JP4701977B2 - 車載ネットワークの診断システム及び車載制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、各種の車載機器を分散制御すべく車載ネットワークを介して互いに通信可能に接続される複数の電子制御装置の接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システム、及び該システムに用いられる車載制御装置に関する。
周知のように、車両用の制御システムの1つとして、例えば特許文献1に見られるように、車載ネットワークを介して互いに通信可能に接続される複数の電子制御装置の間で授受される情報に基づき各種の車載機器を分散制御するシステムがある。
すなわち、この特許文献1に記載の制御システムは、上記複数の電子制御装置として、車載エンジンの燃料噴射等の制御を行うエンジン制御装置や車両のブレーキ制御を行うブレーキ制御装置、同じく車両のトラクション制御を行うトラクション制御装置などの電子制御装置を備えている。そしてこのうち、上記トラクション制御装置では、例えば車速や駆動輪の回転速度などに基づいて該駆動輪の空転のしやすさを示すスリップ率SPを算出し、この算出したスリップ率SPを上記通信バス上に送出する。そして、通信バス上に送出されたスリップ率SPが、例えば上記エンジン制御装置や上記ブレーキ制御装置などに取り込まれ、エンジン制御装置では上述のエンジン制御に、またブレーキ制御装置では上述の車両のブレーキ制御にそれぞれ供される。このように、特許文献1に記載の制御システムでは、上記複数の電子制御装置の間でのこうした情報の共有を通じて各種の制御を協調して実行するようにしている。
ところで、上記特許文献1に記載されているシステムも含めて、このような車両用の制御システムでは、予め車載ネットワークに接続されている上記複数の電子制御装置が各々、他の電子制御装置と情報の授受を行うことによって、上述の分散制御を行っているが、この分散制御を安全に行うために、上記複数の電子制御装置が各々、他の電子制御装置との間の接続状態(通信状態)の適正性を監視している。例えば、上記トラクション制御装置においては、上記複数の電子制御装置のうち、上記エンジン制御装置及び上記ブレーキ制御装置と定期的に情報の送受信を行い、予め決められた所定時間内に一度も情報を受信することがない場合には、それら制御装置との間の接続状態に異常(通信バス異常、電子制御装置異常等)があるとして、上述の分散制御を中止して適宜のフェールセーフを実行するようにしている。
特開平11−175331号公報 特開平11−316177号公報
このように、上記従来の制御システムを前提とした車載ネットワークの診断システムでは、上記複数の電子制御装置の接続状態が適正であることを条件に上述の分散制御を実行するようにしているため、該分散制御にかかる安全性や信頼性は確かに維持される。しかしながら、同一車種であっても仕向けの違いやオプション機能の有無などによって搭載される電子制御装置は異なる場合があり、車両販売時に予め搭載されている電子制御装置にはどのようなものがあり、車両販売後の任意のタイミングにオプション機能の追加等により新たに搭載された電子制御装置にはどのようなものがあるのか、といった情報を考慮したうえで、同車載ネットワーク中の電子制御装置について、その接続状態の適正性を正確に診断することは困難な実情にある。
なお従来、例えば特許文献2にみられるように、車載ネットワークに接続されている複数の電子制御装置の通信状況を確認するために、通信確立状態にある電子制御装置の識別情報と照合データベースとを比較することで上記診断を行うようにしたシステムも知られてはいる。しかし、この照合データベースは、具体的には各電子制御装置の車載率の統計結果を集めた情報である車載率データベースや、セットで搭載されるであろう電子制御装置の情報をまとめた組合せデータベースでしかなく、必ずしも上記接続状態にかかる適正性についての高い診断精度が確保、維持されるとは限らない。すなわち、車載率データベースにあっては、統計結果を集計する必要があることから、その利用に手間がかかるとともに、診断もあくまでも予測レベルでしかその結果を出すことができない。また、組合せデータベースの場合には、セットで搭載されるべき電子制御装置に対してしかその診断を行うことができず、それ以外の電子制御装置等についてはその接続状態についての適正な診断を行うことはできない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続状態の適正性について、より精度の高い診断を容易に実現することのできる車載ネットワークの診断システム、及び該システムに用いられる車載制御装置を提供することにある。
こうした目的を達成するため、車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムとして、請求項1に記載の車載ネットワークの診断システムでは、当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記管理センター側にて設けられてなることとした。
上記構成では、車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータ、例えば車両組み立てラインの工程や、ディーラーでの車両販売時や、オプション機能の追加/削除時や、サービス工場での修理時等のタイミングなどで記憶、更新される接続情報(データ)等、いわば複数の電子制御装置についての車両固有のその都度の搭載内容が直接反映されたデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、該マスタデータを用いて上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断するようにしている。このため、該車載ネットワーク中の電子制御装置に何らかの接続異常が生じているときには、上記電子制御装置による応答要求の実行によって実際に取得されるそれら電子制御装置の接続情報と上記マスタデータとの照合を通じて、同車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置を確実に特定することができるようになるなど、上記接続状態の適正性についてのより精度の高い診断を容易に実現することができるようになる。
た、請求項に記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断の態様としては、例えば、請求項に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、
・前記車両側で取得された接続情報を前記無線通信を通じて前記管理センターに送信し、前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断を、前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータとこの車両側から送信される接続情報とに基づき前記管理センター側にて実行する。
あるいは、請求項に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、
・前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータを前記無線通信を通じて前記車両に送信し、前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断を、この送信されるマスタデータと当該車両にて取得された接続情報とに基づき車両側にて実行する。
等々の採用が考えられる。
すなわち上述の通り、上記車両と上記管理センターとの間では無線通信を通じて情報の授受が行われる。このため、上記診断が上記車両と上記管理センターとのいずれにて行われる場合であれ、上記照合に際して必要とされる情報を上記車両と上記管理センターとの間で適宜にやりとりするようにすることで、所期の目的を達成することができるようになる。
また、請求項1に記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、請求項4に記載の車載ネットワークの診断システムでは、前記マスタデータ記憶手段が前記管理センター側のみに設けられ、このマスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータと車両にて取得された接続情報とに基づく前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断が前記車両側の特定の一つの電子制御装置と前記管理センター側とで分担して実行されるものであるとき、前記診断にかかる前記車両側の特定の一つの電子制御装置と前記管理センター側との分担量を、前記車載ネットワークを通じた分散制御に用いられる接続情報として前記車両側の特定の一つの電子制御装置に予め記憶されているアドレスデータに応じて決定し、車両側の特定の一つの電子制御装置での診断を、前記マスタデータの代用情報として該アドレスデータを用いて、該アドレスデータと当該車両にて取得された接続情報との照合に基づいて実行するようにしている。
すなわち、車両側の電子制御装置は通常、上記車載ネットワークを通じた分散制御に用いられる接続情報(アドレスデータ)を当該装置自身が内蔵するメモリ(読み出し専用メ
モリなど)に予め記憶している。したがって、上記マスタデータ記憶手段が上記管理センター側のみに設けられるとともに、車両と管理センターとのそれぞれ分担する上記診断の分担量が上記アドレスデータに応じて決定されるシステムにあっては、車両側の特定の一つの電子制御装置が、上記マスタデータの代用情報として該アドレスデータを用いて、該アドレスデータと当該車両にて取得された接続情報とを照合するようにすることで、上記管理センターから上記マスタデータを受信することなく、上記車載ネットワークに接続されている複数の電子制御装置の接続状態の適正性についての診断を的確に実行することができるようになる。
