JP4716761B2 - マイクロストリップアンテナおよびこれを用いた無線システム - Google Patents

マイクロストリップアンテナおよびこれを用いた無線システム Download PDF

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Description

本発明は、マイクロストリップアンテナおよびこれを用いた無線システムに関し、詳しくは、多周波アンテナに関するもので、多周波通信システムなどの分野に応用されるマイクロストリップアンテナおよび無線システムに関するものである。
最近、通信技術の発達により、複数の周波数を1つのアンテナで送受信する要求が出てきている。基本的に周波数はアンテナサイズや材料特性の影響によって決まるため、通常は複数のアンテナが必要になる。
従来、1つのアンテナで複数の周波数を送受信するものとしては、例えば、特開 2003-283240号公報(特許文献1参照)に記載の『多周波共振積層バッチアンテナ』がある(図9参照)。これは、3つの周波数に対応した積層アンテナであり、3つのアンテナを積層することによってサイズを小さくし、あたかも1つのアンテナであるかのように構成して小型化している。
また、特開2003-152431号公報(特許文献2参照)に記載の『多周波平面アンテナ』(図10参照)は、各周波数に応じたアンテナサイズの枠をあらかじめ同心状に設けておき、周波数に応じて枠を切り換えるというものである。
しかしながら、特開 2003-283240号公報に記載のアンテナ(図9)は、積層しているため、製造プロセスが複雑になる可能性がある。一方の特開2003-152431号公報に記載のアンテナ(図10)は、給電点を複数用意しなければならないため、同軸給電を考えると狭い場所に複数の同軸を配線するのは製作上困難である。また、どちらも多周波対応は可能であるが、両方ともアンテナのパターンが一定であるため、あらかじめ決まっている周波数でしか使用できない、という問題がある。
そこで、本発明者および本出願人は、比較的製作が容易で、複数のアンテナを用意することなく、複数の周波数を選択することが可能となる多周波対応MSAを提案した(特願2005-019700号明細書および図面(特許文献3参照)(図8参照)。この提案では、MSA上に設けたスイッチ4を使い、アンテナ素子(給電パッチ1と駆動電極5と無給電パッチ3)間を電気的に接続し、励振長を変えることで周波数を可変できるようにしていた。この方法は、小型化が容易であり大変有効な手段である。ただし、スイッチ4のストロークがあまりとれないため、アンテナ電極とスイッチ4とのカップリングの影響が出るため、カップリングの影響を補正しなくてはならない。
特開2003-283240号公報 特開2003-152431号公報 特願2005-019700号明細書および図面
このように、従来の1つで複数の周波数を送受信可能なアンテナは、積層するものでは、製造プロセスが複雑になるという問題点があり、また、同心円のアンテナを重ねて複数個設置する多重アンテナでは、給電点が複数必要であり、狭い場所に複数の同軸を配線するのは製作上困難になるという問題点があり、さらに、アンテナのパターンが一定であるため、特定の周波数でしか使用できないという問題点があった。
(目的)
そこで、本発明の目的は、スイッチ電極の間を離すことができ、容量カップリングの影響を小さくでき、また、電極自体にスイッチ機能を持たせることで、専用のスイッチを不要にし、構造および製造プロセスが簡単で、多くの周波数を送受信することが可能なマイクロストリップアンテナおよびこれを用いた無線システムを提供することである。
本発明は、基板表面上に設けた給電点を含む給電素子と給電点を含まない無給電素子をスイッチにより電気的に接続または切断する(スイッチング)ことにより、送受信周波数を変えるマイクロストリップアンテナ(以下MSA)において、隣り合うアンテナ素子の表面の高さに段差を持たせ、アンテナ電極の一部を互いにオーバーラップし、基板表面の該オーバーラップした箇所に空間部を形成し、オーバーラップした部分を互いに離れる方向にたわませることにより、スイッチングのストロークを大きく取れ、容量カップリングの影響を極力小さくできるようにしたものである。
本発明によれば、下記のような効果を奏する。
請求項1の効果
隣り合うアンテナ素子の表面高さに段差を持たせているので、スイッチ電極の間を離すことができ、容量カップリングの影響を小さくでき、隣り合うアンテナ素子の電極の一部が互いにオーバーラップして、電極自体にスイッチ機能を持たせているので、専用のスイッチが不要になる。また、基板表面のオーバーラップした箇所に空間部を形成し、オーバーラップした部分を互いに離れる方向にたわませるようにしているので、スイッチングのストロークを大きく取れる。
