JP4710919B2 - 光触媒塗料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、光触媒活性、透明性に優れた酸化チタン系光触媒塗料の製造方法に関するものである。
この種の光触媒薄膜を得る方法として、以下の特許文献1に記載されているように、チタンのアルコキシドとアルコールアミン類から調製されたチタニアゾルを基板にコーティングした後、焼成することにより光触媒薄膜を形成する方法が知られている。また、基板の保護及び酸化チタン層との密着性向上のために、基板と酸化チタン層との間にアンダーコート膜を設けた2層コートタイプの塗膜の製造方法も知られている。
このうち、チタニアゾルを用いて焼成する方法では、高温で焼成処理しなければならないため、得られた光触媒薄膜の透明性が低下するおそれがあるだけでなく、焼成炉を必要とするためコストが高くなる問題があった。
また、低温で処理できる2層コートタイプでは、2回塗り及び乾燥が必要であるため、処理工程が多くなり、簡便な方法とはいえなかった。この2層コートタイプでは光触媒の活性を十分に引き出すために、酸化チタンの含有量を80重量%以上としなければならないため、成膜した膜の透明性が十分に得られないだけでなく、基板との密着性が十分に得られず安定した膜が形成できなくなるという問題があった。
上記諸問題を解決する方策として本出願人は、一次粒子の平均粒径0.01〜0.1μmの超微粒子アナターゼ型酸化チタン、有機溶媒、β-ジケトン、チタネート系又はアルミネート系カップリング剤とシリカゾルからなる光触媒塗料を提案した(特許文献2参照。)。この公報に示された光触媒塗料を用いることにより、透明性、触媒活性、塗膜強度に優れた光触媒塗膜を形成することができる。
特開平7−100378号公報 特開平10−195341号公報
しかし、上記特許文献2に示された光触媒塗料を用いて塗膜を形成することにより、従来の光触媒薄膜と比べて高い透明性、光触媒活性、膜強度に優れた塗膜が得られるが、光触媒の用途の拡大とともに、より高い透明性を有する塗膜を形成し得る光触媒塗料の開発が要望されている。
本発明の目的は、透明性、硬度及び分解性能に優れた光触媒塗料の製造方法を提供することにある。
請求項に係る発明は、その一次粒子径が0.01〜0.03μm及びその見掛比重が50〜200g/Lであって、前記一次粒子及び前記一次粒子が凝集又は集塊した二次粒子からなるアナターゼ型酸化チタン粉末をβ-ジケトンとチタネート系カップリング剤の存在下で溶媒である4〜15重量%のメチルアルコールと96〜85重量%のエチルアルコールからなる混合アルコール中に均一に分散させた後、シリカゾルを混合することを特徴とする光触媒塗料の製造方法である。
請求項1に係る発明では、このような物性を有するアナターゼ型酸化チタン粉末を塗料中に分散することにより、透明性、硬度及び分解性能に優れた光触媒塗料が得られる。
請求項に係る発明は、請求項に係る発明であって、アナターゼ型酸化チタン粉末が四塩化チタンを高温気相中で加水分解反応させ、反応生成物を急速冷却することにより得られる製造方法である。
以上述べたように、本発明によれば、その一次粒子径が0.01〜0.03μm及びその見掛比重が50〜200g/Lであって、一次粒子及び一次粒子が凝集又は集塊した二次粒子からなるアナターゼ型酸化チタン粉末をβ-ジケトンとチタネート系カップリング剤の存在下で溶媒である4〜15重量%のメチルアルコールと96〜85重量%のエチルアルコールからなる混合アルコール中に均一に分散させた後、シリカゾルを混合することにより、アナターゼ型酸化チタン粉末が極めて一次粒子に近い状態まで均一で高度に分散した透明性、硬度及び分解性能に優れた光触媒塗料が得られる。
次に本発明の実施の形態を説明する。
本発明者らは、その一次粒子径が0.01〜0.03μm及びその見掛比重が50〜200g/Lであって、一次粒子及び一次粒子が凝集又は集塊した二次粒子からなることを特徴とするアナターゼ型酸化チタン粉末をβ-ジケトン、チタネート系カップリング剤存在下で、有機溶媒である混合アルコール中に均一に分散させた後、この分散液にシリカゾルを混合して得られる塗料は、より高い透明性を有し、硬度及び分解性能に優れた塗膜を形成することができるとの知見を得、本発明に至った。
一次粒子径が0.01〜0.03μm及び見掛比重が50〜200g/Lの一次粒子及び一次粒子が凝集又は集塊した二次粒子からなるアナターゼ型酸化チタン粉末が、溶媒である混合アルコールとβ-ジケトンとチタネート系カップリング剤からなる液体中で、一次粒子に近い状態まで均一で高度に分散する。酸化チタン粉末は一次粒子径が0.01μm未満のものは入手が困難であり、0.03μmを越えると光触媒塗料の透明度が低下する。見掛比重が50g/L未満であると均一に分散することができず、見掛比重が200g/Lを越えると塗膜の透明性において不具合を生じる。一次粒子と二次粒子の割合は個数比で一次粒子/二次粒子が1.0〜3.0であることが好ましい。一次粒子/二次粒子が下限値未満、即ち二次粒子が一次粒子に対して多くなると透明度が低下し易くなり、上限値を越えると製造が困難である。
