JP4709975B2 - 自動船位保持制御方法及び自動船位保持制御装置 - Google Patents

自動船位保持制御方法及び自動船位保持制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、観測船等の自動船位保持制御方法及び自動船位保持制御装置等に関し、より詳細には、波浪による波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を推定し、この推定した波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を補償するフィードフォワード制御を行って、船***置の偏差を著しく小さくすることができる自動船位保持制御方法、波漂流力推定方法、自動船位保持制御装置及び自動船位保持システムに関する。
自動船位保持装置(DPS:Dynamic Postioning System)は、海洋における調査研究や開発作業に従事する船舶・海洋構造物を、錨で留める代わりに、推進用プロペラやスラスタをコンピュータで制御することにより、潮流、風、波などの外力に抗して、洋上の定点に船***置を自動保持する装置であり、通常、目標位置と現在位置との偏差をゼロにするように、スラスタ等のアクチュエータをフィードバック制御をし、船体を定点に保持させようとする。
この自動船位保持システムは、作業船、調査船、海洋構造物などで、石油を始めとする海底資源の採掘や海洋調査など、海洋開発のニーズが増すと共に、その対象水域はますます深くなる状況にあり、錨を使用できない海域で威力を発揮している。
しかしながら、荒い海象下など、環境の変動が大きい場合には、位置偏差を検知してから、フィードバック制御をかけても制御に遅れが生じるため、十分な精度で自動船位保持制御が行えないことがある。そこで風圧力に対しては、風向・風速計で計測される風向及び風速を元に現在船体に作用している風圧力及び風圧モーメントを推定し、位置偏差を生じる前に、この風圧力及び風圧モーメントを補償する制御、いわゆるフィードフォワード制御を行う制御方法が採用されてきている。
一方、波浪に関しては、波の周期で変動する波浪強制力及び波浪強制モーメント(プラス・マイナスに変動する)と呼ばれる力及びモーメントと、船体をある一定の方向に押しやる比較的長周期で変動する波漂流力及び波漂流モーメントとに分けて考えることができるが、この波漂流力及び波漂流モーメントは比較的長周期ではあるがその大きさが変動するため、風圧力及び風圧モーメントと同様に、この波漂流力及び波漂流モーメントがDPSの位置制御に悪影響を及ぼすため、自動船位保持制御にとってはこの波漂流力及び波漂流モーメントに対する配慮が重要となる。
しかしながら、従来技術の自動船位保持システムでは、この変動する波漂流力及び波漂流モーメントに対して特別な措置を講じていないため、大きな波漂流力及び波漂流モーメントが船体に働いても、位置偏差及び方位偏差がある程度有意な値にならないとフィードバック制御が働かないため、制御に遅れが生じ、位置偏差及び方位偏差が大きくなってしまう。そのため、この波漂流力及び波漂流モーメントに対しても、これを推定して、この波漂流力及び波漂流モーメントを補償するフィードフォワード制御を行う必要がある。
しかしながら、風圧力と風圧力モーメントを推定可能にする風向・風速計のように、簡単に波漂流力及び波漂流モーメントを推定可能にする波などの物理量を計測する手段がないため、波漂流力及び波漂流モーメントを制御に取り入れることが難しいという問題がある。
なお、消防船などの自動操船装置の小型化を図り、操作性を向上するために、ジョイスティックの操作によって前後進プロペラとスラスタを動作させると共に、定点保持用の操作スイッチの操作によって、船位検出手段によって検出された船位が保持される保持機能を達成する制御手段を含む自動操船装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この自動操船装置の自動定点保持システムでは、船位保持機能/方位保持機能を有し、左右位置偏差、前後位置偏差、船首方位偏差を検出して、これらの値がゼロとなるように、前後進プロペラと横方向に推力を発生するスラスタの推力を操作するが、そのアルゴリズムは特に明示されておらず、また、波浪についての記載は無く、波浪を特に考慮していない。
また、船尾スラスターが不要で、かつプロペラ推進器は前進単一方向作動の固定ピット型式のものですむように、船体の位置、姿勢が所定の位置からどれだけずれているかを演算し、そのずれを所定の位置、姿勢に戻すように、前後進プロペラと2枚の高揚力舵の組み合わせと船首スラスターを制御して、船舶を所定の位置に保持する船舶の船位自動保持方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
この船舶の船位自動保持方法においても、風及び潮流の力と方向は考慮されているが、波浪は考慮されていない。
特開2002−234494号公報 特開平6−64589号公報
