JP4703687B2 - 太陽電池セルの製造方法および太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、太陽電池セルの製造方法および太陽電池モジュールの製造方法に関するものである。
結晶系シリコン太陽電池の製造方法としては、次に示すようなプロセスが一般的である。まず、シリコン基板の表面をアリカリ溶液を用いて深さ数μm〜数十μmをエッチングし、洗浄する。次に、数μm〜数十μmの高低差を持つ微少な凹凸または溝を形成する。この凹凸や溝の形成方法としては、例えば、数wt%水酸化ナトリウム水溶液とアルコールとの混合液を用いてエッチングを行って高さ数μmの微少ピラミッド形状を基板表面に形成するテクスチャーエッチング、ダイシング装置またはレーザを用いて基板表面に深さ数十μmの溝を多数平行に形成する方法、ドライエッチングによる方法などがある。これらの凹凸や溝は、完成後の太陽電池の動作時に表面反射を減らして短絡電流を向上させるためのものである。
次に、約800℃〜1100℃に加熱した石英チューブ内に上記シリコン基板を入れた状態で、この石英チューブ内に、バブラー容器に入れたオキシ塩化リン(POCl3)等の液体不純物源を窒素などのキャリアガスによって導入する。このとき、基板表面にはリン酸化物層が形成される。同時に、このリン酸化物層が拡散源となってシリコン基板中にリンが拡散されて、基板表面側部分にpn接合が形成される。この拡散工程後、基板表面にはリンを主成分とする吸湿性を持つ酸化膜が残存するので、この膜をフッ酸で除去する。
その後、更に表面反射を減らすために、基板表面に反射防止膜を形成する。このときの反射防止膜としては、減圧プラズマCVD(化学気相成長)法を用いて形成されるシリコン窒素化膜(SiN膜)、または常圧CVD法を用いて形成される二酸化チタン膜(TiO2膜)等が用いられている。例えば、減圧プラズマCVD法によってSiN膜を形成する場合、シラン、アンモニア、窒素などのキャリアガスを送り込み、プラズマにより分解してから基板表面に運び、基板表面にSiN膜を堆積する。
次に、基板の受光面側を耐酸性のテープまたはレジストで保護し、上記拡散工程で基板裏面側に形成された不要な接合を硝酸(HNO3)−フッ化水素(HF)混合液を用いて除去する。次に、基板裏面側にアルミペーストを印刷し、約700℃〜800℃で焼成して裏面電極とP+層を形成する。その後、基板表面(受光面)側に銀ペーストを魚骨型に印刷し、焼成して受光面電極を形成する。
上記反射防止膜の製造方法として、特開昭58−23486(特許文献1)に開示されたような簡易な方法もある。これは、タンタルアルコオキサイドたとえばタンタリウムエチレート1容とカルボン酸たとえば氷酢酸1容あるいはそれ以下を適当な溶媒たとえばアルコール1容あるいはそれ以上にて混合し、その誘電体であるタンタル酸と溶媒とを塗布体組成物とし、基板に該塗布体組成物を塗布し、さらに200℃〜800℃で加熱することによって酸化タンタル薄膜を得るものである。
また、特開2004−158843(特許文献2)には電気泳動体積プロセスを使用して半導体デバイス上に選択的に材料を堆積させる方法が開示されている。具体的には、半導体デバイス表面の堆積膜を成膜したくない領域に選択的に疎水性マスクを形成しておき、マスクを形成した領域が電気泳動体積プロセスを実施する浴内の薬液に接触しないようにしておくことで、堆積膜を選択的に形成する方法である。
さらには、特開2005−249982(特許文献3)には、太陽電池表面に無機酸化物微粒子とバインダーの有機物を塗布し、熱硬化させ単層の反射防止膜を形成する方法が開示されている。
ところで、上記のように太陽電池セルに反射防止膜を作製する際、特に基板表面に電極を形成した後に溶液あるいは分散液を原料とする多孔質膜を塗布することで反射防止膜を形成する場合、反射防止膜を作製する際の太陽電池基材上への溶液などの塗布により電気的特性が低下することを本願発明者は見いだした。
そこで、本願発明者は、この原因を究明すべく鋭意研究を重ねた結果、微粒子や分散媒、原料ゾルなどが電極と太陽電池基材との間に侵入することにより太陽電池の長期信頼性、電気的特性が劣化する、という問題の存在が本願発明者の研究により明らかとなった。ここで、曲線因子とは太陽電池の最大出力仕事率を短絡電流と開放電圧との積で除した値である。これに対して、これまで電気的特性の劣化、特に曲線因子の劣化を防ぐ方法は提案されておらず、このような劣化を防止するために本願発明に到達したものである。