この分散液に適量のシリカゾルを均一混合することにより、塗料中にアナターゼ型酸化チタン粉末が極めて一次粒子に近い状態まで均一で高度に分散した透明性、硬度及び分解性能に優れた光触媒塗料が得られる。
アナターゼ型酸化チタン粉末はそのBET比表面積が30〜100m2/gであることが好ましい。BET比表面積を30〜100m2/gとしたのは、下限値未満では十分な触媒活性が得られず、上限値を越えると分散性が低下するからである。一次粒子及び一次粒子が凝集又は集塊した二次粒子の粒子同士は0.01〜0.3μmの間隔をあけて塗料中に分散させることが好ましい。このように酸化チタンの粒子同士が0.01〜0.3μmの間隔をあけることにより塗膜の透明度が低下しない。酸化チタンの粒子同士の間隔は0.02〜0.15μmが好ましい。
この光触媒塗料を基材上に塗布することにより薄く均一な塗布が可能であり、かつβ-ジケトンとチタネート系カップリング剤更には、シリカゾルの作用により酸化チタン粒子間、及び基材との密着性が向上し、安定した光触媒薄膜が形成できる。
酸化チタン粉末の含有量は0.5〜20重量%である。1.0〜10.0重量%の割合で含有させることが好ましい。酸化チタン粉末の含有量が0.5重量%未満では十分な触媒活性が得られず、20重量%を越えると酸化チタンの分散性が低下し、形成する光触媒薄膜のヘイズが悪化する不具合を生じる。
β-ジケトンは、極性官能基(ケトン基)が、酸化チタン微粉末及び基材表面に存在する極性基(水酸基や酸素基)に作用して、焼付け中に縮合することにより、酸化チタン粉末の最密充填が起こり、粉末間及び粉末-基板間を結合させ膜形成剤として作用し密着性を上げたのではないかと考えられる。
β-ジケトンとしては、2,4-ペンタンジオン、3-メチル-2,4-ペンタンジオン、3-イソプロピル-2,4-ペンタンジオン、2,2-ジメチル-3,5-ヘキサンジオン等が挙げられる。β-ジケトンは酸化チタン粉末に対して0.5〜10重量%の割合で含有させる。1.0〜5.0重量%の割合で含有させることが好ましい。β-ジケトンの含有量が0.5重量%未満では、十分な分散性が得られず、10.0重量%を越えても更なる分散性の向上にはならない。
カップリング剤は低ヘイズ化剤として作用する。カップリング剤を添加することにより、膜構造に二次凝集群を形成せず、均一な最密充填化と表面の平滑精度がより一層高められるためにヘイズが低下(透明性が向上する)すると推測される。
カップリング剤としては、下記式(1)〜式(5)に示されるようなジアルキルパイロホスフェート基やジアルキルホスファイト基を含有するチタネート系カップリング剤等が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。
Figure 0004710919
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チタネート系カップリング剤は酸化チタン粉末に対して0.1〜5重量%の割合で含有させる。0.5〜2.0重量%の割合で含有させることが好ましい。カップリング剤の含有量が0.1重量%未満では分散性及びヘイズ低下の効果が得られず、5.0重量%を越えても更なるヘイズ低下や分散性の向上にはならない。
溶媒として用いられる混合アルコールとしては、メチルアルコールとエチルアルコールからなる混合液が好適である。この混合アルコールの含有割合はメチルアルコールが4〜15重量%、エチルアルコールが96〜85重量%である。メチルアルコールの含有割合が4重量%未満の場合、極めて透明な光触媒薄膜が得られず、15重量%を越えても更なる効果は得られない。光触媒塗料に含まれる溶媒の量は、塗布に適した粘度が得られればよく、特に制限されない。
また、シリカゾルの均一混合作用により透明度を低下させることがなく、充分な触媒活性を得ることが出来、更にシリカゾルの作用で基材との密着性が一層向上する。
シリカゾルとしてはエチルシリケートの加水分解物又は部分加水分解物が挙げられる。
次に、光触媒塗料の製造方法について説明する。
先ずその一次粒子径が0.01〜0.03μm、その見掛比重が50〜200g/L及びそのBET比表面積が30〜100m2/gの範囲内の物性を有し、一次粒子及び一次粒子が凝集又は集塊した二次粒子からなるアナターゼ型酸化チタン粉末を所定量用意する。このアナターゼ型酸化チタン粉末は四塩化チタンを高温気相中で加水分解反応させ、反応生成物を急速冷却することにより得られる。
次いでこの酸化チタン粉末を混合アルコールとβ-ジケトンとチタネート系カップリング剤からなる液体に混合し、例えばジルコニアビーズの所定量により、所定時間ペイントシェーカーにて均一に分散させる。次に、この分散液に所定濃度のシリカゾル溶液を適量加えて均一混合することにより、本発明の光触媒塗料を製造することができる。この光触媒塗料を例えばスピンコーターにより所定の基材表面に塗布し、乾燥することにより、その表面に光触媒塗膜を有するコーティング材が得られる。