本発明は、船体に働く波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を推定して、この波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を補償するフィードフォワード制御を行うことにより、位置偏差及び方位偏差を従来型の自動船位保持制御に比べて格段に小さくすることができる自動船位保持制御方法及び自動船位保持制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の自動船位保持制御方法は、洋上の船体の船位及び船首方位を保持するための自動船位保持制御方法において、ピッチの計測時系列からピッチ代表周期を算出し、該ピッチ代表周期を基に、計測されたピッチと計測されたロールの計測応答比から、予め用意した波入射角推定用テーブルを用いて波入射角を推定し、前記ピッチ代表周期と前記波入射角とから、予め用意した短波頂不規則波中ピッチ応答値テーブルを用いてピッチ応答値を算出し、前記ピッチの計測時系列に対して、前記ピッチ応答値の逆数を乗じることにより、波の推定時系列を算出し、該波の推定時系列から波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出して、この算出した波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方に対してフィードフォワード制御を行う制御を含む船位保持制御を行うことを特徴とする。
この構成の自動船位保持制御方法によれば、この波漂流力及び波漂流モーメントによって、船体が移動する前に、船体に作用する波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を推定して、この波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を補償するフィードフォワード制御を行うので、船体の位置偏差(現在位置と目標位置との差)を従来型の自動船位保持制御方法に比べて著しく小さくすることができる。
また、この波漂流力及び波漂流モーメントは、規則波中の定常波漂流力を用いて、Hsuらの方法やPinksterの方法などに従い近似的に計算することができる。
この波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方の算出方法によれば、船体運動から波の時系列を推定し、この波の推定時系列から波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出することができ、この波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方に対して、自動船位保持のためのフィードフォワード制御をすることができる。
また、上記の自動船位保持制御方法において、前記波の推定時系列から前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出するに際して、前記波の推定時系列のゼロクロス間の周期と該ゼロクロス間の波高とから、この半波長毎の周期と波高に対応する規則波中の波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出し、該規則波中の波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を、前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方とする。このHsuの方法による、波の推定時系列から波漂流力及び波漂流モーメントの算出方法によれば、Pinksterの方法による場合よりも、比較的簡単なアルゴリズムで、波漂流力及び波漂流モーメントを算出できる。
このHsuの方法では、不規則波をゼロクロスの間の半波長毎に周期及び波高の変化する規則波の連なりとみなし、その半波長の間にそれぞれの規則波に対応する定常波漂流力が作用すると考える。そして、波漂流力は、その半波長が通過する間に作用するステップ関数として与えられる。この波漂流力の計算は、規則波中の波漂流力係数を予め用意しておけば、比較的容易に行うことができる。なお、Pinksterの方法では、波の各周波数成分に関して、規則波中の定常波漂流力を用いた積分計算を行って、波漂流力を求めるため、計算がHsuの方法に比べて複雑になる。
また、上記の自動船位保持制御方法に関連した波漂流力算出方法は、洋上の船体に作用する波漂流力及び波漂流力モーメントの少なくとも一方を推定するための波漂流力推定方法において、ピッチの計測時系列からピッチ代表周期を算出し、該ピッチ代表周期を基に、計測されたピッチと計測されたロールの計測応答比から、予め用意した波入射角推定用テーブルを用いて波入射角を推定し、前記ピッチ代表周期と前記波入射角とから、予め用意した短波頂不規則波中ピッチ応答係数テーブルを用いてピッチ応答値を算出し、前記ピッチの計測時系列に対して、前記ピッチ応答値の逆数を乗じることにより、波の推定時系列を算出し、該波の推定時系列から前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出する。