JP4707366B2 - インジケータ機能を有する粒状吸着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、アンモニア、アミン等の塩基性ガスの吸着性に優れ、且つインジケータ機能を有する粒状吸着剤に関する。
アンモニアやアミン等の塩基性ガスは悪臭の原因であり、このような塩基性ガスは下水処理場、し尿処理場、ゴミ焼却炉などから多く発生している。それらの悪臭成分を除去するための吸着剤として、活性炭やシリカゲルなどが知られているが、これらは、その吸着性が未だ十分でなく、その向上が求められている。
塩基性ガスに対する吸着性が改善されたものとしては、シリカゲルや活性白土等の多孔質鉱物にリン酸とヒドラジンの複塩を担持させた脱臭剤が提案されている(特許文献1参照)。
特許第3135790号(特許請求の範囲、表1)
上記特許文献1に開示されている脱臭剤は、アミンやアルデヒドに対する吸着性に優れているというものであるが、反面、インジケータ機能を有しておらず、その寿命を把握することができないという問題がある。仮に、その寿命を把握しようとするならば、この吸着剤を通した後のガスのアミン濃度等をモニタリングしなければならない。
従って、本発明の目的は、アンモニアやアミンに対して優れた吸着性を示すとともに、インジケータ機能を有し、アンモニアやアミン吸着量が飽和に達した場合には変色し、飽和状態に達したことを目視で容易に判断することが可能な吸着剤を提供することにある。
本発明によれば、シリカと活性白土とを25:75乃至75:25の重量比で含有する混合物の粒状成形担体からなり、該粒状成形担体は、0.8乃至2.0ml/gの全細孔容積を有しており、且つ該粒状成形担体には、3価の鉄及び硫酸根が担持されていることを特徴とする粒状吸着剤が提供される。
本発明の粒状吸着剤においては、
(1)前記3価の鉄は、前記粒状成形担体100重量部当り、Fe換算で5重量部以上の量で担持されていること、
(2)前記3価の鉄及び硫酸根が下記式(1)、
m=SO/Fe・・・(1)
式中、mは、酸化第二鉄(Fe)に対する硫酸根(SO)のモル比
である、
で表される、mの値が2.0を越えること、
(3)前記3価の鉄及び硫酸根がポリ硫酸第二鉄であること、
(4)レーザ回折法で測定して、前記シリカは、10乃至100μmの体積平均粒径(D50)を有し、前記活性白土は、2乃至10μmの体積平均粒径(D50)を有していること、
が好ましい。
本発明の粒状吸着剤においては、キャリアである粒状成形担体に、3価の鉄及び硫酸根を担持させているため、アンモニアやアミンに対する吸着性が高められていると同時に、アンモニアやアミンが吸着されていると変色し、インジケータ機能を示すという特性を有している。
即ち、粒状吸着剤には、硫酸根が含まれているため、この酸根がアンモニアやアミンと反応し、これを捕捉することができる。また、アンモニアやアミンが吸着されると同時に、フリーの3価の鉄イオン(Fe3+)が生成し、この結果、この吸着剤は、後述する実施例に示されているように、乳白色からかなり濃い茶色に変色する。例えば、細長い円柱管に本発明の粒状吸着剤を充填しておき、一方の側から他方の側にアンモニア含有ガスを通すと、ガス供給側から順次茶色に変色して行くことになる。従って、吸着剤の全体が茶色に変色した時点で、吸着性が飽和に達したことを認識することができ、この粒状吸着剤を交換すればよい。
また、本発明においては、使用済み製品は、シリカや活性白土に硫酸アンモニウムなどアンモニウム塩が混ざっている無機物であるため、これを肥料などに再利用できるという利点もある。