また基材表面に無機質の下地層を形成し、この下地層の上に光触媒塗料を塗布、乾燥して光触媒膜を形成して光触媒機能を有するコーティング材を得ることもできる。本発明の光触媒塗料を用いた基材への塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法等により施すことができるが、特に塗布方法は限定されない。
本発明の基材に使用される材質には、ガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる群より選ばれる。ガラスとしては、蛍光灯、窓等の室内環境浄化(汚染物質分解)ガラス、水槽、生け簀等の水質浄化ガラス、車の防曇ガラス、CRT、LCD画面、窓、鏡、眼鏡等の防汚ガラス、カメラ、光学機器の防汚、防黴レンズ等がある。プラスチックとしては、AV機器、コンピューター、マウス、キーボード、リモコン、フロッピー(登録商標)ディスク、等の機器及びその周辺製品、車の内装品、家具、キッチン、風呂、洗面所等で使用する家庭用品等の使用する防汚、抗菌、防黴プラスチック等がある。金属としては、物干し台、物干し竿、キッチン、実験室等の作業台や洗い場、換気扇等に使用する防汚、抗菌、防黴ステンレス、防汚、抗菌処理ドアノブ等がある。木材の用途としては、防汚家具、公園の抗菌遊技施設等がある。タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石等の建材としては、防汚処理した外壁材、屋根、床材等、室内環境浄化(汚染物質分解)性を持つ内壁材、防汚、抗菌、防黴処理した各種内装品等がある。紙としては、抗菌処理文房具等に使用できる。フィルム等の繊維としては、食品包装用透明抗菌フィルム、野菜保存用透明エチレンガス分解フィルム、環境、水質浄化用フィルム等がある。このように各種基材は、防汚、環境浄化、抗菌、防黴の効果を有するので、太陽光や蛍光灯等から発せられる紫外線の照射が可能な条件であれば、例示した以外でも多くの用途に使用することができる。無機質の下地層としてはシリカ、アルミナ等が挙げられる。本発明のコーティング材により表面被覆を行った石材加工品、壁材又は硝子は透明性及び硬度に優れるとともに高い分解性能を示す。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
有機溶媒に4.7重量%のメチルアルコールと95.3重量%のエチルアルコールの混合アルコール40g、β-ジケトンに2,4-ペンタンジオン0.25g、上記化学式(1)に示されるチタネート系カップリング剤0.25g、一次粒子径0.021μm、見掛比重130g/L、BET比表面積50m2/gのアナターゼ型酸化チタン10gを混合し、ジリコニアビーズ100gにより16時間ペイントシェーカーにて分散させた。この分散液に10重量%シリカゾル溶液11gを混合し、光触媒塗料を調製した。調製した光触媒塗料をスピンコーターでガラス基板に塗布し、125℃で1時間乾燥させることにより、ガラス基板表面に光触媒薄膜が形成されたコーティング材を得た。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.02〜0.3μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<実施例2>
有機溶媒に10.2重量%のメチルアルコールと89.8重量%のエチルアルコールの混合アルコール150g、上記化学式(1)に示されるチタネート系カップリング剤0.1gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.01〜0.15μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<実施例3>
有機溶媒に4.7重量%のメチルアルコールと95.3重量%のエチルアルコールの混合アルコール150g、上記化学式(2)に示されるチタネート系カップリング剤0.1gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.02〜0.15μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<実施例4>
有機溶媒に10.2重量%のメチルアルコールと89.8重量%のエチルアルコールの混合アルコール40g、β-ジケトンに3-メチル-2,4-ペンタンジオン0.5g、上記化学式(3)に示されるチタネート系カップリング剤0.5gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.05〜0.20μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<実施例5>