この波漂流力算出方法により、船体運動から波の時系列を推定し、この波の推定時系列から波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出することができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の自動船位保持制御装置は、洋上の船体の船位及び船首方位を保持するための自動船位保持制御装置において、少なくともピッチとロールを含む船体の運動を計測する船体運動計測手段と、ピッチの計測時系列からピッチ代表周期を算出し、該ピッチ代表周期を基に、計測されたピッチと計測されたロールの計測応答比から、予め用意した波入射角推定用テーブルを用いて波入射角を推定する波情報推定手段と、前記ピッチ代表周期と前記波入射角とから、予め用意した短波頂不規則波中ピッチ応答係数テーブルを用いてピッチ応答値を算出するピッチ応答値算出手段と、前記ピッチの計測時系列に対して、前記ピッチ応答値の逆数を乗じることにより、波の推定時系列を算出する波時系列算出手段と、該波の推定時系列から前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出する波漂流力算出手段を備えて構成される。この構成により、上記の自動船位保持制御方法を実施できる。
また、上記の自動船位保持制御装置において、波漂流力算出手段が、前記波の推定時系列から前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出するに際して、前記波の推定時系列のゼロクロス間の周期と該ゼロクロス間の波高とから、この半波長毎の周期と波高に対応する規則波中の波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出し、該規則波中の波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を、前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方とする。このHsuの方法による、波の推定時系列から波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方の算出方法によれば、Pinksterの方法による場合よりも、比較的簡単なアルゴリズムで、波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出できるので、波漂流力算出手段が比較的単純化する。
また、上記の目的を達成するための本発明の自動船位保持システムは、洋上の船体の船位及び船首方位を保持するための自動船位保持システムにおいて、上記の自動船位保持制御装置を備えて構成される。この構成の自動船位保持システムは、上記の自動船位保持制御装置を備えて構成されるので、船体に作用する波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を考慮した制御を行うので、位置偏差及び方位偏差を著しく小さくすることができる。
なお、波漂流モーメントは一般に小さいので、特に船首方位の保持に関して厳しい要求をされない場合には、上記の自動船位保持制御方法及び自動船位保持制御装置において、波漂流モーメント関係の計算及び制御を行わずに、波漂流力関係の計算及び制御のみを行うように構成すると、制御及びシステムが単純化されるので好ましい。
本発明の自動船位保持制御方法、波漂流力算出方法及び自動船位保持制御装置、自動船位保持システムによれば、船体に作用する波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を推定でき、この波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を補償するフィードフォワード制御を行うので、船体の位置偏差及び方位偏差を従来型の自動船位保持制御に比べて著しく小さくすることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る自動船位保持制御方法、波漂流力算出方法及び自動船位保持制御装置、自動船位保持システムの実施の形態について説明する。なお、以下、説明の簡略化のために波漂流力等の力には、特に分離する場合を除き、漂流モーメント等のモーメントも含むものとして、モーメントに関する表示を省略する。即ち「・・・・力及び・・・・モーメント」の代わりに、「・・・・力」と表示する。また、特に分離する場合を除き、船***置には船首方位を含み、また、船体の位置偏差には方位偏差も含むものとする。
最初に、本発明に係わる自動船位保持制御装置20を備えた自動船位保持システム1について説明する。
図1に示すように、この自動船位保持システム1は、船体の位置保持制御のための情報を検出する船位保持用データ検出装置10と、この船位保持用データ検出装置10の検出値を入力して、推力発生装置30に指令を与える自動船位保持制御装置20と、自動船位保持制御装置20の指令出力に従って、船体に制御力を与える推力発生装置30を備えている。
この船位保持用データ検出装置10としては、測位センサ、船速を検出する速度センサ(対地、対水)、加速度センサ、姿勢センサ(ピッチ角、ロール角、ヨー角)、角速度センサ等があり、また、風力センサ、潮流センサ等が考えられる。
この実施の形態では、船体前後(サージ)方向位置、船体横方向(スウェイ)位置の測位センサとしてGPS装置11を、船首方位(ヨウ)のセンサとしてはジャイロコンパス12を、船速を検出する速度センサとして電磁ログ13を、船体の6自由度の運動(サージ:船体の前後方向、スウェイ:船体の左右方向、ヒーブ:船体の上下方向、ロール:船体の前後座標軸周り方向、ピッチ:船体の左右座標軸周り方向、ヨウ:船体の上下座標軸周り方向)についての情報を検出するセンサとしては加速度計と角加速度計を、それぞれ用いる。また、風力センサとしては、ベーンタイプの風向風速計14を用いる。このGPS(全地球測位システム)装置11による測位精度(1σ)は5m程度である。なお、σはランダム誤差の標準偏差である。