また、太陽電池セルの基板表面全面に反射防止膜を塗布してしまうと、表面の電極上にも反射防止膜が形成されることとなり、反射防止膜形成後には太陽電池セルの電気特性を評価できなくなる。さらには、電極上にも反射防止膜が形成されている場合、太陽電池のモジュール化工程において太陽電池セルの電極上に半田が付着しにくくなるために、タブ付けを行えなくなる、という問題が発生する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、曲線因子の劣化を防ぎながら、液相から製膜される光反射低減効果の高い反射防止膜により光反射を低減させることにより短絡電流と光電変換効率とを増大させるとともに、反射防止膜形成後においても太陽電池セルの電気特性の評価および電極上へのはんだ付けが可能な太陽電池セルを製造可能な太陽電池セルの製造方法および太陽電池モジュールの製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池セルの製造方法は、半導体基板上に反射防止膜を備えた太陽電池セルの製造方法であって、PN接合部を有する前記半導体基板の一主面側に電極を形成する第1工程と、前記反射防止膜の形成用の塗布液を撥水する保護層を前記半導体基板の一主面側における前記電極を覆う領域に選択的に形成する第2工程と、前記保護層を形成した前記半導体基板上に前記反射防止膜の形成用の塗布液を塗布して前記反射防止膜を塗布形成する第3工程と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、曲線因子の劣化を防ぎながら、液相から製膜される光反射低減効果の高い反射防止膜により光反射が低減させることにより短絡電流と光電変換効率とを増加させることができるとともに反射防止膜形成後においても太陽電池セルの電気特性の評価および電極上へのはんだ付けが可能な太陽電池セルが得られる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる太陽電池セルの製造方法および太陽電池モジュールの製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの概略構成を示す断面図である。実施の形態1にかかる太陽電池セルは、太陽電池基板であってpn接合を有する半導体基板1と、半導体基板1の受光面側の面(表面)に形成された第一の反射防止膜2と、半導体基板1の受光面と反対側の面(裏面)に形成された裏面電極3と、半導体基板1の受光面側の面(表面)において第一の反射防止膜2に囲まれて形成された受光面側電極4と、第一の反射防止膜2上に形成された第二の反射防止膜6と、を備える。受光面側電極4としては、太陽電池セルのバス電極およびグリッド電極を含み、図1においてはバス電極の長手方向に略直交する方向における断面図を示している。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの概略構成を示す断面図である。実施の形態1にかかる太陽電池セルは、太陽電池基板であってpn接合を有する半導体基板1と、半導体基板1の受光面側の面(表面)に形成された第一の反射防止膜2と、半導体基板1の受光面と反対側の面(裏面)に形成された裏面電極3と、半導体基板1の受光面側の面(表面)において第一の反射防止膜2に囲まれて形成された受光面側電極4と、第一の反射防止膜2上に形成された第二の反射防止膜6と、を備える。受光面側電極4としては、太陽電池セルのバス電極およびグリッド電極を含み、図1においてはバス電極の長手方向に略直交する方向における断面図を示している。
以上のように形成された実施の形態1にかかる太陽電池セルによれば、液相からなる反射防止膜材から形成された第二の反射防止膜6を備えるとともに、液相からなる反射防止膜材料や分散液が半導体基板1まで浸透することによる欠陥準位の形成が防止され、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流と光電変換効率とに優れた太陽電池セルが実現されている。
また、実施の形態1にかかる太陽電池セルによれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6が形成されていないため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4から直接出力を取ることができ、第二の反射防止膜6の形成後においても特性評価が可能な太陽電池セルが実現されている。
また、形成された実施の形態1にかかる太陽電池セルによれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6が形成されていないため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4にタブ電極を容易に且つ確実に半田付けすることができる太陽電池セルが実現されている。これにより、容易に且つ確実に太陽電池セル同士を電気的に接続して太陽電池モジュールを製造することができる。
つぎに、以上のように構成された実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法について図2−1〜図2−6を参照して説明する。図2−1〜図2−6は、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法を説明するための断面図である。まず、体積抵抗率が1〜5Ω・cmのp型多結晶シリコン基板を、加熱したアルカリ溶液中、例えば10wt%程度の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面をエッチングすることにより、シリコン基板の切り出し時に発生してp型多結晶シリコン基板表面近くに存在するダメージ領域を取り除くと同時に基板表面洗浄を実施する。
