンテナンスを行うためのスペース35が設けられている。
【0021】
主搬送装置17・18・19は、それぞれ水平面内の2方向のX軸駆動機構、Y軸駆動機構、および垂直方向のZ軸駆動機構を備えており、さらにZ軸を中心に回転する回転駆動機構を備えており、それぞれ基板Gを支持するアームを有している。
【0022】
主搬送装置17は搬送アーム17aを有し、搬送機構10の搬送アーム11との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、前段部2aの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらには中継部15との間で基板Gの受け渡しを行う機能を有している。また、主搬送装置18は搬送アーム18aを有し、中継部15との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、中段部2bの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらには中継部16との間の基板Gの受け渡しを行う機能を有している。さらに、主搬送装置19は搬送アーム19aを有し、中継部16との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、後段部2cの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらにはインターフェイス部3との間の基板Gの受け渡しを行う機能を有している。なお、中継部15・16は冷却プレートとしても機能する。
【0023】
インターフェイス部3は、処理部2との間で基板Gを受け渡しする際に一時的に基板Gを保持するエクステンション36と、さらにその両側に設けられた、バッファカセットを配置する2つのバッファステージ37と、これらと露光装置(図示せず)との間の基板Gの搬入出を行う搬送機構38とを備えている。搬送機構38はエクステンション36およびバッファステージ37の配列方向に沿って設けられた搬送路38a上を移動可能な搬送アーム39を備え、この搬送アーム39により処理部2と露光装置との間で基板Gの搬送が行われる。
【0024】
このように各処理ユニットを集約して一体化することにより、省スペース化および処理の効率化を図ることができる。
【0025】
このように構成されたレジスト塗布・現像処理システム100においては、カセットC内の基板Gが処理部2に搬送され、処理部2では、まず前段部2aの処理ブロック25の紫外線照射ユニット(UV)で表面改質・洗浄処理が行われ、冷却ユニット(COL)で冷却された後、洗浄ユニット(SCR)21a・21bでスクラブ洗浄が施され、処理ブロック26のいずれかの加熱処理ユニット(HP)で加熱乾燥された後、処理ブロック27のいずれかの冷却ユニット(COL)で冷却される。
【0026】
その後、基板Gは中段部2bに搬送され、レジストの定着性を高めるために、処理ブロック30の上段のアドヒージョン処理ユニット(AD)にて疎水化処理(HMDS処理)され、下段の冷却ユニット(COL)で冷却後、レジスト塗布処理ユニット(CT)22でレジストが塗布され、周縁レジスト除去ユニット(ER)23で基板Gの周縁の余分なレジストが除去される。その後、基板Gは、中段部2bの中の加熱処理ユニット(HP)の1つでプリベーク処理され、処理ブロック29または30の下段の冷却ユニット(COL)で冷却される。
【0027】
その後、基板Gは中継部16から主搬送装置19にてインターフェイス部3を介して露光装置に搬送され、そこで所定のパターンが露光される。そして、基板Gは再びインターフェイス部3を介して搬入され、必要に応じて後段部2cの処理ブロック31・32・33のいずれかの加熱処理ユニット(HP)でポストエクスポージャーベーク処理を施した後、現像処理ユニット(DEV)24a・24b・24cのいずれかで現像処理され、所定の回路パターンが形成される。現像処理された基板Gは、後段部2cのいずれかの加熱処理ユニット(HP)にてポストベーク処理が施された後、いずれかの冷却ユニット(COL)にて冷却され、主搬送装置19・18・17および搬送機構10によってカセットステーション1上の所定のカセットに収容される。
【0028】