また、船体に有効な制御力を与えることができる推力発生装置30としては、一般的には、主推進器、舵、トンネル・スラスタ、アジマス・スラスタ、シュナイダ・プロペラ、ジェット推進などが考えられるが、この実施の形態では、可変プロペラの主推進器31を2基、舵32を2基、トンネル型可変ピッチプロペラのバウスラスタ33を2基、トンネル型可変ピッチプロペラのスタンスラスタ34を2基である。
そして、自動船位保持制御装置20は、操作部21と制御部22と表示部23とからなる。操作部21は、3軸ジョイスティック及び各種スイッチを有して構成され、この操作部21を通して、オペレータは、表示部23を見ながら、制御部22に指示を与えたり、制御の状態を知る。
制御部22は、自動船位保持制御装置20の中枢であり、この実施の形態では、2台の演算装置からなり、制御用演算装置及び監視用演算装置として使用され、共用メモリを通してデータの交換を行う。演算装置を構成するモジュールは、電源変動及び電磁誘導に対して十分なノイズマージンを持たせて設計され、センサ及びアクチュエータとつながる入出力インターフェイスは全て電気的に絶縁されて、外部トラブルが演算装置内部に悪影響を及ぼさないように考慮されている。また、演算装置の信頼性を高めるため、機械的駆動部を持つ外部補助記憶装置は採用せず、ROMモジュールにプログラム及びデータを全て書き込む。
この制御部22は、船位保持用データ検出装置10とデータを授受し、これらの検出データと、オペレータとのコミュニケーションで得られる指示データとから、諸演算を実行し、推力発生装置30への指令を算出及び出力する。
表示部23は、CRTディスプレイ、ディジタル表示器、表示灯等を有し、目標中心絶対座標表示又は自船中心相対座標表示で船位を表示する。この座標の表示スケールは自由に変更でき、左上に、風と推定定常力の方向を図示でき、更に、センサ状態、パワー状態、警報状態等のデータ表示機能を持っている。また、目標位置、目標方位、位置偏差、方位偏差、推進器指令推力を表示するディジタル表示機能と、各機器異常、発電機過負荷及び位置保持異常時に警報を出す警報機能と、動作状態、操作内容及び警報内容をカセットテープ出力及びプリンタ出力等で記録する記録機能が備わっている。
そして、この自動船位保持システム1は、ソフト的には、スタンバイモード、手動モード、半自動モード、自動モードの4つの運転モードを有している。
スタンバイモードは、操船に柔軟性を持たせるために、各推進器にゼロ推力を指令するためのモードであり、手動モードは、3軸ジョイステックの操作に応じた推力を指令するためのモードである。また、半自動モードは、設定された方位に船首方位を自動保持すると共に、3軸ジョイステックの操作により、並進操船を可能とするモードであり、自動モードは、設定された位置及び方位に、船***置及び船首方位を自動保持し、船位設定値を変更すれば方位を保持したまま船位を変更し、方位設定値を変更すれば船位を保持したまま回頭するモードである。
本発明は、この自動モードの船***置(及び船首方位)の自動保持に関するものである。次に、この自動船位保持の制御ロジックについて説明する。
洋上の船体は、風・潮流・波などの外乱を受け、これに対抗してスラスタ等の制御力及び制御モーメント)を発生しているが、常に運動し、予め設定された目標位置(及び目標方位)に対して位置偏差(及び方位偏差)を生じている。自動船位保持制御装置20では、このような位置に関する偏差を無くし、更に、外乱下でも安定して船位を保持するための制御力を算出して、これを補償する指令を推力発生装置30に出力し、必要な自動船位保持用の制御力(以下、DPS制御力と称する)を得ている。
この自動船位保持制御装置20が指令するDPS制御力は、短周期のフィードバック制御力(以下、モーメントも含めてFB制御力という)と長周期のフィードフォワード制御力(以下、モーメントも含めてFF制御力という)からなる。つまり、DPS制御力=FB制御力+FF制御力となる。
このFB制御力は、船体の位置偏差及び方位偏差に基づいて発揮する制御力であり、比例制御、微分制御、積分制御等を用いて算出されるフィードバック制御用の力である。従って、船体の位置偏差が生じなければ、このFB制御力は発生しない。
これに対して、FF制御力は、略定常力に近い長周期の変動力に対応するもので、位置偏差の有無に関わらず、船体に作用する長周期の変動力に対抗して安定した制御を実現するために指令されるフィードフォワード制御用の補償制御力である。このFF制御力には、風圧力に関係する風圧補償制御力FFwと潮流力に関係する潮流補償制御力FFcと波漂流力補償制御力FFdが含まれる。つまり、FF制御力=風圧補償制御力+潮流補償制御力+波漂流力補償制御力となる。
このうちの風圧補償制御力FFwは、風向風速計からの相対風向及び相対風力のデータを基に、現在船体が受けている風圧力をリアルタイムに推定することにより、この風圧力に対抗する風圧補償制御力FFwを算出できる。なお、正確な風圧力を推定するために、本船の縮尺模型を用いて実施した風洞試験データを用いる。