つぎに、例えば前記と同じ10wt%程度の水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液と、例えばイソプロピルアルコールなどのアルコール溶液と、を1wt%程度添加して加熱した溶液中でp型多結晶シリコン基板のエッチングを行い、p型多結晶シリコン基板の表面にテクスチャー形状を形成する。そして、このようにしてアルカリ溶液によるエッチングを用いて表面の疎面化を行った後、このp型多結晶シリコン基板をオキシ塩化リン(POCl3)ガス雰囲気中、約800〜900℃で加熱することにより、p型多結晶シリコン基板表面に半導体pn接合を形成する。
つぎに、このp型多結晶シリコン基板を5wt%程度のフッ化水素酸水溶液中に浸漬し、p型多結晶シリコン基板表面に形成されたリンガラスを除去して、pn接合を有する半導体基板1を得る(図2−1)。この半導体基板1上に、プラズマ支援化学蒸気堆積(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法により、シラン、アンモニアと窒素ガスでシリコン窒素化膜を形成し、第一の反射防止膜2を得る(図2−2)。
つぎに、半導体基板1の裏面およびその受光面にそれぞれアルミ粉末および銀を含むペーストを印刷したのち、焼成して裏面電極3と受光面側電極4とを形成して、太陽電池セルを作製する(図2−3)。
つぎに、反射防止膜塗布液を撥水する撥水剤を含有した希釈溶液をインクジェット塗布装置を用いて太陽電池セルの受光面側の受光面側電極4上にのみ選択的に塗布する。このとき、希釈溶液は、受光面側電極4を覆って受光面側電極4を封止するように塗布する。そして、100℃程度に加熱したホットプレート上で半導体基板1を加熱することで、撥水剤溶液を乾燥させると同時に撥水効果を伴う撥水膜を形成する。これにより、撥水膜からなる電極部保護層5aが、受光面側電極4を覆って受光面側電極4を封止するように形成される(図2−4)。
つぎに、2重量部の酸化チタン粒子が分散した水溶液をイソプロピルアルコールで10倍に希釈することにより、酸化チタン粒子が分散した塗布溶液を調製し、これを受光面側の第一の反射防止膜2であるシリコン窒化膜の受光面側電極の上に二流体ノズルを使用して噴霧塗布することにより第二の反射防止膜6を形成する(図2−5)。このとき、撥水膜からなる電極部保護層5aが形成されている受光面側電極4上には、酸化チタン粒子が分散した塗布溶液は堆積しないため、受光面側電極4上には第二の反射防止膜6は形成されない。
つぎに、300℃程度に加熱したホットプレート上で基板を加熱することにより、受光面側電極4上に形成した撥水膜からなる電極部保護層5aを除去して、実施の形態1にかかる太陽電池セルが完成する(図2−6)。
以上のような実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、撥水膜からなる電極部保護層5aを受光面側電極4上に形成して受光面側電極4を封止することにより、その後の太陽電池セルの製造過程において液相からなる反射防止膜材料や分散液が受光面側電極4と半導体基板1との間に侵入、浸透することに起因した半導体基板1内における欠陥準位の形成を防いで塗布型反射防止膜を形成することができる。これにより、第二の反射防止膜6塗布前後において、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流密度と光電変換効率とを向上させることができる、という従来にない顕著な効果を奏するものであり、太陽電池特性の劣化、特に曲線因子の劣化を防ぎながら光反射が低減することによる短絡電流の増大した太陽電池特性を有する太陽電池セルを作製することができる。
すなわち、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、液相からなる反射防止膜材から形成された第二の反射防止膜6を備えるとともに、液相からなる反射防止膜材料や分散液が半導体基板1まで浸透することによる欠陥準位の形成が防止され、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流と光電変換効率とに優れた太陽電池セルを作製することができる。
また、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6を形成しないため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4から直接出力を取ることができ、第二の反射防止膜6の形成後においても特性評価が可能な太陽電池セルを作製することができる。
