以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係るカラー画像形成装置について説明をする。
図1は本発明の実施形態としてのカラー複写機100の構成例を示す概念図である。図1に示すカラー複写機100は、タンデム方式のカラー画像形成装置の一例を構成し、画像情報に基づいて像担持体に色を重ね合わせて色画像を形成する。カラー複写機100は、必要に応じて色ズレ補正処理を実行する。
この色ズレ補正処理を実行するとき、当該複写機100は、転写紙幅情報に基づいて色ズレ複合補正モード(JOB連続レジスト補正モード)又は色ズレ単独補正モード(JOB停止レジスト補正モード)のいずれかを選択して色ズレ補正処理を実行する。ここに色ズレ複合補正モードとは、像担持体の画像領域に画像を書き込む処理及びその非画像領域に印画像を書き込む処理を並行して実行する動作をいう。色ズレ単独補正モードとは、画像領域に画像を書き込む処理を中止して非画像領域又は画像領域に印画像を書き込む処理のみを実行する動作をいう。
上述の色ズレ複合補正モード及び色ズレ単独補正モードのいずれも、印画像を書き込む処理を行った後、当該印画像の通過タイミングを読み取って、基準色の印画像に対する他の色の印画像の位置ズレ量を算出し、該位置ズレ量に基づいて画像形成位置を補正する動作を実行する(色ズレ補正処理)。これらの補正モードは、用紙Pの紙サイズにより切り替えて実行される。
カラー複写機100は、複写機本体101と画像読取装置102とから構成される。複写機本体101の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿給紙装置201の原稿台上に載置された原稿dは、図示しない搬送部により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、原稿画像を反映する入射光がラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ画像信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルの画像情報となる。画像情報は画像形成部へ送られる。画像形成部は各色毎に像担持体を有する複数組の画像形成ユニット(以下画像形成系IIともいう)10Y、10M、10C、10Kと、無終端状の中間転写ベルト6(以下画像転写系Iともいう)と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送部と、トナー像を定着するための定着装置17とを備えている。
この例で、画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Y、帯電器2Y、書込みユニット3Y、現像ユニット4Y及び像形成体用のクリーニング部8Yを有して、イエロー(Y)色の画像を形成するようになされる。
感光体ドラム1Yは像担持体の一例を構成し、例えば、中間転写ベルト6の右側上部に近接して回転自在に設けられ、Y色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Yは、図示しない駆動機構によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Yの斜め右側下方には、帯電器2Yが設けられ、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
感光体ドラム1Yのほぼ真横に対峙して、各々のレーザ光源を有した書込みユニット3Yが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Yに対して、Y色用の画像データに基づく所定の強度を有したY色用のレーザビーム光を走査するようになされる。このレーザビーム光は、例えば、Y色用のポリゴンミラーを回転して偏向走査される、いわゆるY色画像データの主走査方向への書込みである。主走査方向は、感光体ドラム1Yの回転軸に平行する方向である。感光体ドラム1Yは、副走査方向に回転する。副走査方向は、感光体ドラム1Yの回転軸に対して直交する方向である。この感光体ドラム1Yが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光の主走査方向への偏向走査によって、感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。
書込みユニット3Yの上方には現像ユニット4Yが設けられ、感光体ドラム1Yに形成されたY色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Yは、図示しないY色用の現像ローラを有している。現像ユニット4Yには、Y色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。Y色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4Y内でキャリアとY色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Yの対向部位に回転搬送し、Y色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー像は、1次転写ローラ7Yを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。感光体ドラム1Yの左側下方には、クリーニング部8Yが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Yに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
この例で、画像形成ユニット10Yの下方には画像形成ユニット10Mが設けられる。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1M、帯電器2M、書込みユニット3M、現像ユニット4M及び像形成体用のクリーニング部8Mを有して、マゼンタ(M)色の画像を形成するようになされる。
感光体ドラム1Mは像担持体の一例を構成し、例えば、上述の感光体ドラム1Yの下方であって、中間転写ベルト6の右側に近接して回転自在に設けられ、M色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Mは、図示しない駆動機構によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Mの斜め右側下方には、帯電器2Mが設けられ、感光体ドラム1Mの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
感光体ドラム1Mのほぼ真横に対峙して書込みユニット3Mが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Mに対して、M色用の画像データに基づく所定の強度を有したM色用のレーザビーム光を走査するようになされる。このレーザビーム光は、例えば、M色用のポリゴンミラーを回転して偏向走査され、M色画像データの書込みが実行される。この感光体ドラム1Mが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光が主走査方向へ偏向走査されることによって、感光体ドラム1MにはM色用の静電潜像が形成される。
書込みユニット3Mの上方には現像ユニット4Mが設けられ、感光体ドラム1Mに形成されたM色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Mは図示しないM色用の現像ローラを有している。現像ユニット4Mには、M色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。M色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4M内でキャリアとM色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Mの対向部位に回転搬送し、M色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Mに形成されたM色のトナー像は、1次転写ローラ7Mを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。感光体ドラム1Mの左側下方には、クリーニング部8Mが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Mに残留したトナー剤をクリーニングするようになされる。
この例で、画像形成ユニット10Mの下方には画像形成ユニット10Cが設けられる。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1C、帯電器2C、書込みユニット3C、現像ユニット4C及び像形成体用のクリーニング部8Cを有して、シアン(C)色の画像を形成するようになされる。