次に、現像処理ユニット(DEV)24の構造について説明する。図2(a)は現像処理ユニット(DEV)24の概略平面図、図2(b)は現像処理ユニット(DEV)24の概略断面図である。現像処理ユニット(DEV)24は、筐体65の内部に、LCD基板Gを保持する保持プレート41と、保持プレート41を所定角度傾斜させる角度調整ピン45a・45bと、保持プレート41に保持されたLCD基板Gに現像液を塗布する現像ノズル46と、保持プレート41を所定角度に傾斜させた際にLCD基板Gから流れ落ちる高濃度の現像液を回収する第1トレー42aと、現像液が流れ落ちた後にLCD基板Gにリンス液を吐出するリンスノズル47と、リンス液によってLCD基板Gから流れ落ちる低濃度の現像液を回収する第2トレー43aと、現像液を殆ど含まないリンス液を回収する第3トレー44aと、リンス処理の終了したLCD基板Gを乾燥させる空気等をLCD基板Gに吹き付けるエアーナイフ48とが設けられた構造を有している。
【0029】
保持プレート41を貫通するように昇降自在な昇降ピン49が設けられており、この昇降ピン49は搬送アーム19aとの間でLCD基板Gの受け渡しを行う。例えば、LCD基板Gを保持した搬送アーム19aが現像処理ユニット(DEV)24内に進入した状態で昇降ピン49を上昇させると、昇降ピン49がLCD基板Gを搬送アーム19aの上方に持ち上げる。この状態で搬送アーム19aを現像処理ユニット(DEV)24から退出させ、続いて昇降ピン49を降下させれば、LCD基板Gは保持プレート41に載置される。
【0030】
保持プレート41の表面には、LCD基板Gの裏面に当接する図示しない保持ピンが、LCD基板Gができるだけ撓まないように所定の位置に設けられている。このためにLCD基板Gは保持プレート41の表面には直接に載置されず、保持プレート41の表面から所定の高さの位置で保持される。
【0031】
角度調整ピン45a・45bはそれぞれ独立して昇降させることができるようになっている。このために、例えば、昇降ピン49の先端が保持プレート41の裏面よりも下側に位置するように昇降ピン49を保持プレート41から抜いた状態で、角度調整ピン45bを所定距離降下させるかまたは一定高さに保持し、かつ、角度調整ピン45aを所定距離上昇させることで、保持プレート41の第1トレー42a側が低くなるように保持プレート41を傾斜させることができる。
【0032】
また、角度調整ピン45a・45bは図示しないスライド機構によって一体的に矢印Sの方向にスライド可能となっている。つまり保持プレート41を矢印Sの方向にスライドさせることができるようになっている。これにより、角度調整ピン45a・45bによって所定の角度に傾けられた保持プレート41に保持されたLCD基板Gから流れ落ちる現像液やリンス液を、その種類に応じて所定のトレーに回収することができるようになっている。
【0033】
なお、保持プレート41の大きさはLCD基板Gよりも少し小さく、保持プレート41の外周の所定位置には、LCD基板Gを位置決めし、かつ、保持プレート41を傾斜させたときにLCD基板Gが保持プレート41から滑り落ちることを防止するガイド41aが設けられている。
【0034】
現像ノズル46は一方向に長い形状を有し、その長手方向がLCD基板Gの第1トレー42a側の一辺と平行になるように配置され、現像液を略帯状に略垂直に吐出する。現像ノズル46には、現像液を貯留したタンクや現像液を送液するポンプ等を有する現像液供給機構51から所定のタイミングで現像液が送液される。また、現像ノズル46は昇降/スライド機構54によってLCD基板Gの表面とノズル下端との距離を調整することができ、また、LCD基板G上を現像ノズル46の長手方向に垂直かつ水平方向にスキャンさせることができるようになっている。
【0035】
現像ノズル46から現像液を吐出させながら現像ノズル46をLCD基板Gの一端から他端へスライドさせることで、LCD基板G上に現像液が液盛りされ、パドルが形成される。現像ノズル46の不使用時の退避位置は、第2トレー43aの外側(保持プレート41から離れた位置であって図2(a)の点線位置)に設けられており、この場所において、現像ノズル46の先端部等の洗浄処理を行うことができるようになっている。
【0036】