また、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6を形成しないため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4にタブ電極を容易に且つ確実に半田付けすることが可能な太陽電池セルを作製することができる。すなわち、容易に且つ確実に太陽電池セル同士を電気的に接続して太陽電池モジュールを製造することが可能な太陽電池セルを作製することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、図1に示した太陽電池セルの他の製造方法について図3−1〜図3−5を参照して説明する。図3−1〜図3−5は、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法を説明するための断面図である。まず、実施の形態1において図2−1〜図2−3を用いて説明した工程を実施することにより図3−1に示す太陽電池セル(実施の形態1における図2−3に対応)を作製する。
実施の形態2では、図1に示した太陽電池セルの他の製造方法について図3−1〜図3−5を参照して説明する。図3−1〜図3−5は、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法を説明するための断面図である。まず、実施の形態1において図2−1〜図2−3を用いて説明した工程を実施することにより図3−1に示す太陽電池セル(実施の形態1における図2−3に対応)を作製する。
つぎに、反射防止膜塗布液を撥水する撥水剤を含有した希釈溶液をスピン塗布装置を用いて太陽電池セルの受光面側全面に塗布して、受光面側全面に撥水剤塗布膜5bを形成する(図3−2)。次に、太陽電池セルの受光面側の撥水剤塗布膜5bにおいて、受光面側電極4上のみに選択的にレーザ照射を行って撥水膜からなる電極部保護層5aを形成する。例えば波長1064nm程度のYCO4レーザ光を受光面側電極4上に照射して、受光面側電極4に塗布した撥水剤含有溶液を加熱して乾燥固化させることで撥水膜を形成する。このとき、レーザパワーが高すぎると撥水膜が形成される前に撥水剤成分が昇華してしまうため、基板温度が100℃程度となるようにレーザパワーを選択する必要がある。
次に、半導体基板1における受光面側電極4上以外に塗布した撥水剤含有溶液を除去する。例えばトルエン溶液にて半導体基板1の洗浄を行うことで不要な撥水剤含有溶液を除去する。これにより、撥水膜からなる電極部保護層5aが、受光面側電極4を覆って受光面側電極4を封止するように形成される(図3−3、実施の形態1における図2−4に対応)。
つぎに、2重量部の酸化チタン粒子が分散した水溶液をイソプロピルアルコールで10倍に希釈することにより、酸化チタン粒子が分散した塗布溶液を調製し、これを受光面側の第一の反射防止膜2であるシリコン窒化膜の受光面側電極の上に二流体ノズルを使用して噴霧塗布することにより第二の反射防止膜6を形成する(図3−4)。このとき、撥水膜からなる電極部保護層5aが形成されている受光面側電極4上には、酸化チタン粒子が分散した塗布溶液は堆積しないため、受光面側電極4上には第二の反射防止膜6は形成されない。
つぎに、300℃程度に加熱したホットプレート上で基板を加熱することにより、受光面側電極4上に形成した撥水膜からなる電極部保護層5aを除去して、実施の形態1にかかる太陽電池セルが完成する(図3−5)。
以上のような実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、実施の形態1の場合と同様に撥水膜からなる電極部保護層5aを受光面側電極4上に形成して受光面側電極4を封止することにより、その後の太陽電池セルの製造過程において液相からなる反射防止膜材料や分散液が受光面側電極4と半導体基板1との間に侵入、浸透することに起因した半導体基板1内における欠陥準位の形成を防いで塗布型反射防止膜を形成することができる。これにより、第二の反射防止膜6塗布前後において、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流密度と光電変換効率とを向上させることができる、という従来にない顕著な効果を奏するものであり、太陽電池特性の劣化、特に曲線因子の劣化を防ぎながら光反射が低減することによる短絡電流の増大した太陽電池特性を有する太陽電池セルを作製することができる。
すなわち、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、液相からなる反射防止膜材から形成された第二の反射防止膜6を備えるとともに、液相からなる反射防止膜材料や分散液が半導体基板1まで浸透することによる欠陥準位の形成が防止され、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流と光電変換効率とに優れた太陽電池セルを作製することができる。
また、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6を形成しないため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4から直接出力を取ることができ、第二の反射防止膜6の形成後においても特性評価が可能な太陽電池セルを作製することができる。
また、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6を形成しないため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4にタブ電極を容易に且つ確実に半田付けすることが可能な太陽電池セルを作製することができる。すなわち、容易に且つ確実に太陽電池セル同士を電気的に接続して太陽電池モジュールを製造することが可能な太陽電池セルを作製することができる。
