JP4711457B2 - 毛髪化粧料用基剤及びそれを用いた毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪化粧料用基剤及びそれを用いた毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、本発明は、アミノ変性シリコーン化合物とリン酸エステルとの存在下にエチレン性不飽和単量体を共重合させて得られる共重合体からなる毛髪化粧料用基剤及びそれを用いた毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
毛髪化粧料に利用されるアニオン樹脂組成物としては、マレイン酸とビニルメチルエーテルの共重合体のハーフエステル、アクリル樹脂アルカノールアミン液、或いは酢酸ビニル−クロトン酸−ネオデカン酸ビニル共重合体等が知られている。しかし、これらのものは、整髪力においては優れているものの、高い粘着性を有していたり、風合いが硬すぎることから、不自然にごわついたり、櫛や手指を通した際にフレーキングが起こりやすい等の欠点が見られる等、満足の得られるものではなかった。これらの問題を軽減するために、前記アニオン樹脂組成物にシリコーン化合物を添加することが一般的に行われているが、この場合には、経時的に頭髪がべた付いたりする欠点がある。
【0003】
これらに対処するため、高分子量のシリコーン化合物を、溶媒や低分子量のシリコーンオイル等に溶解して添加したり、ポリエーテル変性シリコーンや界面活性剤等を用いた乳化物として添加することが行われている。
しかしながら、特に水性化粧料(水を含んだものをいう)においては、シリコーン化合物が一般に水に不溶であることから、シリコーン化合物を安定に混合するためには多量の界面活性剤等を用いたシリコーンエマルションを使用する等の必要があり、そのため、形成されるフィルムが不透明になったり、耐水、耐湿性が低下したり、長期保存安定性が劣る等の問題があった。また、水に可溶な親水性変性シリコーンを用いた場合、これら水溶性シリコーン化合物はシリコーン本来の効果である低粘着性、平滑性、撥水性及び防汚性等の付与効果が小さいことから、多量に使用しなければならず、結局、上述のシリコーンエマルションを用いた場合と同様に、形成されるフィルムが不透明になったり、耐水、耐湿性が低下したり、長期保存安定性が劣る等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本出願人は、特願平11−215579号において、特定のシリコーン化合物の存在下にアクリル系単量体を重合させてなる毛髪化粧料用基剤及びそれを用いた毛髪化粧料を提案した。これは、毛髪そのものが持つ自然な風合いを維持しつつ、形成されるフィルムが透明で充分な耐水性や耐湿性を有し、低粘着性や平滑効果を十分に発揮することができ、毛髪への長時間の使用による効果の低減がない毛髪化粧料用基剤を提供するものであった。
しかしながら、前記毛髪化粧料用基剤は、非水性化粧料(水を含まないものをいう)においてはシリコーン化合物に期待される低粘着性と平滑性の付与効果について十分な改善がなされたものの、水性化粧料においてはなお不十分なものであった。また、特願平11−215599号に記載の発明の如く、特定のシリコーン化合物の多量存在下にアクリル系単量体を重合させてなるものの場合、長期保存安定性が劣ることがあった。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、特に水性化粧料において、長期の保存安定性が良く、毛髪化粧料成分が毛髪に均一に付着し、ごわつき、べたつきがなく、毛髪そのものが持つ自然な風合いを維持しつつ、形成されるフィルムが透明で充分な耐水性や耐湿性を有し、低粘着性や平滑効果を十分に発揮することができ、毛髪への長時間の使用による効果の低減がない毛髪化粧料用基剤及びそれを用いた毛髪化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る毛髪化粧料用基剤は、
(A)下記のエチレン性不飽和単量体(a)〜(c)、即ち
(a)下記の一般式(I)
【化3】
(上記式中、m、nはそれぞれ0又は自然数を表し(但し、m、nは同時に0であってはならない。)、R 1 は−H又は−CH 3 を表す。)で示される、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を1個以上有するリン酸エステル化合物0.1〜20重量%、
(b)分子内にカルボキシル基を一つ以上有するエチレン性不飽和単量体10〜40重量%及び