請求項の効果
オーバーラップしている部分はバイメタル構造になっているので、加熱または冷却によってオーバーラップ部を互いに離れる方向に十分たわませることができ、容量カップリングの影響を小さくできる。
請求項の効果
バイメタル構造をしている部分の電極の層構成は2層以上であるので、加熱または冷却によってオーバーラップ部を互いに離れる方向に十分たわませることができ、容量カップリングの影響を小さくできる。
請求項の効果
隣り合うアンテナ素子の層構成は互いに逆の層構成であるので、加熱または冷却によってオーバーラップ部を互いに離れる方向に十分たわませることができ、容量カップリングの影響を小さくできる。
請求項の効果
アンテナ素子の電極部にヒータを設置しているので、ヒータによる加熱または冷却によってオーバーラップ部を互いに離れる方向に十分たわませることができ、容量カップリングの影響を小さくできる。
請求項の効果
アンテナ素子の電極部のヒータはオーバーラップ部またはその近傍に複数個別に設置されているので、個別のヒータによる加熱または冷却によってオーバーラップ部を個別に互いに離れる方向に十分たわませることができ、容量カップリングの影響を小さくできる。
請求項の効果
オーバーラップしている部分は圧電材を用いたモノモルフまたはバイモルフ構造になっているので、電気的な制御によってオーバーラップ部を互いに離れる方向に十分たわませることができ、容量カップリングの影響を小さくできる。
請求項の効果
オーバーラップしている部分は櫛歯状になっているので、犠牲層の除去が効率的に行なえる。
請求項の効果
請求項1〜のMSAを用いた、無線システムなので、小型で安価でシステムを組める。
図8は、本発明者および本出願人が先に提案した多周波対応MSAの構成図である。
本発明の基礎になるものであるため、アンテナの構成およびその機能を簡単に説明する。
図8(a)は平面図、図8(b)は図8(a)のA-A'断面図である。平面図では誘電体基板7と地板10は省略している。
基本となる給電素子1は、反対側に地板10を設けた誘電体基板7の表面に配置されている。給電素子1は給電点2が設けられ、ここから給電を受けるようになっている。この給電素子1で励振方向の長さに対応したMSAとして働くようになっている。給電素子1の横には、無給電素子3が配置され、給電はされておらず電気的に浮いている状態である。
給電素子1と無給電素子3の間には、両方の素子を電気的に接続するためのスイッチ板4が配置されている。スイッチ板4は駆動電極5を持ち、上部電極5aと下部電極5bの間の静電力によって引き合う力が発生し、静電力をコントロールすることにより、図8(b)の矢印の方向に動き、スイッチングできるようになっている。電極間は直接接触しないように絶縁体(図示省略)が設けられ、素子を直接電気的につなぐスイッチ板4の間にも、絶縁体が設けられ、絶縁されている。
スイッチ板4が下がり、給電素子1と無給電素子3がスイッチ板4を介して電気的に接続されると、MSAとしての周波数は、給電素子1とスイッチ板4と無給電素子3の励振方向の電気的な長さに対応した周波数になる。なお、給電点2の入力インピーダンスは、図示していない整合回路によって、常に最適なインピーダンスになるように調整されている。
このような構成により、複数のMSAを用意することなく、複数の周波数を選択することが可能となる。ただ、MSAとスイッチがOFFの時は、その空間を十分とれない場合も出てくるため、その場合には容量カップリングの影響で十分なOFF特性が取れない。
(実施例1)
そこで本発明では、隣り合うアンテナ素子の表面高さに段差を設け、アンテナ電極の一部を互いにオーバーラップし、オーバーラップした部分を互いに離れる方向にたわませることによりスイッチングのストロークを大きく取れ、容量カップリングの影響を極力小さくできるものである。
図1は、本発明の実施例1に係るMSAの構成図である。
図1(a)は平面図、図1(b),(c)は図1(a)のB-B'断面図である。平面図では、地板10は省略している。
基本となる給電素子1は反対側に地板10を設けた誘電体基板7の表面に配置されている。給電素子1は給電点2が設けられ、ここから給電を受けるようになっている。この給電素子1で励振方向の長さに対応したMSAとして働くようになっている。給電素子1の横には無給電素子3が配置され、この無給電素子3は給電はされておらず電気的に浮いている状態である。
なお、給電素子1と無給電素子3の表面には、段差6ができるように誘電体基板7を作製してある。ただし、無給電素子3aの高さは、給電素子1と同じである。