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3にかかる太陽電池セルの概略構成を示す断面図である。実施の形態3にかかる太陽電池セルは、太陽電池基板であってpn接合を有する半導体基板1と、半導体基板1の受光面側の面(表面)に形成された第一の反射防止膜2と、半導体基板1の受光面と反対側の面(裏面)に形成された裏面電極3と、半導体基板1の受光面側の面(表面)において第一の反射防止膜2に囲まれて形成された受光面側電極4と、第一の反射防止膜2上に形成された第二の反射防止膜6と、を備える。受光面側電極4としては、太陽電池セルのバス電極およびグリッド電極を含み、図1においてはバス電極の長手方向に略直交する方向における断面図を示している。また、受光面側電極4上および該受光面側電極4に隣接する第一の反射防止膜2の一部領域上には、銀(Ag)のナノ粒子により構成された受光面側電極部4aが設けられている。
図4は、本発明の実施の形態3にかかる太陽電池セルの概略構成を示す断面図である。実施の形態3にかかる太陽電池セルは、太陽電池基板であってpn接合を有する半導体基板1と、半導体基板1の受光面側の面(表面)に形成された第一の反射防止膜2と、半導体基板1の受光面と反対側の面(裏面)に形成された裏面電極3と、半導体基板1の受光面側の面(表面)において第一の反射防止膜2に囲まれて形成された受光面側電極4と、第一の反射防止膜2上に形成された第二の反射防止膜6と、を備える。受光面側電極4としては、太陽電池セルのバス電極およびグリッド電極を含み、図1においてはバス電極の長手方向に略直交する方向における断面図を示している。また、受光面側電極4上および該受光面側電極4に隣接する第一の反射防止膜2の一部領域上には、銀(Ag)のナノ粒子により構成された受光面側電極部4aが設けられている。
以上のように形成された実施の形態3にかかる太陽電池セルによれば、液相からなる反射防止膜材から形成された第二の反射防止膜6を備えるとともに、液相からなる反射防止膜材料や分散液が半導体基板1まで浸透することによる欠陥準位の形成が防止され、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流と光電変換効率とに優れた太陽電池セルが実現されている。
また、実施の形態3にかかる太陽電池セルによれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6が形成されずに、銀(Ag)のナノ粒子により形成された受光面側電極部4aが形成されているため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極部4aから直接出力を取ることができ、第二の反射防止膜6の形成後においても特性評価が可能な太陽電池セルが実現されている。
また、実施の形態3にかかる太陽電池セルによれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6が形成されずに、銀(Ag)のナノ粒子により形成された受光面側電極部4aが形成されているため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4(受光面側電極部4a)にタブ電極を容易に且つ確実に半田付けすることができる太陽電池セルが実現されている。これにより、容易に且つ確実に太陽電池セル同士を電気的に接続して太陽電池モジュールを製造することができる。
さらに、実施の形態3にかかる太陽電池セルによれば、受光面側電極4上に受光面側電極部4aを設けることにより、受光面側の電極厚が厚くされることにより電極の低抵抗化が図られた太陽電池セルが実現されている。
つぎに、以上のように構成された実施の形態3にかかる太陽電池セルの製造方法について図5−1〜図5−4を参照して説明する。図5−1〜図5−4は、実施の形態3にかかる太陽電池セルの製造方法を説明するための断面図である。まず、実施の形態1において図2−1〜図2−3を用いて説明した工程を実施することにより図5−1に示す太陽電池セル(実施の形態1における図2−3に対応)を作製する。
つぎに、反射防止膜塗布液を撥水する撥水剤を含有した希釈溶液にナノ粒子金属、例えば銀(Ag)ナノ粒子粉末を分散させた溶液をインクジェット塗布装置を用いて太陽電池セルの受光面側の受光面側電極4上にのみ選択的に塗布する。このとき、希釈溶液は、受光面側電極4を覆って受光面側電極4を封止するように塗布する。そして、100℃程度に加熱したホットプレート上で半導体基板1を加熱することで、撥水剤溶液を乾燥させると同時に撥水効果を伴う撥水膜を形成する。これにより、銀(Ag)ナノ粒子粉末を含有した撥水膜からなる電極部保護層5cが、受光面側電極4を覆って受光面側電極4を封止するように形成される(図5−2)。