感光体ドラム1Cは像担持体の一例を構成し、例えば、上述の感光体ドラム1Mの下方であって、中間転写ベルト6の右側に近接して回転自在に設けられ、C色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Cは、図示しない駆動機構によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Cの斜め右側下方には、帯電器2Cが設けられ、感光体ドラム1Cの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
感光体ドラム1Cのほぼ真横に対峙して書込みユニット3Cが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Cに対して、C色用の画像データに基づく所定の強度を有したC色用のレーザビーム光を走査するようになされる。このレーザビーム光は、例えば、C色用のポリゴンミラーを回転して偏向走査され、C色画像データの書込みが実行される。この感光体ドラム1Cが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光が主走査方向へ偏向走査されることによって、感光体ドラム1CにはC色用の静電潜像が形成される。
書込みユニット3Cの上方には現像ユニット4Cが設けられ、感光体ドラム1Cに形成されたC色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Cは図示しないC色用の現像ローラを有している。現像ユニット4Cには、C色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。C色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4C内でキャリアとC色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Cの対向部位に回転搬送し、C色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Cに形成されたC色のトナー像は、1次転写ローラ7Cを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。感光体ドラム1Cの左側下方には、クリーニング部8Cが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Cに残留したトナー剤をクリーニングするようになされる。
この例で、画像形成ユニット10Cの下方には画像形成ユニット10Kが設けられる。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1K、帯電器2K、書込みユニット3K、現像ユニット4K及び像形成体用のクリーニング部8Kを有して、ブラック(BK)色の画像を形成するようになされる。
感光体ドラム1Kは像担持体の一例を構成し、例えば、上述の感光体ドラム1Cの下方であって、中間転写ベルト6の右側に近接して回転自在に設けられ、BK色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Kは、図示しない駆動機構によって、反時計方向に回転される。感光体ドラム1Kの斜め右側下方には、帯電器2Kが設けられ、感光体ドラム1Kの表面を所定の電位に帯電するようになされる。上述の帯電器2Y,2M,2C,2Kにはスコロトロン帯電極が使用され、数百[V]単位の直流電圧が印加される。
感光体ドラム1Kのほぼ真横に対峙して書込みユニット3Kが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Kに対して、BK色用の画像データに基づく所定の強度を有したBK色用のレーザビーム光を走査するようになされる。このレーザビーム光は、例えば、BK色用のポリゴンミラーを回転して偏向走査され、BK色画像データの書込みが実行される。この感光体ドラム1Kが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光が主走査方向へ偏向走査されることによって、感光体ドラム1KにはBK色用の静電潜像が形成される。
書込みユニット3Kの上方には現像ユニット4Kが設けられ、感光体ドラム1Kに形成されたBK色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Kは図示しないBK色用の現像ローラを有している。現像ユニット4Kには、BK色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。BK色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4K内でキャリアとBK色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Kの対向部位に回転搬送し、BK色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Kに形成されたBK色のトナー像は、1次転写ローラ7Kを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。
感光体ドラム1Kの左側下方には、クリーニング部8Kが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Kに残留したトナー剤をクリーニングするようになされる。上述の1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kには、使用するトナー剤と反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス電圧が印加される。
中間転写ベルト6は像担持体の一例を構成し、1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kによって転写されたトナー像を重合してカラートナー像(カラー画像)を形成する。例えば、中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、2次転写ローラ7Aに向けて搬送される。2次転写ローラ7Aは中間転写ベルト6の下方に位置しており、中間転写ベルト6に形成されたカラートナー像を給紙部20から搬送されてきた用紙Pに一括して転写するようになされる(2次転写)。
給紙部20は、例えば、上述の書込みユニット3Kの下方に設けられ、給紙トレイ20A,20B,20Cを有して構成される。給紙トレイ20A,20B,20C内に収容された用紙Pは、給紙トレイ20A,20B,20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21及び給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B,22C,22D、レジストローラ23及び28等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送される。
2次転写ローラ7Aの左側には定着装置17が設けられ、カラー画像を転写された用紙Pを定着処理するようになされる。定着装置17は、定着ローラ、加圧ローラ及び加熱ヒータを有している。定着処理は、加熱ヒータによって加熱される定着ローラ及び加圧ローラの間に用紙Pを通過させることで、当該用紙Pが加熱・加圧される。定着後の用紙Pは、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
この例で、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。クリーニング部8Aは、中間転写ベルト6の電荷を除電する除電部や中間転写ベルト6に残留するトナー等を除去するパッドを有している。このクリーニング部8Aによってベルト面がクリーニングされ、除電部で除電された後の中間転写ベルト6は、次の画像形成サイクルに入る。これにより、用紙Pにカラー画像を形成できるようになる。
この複写機本体101のクリーニング部8Aの上流側であって、中間転写ベルト6上面の各々端部を見通せる領域には、レジストセンサ12A,12B(図示せず)が設けられており、上述した画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kによって中間転写ベルト6の両側端部に形成された色ズレ補正用のY、C、M、BKの各色のレジストマークCRを検知して画像検知信号を発生するようになされる。この画像検知信号に基づいて、色ズレ複合補正モード及び色ズレ単独補正モードを実行できるようになる。