給電素子1および無給電素子3の電極は、電極材料8で作製されている。
給電素子1と無給電素子3の間には、両方の素子を電気的に接続するためのオーバーラップ部4が給電素子1と無給電素子3の間に配置されている。このオーバーラップ部4は、図1(b)の矢印の方向に動きスイッチングできるようになっている。つまり、図1(b)に示したように、互いに離れた状態のときがOFFで、図1(c)に示したように、互いに近づいて接触したときがONである。
ONのときのMSAとしての周波数は、給電素子1とオーバーラップ部4と無給電素子3の励振方向の電気的な長さに対応した周波数になる。なお、給電点の入力インピーダンスは、図示していない整合回路によって常に最適なインピーダンスになるように調整されている。
無給電素子3aと無給電素子3のオーバーラップ部も給電素子1と無給電素子3のオーバーラップ部と同様な関係にある。このような構成により、複数のMSAを用意することなく、複数の周波数を選択することが可能となる。また、オーバーラップ部4を互いに離れる方向にたわませるため、スイッチングのストロークを大きくとることができ、MSAとスイッチがOFFのときの、容量カップリングの影響の心配がなくなる。
図2(a)〜(f)は、本発明の実施例1の構成のMSAを作製するための作製プロセスの一例を示す図である。
まず、図2(a)に示すように、地板10を設けた誘電体基板7の表面に段差6を作製する。段差6の境目には、オーバーラップ部4の電極を逃がすための空間9を設ける。
次に、図2(b)に示すように、空間9に犠牲層9aを設け、基板全体の表面に電極材料8を堆積させる。
次に、図2(c)に示すように、オーバーラップ部4も含め、段差の低い部分の電極材料8のみを残し、他は除去する。
次に、図2(d)に示すように、犠牲層9bを設け、基板全体の表面に電極材料8を堆積させる。
次に、図2(e)に示すように、オーバーラップ部4も含め、段差の高い部分の電極材料8のみを残し、他は除去する。
最後に、図2(f)に示すように、犠牲層9aと犠牲層9bを除去する。
これにより、図2(f)に示すように、本発明の実施例1に係るMSAの基本部分が完成した。
(実施例2)
図3は、本発明の実施例3に係るMSAの側断面図である。
図1と構造はほぼ同じであり、基本となる給電素子1は、反対側に地板10を設けた誘電体基板7の表面に配置されている。給電素子1は給電点2が設けられ、ここから給電を受けるようになっている。この給電素子1で励振方向の長さに対応したMSAとして働くようになっている。給電素子1の横には無給電素子3が配置され、この無給電素子3は給電はされておらず電気的に浮いている状態である。なお、給電素子1と無給電素子3の表面に、段差6ができるように誘電体基板7を作製してある。
給電素子1と無給電素子3の間には、両方の素子を電気的に接続するためのオーバーラップ部4が、給電素子1と無給電素子3の間に配置されている。
このオーバーラップ部4は、図3の矢印の方向に動きスイッチングできるようになっている。
給電素子1および無給電素子3の電極は、電極材料11および電極材料12で構成されている(バイメタル構造)。電極材料11と電極材料12は互いの熱膨張係数の差を大きく取れる材料を選択している。
例えば、熱膨張係数の関係が電極材料11<電極材料12の場合は、通常(常温)オーバーラップ部4が互いに離れており(OFF状態)、加熱することにより、熱膨張係数の小さい電極材料11よりも熱膨張係数の大きい電極材料12のほうが伸びるため、ON状態にできる。このときの電極材料の製膜条件は、基板を加熱している状態で製膜すれば、常温に戻したときの熱応力によって、図3に示すような形状を容易に作ることができる。
ONのときのMSAとしての周波数は、給電素子1とオーバーラップ部4と無給電素子3の励振方向の電気的な長さに対応した周波数になる。なお、給電点の入力インピーダンスは、図示していない整合回路によって、常に最適なインピーダンスになるように調整されている。
このような構成により、複数のMSAを用意することなく、複数の周波数を選択することが可能となる。また、オーバーラップ部4を互いに離れる方向にたわませるため、スイッチングのストロークを大きくとることができ、MSAとスイッチがOFFのときの、容量カップリングの影響の心配がなくなる。
(実施例3)
図4は、本発明の実施例3に係るMSAの側断面構成図である。
図4に示すように、実施例3のMSAは、図1と構造とほぼ同じであり、図3の例のオーバーラップ部近傍にのみバイメタル構造を採用した例である。
