JP4713134B2 - 光学活性アルキルフタリド類の製造方法 - Google Patents

光学活性アルキルフタリド類の製造方法 Download PDF

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本発明は、医薬品中間体、液晶材料又は香粧品として用いられる光学活性アルキルフタリド類の製造方法に関する。
光学活性ラクトン類を製造する方法としては、(i)光学活性な天然物を出発原料とする方法(非特許文献1)、(ii)γ−ケト酸の酵母による還元で合成する方法(非特許文献2)、(iii)ラセミ体を光学分割する方法(特許文献1)、(iv)γ−ケトエステルを光学活性ルテニウムホスフィン錯体で還元する方法(特許文献2)等が知られている。
しかしながら、上記(i)の天然物を出発原料とする方法は工程数が多く、操作も煩雑である。上記(ii)の微生物による方法では未だ高い光学純度のものが得られていない。上記(iii)の光学分割による方法では当量の光学活性体を必要とする他、分割効率が悪く、また上記(vi)の脂肪族のγ−ケトエステルでは光学純度が高いものを得られるものの芳香族環の隣に位置するケトンの水素化においては、未だ高い光学純度のものが得られていない等の問題点がある。
更に、光学活性ラクトン類の中でも光学活性アルキルフタリド類の合成方法については、これまでに報告はなされていない。
特開昭55−43053号公報 特開平4−108782号公報 Agric.Biol.Chem.、51、635(1987) Appl.Microbiol.、11、389(1963)
本発明の目的は、簡単で工程数が少なく、更に光学純度の良好な光学活性アルキルフタリド類を得ることのできる合成法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、中間体としてアルキリデンフタリド類を経由することにより、目的化合物を短工程且つ収率及び光学純度よく製造できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記一般式(3):
(式中、環Aは置換基を有していてもよい芳香族環を示し;X及びX’は各々独立にハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示す)
で表されるフタル酸誘導体を、下記一般式(4):
(式中、Yはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示し:lは2〜8の整数を示す)
で表されるマグネシム化合物と反応させて下記一般式(2):
(式中、環A及びlは前記と同義であり;波線は二重結合のシス体及び/又はトランス体であることを示す)
で表されるアルキリデンフタリド類を得、次いで不斉水素化することを特徴とする一般式(1):
(式中、環A及びlは前記と同義であり;*は不斉炭素原子を示す)
で表される光学活性アルキルフタリド類の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、下記一般式(3):
(式中、環Aは置換基を有していてもよい芳香族環を示し;X及びX’は各々独立にハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示す)
で表されるフタル酸誘導体を、下記一般式(4):
(式中、Yはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示し;lは2〜8の整数を示す)
で表されるマグネシム化合物と反応させることを特徴とする下記一般式(2):
(式中、環A及びlは前記と同義であり;波線は二重結合のシス体及び/又はトランス体であることを示す)
で表されるアルキリデンフタリド類の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、下記一般式(2):
(式中、環Aは置換基を有していてもよい芳香族環を示し;lは2〜8の整数を示し;波線は二重結合のシス体及び/又はトランス体であることを示す)
で表されるアルキリデンフタリド類を不斉水素化することを特徴とする一般式(1):
(式中、環A及びlは前記と同義であり;*は不斉炭素原子を示す)
で表される光学活性アルキルフタリド類の製造方法を提供するものである。
本発明は種々の医薬中間体、液晶材料又は香粧品として重要な光学活性アルキルフタリド類を、簡単に、工程数少なく、更に光学純度良く製造する方法であって、工業的に有利なものである。
本発明の光学活性アルキルフタリドを製造する方法は、以下に示される反応に従って行われる。
(式中、環Aは置換基を有していてもよい芳香族環を示し;X及びX’は各々独立にハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示し;Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示し;波線は二重結合のシス体及び/又はトランス体を示し;lは2〜8の整数を示し;*は不斉炭素原子を示す)
すなわち、フタル酸誘導体(3)とマグネシウム化合物(4)とを反応させてアルキリデンフタリド類(2)を得、次いで不斉水素化することによって光学活性アルキルフタリド類(1)が得られる。
本発明の一般式(3)のフタル酸誘導体、一般式(2)のアルキリデンフタリド類及び一般式(1)の光学活性アルキルフタリドにおける環Aは、置換基を有していてもよい芳香族環である。環Aの芳香族環の具体例としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナスレン環等の炭化水素系芳香族環;ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環等の複素系芳香族環;フェロセン環、チタノセン環等のメタロセン系芳香族環等が挙げられる。
ここで、置換基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基;フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、フェナンスリル基等のアリール基;ベンジル基、α−フェニルエチル基、β−フェニルエチル基、α−フェニルプロピル基、β−フェニルプロピル基、γ−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等の炭素数7〜13のアラルキル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル(2,3−ジメチル−2−ブチル)シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルヘキシルシリル基等のトリ−炭素数1〜6アルキルシリル基、ジメチルクミルシリル基等のジ−炭素数1〜6アルキル−炭素数6〜18アリールシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基等のジ−炭素数6〜18アリール−炭素数1〜6アルキルシリル基、トリフェニルシリル基等のトリ−炭素数6〜18アリールシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基等のトリ−炭素数7〜19アラルキルシリル基等のトリ置換オルガノシリル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基等が挙げられる。
好ましい環Aとしては、ベンゼン環が挙げられる。
本発明の一般式(3)のフタル酸誘導体において、X及びX’は各々独立にハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基である。
X及びX’の具体例としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、カンフィルスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、p−クロロフェニルスルホニルオキシ基、ナフチルスルホニルオキシ基等のアリールスルホニルオキシ基;トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリクロロメタンスルホニルオキシ基等のハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