この例で搬送ローラ22C,22Dの直前には、検知手段の一例となる用紙幅センサ11が配置され、用紙Pの幅を検知して用紙幅信号S11を出力するようになされる。搬送ローラ22C,22Dは、手差しトレイ28からの給紙搬送路と、給紙部20からの給紙搬送路とが合流する部分である。この位置に用紙幅センサ11を配置することで、手差しトレイ28から給紙された幅広の用紙P’や、給紙トレイにセットされた幅広の用紙P’の両方の用紙幅を検知できるようになる。
図2A〜Cは、感光体ドラム1Y等の構成例を示す側面図及び正面図である。図2Aに示す感光体ドラム1Yは画像形成ユニット10Yに設けられ、半径rを有しており、その周長Laは2πrである。他の感光体ドラム1M〜1Kも同様にして構成される。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。
図2Bに示す感光体ドラム1Yは、露光可能幅W0を有している。露光可能幅W0は、最大画像形成領域の主走査方向の幅を成す。露光可能幅W0は書き込みユニット3Yのレーザ走査幅とほぼ等しく、例えば、最大画像形成領域を幅W1の画像領域(有効画像領域)と幅W2l,W2rの非画像領域とに区分される。感光体ドラム1Yは回転軸81を有している。この回転軸81に平行する方向を主走査方向としたとき、感光体ドラム1Yにおいて、幅W1の画像領域の左側端部には幅W2lの非画像領域が設けられ、右側端部には非画像領域W2rが設けられ、幅W1の画像領域と幅W2r,W2lの非画像領域とが主走査方向に並設されている。
幅W1の画像領域には用紙Pに転写するための画像が形成される。上述の当該幅W1の画像領域以外であって、幅W2l,W2rの非画像領域には、色ズレ補正用の印画像の一例となるY色のレジストマークCRが形成される。副走査方向は、感光体ドラム1Yの回転軸81に対して直交する方向である。
露光可能幅W0は、画像領域+非画像領域=幅(W1+W2l+W2r)で示され、この例で、露光可能幅W0が図2Cに示す用紙Pの最大幅Wmaxよりも大きく設定されている。感光体ドラム1Yは、副走査方向に回転する。この感光体ドラム1Yが副走査方向に回転し、かつ、レーザビーム光の主走査方向への偏向走査によって、感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。他の感光体ドラム1M〜1Kも同様にして構成される。
例えば、感光体ドラム1Mは、幅W1の画像領域と幅W2l,W2rの非画像領域とが主走査方向に並設され、かつ、主走査方向の露光可能幅W0が用紙Pの最大幅Wmaxよりも大きく設定されている。感光体ドラム1Cは、幅W1の画像領域と幅W2l,W2rの非画像領域とが主走査方向に並設され、かつ、主走査方向の露光可能幅W0が用紙Pの最大幅Wmaxよりも大きく設定されている。感光体ドラム1Kは、幅W1の画像領域と幅W2l,W2rの非画像領域とが主走査方向に並設され、かつ、主走査方向の露光可能幅W0が用紙Pの最大幅Wmaxよりも大きく設定されている。これにより、色ズレ複合補正モード及び色ズレ単独補正モードを実行できるようになる。
図3は、2つのレジストセンサ12A,12BによるレジストマークCRの検知例を示す斜視図である。図3に示すレジストセンサ12A及び12Bは、中間転写ベルト面を見通せる領域であって、中間転写ベルト6の両側端部上に設けられ、色ズレ複合補正モードや色ズレ単独補正モード等の実行時、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kによって中間転写ベルト6の両側に形成されたレジストマークCRを検知するようになされる。レジストセンサ12A及び12Bには、光学式センサやラインイメージセンサが使用される。レジストセンサ12A及び12Bは、幅W2l,W2rの非画像領域上に配置される。
図3に示す中間転写ベルト6は、感光体ドラム1Y〜1Kによって形成されたトナー画像を図示しない用紙Pに転写するため、感光体ドラム1Y〜1Kの露光可能幅W0にほぼ等しいベルト幅W0’を有している。例えば、中間転写ベルト6は、A3サイズの用紙Pの短辺よりも長いベルト幅W0’を有している。感光体ドラム1Y等と同様にして、幅W1の画像領域と、当該画像領域以外であって色ズレ補正用のY、C、M、BKの各色のレジストマークCRが転写される幅W2l,W2rの非画像領域とが主走査方向に並設され、かつ、主走査方向の露光可能幅W0が用紙Pの最大幅Wmaxよりも大きく設定される。
図4は、中間転写ベルト6における用紙Pの給紙例を示す上面図である。この例では、A3サイズの用紙Pの短辺よりも長いベルト幅W0’を有した中間転写ベルト6にA3サイズの用紙Pを給紙(セット)した場合の例を挙げる。
図4に示すA3サイズの用紙Pが給紙された中間転写ベルト6において、露光可能幅をW0(=W0’)とし、画像領域の幅をW1とし、非画像領域の幅をW2l,W2rとし、左右の紙裁断マージン(範囲)をWaとし、左右の汚れ防止マージンをWbとし、左右の書込みユニット取付公差をWdとし、A3サイズの用紙Pの短辺の幅(最大幅)をWmax=297mmとしたとき、露光可能幅W0は仕様値によりW0=324mmに設定(設計)される。
画像領域の幅W1は、Wmax+(Wa+Wb)×2に設定される。この例では、左右の紙裁断マージンWaが2mmに設定され、左右の汚れ防止マージンWbも2mmに設定され、画像領域の幅W1は305mmとなる。非画像領域の左側端部の幅W2lは8mmに設定され、右側端部の幅W2rも8mmに設定される。左右の書込みユニット取付公差Wdは1.5mmに設定される。なお、主走査補正を行う場合、レジストマークCRのライン幅を48dot(1.016mm)に設定される。
この例では、短辺の幅Wmax=297mmの理想のA3サイズの用紙Pが画像形成系に給紙された場合は、画像領域の幅W1の両側に紙裁断マージンWa=2mm及び汚れ防止マージンWb=2mmを設定しているので、色ズレ複合補正モードを実行できる。
しかし、これらの紙裁断マージンWaや、汚れ防止マージンWbが設定されていない感光体ドラム1Y’や、これらの紙裁断マージンWaや、汚れ防止マージンWbが設定されていても、短辺の幅Wmaxを越えるA3’サイズの用紙P’が画像形成系に給紙された場合は、色ズレ複合補正モードを実行することができない。例えば、左右の非画像領域の幅W2l,W2rが無い場合において、画像領域の幅W1+(書込みユニット取付公差Wd)×2=308mmとなる。この条件で強制的に色ズレ複合補正モードを実行しようとすると、用紙Pの両側端部に色ズレ補正用のY、C、M、BKの各色のレジストマークCRが転写される事態に陥る。
この例では、用紙Pの幅Wmaxが画像領域の幅W1よりも広い場合は、色ズレ複合補正モードを実行せずに、色ズレ単独補正モードを選択して実行する。これはA3サイズの用紙Pの延びを考慮した仕様の場合、オフィス機では頻度小と考えられるためである。このような設定(仕様)の場合には、色ズレ複合補正モード(JOB連続レジスト補正モード)から色ズレ単独補正モード(JOB停止レジスト補正モード)に切り換えて色ズレ補正処理を実施するようになされる。画像領域の幅W1よりも狭い幅の用紙Pが選択された場合は、色ズレ複合補正モードを選択して色ズレ補正処理を実行する。色ズレ複合補正モードでは、印字動作中に連続的に色ズレ量を検知し、書込みユニットの書込み開始位置(書込みタイミング)を補正するようになされる。
色ズレ複合補正モードでは、BK色基準で、速度偏差を測定し、それぞれの範囲でレジストズレ量について補正を行う。例えば、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを介して中間転写ベルト6に色ズレ補正用のレジストマークCRを形成し、当該レジストマークCRの通過タイミングを読み取って、基準色のレジストマークCRに対する他の色のレジストマークCRの位置ズレ量を算出し、該位置ズレ量に基づいて画像形成位置を補正するようになされる。画像形成位置とは、画像データに基づくカラー画像を中間転写ベルト6上に再現する場合に、Y色、M色、C色、BK色等の各々のトナー像を重ね合わせる位置をいう。この画像形成位置は、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに対する書込み開始位置を調整することで補正される。補正を行うタイミングは用紙1頁単位に行われる。このようにすると、用紙Pの両側端部に色ズレ補正用のY、C、M、BKの各色のレジストマークCRが転写されることがなくなる。
図5は、色ズレ単独補正モード時のレジストマークCRの形成例を示す概念図である。
図5に示す色ズレ単独補正モードによれば、A3サイズの用紙に比べて用紙幅が広いA3’サイズの用紙P’が画像形成系に給紙された場合、例えば、N枚目の画像を形成を終了した後、N+1枚目のJOBを停止し、色ズレ補正処理(色ズレ単独補正モード)を実行する。