つぎに、2重量部の酸化チタン粒子が分散した水溶液をイソプロピルアルコールで10倍に希釈することにより、酸化チタン粒子が分散した塗布溶液を調製し、これを受光面側の第一の反射防止膜2であるシリコン窒化膜の受光面側電極の上に二流体ノズルを使用して噴霧塗布することにより第二の反射防止膜6を形成する(図5−3)。このとき、銀(Ag)ナノ粒子粉末を含有した撥水膜からなる電極部保護層5cが形成されている受光面側電極4上には、酸化チタン粒子が分散した塗布溶液は堆積しないため、受光面側電極4(バス電極およびグリッド電極)上には第二の反射防止膜6は形成されない。
つぎに、400℃程度に加熱したホットプレート上で基板を加熱することにより、受光面側電極4(バス電極およびグリッド電極)上に形成した銀(Ag)ナノ粒子粉末を含有した撥水膜からなる電極部保護層5cを除去すると同時にAgナノ粒子を電極上に析出させる。これにより、受光面側電極4上に、Agナノ粒子により構成された受光面側電極部4aが形成され、受光面側の電極厚を厚くして受光面側の電極の低抵抗化を図ることができる。以上により、実施の形態3にかかる太陽電池セルが完成する(図5−4)。
太陽電池セルの受光面側の電極をスクリーン印刷を用いて形成する場合には、1回の印刷工程で印刷できる電極厚さは数μm〜数十μm程度である。受光面側の電極が太陽電池セルの受光面において占める面積は、太陽電池の変換効率に大きく影響する、このため、この電極が占める面積を少なくするために、できるだけ電極幅を細くすることが好ましい。
ここで、電極幅を細くするだけでは所望の電流を十分に流すだけの電極断面積を確保できない場合も発生するため、電極高さ(厚み)を高く(厚く)して電極の低抵抗化を図る必要がある。すなわち、スクリーン印刷を数回実施することで電極高さ(厚み)を厚くすることが必要となる。しかしながら、スクリーン印刷を数回実施して印刷回数が増大すると、作業工数が増えると同時に各印刷時において印刷位置のずれが発生するなどの問題も生じる。このため、一回分のスクリーン印刷工程分の電極高さ(厚み)をAgナノ粒子により構成された受光面側電極部4aで代用することでスクリーン印刷工程を短縮することができる。
以上のような実施の形態3にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、銀(Ag)ナノ粒子粉末を含有した撥水膜からなる電極部保護層5cを受光面側電極4上に形成して受光面側電極4を封止することにより、その後の太陽電池セルの製造過程において液相からなる反射防止膜材料や分散液が受光面側電極4と半導体基板1との間に侵入、浸透することに起因した半導体基板1内における欠陥準位の形成を防いで塗布型反射防止膜を形成することができる。これにより、第二の反射防止膜6塗布前後において、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流密度と光電変換効率とを向上させることができる、という従来にない顕著な効果を奏するものであり、太陽電池特性の劣化、特に曲線因子の劣化を防ぎながら光反射が低減することによる短絡電流の増大した太陽電池特性を有する太陽電池セルを作製することができる。
すなわち、実施の形態3にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、液相からなる反射防止膜材から形成された第二の反射防止膜6を備えるとともに、液相からなる反射防止膜材料や分散液が半導体基板1まで浸透することによる欠陥準位の形成が防止され、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流と光電変換効率とに優れた太陽電池セルを作製することができる。
また、実施の形態3にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6を形成せずに、銀(Ag)のナノ粒子により構成された受光面側電極部4aを形成しているため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極部4aから直接出力を取ることができ、第二の反射防止膜6の形成後においても特性評価が可能な太陽電池セルを作製することができる。
また、実施の形態3にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6を形成せずに、銀(Ag)のナノ粒子により構成された受光面側電極部4aを形成しているため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4(受光面側電極部4a)にタブ電極を容易に且つ確実に半田付けすることが可能な太陽電池セルを作製することができる。すなわち、容易に且つ確実に太陽電池セル同士を電気的に接続して太陽電池モジュールを製造することが可能な太陽電池セルを作製することができる。