リンスノズル47もまた一方向に長い形状を有し、その長手方向がLCD基板Gの第2トレー43a側の一辺と平行となるように配置され、現像液を洗い流す純水等のリンス液をスプレー状かつ略帯状に略垂直に吐出する。リンスノズル47からは、超音波が印加されたリンス液や、高圧エアーによって吐出圧力が高められたリンス液を吐出させることも好ましい。
【0037】
リンスノズル47には、リンス液を貯留したタンクやリンス液を送液するポンプ等を有するリンス液供給機構52から所定のタイミングでリンス液が送液される。後述するように、リンス液のLCD基板Gへの吐出はLCD基板Gを所定の角度に傾斜させてた状態で行われるために、リンスノズル47は昇降/スライド機構55によってLCD基板Gの表面とノズル下端との距離を調整することができ、また、LCD基板Gの表面に沿ってLCD基板Gとの距離を一定に保ちつつスキャンさせることができるようになっている。
【0038】
エアーナイフ48もまた一方向に長い形状を有し、その長手方向がLCD基板Gの第3トレー44a側の一辺と平行となるように配置され、フィルタを通した清浄な空気を略帯状に吐出する。エアーナイフ48にはコンプレッサやパーティクル除去用のフィルタ等を有するエアー供給機構53から所定のタイミングで乾燥したエアーが送風される。後述するように、エアーナイフ48によるLCD基板Gの乾燥処理は、LCD基板Gを水平姿勢に保持した状態と所定角度の傾斜姿勢に保持した状態のいずれの状態でも行うことができる。このために、エアーナイフ48は昇降/スライド機構55によってLCD基板Gの表面とノズル下端との距離を調整することができ、また、LCD基板Gの表面に沿ってスキャンさせることができ、さらに、空気の吐出角度を変化させることができるようにエアーナイフ48自体をその長手方向を軸として所定角度傾斜させることができるようになっている。
【0039】
なお、図2(a)に示すように、エアーナイフ48はリンスノズル47の外側(保持プレート41から離れた位置)に待機位置が設けられているが、エアーナイフ48はリンスノズル47を追い越して移動することができるようになっている。また、エアーナイフ48からエアーをLCD基板Gに吐出した際には、リンス液のミストが現像処理ユニット(DEV)24内に拡散するが、このようなミストは、筐体65の底面に設けられた排気口64から排出されるようになっている。
【0040】
第1トレー42aの底部にはドレイン61が設けられ、また第1トレー42aの上面開口部は蓋体42bによって開閉自在となっている。現像液が液盛りされたLCD基板Gを所定角度に傾斜させた際に、LCD基板Gから流れ落ちる現像液は第1トレー42aに流れ込み、ドレイン61を介して回収される。こうして回収された現像液は再生して再利用に供する。
【0041】
第2トレー43aの底部にはドレイン62が設けられ、また第2トレー43aの上面開口部は蓋体43bによって開閉自在となっている。LCD基板Gを所定角度に傾斜させてLCD基板G上に液盛りされた現像液を第1トレー42aを用いて回収した後に、LCD基板Gを所定角度に傾斜させた状態でリンス液をLCD基板Gに吐出すると、LCD基板Gから現像液濃度が低下した現像液がLCD基板Gから流れ落ちて第2トレー43aに流れ込み、ドレイン62を通じて所定のルートを経て廃棄される。後述するように、第2トレー43aから低濃度の現像液を回収する際には、保持プレート41の位置を第2トレー43a側へ所定距離スライドさせる。
【0042】
第3トレー44aは保持プレート41を挟んで第1トレー42aの反対側に設けられており、底部にはドレイン63が形成され、上面開口部は蓋体44bによって開閉自在となっている。低濃度の現像液を第2トレー43aを用いて回収した後にLCD基板Gの傾きを逆にして保持プレート41の水平方向位置を元の位置に戻して、この状態でLCD基板Gにリンス液を吐出すると、LCD基板Gから流れ落ちる現像液を殆ど含まないリンス液が第3トレー44aに流れ込んで、ドレイン63を通じて回収される。ここで回収されたリンス液は、例えば、LCD基板G上に液盛りされた現像液が流れ落ちた後の最初のリンス処理に供することができる。
【0043】