色ズレ単独補正モードでは、JOBを停止し、BK色基準で、速度偏差を測定し、それぞれの範囲でレジストズレ量について補正を行う。例えば、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを介して中間転写ベルト6に色ズレ補正用のレジストマークCRを形成する。このとき、色ズレ補正用の「フ」字状のBK色のレジストマークCRが中間転写ベルト6の移動方向である副走査方向であって、その左右端に1個づつ形成され、これに続いて、C色のレジストマークCRが左右端に連続して1個づつ形成され、更に、M色のレジストマークCRが左右端に連続して1個づつ形成され、続いて、Y色のレジストマークCRが左右端に連続して1個づつ形成される。各々の色のレジストマークCRを左右端でK,C,M,Y色の4個を1グループとして形成するようにしたのは、トナー消費を抑えつつ、各色のレジストマークCRの画像形成位置を検知し、これを精度良く補正するためである。
その後、当該レジストマークCRの通過タイミングを読み取って、基準色のレジストマークCRに対する他の色のレジストマークCRの位置ズレ量を算出し、該位置ズレ量に基づいて画像形成位置を補正するようになされる。この色ズレ補正処理を終了したら、N+1枚目のJOBを実行する。画像領域の幅W1を使用してA3サイズの用紙に比べて用紙幅が広いA3’サイズの用紙P’に画像を形成するようになされる。
図6はカラー複写機100の画像転写系I及び画像形成系IIの構成例を示すブロック図である。図6に示すカラー複写機100は、図1に示した中間転写ベルト6や用紙幅センサ11、レジストセンサ12A,12B等を含む処理系を画像転写系Iとし、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを画像形成系IIとして抜き出したものである。
図6において、カラー複写機100は、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K、用紙幅センサ11、レジストセンサ12A,12B、不揮発メモリ14、制御部15、操作部16、表示部18及び画像処理部70を有している。
制御部15には用紙幅センサ11が接続され、画像転写系Iに給紙される用紙Pの幅を検知して用紙幅信号S1(転写紙幅情報)を制御部15に出力するようになされる。用紙幅センサ11にはラインセンサが使用される。検知手段には、搬送経路の途中に設けられた用紙幅センサ11の他に、給紙トレイ内に設けられた用紙幅センサで用紙の幅Wmaxを検知するようにしてもよい。検知手段は、幅広の用紙P’を検知できれば、どんな方法でもよい。
制御部15では、用紙幅センサ11から出力される用紙幅信号S1をアナログ・デジタル変換した用紙幅データD1に基づいて画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する。例えば、用紙幅データD1に基づいて色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モードのいずれかを選択する。この例で、制御部15が用紙幅データD1に基づいて用紙Pの幅Wmaxを検知する。その後、制御部15は、画像領域の幅情報Dwと用紙幅データD1とを比較し、用紙Pの幅Wmaxが画像領域の幅W1よりも狭い場合は、色ズレ複合補正モードを選択し、用紙Pの幅Wmaxが画像領域の幅W1よりも広い場合は、色ズレ単独補正モードを選択する。幅情報Dwは、画像領域の幅W1を二値化したデジタルデータである。
色ズレ複合補正モードでは、制御部15が幅W1の画像領域に画像を書き込む処理及び幅W2l,W2rの非画像領域にレジストマークCRを書き込む処理を並行して実行する。色ズレ単独補正モードでは幅W1の画像領域に画像を書き込む処理を中止して幅W2l,W2rの非画像領域又は幅W1の画像領域にレジストマークCRを書き込む処理のみを実行する。
この例で、制御部15は、定着装置17の定着温度が変化して温度差がΔ2°Cとなったとき、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが一定時間停止していたとき、主電源がオンされた時、ユーザにより、強制的に補正指示がなされたときに色ズレ補正処理を実行する。この例で、制御部15は、用紙単位に色ズレ補正処理を実行する。
制御部15にはレジストセンサ12A,12Bが接続され、色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モード実行時、中間転写ベルト6上の両側端部に形成されたレジストマークCRを検知して画像検知信号S21,S22を出力する。画像検知信号S21,S22には、レジストマークCRの前端エッジ検知信号成分や後端エッジ検知信号成分が含まれる。
レジストセンサ12A,12Bには、反射型の光学式センサやイメージセンサ等が使用される。これらのセンサには、発光素子及び受光素子が備えられ、光が発光素子からレジストマークCRへ照射され、その反射光を受光素子で検知するようになされる。制御部15は、レジストセンサ12A,12Bから得られる画像検知信号S21,S22をアナログ・デジタル変換した後の画像検知データDp1,Dp2に基づいて書込みユニット3Y,3M,3Cの露光タイミングを制御する。
制御部15には操作部16が接続され、通常のプリントモード時にユーザによって画像形成条件や強制的な色ズレ補正等を指示する際の操作データD31が入力される。操作はユーザによってなされる。制御部15には操作部16の他に表示部18が接続され、例えば、強制的に補正指示する際に表示データDvに基づいて色ズレ補正処理内容を表示するようになされる。表示部18には液晶ディスプレイが使用され、液晶ディスプレイは、操作部16を構成する図示しないタッチパネルと組み合わせて使用される。
制御部15には操作部16の他に不揮発メモリ14が接続される。不揮発メモリ14には、用紙幅データD1や、画像検知データDp1,Dp2、色ズレ補正データDε、表示データDv等が記憶される。不揮発メモリ14にはハードディスクやEEPROM等が使用される。
上述の制御部15には不揮発メモリ14の他に画像処理部70が接続される。画像処理部70は画像処理回路71、Y−信号処理部72Y、M−信号処理部72M、C−信号処理部72C及び、K−信号処理部72Kを有している。画像処理回路71には、原稿から読み取ったカラー画像のR,G,B色成分に係るR,G,B信号及び、プリンタ等の外部機器から出力される任意のプリントに係るY,M,C,K信号が入力される。
画像処理回路71では、画像処理制御信号S4に基づいてR,G,B信号を色変換して画像データDyをY−信号処理部72Yに出力する。また、色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モードの選択時、画像処理制御信号S4に基づいて色ズレ補正用の画像データDy’をY−信号処理部72Yに出力する。ここに画像データDyは、通常の画像形成モード時のJOBに係るY色用の画像形成信号をアナログ・デジタル変換した後のデータである。画像データDy’はY色レジストマーク形成用のデータである。
同様にして、画像処理回路71は、画像処理制御信号S4に基づいてR,G,B信号を色変換して画像データDmをM−信号処理部72Mに出力する。また、色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モードの選択時、画像処理制御信号S4に基づいて色ズレ補正用の画像データDm’をM−信号処理部72Mに出力する。ここに画像データDmは、通常の画像形成モード時のJOBに係るM色用の画像形成信号をアナログ・デジタル変換した後のデータである。画像データDm’はM色レジストマーク形成用のデータである。
また、画像処理回路71は、画像処理制御信号S4に基づいてR,G,B信号を色変換して画像データDcをC−信号処理部72Cに出力する。更に、色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モードの選択時、画像処理制御信号S4に基づいて色ズレ補正用の画像データDc’をC−信号処理部72Cに出力する。ここに画像データDcは、通常の画像形成モード時のJOBに係るC色用の画像形成信号をアナログ・デジタル変換した後のデータである。画像データDc’はC色レジストマーク形成用のデータである。
また、画像処理回路71は、画像処理制御信号S4に基づいてR,G,B信号を色変換して画像データDkをK−信号処理部72Kに出力する。更に、色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モードの選択時、画像処理制御信号S4に基づいて色ズレ補正用の画像データDk’をK−信号処理部72Kに出力する。ここに画像データDkは、通常の画像形成モード時のJOBに係るBK色用の画像形成信号をアナログ・デジタル変換した後のデータである。画像データDk’はBK色レジストマーク形成用のデータである。画像処理制御信号S4は制御部15から画像処理回路71に出力される。
Y−信号処理部72Yは、画像データDy又は/及び画像データDy’を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDy又は/及び画像データDy’を書込みユニット3Yに出力する。書込みユニット3YはY色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下Y−INDEX信号という)を出力するようになされる。