また、請求項5に記載の車載ネットワークの診断システムでは、当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は前記車両側にて設けられてなるとともに、該マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータ及び前記車両にて取得された接続情報を前記無線通信を通じて前記管理センターに送信し、前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断を、これら送信されるマスタデータと車両にて取得された接続情報とに基づき管理センター側にて実行することとした。
また、請求項6に記載の車載ネットワークの診断システムでは、当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、前記マスタデータと前記車両にて取得された接続情報とに基づく前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断は、前記車両側と前記管理センター側との双方で実行可能に構成されてなり、前記車両及び前記管理センターの一方から他方への要求に基づき前記診断の実行を指示し、それら診断に際して前記照合に必要とされる情報を前記無線通信を通じて授受することとした。
また、請求項7に記載の車載ネットワークの診断システムでは、当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、前記マスタデータと前記車両にて取得された接続情報とに基づく前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断は、前記車両側と前記管理センター側との双方で実行可能に構成されてなり、前記車両及び前記管理センターの一方から他方への要求に基づき前記診断の実行及び診断の開始時期を指示し、それら診断に際して前記照合に必要とされる情報を前記無線通信を通じて授受することとした。
また、請求項8に記載の車載ネットワークの診断システムでは、当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、前記マスタデータと前記車両にて取得された接続情報とに基づく前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断は、前記車両側と前記管理センター側とで分担して実行されるものであり、それら診断に際して前記照合に必要とされる情報を前記無線通信を通じて授受することとした。
上記構成でも、複数の電子制御装置についての車両固有のその都度の搭載内容が直接反映されたデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、該マスタデータを用いて上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断するようにしている。このため、該車載ネットワーク中の電子制御装置に何らかの接続異常が生じて
いるときには、上記電子制御装置による応答要求の実行によって実際に取得されるそれら電子制御装置の接続情報と上記マスタデータとの照合を通じて、同車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置を確実に特定することができるようになるなど、上記接続状態の適正性についてのより精度の高い診断を容易に実現することができるようになる。
ちなみに、上記請求項のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システムは、上記車両と上記管理センターとの双方が上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性にかかる診断を実行可能に構成される点で共通する。
そしてこのような構成にあって、上記請求項に記載の車載ネットワークの診断システムでは、車両及び管理センターの一方から他方への要求に基づき前記診断の実行を指示するようにしている。このため、例えば車両及び管理センターの一方にかかる処理負荷が高い状況にあり、上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性にかかる診断をその一方にて行うことが困難であるような場合であれ、車両及び管理センターの一方が他方に上記診断の実行を指示することで、その他方にて同診断を適切に行うことができるようになる。
また、この請求項に記載の車載ネットワークの診断システムに対し、上記請求項に記載の車載ネットワークの診断システムでは、上記車両及び管理センターの一方から他方への要求に基づき上記診断の開始時期をさらに指示することとしたため、上記車両または上記管理センターがその一方から指示される上記診断の開始時期に基づき同診断の実行を開始するようにもなる。
他方、上記請求項に記載の車載ネットワークの診断システムでは、上記診断を、上記車両側と上記管理センター側とで分担して実行するようにしている。このような構成では、上記診断を実行するにあたって、当該車載ネットワークの診断システム全体の処理能力を効率よく利用することができるようになる。
なお、この請求項に記載の車載ネットワークの診断システムを採用する場合には、特に請求項に記載の車載ネットワークの診断システムをさらに採用するようにすることが実用上望ましい。すなわち、この請求項に記載の車載ネットワークの診断システムでは、前記無線通信を通じて授受される前記照合に必要とされる情報を、前記車両側と前記管理センター側とのそれぞれ分担する分担量に応じて可変とするようにしたため、それら車両と管理センターとの間で授受される情報量を好適に抑制することができるようになる。
また、請求項またはに記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、請求項10に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記診断にかかる前記車両側と前記管理センター側との分担量を、それら車両側及び管理センター側の少なくとも一方におけるその都度の処理負荷に応じて決定するようにすれば、当該車両及び上記管理センターの処理能力(負荷的な余裕)をより効率的に利用して上記診断を行うことができるようになる。
また、請求項10のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システムにおいては、請求項11に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記診断結果に基づき前記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置が特定されたとき、該特定された電子制御装置の識別子をその診断情報とともに取得して車両内の記憶手段に書き込む診断情報処理手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備えるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、車両では、上記記憶手段に書き込まれた情報(診断結果)に基づき、車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置に応じた様々な制御を実行することが可能となる。
また、この場合には特に、請求項12に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータには、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報と共にそれら電子制御装置の別に各々該当する電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときの診断情報の格納先とする電子制御装置がそれぞれ識別子の対応付けによって登録されており、前記診断情報処理手段が、前記特定された電子制御装置の診断情報をこのマスタデータにより格納先として指定されている電子制御装置の記憶手段に同特定された電子制御装置の識別子とともに書き込むようにすることが、上記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断結果の有効利用を図る上でより望ましい。すなわち、このような構成では、車両内の各電子制御装置が、該電子制御装置自身が内蔵する記憶手段に書き込まれた情報(診断結果)に基づき、上記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置を認識(特定)し、その認識した電子制御装置に応じた様々な制御を実行することが可能となる。なお、上記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の別に各々登録される上記診断情報の格納先としては、例えば、
(a)車載ネットワークに接続されている全ての電子制御装置。
(b)車載ネットワークを通じた分散制御に際し、上記接続状態が不適正である旨診断された電子制御装置との間で情報授受を行う電子制御装置。
等々を採用することができる。
また、請求項12に記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、請求項13に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記接続状態が不適正である旨特定された電子制御装置に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するフェールセーフ処理手段を前記車両側に備えるようにすれば、車両内の各電子制御装置が、該電子制御装置自身が内蔵する記憶手段に書き込まれた情報(診断結果)に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するようになり、車両の分散制御システム全体として、車載ネットワークに対する接続状態が不適正であると特定された電子制御装置に応じたフェールセーフを適切に実行することができるようになる。具体的には、上記診断情報の格納態様として上記(a)が採用された場合には、車両の分散制御システムを構成する全ての電子制御装置が上記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置を認識することで、車両の分散制御システム全体として、車載ネットワークに対する接続状態が不適正であると特定された電子制御装置に応じたフェールセーフを適切に実行することができるようになる。一方、上記診断情報の格納態様として上記(b)が採用された場合には、車両の分散制御システムのうち、上記車載ネットワークに対する接続状態が不適正となった電子制御装置に応じてフェールセーフを行うべき電子制御装置がまずは選択される。そして、それら選択された電子制御装置が上記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置を認識することで、車両の分散制御システム全体として、車載ネットワークに対する接続状態が不適正であると特定された電子制御装置に応じたフェールセーフを適切に実行することができるようになる。