本発明の一般式(4)のマグネシウム化合物において、Yはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基である。
Yの具体例としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、カンフィルスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、p−クロロフェニルスルホニルオキシ基、ナフチルスルホニルオキシ基等のアリールスルホニルオキシ基;トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリクロロメタンスルホニルオキシ基等のハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
一般式(4)のマグネシウム化合物としては、例えば、プロピルマグネシウムフロリド(n=1)、ブチルマグネシムフロリド(n=2)、ペンチルマグネシウムフロリド(n=3)、ヘキシルマグネシウムフロリド(n=4)、ヘプチルマグネシウムフロリド(n=5)、オクチルマグネシウムフロリド(n=6)、ノニルマグネシウムフロリド(n=7)、デシルマグネシウムフロリド(n=8);プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシムクロリド、ペンチルマグネシウムクロリド、ヘキシルマグネシウムクロリド、ヘプチルマグネシウムクロリド、オクチルマグネシウムクロリド、ノニルマグネシウムクロリド、デシルマグネシウムクロリド;プロピルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシムブロミド、ペンチルマグネシウムブロミド、ヘキシルマグネシウムブロミド、ヘプチルマグネシウムブロミド、オクチルマグネシウムブロミド、ノニルマグネシウムブロミド、デシルマグネシウムブロミド;プロピルマグネシウムヨージド、ブチルマグネシムクヨージド、ペンチルマグネシウムヨージド、ヘキシルマグネシウムヨージド、ヘプチルマグネシウムヨージド、オクチルマグネシウムヨージド、ノニルマグネシウムヨージド、デシルマグネシウムヨージド;プロピルマグネシウムメタンスルホナート、ブチルマグネシムメタンスルホナート、ペンチルマグネシウムメタンスルホナート、ヘキシルマグネシウムメタンスルホナート、ヘプチルマグネシウムメタンスルホナート、オクチルマグネシウムメタンスルホナート、ノニルマグネシウムメタンスルホナート、デシルマグネシウムメタンスルホナート;プロピルマグネシウムベンゼンスルホナート、ブチルマグネシムベンゼンスルホナート、ペンチルマグネシウムベンゼンスルホナート、ヘキシルマグネシウムベンゼンスルホナート、ヘプチルマグネシウムベンゼンスルホナート、オクチルマグネシウムベンゼンスルホナート、ノニルマグネシウムベンゼンスルホナート、デシルマグネシウムベンゼンスルホナート;プロピルマグネシウムp−トルエンスルホナート、ブチルマグネシムp−トルエンスルホナート、ペンチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、ヘキシルマグネシウムp−トルエンスルホナート、ヘプチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、オクチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、ノニルマグネシウムp−トルエンスルホナート、デシルマグネシウムp−トルエンスルホナート;プロピルマグネシウムトリフルオロメタンスルホナート、ブチルマグネシムトリフルオロメタンスルホナート、ペンチルマグネシウムトリフルオロメタンスルホナート、ヘキシルマグネシウムトリフルオロメタンスルホナート、ヘプチルマグネシウムトリフルオロメタンスルホナート、オクチルマグネシウムトリフルオロメタンスルホナート、ノニルマグネシウムトリフルオロメタンスルホナート、デシルマグネシウムトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられる。
好ましい一般式(4)のマグネシウム化合物としては、プロピルマグネシウムフロリド(n=1)、ブチルマグネシムフロリド(n=2)、ペンチルマグネシウムフロリド(n=3)、ヘキシルマグネシウムフロリド(n=4)、ヘプチルマグネシウムフロリド(n=5)、オクチルマグネシウムフロリド(n=6)、ノニルマグネシウムフロリド(n=7)、デシルマグネシウムフロリド(n=8);プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシムクロリド、ペンチルマグネシウムクロリド、ヘキシルマグネシウムクロリド、ヘプチルマグネシウムクロリド、オクチルマグネシウムクロリド、ノニルマグネシウムクロリド、デシルマグネシウムクロリド;プロピルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシムブロミド、ペンチルマグネシウムブロミド、ヘキシルマグネシウムブロミド、ヘプチルマグネシウムブロミド、オクチルマグネシウムブロミド、ノニルマグネシウムブロミド、デシルマグネシウムブロミド;プロピルマグネシウムヨージド、ブチルマグネシムクヨージド、ペンチルマグネシウムヨージド、ヘキシルマグネシウムヨージド、ヘプチルマグネシウムヨージド、オクチルマグネシウムヨージド、ノニルマグネシウムヨージド、デシルマグネシウムヨージド等が挙げられる。
マグネシウム化合物(4)の製造方法は特に制限されないが、例えば、D.A.Shirley;Org.React., Vol.8,pp.28〜58(1954)に記載の方法又はこれに準ずる方法により合成することができる。また、市販品を使用してもよい。
これらのマグネシウム化合物は、lが同一の範囲において、単独で用いても二種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
一般式(3)のフタル酸誘導体の製造方法としては特に制限されないが、例えば、特開昭47−27949号、特開昭56−103131号に記載の方法又はこれに準ずる方法により製造することができる。また、市販品を使用してもよい。
以下に、本発明の製造方法について、更に具体的に説明する。
本発明の製造方法を実施するには、アルゴンや窒素のような不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中、一般式(3)のフタル酸誘導体と一般式(4)のマグネシム化合物とを炭素−炭素結合反応させ、アルキリデンフタリド類(2)を生成させた後、次いで不斉水素化することにより、一般式(1)の光学活性アルキルフタリド類を製造することができる。
フタル酸誘導体(3)とマグネシム化合物(4)との炭素−炭素結合反応にあたっては、(イ)フタル酸誘導体(3)を有機溶媒に溶解させた溶液に、マグネシウム化合物(4)を有機溶媒に溶解又は懸濁させた溶液を滴下して炭素−炭素結合反応させる方法、(ロ)マグネシウム化合物(4)を有機溶媒に溶解又は懸濁させた溶液に、フタル酸誘導体(3)を有機溶媒に溶解させた溶液を滴下して炭素−炭素結合反応させる方法が採用され、好ましくは(イ)法が採用される。
フタル酸誘導体とマグネシウム化合物(4)との反応割合は、フタル酸誘導体(3)の1モルに対し、マグネシウム化合物(4)が約1〜8モル程度であるのが好ましく、約1.05〜1.5モル程度であるのがより好ましい。
マグネシウム化合物の具体例としては、前述した化合物等を挙げることができ、lが同一の範囲において、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
有機溶媒としては、フタル酸誘導体(3)とマグネシム化合物(4)との炭素−炭素結合反応に悪影響を及ぼさない有機溶媒が用いられ、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒等を挙げることでき、それらを1種又は2種以上を用いることができる。それらのうちでも、テトラヒドロフラン及び/又はトルエンが操作性が良好で且つ経済的に安価である点から好ましく用いられる。有機溶媒の使用量は、通常、フタル酸誘導体(3)の1質量部に対して、約0.5〜20倍容量部であることが好ましく、約1〜10倍容量部であることがより好ましい。