(c)その他のエチレン性不飽和単量体40〜89.9重量%からなるエチレン性不飽和単量体成分を、
(B)アミノ変性シリコーン化合物と(C)親水性溶媒又は水及び親水性溶媒からなる溶媒の存在下に、(D)ラジカル重合開始剤を用いて溶液重合により共重合反応させて得られる共重合体からなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
(A)エチレン性不飽和単量体成分:
前記エチレン性不飽和単量体成分(A)中、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を1個以上有するリン酸エステル化合物(a)は、後述するアミノ変性シリコーン化合物(B)と組み合わせて用いることにより、主として本発明に係る毛髪化粧料用基剤により形成されるフィルムに、アミノ変性シリコーン化合物(B)の特性である低粘着性と平滑効果を与え、さらに、良好な感触及び耐水性や耐湿性等を付与するものである。
【0008】
ここにおいて、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を1個以上有するリン酸エステル化合物(a)と後述するアミノ変性シリコーン化合物(B)は、予め混合し、その後に共重合反応させることが好ましい。これにより、より優れた低粘着性と平滑効果を得ることができる。これは、前記リン酸エステル化合物(a)が、アミノ変性シリコーン化合物(B)と塩を形成することによるものと推定される。
このことから、前記リン酸エステル化合物(a)とアミノ変性シリコーン化合物(B)との塩が共重合時の溶媒(C)に溶解するものであることが好ましく、また、このような塩を形成するために、前記リン酸エステル化合物(a)は、その分子中にポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンから選ばれる少なくとも1種類の構造単位を有することが必要である。
なお、前記リン酸エステル化合物(a)とアミノ変性シリコーン化合物(B)の混合に際しては、これらの粘度の低下等を図り、混合を容易にすべく、共重合時に使用する溶媒等、共重合に供する他の成分を介在させてもよい。
【0009】
前記リン酸エステル化合物(a)の使用量は、共重合に供されるエチレン性不飽和単量体成分全量中で0.1〜20重量%でなければならず、好ましくは0.2〜10重量%である。前記リン酸エステル化合物(a)の使用量が0.1重量%未満である場合には、得られる毛髪化粧料用基剤に、該リン酸エステル化合物(a)と併せて使用されるアミノ変性シリコーン化合物(B)の既述の効果が認められにくくなる。また、前記使用量が20重量%を越える場合には、共重合時の溶媒(C)に対する該リン酸エステル化合物(a)の溶解性が悪化して共重合性が低下し、そのため、期待されるアミノ変性シリコーン化合物(B)の効果は認められるものの、形成されるフィルムが不透明になったり、長期保存安定性が劣る等の問題が生じ、或はまた、他のエチレン性不飽和単量体の組成によっては、重合中にゲル化を起こす場合がある。
【0010】
前記リン酸エステル化合物(a)の使用量が特に0.2〜10重量%であるとき、期待されるアミノ変性シリコーン化合物(B)の効果と、前記リン酸エステル化合物(a)及びエチレン性不飽和単量体(b)〜(c)の共重合性とのバランスがとれ、本発明に係る毛髪化粧料用基剤により形成されるフィルムに、アミノ変性シリコーン化合物(B)の特性である低粘着性と平滑効果を与え、さらに、良好な感触及び耐水性や耐湿性等を付与するものである。
【0011】
前記リン酸エステル化合物(a)とアミノ変性シリコーン化合物(B)の配合比率は特に限定されるものではないが、アミノ変性シリコーン化合物(B)によるリン酸エステル化合物(a)の中和率として好ましくは80〜120%、特に好ましくは90〜105%の範囲になるように調整される。中でも、90〜100%の中和率の場合に最適な結果が得られる。
【0012】
前記ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を1個以上有するリン酸エステル化合物(a)の種類としては、共重合性に優れること、共重合反応時のゲル化の起こりにくいこと等の点から、分子中に(メタ)アクリロイル基を1個のみ含むと共にオキシアルキレン基を有する前記の一般式(I)で示されるリン酸エステル化合物が好適である。
【0013】
前記リン酸エステル化合物(a)として、具体的には、ホスマーM(アシッドホスホオキシエチルメタクリレート)、ホスマーPE(アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート)、ホスマーPP(アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート)(何れもユニケミカル社製)等が例示される。
