JP4715020B2 - 偽造・改竄防止策を施した有価証券及びこの作成方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣、株券、商品券、宝くじ等の有価証券に施される潜像とホログラム画像とを組み合わることで、偽造・改竄防止及び真偽判定に有効な偽造・改竄防止パターンを設けた有価証券に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
偽造・改竄防止手段として、ホログラム画像を形成したシールを有価証券に貼り付けたり、視認する位置によって画像が表示される凹凸形状で作成されている潜像画像、複写機の解像度よりも小さいマイクロ文字や細紋を印刷したり、蛍光インキ、赤外吸収インキ、ＵＶインキ等用いて印刷する等各種の偽造・改竄防止方法が複合的に用いられている。
【０００３】
偽造・改竄防止及び真偽判定手段の１例として、ホログラム画像と潜像画像を組み合わせた有価証券として、図４に示すようにホログラム画像（２２）と潜像画像（２３）とが、それぞれ異なった位置に設けられている。
このホログラム画像（２２）と潜像画像（２３）とを設けることで、それぞれが単独で使用される場合に比較して一層偽造・改竄防止が困難となる。しかし、ホログラム画像エリア内に、すなわち、ホログラム画像と潜像画像を同一の場所に設けることによって、偽造・改竄防止がより困難になることは容易に想像される。
また、この両者を同一の場所に設けることで偽造・改竄防止に割かねばならない面積も減少する。従って、有価証券のデザイン上の制約が減少し、デザインの自由度が増すことも可能である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記の様な効果を実現するためになされたものである。すなわち、ホログラム画像と潜像画像を同一場所に設け、この両者の画像が互いに干渉することなく分離して視認でき、且つ、偽造・改竄防止効果が高く、真偽判断が容易な有価証券を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項１に記載の発明は、ホログラム画像を備え、該ホログラム画像エリア内にホログラム画像の再現性を妨げない程度の浅く緩やかな凹凸形状で視認する角度に依存して潜像画像が表示される潜像画像パターンが設けられ、前記凹凸形状が、高低差が１０〜４０μｍ、ピッチが０．１〜０．５ｍｍであることを特徴とする偽造・改竄防止策を施した有価証券である。
【０００６】
また請求項２に記載の発明は、有価証券の基材に視認する角度に依存して潜像画像が表示される凹凸形状を高低差が１０〜４０μｍ、ピッチが０．１〜０．５ｍｍの範囲で形成後、ホログラム画像が形成されているホログラム転写箔を潜像画像部に重なるように転写することを特徴とする偽造・改竄防止策を施した有価証券の作成方法である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【０００９】
図１は、本発明の潜像画像とホログラム画像を同一の場所、すなわち、ホログラム画像エリア内に潜像画像を設けた有価証券を説明するものであり、（ａ）は有価証券の構成、（ｂ）は平面図、（ｃ）はＸ−Ｘ部の断面図である。
有価証券の基材（１１）に潜像画像（１３）パターンとして、図２に示すように「ＴＯＫＹＯ」という画像が見る角度に依存して画像が表示されたり、消えたりするように凸部（１３ａ）、凹部（１３ｂ）を交互に設けたものである。例えば、凹凸形状を上下方向にした場合、左右方向に傾けて視認すると「ＴＯＫＹＯ」パターンが視認されるようになる。この凹凸形状の方向は何も上下方向に限定されるものではなく斜め、水平方向であっても構わないが、ホログラム画像（１２）が視認される角度と、潜像画像（１３）が視認される角度とが一致しないように、すなわち、ホログラム画像（１２）の再現性を妨げない方向にすることが必要である。
【００１０】
図１のような有価証券は、上記のように紙のような有価証券基材（１１）に、金型でプレス、透明インキでグラビア印刷或いはスクリーン印刷等で、潜像画像の凹凸パターンを形成した後、ホログラムが形成されているホログラム転写箔をこの場所に転写することで作成される。
【００１１】
このように作成された有価証券のホログラム画像（１２）と潜像画像（１３）とが設けられた断面は、図１（ｃ）如く潜像画像（１３）を形成している凹凸形状に、非常に微細なホログラム画像（１２）が重なり合って形成されている。
従って、図３（ａ）に示すようにホログラム画像（１２）が鮮明に表示されている場合は、潜像画像は視認できなく、反対に、図３（ｂ）に示すように潜像画像（１３）が視認される場合はホログラム画像が視認されない。
【００１２】
このようにホログラム画像（１２）と潜像画像（１３）とが、互いに再現性を妨げないようにするには、潜像画像（１３）パターンが浅く緩やかな凹凸形状であることが肝要で、この凹凸形状の高低差が１０〜４０μｍ、好ましくは１５〜３０μｍ、ピッチが０．１〜０．５ｍｍである。
高低差が１０μｍより小さいと潜像画像が視認出来なく、４０μｍより大きいとホログラム画像の再現性が妨げられ鮮明さが損なわれる。ピッチが０．１ｍｍより小さい、又は０．５ｍｍ以上になると潜像画像の鮮明さが損なわれることになる。
【００１３】
【発明の効果】
ホログラム画像と潜像画像を同一場所に設け、この両者の画像が互いに干渉することなく分離して視認でき、且つ、偽造・改竄防止効果が高く、真偽判断が容易な有価証券を提供することができる。