フタル酸誘導体(3)を有機溶媒に溶解させた溶液に、ここにマグネシウム化合物(4)を有機溶媒に溶解又は懸濁させた溶液を滴下して炭素−炭素結合反応を行うにあたっては、マグネシウム化合物(4)を有機溶媒に溶解した溶液の滴下時間は、通常約1〜180分間とすることが好ましく、約5〜60分間とすることがより好ましい。反応温度としては、好ましくは約−80〜50℃、より好ましくは約−50〜10℃の温度が採用され、前記温度を保ちながらマグネシウム化合物(4)を有機溶媒に溶解した溶液の滴下終了後に約0.5〜15時間、好ましくは約1〜5時間反応させることによってアルキリデンフタリド類(2)を円滑に製造することができる。
前記した炭素−炭素結合反応により得られるアルキリデンフタリド類(2)は、油状を呈し、保存可能である。そのため、前記反応により得られるアルキリデンフタリド類(2)は、例えば、蒸留、カラムクロマトグラフィー処理等によって精製処理するか又は精製処理を行わずに保存しておき、光学活性アルキルフタリド類(1)の製造時に保存容器から取り出して用いてもよい。
前記したアルキリデンフタリド類(2)は、(E)−体と(Z)−体との混合物であり、次工程の不斉水素化に用いる場合、(E)−体と(Z)−体との混合物を分離精製して使用することもできる。また、得られたアルキリデンフタリド類(2)が、立体的により安定な(Z)−体の割合が高いものである場合は、(E)−体と(Z)−体を分離精製することなく混合物のまま、次工程の不斉水素化に用いてよい。
前記した炭素−炭素結合反応で得られるアルキリデンフタリド類(2)を不斉水素化することによって、光学活性アルキルフタリド類(1)が生成する。
アルキリデンフタリド類(2)を不斉水素化する方法としては特に制限されないが、例えば、(イ)光学活性遷移金属錯体を触媒として水素添加によって還元する方法、(ロ)酵母等の微生物により還元する方法、(ハ)光学活性な金属ハライドで還元する方法等が挙げられ、好ましくは、(イ)光学活性遷移金属錯体を触媒として水素添加によって還元する方法が採用される。
本発明で用いられる光学活性遷移金属錯体は、遷移金属錯体と配位子とを含有する錯体が好ましく用いられ、配位子が光学活性体であることがより好ましいが、配位子以外の他の構成成分が光学活性体であってもよい。
本発明のアルキリデンフタリド類(2)を不斉水素化する光学活性遷移金属錯体に用いる配位子としては、単座配位子、多座配位子等が挙げられる。好ましくは光学活性二座ホスフィン配位子が挙げられる。
光学活性二座ホスフィン配位子としては、次の一般式(7)
(式中、R1〜R4は各々独立に置換基を有していてもよい芳香族基又は炭素数3〜10のシクロアルキル基を示すか、あるいはR1とR2、R3とR4は各々互いに隣接するリン原子と一緒になって複素環を形成していてもよく;R5及びR6は各々独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基又はハロゲン原子を示し;R7は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基又はハロゲン原子を示し;また、R5とR6、R6とR7は各々お互いに一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成してもよい)
で表される光学活性二座ホスフィン配位子が挙げられる。
この一般式(7)において、R1〜R4は各々独立に置換基を有していてもよい芳香族基又は炭素数3〜10のシクロアルキル基を示すか、あるいはR1とR2、R3とR4は互いに隣接するリン原子と一緒になって複素環を形成していてもよい。
置換基を有していてもよい芳香族基において、芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナンスリル基等の炭化水素系芳香族基;ピロリル基、ピリジル基、ピラジル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾリル基等の複素系芳香族基等が挙げられる。
ここで置換基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基;フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ファナンスリル基等のアリール基;ベンジル基、α−フェニルエチル基、β−フェニルエチル基、α−フェニルプロピル基、β−フェニルプロピル基、γ−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等の炭素数7乃至13のアラルキル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル(2,3−ジメチル−2−ブチル)シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルヘキシルシリル基等のトリ−炭素数1〜6アルキルシリル基、ジメチルクミルシリル基等のジ−炭素数1〜6アルキル−炭素数6〜18アリールシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基等のジ−炭素数6〜18アリール−炭素数1〜6アルキルシリル基、トリフェニルシリル基等のトリ−炭素数6〜18アリールシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基等のトリ−炭素数7〜19アラルキルシリル基等のトリ置換オルガノシリル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基において、シクロアルキル基基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、オクタヒドロナフチル基等が挙げられる。
ここで、置換基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基;フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ファナンスリル基等のアリール基;ベンジル基、α−フェニルエチル基、β−フェニルエチル基、α−フェニルプロピル基、β−フェニルプロピル基、γ−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等の炭素数7乃至13のアラアルキル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル(2,3−ジメチル−2−ブチル)シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルヘキシルシリル基等のトリ−炭素数1〜6アルキルシリル基、ジメチルクミルシリル基等のジ−炭素数1〜6アルキル−炭素数6〜18アリールシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基等のジ−炭素数6〜18アリール−炭素数1〜6アルキルシリル基、トリフェニルシリル基等のトリ−炭素数6〜18アリールシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基等のトリ−炭素数7〜19アラルキルシリル基等のトリ置換オルガノシリル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;ニトロ基等が挙げられる。
1とR2、R3とR4が各々互いに隣接するリン原子と一緒になって複素環を形成した場合の複素環の具体例としては、ホスホール、テトラヒドロホスホール、ホスホリナン等が挙げられる。当該複素環には、本発明の反応に不活性な官能基を置換基として1〜4個有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
一般式(7)において、R5及びR6は各々独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基又はハロゲン原子である。
5及びR6で表される炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