なお、最終製品の臭気の低減等の点からは、アクリレートよりもメタクリレートの方が優れている。
また、前記リン酸エステル化合物(a)をアミノ変性シリコーン化合物(B)と組み合わせて用いる際に、該(B)成分と共に他の塩基性物質、例えばモノエタノールアミン等の有機アミンやメタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有のエチレン性不飽和単量体等を併せて用いても良い。
【0014】
前記エチレン性不飽和単量体成分(A)中、分子内にカルボキシル基を一つ以上有するエチレン性不飽和単量体(b)は、重合体中にカルボキシル基を導入するために用いられる。これにより、共重合体を塩基性化合物で中和して用いる場合には、形成されるフィルムに水溶性を付与すると共に洗髪性を向上させ、また洗髪性を必要としない場合でも、フィルムに適度な硬さを与えることができる。
【0015】
本発明に係る毛髪化粧料用基剤を用いた毛髪化粧料が洗髪性を要求される場合には、通常、エチレン性不飽和単量体(b)の一部を塩基性化合物(E)で中和して用いられる。この場合、エチレン性不飽和単量体(b)の使用量は、共重合に供されるエチレン性不飽和単量体成分全量中で10〜40重量%でなければならず、好ましくは15〜30重量%となるように調整される。エチレン性不飽和単量体(b)の使用量が10重量%未満である場合、得られる毛髪化粧料用基剤は、洗髪時に容易に洗浄除去することが困難になり、またこの使用量が40重量%を越える場合には、得られる毛髪化粧料用基剤によって形成されるフィルムの耐湿性が低下したり、形成されるフィルムが硬く脆いものになり、毛髪のセットが長持ちし難くなる。前記使用量が特に15〜30重量%であるとき、洗髪性と耐湿性やフィルムの硬さのバランスがとれ、高湿下でのセット力を保ちつつ、洗髪時には容易に洗い落とすことができる。
【0016】
また、本発明に係る毛髪化粧料用基剤を用いた毛髪化粧料が洗髪性を要求されない場合には、前記エチレン性不飽和単量体(b)の使用量を少なくしたり、重合体中に導入されたカルボキシル基を塩基性化合物(E)で中和せずに用いればよいが、形成されるフィルムに適度な硬さを与えるために、前記エチレン性不飽和単量体(b)の使用量は、共重合に供されるエチレン性不飽和単量体成分全量中で10〜40重量%であることが必要である。
【0017】
前記エチレン性不飽和単量体(b)の具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、これらの単量体は単独で又は併せて用いられる。
【0018】
前記エチレン性不飽和単量体成分(A)中、その他のエチレン性不飽和単量体(c)は、共重合体の親油性、柔軟性に関与し、形成されるフィルムの硬さ、柔軟性、耐湿性及び毛髪への密着性を適宜調節するために配合される。
その他のエチレン性不飽和単量体(c)は、上述の(a)成分及び(b)成分と共重合可能なものであれば特に限定されない。
【0019】
前記のようなその他のエチレン性不飽和単量体(c)の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル等の直鎖若しくは分岐鎖を有するか又は脂環式の炭化水素基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル等を例示することができる。
【0020】
また、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体以外のエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリセリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシテトラエチレングリコール、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−ターシャリーオクチルアクリルアミド、N−ターシャリーブチルアクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルピロリドン等を例示することができる。
前記のように列挙された、その他のエチレン性不飽和単量体(c)は、それぞれ単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0021】
