JP4710055B2 - コーナー用接合金物 - Google Patents
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そして、このようなサイディング材を使用して建築物の外壁工事等を行う場合には、俗にハットジョイナー(商品名)等と称されているシーリング凸条を中央に1本備えた接合金物を使用し、該接合金物を案内として最初にコーナー部の施工を行い、その後、壁面の施工を行うようにしていた。
また、上記2本のシーリング凸条の位置が予め所定の寸法にカットされたコーナー用サイディング材の大きさに合わせて設定されているから、シーリング凸条の位置調整やコーナー用サイディング材の大きさの調整を行うことなく、当該コーナー用サイディング材をそのまま上記シーリング凸条間の収容スペースに収容して固定することができる。
また、コーナー用サイディング材設置工程に先行させて平面用サイディング材設置工程を実施できるようになるから、平面用サイディング材設置工程において発生した平面用サイディング材の端材を再利用して再生コーナー用サイディング材を製作することができる。そして、当該再生コーナー用サイディング材を使用することによって従来、産業廃棄物として大量に廃棄されていた平面用サイディング材の端材の量を大幅に削減することが可能になる。
また、上記コーナー用接合金物の採用によって、平面用サイディング材の施工を先に行って、当該施工の完了後にコーナー用サイディング材の施工を行うことが可能になるから、種々の間取りないし大きさの建築構造躯体に対応でき、サイディング作業の効率化に寄与し得るようになる。
また、胴縁材ないし通気金具の採用、あるいは胴縁材と通気金具の双方の採用によって建築構造躯体の種々の間取りないし大きさに対応できるようになり、サイディング材の厚さ寸法の変化にも対応できるようになる。
また、コーナー用サイディング材の施工に先立って平面用サイディング材の施工を行うことが可能になるから、平面用サイディング材の端材を再利用してコーナー用サイディング材を製作でき、平面用サイディング材の端材の有効利用を図ることが可能になる。
(1)第1の実施の形態(図1〜3、図10参照)
図1は本発明のコーナー用接合金物を使用した建築物の外壁工事の様子を示す斜視図、図2は建築物の出隅部でのサイディング材設置前の下地工事の様子を示す平断面図、図3は建築物の出隅部でのサイディング材設置後の施工完了時の状態を示す平断面図、図10は本発明のコーナー用接合金物を使用したサイディング材の施工方法を作業手順に従って段階的に示す説明図である。
本実施の形態ではコーナー用接合金物1は上記コーナー部の一例である出隅部5に対する構造材9(例えば柱11)の外表面13、13に沿わせて立設状態で設置されるL形断面の金物基材15と、該金物基材15の交差する2枚の基材片17に対して外方に突出するように長手方向に沿って個別に設けられている2本のシーリング凸条19、19とを具備することによって基本的に構成されている。
金物基材15は長さSが約3mの長尺な部材で、稜線Lを挟んで直角に交差するように配置されている2枚の基材片17、17を備えることによって構成されている。基材片17、17には幅Wが約8mm、高さHが約20mmのシーリング凸条19、19が一例として設けられている。
また、基材片17、17には上記シーリング凸条19、19の外方に長さcが約20mmの端片部25が形成されている。
従って、基材片17の一辺の長さaは約60〜110mm程度の長さになっている。
また、上記コーナー用サイディング材21と平面用サイディング材29は一般に同一の厚さ(例えば12mm厚、15〜16mm厚)、デザイン、質感、色のものが使用され、建築物の外観の調和を図るようにしている。
コーナー用接合金物設置工程は、建築構造躯体3のコーナー部の一例である出隅部5に存する構造材9(例えば柱11)の外表面13、13に上述したコーナー用接合金物1を取り付ける工程である。
具体的には建築構造躯体3を図10(a)に示すように防水シート33で覆い、当該防水シート33の外側から図10(b)に示すように柱11の外表面13、13にコーナー用接合金物1を宛がう。そして、2枚の基材片17、17に形成されている2本のシーリング凸条19、19の内側面35、35を案内として一例として木製の胴縁材39を取り付け、釘41によってコーナー用接合金物1と防水シート33と共に柱11に固定する。