また、請求項13のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、請求項14に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記車両及び前記管理センター間での前記無線通信による情報授受に際して通信異常が生じたときこの通信異常履歴を記憶する記憶手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備え、前記車両及び前記管理センター間での無線通信の再開時にこの記憶手段に前記通信異常履歴が記憶されていることに基づいて前記情報授受のリトライ処理を実行するようにすれば、上記車両及び上記管理センター間での無線通信による情報授受をより確実に行うことができるようになる。
また、請求項14に記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、請求項15に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の一つがナビゲーションシステムを構成するナビゲーション制御装置であるとき、前記リトライ処理を、該ナビゲーション制御装置を通じて前記無線通信にかかる通信環境が整っている旨判断されることを条件に実行するようにすれば、同リトライ処理をより適切に行うことができるようになる。
ただし、請求項14または15に記載の車載ネットワークの診断システムにおいては、上記車両や上記管理センターの通信機能自体が故障している場合もあるため、請求項16に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記リトライ処理の継続実行回数を計数し、該計数した継続実行回数が所定回数に達しても前記通信異常が解消されないとき前記リトライ処理を中止するようにすることが実用上望ましい。
ところで、車両が市場へ出荷されて後に、該車両にオプション用の制御装置が新たに搭載されることがある。ただしこの場合、上記マスタデータには、該新たに搭載された電子制御装置の接続情報が登録されておらず、該電子制御装置については、上記マスタデータに基づいてその接続状態の適正性を診断することが困難となる。この点、請求項16のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、請求項17に記載の車載ネットワークの診断システムでは、前記マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が前記車載ネットワークに接続されることに基づき前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータを自動更新するマスタデータ更新手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備えるようにしたため、車両が市場に出荷されて後にオプション用の制御装置が新たに搭載された場合であれ、上記マスタデータに基づいて同電子
制御装置の接続状態の適正性を診断することができるようになる。
なお、請求項17に記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、上記マスタデータの自動更新の具体態様としては、例えば、請求項18に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、
・前記新たな電子制御装置の接続情報が前記管理センターに入力されるものであるとき、前記マスタデータ更新手段が、この管理センターに入力された接続情報に基づいて前記マスタデータを自動更新する。
あるいは、請求項19に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、
・前記新たな電子制御装置の接続情報が、この新たな電子制御装置から前記車載ネットワークを介して伝達される接続要求に基づき取得されるものであるとき、前記マスタデータ更新手段が、この取得された接続情報に基づいて前記マスタデータを自動更新する。
等々、といった態様を採用することができる。これらいずれの場合であれ、車両が市場へ出荷されて後に新たに搭載された電子制御装置の接続情報を追加するかたちでの上記マスタデータの更新処理を適切に行うことができるようになる。
またここで、上記請求項19のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システムは、請求項20に記載の車載ネットワークの診断システムに適用して特に有効である。
すなわち、近年、各種の車載機器を分散制御すべく車載ネットワークを介して互いに通信可能に接続される複数の電子制御装置の接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムとして、複数の車両にそれぞれ搭載されている分散制御システムに対してそれら車両の別に各々該当する車両内の複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断し、それら診断結果を、前記管理センターにて統括管理するものが検討されている。このようなシステムでは、例えば、
・いずれかの車両において上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続に異常があるとき、車両外部の管理センターが、該当する車両のユーザ(ドライバ)に対して上記車載ネットワークに接続異常が生じている旨の通知を行う。
・上記車載ネットワークの接続異常の発生状況を例えば車種や生産ロット毎に統計し、その統計の結果を車両開発(安全対策など)に役立てる。
等々、その診断結果の有効利用が可能となるなど、特に車両メンテナンスの面で適切なサービスの実現が可能となる。
この点、上記構成では、上記複数の電子制御装置の接続状態の適正性についてのより精度の高い診断を容易に実現することのできる上記請求項19のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システムを、このようないわゆるリモートダイアグを行う車載ネットワークの診断システムに適用することとしたため、例えば、
・上記管理センターが上記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置内のデータ(プログラム)の書き換え(リプログラミング)を行うものであるとき、車載ネットワークに対する接続状態が不適正であると特定された電子制御装置に応じた適切なリプログラミングを実施する。
等々、上記診断結果の利用に関する自由度もさらに高められ、より広い範囲でより適切なサービスの実現が図られるようにもなる。
またこの場合、こうしたサービスの実現を適切に図る上では、請求項21に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記診断に用いられたマスタデータについても、前記管理センターにて併せて統括管理するようにすることが望ましい。
また、上記マスタデータについては、上記管理センターが複数の車両にそれぞれ搭載されている分散制御システムに対してそれら車両の別に各々該当する車両内の複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態を管理することに鑑みれば、請求項22に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報として、当該ネットワーク構造に対応して階層化もしくはグループ化された各電子制御装置の接続位置を含むかたちで、それら各電子制御装置の識別子が車両識別コードとの対応のもとに前記マスタデータ記憶手段に格納されてなるものを採用するようにすることが実用上望ましい。
また、請求項23に記載の車載ネットワークの診断システムでは、当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなるとともに、該マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータには、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報と共にそれら電子制御装置の別に各々該当する電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときの診断情報の格納先とする電子制御装置がそれぞれ識別子の対応付けによって登録されており、前記診断の結果に基づき前記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置が特定されたとき、該特定された電子制御装置の識別子をその診断情報とともに取得して前記マスタデータにより格納先として指定されている電子制御装置の記憶手段に書き込む診断情報処理手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備えることとした。