前記エチレン性不飽和単量体(c)の内で、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル等の直鎖若しくは分岐鎖又は脂環式の炭化水素基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、N−オクチルアクリルアミド、N−ターシャリーオクチルアクリルアミド、N−ターシャリーブチルアクリルアミド等は、これらを用いて得られる共重合体のLPG(液化石油ガス)に対する溶解性が良いので、LPGを用いたエアゾール製品用の場合に特に好適に使用される。
【0022】
前記その他のエチレン性不飽和単量体(c)の使用量は、共重合に供される全エチレン性不飽和単量体成分中で40〜89.9重量%でなければならない。前記範囲外の使用量では、形成されるフィルムの親油性、柔軟性、耐湿性又は毛髪への密着性等の調整が困難となる。
【0023】
(B)アミノ変性シリコーン化合物:
アミノ変性シリコーン化合物(B)は、本発明に係る毛髪化粧料用基剤により形成されるフィルムに低粘着性と平滑効果を与え、さらに、良好な感触及び耐水性や耐湿性等を付与するものである。
【0024】
前記アミノ変性シリコーン化合物(B)としては、特に限定されず、公知、慣用のものが使用可能であるが、特に、下記の一般式(II)
【化4】
(上記式中、lは自然数を表し、R’は直鎖状の又は分岐鎖を有するアルキレン基、R2は直鎖状の若しくは分岐鎖を有するアルキル基又はアラルキル基を表す。)で示される化合物であるときに、既述のシリコーン効果が最も効果的に発現する。
【0025】
このようなシリコーン化合物(B)の具体例としては、上記一般式(II)で示される化合物として「TSF4700」、「TSF4701」(共に東芝シリコーン社製)等が挙げられ、上記一般式(II)で示される化合物以外のものとして「KF−8002」(信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0026】
前記アミノ変性シリコーン化合物(B)とラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を1個以上有するリン酸エステル化合物(a)は、共重合時の溶媒(C)に溶解することが望ましいが、このとき、他のシリコーン化合物や界面活性剤等を併用して共重合時の溶媒(C)に溶解するように調整しても良い。
また、重合中の発泡を抑える目的や重合物の外観、水溶性、起泡性及び消泡性等を調整する目的において、他のシリコーン化合物や界面活性剤等を併用しても良い。前記目的で併用されるシリコーン化合物としては、特に限定されないが、例として、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルコール変性シリコーン等が挙げられる。また、前記目的で併用される界面活性剤としては、特に限定されないが、重合中の抑泡性等の点から、高分子量のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロック共重合体系の非イオン性高分子界面活性剤等を用いても良い。
【0027】
(C)親水性溶媒又は水及び親水性溶媒からなる溶媒:
共重合時の溶媒として、親水性溶媒又は水及び親水性溶媒からなる溶媒(C)が使用される。
前記親水性溶媒とは、水に対する溶解度が10g/水100g(25℃)以上である有機溶媒を意味する。このような親水性溶媒の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール及びグリセリン等の炭素数が1〜4の脂肪族1〜4価アルコール、並びにエチルセロソルブ及びブチルセロソルブ等のグリコールエーテル、並びにジオキサン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、これらを単独又は併せて用いることができる。
なお、本発明に係る毛髪化粧料用基剤は、目粘膜等、広く人体にかかわるので、人体に適用されることを考慮すれば、親水性溶媒としてエタノール又は2−プロパノールを単独に又は併せて用い、必要に応じてこれらに水を併用して溶媒(C)とすることが好ましい。
前記溶媒(C)は、本毛髪化粧料用基剤が水性化粧料に使用される場合は、共重合工程終了後の中和工程や希釈工程でさらに加えられてもよい。
【0028】
共重合時の溶媒(C)は、特に限定するものではないが、共重合時に存在する(a)、(b)、(c)成分からなるエチレン性不飽和単量体成分(A)及びアミノ変性シリコーン化合物(B)を溶解し、また存在する場合には(a)成分と(B)成分の塩を溶解し、さらに重合されて得られる共重合体を溶解するものであることが最適である。それらの場合、特に、形成された共重合体フィルムの表面及び内部にアミノ変性シリコーン化合物が適度に分散され、アミノ変性シリコーン化合物の効果がより効果的に発現するものである。