M−信号処理部72Mは、画像データDm又は/及び画像データDm’を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDm又は/及び画像データDm’を書込みユニット3Mに出力する。書込みユニット3MはM色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下M−INDEX信号という)を出力するようになされる。
C−信号処理部72Cは、画像データDc又は/及び画像データDc’を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDc又は/及び画像データDc’を書込みユニット3Cに出力する。書込みユニット3CはC色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下C−INDEX信号という)を出力するようになされる。
K−信号処理部72Kは、画像データDk又は/及び画像データDk’を書込選択信号S5に基づいて選択し、この画像データDk又は/及び画像データDk’書込みユニット3Kに出力する。書込みユニット3KはBK色用のレーザ光の照射タイミングを検知してレーザ検知信号(以下K−INDEX信号という)を出力するようになされる。書込選択信号S5は制御部15からY〜K−信号処理部72Y〜72Kに各々出力される。
制御部15には画像処理部70の他に画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが接続されており、画像形成ユニット10Yでは、画像処理部70から出力されるY色用の書込みデータWyに基づいて感光体ドラム1Yを介して中間転写ベルト6にY色のトナー像を形成する。書込みデータWyには、通常の画像形成モード時の画像データDyや、色ズレ補正モード時のレジストマーク形成用の画像データDy’が含まれる。
この例で、色ズレ複合補正モードが選択されると、書込みデータWy=画像データDy+画像データDy’を書込みユニット3Yに出力される。つまり、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDyと、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDy’とがY−信号処理部72Yでシリアルに合成されて書込みユニット3Yに出力される。
また、色ズレ単独補正モードが選択されると、書込みデータWy=画像データDy’を書込みユニット3Yに出力される。つまり、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDyは一時メモリ領域上で待避され、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDy’のみがY−信号処理部72Yで選択されて書込みユニット3Yに出力される。
画像形成ユニット10MではM色用の書込みデータWmに基づいて感光体ドラム1Mを介して中間転写ベルト6にM色のトナー像を形成する。書込みデータWmには、通常の画像形成モード時の画像データDmや、色ズレ補正モード時のレジストマーク形成用の画像データDm’が含まれる。
画像形成ユニット10Mでも、色ズレ複合補正モードが選択されると、書込みデータWm=画像データDm+画像データDm’を書込みユニット3Mに出力される。つまり、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDmと、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDm’とがM−信号処理部72Mでシリアルに合成されて書込みユニット3Mに出力される。
また、色ズレ単独補正モードが選択されると、書込みデータWm=画像データDm’を書込みユニット3Mに出力される。つまり、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDmは一時メモリ領域上で待避され、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDm’のみがM−信号処理部72Mで選択されて書込みユニット3Mに出力される。
画像形成ユニット10CではC色用の書込みデータWcに基づいて感光体ドラム1Cを介して中間転写ベルト6にC色のトナー像を形成する。書込みデータWcには、通常の画像形成モード時の画像データDcや、色ズレ補正モード時のレジストマーク形成用の画像データDc’が含まれる。
画像形成ユニット10Cでも、色ズレ複合補正モードが選択されると、書込みデータWc=画像データDc+画像データDc’を書込みユニット3Cに出力される。つまり、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDcと、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDc’とがC−信号処理部72Cでシリアルに合成されて書込みユニット3Cに出力される。
また、色ズレ単独補正モードが選択されると、書込みデータWc=画像データDc’を書込みユニット3Cに出力される。つまり、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDcは一時メモリ領域上で待避され、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDc’のみがC−信号処理部72Cで選択されて書込みユニット3Cに出力される。
画像形成ユニット10KではBK色用の書込みデータWkに基づいて感光体ドラム1Kを介して中間転写ベルト6にBK色のトナー像を形成するようになされる。書込みデータWkには、通常の画像形成モード時の画像データDkや、色ズレ補正モード時のレジストマーク形成用の画像データDkが含まれる。
画像形成ユニット10Kでも、色ズレ複合補正モードが選択されると、書込みデータWk=画像データDk+画像データDk’を書込みユニット3Kに出力される。つまり、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDkと、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDk’とがK−信号処理部72Kでシリアルに合成されて書込みユニット3Kに出力される。
また、色ズレ単独補正モードが選択されると、書込みデータWk=画像データDk’を書込みユニット3Kに出力される。つまり、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDkは一時メモリ領域上で待避され、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDk’のみがK−信号処理部72Kで選択されて書込みユニット3Kに出力される。
書込みユニット3Y,3M,3C,3Kでは、制御部15によって色ズレ補正用のレジストマークCRを感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを介して中間転写ベルト6に形成するように制御される。この例で制御部15は、中間転写ベルト6に形成されたレジストマークCRのマーク幅を検知する際に、感光体ドラム1Y,1M,1C,1KへのレジストマークCRの書込み開始を許可する書込み開始信号(以下VTOP信号という)を基準にして、中間転写ベルト6上のレジストマークCRの前端エッジ検知時刻と後端エッジ検知時刻とを検知し、レジストマークCRの前端エッジ検知時刻と後端エッジ検知時刻とに基づいて色ズレ補正データDεを演算する。
この例ではY色用の書込みユニット3Yには補正部5Yが取り付けられており、制御部15からのユニット位置補正信号Syに基づいて当該書込みユニット3Yの水平位置の傾きを調整するようになされる。同様にしてM色用の書込みユニット3Mには補正部5Mが取り付けられており、制御部15からのユニット位置補正信号Smに基づいて当該書込みユニット3Mの水平位置の傾きを調整するようになされる。C色用の書込みユニット3Cには補正部5Cが取り付けられており、制御部15からのユニット位置補正信号Scに基づいて当該書込みユニット3Cの水平位置の傾きを調整するようになされる(部分横倍補正処理)。
この例で色ズレ量の算出に関しては、BK色のレジストマークCRを基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、Y色のレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Y色のレジストマークCRの書込み位置とBK色のレジストマークCRの書込み位置とのズレ量からその補正量を算出する。同様にして、M、C色の書込み位置調整に関しても、BK色のレジストマークCRの書込み位置と、MやC色のレジストマークCRの書込み位置とのズレ量を各々検知し、このズレ量から各々の補正量を算出する。その後、Y、M、C色の画像形成位置を調整するようになされる。