また、請求項25に記載の車載ネットワークの診断システムでは、当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の一つは、ナビゲーションシステムを構成するナビゲーション制御装置であり、前記車両及び前記管理センター間での前記無線通信による情報授受に際して通信異常が生じたときこの通信異常履歴を記憶する記憶手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備え、前記車両及び前記管理センター間での無線通信の再開時にこの記憶手段に前記通信異常履歴が記憶されていることに基づいて、前記ナビゲーション制御装置を通じて前記無線通信にかかる通信環境が整っている旨判断されることを条件に前記情報授受のリトライ処理を実行することとした。
また、請求項26に記載の車載ネットワークの診断システムでは、当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、前記マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が前記車載ネットワークに接続されたとき、前記管理センターに入力される前記新たな制御装置の接続情報に基づいて前記マスタデータ記憶
手段に格納されているマスタデータを自動更新するマスタデータ更新手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備えることとした。
また、請求項27に記載の車載ネットワークの診断システムでは、当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で、複数の車両にそれぞれ搭載されている分散制御システムに対してそれら車両の別に各々該当する車両内の複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなるとともに、前記診断の結果および前記診断に用いられたマスタデータを、前記管理センターにて統括管理することとした。
上記構成でも、複数の電子制御装置についての車両固有のその都度の搭載内容が直接反映されたデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、該マスタデータを用いて上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断するようにしている。このため、該車載ネットワーク中の電子制御装置に何らかの接続異常が生じているときには、上記電子制御装置による応答要求の実行によって実際に取得されるそれら電子制御装置の接続情報と上記マスタデータとの照合を通じて、同車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置を確実に特定することができるようになるなど、上記接続状態の適正性についてのより精度の高い診断を容易に実現することができるようになる。
そして、このような構成にあって、上記請求項23に記載の車載ネットワークの診断システムでは、車両内の各電子制御装置が、該電子制御装置自身が内蔵する記憶手段に書き込まれた情報(診断結果)に基づき、上記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置を認識(特定)し、その認識した電子制御装置に応じた様々な制御を実行することが可能となる。
なお、請求項23に記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、請求項24に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、前記接続状態が不適正である旨特定された電子制御装置に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するフェールセーフ処理手段を前記車両側に備えるようにすれば、車両内の各電子制御装置が、該電子制御装置自身が内蔵する記憶手段に書き込まれた情報(診断結果)に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するようになり、車両の分散制御システム全体として、車載ネットワークに対する接続状態が不適正であると特定された電子制御装置に応じたフェールセーフを適切に実行することができるようになる。
他方、請求項25に記載の車載ネットワークの診断システムでは、リトライ処理を行うことによって、上記車両及び上記管理センター間での無線通信による情報授受をより確実に行うことができるようになる。さらに、リトライ処理を、ナビゲーション制御装置を通じて無線通信にかかる通信環境が整っている旨判断されることを条件に実行するようにすることにより、同リトライ処理をより適切に行うことができるようになる。
また、請求項26に記載の車載ネットワークの診断システムでは、車両が市場に出荷されて後にオプション用の制御装置が新たに搭載された場合であれ、上記マスタデータに基づいて同電子制御装置の接続状態の適正性を診断することができるようになる。
また、請求項27に記載の車載ネットワークの診断処理システムでは、上記複数の電子制御装置の接続状態の適正性についてのより精度の高い診断を容易に実現することのできる車載ネットワークの診断システムを、いわゆるリモートダイアグを行う車載ネットワークの診断システムに適用することとしたため、上記診断結果の利用に関する自由度もさらに高められ、より広い範囲でより適切なサービスの実現が図られるようにもなる。
なお、上記車両側での上記接続情報の取得の態様については、例えば、請求項28に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、
・複数の電子制御装置が個別に取得した接続情報を特定の一つの電子制御装置を通じて一つの情報にまとめるかたちで行われる。
あるいは、請求項29に記載の車載ネットワークの診断システムによるように、
・特定の一つの電子制御装置から他の全ての電子制御装置に対する応答要求の実行によってなされる。
等々の採用が有効である。これらいずれの場合であれ、上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断に際し、上記マスタデータと上記接続情報との照合を一括に行うことが可能となり、その診断結果をより容易に得ることができるようになる。また、こうした接続情報が上記管理センターに送信されるものであるときには、上記管理センターでは、該接続情報を車両毎に一括受信することができるようにもなる。ただし、上記請求項29に記載の車載ネットワークの診断システムでは、特定の電子制御装置が他の全ての電子制御装置に対して応答要求を実行するだけで上記車両側での上記接続情報を取得することが可能であり、該接続情報の取得の容易性や的確性といった面で上記請求項28に記載の車載ネットワークの診断システムよりも有利である。
一方、こうした車載ネットワークの診断システムに用いられる車載制御装置は、具体的には、例えば請求項3035のいずれか一項に記載の車載制御装置によって実現される。すなわち、以下の各車載制御装置によれば、上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断が、車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータに基づいて行われる。このため、該車載ネットワーク中の電子制御装置に何らかの接続異常が生じているときには、上記電子制御装置による応答要求の実行によって実際に取得されるそれら電子制御装置の接続情報と上記マスタデータとの照合を通じて、同車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置を容易に特定することができるようになるなど、上記接続状態の適正性についてのより精度の高い診断を容易に実現することができるようになる。
なお、具体的には、上記請求項30に記載の車載制御装置では、車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置として、前記車載ネットワークに接続された他の電子制御装置との応答要求の実行に基づきそれら電子制御装置の接続情報を取得する手段を備え、車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段及び前記取得される電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を有する
管理センターにこの取得した電子制御装置の接続情報を送信することによって、前記診断手段による診断を前記管理センターに委託するようにしている。
また、上記請求項31に記載の車載制御装置では、車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置として、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段と、前記車載ネットワークに接続された他の電子制御装置との応答要求の実行に基づきそれら電子制御装置の接続情報を取得する手段とを備え、当該車載制御装置を通じて取得される電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を有する管理センターにこの取得された電子制御装置の接続情報及び前記マスタデータを送信することによって、前記診断手段による診断を前記管理センターに委託するようにしている。
また、上記請求項32に記載の車載制御装置では、車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置として、前記車載ネットワークに接続された他の電子制御装置との応答要求の実行に基づきそれら電子制御装置の接続情報を取得する手段と、この取得した電子制御装置の接続情報を前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段とを備え、前記マスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を有する管理センターから前記マスタデータを受信するとともに、前記診断手段を通じて前記取得した電子制御装置の接続情報をこの受信したマスタデータと照合して前記診断を実行するようにしている。