前記溶媒(C)の配合量は特に限定されるものではないが、共重合工程に際しては、エチレン性不飽和単量体成分(A)の全量に対して50〜150重量%使用されることが好ましく、この範囲で安定な共重合状態及び高い重合率が得られる。なお、共重合後における中和工程や希釈工程等に際して使用される溶媒(C)の配合量についても特に制限されない。
【0029】
(D)ラジカル重合開始剤:
ラジカル重合開始剤(D)としては、溶液重合法に用いられるものであれば特に制限はない。その具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル及び過酸化水素等に代表される過酸化物、並びに過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウム等に代表される過硫酸塩、並びに2,2'−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2'−アゾビスイソバレロニトリル等に代表されるアゾ系化合物等の公知のものが挙げられ、その何れを用いてもよい。
ラジカル重合開始剤(D)の使用量は特に限定されるものではないが、エチレン性不飽和単量体成分(A)の全量に対して0.01〜10重量%の範囲であることが好ましい。この範囲で、高い重合率が得られると共に最終生成物の性能を高く保つことができる。
【0030】
本発明に係る毛髪化粧料用基剤を得るための溶液重合による共重合方法は、特に限定されるものではなく、公知の重合方法を用いることができる。
例えば、単量体成分(b)及び(c)を、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を1個以上有するリン酸エステル化合物(a)とアミノ変性シリコーン化合物(B)との混合物を含む溶媒(C)と共に反応容器中に投入し、攪拌混合した後、前記ラジカル重合開始剤(D)を添加し、窒素気流下に撹拌しながら加熱する、いわゆる一括重合法、或は前記共単量体成分(b)及び(c)を予め滴下漏斗に仕込み、これを、前記リン酸エステル化合物(a)と前記アミノ変性シリコーン化合物(B)との混合物を含む溶媒(C)と前記ラジカル重合開始剤(D)の入った反応容器中に滴下して、窒素気流下に撹拌しながら加熱する、いわゆる滴下重合法、その他共単量体成分の分割投入による重合方法等が挙げられる。
【0031】
(E)塩基性化合物:
上述の共重合により得られた共重合体からなる組成物はそのままで毛髪化粧料用基剤として用いることができる。また、前記共重合体からなる組成物は、特に適度の洗髪性を付与したい場合には、好ましくは共重合体中のカルボキシル基の30〜95%を有機及び/又は無機系塩基性化合物(E)によって中和して毛髪化粧料用基剤とすることができる。特に好ましくは、前記共重合体中のカルボキシル基の40〜75%が前記塩基性化合物で中和されるように調整され、この範囲で特に洗髪性が良好なものとなる。前記のように前記中和率が特に40〜75%のとき、高湿下でも高いセット力が保持され、しかも洗髪性が良好となる。
また、使用後に毛髪化粧料を洗い落とさない場合で耐洗髪性の必要な用途に本毛髪化粧料用基剤を使用するときは、前記中和は特に必要とされるものではない。しかしながら、その場合においても中和して用いることは可能であり、そのときの中和率は好ましくは50%以下であり、特に好ましくは0.01〜30%である。
【0032】
前記有機又は無機の塩基性化合物(E)の内で、有機の塩基性化合物の具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール及びトリスヒドロキシエチルアミノメタン等が挙げられる。また、無機の塩基性化合物の具体例としては、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等が挙げられる。これらの塩基性化合物(E)は、それぞれ単独で又は併せて用いられる。
なお、本発明に係る毛髪化粧料用基剤には、前記成分の他、紫外線防止剤、酸化防止剤、毛髪栄養剤等の添加剤を含ませることも可能である。
【0033】
このようにして得られるアクリル系共重合体とシリコーン化合物の複合体は、それを含む液の状態又は溶媒を除去した状態で毛髪化粧料用基剤として用いられる。