5及びR6で表される炭素数1〜5のアルコキシ基の具体例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。
5及びR6で表されるジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、ジイソプロルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジsec−ブチルアミノ基、ジtert−ブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基等が挙げられる。
5及びR6で表される5〜8員の環状アミノ基の具体例としては、ピロリジノ基、ピペリジノ基等が挙げられる。
5及びR6で表されるハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
これらの中で、好ましいR5及びR6としては、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基のジアルキルアミノ基;ピロリジノ基、ピペリジノ基等の5〜8員の環状アミノ基等が挙げられる。
特に好ましいR5及びR6としては、水素原子、メトキシ基が挙げられる。
一般式(7)において、R7は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基又はハロゲン原子である。
7で表される炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
7で表される炭素数1〜5のアルコキシ基の具体例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。
7で表されるジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、ジイソプロルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジsec−ブチルアミノ基、ジtert−ブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基等が挙げられる。
7で表される5〜8員の環状アミノ基の具体例としては、ピロリジノ基、ピペリジノ基等が挙げられる。
7で表されるハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
これらの中で、好ましいR7としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ピロリジノ基、ピペリジノ基等の5〜8員の環状アミノ基等が挙げられる。
特に好ましいR7としては、メチル基、メトキシ基が挙げられる。
一般式(7)において、R5とR6、R6とR7は各々互いに一緒になって縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成してもよい。これらの中で、R6とR7が一緒になって縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成したものが好ましい。特に、R6とR7が、一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、テトラメチレン基、メチレンジオキシ基、メチレンジオキシ基又はエチレンジオキシ基を形成したものが好ましい。
また、前記縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基には、不斉合成反応に不活性な官能基を置換基として、好ましくは0〜4個の範囲で有していてもよい。ここで、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子等が挙げられる。
この一般式(7)において、好ましく用いられる光学活性二座ホスフィン配位子としては、例えば、特開昭61−63690号、特開昭62−265293号公報に記載されている第3級ホスフィンで、具体例としては、次のものを挙げることができる。すなわち、2,2'−ビス( ジフェニルホスフィノ)−1,1'− ビナフチル(BINAP)、2,2'−ビス(ジ(p-トリルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル〔p-Tol-BINAP〕、2,2'−ビス( ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ)−1,1'−ビナフチル(DM−BINAP) 、2,2'−ビス ジ(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ)−1,1'−ビナフチル(T−Bu−2−BINAP)、2,2’−ビス[ ジ(4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル) ホスフィノ]−1,1'− ビナフチル(DMM−BINAP)、2,2’−ビス( ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(Cy−BINAP)、2,2'− ビス( ジシクロペンチルホスフィノ)−1,1’− ビナフチル(Cp−BINAP)。
更に、この一般式(7)において、好ましく用いられる光学活性二座ホスフィン配位子としては、例えば、特開平4−139140公報に記載されている第3級ホスフィンで、具体例としては、次のものを挙げることができる。すなわち、2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5,5’,6,6',7,7’,8,8'−オクタヒドロビナフチル(H8−BINAP)、2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロビナフチル(p−Tol−H8 −BINAP)、2,2’−ビス(ジー(3,5−キシリル)ホスフィノ)−5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロビナフチル(DM−H8 −BINAP)、2,2’−ビス(ジー(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ)−5,5’,6,6',7,7’,8,8'−オクタヒドロビナフチル(DMM−H8 −BINAP)。
更にまた、この一般式(7)において、好ましく用いられる光学活性二座ホスフィン配位子としては、例えば、特開平11−269185号公報に記載されている第3級ホスフィンで、具体例としては、次のものを挙げることができる。すなわち、((5,6),(5’,6’)−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2'−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(SEGPHOS)、((5,6),(5',6’)−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2'−ジイル)ビス(ジp−トリルホスフィン) (p−Tol−SEGPHOS)、((5,6),(5’,6')−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2’−ジイル)ビス(ジ3,5−キシリルホスフィン) (DM−SEGPHOS)、((5,6),(5',6’)−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2'−ジイル) ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィン)(DMM−SEGPHOS)、((5,6),(5’,6')−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2’−ジイル) ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン) (DTBM−SEGPHOS )、((5,6),(5’,6')−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2’−ジイル) ビス(ジシクロヘキシルホスフィン) (Cy−SEGPHOS)。