また、ホログラム画像と潜像画像を同一の場所に設けることで偽造・改竄防止に割かねばならない面積も減少することで、有価証券のデザイン上の制約が減少し、デザインの自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の偽造・改竄防止策を施した有価証券を説明するものであり、（ａ）は作成する構成を示す斜視図、（ｂ）は平面図、（ｃ）はＸ−Ｘ部の断面図をそれぞれ示す。
【図２】潜像画像を説明する平面図である。
【図３】本発明の有価証券において、ホログラム画像と潜像画像とが、互いに分離して視認される状態を示し、（ａ）はホログラム画像が視認された状態を示す平面図、（ｂ）は潜像画像が視認された状態を示す平面図を、それぞれ示す。
【図４】従来のホログラム画像と潜像画像とが異なった位置に設けられた有価証券の平面図である。
【符号の説明】
１０…有価証券
１１…基材
１２…ホログラム画像
１３…潜像画像
１３ａ…凸部
１３ｂ…凹部
２０…有価証券
２２…ホログラム画像
２３…潜像画像
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣、株券、商品券、宝くじ等の有価証券に施される潜像とホログラム画像とを組み合わることで、偽造・改竄防止及び真偽判定に有効な偽造・改竄防止パターンを設けた有価証券に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
偽造・改竄防止手段として、ホログラム画像を形成したシールを有価証券に貼り付けたり、視認する位置によって画像が表示される凹凸形状で作成されている潜像画像、複写機の解像度よりも小さいマイクロ文字や細紋を印刷したり、蛍光インキ、赤外吸収インキ、ＵＶインキ等用いて印刷する等各種の偽造・改竄防止方法が複合的に用いられている。
【０００３】
偽造・改竄防止及び真偽判定手段の１例として、ホログラム画像と潜像画像を組み合わせた有価証券として、図４に示すようにホログラム画像（２２）と潜像画像（２３）とが、それぞれ異なった位置に設けられている。
このホログラム画像（２２）と潜像画像（２３）とを設けることで、それぞれが単独で使用される場合に比較して一層偽造・改竄防止が困難となる。しかし、ホログラム画像エリア内に、すなわち、ホログラム画像と潜像画像を同一の場所に設けることによって、偽造・改竄防止がより困難になることは容易に想像される。
また、この両者を同一の場所に設けることで偽造・改竄防止に割かねばならない面積も減少する。従って、有価証券のデザイン上の制約が減少し、デザインの自由度が増すことも可能である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記の様な効果を実現するためになされたものである。すなわち、ホログラム画像と潜像画像を同一場所に設け、この両者の画像が互いに干渉することなく分離して視認でき、且つ、偽造・改竄防止効果が高く、真偽判断が容易な有価証券を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項１に記載の発明は、ホログラム画像を備え、該ホログラム画像エリア内にホログラム画像の再現性を妨げない程度の浅く緩やかな凹凸形状で視認する角度に依存して潜像画像が表示される潜像画像パターンが設けられ、前記凹凸形状が、高低差が１０〜４０μｍ、ピッチが０．１〜０．５ｍｍであることを特徴とする偽造・改竄防止策を施した有価証券である。
【０００６】
また請求項２に記載の発明は、有価証券の基材に視認する角度に依存して潜像画像が表示される凹凸形状を高低差が１０〜４０μｍ、ピッチが０．１〜０．５ｍｍの範囲で形成後、ホログラム画像が形成されているホログラム転写箔を潜像画像部に重なるように転写することを特徴とする偽造・改竄防止策を施した有価証券の作成方法である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【０００９】
図１は、本発明の潜像画像とホログラム画像を同一の場所、すなわち、ホログラム画像エリア内に潜像画像を設けた有価証券を説明するものであり、（ａ）は有価証券の構成、（ｂ）は平面図、（ｃ）はＸ−Ｘ部の断面図である。
有価証券の基材（１１）に潜像画像（１３）パターンとして、図２に示すように「ＴＯＫＹＯ」という画像が見る角度に依存して画像が表示されたり、消えたりするように凸部（１３ａ）、凹部（１３ｂ）を交互に設けたものである。例えば、凹凸形状を上下方向にした場合、左右方向に傾けて視認すると「ＴＯＫＹＯ」パターンが視認されるようになる。この凹凸形状の方向は何も上下方向に限定されるものではなく斜め、水平方向であっても構わないが、ホログラム画像（１２）が視認される角度と、潜像画像（１３）が視認される角度とが一致しないように、すなわち、ホログラム画像（１２）の再現性を妨げない方向にすることが必要である。
【００１０】
図１のような有価証券は、上記のように紙のような有価証券基材（１１）に、金型でプレス、透明インキでグラビア印刷或いはスクリーン印刷等で、潜像画像の凹凸パターンを形成した後、ホログラムが形成されているホログラム転写箔をこの場所に転写することで作成される。
【００１１】
このように作成された有価証券のホログラム画像（１２）と潜像画像（１３）とが設けられた断面は、図１（ｃ）如く潜像画像（１３）を形成している凹凸形状に、非常に微細なホログラム画像（１２）が重なり合って形成されている。
従って、図３（ａ）に示すようにホログラム画像（１２）が鮮明に表示されている場合は、潜像画像は視認できなく、反対に、図３（ｂ）に示すように潜像画像（１３）が視認される場合はホログラム画像が視認されない。
【００１２】
このようにホログラム画像（１２）と潜像画像（１３）とが、互いに再現性を妨げないようにするには、潜像画像（１３）パターンが浅く緩やかな凹凸形状であることが肝要で、この凹凸形状の高低差が１０〜４０μｍ、好ましくは１５〜３０μｍ、ピッチが０．１〜０．５ｍｍである。