次に、現像処理ユニット(DEV)24における現像処理方法の一実施形態について説明する。図3は現像処理方法を示すフローチャートであり、図4は図3に示したステップ2〜ステップ8の工程を簡略に図示した説明図であり、図5はステップ9の工程を簡略に示した説明図である。最初に、搬送アーム19aによって露光処理が終了したLCD基板Gを現像処理ユニット(DEV)24内へ搬入し、昇降ピン49を上昇させてLCD基板Gを搬送アーム19aから昇降ピン49へ移し替え、次に搬送アーム19aを現像処理ユニット(DEV)24から退出させて昇降ピン49を降下させることによって、LCD基板Gを保持プレート41に載置する(ステップ1)。
【0044】
現像ノズル46を退避位置からLCD基板GのA2側端面(図4参照)へ移動させ、現像ノズル46から現像液を吐出させながら略水平状態に保持されたLCD基板GのA2側端面からA1側端面(図4参照)へ向けて、現像ノズル46をスキャンさせて、LCD基板G上に現像液を液盛りし、パドルを形成する(ステップ2)。この現像ノズル46のスキャンによる液盛りは複数回行ってもよい。その後、現像反応を進行させるために所定時間放置する(ステップ3)。
【0045】
このステップ2の開始からステップ3の終了に至る間は、少なくとも第3トレー44aには現像液が入り込まないように、第3トレー44aの上面開口部を蓋体44bによって閉塞する。第1トレー42aは上面を開口しておけば、LCD基板Gから流れ落ちる濃度の高い現像液の一部を回収することができる。第2トレー43aが設けられている位置は、LCD基板Gの端面よりも離れているので、通常、ステップ2とステップ3においてLCD基板Gから流れ落ちる現像液が第2トレー43aへ流れ込むことはない。
【0046】
ステップ3の所定時間が経過したら、第1トレー42aの上面が開口され、かつ、第2トレー43aの上面が蓋体43bによって閉塞された状態として、LCD基板G上に液盛りされた現像液が第1トレー42aへ流れ込むように、例えば、角度調整ピン45aを所定距離上昇させると同時に角度調整ピン45bを所定距離降下させてLCD基板GのA2側端面が下方となるように角度θ1だけ保持プレート41およびLCD基板Gを傾斜させる(ステップ4)。ここで、角度θ1は、所定時間内に現像液がLCD基板Gの表面の全面から流れ落ちるように設定される。これは、所定時間内にLCD基板Gの表面全面から現像液を液切りしないと、LCD基板G面内で現像時間に差が生じて、これが現像ムラの原因となる可能性があるからである。
【0047】
LCD基板Gから殆どの現像液が流れ落ちたら、保持プレート41の傾斜角度を緩やかにして(傾斜角度θ2<θ1)、蓋体42bによって第1トレー42aの上面を閉塞し、代わりに第2トレー43aの上面を開口させ、さらに保持プレート41を第2トレー43a側へ所定距離移動(A1側端面を位置B1へ、A2側端面を位置B2へ移動)させて、リンスノズル47を退避位置からLCD基板GのA1側端面へと移動させる(ステップ5)。なお、第2トレー43aが第1トレー42aと同じ側に配置されているので、LCD基板Gを現像液の液切り処理とリンス処理で同方向に傾ければよく、このために液切り処理時にLCD基板Gの傾斜下端に残った現像液が再度LCD基板G上に拡がることを防止できる。
【0048】
続いて、リンスノズル47からリンス液を吐出させながらLCD基板Gの表面に沿って移動させて、LCD基板Gの表面に残った現像液を洗い流す、いわゆる、リンス処理を行う(ステップ6)。このとき、LCD基板Gから流れ落ちる低濃度の現像液は、第2トレー43aに捕集されてドレイン62を通じて廃棄される。
【0049】
ステップ6の処理が終了したら、リンスノズル47をLCD基板Gの上方の所定位置に一時退避させ、角度調整ピン45aを所定距離降下させると同時に角度調整ピン45bを所定距離上昇させて保持プレート41の傾斜方向を逆にし(θ3=θ2)、第3トレー44aの上面を開口させて保持プレート41の水平方向の位置を元に戻し、第2トレー43aの上面を蓋体43bによって閉塞する(ステップ7)。
【0050】
リンスノズル47をLCD基板G上の所定位置に戻して、リンスノズル47からリンス液を吐出させながらLCD基板Gの表面に沿って移動させて、LCD基板Gの表面をさらに精密にリンス処理する(ステップ8)。このときLCD基板Gから流れ落ちるリンス液は第3トレー44aによって回収される。