また、潮流補償制御力FFcは、特定の海域以外は殆ど発生せず、また、特定の海域では、潮流は比較的容易に測定できるので、この潮流補償制御力FFcを予め推定できる。また、直接推定できなくても、通常は、この潮流力は長期にわたって略一定になる力であるため、自動船位保持制御を行っている検出位置データから、潮流力を検出して、この潮流力を補償する潮流補償制御力FFcを算出できる。
そして、本発明においては、残りの波漂流力補償制御力FFdを、船体運動から船体に入射する波を推定して、この推定した波から波漂流力補償制御力FFdを算出するので、この波漂流力補償制御力FFdに対しても、フィードフォワード制御を行うことができる。
この自動船位保持制御のために、自動船位保持制御装置20の自動船位保持制御手段C20は、図2に示すように、船体運動情報蓄積手段C21、船体運動計測手段C22、波情報推定手段C23、ピッチ応答係数算出手段C24、波時系列算出手段C25、波漂流力算出手段C26等を備えて構成される。
船体運動情報蓄積手段C21は、波入射角推定用テーブルT1、短波頂不規則波中ピッチ応答係数テーブルT2、規則波中の波漂流力係数テーブルT3を用意して記憶しておく。これらのテーブルは、船体運動の規則波に対する応答値を求めた規則波中応答テーブルT01と短波頂不規則波中応答テーブルT02を基に作成される。
この規則波中応答テーブルT01は、船体に関して、規則波が一方向の入射角で、船体に入射してきた時にどのように船体が運動するか示すものであり、ストリップ法や3次元特異点分布法などの周知の船体規則波中応答関数計算方法に従って、船体の状態(喫水、トリム)別に、波が入射してくる方向である波入射角と、波周期をベースに算出しておき、この規則波中応答のデータをテーブル化(マップデータ化)して、規則波中応答テーブルT01とする。
短波頂不規則波中応答テーブルT02は、船体に関して、不規則波が波の主方向から、船体に入射してきた時にどのように船体が運動するか示すものであり、船体が洋上で遭遇する不規則波の波方向分布とスペクトラム(平均波周期と有義波高で定義できる)を想定して、規則波中応答テーブルT01から得られる規則波中応答を波方向分布に関して重み付き加算すると共に、想定した波スペクトラムに基づく、波周期別の波エネルギー分布の重みを乗じて船体運動の短波頂不規則波応答スペクトラムを求める。なお、この有義波高は、波の時系列の標準偏差σの2倍で表現され、また、標準偏差σの2乗は波の短波頂不規則波応答スペクトラムが囲む面積となる。
この船体運動の短波頂不規則波応答スペクトラムから運動の応答係数(有義両振幅/有義波高)と運動の平均周期を求める。この短波頂不規則波中応答の応答係数と運動の代表周期を、船体の状態別に、波入射角と平均波周期をベースに求め、これを整理して短波頂不規則波中応答テーブルT02とする。なお、この有義両振幅は、運動の時系列の標準偏差σの2倍で表現され、また、標準偏差σの2乗は運動の短波頂不規則波応答スペクトラムが囲む面積となる。
なお、波方向分布とは、波の船体への入射方向(最も波エネルギーの高い波方向)を中心にして時計回り方向90度と反時計回り方向90度の範囲の波エネルギーの分布を示すもので、通常は、χ2 分布をしていると想定される。また、不規則波スペクトラムとしては、通常は、JONSWAPスペクトラムやISSCスペクトラムやITTCスペクトラム等を想定する。
そして、波入射角推定用テーブルT1は、船体の状態別に、ピッチの代表周期(例えば、ピーク周期、平均周期)や平均波周期やロールの代表周期等の周期に関して、ピッチの有義振幅とロールの有義振幅との比(ここではピッチとロールの応答比という)と波入射角との関係を示すものであり、ピッチとロールの短波頂不規則波中応答の応答係数から算出される。波入射角別に、ピッチの代表周期毎に、ピッチとロールの応答比を求め、これを整理し直して、ピッチの代表周期別に、ピッチとロールの応答比と波入射角の関係を波入射角推定用テーブルT1として、船体運動情報蓄積手段C21に記憶しておく。
このピッチの代表周期としては、波スペクトラムを急峻なピークを持つJONSWAP型と想定した場合は、運動スペクトラムから求められるピッチ運動スペクトラムのピークの周期(ピーク周期)を用いるが、これ以外にもピッチ運動の平均周期等を用いることもできる。なお、この波入射角を推定する際のピッチの代表周期の代わりに、平均波周期やロールの代表周期等を用いることもできる。
次に、短波長不規則波中ピッチ応答係数テーブルT2は、船体の状態別に、ピッチの代表周期に関して、波入射角と不規則波中運動のピッチ応答係数(ピッチ有義両振幅/有義波高)との関係を示すものであり、不規則波中のピッチ応答から、波入射角別に、ピッチの代表周期とピッチ応答係数を算出し、これを整理し直して、この短波長不規則波中ピッチ応答係数テーブルT2とし、船体運動情報蓄積手段C21に記憶しておく。
また、船体の状態別に、波入射角及び波周期ベースの規則波中の波漂流力(サージ力、スウェイ力、ヨーモーメント)を、代表長さ(例えば、船長)、波高で無次元化した波漂流力係数を3次元特異点法などの周知の方法で算出し、規則波中の波漂流力係数テーブルT3として船体運動情報蓄積手段C21に記憶しておく。
船体運動計測手段C22は、船体の運動を計測する手段であり、通常は、船体の6自由度の運動を計測するが、ここでは、少なくともピッチとロールを計測する。