有機溶媒に10.2重量%のメチルアルコールと89.8重量%のエチルアルコールの混合アルコール150g、β-ジケトンに3-メチル-2,4-ペンタンジオン0.5g、上記化学式(4)に示されるチタネート系カップリング剤0.25g、10重量%シリカゾル溶液43gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.05〜0.10μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<実施例6>
有機溶媒に4.7重量%のメチルアルコールと95.3重量%のエチルアルコールの混合アルコール40g、β-ジケトンに3-イソプロピル-2,4-ペンタンジオン1.0g、上記化学式(5)に示されるチタネート系カップリング剤0.4g、10重量%シリカゾル溶液43gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.05〜0.25μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<比較例1>
有機溶媒にエチルアルコール40g、上記化学式(1)に示されるチタネート系カップリング剤0.1gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.1〜0.4μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<比較例2>
有機溶媒にエチルアルコール40g、上記化学式(2)に示されるチタネート系カップリング剤0.4gを用い、β-ジケトンを添加しない以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.2〜0.5μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<比較例3>
有機溶媒にエチルアルコール40g、β-ジケトンに2,4-ペンタンジオン0.5g、10重量%シリカゾル溶液43gを用い、チタネートカップリング剤を添加しない以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.2〜0.5μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<比較例4>
酸化チタンに一次粒子径0.04μm、見掛比重250g/L、BET比表面積25m2/gのアナターゼ型酸化チタン10gを用いた以外は実施例1と同様にして光触媒塗料を調製し、実施例1と同様の方法でガラス基板表面に光触媒薄膜を形成した。得られた光触媒塗料の酸化チタン粉末の形態について透過型電子顕微鏡で測定したところ、粒子同士が0.2〜0.4μmの間隔をあけて塗料中に分散していることを確認した。
<比較試験及び評価>
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られたコーティング材の光触媒薄膜について光触媒薄膜のヘイズ、鉛筆硬度及び光触媒活性をそれぞれ測定した。なお、ヘイズ測定には、スガ試験機社製ヘイズコンピューターHGM−3Dを用いた。また光触媒活性は、以下に示す手順により求めた除去率を光触媒活性の指標とした。先ず、光触媒薄膜を塗布したガラス基板を1Lのガラス(パイレックス(登録商標))製容器に入れて密閉した。次いで容器内に350ppm(初期濃度)のアセトアルデヒドを導入した。次に、容器を照射量1.2mW/cm2の紫外線ランプで2時間照射した。照射後の容器内部のアセトアルデヒド濃度をガス検知管(ガステック社製)で測定し、下記に示す式に基づいて除去率を求めた。
除去率[%]=[(初期濃度−光照射後の濃度)÷初期濃度]×100
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られたコーティング材の光触媒薄膜について測定した結果を表1にそれぞれ示す。
Figure 0004710919
表1より明らかなように、有機溶媒にエチルアルコールを用いた比較例1〜3では、ヘイズが高く透明性に劣り、鉛筆による硬度でもH〜3Hと柔らかく、アセトアルデヒド除去率も75〜90%と低い数値を示している。また物性が本発明の範囲外である酸化チタンを用いた比較例4でも、ヘイズ値が高く、鉛筆硬度、アセトアルデヒド除去率ともに低くなった。これに対して実施例1〜6ではヘイズが極めて低く、鉛筆による硬度も3H〜4Hと硬く、アセトアルデヒド除去率は85〜95%と高い除去率を示した。

Claims (2)

  1. その一次粒子径が0.01〜0.03μm及びその見掛比重が50〜200g/Lであって、前記一次粒子及び前記一次粒子が凝集又は集塊した二次粒子からなるアナターゼ型酸化チタン粉末をβ-ジケトンとチタネート系カップリング剤の存在下で溶媒である4〜15重量%のメチルアルコールと96〜85重量%のエチルアルコールからなる混合アルコール中に均一に分散させた後、シリカゾルを混合することを特徴とする光触媒塗料の製造方法。
  2. アナターゼ型酸化チタン粉末が四塩化チタンを高温気相中で加水分解反応させ、反応生成物を急速冷却することにより得られる請求項記載の製造方法。
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