図7は、Y色用の書込みユニット3Y及びそのスキュー調整部9Yの構成例を示す概念図である。図7に示すY色用の書込みユニット3Yは、半導体レーザ光源31、コリメータレンズ32、補助レンズ33、ポリゴンミラー34、ポリゴンモータ35、f(θ)レンズ36、ミラー面結像用のCY1レンズ37、ドラム面結像用のCY2レンズ38、反射板39、ポリゴンモータ駆動基板45及び、LD駆動基板46を有している。
半導体レーザ光源31は、Y色用のLD駆動基板46に接続される。LD駆動基板46には書込みユニット3Yからの書込みデータWyが供給される。色ズレ複合補正モードが選択されると、書込みデータWy=画像データDy+画像データDy’が書込みユニット3Yに出力される。色ズレ単独補正モードが選択されると、書込みデータWy=画像データDy’が書込みユニット3Yに出力される。
LD駆動基板46では書込みデータWyがPWM変調され、PWM変調後の所定のパルス幅のレーザ駆動信号SLyを半導体レーザ光源31に出力する。半導体レーザ光源31では、Y色用のレーザ駆動信号SLyに基づいてレーザ光が発生される。半導体レーザ光源31から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ32,補助レンズ33及びCY1レンズ37によって所定のビーム光に整形される。
このビーム光は、ポリゴンミラー34によって主走査方向に偏向される。例えば、ポリゴンミラー34はポリゴンモータ35により駆動される。ポリゴンモータ35にはポリゴン駆動基板45が接続され、先に述べた制御部15からポリゴン駆動基板45には、YポリゴンCLKが供給される。ポリゴン駆動基板45は、YポリゴンCLKに基づき、ポリゴンモータ35を所定の回転速度で回転するようになされる。ポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光は、f(θ)レンズ36及びCY2レンズ38によって感光体ドラム1Yの方へ結像される。この動作により、色ズレ複合補正モード時に感光体ドラム1Yの左右端部の非画像領域には、色ズレ補正用のレジストマークCRが形成され、その画像領域には原稿画像等の静電潜像を形成するようになされる。
この書込みユニット3Yにはスキュー調整部9Yが設けられる。スキュー調整部9Yは本体部に取り付けられる。この本体部には反射板39が設けられ、この反射板39に対峙した位置には、レーザインデックスセンサ49が取り付けられる。レーザインデックスセンサ49はポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光を検知して、Y−INDEX信号を制御部15に出力するようになされる。
スキュー調整部9Yは、調整ギヤユニット41及び調整用のモータ42を有している。調整ギヤユニット41にはCY2レンズ38が取り付けられている。調整ギヤユニット41はCY2レンズ38に対して可動自在に取り付けられる。調整用のモータ42ではスキュー調整信号SSyに基づいて調整ギヤユニット41を垂直方向に移動調整するようになされる。なお、他の色用の書込みユニット3M,3C,3K及びそのスキュー調整部の構成例については、その説明を省略する。
この例で色ズレ量の算出に関しては、BK色のレジストマークCRを基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。補正処理内容は例えば、次のi〜vの5つある。補正処理内容のうち、i〜iiiは画像データを補正することにより実現され、iv及びvはモータ42を駆動し、実際に、書込みユニット3Y,3M,3C,3Kを駆動して調整するようになされる。
i.主走査補正処理
この処理は、Y,M,C、BK色の色画像の主走査方向の書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置補正に関しては、BK色のレジストマークCRの画像検知データDp1,Dp2と、Y色のレジストマークCRの画像検知データDp1,Dp2からBK色に対するY色の主走査方向の位置ズレ量を求め、ここで求めた位置ズレ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、Y,M,C色の主走査方向の書込みタイミングを調整してBK色と他のY,M,C色の書込み位置とを揃えるようになされる。
ii.副走査補正処理
この処理は、Y,M,C,BK色の色画像の副走査方向における書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの画像検知データDp1,Dp2と、Y色のレジストマークCRの画像検知データDp1,Dp2からBK色に対するY色の副走査方向の位置ズレ量を求め、ここで求めた位置ズレ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、Y,M,C色の副走査方向の書込みタイミングを調整してBK色と他のY,M,C色の書込み位置とを揃えるようになされる。
iii.全体横倍補正処理
この処理は、Y,M,C,BK色の色画像の全体における画像形成位置を揃える補正である。例えば、画像クロック信号の周期を調整して、レーザ発光タイミングを調整し、この調整に基づいて全体横倍ズレ量を補正するようになされる。
iv.部分横倍補正処理
この処理は、各書込みユニット3Y,3M,3C,3K等の水平位置の傾きを調整する補正である。例えば、書込みユニット3Yの水平方向の一方が本体部に固定され、他方が可動可能になされ、図6に示したY色用の補正部5Yで位置補正信号Syに基づいて図示しないモータを回転して調整ギヤユニット41を駆動し、書込みユニット3YをX−Y(水平)方向に傾き調整するようになされる。感光体ドラム1Yに対する書込みユニット3Yの水平位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
v.スキュー補正処理
この処理は、各書込みユニット3Y,3M,3C,3K内のCY2レンズ38の垂直位置の傾きを調整する補正である。例えば、CY2レンズ38の一方の側は、書込みユニット3Yに支持固定され、他方の側は上下に可動可能になされ、図7に示したY色用のスキュー調整部9Yでモータ42は、スキュー調整信号SSyに基づいて調整ギヤユニット41を駆動し、CY2レンズ38を垂直方向に移動調整するようになされる。感光体ドラム1Yに対するCY2レンズ38の垂直位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
図8は、カラー複写機100の制御系の構成例を補足するブロック図である。図8に示すカラー複写機100は、用紙幅センサ11、レジストセンサ12A,12B、不揮発メモリ14、制御部15、操作部16及び表示部18を有している。制御部15は例えば、A/D変換器13A〜13C、補正量演算部51、主走査開始タイミング制御部52、副走査開始タイミング制御部53、画素クロック周期制御部54、書込みユニット駆動部55、画像形成ユニット駆動部56及びCPU57から構成される。
用紙幅センサ11は、A/D変換器13Cに接続される。A/D変換器13Cでは、色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モード時に、用紙幅センサ11から出力された用紙幅信号S1をA/D変換して二値化した後の用紙幅データD1を出力するようになされる。
レジストセンサ12AはA/D変換器13Aに接続される。A/D変換器13Aでは、色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モード時に、レジストセンサ12Aから出力された画像検知信号S21をA/D変換して二値化した後の画像検知データDp1を出力するようになされる。
レジストセンサ12BはA/D変換器13Bに接続される。A/D変換器13Bでは、色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モード時に、レジストセンサ12Bから出力された画像検知信号S22をA/D変換して二値化した後の画像検知データDp2を出力するようになされる。A/D変換器13A〜13Dは、不揮発メモリ14に接続される。
不揮発メモリ14には、用紙幅データD1、画像検知データDp1、Dp2、色ズレ補正データDεの他に、経過時間情報D[T1]、D[T2]、D[T3]、D[T4]等が格納される。
不揮発メモリ14は、補正量演算部51及びCPU57に接続される。補正量演算部51は主走査補正量算出部511、副走査補正量算出部512、全体横倍補正量算出部513、部分横倍補正量算出部514及びスキュー補正量算出部515から構成される。補正量演算部51では、色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モード時に、不揮発メモリ14から画像検知データDp1、Dp2を読み出し、この画像検知データDp1、Dp2から各誤差要因(主走査、全体倍率、部分横倍、スキュー)のズレ量が算出され、ここで算出されたズレ量より各誤差要因毎の補正量が求められる。