本発明に係る毛髪化粧料用基剤は、親水性溶媒又は水及び親水性溶媒に溶解すると共に毛髪化粧料の各種添加剤を加えて、ヘアークリーム、ヘアーローション、ノンガスエアゾール(ヘアーミスト)、ヘアーフォーム(ヘアームース)等の整髪料の一成分としても用いることができる。また、前記毛髪化粧料用基剤は、頭髪用着色固着剤として頭髪着色料を混合し、カラースプレー、カラーフォーム、マスカラ等に用いることができる。さらに、本発明に係る毛髪化粧料用基剤をエアゾール用整髪剤として用いる場合には、前記毛髪化粧料用基剤を例えば前記共重合用溶媒(C)として用いる親水性溶媒又は水及び親水性溶媒に溶解したものを、天然ガスやジメチルエーテル等の噴射剤及びその他添加剤等と共にエアゾール容器内に加圧充填し、封入すればよい。この場合、エアゾール容器内に充填される各種成分の配合割合は、通常、それぞれの目的、用途等に応じて適宜調整することが望ましい。前記毛髪化粧料用基剤は、以上の用途以外に、美顔パックのフィルム形成成分、ハンドクリームのバリヤー形成成分等の皮膚創面の被覆剤としても好適に用いることができ、さらに、シャンプーやリンスの指通り向上用添加剤やコンディショナー成分としても有用である。
【0034】
【実施例】
以下に、本発明を実施例及びそれを用いた処方例によって比較例及び比較処方例と対比させながら具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下に使用される部及び%は、特に示さない限り全て重量基準である。
【0035】
〔毛髪化粧料用基剤の製造〕
〈実施例1〉
還流冷却器、温度計、窒素置換用管及び撹拌機を取り付けた1リットル四つ口フラスコに表−1に示す原料を仕込んだ。なお、リン酸エステル化合物(a)とアミノ変性シリコーン化合物(B)は予めお互いに混合し、溶媒(C)に溶解して仕込んだ。次に、ラジカル重合開始剤(D)を加え、窒素気流下、還流状態(約80℃)で8時間共重合を行った。前記共重合の終了後、50℃にて、塩基性化合物(E)を同量のエタノールで希釈したものを加えて中和し、中和後は固形分40%となるように精製水で希釈し、毛髪化粧料用基剤を得た。
【0036】
〈実施例2〜4〉
表−1に示す原料について、実施例1と同様に共重合及び中和を行ない、中和後は固形分40%となるようにエタノールで希釈して毛髪化粧料用基剤を得た。
【0037】
〈実施例5〉
表−1に示すように、塩基性化合物(E)による中和をしない他は実施例1と同様の操作により共重合を行ない、エタノールで希釈して固形分40%の毛髪化粧料用基剤を得た。
さらに、前記毛髪化粧料用基剤の一部とカーボンブラックを毛髪化粧料用基剤の固形分とカーボンブラックの重量比が65:35となるような組成にて、三段ロールを用いて混練し、カラースプレー用のカラーペーストを別途調製した。
【0038】
〈比較例1、4〉
表−1に示すように、リン酸エステル化合物(a)とアミノ変性シリコーン化合物(B)を配合しない他はそれぞれ実施例1、2と同様の操作により共重合及び中和を行ない、何れもエタノールで希釈して固形分40%の毛髪化粧料用基剤を得た。
【0039】
〈比較例2〉
表−1に示すように、リン酸エステル化合物(a)を配合しない他は実施例1と同様の操作により共重合及び中和を行ない、エタノールで希釈して固形分40%の毛髪化粧料用基剤を得た。但し、アミノ変性シリコーン化合物(B)は、エチレン性不飽和単量体(b)と予め互いに混合し、溶媒(C)に溶解して仕込んだ。
【0040】
〈比較例3〉
表−1に示すように、アミノ変性シリコーン化合物(B)を配合しない他は実施例1と同様の操作により共重合及び中和を行ない、エタノールで希釈して固形分40%の毛髪化粧料用基剤を得た。
【0041】
〈比較例5〜7〉
表−1に示す原料を仕込み、実施例2と同様の操作により共重合及び中和を行ない、何れもエタノールで希釈して固形分40%の毛髪化粧料用基剤を得た。
なお、比較例5は、上限値を越える量のリン酸エステル化合物(a)を含むもの、比較例6は、下限値未満の量のエチレン性不飽和単量体(b)を含むもの、また比較例7は、上限値を越える量のエチレン性不飽和単量体(b)を含むものである。
【0042】
〈比較例8〉
表−1に示すように、塩基性化合物(E)による中和をしない他は比較例1と同様の操作により共重合を行ない、エタノールで希釈して固形分40%の毛髪化粧料用基剤を得た。
さらに、前記毛髪化粧料用基剤の一部とカーボンブラックを毛髪化粧料用基剤の固形分とカーボンブラックの重量比が65:35となるような組成にて、三段ロールを用いて混練し、カラースプレー用のカラーペーストを別途調製した。
【0043】
【表1】
【0044】
〔毛髪化粧料用基剤の物性の経時的変化に関する評価〕
次に、実施例1〜5及び比較例1〜8で得られた各毛髪化粧料用基剤について、外観、水溶液の状態、フィルムの透明性、フィルムの感触の経時変化を以下の方法に従って評価した。その評価結果を表2に示す。