基本となる給電素子1は、反対側に地板10を設けた誘電体基板7の表面に配置されている。給電素子1は給電点2が設けられ、ここから給電を受けるようになっている。この給電素子1で、励振方向の長さに対応したMSAとして働くようになっている。
給電素子1の横には無給電素子3が配置され、この無給電素子3は給電はされておらず電気的に浮いている状態である。なお、給電素子1と無給電素子3の表面に段差6ができるように、誘電体基板7を作製してある。
給電素子1と無給電素子3の間には、両方の素子を電気的に接続するためのオーバーラップ部4が給電素子1と無給電素子3の間に配置されている。
このオーバーラップ部4は、図4の矢印の方向に動きスイッチングできるようになっている。
給電素子1および無給電素子3の電極は、電極材料11および電極材料12のどちらか一方の材料で構成されている。電極材料11と電極材料12は互いの熱膨張係数の差を大きく取れる材料を選択している。本実施例のMSAでは、オーバーラップ部4近傍のみにバイメタル構造を採用している。
例えば、熱膨張係数の関係が電極材料11<電極材料12の場合は、通常(常温)オーバーラップ部4が互いに離れており(OFF状態)、加熱することにより、熱膨張係数の小さい電極材料11よりも熱膨張係数の大きい電極材料12のほうが伸びるため、ON状態にできる。このときの電極材料の製膜条件は、基板を加熱している状態で製膜すれば、常温に戻したときの熱応力によって、図4に示すような形状を容易に作ることができる。
ONのときのMSAとしての周波数は、給電素子1とオーバーラップ部4と無給電素子3の励振方向の電気的な長さに対応した周波数になる。なお、給電点2の入力インピーダンスは、図示していない整合回路によって、常に最適なインピーダンスになるように調整されている。
このような構成により、複数のMSAを用意することなく、複数の周波数を選択することが可能となる。また、オーバーラップ部4を互いに離れる方向にたわませるため、スイッチ板の移動ストロークを大きくとることができ、MSAとスイッチがOFFのときの、容量カップリングの影響の心配がなくなる。また、バイメタル構造がオーバーラップ部近傍なので、素子にかかる応力が小さくなり信頼性が上がる。
(実施例4)
図5は、本発明の実施例4に係るMSAの構成図である。
図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のB-B'断面図である。平面図では、地板10は省略している。
図5に示す構造は、図1に示す構造とほぼ同じであり、図3の例に個別のヒータ15を設けた例である。
基本となる給電素子1は、反対側に地板10を設けた誘電体基板7の表面に配置されている。給電素子1は給電点2が設けられ、ここから給電を受けるようになっている。この給電素子1で、励振方向の長さに対応したMSAとして働くようになっている。給電素子1の横には無給電素子3が配置され、この無給電素子3は給電はされておらず電気的に浮いている状態である。なお、給電素子1と無給電素子3の表面に段差6ができるように、誘電体基板7を作製してある。ただし、無給電素子3aの高さは、給電素子1と同じである。
給電素子1と無給電素子3の間には、両方の素子を電気的に接続するためのオーバーラップ部4が、給電素子1と無給電素子3の間に配置されている。
このオーバーラップ部4は、図5(b)の矢印の方向に動きスイッチングできるようになっている。
給電素子1および無給電素子3の電極は、電極材料11および電極材料12で構成されている(バイメタル構造)。電極材料11と電極材料12は互いの熱膨張係数の差を大きく取れる材料を選択している。また、オーバーラップ部4近傍には、個別の薄膜ヒータ15が設けられており、個別に加熱できるようになっている。
例えば、熱膨張係数の関係が電極材料11<電極材料12の場合は、通常(常温)オーバーラップ部4が互いに離れており(OFF状態)、加熱することにより、熱膨張係数の小さい電極材料11よりも熱膨張係数の大きい電極材料12の方が伸びるため、ON状態にできる。このときの電極材料の製膜条件は、基板を加熱している状態で製膜すれば、常温に戻したときの熱応力によって、図5(b)のような形状を容易に作ることができる。
ONのときのMSAとしての周波数は、給電素子1とオーバーラップ部4と無給電素子3の励振方向の電気的な長さに対応した周波数になる。なお、給電点の入力インピーダンスは、図示していない整合回路によって、常に最適なインピーダンスになるように調整されている。
このような構成により、複数のMSAを用意することなく、複数の周波数を選択することが可能となる。また、オーバーラップ部4を互いに離れる方向にたわませるため、スイッチングのストロークを大きくとることができ、MSAとスイッチがOFFのときの、容量カップリングの影響の心配がなくなる。