平面用サイディング材設置工程は、上記コーナー用接合金物1に形成されているシーリング凸条19、19の外側面37、37に平面用サイディング材29、29の端面43、43を当接させ、該シーリング凸条19、19を基点として順次、平面用サイディング材29を水平方向である間口方向Xないし奥行き方向Yに連接して行く工程である。
具体的には、図10(c)に示すように平面用サイディング材29、29を胴縁材39、39の外表面に宛がった状態で一方の端面43、43をシーリング凸条19、19の外側面37、37に突き当て、長尺な釘47、47によって胴縁材39、39と共に平面用サイディング材29、29を柱11に固定する。
そして図10(d)に示すように連接する平面用サイディング材29の一方の端面43を上記通常の接合金物31の他方の面に宛がい、同様に接合金物31と平面用サイディング材29との間に胴縁材39を介在させた状態で長尺な釘47を使用して上記柱11に平面用サイディング材29を固定する。
以下、同様にして必要枚数の平面用サイディング材29を通常の接合金物31を使用して連接して行き、終端の平面用サイディング材29を図10(e)に示すように所定の長さでカットして平面用サイディング材29の端材49を得る。
コーナー用サイディング材製作工程は、上記平面用サイディング材29の端材49を再利用してコーナー用サイディング材21を製作する工程である。尚、本工程によって製作したコーナー用サイディング材21を予め所定寸法bにカットされたコーナー用サイディング材21と区別して使用する場合には再生コーナー用サイディング材51として両者を識別する。
本工程では平面用サイディング材29の端材49を図10(f)に示すように所定寸法bでカットし、更にその片側の端部を例えば45°斜めにカットする。そして2枚の端材49の斜めにカットした部分をそれぞれ接着剤等によって接着すれば図示のようなL形断面の再生コーナー用サイディング材51が製作される。
コーナー用サイディング材設置工程は、コーナー用接合金物1に形成されている上記2本のシーリング凸条19、19間の収容スペース23にコーナー用サイディング材21を収容して固定する工程である。
本実施の形態ではコーナー用サイディング材21として再生コーナー用サイディング材51を使用し、図3、図10(g)に示すように再生コーナー用サイディング材51を先に取り付けてある胴縁材39、39の外側面に宛がうようにして収容スペース23内に収容し、長尺な釘47、47によって胴縁材39、39と共に再生コーナー用サイディング材51をコーナー部の一例である出隅部5に存する柱11に固定する。
そして、このような構成を採用することによって、コーナー部の一例である出隅部5ではコーナー用接合金物1における2本のシーリング凸条19、19間の収容スペース23内に収容されるコーナー用サイディング材21とシーリング凸条19、19間の隙間が小さくなるから、防水性と外観品質の向上とが図られる。
そして、当該再生コーナー用サイディング材51を使用することによって従来、産業廃棄物として大量に廃棄されていた平面用サイディング材29の端材49の量を大幅に削減することが可能になる。
図4は建築物の出隅部でのサイディング材設置前の下地工事の様子を示す平断面図、図5は出隅部でのサイディング材設置後の施工完了後の状態を示す平断面図である。
尚、本実施の形態で使用するコーナー用接合金物1と接合金物31の構成は前記第1の実施の形態と同様であるのでここでの詳細な説明は省略する。
そして、本実施の形態では前記第1の実施の形態において使用した胴縁材39に代えて通気金具55を使用している点において前記第1の実施の形態と相違しており、一例として15〜16mm厚のコーナー用サイディング材21と平面用サイディング材29を使用してサイディング材7の施工を行う場合に適した構成になっている。
最後に図示のようにシーリング材53を充填すれば、一連のサイディング材7の施工が完了する。
そして、このような構成の本実施の形態による場合でも前記第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
図6は建築物の出隅部でのサイディング材設置前の下地工事の様子を示す平断面図、図7は建築物の出隅部でのサイディング材設置後の施工完了時の状態を示す平断面図である。