さらに、実施の形態3にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、受光面側電極4上に受光面側電極部4aを形成して電極の厚みを確保しているため、電極形成のためのスクリーン印刷の印刷回数が増大することがなく、作業工数の増加や多層印刷に起因した印刷位置のずれなどの問題がない。したがって、作業工程の短縮を図りながら、受光面側の電極の低抵抗化が図られた太陽電池セルを作製することができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、図1に示した実施の形態1で説明した太陽電池セルの他の製造方法について説明する。本実施の形態においては、実施の形態2の説明で用いた図3−1〜図3−5を参照して説明する。まず、実施の形態1において図2−1〜図2−3を用いて説明した工程を実施することにより、実施の形態1と同様に図3−1に示す太陽電池セル(実施の形態1における図2−3に対応)を作製する。
実施の形態4では、図1に示した実施の形態1で説明した太陽電池セルの他の製造方法について説明する。本実施の形態においては、実施の形態2の説明で用いた図3−1〜図3−5を参照して説明する。まず、実施の形態1において図2−1〜図2−3を用いて説明した工程を実施することにより、実施の形態1と同様に図3−1に示す太陽電池セル(実施の形態1における図2−3に対応)を作製する。
つぎに、反射防止膜塗布液を撥水する撥水剤を含有した希釈溶液を、スピン塗布装置を用いて太陽電池セルの受光面側全面に塗布して、受光面側全面に撥水剤塗布膜5bを形成する(図3−2)。次に、基板温度が100℃程度となるように加熱し、太陽電池セルの受光面側の撥水剤塗布膜5bを乾燥固化させ撥水膜としての機能を形成させる。次に、太陽電池セルの受光面側電極4以外の部分のみに選択的にレーザ照射を行って、撥水膜を昇華させることで、受光面側電極4上にのみ選択的に電極部保護層5aを形成する。例えば波長1064nm程度のYCO4レーザ光を受光面側電極4以外の部分にのみ選択的に照射することで撥水膜を昇華させて除去する。撥水膜を昇華させる際に炭化物が堆積した場合には、水洗により除去を行うこともできる。これにより、撥水膜からなる電極部保護層5aが、受光面側電極4を覆って受光面側電極4を封止するように形成される(図3−3、実施の形態1における図2−4に対応)。
つぎに、2重量部の酸化チタン粒子が分散した水溶液をイソプロピルアルコールで10倍に希釈することにより、酸化チタン粒子が分散した塗布溶液を調製し、これを受光面側の第一の反射防止膜2であるシリコン窒化膜の受光面側電極の上に二流体ノズルを使用して噴霧塗布することにより第二の反射防止膜6を形成する(図3−4)。このとき、撥水膜からなる電極部保護層5aが形成されている受光面側電極4上には、酸化チタン粒子が分散した塗布溶液は堆積しないため、受光面側電極4上には第二の反射防止膜6は形成されない。
つぎに、300℃程度に加熱したホットプレート上で基板を加熱することにより、受光面側電極4上に形成した撥水膜からなる電極部保護層5aを除去して、実施の形態1にかかる太陽電池セルが完成する(図3−5)。
以上のように、実施の形態4にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、実施の形態1の場合と同様に撥水膜からなる電極部保護層5aを受光面側電極4上にのみ選択的に残しておくことで、受光面側電極4を封止することにより、その後の太陽電池セルの製造過程において液相からなる反射防止膜材料や分散液が受光面側電極4と半導体基板1との間に侵入、浸透することに起因した半導体基板1内における欠陥準位の形成を防いで塗布型反射防止膜を形成することができる。これにより、第二の反射防止膜6塗布前後において、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流密度と光電変換効率とを向上させることができる、という従来にない顕著な効果を奏するものであり、太陽電池特性の劣化、特に曲線因子の劣化を防ぎながら光反射が低減することによる短絡電流の増大した太陽電池特性を有する太陽電池セルを作製することができる。
すなわち、実施の形態4にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、液相からなる反射防止膜材から形成された第二の反射防止膜6を備えるとともに、液相からなる反射防止膜材料や分散液が半導体基板1まで浸透することによる欠陥準位の形成が防止され、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流と光電変換効率とに優れた太陽電池セルを作製することができる。
また、実施の形態4にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6を形成しないため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4から直接出力を取ることができ、第二の反射防止膜6の形成後においても特性評価が可能な太陽電池セルを作製することができる。
また、実施の形態4にかかる太陽電池セルの製造方法によれば、受光面側の受光面側電極4上に第二の反射防止膜6を形成しないため、第二の反射防止膜6の形成後においても受光面側電極4にタブ電極を容易に且つ確実に半田付けすることが可能な太陽電池セルを作製することができる。すなわち、容易に且つ確実に太陽電池セル同士を電気的に接続して太陽電池モジュールを製造することが可能な太陽電池セルを作製することができる。
実施の形態5.