このピッチとロールの角度は、角度センサや角加速度センサから検出したりするが、角加速度センサの代わりに、加速度センサとこの上下加速度センサと船体重心位置との前後距離又は左右距離とから角加速度を検出することもできる。そして、ピッチの時系列とロールの時系列を求める。この時系列を所定の時間内において高速フーリエ解析等の周波数分析(スペクトラム解析)をして、ピッチとロールの運動スペクトラムを算出し、この運動スペクトラムからピッチとロールの応答比の計測値を求める。
波情報推定手段C23は、波入射角を推定する手段であり、計測されたピッチの時系列と計測されたロールの時系列をそれぞれ周波数分析して、計測されたピッチのスペクトラムと計測されたロールのスペクトラムとから、ピッチの有義両振幅とロールの有義両振幅を算出し、両者の比から、ピッチとロールの計測応答比(ピッチの有義振幅とロールの有義振幅との比)を求める。
また、ピッチ運動の代表的な周期を、予め用意した波入射角推定用テーブルT1のピッチ代表周期に合わせて算出し、算出ピッチ代表周期とする。この算出ピッチ代表周期と、計測されたピッチとロールの応答比とから、予め用意した波入射角推定用テーブルT1を用いて、波入射角を算出する。
ピッチ応答係数算出手段C24は、ピッチ応答係数をを算出する手段であり、波入射角と算出代表波周期とから、予め用意した短波長不規則波中ピッチ応答係数テーブルT2を用いて、ピッチ応答係数を算出する。
波時系列算出手段C25は、波の推定時系列を算出する手段であり、ピッチ応答係数算出手段C24により算出されたピッチ応答係数の逆数を、この計測されたピッチの時系列に対して乗じることにより、波の推定時系列を算出する。
波漂流力算出手段C26は、波漂流力を算出する手段であり、算出された波の推定時系列から、Hsuの方法により波漂流力を算出する。ここでは、不規則波による波漂流力を規則波における波漂流力で近似する。
まず、波の推定時系列のゼロクロス位置を検出し、2つのゼロクロス間の時間から波周期を算出し、その間の極値から波高を求め、このゼロクロス間は一定の波漂流力が船体に作用するとし、算出波入射角と、ゼロクロス間周期の2倍を、規則波の波入射角と波周期として、予め用意した規則波中の波漂流力係数テーブルT3を用いて、波の半周期毎、即ち、ゼロクロス間毎に、波漂流力係数を求め、この波漂流力係数から波漂流力を算出する。
次に、自動船位保持制御方法について、図3に示す自動船位保持制御フローに従って説明する。
この図3に示す自動船位保持制御フローには、ステップS10の各テーブルの準備、ステップS20の波漂流力の算出、ステップS30の風圧力の算出、ステップS40の潮流力の算出、ステップS50のFF制御力(フィードフォワード制御力)の算出、ステップS60のFB制御力(フィードバック制御力)の算出、ステップS70のDPS制御力の指示を有して構成される。
予めの準備として、ステップS10において、船体運動情報蓄積手段C21により、波入射角推定用テーブルT1、短波頂不規則波中ピッチ応答係数テーブルT2、規則波中の波漂流力係数テーブルT3等を用意しておく。なお、このステップS10の各テーブルの準備は、通常は、船が航海に出る前に行っておく。
このステップS10では、図4に示すように、ステップS11において、ストリップ法や3次元特異点法等により、規則波中の船体運動を計算し、船体の状態別に、波入射角、波周期に対する船体運動データを示す規則波中応答テーブルT01を作る。
次のステップS12において、この規則波中応答を基に、船体の状態別に、波入射角、平均波周期をベースに、想定した波スペクトラム群に対する短波頂不規則波中応答テーブルT02を作る。この短波頂不規則波中応答テーブルT02は、船体の状態別に、波入射角、平均波周期に対する不規則中の船体運動の統計的データを示すものである。
そして、次のステップS13において、短波頂不規則波中応答テーブルT02から、ピッチの有義両振幅/有義波高と、ロールの有義両振幅/有義波高とを求め、両者の比であるピッチとロールの応答比を算出し、船体の状態別に、波入射角、ピッチ代表周期に対するピッチとロールの応答比を示す波入射角推定用テーブルT1を作り、予め、船体運動情報蓄積手段C21に記憶しておく。
また、ステップS14において、短波頂不規則波中応答テーブルT02から、ピッチの代表周期とピッチの有義両振幅/有義波高を算出し、船体の状態別に、波入射角、ピッチ代表周期に対するピッチ応答係数を示す短波長不規則波中ピッチ応答係数テーブルT2を作り、予め、船体運動情報蓄積手段C21に記憶しておく。
また、ステップS15において、ストリップ法や3次元特異点法等により、規則波中の船体運動を計算し、船体の状態別に、波入射角、波周期に対する波漂流力係数を示す波漂流力係数テーブルT3を作り、予め、船体運動情報蓄積手段C21に記憶しておく。
次のステップS16においては、本船の縮尺模型を用いて実施した風洞試験データ等から、相対風向及び相対風力に対する風圧力を示す風圧力テーブルT4を作り、予め、船体運動情報蓄積手段C21に記憶しておく。
また、ステップS17において、本船の縮尺模型を用いて実施した水槽実験結果等から、潮流方向及び潮流速度に対する潮流力を示す潮流力テーブルT5を作り、予め、船体運動情報蓄積手段C21に記憶しておく。
次に、ステップS20の波漂流力の算出フローについて説明する。以下、各々ステップでは、各テーブルに関しては、洋上の船体の状態と、各テーブルの船体の状態と同じものを使用するとする。