尚、本実施の形態で使用するコーナー用接合金物1と接合金物31の基本的構成は前記第1の実施の形態と同様であり、シーリング凸条19の高さHが約25mmと第1の実施の形態より高くなっている点のみにおいて相違する。従って、ここでのこれ以上の詳細な説明は省略する。
そして、本実施の形態では前記第1の実施の形態において使用した胴縁材39に加えて前記第2の実施の形態において使用した通気金具55よりも薄型の通気金具61を使用している点において前記第1の実施の形態ないし前記第2の実施の形態と相違している。
また、本実施の形態では前記第2の実施の形態と同様、一例として15〜16mm厚の同質のコーナー用サイディング材21と平面用サイディング材29を使用してサイディング材7の施工を行う場合に適した構成になっている。
尚、上記胴縁材39と薄型の通気金具61の取り付けに際しては、前記第1及び第2の実施の形態と同様、コーナー用接合金物1における2本のシーリング凸条19、19の内側面35、35を案内として上記胴縁材39と薄型の通気金具61を取り付けるようにする。
最後に図示のようにシーリング材53を充填すれば、一連のサイディング材7の施工が完了する。
そして、このような構成の本実施の形態による場合でも前記第1または第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
図8は柱材の表面に対するサイディング材設置前の下地工事の様子を示す平断面図、図9は柱材の表面に対するサイディング材設置後の施工完了時の状態を示す平断面図である。
尚、本実施の形態で使用するコーナー用接合金物1は前記第1〜第3の実施の形態において使用したものと同様のものを使用する。従って、ここでのこれ以上の詳細な説明は省略する。
(a)コーナー用接合金物設置工程(図8参照)
コーナー用接合金物設置工程は、柱材63の表面65のすべてを被覆するように上記コーナー用接合金物1を複数個組み合わせて取り付ける工程である。そして本実施の形態では図示のように2個のコーナー用接合金物1を使用し、これら2個のコーナー用接合金物1を使用して4枚のコーナー用サイディング材21を取り付けることによって柱材63の表面65の全周を被覆するようにしている。
尚、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同様、胴縁材39を使用し、第1の実施の形態の場合と同様の手順で図8に示すように2個のコーナー用接合金物1が対向するように柱材63に設置される。
コーナー用サイディング材設置工程は、上記組み合わせて取り付けられた複数個のコーナー用接合金物1において2本ずつ設けられているシーリング凸条19間に形成されている複数の収容スペース23に対して個別にコーナー用サイディング材21を収容して固定する工程である。
また、本実施の形態では図示のように2個のコーナー用接合金物1の間に2本ずつ計4本設けられているシーリング凸条19の間に4つの収容スペース23、23、23、23が形成されており、これらの収容スペース23内に1枚ずつ計4枚のコーナー用サイディング材21が収容されるようになっている。
最後に図示のようにシーリング材53を充填すれば、柱材63に対する一連のサイディング材7の施工が完了する。
そして、このような構成の本実施の形態による場合でも前記第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、出隅部5に図13に示すような面取り部69が形成されている場合には、上記面取り部69に合わせて複数本の稜線Lを備えるコーナー用接合金物1を使用することも可能である。
この他、本発明のコーナー用接合金物1は出隅部5に存する構造材9の外表面13に限らず、図14に示すような入隅部71に存する構造材9の外表面73に適用することも可能であり、この場合には図示のように基材片17、17の外側に突出するシーリング凸条19、19を設けるようにする。
2 土台
3 建築構造躯体
4 筋交い
5 出隅部
6 水切り
7 サイディング材
9 構造材
11 柱
13 外表面
15 金物基材
17 基材片
19 シーリング凸条
21 コーナー用サイディング材
23 収容スペース
25 端片部
27 平面部
29 平面用サイディング材
31 (通常の)接合金物
33 防水シート
35 内側面
37 外側面
39 胴縁材
41 釘
43 端面
45 端面
47 長尺な釘
49 端材
51 再生コーナー用サイディング材