以上の光学活性二座ホスフィン配位子以外に、一般式(7)に該当するものとして、次の光学活性二座ホスフィン配位子を挙げることができる。すなわち、2,2'−ジメチル−6,6’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビフェニル(BIPHEMP)、2,2’−ジメチル−6,6’−ビス(ジp−トリルホスフィノ)−1,1'−ビフェニル(p−Tol−BIPHEMP)、2,2’−ジメチル−6,6’−ビス(ジ3,5−キシリルホスフィノ)−1,1'−ビフェニル(DM−BIPHEMP)、2,2’−ジメチル−6,6'−ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル(DMM−BIPHEMP)、2,2'−ジメチル−6,6’−ビス(ジ4−t−ブトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1'-ビフェニル(DTBM−BIPHEMP)、2,2'−ジメチル−6,6’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1'−ビフェニル(Cy−BIPHEMP)、2,2’−ジメトキシ−6,6'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビフェニル(MeO−BIPHEP)、2,2’−ジメトキシ−6,6'−ビス(ジp−トリルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル(p−Tol−MeO−BIPHEP)、2,2'−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジ3,5−キシリルホスフィノ)−1,1'−ビフェニル(DM−MeO−BIPHEP)、2,2’−ジメトキシ−6,6'−ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル(DMM−MeO−BIPHEP)、2,2'−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジ4−t−ブトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1'−ビフェニル(DTBM−MeO−BIPHEP)、2,2’−ジメトキシ−6,6'−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル(Cy−MeO−BIPHEP)、2,2'−ジメチル−3,3’−ジクロロ−4,4'−ジメチル−6,6’−ビス(ジp−トリルホスフィノ)−1,1'−ビフェニル(p−Tol−CM−BIPHEMP)、2,2’−ジメチル−3,3'−ジクロロ−4,4’−ジメチル−6,6'−ビス(ジ3,5−キシリルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル(DM−CM−BIPHEMP)、2,2'−ジメチル−3,3’−ジクロロ−4,4'−ジメチル−6,6’−ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1'−ビフェニル(DMM−CM−BIPHEMP)。
本発明では、上記した光学活性二座ホスフィン配位子と遷移金属となる光学活性遷移金属錯体で不斉水素化反応を行うが、この不斉水素化反応における光学活性遷移金属錯体としては、例えば、下記一般式(8)で表される化合物が好ましいのものとして挙げられる。
(式中、Mは遷移金属を示し;Lは配位子を示し;Wは水素原子、ハロゲン原子、カルボキシラート基、アリル基、ジエン又はアニオンを示し;Yは水素原子、ハロゲン原子、カルボキシラート基、アリル基、ジエン、アニオン又はL以外の配位子を示し;Zはアニオン又はアミンを示し;m、n及びrは1〜5の整数を示し;p、q及びsは0〜5の整数を示し、p+q+sは1以上である)
一般式(8)において、Mで表される遷移金属としては、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)又は白金(Pt)等が挙げられる。
Lで表される配位子としては、上述した光学活性二座配位子が挙げられる。
一般式(8)で表される遷移金属錯体の好ましいものとして、次のものが挙げられる。すなわち、一般式(8)中のMはイリジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、銅及び白金からなる群より選ばれる遷移金属であり;Lは一般式(1)のホスフィン化合物であり;W、U、m、n、p、q、r、sは、Mがイリジウム又はロジウムの時、(i)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、m=n=p=1、r=2、q=s=0を示し、(ii)Wは1,5−シクロオキタジエン、ノルボルナジエンであり、ZはBF4、ClO4、OTf(Tfは、トリフラート基(SO3CF3)を示す)、PF6、SbF6又はBPh4(Phは、フェニル基を示す)であり、m=n=p=r=s=1、q=0を示し、(iii)ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=r=s=1、n=2、q=0を示し、Mがルテニウムの時、(i)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、Zはトリアルキルアミンであり、m=p=s=1、n=r=2、q=0を示し、(ii)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、Zはピリジル基又は環置換ピリジル基であり、m=n=r=s=1、p=2、q=0を示し、(iii)Wはカルボキシラート基であり、m=n=r=1、p=2、q=s=0を示し、(iv)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、Zはジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドであり、m=n=r=1、p=2、q=0、sは0〜4の整数を示し、(v)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、Uは塩素、臭素又はヨウ素であり、Zはジアルキルアンモニウムイオンであり、m=n=p=2、q=3、r=s=1を示し、(vi)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、Uは中性配位子である芳香族化合物又はオレフィンであり、Zは塩素、臭素、ヨウ素、I3、BF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=p=q=r=s=1を示し、(vii)ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=r=1、p=q=0、s=2を示し、(viii)W及びUは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル基又は他のアニオン基であり、Zはジアミン化合物であり、m=n=p=q=r=s=1を示し、(ix)Wは水素原子であり、Uは塩素、臭素又はヨウ素であり、m=p=q=r=1、n=2、s=0を示し、(x)Wは水素原子であり、ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=p=r=s=1、q=0を示し、(xi)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、Uは一価ホスフィン配位子であり、Zは塩素、臭素又はヨウ素であり、m=n=p=q=1、r=z=2を示し、(xii)W及びUは同一又は異なって、塩素、臭素又はヨウ素であり、m=n=p=q=r=1、s=0を示し、Mがパラジウムの時、(i)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、m=n=r=1、p=2、q=s=0を示し、(ii)Wはアリル基であり、m=n=p=r=1、q=s=0を示し、(iii)ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=r=1、p=q=0、s=2を示し、(iv)Wは炭素数1〜5のアルキルニトリル、ベンゾニトリル、フタロニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はアセトンであり、ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=r=1、p=s=2、q=0を示し、Mがニッケルの時、(i)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、m=n=r=1、p=2、q=s=0を示し、(ii)ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=r=1、p=q=0、s=2を示し、Mが銅の時、Wは水素原子、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、m=p=4、n=2、r=1、q=s=0を示し、Mが白金の時、(i)Wは炭素数1〜5のアルキルニトリル、ベンゾニトリル、フタロニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はアセトンであり、ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=r=1、p=s=2、q=0を示し、(ii)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、m=n=r=1、p=2、q=s=0を示し、(iii)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、UはSnCl2であり、m=n=q=r=1、p=2、s=0を示し、(iv)Wは塩素、臭素又はヨウ素であり、UはSnCl3であり、m=n=p=q=r=1、s=0を示す)で表される化合物が挙げられる。
遷移金属ホスフィン錯体の錯体(8)の製造方法としては特に制限されないが、例えば次に示す方法あるいはこれに準ずる方法を用いて製造することができる。なお、以下に示す遷移金属ホスフィン錯体の式中において、codは1,5−シクロオクタジエンを、nbdはノルボルナジエンを、Phはフェニル基を、Acはアセチル基を、acacはアセチルアセトナート、dmfはジメチルホルムアミド、enはエチレンジアミン、DPENは1,2−ジフェニルエチレンジアミン、DAIPENは1,1−ジ(p−メトキシフェニル)−2−イソプロピルエチレンジアミンをそれぞれ示す。
ロジウム錯体:ロジウム錯体を製造する具体的な例としては、例えば、日本化学会編「第4版 実験化学講座」、第18巻、有機金属錯体、1991年、339〜344頁(丸善)に記載の方法に準じて、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I) テトラフロロホウ酸塩([Rh(cod)2]BF4)と本発明化合物(1)を反応せしめて合成することができる。
ロジウム錯体の具体例として、例えば、以下のものを挙げることができる。
[Rh(L)Cl]2、[Rh(L)Br]2、[Rh(L)I]2
[Rh(cod)(L)]OTf、[Rh(cod)(L)]BF4
[Rh(cod)(L)]ClO4 、[Rh(cod)(L)]SbF6
[Rh(cod)(L)]PF6 、[Rh(cod)(L)]BPh4
[Rh(nbd)(L)]OTf 、[Rh(nbd)(L)]BF4
[Rh(nbd)(L)]ClO4、[Rh(nbd)(L)]SbF6
[Rh(nbd)(L)]PF6 、[Rh(nbd)(L)]BPh4
[Rh(L)2]OTf 、[Rh(L)2]BF4 、[Rh(L)2]ClO4
[Rh(L)2]SbF6 、[Rh(L)2]PF6 、[Rh(L)2]BPh4
ルテニウム錯体:ルテニウム錯体を製造する方法としては、例えば、文献(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.、922頁、1985年 )に記載に準じて、[(1,5−シクロオクタジエン)ジクロルルテニウム]([Ru(cod)Cl2n)と一般式(7)の化合物をトリアルキルアミンの存在下に有機溶媒中で加熱還流することで調製できる。また、特開平11−269185号公報に記載の方法に準じて、ビス[ジクロル(ベンゼン)ルテニウム]([Ru(benzene)Cl22)と一般式(7)の化合物をジアルキルアミン存在下に有機溶媒中で加熱還流することにより、調製できる。また、文献(J.Chem.Soc.、Chem.Commun.、1208頁、1989年)に記載の方法に準じて、ビス[ジヨード(パラ−シメン)ルテニウム]([Ru(p−cymene)I22)と一般式(7)の化合物とを有機溶媒中で加熱撹拌することにより調製することができる。更に、特開平11−189600号公報に記載の方法に準じて、文献(J.Chem.Soc.、Chem.Commun.、992頁、1985年)の方法に従い得られるRu2Cl4(L)2NEt3とジアミン化合物とを有機溶媒中で反応せしめて合成することができる。
ルテニウム錯体の具体例として、例えば、以下のものを挙げることができる。
Ru(OAc)2(L)、Ru(OCOCF32(L)、Ru2Cl4(L)2NEt3
RuHCl(L)、RuHBr(L)、RuHI(L)、
[{RuCl(L)}2(μ−Cl)3][Me2NH2]、
[{RuBr(L)}2(μ−Br)3][Me2NH2]、
[{RuI(L)}2(μ−I)3][Me2NH2]、
[{RuCl(L)}2(μ−Cl)3][Et2NH2]、
[{RuBr(L)}2(μ−Br)3][Et2NH2]、
[{RuBr(L)}2(μ−I)3][Et2NH2]、
[RuCl[PPh3](L)]2(μ−Cl)2、[RuBr[PPh3](L)]2(μ−Br)2
[RuI[PPh3](L)]2(μ−I)2 、RuCl2(L)、RuBr2(L)、RuI2(L)、[RuCl2(L)](dmf)n、RuCl2(L)(pyridine)2
RuBr2(L)(pyridine)2、RuI2(L)(pyridine)2
RuCl2(L)(2,2'−dipyridine)、
RuBr2(L)(2,2'−dipyridine)、
RuI2(L)(2,2'−dipyridine)、
[RuCl(benzene)(L)]Cl、
[RuBr(benzene)(L)]Br、[RuI(benzene)(L)]I、
[RuCl(p−cymene)(L)]Cl 、
[RuBr(p−cymene)(L)]Br 、
[RuI(p−cymene)(L)]I 、[RuI(p−cymene)(L)]I 3
[Ru(L)](OTf)2、[Ru(L)](BF42、[Ru(L)](ClO42
[Ru(L)](SbF62、 [Ru(L)](PF62 、[Ru(L)](BPh42、[RuCl2(L)](en)、[RuBr2(L)](en)、[RuI2(L)](en)、
[RuH2(L)](en)、[RuCl2(L)](DPEN)、
[RuBr2(L)](DPEN) 、[RuI2(L)](DPEN) 、
[RuH2(L)](DPEN) 、[RuCl2(L)](DAIPEN) 、
[RuBr2(L)](DAIPEN) 、[RuI2(L)](DAIPEN) 、
[RuH2(L)](DAIPEN) 。
イリジウム錯体:イリジウム錯体を製造する方法としては、例えば、文献(J.Organomet.Chem.、1992年、428巻、213頁) 記載の方法に準じて、一般式(7)の化合物と[(1,5−シクロオクタジエン)(アセトニトリル)イリジウム]テトラヒドロホウ酸塩([Ir(cod)(CH3CN)2]BF4)とを、有機溶媒中にて撹拌下に反応させることにより調製できる。
イリジウム錯体の具体例として、例えば、以下のものを挙げることができる。
[Ir(L)Cl]2、[Ir(L)Br]2、[Ir(L)I]2
[Ir(cod)(L)]OTf 、[Ir(cod)(L)]BF4
[Ir(cod)(L)]ClO4 、[Ir(cod)(L)]SbF6
[Ir(cod)(L)]PF6 、[Ir(cod)(L)]BPh4
[Ir(nbd)(L)]OTf 、[Ir(nbd)(L)]BF4
[Ir(nbd)(L)]ClO4、[Ir(nbd)(L)]SbF6