このステップS20では、図5に示すように、ステップS21において、船体運動計測手段C22により、船体運動(特に、ピッチとロール)を計測し、船体運動の計測時系列を求める。また、ステップS22において、この船体運動の計測時系列を所定の範囲内において、高速フリーエ変換等により周波数分析し、計測船体運動スペクトラムを算出し、計測平均周期、計測ピーク周期、計測有義両振幅等の統計的データを算出する。
次のステップS23において、波情報推定手段C23により、運動の計測統計的データから、ピッチの計測有義両振幅とロールの計測有義両振幅との比であるピッチとロールの計測応答比を求める。ステップS24において、ピッチとロールの計測応答比から、船体運動情報蓄積手段C21で用意した波入射角推定用テーブルT1を用いて、波入射角を求める。また、ピッチ運動の計測ピーク周期、又は、計測平均周期等をピッチ代表周期とする。
ステップS25において、ピッチ応答係数算出手段C24により、算出したピッチ代表周期と波入射角とから、船体運動情報蓄積手段C21で用意した短波頂不規則波中ピッチ応答係数テーブルT2を用いて、ピッチの応答値(応答係数)を求め、ステップS26において、波時系列算出手段C25により、ピッチの応答値の逆数をピッチの計測時系列に乗じて、波の推定時系列を求める。次のステップS27において、波漂流力算出手段C26により、波の推定時系列から、ゼロクロス間周期と波高を検出し、このゼロクロス間周期の2倍を波周期として、船体運動情報蓄積手段C21で用意した規則波中の波漂流力係数テーブルT3を用いて、半周期毎に、即ち、ゼロクロス間毎に、波漂流力を算出する。この波漂流力は、ゼロクロス周期の間、ステップ状に作用するものとする。
次に、図3に示すステップS30の風圧力算出フローでは、風向風速計で計測される相対風向及び相対風力のデータから、船体運動情報蓄積手段C21で用意した風圧力テーブルT4を用いて、制御時に船体が受けている風圧力をリアルタイムに推定する。
また、ステップS40の潮流力算出フローでは、通常は、潮流力は、特定の海域以外は殆ど発生しないが、潮流が予め分かっているときは、潮流方向と潮流速度から船体運動情報蓄積手段C21で用意した潮流力テーブルT5を用いて、制御時に船体が受けている潮流力を算出する。また、直接潮流方向と潮流速度を計測乃至推定できなくても、潮流力は長期にわたって略一定になる力であるため、自動船位保持制御を行っている位置検出データから、潮流力を検出することができる。
ステップS50のFF制御力(フィードフォワード制御力)の算出フローでは、ステップS20で算出された波漂流力にマイナスを乗じてFFd制御力(波漂流力補償制御力)とし、ステップS30で推定した風圧力にマイナスを乗じてFFw制御力(風圧補償制御力)とし、更に、ステップS40で推定した潮流力にマイナスを乗じてFFc制御力(潮流補償制御力)とする。これらのFFd制御力とFFw制御力とFFc制御力を加えて、FF制御力とする。つまり、FF制御力=FFd制御力+FFw制御力+FFc制御力とする。
また、ステップS60のFB制御力(フィードバック制御力)の算出フローでは、時々刻々の船体運動の計測時系列データから比例制御や微分制御や積分制御等を組み合わせたフィードバック制御を行うためのFB制御力を算出する。このフィードバック制御は周知の制御方法を使用するので、ここではその説明を省略する。
そして、ステップS70のDPS制御力の指示フローでは、このFF制御力とFB制御力を加えてDPS制御力とし、推進発生装置30が発生する制御力が、このDPS制御力になるように、推進発生装置30への指示出力を算出し、この指示出力を推進発生装置30へ出力する。
上記の構成の自動船位保持制御方法及び自動船位保持制御装置20によれば、船体運動から船体に入射する波を推定して、この推定した波から、船体が波から受ける波漂流力及び波漂流モーメントを算出して、この算出した波漂流力及び波漂流モーメントに対してフィードフォワード制御を行う制御を含めた船位保持する制御を行うことができる。
また、ピッチの計測時系列からピッチ代表周期を算出して、このピッチ代表周期を基に、計測されたピッチと計測されたロールの計測応答比から、予め用意した波入射角推定用テーブルT1を用いて波入射角を推定し、ピッチ代表周期と波入射角とから、予め用意した短波頂不規則波中ピッチ応答値係数テーブルT2を用いてピッチの応答値を算出し、ピッチの計測時系列に対して、ピッチの応答値の逆数を乗じることにより、波の推定時系列を算出し、この波の推定時系列から規則波中の波漂流力係数テーブルT3を用いて波漂流力及び波漂流モーメントを算出することができる。
従って、上記の自動船位保持制御方法、波漂流力算出方法及び自動船位保持制御装置20、自動船位保持システム1によれば、船体に作用する波漂流力及び波漂流モーメントを推定でき、この波漂流力及び波漂流モーメントを補償するフィードフォワード制御を行うので、船体の位置偏差及び方位偏差を従来型の自動船位保持制御に比べて著しく小さくすることができる。
なお、変動波漂流モーメントは一般に小さいので、特に船首方位の保持に関して厳しい要求をされない場合には、上記の自動船位保持制御方法及び自動船位保持制御装置において、変動波漂流モーメント関係の計算や制御を行わずに、変動波漂流力関係の計算や制御のみを行うように構成すると、制御及びシステムが単純化されるので好ましい。