(実施例5)
図6は、本発明の実施例5に係るMSAの側断面構成図である。
図6に示す構造は、図1に示す構造とほぼ同じであり、図1の例のオーバーラップ部近傍に圧電材料を用いたユニモルフ構造を採用した例である。
基本となる給電素子1は、反対側に地板10を設けた誘電体基板7の表面に配置されている。給電素子1は給電点2が設けられ、ここから給電を受けるようになっている。この給電素子1で励振方向の長さに対応したMSAとして働くようになっている。給電素子1の横には無給電素子3が配置され、この無給電素子3は給電はされておらず電気的に浮いている状態である。なお、給電素子1と無給電素子3の表面に段差6ができるように、誘電体基板7を作製してある。
給電素子1と無給電素子3の間には、両方の素子を電気的に接続するためのオーバーラップ部4が、給電素子1と無給電素子3の間に配置されている。
このオーバーラップ部4は、図6の矢印の方向に動き、スイッチングできるようになっている。
給電素子1および無給電素子3の電極は、電極材料8で作製されている。オーバーラップ部4近傍の表面には、薄膜の圧電材料14が設けられている。
例えば、通常オーバーラップ部4が互いに離れている場合(OFF状態)、圧電材料が伸びるような電圧を圧電材料14にかけることにより、ON状態にできる。
ONのときのMSAとしての周波数は、給電素子1とオーバーラップ部4と無給電素子3の励振方向の電気的な長さに対応した周波数になる。なお、給電点2の入力インピーダンスは、図示していない整合回路によって常に最適なインピーダンスになるように調整されている。
このような構成により、複数のMSAを用意することなく、複数の周波数を選択することが可能となる。また、オーバーラップ部4を互いに離れる方向にたわませるため、スイッチングのストロークを大きくとることができ、MSAとスイッチがOFFのときの、容量カップリングの影響の心配がなくなる。また、ユニモルフ構造がオーバーラップ部4近傍なので、素子にかかる応力が小さくなり信頼性が上がる。
(実施例6)
図7は、本発明の実施例6に係るMSAの平面構成図である。
図7の構造は、図1の構造とほぼ同じであり、オーバーラップ部4がくし歯状になっている例である。
基本となる給電素子1は、反対側に地板10を設けた誘電体基板7の表面に配置されている。給電素子1は給電点2が設けられ、ここから給電を受けるようになっている。この給電素子1で励振方向の長さに対応したMSAとして働くようになっている。給電素子1の横には無給電素子3が配置され、この無給電素子3は給電はされておらず電気的に浮いている状態である。なお、給電素子1と無給電素子3の表面に段差6ができるように、誘電体基板を作製してある。ただし、無給電素子3aの高さは給電素子1と同じである。
給電素子1および無給電素子3の電極は、電極材料8で作製され、給電素子1と無給電素子3の間には、両方の素子を電気的に接続するためのオーバーラップ部4が給電素子1と無給電素子3の間にくし歯状に配置されている。このくし歯状のオーバーラップ部13はスイッチングできるようになっている。
ONのときのMSAとしての周波数は、給電素子1とくし状のオーバーラップ部13と無給電素子3の励振方向の電気的な長さに対応した周波数になる。なお、給電点2の入力インピーダンスは、図示していない整合回路によって常に最適なインピーダンスになるように調整されている。
このような構成により、複数のMSAを用意することなく、複数の周波数を選択することが可能となる。また、オーバーラップ部13を互いに離れる方向にたわませるため、スイッチングのストロークを大きくとることができ、MSAとスイッチがOFFのときの、容量カップリングの影響の心配がなくなる。また、オーバーラップ部13がくし歯状であるため、犠牲層の除去(エッチング等)も効率的に行なうことが可能になる。
以上、本発明の実施例について述べてきたが、給電点2は1つでなく、複数個存在してもかまわない。また、各実施例では、給電素子を1つとして例としたが、給電素子が複数個あっても何ら問題ない。さらに、無給電素子は必要に応じてGNDに落としたり浮かしたりしてもかまわない。
また、多周波対応として本発明の実施例を説明してきたが、多周波対応のみならず、他の機能の対応に用いてもなんら問題はない。さらに、各実施例で述べた形状、構造をいろいろ組み合わせても良いことはいうまでもない。
さらに、電極材料の熱膨張の関係が電極材料11>電極材料12であっても良いし、バイモルフ構造の圧電材料を使用した構造でも良いことはいうまでもない。