すなわち上述の通り、上記車両と上記管理センターとの間では無線通信を通じて情報の授受が行われる。このため、上記マスタデータ記憶手段が上記車両と管理センターとのいずれに備えられる場合であれ、或いは上記診断が上記車両と上記管理センターとのいずれにて行われる場合であれ、上記照合に際して必要とされる情報を上記車両と上記管理センターとの間で適宜にやりとりするようにすることで、所期の目的を達成することができるようになる。
他方、上記請求項33に記載の車載制御装置では、車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置として、当該車載制御装置及び前記管理センターの少なくとも一方に前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備えるとともに、他の電子制御装置との応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を当該車載制御装置及び前記管
理センターの双方に備え、当該車載制御装置及び前記管理センターの一方から他方への要求に基づき前記診断手段による診断の実行を指示するようにしている。また、上記請求項34に記載の車載制御装置では、車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置として、当該車載制御装置及び前記管理センターの少なくとも一方に前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備えるとともに、他の電子制御装置との応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を当該車載制御装置及び前記管理センターの双方に備え、当該車載制御装置及び前記管理センターの一方から他方への要求に基づき前記診断手段による診断の実行及び診断の開始時期を指示するようにしている。
したがって、これらいずれの車載制御装置であっても、より高い精度の診断結果を上記管理センターと協働して得ることができるようになる。しかも、例えば車載制御装置及び管理センターの一方にかかる処理負荷が高い状況にあり、上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性にかかる診断をその一方にて行うことが困難であるような場合であれ、当該車載制御装置及び管理センターの一方が他方に上記診断の実行を指示することで、その他方にて同診断を適切に行うことができるようになる。また、特に上記請求項34に記載の車載制御装置では、当該車載制御装置及び管理センターの一方から他方への要求に基づき上記診断の開始時期をさらに指示することとしたため、当該車載制御装置または上記管理センターがその一方から指示される上記診断の開始時期に基づき同診断の実行を開始するようにもなる。
また他方、上記請求項35に記載の車載制御装置では、車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置として、当該車載制御装置及び前記管理センターの少なくとも一方に前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備えるとともに、他の電子制御装置との応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を当該車載制御装置及び前記管理センターの双方に備え、前記診断に際してその照合に必要とされる情報を前記無線通信を通じて授受しつつ、同診断を当該車載制御装置と前記管理センターとで分担して実行するようにしたため、当該車載制御装置及び上記管理センターの処理能力の効率的な利用を図りつつ、所期の目的を達成することができるようになる。
また、この場合には特に、請求項36に記載の車載制御装置によるように、前記無線通信を通じて授受される前記照合に必要とされる情報を当該車載制御装置と前記管理センター側とのそれぞれ分担する分担量に応じて可変とするようにすれば、それら車両と管理センターとの間で授受される情報量を好適に抑制することができるようになる。
また、請求項35または36に記載の車載制御装置において、請求項37に記載の車載制御装置によるように、前記診断にかかる当該車載制御装置と前記管理センターとの分担量を、それら車載制御装置及び管理センターの少なくとも一方におけるその都度の処理負荷に応じて決定するようにすれば、当該車載制御装置及び上記管理センターの処理能力(負荷的な余裕)をより効率的に利用して上記診断を行うことができるようになる。
一方、請求項35または36に記載の車載制御装置において、請求項38に記載の車載制御装置では、前記マスタデータ記憶手段が前記管理センターのみにあるとともに、前記診断にかかる当該車載制御装置と前記管理センターとの分担量が、前記車載ネットワークを通じた分散制御に用いられる接続情報として当該車載制御装置に予め記憶されているアドレスデータに応じて決定されるものであるとき、当該車載制御装置が、前記診断の分担実行に際し、該アドレスデータを前記マスタデータの代用情報として用い、該アドレスデータと他の電子制御装置に対する応答要求の実行に基づき取得した接続情報とを照合するようにしている。
すなわち、車載制御装置は通常、上記車載ネットワークを通じた分散制御に用いられる接続情報(アドレスデータ)を当該装置自身が内蔵するメモリ(読み出し専用メモリなど)に予め記憶している。したがって、上記マスタデータ記憶手段が上記管理センター側のみに設けられるとともに当該車載制御装置と上記管理センターとのそれぞれ分担する上記診断の分担量が上記アドレスデータに応じて決定されるものであるときに、当該車載制御装置が、上記マスタデータの代用情報として該アドレスデータを用いて該アドレスデータと当該車載制御装置において取得された接続情報とを照合するようにするようにすれば、上記管理センターから上記マスタデータを受信することなく、上記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続状態の適正性についての診断を的確に実行することができるようになる。
また、請求項3038のいずれか一項に記載の車載制御装置においては、請求項39に記載の車載制御装置によるように、前記診断結果に基づき前記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置が特定されるとき、この特定された電子制御装置の識別子をその診断情報とともに取得して同車載ネットワークを構成する電子制御装置の記憶手段に書き込む診断情報処理手段をさらに備えるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、当該車載制御装置では、上記記憶手段に書き込まれた情報(診断結果)に基づき、車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置に応じた様々な制御を実行することが可能となる。
また、この場合には特に、請求項40に記載の車載制御装置によるように、前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータには、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報と共にそれら電子制御装置の別に各々該当する電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときの診断情報の格納先とする電子制御装置がそれぞれ識別子の対応付けによって登録されており、前記診断情報処理手段が、前記特定された電子制御装置の診断情報をこのマスタデータにより格納先として指定されている電子制御装置の記憶手段に同特定された電子制御装置の識別子とともに書き込むようにすることが、上記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断結果を有効利用する上でより望ましい。すなわち、このような構成では、車両内の各電子制御装置が、該電子制御装置自身が内蔵する記憶手段に書き込まれた情報(診断結果)に基づき、上記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置を認識し、その認識した電子制御装置に応じた様々な制御を実行することが可能となる。なお、上記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の別に各々登録される上記診断情報の格納先としては、例えば、
(a)上記車載ネットワークに接続されている全ての電子制御装置。
(b)上記車載ネットワークを通じた分散制御に際し、上記接続状態が不適正である旨診断された電子制御装置との間で情報授受を行う電子制御装置。
等々を採用することができる。
また、請求項40に記載の車載制御装置において、請求項41に記載の車載制御装置によるように、前記接続状態が不適正である旨特定された電子制御装置に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するフェールセーフ処理手段をさらに備えるようにすれば、当該車載制御装置が、車載ネットワークに対する接続状態が不適正であると特定された電子制御装置に応じたフェールセーフを適切に実行することができるようになる。
また、請求項3041のいずれか一項に記載の車載制御装置において、請求項42に記載の車載制御装置によるように、前記管理センターとの間での前記無線通信による情報授受に際して通信異常が生じたときこの通信異常履歴を記憶する記憶手段をさらに備え、前記管理センターとの間での無線通信の再開時にこの記憶手段に前記通信異常履歴が記憶されていることに基づいて前記情報授受のリトライ処理を実行するようにすれば、管理センターとの間での無線通信による情報授受をより確実に行うことができるようになる。
また、請求項42に記載の車載制御装置において、請求項43に記載の車載制御装置によるように、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の一つがナビゲーシ