本発明に係わる自動船位保持制御装置を備えた自動船位保持システムの構成を示す図である。 本発明に係わる自動船位保持制御装置の制御手段の構成を示す図である。 本発明に係わる自動船位保持制御フローを示す図である。 各テ−ブルの準備フローを示す図である。 波漂流力の算出フローを示す図である。
符号の説明
1 自動船位保持システム
10 船位保持用データ検出装置
11 GPS装置
12 ジャイロコンパス
13 磁気ログ
14 風向風速計
20 自動船位保持制御装置
21 操作部
22 制御部
23 表示部
30 推力発生装置
31 主推進器
32 舵
33 バウスラスタ
34 スタンスラスタ

Claims (6)

  1. 洋上の船体の船位及び船首方位を保持するための自動船位保持制御方法において、
    ピッチの計測時系列からピッチ代表周期を算出し、
    該ピッチ代表周期を基に、計測されたピッチと計測されたロールの計測応答比から、予め用意した波入射角推定用テーブルを用いて波入射角を推定し、
    前記ピッチ代表周期と前記波入射角とから、予め用意した短波頂不規則波中ピッチ応答係数テーブルを用いてピッチ応答値を算出し、
    前記ピッチの計測時系列に対して、前記ピッチ応答値の逆数を乗じることにより、波の推定時系列を算出し、
    該波の推定時系列から波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出して、
    この算出した波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方に対してフィードフォワード制御を行う制御を含む船位保持制御を行うことを特徴とする自動船位保持制御方法。
  2. 前記波の推定時系列から前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出するに際して、前記波の推定時系列のゼロクロス間の周期と該ゼロクロス間の波高とから、この半波長毎の周期と波高に対応する規則波中の波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出し、該規則波中の波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を、前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方とすることを特徴とする請求項1記載の自動船位保持制御方法。
  3. 洋上の船体に作用する波漂流力及び波漂流力モーメントの少なくとも一方を推定するための波漂流力推定方法において、
    ピッチの計測時系列からピッチ代表周期を算出し、
    該ピッチ代表周期を基に、計測されたピッチと計測されたロールの計測応答比から、予め用意した波入射角推定用テーブルを用いて波入射角を推定し、
    前記ピッチ代表周期と前記波入射角とから、予め用意した短波頂不規則波中ピッチ応答係数テーブルを用いてピッチ応答値を算出し、
    前記ピッチの計測時系列に対して、前記ピッチ応答値の逆数を乗じることにより、波の推定時系列を算出し、
    該波の推定時系列から前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出することを特徴とする波漂流力推定方法。
  4. 洋上の船体の船位及び船首方位を保持するための自動船位保持制御装置において、
    少なくともピッチとロールを含む船体の運動を計測する船体運動計測手段と、
    ピッチの計測時系列からピッチ代表周期を算出し、該ピッチ代表周期を基に、計測されたピッチと計測されたロールの計測応答比から、予め用意した波入射角推定用テーブルを用いて波入射角を推定する波情報推定手段と、
    前記ピッチ代表周期と前記波入射角とから、予め用意した短波頂不規則波中ピッチ応答係数テーブルを用いてピッチ応答値を算出するピッチ応答値算出手段と、
    前記ピッチの計測時系列に対して、前記ピッチ応答値の逆数を乗じることにより、波の推定時系列を算出する波時系列算出手段と、
    該波の推定時系列から前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出する波漂流力算出手段を備えたことを特徴とする自動船位保持制御装置。
  5. 波漂流力算出手段が、前記波の推定時系列から前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出するに際して、前記波の推定時系列のゼロクロス間の周期と該ゼロクロス間の波高とから、この半波長毎の周期と波高に対応する規則波中の波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を算出し、該規則波中の波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方を、前記波漂流力及び波漂流モーメントの少なくとも一方とすることを特徴とする請求項4記載の自動船位保持制御装置。
  6. 洋上の船体の船位及び船首方位を保持するための自動船位保持システムにおいて、請求項4又は請求項5記載の自動船位保持制御装置を備えたことを特徴とする自動船位保持システム。
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