【0051】
ステップ8の処理によってLCD基板G上の現像液がほぼ完全に除去された後には、LCD基板Gを乾燥させるためにリンスノズル47をLCD基板G上から退避させ、代わりにエアーナイフ48をLCD基板G上の所定位置に移動させた後に、エアーナイフ48から乾燥空気や乾燥窒素等の乾燥ガスを吐出させながら、LCD基板G上をスキャンさせる(ステップ9)。このLCD基板Gの乾燥方法としては、図5(a)に示すように、予めエアーナイフ48からは乾燥ガスがLCD基板Gに対して斜めにあたるようにしておいて、LCD基板Gを略水平姿勢に戻して、乾燥ガスがLCD基板G上に残ったリンス液を一方に押し出すように、エアーナイフ48をスキャンさせる方法がある。
【0052】
また、図5(b)に示すように、エアーナイフ48からは乾燥ガスが略垂直方向に吐出されるようにしておいて、LCD基板Gを所定角度傾斜させたままの状態に保持して、エアーナイフ48をLCD基板Gの上側端面から下側端面に向かってLCD基板G上をスキャンさせる方法を用いてもよい。ステップ9においては、LCD基板Gからリンス液がミスト化してLCD基板Gから飛散するが、このようなミストは主に排気口64から排出されるため、LCD基板Gに再付着することが抑制される。また、図5(b)に示した状態から、エアーナイフ48を基板Gの傾斜下方向に傾けた状態で乾燥ガスを吐出しながらスキャンさせてもよい。
【0053】
ステップ9の乾燥処理が終了したら、エアーナイフ48を退避位置へ移動させてLCD基板Gを略水平姿勢に保持し、昇降ピン49を上昇させてLCD基板Gを所定位置まで上昇させ、続いて搬送アーム19aを現像処理ユニット(DEV)24内へ進入させて昇降ピン49を降下させ、LCD基板Gを搬送アーム19aに受け渡し、搬送アーム19aを現像処理ユニット(DEV)24から退出させる(ステップ10)。こうして1枚のLCD基板Gの現像処理が終了する。
【0054】
このように、現像処理ユニット(DEV)24においては、LCD基板Gが実質的に移動しない状態で、一連の処理を行うことが可能であるために、フットプリントを小さくすることが可能である。
【0055】
ところで、大型のLCD基板Gの現像処理では、LCD基板Gを略水平姿勢で一方向に所定の速度で搬送しながら、現像液の塗布、現像液の液切り、リンス処理、乾燥処理を行う、所謂、平流し処理も行われているが、このような方法では必然的に現像処理装置のフットプリントが広くなる。そこで、LCD基板Gに対するレジスト膜の形成から現像に至る一連の処理を平流しで行うレジスト塗布・現像処理システムに、上記現像処理ユニット(DEV)24を搭載することによって、コンパクトなレジスト塗布・現像処理システムを実現することができる。
【0056】
以上、本発明を現像処理ユニット(DEV)に適用した実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、図6は保持プレート41を所定角度傾斜させる別の機構を示す説明図であり、モータ82等によって所定角度回転自在な枢軸81を保持プレート41の下部中央に取り付けることによって、保持プレート41の角度を自在に制御することが可能である。なお、モータ82は図示しない支持部材によって所定位置で保持され、枢軸81は、円柱部分がモータ82に取り付けられて、断面略半円形の棒状部分の平面部分が保持プレート41の裏面に接合されている。保持プレート41を安定に保持するために、枢軸81の断面略半円形の棒状部分が保持プレート41を支持する面積を拡げるために、枢軸81は固定部材83によって保持プレート41の裏面に固定されている。
【0057】
LCD基板Gの最初のリンス処理を行う際には、現像液およびリンス液を第2トレー43aを用いて捕集するために保持プレート41を水平方向に移動させたが、保持プレート41の位置を変えることなく第1トレー42aと第2トレー43aを水平方向にスライド移動させる構成としてもよい。保持プレート41の傾斜角度と第1トレー42aおよび第2トレー43aの配設位置を最適化することによって、保持プレート41または第1トレー42aおよび第2トレー43aのいずれをもをスライドさせることなく、現像液とリンス液を第1トレー42aまたは第2トレー43aから別個に捕集することも可能である。