例えば、主走査補正量算出部511では、不揮発メモリ14から画像検知データDp1、Dp2を読み出して主走査方向の位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD11を出力する。このタイミング制御データD11により、主走査方向の位置ズレを補正するようになされる。
副走査補正量算出部512では、不揮発メモリ14から画像検知データDp1、Dp2を読み出して副走査方向の位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するためのタイミング制御データD12を出力する。このタイミング制御データD12により、副走査方向の位置ズレを補正するようになされる。
全体横倍補正量算出部513では、不揮発メモリ14から画像検知データDpを読み出して全体横倍ズレ量を算出し、この全体横倍ズレ量を無くすように画素クロック信号の周波数を調整するためのクロック制御データD13を出力する。このクロック制御データD13により、全体横倍ズレ量を補正することができる。
部分横倍補正量算出部514では、不揮発メモリ14から画像検知データDpを読み出して部分横倍ズレ量を算出し、この部分横倍ズレ量を無くすように書込みユニット3Y等の水平方向の傾きを調整するためのユニット制御データD14を出力する。このユニット制御データD14により、部分横倍ズレ量を補正することができる。
スキュー補正量算出部515では、不揮発メモリ14から画像検知データDpを読み出してスキューズレ量を算出し、このスキューズレ量を無くすように書込みユニット3Y等の垂直方向の傾きを調整するためのスキュー制御データD15を出力する。このスキュー制御データD15により、スキューズレ量を補正することができる。
図9は、色ズレ補正用のレジストマークCRとレジストセンサ12Aとの関係例を示す図である。
図9に示すレジストマークCRは、色ズレ複合補正モード及び色ズレ単独補正モード時に適用され、主走査方向に平行な線分と、主走査方向に対してθ=45°の角度を有した線分で構成される。例えば、レジストマークCRは「フ」字を構成する。レジストマークCRは、レジストセンサ12Aのスポット径の照射位置にその中央の点eを合わせ込むように書き込まれる。レジストマークCRは、図8に示したCPU57によって、中間転写ベルト6に形成するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが制御される。
この例で、主走査方向に平行な線分の中央の点eから、副走査方向に平行な補助線を引いて、この45°の角度を有した線分とこの補助線とが交わる点をfとしたとき、この点e−f間の線分の長さをLbとする。この例では、レジストマークCRの点eと点fとの検知時刻の差から点e−f間の線分の長さLbを算出することで、色ズレ補正用のレジストマークCRのレジストセンサ12A,12Bの検知点に対する主走査方向の位置ズレを検知することができる。
これらの色ズレ補正用のレジストマークCRをレジストセンサ12A及び12Bにより検知し、各色のレジストマークCRの画像形成位置に対する色ズレ量を算出し、Y、M、C色の画像形成位置を補正する。この補正は、色ズレ補正モード実行後の画像形成系で次の用紙Pに色画像を形成するための画像データDy,Dm,Dc,Dkを補正して、この色ズレ補正を基づく色画像を精度良く重ね合わせるためである。
図10A〜Hは、レジストセンサ12A等による画像検知信号S21の二値化例を示す図である。
図10Aに示すレジストセンサ12Aは、中間転写ベルト6上のレジストマークCRの、図中、直線部(i)及び傾斜部(ii)のエッジを検知して画像検知信号S21を出力する。この例で、「フ」字状のレジストマークCRの成す角度θは45°である。中間転写ベルト6は、一定線速で副走査方向に移動する。レジストセンサ12Aでは、図示しない発光素子からレジストマークCRへ光が照射され、その反射光を受光素子で検知するようになされる。
図10Bに示す画像検知信号S21はレジストセンサ12Aから得られ、この画像検知信号S21において、L1はベルト(面)検知レベルである。Lthは、画像検知信号S21を二値化するための閾値であり、L2はレジストマークCRに係るマーク検知レベルである。a点は、レジストマーク直線部(i)の前端エッジがレジストセンサ12Aにより検知され、その画像検知信号S21が閾値Lthをクロスした点であり、前端エッジ検知時刻taを与える。この前端エッジ検知時刻taに、図10Dに示す1個目の通過タイミングパルス信号Spが立ち上がる。
b点は、レジストマーク直線部(i)の後端エッジが同様に検知され、その画像検知信号S21が閾値Lthをクロスした点であり、後端エッジ検知時刻tbを与える。この後端エッジ検知時刻tbには、図10Dに示した通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。
同様にして、c点は、レジストマーク傾斜部(ii)の前端エッジがレジストセンサ12Aにより検知され、その画像検知信号S21が閾値Lthをクロスした点であり、前端エッジ検知時刻tcを与える。この前端エッジ検知時刻tcには、図10Dに示す2個目の通過タイミングパルス信号Spが立ち上がる。
d点は、レジストマーク傾斜部(ii)の後端エッジが同様に検知され、その画像検知信号S21が閾値Lthをクロスした点であり、後端エッジ検知時刻tdを与える。この後端エッジ検知時刻tdには、図10Dに示した通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。この二値化後の通過タイミングパルス信号Spは、画像検知データDpとなる。画像検知データDpはBK色のレジストマークCRの書込み位置に対するY,M,C色の書き込み位置のズレ量算出に使用される。
レジストマーク直線部(i)の副走査方向のマーク幅は、中間転写ベルト6が一定線速で副走査方向に移動する場合、図10Fに示す経過時間T2と、図10Eに示す経過時間T1とに基づいて得られる。経過時間T1は、図10Cに示す時刻t0で書込み開始信号(VTOP信号)が立ち上がって、図示しないカウンタが起動され、その後、基準クロック信号のパルス数がカウントされ、前端エッジ検知時刻taになったとき、そのカウンタから出力される出力値(経過時間情報D[T1])によって得られる。
VTOP信号は、感光体ドラム1Y,1M,1C,1KにレジストマークCRの書込みを許可する信号(画像先端信号)である。同様にして、経過時間T2は、カウンタが更に基準クロック信号のパルス数をカウントし、後端エッジ検知時刻tbになったとき、そのカウンタから出力される出力値(経過時間情報D[T2])によって得られる。これらの経過時間情報D[T1]、D[T2]は、不揮発メモリ14に格納される。
色ズレ算出時には、不揮発メモリ14から経過時間情報D[T1]、D[T2]が読み出される。制御部15では、レジストマーク直線部(i)の副走査方向のマーク幅を経過時間情報D[T1]、D[T2]に基づいて(T2−T1)により演算するようになされる。
また、レジストマーク傾斜部(ii)の副走査方向のマーク幅は、同様にして、図10Hに示す経過時間T4と、図10Gに示す経過時間T3とに基づいて与えられる。経過時間T3は、図10Cに示した時刻t0でVTOP信号が立ち上がって、カウンタが起動され、その後、基準クロック信号のパルス数がカウントされ、前端エッジ検知時刻tcになったとき、そのカウンタから出力される出力値(経過時間情報D[T3])によって得られる。
同様にして、経過時間T4は、カウンタが更に基準クロック信号のパルス数をカウントし、後端エッジ検知時刻tbになったとき、そのカウンタから出力される出力値(経過時間情報D[T4])によって得られる。これらの経過時間情報D[T3]、D[T4]は、不揮発メモリ14に格納される。
色ズレ算出時には、不揮発メモリ14から経過時間情報D[T3]、D[T4]が読み出される。制御部15では、レジストマーク傾斜部(ii)の副走査方向のマーク幅を経過時間情報D[T3]、D[T4]に基づいて√2・(T4−T3)/2により演算するようになされる。これらの演算後に得られる情報は、色ズレ補正データとなる。なお、レジストセンサ12Bについても、同様に機能するので、その説明を省略する。
続いて、カラー複写機100の動作例について説明する。図11は、実施形態としてのカラー複写機100の補正動作例を示すフローチャートである。この実施形態では、選択された用紙Pの紙サイズにより色ズレ補正タイミングを可変する(変える)ようになされる。例えば、制御部15は、用紙幅データD1に基づいて色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モードのいずれかを選択する。この例で、制御部15は、用紙単位に色ズレ補正処理を実行する。