53 シーリング材
55 通気金具
57 ビス
59 係止片
61 薄型の通気金具
63 (独立した)柱材
65 表面
67 スペーサ
69 面取り部
71 入隅部
73 外表面
L 稜線
W 幅
H 高さ
a 一辺の長さ
S 長さ
b 所定寸法
c 長さ
X 間口方向
Y 奥行き方向
θ 角度
Claims (4)
- 建築構造躯体のコーナー部でのサイディング材の接合に使用されるコーナー用接合金物において、
上記コーナー部に存する構造材の外表面に沿わせて立設状態で設置されるL形断面の金物基材と、
上記金物基材の交差する複数枚の基材片に対して外方に突出するように長手方向に沿って個別に設けられる2本のシーリング凸条と、
を具備し、
上記金物基材とシーリング凸条は単一の金属製平板材料を折り曲げ加工することによって成形され、
上記シーリング凸条は交差配置された複数本のシーリング凸条間に予め所定の寸法にカットされたコーナー用サイディング材が隙間無く収容される位置に設けられ、
上記コーナー用サイディング材は平面用サイディング材の端材を所定寸法でカットし、更にその片側の端部を斜めにカットし、2枚の端材の斜めにカットした部分をそれぞれ接着したL形断面の再生コーナー用サイディング材であり、
上記コーナー用接合金物に形成されているシーリング凸条を案内として胴縁材を取り付け、上記胴縁材をコーナー用接合金物との間に介在させた状態でコーナー用サイディング材を設置するようにしたことを特徴とするコーナー用接合金物。 - 建築構造躯体のコーナー部でのサイディング材の接合に使用されるコーナー用接合金物において、
上記コーナー部に存する構造材の外表面に沿わせて立設状態で設置されるL形断面の金物基材と、
上記金物基材の交差する複数枚の基材片に対して外方に突出するように長手方向に沿って個別に設けられる2本のシーリング凸条と、
を具備し、
上記金物基材とシーリング凸条は単一の金属製平板材料を折り曲げ加工することによって成形され、
上記シーリング凸条は交差配置された複数本のシーリング凸条間に予め所定の寸法にカットされたコーナー用サイディング材が隙間無く収容される位置に設けられ、
上記コーナー用サイディング材は平面用サイディング材の端材を所定寸法でカットし、更にその片側の端部を斜めにカットし、2枚の端材の斜めにカットした部分をそれぞれ接着したL形断面の再生コーナー用サイディング材であり、
上記コーナー用接合金物に形成されているシーリング凸条を案内として通気金具を取り付け、上記通気金具をコーナー用接合金物との間に介在させた状態でコーナー用サイディング材を設置するようにしたことを特徴とするコーナー用接合金物。 - 建築構造躯体のコーナー部でのサイディング材の接合に使用されるコーナー用接合金物において、
上記コーナー部に存する構造材の外表面に沿わせて立設状態で設置されるL形断面の金物基材と、
上記金物基材の交差する複数枚の基材片に対して外方に突出するように長手方向に沿って個別に設けられる2本のシーリング凸条と、
を具備し、
上記金物基材とシーリング凸条は単一の金属製平板材料を折り曲げ加工することによって成形され、
上記シーリング凸条は交差配置された複数本のシーリング凸条間に予め所定の寸法にカットされたコーナー用サイディング材が隙間無く収容される位置に設けられ、
上記コーナー用サイディング材は平面用サイディング材の端材を所定寸法でカットし、更にその片側の端部を斜めにカットし、2枚の端材の斜めにカットした部分をそれぞれ接着したL形断面の再生コーナー用サイディング材であり、
上記コーナー用接合金物に形成されているシーリング凸条を案内として胴縁材と通気金具を取り付け、上記胴縁材と通気金具をコーナー用接合金物との間に介在させた状態でコーナー用サイディング材を設置するようにしたことを特徴とするコーナー用接合金物。 - 柱材の表面すべてを被覆するようにコーナー用接合金物を複数個組み合わせて取り付け、上記組み合わせて取り付けられた複数個のコーナー用接合金物において2本ずつ設けられているシーリング凸条間に形成されている複数の収容スペースに対して、個別にコーナー用サイディング材を収容して固定するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーナー用接合金物。
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