また、本発明においては、上記3価の鉄及び硫酸根を担持させる粒状成形担体として、シリカと活性白土とを一定の重量比(25:75乃至75:25)で含有する混合物を使用することも重要である。即ち、3価の鉄及び硫酸根を粒状成形担体に担持させるためには、通常、3価の鉄の硫酸塩の水溶液もしくは3価の鉄を含有する硫酸水溶液を粒状成形担体にスプレー噴霧すること等により行われるため、酸によるシリカの粒子崩壊を生じるおそれがある。本発明では、細孔容積が大きく、アンモニア等に対する吸着能が高いシリカを用いるだけでなく、活性白土を併用することにより、酸による粒子崩壊が抑制され、前述した3価の鉄及び硫酸根の担持を容易に行うことができ、アンモニア等に対する吸着能を著しく高められるのである。
例えば、粒状成形担体中のシリカは、吸着性を示す成分として機能するが、活性白土は、シリカ粒子を結合するバインダーとして存在しており、このような活性白土の使用により、粒子強度(圧壊強度)が高められ、例えば水分の吸着あるいは水滴との接触等による粒子の崩壊を有効に回避することができる。また、活性白土は、スメクタイト族粘土鉱物の酸処理物であるため、耐酸性に優れている。従って、このような活性白土がバインダーとして存在していることにより、粒状成形担体に対して3価の鉄及び硫酸根を担持させることができるのである。
本発明の粒状吸着剤において、3価の鉄及び硫酸根を担持させる粒状成形担体は、シリカと活性白土とを、25:75乃至75:25、特に35:65乃至65:35の重量比で含有する混合物である。例えば、活性白土の使用量が上記範囲よりも多いと、シリカの吸着能が損なわれてしまい、アンモニアやアミンに対する吸着性が低下してしまう。また、活性白土の使用量が上記範囲よりも少ないと、粒子強度が低下し、例えば水分の吸着等により粒子の崩壊が容易に生じ、さらに、十分な量の3価の鉄及び硫酸根を担持させることが困難となり、この場合においても、アンモニアやアミンに対する吸着性が低下し、さらにはインジケータ機能も低下してしまうこととなる。なお、シリカ及び活性白土の重量は、それぞれ110℃で3時間乾燥した時の重量のことである。
粒状成形担体に使用するシリカは、BET法(窒素吸着)で測定して1.0ml/g以上、特に1.2乃至2.0ml/gのN吸着細孔容積を有しているものを使用するのがよい。このような細孔容積の大きなシリカを使用することにより、後述する大きな細孔容積を有する粒状成形担体を得ることができ、優れた吸着性を確保することができる。このようなシリカとしては、例えばゲルタイプシリカ、沈降タイプシリカ或いはそれらの混合物が挙げられる。また、上記のような大きな細孔容積を有していることに関連して、このシリカのBET比表面積は、150乃至500m/gの範囲にあるのがよく、さらに、その嵩密度が0.2乃至0.6g/mlの範囲にあるのがよい。
このような細孔容積を有するシリカは、一例として、以下のようにして製造することができる。希硫酸にケイ酸ソーダ溶液を加え、pH1.5〜3.0程度で保持、ゲル化させ、そのゲルを十分洗浄後水熱処理、又はアンモニア処理を行うことにより製造することが出来る。水熱処理をより強く(温度を高く、時間を長く)行うか、アンモニア処理をより強く(pHをより高く、長時間処理)行えば、細孔容積はより大きくなる。この処理後、乾燥、粉砕して本発明品の原料とすることが出来る。
また、上記のシリカと併用する活性白土は、スメクタイト族粘土鉱物の酸処理物である。酸処理するスメクタイト族粘土鉱物は、SiOの四面体層状構造を有するケイ酸塩鉱物であり、例えばモンモリロナイト(酸性白土やベントナイトなど)、バイデライト、ノントロナイトなどのジオクタヘドラル型スメクタイト;サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、フライポンタイトなどのトリオクタヘドラル型スメクタイト;スチブンサイト等を例示することができ、本発明においては、特に酸性白土が好適である。即ち、酸性白土は、主な交換性陽イオンとして、HやMg2+を含み、その組成は産地等によって異なっているが、一般に非晶質シリカの含有量が多い(例えばモル基準で一般に、SiO/Al=7〜8)。このような酸性白土(110℃乾燥品)の代表的な組成は、次の通りである。
SiO 61.0 〜 74.0 重量%