【0058】
また、LCD基板Gを傾斜させた際に、LCD基板Gの下端を第1トレー42aと第2トレー43aに挿入可能なように、第1トレー42aおよび第2トレー43aを適宜配置することにより、さらに確実に現像液やリンス液を分別して回収することが可能である。さらに、第1トレー42aと第2トレー43aとを同じ側に配置したが、第1トレー42aを第3トレー44a側に設けてもよい。
【0059】
リンスノズル47やエアーナイフ48の配設数は1本に限定されず、2本以上設けてもよい。また、エアーナイフ48の長手方向を、LCD基板Gの第3トレー44a側の一辺に対して斜めに配置してもよく、この場合には、LCD基板Gの傾斜下側の角部での液切り性能を向上させることができる。
【0060】
また、第1トレー42a〜第3トレー44aの蓋体42b〜44bについては、所定角度回転させることで第1トレー42a〜第3トレー44aの上部を開閉する構造について示したが、蓋体42b〜44bとしては、水平方向にスライドすることによって第1トレー42a〜第3トレー44aの上部を開閉するものを用いることもできる。
【0061】
第1トレー42aと第2トレー43aとを入れ替えて配置し、最初にLCD基板Gを保持した保持プレート41をLCD基板Gが位置B1・B2間(図4参照)に位置するようにスライドさせ、次に現像液をLCD基板Gに液盛りして所定時間放置し、その場で保持プレート41を所定角度傾斜させて、LCD基板Gから現像液を液切りすることもできる。液切りしたLCD基板Gを元の位置に戻せば、リンス処理以降の処理を行うことができる。
【0062】
第1トレー42aと第2トレー43aとを入れ替えて配置した場合には、前述した角度θ1とθ2との関係が、θ1<θ2とする方が装置を小型化できる。しかし、できるだけ短い時間でLCD基板Gの全面から現像液を液切りする必要があることを考慮すると、θ1>θ2となるようにしてもよい。また、現像ノズル46を1度スキャンさせるだけでLCD基板Gの表面に現像液を液盛りする場合には、現像ノズル46を、LCD基板GのA1側端面(図4参照)からA2側端面へ向けて、つまり、現像液を回収する第1トレー42aを配置している側に向けて、スキャンさせてもよい。この場合には、LCD基板Gへの現像液の液盛りからLCD基板Gを傾斜させて液切りを終了するまでのLCD基板Gの面内での現像時間差を低減できる。
【0063】
本発明は現像処理ユニット(DEV)24に限定して適用されるものではなく、例えば、現像ノズル46に代えてロールブラシやディスクブラシを設けてLCD基板G上をスキャン可能な構成とすれば、スクラブ洗浄ユニット(SCR)21a・21bとして用いることも可能であり、この場合にも、洗浄処理の前半で使用された汚れた洗浄液と、後半で使用される汚れの少ない洗浄液とを分別して捕集することが可能である。本発明は、LCD基板の液処理に限定されず、半導体ウエハ等の他の基板の液処理にも適用することができる。
【0064】
【発明の効果】
上述の通り、本発明の液処理装置および現像処理装置によれば、基板を回転させることなく所定の液処理を行うことができるために、安全性が高められる。また、高速で基板を回転させないために、基板に掛かる応力を低減して基板の品質を高く維持することができる。さらに、処理液の種類に応じて基板の傾斜状態を変化させて、使用された処理液を専用の回収手段によって回収することによって、処理液を効率的に利用することができる。さらにまた、本発明の液処理装置を、大型の基板の液処理において用いられている、平流し型の処理システムに適用することによって、フットプリントの小さいコンパクトな処理システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液処理装置の一実施形態である現像処理ユニット(DEV)を有するレジスト塗布・現像処理システムの一実施形態を示す平面図。
【図2】現像処理ユニット(DEV)の一実施形態を示す概略平面図と概略断面図。
【図3】現像処理方法の一実施形態を示す説明図(フローチャート)。
【図4】図3に示すステップ2〜ステップ8の工程を簡略に図示する説明図。
【図5】図3に示すステップ9の工程を簡略に図示する説明図。
【図6】現像処理ユニット(DEV)に設けられた保持プレートを所定角度傾斜させる機構を示す説明図。