ョンシステムを構成するナビゲーション制御装置であるとき、前記リトライ処理を、該ナビゲーション制御装置を通じて前記無線通信にかかる通信環境が整っている旨判断されることを条件に実行するようにすれば、同リトライ処理をより適切に行うことができるようになる。
ただし、請求項42または43に記載の車載制御装置においては、上記車両側での通信手段や上記管理センターの通信機能自体が故障している場合もあるため、請求項44に記載の車載制御装置によるように、前記リトライ処理の継続実行回数を計数し、該計数した継続実行回数が所定回数に達しても前記通信異常が解消されないとき前記リトライ処理を中止するようにすることが実用上望ましい。
ところで、車両が市場へ出荷されて後に、該車両にオプション用の制御装置が新たに搭載されることがある。この場合、上記マスタデータには、該新たに搭載された電子制御装置の接続情報が登録されておらず、同電子制御装置については、上記マスタデータに基づいてその接続状態の適正性を診断することが困難となる。この点、請求項3044のいずれか一項に記載の車載制御装置において、請求項45に記載の車載制御装置では、前記マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が前記車載ネットワークに接続されることに基づき前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータを自動更新するマスタデータ更新手段をさらに備えるようにしたため、車両が市場に出荷されて後にオプション用の制御装置が新たに搭載された場合であれ、上記マスタデータに基づいて同電子制御装置の接続状態の適正性を診断することができるようになる。
なお、請求項45に記載の車載制御装置において、上記マスタデータの自動更新の具体態様としては、例えば、請求項46に記載の車載制御装置によるように、
・前記新たな電子制御装置の接続情報が前記管理センターに入力されるものであるとき、前記マスタデータ更新手段が、この管理センターから転送された接続情報に基づいて前記マスタデータを自動更新する。
あるいは、請求項47に記載の車載制御装置によるように、
・前記新たな電子制御装置の接続情報が、この新たな電子制御装置から前記車載ネットワークを介して伝達される接続要求に基づき取得されるものであるとき、前記マスタデータ更新手段が、この取得された接続情報に基づいて前記マスタデータを自動更新する。
等々、といった態様を採用することができる。これらいずれの場合であれ、車両が市場へ出荷されて後に新たに搭載された電子制御装置の接続情報を追加するかたちでの上記マスタデータの更新処理を適切に行うことができるようになる。
またここで、上記請求項3047のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システムにおいて、請求項48に記載の車載制御装置では、前記診断手段による診断の結果を、前記管理センターにて管理するようにしている。
すなわち、このような車載制御装置を上述の車載ネットワークの診断システムに適用するようにすれば、上記診断の結果が、上記管理センター側にて管理されるようになり、いわゆるリモートダイアグを行う上述の車載ネットワークの診断システムを適切に実現することができるようになる。
また、この場合には特に、上記マスタデータについては、請求項49に記載の車載制御装置によるように、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報として、当該ネットワーク構造に対応して階層化もしくはグループ化された各電子制御装置の接続位置を含むかたちで、車両識別コードとの対応のもとに前記マスタデータ記憶手段に格納されてなるものを採用するようにすることが実用上望ましい。
(第1の実施の形態)
以下、この発明にかかる車載ネットワークの診断システム及び該システムに用いられる車載制御装置の第1の実施の形態について、図1〜図17を参照して詳細に説明する。なお、この車載ネットワークの診断システムも、各種の車載機器を分散制御すべく車載ネットワークを介して互いに通信可能に接続される複数の電子制御装置の接続状態の適正性を診断するものとなっている。ただし、この実施の形態にかかる車載ネットワークの診断システムでは、複数の車両にそれぞれ搭載されている分散制御システムに対してそれら車両の別に各々該当する車両内の複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する。そして、それら診断結果を車両外部に設けられる管理センターにて統括管理するとともに、該統括管理される情報(診断結果)の有効利用を通じて、例えば、
(イ)いずれかの車両において上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続に異常があるとき、車両外部の管理センターが、該当する車両のユーザ(ドライバ)に対して上記車載ネットワークに接続異常が生じている旨の通知を行う。
(ロ)上記車載ネットワークの接続異常の発生状況を例えば車種や生産ロット毎に統計し、その統計の結果を車両開発(安全対策など)に役立てる。
等々、といったサービス、ここでは特に車両メンテナンスの面で適切なサービスを提供するものとなっている。
図1は、このような車載ネットワークの診断システムにあって、車両100、及び該車両100も含めて、上記診断の対象となる複数の車両(図示略)との間で情報授受を行う車外の管理センター200をそれぞれブロック図として示したものである。はじめに、この図1に基づいて、上記診断の対象となる各車両内の車載ネットワークのうち、車両100内にて設けられる車載ネットワークCNについて説明する。
同図1に示されるように、この実施の形態にかかる車載ネットワークCNは、それぞれ異なる通信プロトコルを採用する複数(3つ)のネットワーク部CNP1〜CNP3を有し、該ネットワーク部CNP1〜CNP3がそれぞれゲートウェイを介して連結されるかたちで構成されている。なお、同車載ネットワークCNは、例えばCAN(Controller Area Network)などのバス型のネットワークシステムからなる。
ここで、上記第1のネットワーク部CNP1は、以下の5つの電子制御装置を含め、複数の電子制御装置とそれら電子制御装置を電気的に接続するための第1の通信バスBS1とを備えて構成されている。
・ネットワーク部CNP1及びCNP3の通信プロトコルの違いを調整してそれらの間での通信を仲介する第1のゲートウェイ制御装置10。
・車載エンジンの燃料噴射等の制御を行うエンジン制御装置11。
・トランスミッションの変速比の自動切替制御を行うトランスミッション制御装置12。
・車両の横滑りを抑制して車両の安定性を確保するための制御を行う車両安定性制御装置13。
・登録された速度で定速走行するための制御を行うクルーズ制御装置14。
すなわち、この第1のネットワーク部CNP1では、上記第1の通信バスBS1を通じて、上記ゲートウェイ制御装置10を介して取り込まれる情報や当該ネットワーク部CNP1に接続される電子制御装置の制御状態や制御結果等の通信が行われる。そして、こうして通信される情報に基づき上記電子制御装置10〜14による上述の制御がそれぞれ実行され、ここでは特に車両の運転に関する面での分散制御が行われるようになる。
また、上記第2のネットワーク部CNP2は、以下の2つの電子制御装置を含め、複数の電子制御装置とそれら電子制御装置を電気的に接続するための第2の通信バスBS2とを備えて構成されている。
・ネットワーク部CNP2及びCNP3の通信プロトコルの違いを調整してそれらの間での通信を仲介する第2のゲートウェイ制御装置20。
・車両制御の付加機能としてオプションで車載され、適宜の制御を行うオプション用の制御装置21。
すなわち、この第2のネットワーク部CNP2にあっても、上記第2の通信バスBS2を通じて、上記ゲートウェイ制御装置20を介して取り込まれる情報や当該ネットワーク部CNP2に接続される電子制御装置の制御状態や制御結果等の通信が行われる。そして、こうして通信される情報に基づき上記電子制御装置20及び21による上述の制御がそれぞれ実行されるようになる。
また、上記第3のネットワーク部CNP3は、上記ゲートウェイ制御装置10及び20のほか、以下の2つの電子制御装置を含め、複数の電子制御装置とそれら電子制御装置を電気的に接続するための第3の通信バスBS3とを備えて構成されている。
・上記管理センター200との間で無線通信による情報授受を行う通信制御装置(通信手段)30。
・ナビゲーションシステムを構成するナビゲーション制御装置40。
すなわち、この第3のネットワーク部CNP3にあってもほぼ同様、上記第3の通信バスBS3を通じて、上記ゲートウェイ制御装置10または20を介して取り込まれる情報や当該ネットワーク部CNP3に接続される電子制御装置の制御状態や制御結果等の通信が行われる。そして、こうして通信される情報に基づき上記電子制御装置10、20、30、40による上述の制御がそれぞれ実行されるようになる。なお、上記通信制御装置30と上記管理センター200との間での無線通信による情報授受は、図2にそのデータ構造を例示するように、例えば以下のフィールドを有してなるメッセージを用いてシリアル通信により行われる。
・メッセージの送信先とする車両や電子制御装置の識別子(ID)を示すためのフィールドF1。
・要求(命令)の種類を示すためのフィールドF2。
・実際のデータを格納するためのフィールドF3。
この点、この実施の形態にかかる車載ネットワークの診断システムでは、こうして構成される車載ネットワークCNに対し、該車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶部(マスタデータ記憶手段)201を備えている。なお、このマスタデータは、例えば車両組み立てラインの工程や、ディーラーでの車両販売時や、オプション機能の追加時や、サービス工場での修理時等のタイミングなどで記憶、更新されるものである。そして、同車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断に際し、車両100側での上記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を上記マスタデータと照合するようにしている。したがって、上記車載ネットワークCNに接続異常が生じているときには、該車載ネットワークCNに対する接続状態が不適正である電子制御装置を特定することができるようになるなど、より高い精度の診断結果を得ることができるようになる。また、こうして上記各電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断精度が高く確保されることで、例えば、