Al 12.0 〜 23.0 重量%
Fe 2.0 〜 3.5 重量%
MgO 3.0 〜 7.0 重量%
CaO 1.0 〜 4.0 重量%
O 0.3 〜 2.0 重量%
NaO 0.3 〜 2.0 重量%
灼熱減量 5.0 〜 10.0 重量%
本発明においては、このような酸性白土を希硫酸等の酸で処理して比表面積や細孔容積を高めた活性白土を好適に使用することができる。
一般に、本発明で用いる活性白土は、前述したシリカの吸着性を損なうことなく、シリカ粒子同士の結合性を高めるという点で、200乃至400m/gのBET比表面積を有し、0.3乃至0.6ml/gの細孔容積を有していることが好適である。
本発明において、3価の鉄及び硫酸根を担持する粒状成形担体は、上述したシリカと活性白土とを前述した重量比で混合し、所定の粒子形状に成形することにより得られるが、粒状成形担体中に各成分が均一に分散し、特にシリカ粒子の間に活性白土の粒子が存在するような分散構造を形成するために、レーザ回折法で測定して、前記シリカは、10乃至100μmの体積平均粒径(D50)を有していることが好ましく、前記活性白土は、2乃至10μmの体積平均粒径(D50)を有していることが好ましい。このような粒度調整は、水簸、風簸等の分級操作や、乾式或いは湿式粉砕により行うことができる。粉砕には、ボールミル、チューブミル等の微粉砕機を用いるのがよい。また、一般には、原料シリカ或いは原料活性白土を、固形分濃度が5乃至25重量%程度の水性スラリーとして湿式粉砕により粒度調整を行うことが好適である。
上述したシリカ及び活性白土の混合及び成形は、一次軸または二軸の押出機を用いて行うことが、細孔破壊等を抑制する上で最も好適であり、成形された粒子形状は、球状、立方体状、円柱状、角柱状、顆粒状、タブレット状、ハニカム状、不定形状等の任意の形状であってよく、その用途に応じて適宜決定される。また、必要に応じて有機バインダーを併用しても良い。
上記のようにして得られた粒状成形担体は、前述したN吸着細孔容積のシリカを使用していることに関連して、0.8乃至2.0ml/g、特に1.0乃至2.0ml/gの全細孔容積を有しており、これにより、以下に述べる3価の鉄及び硫酸根を担持させたときに、アンモニアやアミンに対して極めて高い吸着性を確保し、且つインジケータ機能を持たせることができる。
尚、この粒状成形担体の全細孔容積は、後述する実施例に示されているように、例えば粒状成形担体を一旦乾燥させて、その重量(W)を測定し、次いで、乾燥された粒状成形担体に一定条件で水分を吸着させ、その重量(W)を測定し、下記式(2)により算出される。
全細孔容積(ml/g)=(W−W)/W・・・(2)
本発明の粒状吸着剤は、上記の粒状成形担体に3価の鉄及び硫酸根を担持させることにより得られる。
このような3価の鉄及び硫酸根としては、3価の鉄の硫酸塩が使用でき、特にポリ硫酸第二鉄が好ましい。また、3価の鉄塩、例えば3価の鉄の硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩もしくは塩化物と、硫酸根として硫酸または硫酸アルミニウムを併用しても良い。即ち、この硫酸根によって、アンモニアやアミンに対して高い吸着性が得られるだけでなく、3価の鉄の存在により、インジケータ機能が発現する。即ち、アンモニア等の吸着により、3価の鉄イオン(Fe3+)が生成し、乳白色からかなり濃い茶色に変色する。この結果、このような変色によって、アンモニア等の吸着成分が飽和したことを認識することができる。また、このような3価の鉄及び硫酸根が担持されている本発明の粒状吸着剤は、アンモニアやアミン等の塩基性成分に選択的に作用し、硫化水素などの酸性ガスに対しては吸着性も変色も生じないという利点がある。即ち、塩基性成分と酸性ガスとの混合ガスを吸着処理に供した場合、酸性ガスによって変色が生じないため、アンモニア等の吸着性能が残存しているか否かを、上記の変色によって正確に認識することができる。また、アンモニア等の吸着により生成するのは、中性の硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩であるため、使用済み製品を肥料などに再利用できるという利点もある。