【符号の説明】
1;カセットステーション
2;処理部
3;インターフェイス部
41;保持プレート
42a;第1トレー
43a;第2トレー
44a;第3トレー
45a・45b;角度調整ピン
46;現像ノズル
47;リンスノズル
48;エアーナイフ
49;昇降ピン
61〜63;ドレイン
64;排気口
65;筐体
100;レジスト塗布・現像処理システム
G;LCD基板(被処理基板)
Claims (15)
- 基板を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された基板に処理液を塗布する処理液供給ノズルと、
前記基板に塗布された処理液が前記基板から流れ落ちるように前記保持手段を所定角度傾斜させる傾斜機構と、
前記保持手段に保持された基板に乾燥気体を吐出して前記基板を乾燥させる気体吐出ノズルと、
を具備し、
基板に対する処理液の塗布、基板に塗布された処理液の除去、基板の乾燥の一連の処理を行う液処理装置であって、
前記基板が前記保持手段に保持された状態で、この保持手段を、前記傾斜機構を用いて傾斜させることで、前記基板を回転させることなく前記一連の処理が行われることを特徴とする液処理装置。 - 前記処理液供給ノズルは、前記第1の処理液を略帯状に略垂直に吐出しながら、前記保持手段に保持された基板の表面に沿って水平方向にスキャン自在であることを特徴とする請求項1に記載の液処理装置。
- 基板を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された基板に第1の処理液を塗布する第1処理液供給ノズルと、
前記保持手段に保持された基板に第2の処理液を供給する第2処理液供給ノズルと、
前記保持手段に保持された基板に乾燥気体を吐出して前記基板を乾燥させる気体吐出ノズルと、
前記保持手段を所定角度傾斜させる傾斜機構と、
前記第1の処理液の液盛りされた基板が前記傾斜機構によって前記基板の一方の端面または逆の端面が下方となるように第1の所定角度に傾けられた際に前記基板から流れ落ちる前記第1の処理液を回収する第1回収機構と、
前記第1の処理液が流れ落ちた基板を前記傾斜機構によって前記第1の所定角度と同じ傾斜方向または逆の傾斜方向で第2の所定角度に傾けた状態で、前記基板に前記第2の処理液を所定量供給したときに前記基板から流れ落ちる前記第1の処理液を含む前記第2の処理液を回収する第2回収機構と、
を具備し、
基板に対する第1の処理液の塗布、基板に対する第2の処理液の供給、基板に塗布された第1の処理液の除去と回収、基板に供給された第2の処理液の回収、基板の乾燥の一連の処理を行う液処理装置であって、
前記基板が前記保持手段に保持された実質的に移動しない状態で前記一連の処理が行われることを特徴とする液処理装置。 - 前記第1回収機構は、
前記基板から流れ落ちる前記第1の処理液を捕集する第1のトレーと、
前記第1のトレーの上面を開閉自在であり、前記基板が前記第1の所定角度に傾けられる場合にのみ前記第1のトレーの上面を開口させる第1の蓋体と、
前記第1のトレーに設けられた第1のドレインと、
を有することを特徴とする請求項3に記載の液処理装置。 - 前記第2回収機構は、
前記基板から流れ落ちる前記第1の処理液を含む前記第2の処理液を捕集する第2のトレーと、
前記第2のトレーの上面を開閉自在であり、前記基板が前記第2の所定角度に傾けられる場合にのみ前記第2のトレーの上面を開口させる第2の蓋体と、
前記第2のトレーに設けられた第2のドレインと、
を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液処理装置。 - 前記傾斜機構によって前記第1の所定角度に傾けられた基板の表面と水平面とのなす角θ1と、前記第2の所定角度に傾けられた基板の表面と水平面とのなす角θ2とは、90度>θ1>θ2>0度の関係を満足することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の液処理装置。