以上述べてきたように、本発明を使用することにより、比較的製作が容易で、複数のアンテナを用意することなく、複数の周波数を選択することが可能となる多周波対応MSA等を実現できる。さらに、MSAとスイッチがOFFのときの、容量カップリング等の影響の心配がなくなる。
本発明の実施例1に係るMSAの構造図である。 本発明の実施例1に係るMSAを製造するための製造工程を示す図である。 本発明の実施例2に係るMSAの側断面構造図である。 本発明の実施例3に係るMSAの側断面構造図である。 本発明の実施例4に係るMSAの平面および側断面の構造図である。 本発明の実施例5に係るMSAの側断面構造図(その1)である。 本発明の実施例6に係るMSA平面構造図である。 先に提案された特許文献3に係る平面および側断面の構造図である。 従来技術(特許文献1)に係る平面および側断面の構造図である。 従来技術(特許文献2)に係る平面および側面の構造図である。
符号の説明
1:給電素子(アンテナ電極)
2:給電点
2a:給電線
3:無給電素子(アンテナ電極)
3a:無給電素子(アンテナ電極)
4:オーバーラップ部
5:駆動電極
5a:上部電極
5b:下部電極
6:段差
7:誘電体基板
8:電極材料
9:空間
9a:犠牲層1
9b:犠牲層2
10:地板
11:電極材料1
12:電極材料2
13:くし歯状のオーバーラップ部
14:圧電材料
15:ヒータ

Claims (9)

  1. 複数の周波数を1つのアンテナで送受信するマイクロストリップアンテナであって、基板表面に配置された給電点を含む給電素子給電点を含まない無給電素子を、スイッチによって電気的に接続または切断することにより、送受信周波数を変えるマイクロストリップアンテナにおいて、
    隣り合う前記給電素子および前記無給電素子の表面の高さに段差を持たせ、該隣り合う前記給電素子および前記無給電素子の電極の一部を互いにオーバーラップさせるとともに、前記基板表面の前記オーバーラップさせた箇所に空間部を形成し、前記給電素子および無給電素子の前記オーバーラップしている電極部分を互いに離れる方向にたわませることができるようにしたことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  2. 請求項に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    オーバーラップしている前記部分は、バイメタル構造になっていることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  3. 請求項に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    前記バイメタル構造をしている部分の電極の層構成は、2層以上であることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  4. 請求項のいずれかに記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    隣り合う前記給電素子および無給電素子の層構成は、互いに逆の層構成であることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    前記給電素子の電極部に、ヒータを設置することを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  6. 請求項に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    前記給電素子の電極部のヒータは、オーバーラップ部またはその近傍に複数個別に設置されていることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  7. 請求項に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    オーバーラップしている前記部分は、圧電材を用いたモノモルフまたはバイモルフ構造になっていることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  8. 請求項に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    オーバーラップしている前記部分は、くし歯状になっていることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のマイクロストリップアンテナを用いたことを特徴とする無線システム。
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