【0045】
(1) 外観
得られた毛髪化粧料用基剤の外観を肉眼にて観察し、さらに20℃で10日間放置し、その経時的外観を目視により判定した。評価基準を以下に示す。
○:透明であった。
△:かすみがあった。
×:濁るか或いは分離した。
【0046】
(2) 水溶液の状態
得られた毛髪化粧料用基剤を用いて不揮発成分10%となるように水溶液を調製し、20℃における溶液の状態を目視により観察した。評価基準を以下に示す。
○:透明であった。
△:乳白色を呈した。
×:濁るか或いは分離した。
【0047】
(3) フィルムの透明性
得られた毛髪化粧料用基剤を不揮発成分10%となるようにエタノールで希釈し、この溶液をガラス板に薄く塗布し、室温でほこりがかからないようにして乾燥させながら観察し、さらに50℃の乾燥器にて20分間乾燥して得られたフィルムについて、室温で10日間にわたって経時的透明性を目視により判定した。
評価基準を以下に示す。
○:乾燥過程中及び10日間放置後も均一な透明であった。
△:乾燥途中は白っぽいが、乾燥後及び10日間放置後は透明であった。
×:乾燥過程中及び10日間放置後も不透明な白濁或いは不均一な半透明であった。
【0048】
(4) フィルムの感触の経時安定性
上記(3)の評価と同時に、そのフィルムを用いて、経時的感触の変化を指触によって判定した。評価基準を以下に示す。
○:10日間を通じて、すべり感、べた付き感に変化はなかった。
△:経時的にすべり感が低下し、10日間放置後はべた付き感が強くなった。
×:最初からべた付き感が強いか或いは指にオイル状のものが付着した。
【0049】
【表2】
【0050】
表2に示す結果から、本発明の実施例1〜4及び比較例1、4で得られた毛髪化粧料用基剤は、何れも外観、水溶液の状態、フィルムの透明性において優れたものであり、フィルムの感触の経時安定性も良好であることがわかった。
なお、比較例5で得られた毛髪化粧料用基剤は重合途中でゲル化し、また実施例5及び比較例8で得られた毛髪化粧料用基剤は、共重合体が塩基性化合物(E)で中和されていないため水溶液とすることはできなかったが、他の性質は問題なかった。
【0051】
〔毛髪化粧料用基剤の整髪剤として各種剤型による性能評価〕
次に、既述の実施例及び比較例で得られた各毛髪化粧料用基剤を用い、ヘアースタイリングフォーム、ヘアースタイリングウォーター、ヘアースプレー、ヘアースタイリングミスト及びカラースプレー等の各種剤型に処方し、各種剤型としての性能を評価した。各種剤型としての処方及び性能の評価結果を表−3〜7に示す。
各性能の評価方法は、以下に示す通りである。各処方例及び比較処方例における配合組成については、特に示さない限り全て重量基準であり、また括弧内に濃度を表示した配合成分の配合量以外は不揮発成分としての配合量を示す。なお、特に定めのない場合の判定基準は次の通りである。
◎:非常に良い。○:良い。△:やや不満あり。×:不良。
【0052】
(イ) セット保持力(カールリテンション)
長さ22cm、重さ約2gの毛髪を市販品シャンプーで洗浄後、市販リンスで処理し、風乾後、毛髪の下端に10gのクリップを取り付け、毎分30回転するモーターの回転軸に取り付けた。次に、毛髪を回転させながら、約15cm離れたところから前記試験処方を10秒間むらなく噴霧し、直ちに付着した液滴を指でならして、直径約1.2cmのロッドに巻き、クリップで固定し、これを50〜60℃にて30分間乾燥し、さらにそれをデシケーター中でよく冷やしてから、螺旋状に解いて垂直に建てた目盛りつきのガラス板に取り付け、30℃、95%R.H.に調湿した恒温恒湿器中に放置し、10時間経過後における毛髪の先端位置を記録し、次式に基づいてカールリテンションを算出した。数値が大きいほどセット力があることを示す。
カールリテンション(%)={(L−Lt)/(L−L0)}×100
L :試験毛髪を伸ばしたときの長さ
Lt :恒温恒湿器中に放置し、10時間経過後における試験毛髪の先端位置
L0 :恒温恒湿器に入れる前における試験毛髪の先端位置
【0053】
(ロ) 平滑性(くし通り性)
乾燥した毛髪束を用意し、これに前記試験処方を噴霧又は塗布して、くしで解いたときのくしの通過の難易を評価した。
【0054】
(ハ) べた付き感
乾燥した毛髪束を用意し、これに前記試験処方を噴霧又は塗布して、乾燥後の毛髪束を手の平で握りしめた時のベタ付き感を評価した。
【0055】
(ニ) フレーキング
セット保持力評価の場合と同様に作成した毛髪束をくしで解いたときに脱落した樹脂の量を次のように評価した。