高低差が１０μｍより小さいと潜像画像が視認出来なく、４０μｍより大きいとホログラム画像の再現性が妨げられ鮮明さが損なわれる。ピッチが０．１ｍｍより小さい、又は０．５ｍｍ以上になると潜像画像の鮮明さが損なわれることになる。
【００１３】
【発明の効果】
ホログラム画像と潜像画像を同一場所に設け、この両者の画像が互いに干渉することなく分離して視認でき、且つ、偽造・改竄防止効果が高く、真偽判断が容易な有価証券を提供することができる。
また、ホログラム画像と潜像画像を同一の場所に設けることで偽造・改竄防止に割かねばならない面積も減少することで、有価証券のデザイン上の制約が減少し、デザインの自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の偽造・改竄防止策を施した有価証券を説明するものであり、（ａ）は作成する構成を示す斜視図、（ｂ）は平面図、（ｃ）はＸ−Ｘ部の断面図をそれぞれ示す。
【図２】潜像画像を説明する平面図である。
【図３】本発明の有価証券において、ホログラム画像と潜像画像とが、互いに分離して視認される状態を示し、（ａ）はホログラム画像が視認された状態を示す平面図、（ｂ）は潜像画像が視認された状態を示す平面図を、それぞれ示す。
【図４】従来のホログラム画像と潜像画像とが異なった位置に設けられた有価証券の平面図である。
【符号の説明】
１０…有価証券
１１…基材
１２…ホログラム画像
１３…潜像画像
１３ａ…凸部
１３ｂ…凹部
２０…有価証券
２２…ホログラム画像
２３…潜像画像
Claims (2)
- ホログラム画像を備え、該ホログラム画像エリア内にホログラム画像の再現性を妨げない程度の浅く緩やかな凹凸形状で視認する角度に依存して潜像画像が表示される潜像画像パターンが設けられ、前記凹凸形状が、高低差が１０〜４０μｍ、ピッチが０．１〜０．５ｍｍであることを特徴とする偽造・改竄防止策を施した有価証券。
- 有価証券の基材に視認する角度に依存して潜像画像が表示される凹凸形状を高低差が１０〜４０μｍ、ピッチが０．１〜０．５ｍｍの範囲で形成後、ホログラム画像が形成されているホログラム転写箔を潜像画像部に重なるように転写することを特徴とする偽造・改竄防止策を施した有価証券の作成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001127350A JP4715020B2 (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | 偽造・改竄防止策を施した有価証券及びこの作成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001127350A JP4715020B2 (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | 偽造・改竄防止策を施した有価証券及びこの作成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002321474A JP2002321474A (ja) | 2002-11-05 |
| JP4715020B2 true JP4715020B2 (ja) | 2011-07-06 |
Family
ID=18976228
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001127350A Expired - Lifetime JP4715020B2 (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | 偽造・改竄防止策を施した有価証券及びこの作成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4715020B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6191105B2 (ja) * | 2012-09-18 | 2017-09-06 | 大日本印刷株式会社 | トナー印刷物 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001039005A (ja) * | 1999-07-29 | 2001-02-13 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止策が施された有価証券印刷物 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2615401B2 (ja) * | 1992-06-04 | 1997-05-28 | 大蔵省印刷局長 | 偽造防止用潜像模様形成体及びその作製方法 |
-
2001
- 2001-04-25 JP JP2001127350A patent/JP4715020B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001039005A (ja) * | 1999-07-29 | 2001-02-13 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止策が施された有価証券印刷物 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2002321474A (ja) | 2002-11-05 |
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