上述した実施の形態1〜4にかかる太陽電池セルの受光面側電極4(受光面側電極部4a)にタブ電極をはんだ付けし、該タブ電極を用いて複数の太陽電池セルを電気的に接続し、ガラスや樹脂シートなどの封止材により封止し、封止材上に基板を配置することで太陽電池モジュールを作製することができる。これにより、液相からなる反射防止膜材から形成された第二の反射防止膜6を備えるとともに、液相からなる反射防止膜材料や分散液が半導体基板1まで浸透することによる欠陥準位の形成が防止され、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流と光電変換効率とに優れた太陽電池モジュールを作製することができる。
上述した実施の形態1〜4にかかる太陽電池セルの受光面側電極4(受光面側電極部4a)にタブ電極をはんだ付けし、該タブ電極を用いて複数の太陽電池セルを電気的に接続し、ガラスや樹脂シートなどの封止材により封止し、封止材上に基板を配置することで太陽電池モジュールを作製することができる。これにより、液相からなる反射防止膜材から形成された第二の反射防止膜6を備えるとともに、液相からなる反射防止膜材料や分散液が半導体基板1まで浸透することによる欠陥準位の形成が防止され、太陽電池の出力電気的特性の一つである曲線因子を低下させること無く、短絡電流と光電変換効率とに優れた太陽電池モジュールを作製することができる。
図6は、実施の形態1にかかる太陽電池セルを用いて作製した太陽電池モジュールの一例を示す断面図であり、半導体基板1と、第一の反射防止膜2と、裏面電極3と、受光面側電極4と、第一の反射防止膜2上に形成された第二の反射防止膜6と、封止材7と、透明基板8と、保護基板9と、を備える。
このような太陽電池モジュールは、実施の形態1にかかる太陽電池セルの完成後、第二の反射防止膜6の形成面上に封止材7としてのエチレンビニル酢酸樹脂フィルムと透明基板8としてのガラス基板とをこの順で積層配置し、また裏面側には封止材7としてのエチレンビニル酢酸樹脂フィルムと保護基板9としてのポリエチレンテレフタラート樹脂とをこの順で積層配置し、表裏両面から圧力を加えながら真空下、100℃〜200℃で加熱することにより作製することができる。
以上のように、本発明にかかる太陽電池セルの製造方法は、液相からなる反射防止膜材から形成される反射防止膜により光反射を低減させることにより短絡電流を増大した、太陽電池特性に優れた太陽電池セルを形成する場合に有用である。
1 半導体基板
2 反射防止膜
3 裏面電極
4 受光面側電極
4a 受光面側電極部
5a 電極部保護層
5b 撥水剤塗布膜
5c 電極部保護層
6 反射防止膜
7 封止材
8 透明基板
9 保護基板
2 反射防止膜
3 裏面電極
4 受光面側電極
4a 受光面側電極部
5a 電極部保護層
5b 撥水剤塗布膜
5c 電極部保護層
6 反射防止膜
7 封止材
8 透明基板
9 保護基板
Claims (7)
- 半導体基板上に反射防止膜を備えた太陽電池セルの製造方法であって、
PN接合部を有する前記半導体基板の一主面側に電極を形成する第1工程と、
前記反射防止膜の形成用の塗布液を撥水する保護層を前記半導体基板の一主面側における前記電極を覆う領域に選択的に形成する第2工程と、
前記保護層を形成した前記半導体基板上に前記反射防止膜の形成用の塗布液を塗布して前記反射防止膜を塗布形成する第3工程と、
を含むことを特徴とする太陽電池セルの製造方法。 - 前記第2工程は、
前記塗布液を撥水する材料を含有した前記保護膜の形成用の塗布液を、前記半導体基板の一主面側における前記電極を覆う領域に選択的にインクジェット法により塗布する工程と、
前記半導体基板の一主面側に塗布された前記保護膜の形成用の塗布液を乾燥させることにより前記保護層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。 - 前記第2工程は、
前記塗布液を撥水する材料を含有した前記保護膜の形成用の塗布液を、前記半導体基板の一主面側の全面に塗布する工程と、
前記半導体基板の一主面側における前記電極を覆う領域のみに選択的にレーザを照射して前記保護膜の形成用の塗布液を乾燥固化させることで前記保護層を選択的に形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。 - 前記第2工程は、
前記塗布液を撥水する材料を含有した前記保護膜の形成用の塗布液を、前記半導体基板の一主面側の全面に塗布する工程と、
前記半導体基板を熱処理することにより、前記半導体基板の一主面側の全面に塗布した撥水する材料を含有した前記保護膜を乾燥固化させる工程と、
前記半導体基板の一主面側における前記電極を覆う領域以外の部分に選択的にレーザを照射して前記保護膜の形成用の塗布液を昇華させることで、前記半導体基板の一主面側における前記電極を覆う領域上に前記保護層を選択的に形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。 - 前記反射防止膜の形成用の塗布液を撥水する保護層が金属ナノ粒子を含有し、
前記第3工程の後に、
前記保護層を熱処理することにより前記電極上に前記金属ナノ粒子のみを析出させる工程を有すること、
を特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。 - 前記第1工程の前に、
前記半導体基板の一主面側における前記電極を形成する領域を除いた受光領域に他の反射防止膜を形成する工程を有すること、
を特徴とする請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。 - 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の太陽電池セルの製造方法を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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