[Ir(nbd)(L)]PF6 、[Ir(nbd)(L)]BPh4
[Ir(L)2]OTf 、[Ir(L)2]BF4 、[Ir(L)2]ClO4
[Ir(L)2]SbF6 、[Ir(L)2]PF6 、[Ir(L)2]BPh4
IrCl(cod)(CO)(L)、IrBr(cod)(CO)(L)、
IrI(cod)(CO)(L)。
パラジウム錯体:パラジウム錯体を製造する方法としては、例えば、文献(J.Am.Chem.Soc.、1991年、113巻、9887頁;J.Chem.Soc.、Dalton Trans.,2246〜2249頁、1980年;Tetrahedron Letters、37巻、6351〜6354頁、1996年)に記載の方法に準じて、一般式(7)の化合物とπ−アリルパラジウムクロリド([(π−allyl)PdCl]2)を反応させることにより調製できる。
パラジウム錯体の具体例として、例えば、以下のものを挙げることができる。
PdCl2(L)、 PdBr2(L)、PdI2(L)、Pd(OAc)2(L)、
Pd(OCOCF32(L)、[(π−allyl)Pd(L)]Cl、
[(π−allyl)Pd(L)]Br、[(π−allyl)Pd(L)]I、
[(π−allyl)Pd(L)]OTf、[(π−allyl)Pd(L)]BF4
[(π−allyl)Pd(L)]ClO4、[(π−allyl)Pd(L)]SbF6、[(π−allyl)Pd(L)]PF6、[(π−allyl)Pd(L)]BPh4
[(Pd(L))](OTf)2、[(Pd(L))](BF42
[(Pd(L))](ClO42、[(Pd(L))](SbF62
[(Pd(L))](PF62 、[(Pd(L))](BPh42
PhCH2Pd(L)Cl、PhCH2Pd(L)Br、
PhCH2Pd(L)I、PhPdCl(L)、PhPdBr(L)、PhPdI(L)、Pd(L)、[Pd(L)(PhCN)2][BF42
ニッケル錯体:ニッケル錯体を製造する方法としては、例えば、日本化学会編「第4版 実験化学講座」第18巻、有機金属錯体、1991年、376頁(丸善)の方法、また、文献(J.Am.Chem.Soc.、1991,113,9887)に記載の方法に準じて、一般式(7)の化合物と塩化ニッケル(NiCl2)とを、有機溶媒に溶解し、加熱撹拌することにより調製できる。
ニッケル錯体の具体例として、例えば、以下のものを挙げることができる。
NiCl2(L)、NiBr2(L)、NiI2(L)。
銅錯体:銅錯体を製造する方法としては、例えば、日本化学会編「第4版 実験化学講座」第18巻、有機金属錯体、1991年、444〜445頁(丸善)の方法に準じて、一般式(7)の化合物と塩化銅(I)(CuCl2)とを、有機溶媒に溶解し、加熱撹拌することにより調製できる。
銅錯体の具体例として、例えば、以下のものを挙げることができる。
Cu44(L)2、Cu4Cl4(L)2、Cu4Br4(L)2、Cu44(L)2
Cu44(L)2
白金錯体:白金錯体を製造する方法としては、例えば、文献(Orgamometallics, 1991年、10巻、2046頁)に記載の方法に準じて、一般式(7)の化合物とジベンゾニトリルジクロル白金(RtCl2(PhCN)2)とを、有機溶媒に溶解し、加熱撹拌することにより調製でき、必要に応じてルイス酸(SnCl2等)を加えてもよい。
白金錯体の具体例として、例えば、以下のものを挙げることができる。
PtCl2(L)、PtBr2(L)、PtI2(L) 、PtCl2(L)(SnCl2)、PtCl(L)(SnCl3)。
本発明の不斉水素化反応におけるより好ましい触媒は、遷移金属錯体としてロジウム、イリジウム及びルテニウムから選ばれる一種である光学活性二座ホスフィン配位子と遷移金属とからなる錯体である。最も好ましくは、このような光学活性ホスフィンと遷移金属とからなる錯体に、更にアンモニウム塩、ホスホニウム塩又はアルカリ金属塩を添加して水素化して得られる錯体である。
このような光学活性ホスフィンと遷移金属錯体とからなる錯体に、更にアンモニウム塩、ホスホニウム塩又はアルカリ金属塩を添加して水素化して得られる錯体の存在下、選択性が高くなる系を検討したところ、次の系が好ましかった。
一般式(9)、
(式中、R8、R9、R10及びR11は、各々独立に炭素数1〜16のアルキル基、フェニル基、ベンジル基を示し、Bは窒素原子又はリン原子を示し、Gはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、カルボキシラート、スルホナートを示す)で示される四級アンモニウム塩又は四級ホスホニウム塩、具体的には、例えば、Me4NCl、Me4NBr、Me4NI、Et4NCl、Et4NBr、Et4NI、Bu4NCl、Bu4NBr、Bu4NI、
(Benzyl)Me3NCl、(Benzyl)Me3NBr、
(Benzyl)Me3NI、(Benzyl)Et3NCl、
(Benzyl)Et3NBr、(Benzyl)Et3NI、(C817)Me3NCl、
(C817)Me3NBr、(C817)Me3NI、(C1633)Me3NCl、
(C1633)Me3NBr、(C1633)Me3NI、Me4NOTf、Me4NOTs、
Me4NOAc、Me4NOCOCF3、n−Bu4NOTf、n−Bu4NOTs、
n−Bu4NOAc、n−Bu4NOCOCF3等の四級アンモニウム塩、MePh3PCl、MePh3PBr、MePh3PI、EtPh3PCl、EtPh3PBr、EtPh3PI、
BuPh3PCl、BuPh3PBr、BuPh3PI、Ph4PCl、Ph4PBr、
Ph4PI、(C613)Ph3PCl、(C613)Ph3PBr、(C613)Ph3PI、
(C715)Ph3PCl、(C715)Ph3PBr、(C715)Ph3PI、
(C817)Ph3PCl、(C817)Ph3PBr、(C817)Ph3PI、
(C1633)Ph3PCl、(C1633)Ph3PBr、(C1633)Ph3PI、
(C1633)Bu3PCl、(C1633)Bu3PBr、(C1633)Bu3PI、
ClPPh3CH2PPh3Cl、ClPPh3(CH22PPh3Cl、
ClPPh3(CH23PPh3Cl、ClPPh3(CH24PPh3Cl、
ClPPh3(CH25PPh3Cl、ClPPh3(CH26PPh3Cl、
BrPPh3CH2PPh3Br、BrPPh3(CH22PPh3CBr、
BrPPh3(CH23PPh3Br、BrPPh3(CH24PPh3Br、
BrPPh3(CH25PPh3Br、BrPPh3(CH26PPh3Br、
IPPh3CH2PPh3I、IPPh3(CH22PPh3I、
IPPh3(CH23PPh3I、IPPh3(CH24PPh3I、
IPPh3(CH25PPh3I、IPPh3(CH26PPh3I等の四級ホスホニウム塩を使用する系が好ましい。
また、一般式(10)、
(式中、M’は、Li、Na又はKの金属を示し、Z’は、Cl、Br又はIのハロゲン原子を示す)
で表される塩、具体的には、例えば、LiCl、LiBr、LiI、NaCl、NaBr、NaI、KCl、KBr、KI等の金属塩を使用するものが好ましい。更には、(Bn)Et3NCl、(Bn)Et3NBr、(Bn)Et3NI等のアンモニウム塩が選択でき、BuPh3PCl、BuPh3PBr、BuPh3PI、(C613)Ph3PBr、BrPPH3(CH24PPh3Br等のホスホニウム塩等が選択でき高い選択性が得られる(Bn:ベンジル基、Et:エチル基、Ph:フェニル基、Bu:ブチル基を示す)。
また、光学活性二座ホスフィン配位子では、BINAP類の中ではDM−BINAPを選択することができ、H8−BINAP類の中ではDM−H8−BINAPを選択することができ、更にSEGPHOS類の中からはDTBM−SEGPHOSを選択することができ、高い選択性が得られる。
これらの光学活性二座ホスフィン配位子は、いずれも(S)−体及び(R)−体が存在するので、目的とする光学活性アルキルフタリド類(1)の絶対配置に応じていずれかを選択すればよい。すなわち、基質として(Z)−体を用いた場合、例えば、配位子としてDTBM−SEGPHOSを用いたとき、(S)−体を得るには(−)−体を用い、(R)−体を得るには(+)−体を用いればよい。一方、基質として(E)−体を用いた場合、(S)−体を得るには(+)−体を用い、(R)−体を得るには(−)−体を用いればよい。