本発明の粒状吸着剤としては、粒状成形担体に3価の鉄及び硫酸根を担持することが重要である。例えば、3価の鉄及び硝酸根の組合せで担持させた場合、乾燥工程や加熱環境下での使用において硝酸根が分解して吸着剤が茶褐色に変色するだけでなく、アンモニアやアミンに対する吸着性も低下して使用できない(後述の比較例1参照)。また、粒状成形担体に2価の鉄及び硫酸根を担持させた場合では、アンモニア等の吸着反応によって灰色から濃い灰色に変色するが、視認性に劣り使用できない(比較例3及び4)。さらに3価の鉄及び燐酸根の組合せで担持させた場合、アンモニア等の吸着による変色の視認性に劣るだけでなく、水滴との接触により成形体が崩壊して使用できない(比較例7)。
本発明において、上述した3価の鉄は、特に十分なインジケータ機能(濃い茶色に変色)の点で、前記粒状成形担体100重量部当り、Fe換算で5重量部以上、好ましくは5重量部乃至30重量部の量で担持されていることが好ましい。
また、上記の3価の鉄及び硫酸根は下記式(1)、
m=SO/Fe・・・(1)
式中、mは、酸化第二鉄(Fe)に対する硫酸根(SO)のモル比
である、
で表される、mの値が2.0を越えて、好ましくは2.0を越えて40以下、さらに好ましくは20以下であることが、アンモニアやアミンに対する吸着性能だけでなく、インジケータ機能の点からも好ましい。
上記のような3価の鉄及び硫酸根の担持は、例えば3価の鉄の硫酸塩の水溶液もしくは3価の鉄を含有する硫酸水溶液をスプレー等により、粒状成形担体に噴霧することにより、容易に行うことができる。また、本発明の粒状吸着剤は、上記3価の鉄及び硫酸根を担持させるために、該3価の鉄を含有する廃酸等を使用することができるため、例えば上述したアンモニア等に対する吸着性やインジケータ機能が損なわれない限り、適当量の他の金属塩、例えば硫酸アルミニウムや硫酸マグネシウムを含有していてもよい。
本発明を次の例で説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。尚、各試験方法は下記の方法に従って行った。
(1)全細孔容積
試料(粒状成形担体)約5gを110℃で3時間乾燥後、デシケーター中で放冷して乾燥試料重量(W)を精秤する。この乾燥試料をイオン交換水100ml中に投入し、200mmHgの真空下で1時間脱気する。ついで試料を取出し、表面を濾紙でふき取り、重量(W)を精秤し、以下の式(2)で全細孔容積を求めた。
全細孔容積(ml/g)=(W−W)/W・・・(2)
(2)体積平均粒径(D50
MASTERSIZER S(MALVERN社製)で測定した。
(3)BET比表面積、N吸着細孔容積
ASAP2010(マイクロメリティックス社製)を使用し、窒素吸着等温線を測定した。比表面積はBET法により、細孔容積はBJH法脱離側で細孔径17Å〜3000Åのトータル細孔容積を積算して求めた。
(4)嵩密度
JIS K−6220−1(2001)の7.7項に準拠して測定した。
(5)静的アンモニア吸着試験
1.8L密閉容器に吸着剤試料0.10gを入れ、初期アンモニア濃度が1.0%となる量のアンモニアガスを注入した後、ガス検知管(ガステック社製3HM)を用いて残存するガス濃度を測定した。残存濃度の平衡到達時点における初期濃度との差からアンモニア吸着量を求めた。また同時にアンモニア吸着による吸着剤試料の色相変化を目視で観察し、以下のように評価した。
○ 明瞭に判別できる
△ 不明瞭で判別が難しい
× 全く判別できない
(6)静的硫化水素吸着試験
1.8L密閉容器に吸着剤試料0.10gを入れ、初期硫化水素濃度が500ppmとなる量の硫化水素ガスを注入した後、ガス検知管(ガステック社製4HM)を用いて残存するガス濃度を測定した。残存濃度の平衡到達時点における初期濃度との差から硫化水素吸着量を求めた。また同時に硫化水素吸着による吸着剤試料の色相変化の有無を観察した。