これらを動作条件にして、図11に示すフローチャートのステップST1で制御部15は、色ズレ補正検知タイミングに到達したか否かを判別する。この際の判別基準は、定着装置17の定着温度が変化して温度差が例えば、前回の温度検出値に対してΔ2℃だけ増加又は減少したとき、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが一定時間停止していたとき、主電源がオンされた時、ユーザにより、強制的に補正指示がなされたときに色ズレ補正処理を実行する。
色ズレ補正検知タイミングに到達したと判別された場合は、ステップST2に移行して制御部15は用紙Pの紙サイズが指定範囲内に有るか否かを判別する。このとき、用紙幅センサ11は、画像転写系Iに給紙される用紙Pの幅Wmaxを検知して用紙幅信号S1(転写紙幅情報)を制御部15に出力する。制御部15では、用紙幅センサ11から出力される用紙幅信号S1をアナログ・デジタル変換した用紙幅データD1に基づいて用紙Pの幅Wmaxを検知する。
その後、制御部15は、画像領域の幅情報Dwと用紙幅データD1とを比較し、用紙Pの幅Wmaxが画像領域の幅W1よりも狭い場合は、色ズレ複合補正モードを選択し、用紙Pの幅Wmaxが画像領域の幅W1よりも広い場合は、色ズレ単独補正モードを選択する。
紙サイズが指定範囲内に有る場合は、色ズレ複合補正モードを実行するために、ステップST3に移行して、幅W2l,W2rの非画像領域(画像範囲外)にレジストマークCR(色ズレ検知用マーク)の書き込み処理を実行する。色ズレ複合補正モードでは、制御部15が幅W1の画像領域に画像を書き込む処理及び非画像領域にレジストマークCRを書き込む処理を並行して実行する。
例えば、書込みデータWy=画像データDy+画像データDy’を書込みユニット3Yに出力される。つまり、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDyと、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDy’とがY−信号処理部72Yでシリアルに合成されて書込みユニット3Yに出力される。
書込みユニット3Yでは、制御部15によって色ズレ補正用のレジストマークCRを感光体ドラム1Yを介して中間転写ベルト6に形成するように制御される。他の書込みユニット3M,3C,3Kでも、同様にして、制御部15によって色ズレ補正用のレジストマークCRを感光体ドラム1M,1C,1Kを介して中間転写ベルト6に形成するように制御される。
その後、ステップST4でレジストセンサ12A,12Bは色ズレを検知し、制御部15は色ズレ量を算出する。例えば、制御部15は、中間転写ベルト6に形成されたレジストマークCRのマーク幅を検知する際に、感光体ドラム1Y,1M,1C,1KへのレジストマークCRの書込み開始を許可する書込み開始信号(以下VTOP信号という)を基準にして、中間転写ベルト6上のレジストマークCRの前端エッジ検知時刻と後端エッジ検知時刻とを検知し、レジストマークCRの前端エッジ検知時刻と後端エッジ検知時刻とに基づいて色ズレ補正データDεを演算する(図10参照)。
そして、ステップST5で算出した結果を次頁の用紙Pの書き込みタイミングにフィードバックする。このとき、CPU57は各誤差要因の補正量に従って、Y色、M色及びC色の書出しタイミングや、CLK周波数、水平、垂直方向の傾き等を調整する。例えば、CPU57は主走査補正量算出部511で作成されたタイミング制御データD11を主走査開始タイミング制御部52に出力する。主走査開始タイミング制御部52では、タイミング制御データD11に基づいて主走査方向の位置ズレ量を無くすように主走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。
また、CPU57は副走査補正量算出部512で作成されたタイミング制御データD12を副走査開始タイミング制御部53に出力する。副走査開始タイミング制御部53では、タイミング制御データD12に基づいて副走査方向の位置ズレ量を無くすように副走査方向の書き出しタイミングを調整するように動作する。
更に、CPU57は全体横倍補正量算出部513で作成されたクロック制御データD13を画素クロック周期制御部54に出力する。画素クロック周期制御部54では、クロック制御データD13に基づいて全体横倍ズレ量を補正するようになされる。
また、CPU57は部分横倍補正量算出部514で作成されたユニット制御データD14を書込みユニット駆動部55に出力する。書込みユニット駆動部55では、ユニット制御データD14に基づいて部分横倍ズレ量を補正するようになされる。更に、CPU57はスキュー補正量算出部515で作成されたスキュー制御データD15を画像形成ユニット駆動部56に出力する。画像形成ユニット駆動部56では、スキュー制御データD15に基づいてスキューズレ量を補正するようになされる。これにより、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及びスキュー補正処理を実行できるようになる(図7参照)。
その後、ステップST6に移行して色ズレ補正動作を終了するか否かを判別する。色ズレ補正動作が終了していない場合は、ステップST5に戻って上述の処理を繰り返すようになされる。この例では、色ズレ補正動作を終了するとステップST1に戻る。
また、上述のステップST2で用紙Pの紙サイズが指定範囲を越えている場合は、ステップST7に移行して画像書込み(印字動作:JOB)を停止して、画像領域における画像書き込み処理を行わずにレジストマークCRのみを個別に書き込む処理を実行する。つまり、色ズレ単独補正モードでは幅W1の画像領域に画像を書き込む処理を中止して幅W2l,W2rの非画像領域又は幅W1の画像領域にレジストマークCRを書き込む処理のみを実行する。
例えば、制御部15は、書込みデータWy=画像データDy’を書込みユニット3Yに出力するように画像処理部70を制御する。この例では、幅W1の画像領域に書き込む通常の画像形成用の画像データDyは一時メモリ領域上で待避され、その両側端部の幅W2l及びW2rの非画像領域に書き込む色ズレ補正用の画像データDy’のみがY−信号処理部72Yで選択されて書込みユニット3Yに出力される。
書込みユニット3Yでは、制御部15によって色ズレ補正用のレジストマークCRを感光体ドラム1Yを介して中間転写ベルト6に形成するように制御される。他の書込みユニット3M,3C,3Kでも、同様にして、制御部15によって色ズレ補正用のレジストマークCRを感光体ドラム1M,1C,1Kを介して中間転写ベルト6に形成するように制御される。
その後、ステップST8で色ズレ量をレジストセンサ12A,12Bで検知し、色ズレ量を算出する(上述のステップST4参照)。そして、ステップST9に移行して色ズレ補正動作を終了したか否かを判別する。色ズレ補正動作を終了していない場合は、ステップST8に戻って上述の処理を繰り返すようになされる。色ズレ補正動作を終了すると、印字動作を再開する。その後、ステップST1に戻る。
ステップST1で色ズレ補正検知タイミングに到達していない場合は、ステップST11に移行して当該印字動作を終了するかが判別される。印字動作を終了しない場合は、ステップST1に戻る。印字動作を終了する場合は、当該カラー複写機100における画像形成処理を終了する。
このように、実施形態としてのカラー複写機100によれば、色ズレ補正用のレジストマークCRを検知して色ズレ補正処理を実行する場合に、用紙幅センサ11は、画像転写系Iに給紙される用紙Pの幅Wmaxを検知して用紙幅データD1を制御部15に出力する。制御部15は、用紙幅センサ11から出力される用紙幅データD1に基づいて画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する。このとき、制御部15は、用紙幅データD1に基づいて色ズレ複合補正モード又は色ズレ単独補正モードのいずれかを選択して色ズレ補正処理を実行するようになる。
従って、用紙Pの幅Wmaxが画像領域の幅W1よりも狭い場合は、色ズレ複合補正モードを選択でき、用紙Pの幅Wmaxが画像領域の幅W1よりも広い場合は、色ズレ単独補正モードを選択できるようになる。これにより、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの主走査方向の露光可能幅W0を必要以上に広げることなく、幅W1の画像領域よりも狭い使用頻度の多い用紙Pについては、幅W1の画像領域に画像を書き込む処理と、幅W2l,W2rの非画像領域にレジストマークCRを書き込む処理とを並行して実行できるので、カラータンデム機に必須である色ズレ補正動作に要する時間を大幅に短縮できるようになる。
また、幅W1の画像領域よりも広い使用頻度の低い用紙P’については、幅W1の画像領域に画像を書き込む処理(JOB)を中止(中断)して幅W2l,W2rの非画像領域又は幅W1の画像領域にレジストマークCRを書き込む処理のみを実行できるので、全てを色ズレ単独補正モードで行う場合に比べて全体的に色ズレ補正時間を短縮できるようになる。特に、オフィス用途での色ズレ補正時間を短縮でき、カラー複写機100の生産性を向上できるようになった。