(ハ)車両100の分散制御システム全体として、車載ネットワークCNに対する接続状態が不適正であると特定された電子制御装置に応じた適切なフェールセーフを実行する。
(ニ)管理センター200が上記車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置内のデータ(プログラム)の書き換え(リプログラミング)を行うものであるとき、車載ネットワークCNに対する接続状態が不適正であると特定された電子制御装置に応じた適切なリプログラミングを実施する。
等々、上記診断結果の利用に関する自由度もさらに高められ、より広い範囲でより適切なサービスの実現が図られるようにもなる。
なおこの実施の形態では、上記車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置の接続情報である上記マスタデータとして、図3にそのデータ構造を示すように、
・ネットワーク構造に対応して階層化された各電子制御装置の接続位置を含む。
・車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置の各識別子が車両識別コードとの対応のもとに登録されている。
等々、といったデータ構造をもって上記マスタデータ記憶部201に格納されてなるものを採用するようにしている。
また、同図3に示されるように、該マスタデータには、車載ネットワークCNを通じた分散制御に際し、上記接続状態が不適正である旨診断された電子制御装置との間で情報授受を行う電子制御装置が、その診断情報の格納先として、該マスタデータに登録されている電子制御装置の別にそれらの識別子との対応のもとに登録されている。このようなマスタデータを採用するようにすることで、上記車載ネットワークCNに接続異常が生じているときには、該車載ネットワークCNを通じた分散制御に際し、上記接続状態が不適正である旨診断された電子制御装置との間で情報授受を行う電子制御装置に上記診断情報を上記診断された電子制御装置の識別子とともに書き込むことが可能になる。すなわちこの場合、上記車両100内の電子制御装置のうち特にフェールセーフへの移行が必要とされる電子制御装置のみに上記診断情報を適切に格納することができるようになり、車両100側の分散制御システム全体として適切なフェールセーフ処理がより的確に行われるようになる。
またこの実施の形態では、このようなマスタデータが格納される上記マスタデータ記憶部201については、同図1に示されるように、上記管理センター200にて備えるようにしている。すなわちこの場合、例えば上記(ニ)のサービスであれば、上記車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置内のデータの書き換えに際し、該書き換えの対象となる電子制御装置が当該車両100内に存在するか否かの上記管理センター200による認識が容易となるなど、上記各種のサービスをより適切に提供することができるようになる。なお、同マスタデータ記憶部201は、例えばハードディスクなどのメモリからなる。
また、この車載ネットワークの診断システムにあっては、上記車両100側と上記管理センター200側との双方が、上記マスタデータと上記車両100にて取得された接続情報とに基づく上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断を実行可能に構成されている(診断手段)。そして後述するが、同診断を、該通信制御装置30と上記管理センター200とで分担して実行するようにしているため、当該車載ネットワークの診断システム全体の処理能力を効率よく利用して該診断を行うことができるようになる。なおこの実施の形態では、上記車両100側にあっては、上記通信制御装置30が上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断を実行可能とされた車載制御装置として構成されている。
次に、こうした車載ネットワークの診断システムにあって、上記車両100側の通信制御装置30及び上記管理センター200の協働の下に行われる上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性にかかる診断処理について、図4〜図10を参照して説明する。なお、この車載ネットワークの診断システムは、上記車両100側の通信制御装置30及び上記管理センター200の上記分担の分担量を決定するための分担処理を実行した一方が、該分担処理の結果に応じてその他方に対し上記診断の実行を要求するものとなっている。
まず、図4〜図10に基づき、上記車両100側の通信制御装置30によって行われる診断処理について説明する。
当該車両100側での診断処理に際しては、該通信制御装置30がまず、上記マスタデータと同車両100側にて取得される接続情報とを照合するための処理(図4を参照)、及び該処理に用いられるフラグを操作するための処理(図5を参照)を並行して実行する。なお、これら処理はいずれも所定期間毎に繰り返し実行される。
ちなみに、上記フラグを操作するための処理に際しては、図5に示されるように、当該通信制御装置30がまず、ステップS11の処理として、上記管理センター200からの照合処理要求を受けたか否かの判断を行う。この結果、上記管理センター200からの照合処理要求を受けていない場合には、次にステップS12の処理として、上記車載ネットワークCNに接続異常の兆候があるか否かの判断を行う。該判断は、例えば車載ネットワークCNを介した電子制御装置の間での通信に異常が検出されたか否かの判断として行われる。そしてこの結果、上記車載ネットワークCNに接続異常の兆候があった場合には、次にステップS13の処理として、上記照合処理を行うべき状況にある旨を示す照合処理フラグをセット状態に操作した時点で、この制御を終了する。なお、この照合処理フラグは例えば該通信制御装置30自身が内蔵するデータメモリに格納されるものであり、上記診断処理に際しては、この照合処理フラグがセット状態にあることを条件に上記マスタデータと当該車両100側にて取得される接続情報との照合が実行される。
一方、上記ステップS12の処理において、上記車載ネットワークCNに接続異常の兆候がないと判断された場合には、上記照合処理フラグのリセット状態を維持して、この制御を終了する。
他方、上記ステップS11の処理において、上記管理センター200からの照合処理要求を受けたと判断された場合も同様、上記照合処理フラグをセット状態に操作する(ステップS13)。ただしこの際、該照合処理フラグの操作に先立って、ステップS14の処理としてまず、上記管理センター200からの照合処理要求の内容を同通信制御装置30自身が内蔵するデータメモリに記憶する。またこの場合には、上述の通り、上記通信制御装置30と上記管理センター200との分担する分担量を決定するための上記分担処理が上記管理センター200にて既に行われていることから、次にステップS15の処理として、上記分担処理が既に完了している旨を示す分担処理完了フラグをセット状態に操作する。こうした処理を通じて、当該車両100内の通信制御装置30では、後述するが、上記データメモリに記憶された照合処理要求の内容、すなわち上記管理センター200側で決定された上記診断の当該車両100側での分担量に応じて上記マスタデータと当該車両100側にて取得される接続情報との照合を実行するようになる。
そして、当該車両100側の通信制御装置30では上述の通り、このようなフラグ操作処理(図5)と並行して、上記マスタデータと該車両100側にて取得される接続情報とを照合するための処理を、図4に示されるフローチャートの処理手順に従って以下のように実行する。
すなわち、同図4に示されるように、この実施の形態にかかる通信制御装置30は、ステップS111の処理としてまず、上記照合処理フラグがセット状態になるまで待機する。そしてこの結果、該照合処理フラグがセット状態となれば、上記照合処理を行うべき状況にあるとして、次にステップS121の処理として、上記車載ネットワークCNに対する上記複数の電子制御装置の接続情報をそれら電子制御装置に対する応答要求により取得する。
ここで、このステップS121の処理についてその具体態様を図7(a)〜(c)を参照しつつ説明する。なお、同図7(a)〜(c)は、例えば、当該通信制御装置30自身が内蔵するデータメモリのデータ構造を示すものである。このデータメモリでは、上記応答要求により接続情報が取得された電子制御装置についてはその識別子(ID)に対する結果が「1」に設定され、接続情報が取得されなかった電子制御装置についてはその識別子(ID)に対する結果が「0」に設定される。
すなわち、当該車両100側の通信制御装置30が内蔵する読み出し専用メモリには、上記車載ネットワークCNを通じた分散制御に用いられる接続情報として図6に例示するアドレスデータが予め記憶されている。このアドレスデータには、上記車載ネットワークCNに接続されている電子制御装置の一部の接続情報が登録されており、いわば上記マスタデータの部分データともいえるものである。そこで、同通信制御装置30は、このアドレスデータに登録されている電子制御装置に対し、上記車載ネットワークCNに接続される上記複数の電子制御装置の接続情報を取得する旨の要求を通知することで、上記車載ネットワークCNに接続されている電子制御装置の接続情報を例えば以下のように取得する。