(7)動的アンモニア吸着試験
100Lテドラーバッグに2.4%アンモニアガスを調製し、定量ポンプを用いてアンモニアガスをガラスカラムに充填した試料中に通過させ、カラム出口のアンモニア濃度が1ppmになった時点を破過とし、単位時間当りのアンモニアガス流量×時間からアンモニア吸着量を求めた。尚、出口アンモニア濃度は臭気センサー(新コスモス電気社製XP−329N)で測定した。さらに、吸着剤の充填高さに対するアンモニア吸着による変色部分の割合(変色率(%))と、静的アンモニア吸着量に対する動的吸着量の割合(動的/静的吸着量比(%))を比較した。
その他の条件は、空間速度623hr−1、試料量10ml、吸着試験雰囲気温度25℃、サンプル粒度20〜32メッシュとした。
(シリカ粉末の調製)
Bタイプシリカ(水澤化学工業製)をアトマイザー(不二パウダル社製U15)で粉砕してシリカ粉末を得た。この粉末の体積平均粒径(D50)は42.3μm、比表面積は302m/g、N吸着細孔容積は1.40ml/g、嵩密度は0.37g/mlであった。
(微粉活性白土の調製)
活性白土(水澤化学工業製ガレオンアースV)を原料として風力分級機(安川商事YACA132MP)を使用して分級し、微粉活性白土を得た。この粉末の体積平均粒径(D50)は4.9μm、比表面積は310m/g、N吸着細孔容積は0.44ml/gであった。
(粒状成形担体の調製)
シリカ粉末5kg(乾物基準)、微粉活性白土5kg(乾物基準)をニーダー(不二パウダル社製KDHJ―60)で15分間混合した後、水11kgを加えて30分間混練熟成した。次に、この混練物をダイス径1.5mmの成形板を装着したペレッター(不二パウダル社製EXD−60)で押出成形し、2時間風乾後、キルン乾燥機で乾燥して粒状成形担体(S−1とする)を得た。この成形担体の全細孔容積は1.12ml/gであった。
(実施例1)
ポリ硫酸第二鉄溶液(日鉄鉱業社製ポリテツ)40mlを原料溶液とした。粒状成形担体(S−1)40gを糖衣機に入れ、回転下で原料溶液40mlをスプレーし、100℃で3時間乾燥して粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(実施例2)
100mlビーカーにポリ硫酸第二鉄溶液(日鉄鉱業社製ポリテツ)20mlと硫酸アルミニウム溶液(Al 7.7%、SO 18%)26.2g(20ml)を加えて攪拌混合して40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に、動的アンモニア吸着試験結果を表2に示す。表2より、変色率と動的/静的吸着量比はほぼ一致した。
(実施例3)
100mlビーカーにポリ硫酸第二鉄溶液(日鉄鉱業社製ポリテツ)20mlと硫酸(和光試薬特級)11.0gを加えて攪拌混合し、イオン交換水でメスアップして40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(実施例4)
100mlビーカーに硫酸第二鉄n水和物(和光試薬特級)14.6gと適量のイオン交換水を加え、攪拌下で硫酸(和光試薬特級)2.53gを滴下して完全溶解させ、さらにイオン交換水でメスアップして40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(実施例5)
100mlビーカーに硝酸第二鉄九水和物(和光試薬特級)20.4gと適量のイオン交換水を加え、攪拌下で硫酸(和光試薬特級)10.2gを滴下して完全溶解させ、さらにイオン交換水でメスアップして40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(実施例6)