- 前記第2の処理液による前記第1の処理液の洗い流し処理が施された基板を前記傾斜機構によって前記第2の所定角度の傾斜方向と逆の傾斜方向で第3の所定角度に傾けた状態で、さらに前記基板へ前記第2の処理液を供給したときに前記基板から流れ落ちる主に前記第2の処理液からなる処理液を回収する第3回収機構をさらに具備することを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の液処理装置。
- 前記傾斜機構は、前記第2の所定角度に傾けた状態で下方側となる端面が逆に上方側となるように前記基板を前記第3の所定角度に傾斜させることを特徴とする請求項7に記載の液処理装置。
- 前記第3回収機構は、
前記基板から流れ落ちる主に前記第2の処理液からなる処理液を捕集する第3のトレーと、
前記第3のトレーの上面を開閉自在であり、前記基板が前記第3の所定角度に傾けられる場合にのみ前記第3のトレーの上面を開口させる第3の蓋体と、
前記第3のトレーに設けられた第3のドレインと、
を有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の液処理装置。 - 前記第1処理液供給ノズルは、前記第1の処理液を略帯状に略垂直に吐出しながら、前記保持手段に保持された基板の表面に沿って水平方向にスキャン自在であることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の液処理装置。
- 前記第2処理液供給ノズルは、前記第1の処理液を略帯状かつスプレー状で略垂直に吐出しながら、前記保持手段および前記傾斜機構によって所定の傾斜姿勢で保持された基板の表面に沿ってスキャン自在であることを特徴とする請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の液処理装置。
- 前記気体吐出ノズルは、前記乾燥気体を略帯状に噴射しながら前記保持手段に保持された基板の表面に沿ってスキャン自在であることを特徴とする請求項3から請求項11のいずれか1項に記載の液処理装置。
- 基板を保持する保持手段に前記基板が保持された状態で、この保持手段を傾斜させることで、前記基板を回転させることなく前記基板に所定の液処理を施す液処理方法であって、
基板を所定の保持手段に保持する第1工程と、
前記保持手段に保持された基板に第1の処理液を塗布して所定時間保持する第2工程と、
前記保持手段を所定角度に傾斜させて前記基板を傾斜姿勢に保持し、前記基板上の第1の処理液を流し出すとともに前記基板から流れ出した第1の処理液を回収する第3工程と、
前記傾斜姿勢に保持された基板に第2の処理液を供給して前記基板から前記第1の処理液を前記第2の処理液によって洗い流すとともに、流れ出した第1の処理液と第2の処理液を回収する第4工程と、
前記保持手段に保持された基板に乾燥気体を吐出して前記基板を乾燥させる第5工程と、
を有することを特徴とする液処理方法。 - 前記第3工程における前記基板の傾斜角度を、前記第4工程における基板の傾斜角度よりも大きくすることを特徴とする請求項13に記載の液処理方法。
- レジスト膜が形成されて露光処理の施された基板を実質的に移動しない状態で現像処理する現像処理装置であって、
基板を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された基板に現像液を塗布する現像液塗布ノズルと、
前記保持手段に保持された基板にリンス液を吐出するリンス液吐出ノズルと、
前記保持手段に保持された基板に乾燥気体を吐出して前記基板を乾燥させる乾燥気体吐出ノズルと、
前記保持手段を所定角度傾斜させる傾斜機構と、
前記傾斜機構によって前記基板の一方の端面または逆の端面が下方となるように第1の所定角度に傾けられた基板から流れ落ちる高濃度の現像液を回収する第1の現像液回収機構と、
前記現像液が流れ落ちた後の前記傾斜機構によって前記第1の所定角度と同じ傾斜方向または逆の傾斜方向で第2の所定角度に傾けられた基板へ前記リンス液を供給したときに前記基板から流れ落ちる低濃度の現像液を回収する第2の現像液回収機構と、
前記傾斜機構によって前記第2の所定角度の傾斜方向と逆の傾斜方向で第3の所定角度に傾けられた基板へ前記リンス液を供給したときに前記基板から流れ落ちるリンス液を回収するリンス液回収機構と、
を具備することを特徴とする現像処理装置。
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