○:脱落がなかった。
△:やや脱落があった。
×:脱落が多く、粉吹き状態となった。
【0056】
(ホ) 風合い
セット保持力評価の場合と同様に作成した毛髪に手で触れたときの感触を、社内モニターを使った官能試験により次のように評価し、さらに1日経過後に同様の試験をしたときの経時的変化も評価した。
◎:なめらかで且つドライタッチであった。
○:多少のごわ付き感はあるが満足のいくものであった。
△:ごわ付くか或いは粘着した。
×:かなりごわ付くか或いは強く粘着した。
【0057】
(ヘ) 洗髪性
前記試験処方を試験用毛髪束に均一に噴霧し、50〜60℃で乾燥し、40℃の温水に浸漬し、その状態を観察して次のように評価した。
○:1分以内に樹脂成分が毛髪から除去できた。
△:5分程度で樹脂成分が毛髪から除去できた。
×:5分経過後も樹脂成分が毛髪上に残存した。
【0058】
(ト) 経時安定性
前記試験処方を、それぞれ調製の室温で1ヶ月静置したのち、処方成分の分離の程度を目視により観察した。
◎:全く分離を生じなかった。
○:僅かに分離しており、1分間振蕩し、7日間静置したが、分離を生じなかった。
△:僅かに分離しており、1分間振蕩することにより、再分散可能であったが、1時間後には再び分離を生じた。
×:分離を生じており、振蕩を加えても再度分散することができなかった。
【0059】
(チ) 発色性
カラースプレーの処方のみの評価として、2gの白髪の束に前記試験処方をそれぞれ10秒間噴霧した後、十分乾燥させ、下地の隠蔽の状態を目視により観察した。
◎:下地となる白髪の色が完全に隠蔽され、塗膜は黒色を呈した。
○:下地となる白髪の色の影響を僅かに受け、塗膜の外観が僅かに灰色がかったものとなった。
△:下地となる白髪の色の影響を受け、塗膜の外観が薄い灰色となった。
×:下地となる白髪の色がほとんど隠蔽されず、また色むらも生じた。
【0060】
(リ) 色移りのなさ
カラースプレーの処方のみの評価として、2gの白髪の束に試験処方をそれぞれ10秒間噴霧して十分乾燥させ、学振型摩擦試験器により、100gの加重をかけて30回、綿布と摩擦したのち、綿布の汚れを目視で観察した。
◎:綿布は全く汚れなかった。
○:綿布上に僅かに汚れが確認された。
△:綿布上に明確な黒色の色移りが確認された。
×:綿布上に濃厚な黒色の色移りが確認されると共に、毛髪上の塗膜の色も一部失われていた。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る毛髪化粧料用基剤は、アニオン性の毛髪化粧料用樹脂組成物の中でも特に整髪力の強いアクリル樹脂アルカノールアミン液の性質を維持しつつ、形成されるフィルムの透明性、良好な艶と共にシリコーン化合物の性質である低粘着性と平滑効果を持ち、これにより形成されるフィルムの艶、低粘着性及び平滑効果の経時的変化の問題が無く、組成物を水溶液やアルコール溶液にした場合にも経時的に不溶物を生じること無く安定なものである。
【0067】
さらに、本発明に係る毛髪化粧料用基剤を用いる毛髪化粧料により形成されたフィルムは粘着及びフレーキングの問題がなく、平滑性に優れ、高温、高湿下においても優れたセット保持力を発揮し、しかもその感触を損なわない等の優れた整髪効果を奏すると共に特に共重合体が中和されているものでは容易に洗髪除去することができるものである。
Claims (6)
- (A)下記のエチレン性不飽和単量体(a)〜(c)、即ち
(a)下記の一般式(I)
(b)分子内にカルボキシル基を一つ以上有するエチレン性不飽和単量体10〜40重量%及び
(c)その他のエチレン性不飽和単量体40〜89.9重量%からなるエチレン性不飽和単量体成分を、
(B)アミノ変性シリコーン化合物と(C)親水性溶媒又は水及び親水性溶媒からなる溶媒の存在下に、(D)ラジカル重合開始剤を用いて溶液重合により共重合反応させて得られる共重合体からなる毛髪化粧料用基剤。 - アミノ変性シリコーン化合物(B)が、下記の一般式(II)
- 共重合に際して、エチレン性不飽和単量体(a)とアミノ変性シリコーン化合物(B)を予め混合し、その後に共重合反応させるようにした請求項1〜2の何れかに記載の毛髪化粧料用基剤。
- 共重合に際して、エチレン性不飽和単量体成分(A)及びアミノ変性シリコーン化合物(B)を溶解する溶媒(C)を用いる請求項1〜3の何れかに記載の毛髪化粧料用基剤。
- 共重合体が塩基性化合物(E)で中和されてなる請求項1〜4の何れかに記載の毛髪化粧料用基剤。
- 請求項1〜5の何れかに記載の毛髪化粧料用基剤を含んでなる毛髪化粧料。
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