100mlビーカーに塩化第二鉄六水和物(和光試薬特級)13.7gと適量のイオン交換水を加え、攪拌下で硫酸(和光試薬特級)10.2gを滴下して完全溶解させ、さらにイオン交換水でメスアップして40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(実施例7)
含鉄硫酸アルミニウム溶液(Fe 1.0%、Al 5.0%、SO 21%)53.2g(40ml)のみを原料溶液として、以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(比較例1)
100mlビーカーに硝酸第二鉄九水和物(和光試薬特級)20.4gと適量のイオン交換水を加え、攪拌下で硝酸(和光試薬特級)5.10gを滴下して完全溶解させ、さらにイオン交換水でメスアップして40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(比較例2)
100mlビーカーに塩化第二鉄六水和物(和光試薬特級)13.7gと適量のイオン交換水を加えて完全溶解させ、さらにイオン交換水でメスアップして40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(比較例3)
100mlビーカーに硫酸第一鉄七水和物(和光試薬特級)13.9gと適量のイオン交換水を加え、攪拌下で硫酸(和光試薬特級)5.09gを滴下して完全溶解させ、さらにイオン交換水でメスアップして40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(比較例4)
100mlビーカーに塩化第一鉄四水和物(和光試薬特級)9.94gと適量のイオン交換水を加え、攪拌下で硫酸(和光試薬特級)10.2gを滴下して完全溶解させ、さらにイオン交換水でメスアップして40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(比較例5)
40%硫酸52.0g(40ml)のみを原料溶液として、以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(比較例6)
粒状吸着剤として塩基性ガス用活性炭(太平化学産業社製ブロコールGY)を用いた。この吸着剤の性能評価結果を表1に示す。
(比較例7)
100mlビーカーにリン酸第二鉄n水和物(和光試薬)16.6gと62%リン酸52.7gを加え、攪拌下で加熱溶解させて40mlの原料溶液を得た。以下、実施例1と同様にして粒状吸着剤を得た。この吸着剤のアンモニア吸着による色相変化は乳白色から黄色であり視認性に劣った。また水滴との接触によって成形体が崩壊し、使用に耐えられるものではなかった。
Figure 0004707366
Figure 0004707366

Claims (5)

  1. シリカと活性白土とを25:75乃至75:25の重量比で含有する混合物の粒状成形担体からなり、該粒状成形担体は、0.8乃至2.0ml/gの全細孔容積を有しており、且つ該粒状成形担体には、3価の鉄及び硫酸根が担持されていることを特徴とする粒状吸着剤。
  2. 前記3価の鉄は、前記粒状成形担体100重量部当り、Fe換算で5重量部以上の量で担持されている請求項1に記載の粒状吸着剤。
  3. 前記3価の鉄及び硫酸根が下記式(1)、
    m=SO/Fe・・・(1)
    式中、mは、酸化第二鉄(Fe)に対する硫酸根(SO)のモル比
    である、
    で表される、mの値が2.0を越えることを特徴とする請求項1または2に記載の粒状吸着剤。
  4. 前記3価の鉄及び硫酸根がポリ硫酸第二鉄である請求項1乃至3に記載の粒状吸着剤。
  5. レーザ回折法で測定して、前記シリカは、10乃至100μmの体積平均粒径(D50)を有し、前記活性白土は、2乃至10μmの体積平均粒径(D50)を有している請求項1乃至4に記載の粒状吸着剤。
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