なお、遷移金属−光学活性ホスフィン錯体の使用量は、アルキリデンフタリド類(2)に対して約5000〜50000分の1モルであるのが好ましい。添加剤(アンモニウム塩、ホスホニウム塩又はアルカリ金属塩)の使用量は、遷移金属−光学活性二座ホスフィン錯体に対して約0.2〜2.0当量であるのが好ましい。
また、反応溶媒としては、不斉水素化原料及び触媒系を可溶化するものであれば適宜なものを用いることができる。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;塩化メチレン、等のハロゲン含有炭化水素溶媒;エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、DMFやDMSO等ヘテロ原子を含む有機溶媒を用いることができる。好ましくはアルコール系溶媒及びアルコール系溶媒との混合溶媒が用いられる。溶媒の量は、反応基質の溶解度及び経済性により判断される。例えば、基質によっては1%以下の低濃度から無溶媒に近い状態で行うことができるが、0.1〜2.0容量で用いるのが好ましい。そして、本発明における水素の圧力は、経済性を考慮して1〜100Kg/cm2(0.1〜10MPa)、更に5〜50Kg/cm2(0.5〜5MPa)の範囲が好ましい。反応温度については、0〜150℃で行うことができるが、10〜50℃の範囲がより好ましい。また、反応時間は、反応基質濃度、温度、圧力等の反応条件によって異なるが、数分〜30時間で反応は完結する。反応終了後は、通常の後処理を行うことにより、目的物を単離することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。なお、各実施例における物性の測定に用いた装置は次のとおりである。
ガスクロマトグラフィー
使用機器:HP−6890(Hewlett Packard製)
カラム:Neutrabond−1(30m×0.25μm)
Inj.temp.:250℃
Det.temp.:250℃
Initial temp.:100℃
旋光度
使用機器:DIP−360(日本分光(株)製)
実施例1 (Z)−オクチリデンフタリドの合成
300mL4つ口フラスコにマグネシウム3.3g(0.136モル)を量りとり、窒素置換後THF10mLを加え、75℃にて5〜10分程度加熱後、臭化オクチル0.2gを滴下し反応開始を確認した。10分間攪拌した後、THF50mLで希釈した塩化オクチル23.8g(0.16モル)を1.5時間かけて滴下した。発熱により温度は69〜71℃に達し、溶媒が還流した。滴下終了後、THF105mLを追加し、槽内温度70℃にて更に1時間攪拌を続行してオクチルマグネシウムクロライド溶液(グリニヤ試薬)を調製した。
500mL4つ口フラスコに二塩化フタロイル25.0g(0.123モル)を仕込み、窒素置換後THF50mLを加えた。ドライアイス/アセトンバスにて−30℃まで冷却し、激しく攪拌しながら上記反応で得たグリニヤ試薬を1.5時間かけて滴下した。滴下終了後更に−30℃を30分間保ち、その後冷浴を撤去して槽内温度が0℃になった時点で攪拌を停止し反応終了とした。減圧下THFを回収し、これにトルエン及び水、各100mLを加え、更に10%塩酸水6mLを滴下して約5分攪拌し、分液をおこないマグネシウム塩を除去した。続いて5%苛性ソーダ水200mLで洗浄、分液後、更に10%食塩水100mLで2回洗浄をおこなった。
トルエン回収後、カラムクロマトグラフィーを行い収率61.0%で(Z)−オクチリデンフタリドを得た。
実施例2 (R)−オクチルフタリドの合成
200mLオートクレーブに[Rh(cod)2]PF6 3.8mg、(+)−DTBM−SEGPHOS9.7mg、Br- Ph3+(CH24+Ph3 Br- (DTPPBB )7.6mg及び実施例1で得た(Z)−オクチリデンフタリド10.0gを仕込み、水素を室温下4.0Mpaまで充填し、70℃にて19時間攪拌した。反応終了後、蒸留をおこない、無色透明のオクチルフタリド9.5g(純度98.2%)を得た。得られたオクチルフタリド9.5gを含水メタノール60mL(S/S=6)にて溶解後、冷却して(R)−オクチルフタリド7.0g(純度100%, [α]25 D:−55.4°(c=1.09,n−Hexane))を白色結晶として得た。
実施例3〜4
ロジウム触媒、基質/触媒モル比(S/C)、溶媒容量/基質質量比(S/S)、反応温度及び反応条件を表1のように変えて、実施例2と同様に反応させた。結果を表1に示す。

Claims (6)

  1. 下記一般式(3):
    (式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を示し;X及びX'は各々独立にハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示す)
    で表されるフタル酸誘導体を、下記一般式(4):
    (式中、Yはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示し;lは2〜8の整数を示す)
    で表されるマグネシム化合物と反応させて下記一般式(2):
    (式中、環A及びlは前記と同義であり;波線は二重結合のシス体及び/又はトランス体であることを示す)
    で表されるアルキリデンフタリド類を得、次いで不斉水素化することを特徴とする一般式(1):
    (式中、環A及びlは前記と同義であり;*は不斉炭素原子を示す)
    で表される光学活性アルキルフタリド類の製造方法。
  2. 下記一般式(3):
    (式中、環Aは置換基を有していてもよいベンゼン環を示し;X及びX'は各々独立にハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示す)
    で表されるフタル酸誘導体を、下記一般式(4):
    (式中、Yはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はハロゲン置換アルキルスルホニルオキシ基を示し;lは2〜8の整数を示す)
    で表されるマグネシム化合物と反応させることを特徴とする下記一般式(2):
    (式中、環A及びlは前記と同義であり;波線は二重結合のシス体及び/又はトランス体であることを示す)
    で表されるアルキリデンフタリド類の製造方法。
  3. 光学活性ホスフィン化合物と遷移金属からなる錯体で不斉水素化反応を行うことを特徴とする請求項記載の製造方法。
  4. 光学活性ホスフィン化合物が、次の一般式(7)
    (式中、R1〜R4は各々独立に置換基を有していてもよい芳香族基又は炭素数3〜10のシクロアルキル基を示すか、あるいはR1とR2、R3とR4は各々互いに隣接するリン原子と一緒になって複素環を形成していてもよく;R5及びR6は各々独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基又はハロゲン原子を示し;R7は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜5アルキル)アミノ基、5〜8員の環状アミノ基又はハロゲン原子を示し;また、R5とR6、R6とR7は各々互いに一緒になって、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成してもよい)
    で表される光学活性ホスフィン化合物であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
  5. 光学活性ホスフィン化合物と、ロジウム、イリジウム及びルテニウムから選ばれる遷移金属錯体とからなる光学活性ホスフィン錯体で、不斉水素化反応を行うことを特徴とする請求項3又は4記載の製造方法。
  6. 光学活性ホスフィン化合物と、ロジウム、イリジウム及びルテニウムから選ばれる遷移金属錯体とからなる光学活性ホスフィン錯体に、アンモニウム塩、ホスホニウム塩又はアルカリ金属塩を添加して不斉水素化反応を行うことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の製造方法。
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