いま、上記アドレスデータに登録されている電子制御装置のうち、上記第1のゲートウェイ制御装置10に対して上記要求が通知されたとすると、該第1のゲートウェイ制御装置10がまず、該装置自身が内蔵する読み出し専用メモリに予め登録されているアドレスデータを読み出す。次いで、該読み出したアドレスデータに基づき、上記第1のネットワーク部CNP1に接続されている電子制御装置11〜14に対して応答要求を実行することで、それら電子制御装置11〜14の接続情報を取得する。そして次に、こうして取得された電子制御装置11〜14の接続情報を上記通信制御装置30に転送する。これにより、上記通信制御装置30において、図7(a)に示されるように、上記第1のネットワーク部CNP1に接続されている電子制御装置10〜14についての接続情報がまずは取得されるようになる。
また、上記第2のゲートウェイ制御装置20でもほぼ同様、いま、該第2のゲートウェイ制御装置20に対して上記要求が通知されたとすると、まず、該装置自身が内蔵する読み出し専用メモリに予め登録されているアドレスデータを読み出す。次いで、該アドレスデータに基づき、上記第2のネットワーク部CNP2に接続されている電子制御装置21に対して応答要求を実行することで、該電子制御装置21の接続情報を取得する。そして次に、こうして取得された電子制御装置21の接続情報を上記通信制御装置30に転送する。これにより、上記通信制御装置30において、図7(b)に示されるように、上記第2のネットワーク部CNP2に接続されている電子制御装置20及び21についての接続情報がさらに取得されるようになる。
一方、上記ナビゲーション制御装置40では、上記通信制御装置30からの応答要求に対して単に応答するだけで、上記通信制御装置30にて該ナビゲーション制御装置40についての接続情報が取得されるようになる。
そしてこうした処理を通じて、図7(c)に示されるように、上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置についての接続情報が取得されるようになると、同通信制御装置30は、次にステップS122の処理として、上記分担処理完了フラグのフラグ状態を確認する。そしてこの結果、該分担処理完了フラグがリセット状態にあれば、上記分担処理が未だ行われていない状況にあるとして、次にステップS131の処理として、上記通信制御装置30と上記管理センター200との分担する分担量を決定する。
次に、このステップS131の処理(車両100側での分担処理)についてその具体的な処理手順を図8を参照しつつ説明する。
同図8に示されるように、当該車両100側での分担処理に際しては、該通信制御装置30がまず、ステップS131aの処理として、同通信制御装置30自身が内蔵する読み出し専用メモリに予め登録されている上記アドレスデータ(図6)を読み出す。そして次に、ステップS131bの処理として、このアドレスデータに登録されている電子制御装置の中から、当該車両100内の通信制御装置30での上記診断の対象とする電子制御装置を決定する。なお、ここでは特に、該通信制御装置30自身のその都度の処理負荷(演算負荷や通信負荷など)に応じて決定する。そして、こうして当該車両100内の通信制御装置30での上記診断の対象とする電子制御装置が決定されると、次にステップS131cの処理として、上記アドレスデータ(図6)に登録されていない電子制御装置も含めて、未だ決定されていない電子制御装置を上記管理センター200側での診断対象として決定する。そして、こうして上記車両100側及び上記管理センター200側での診断対象が決定されると、同通信制御装置30は、次にステップS131dの処理として、上記管理センター200に対し、該管理センター200側での診断の対象として決定された電子制御装置についてその診断の実行を要求(依頼)する通知を行う。こうした処理を通じて、上記管理センター200側での診断が、当該車両100での診断と並行するかたちで実行されるようになる。
ただし、このステップS131の処理(分担処理)では、該通信制御装置30自身のその都度の処理負荷によっては、上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断を、上記管理センター200にて一括に行うよう要求(依頼)することとなる場合もある。このため、この実施の形態にかかる通信制御装置30では、こうしてステップS131の処理(分担処理)が行われて後は、図4に示されるように、次にステップS132の処理として、当該車両100側での診断対象として決定された電子制御装置があるか否かの判断を行う。そしてこの結果、当該車両100側での診断対象がない場合には、次にステップS124の処理として、上記照合処理フラグをリセット状態に操作した時点で、同制御を終了する。すなわちこの場合、上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断が、上記管理センター200にて一括に行われることとなる。
一方、上記ステップS132の処理において、当該車両100側での診断の対象があると判断された場合には、同通信制御装置30は、次にステップS123の処理に移行する。そして、このステップS123の処理において、上記分担処理の結果に応じて、上記マスタデータと上記応答要求により取得された接続情報とを照合することとなる。
ただし上述の通り、この実施の形態では、上記ステップS131の処理(分担処理)を、基本的には先の図6に例示したアドレスデータに応じて行うようにしたため、上記マスタデータの代用情報として該アドレスデータ(図6)を用いて該アドレスデータと当該車両100にて取得された接続情報とを照合することが可能である。そこで、この実施の形態にかかる通信制御装置30は、図9に示される処理手順に従ってこのステップS123の処理(照合処理)を行うこととしている。
すなわち、この照合処理に際してはまず、上記アドレスデータ(図6)と上記応答要求により取得された接続情報とを順次に読み出す(ステップS123a及びS123b)。次いで、これら読み出したアドレスデータと接続情報とを上記分担処理の結果に応じて照合し、その照合結果を、例えば該通信制御装置30自身が内蔵するデータメモリに格納する(ステップS123c及びS123d)。このような処理態様を採用するようにすることで、上記管理センター200から上記マスタデータを受信することなく、上記車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置の接続状態の適正性についての診断を的確に実行することができるようになる。
他方、上記ステップS122の処理において、上記分担処理が既に完了している旨を示す上記分担処理完了フラグがセット状態にある場合には、上述の通り、上記データメモリに記憶された照合処理要求の内容(図5:ステップS14)に応じて上記マスタデータと当該車両100側にて取得される接続情報とを照合する。すなわち、上記管理センター200側で決定された上記診断の当該車両100側での分担量に基づき、上記ステップS123(ステップS123a〜S123d)の処理を実行することとなる。
そして、こうして照合処理(ステップS123)が行われて後は、上記ステップS124の処理として、上記照合処理フラグをリセット状態に操作した時点で、この制御を終了する。
なお後述するが、こうして車両100側での照合処理(図4)が行われると、上記管理センター200では、当該車両100側での照合処理の結果を受信し、該管理センター200側での照合結果と併せて上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置の診断結果を統括管理する。そして、上記マスタデータ(図3)と上記接続応答により取得された接続情報(図7(c))とに照合エラーがある場合には、上記車載ネットワークCNに対する接続状態が不適正である電子制御装置を特定する。例えば、先の図7(c)に示した結果であれば、識別子「501」に対応するエンジン制御装置11が上記車載ネットワークCNに対する接続状態が不適正である電子制御装置として特定されることとなる。そしてその後に、上記マスタデータに基づき、この特定されたエンジン制御装置11の診断情報(照合エラー情報)の格納先となる電子制御装置(トランスミッション制御装置12及びクルーズ制御装置14など)を認識し、当該車両100内の通信制御装置30に対し、それら認識した電子制御装置内に同診断情報を格納すべき旨の要求を通知する。これに対し、当該車両100側の通信制御装置30では、図10に示される処理手順に基づき、上記接続状態が不適正である旨特定されたエンジン制御装置11に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するためのフェールセーフ処理を行うこととなる。
すなわち、いま、上記管理センター200から上記診断情報を格納すべき旨の要求が通知されたとすると、該通信制御装置30はまず、ステップS21の処理として、上記管理センター200からの通知内容に基づき、上記診断情報を格納すべき電子制御装置(トランスミッション制御装置12及びクルーズ制御装置14など)を認識する。そして次に、ステップS22の処理として、上記認識した電子制御装置に対し、上記受信した診断情報を転送することで、それら各電子制御装置において同診断情報が記憶され、該診断情報に対応して予め定められたフェールセーフがそれぞれ実行されるようになる。すなわち、この実施の形態では、上記診断結果の内容に応じてフェールセーフの実行を指示する通信制御装置30も含めて、該通信制御装置30からの実行指示に基づきフェールセーフを実行する各電子制御装置がフェールセーフ処理手段を構成している。
次に、図11〜図16に基づき、上記管理センター200側において行われる診断処理について説明する。なお、この実施の形態にかかる管理センター200は、予め定められた期間毎(例えば1週間毎)、あるいは上記車両100側からの要求を受けたときに上記診断を行うものとなっている。
当該管理センター200側での診断処理に際しても、該管理センター200がまず、上記マスタデータと上記車両100側にて取得される接続情報とを照合するための処理(図11を参照)、及び該処理に用いられるフラグを操作するための処理(図12を参照)を並行して実行する。なお、これら処理も同様、所定期間毎に繰り返し実行される。
ちなみに、上記フラグを操作するための処理に際しては、図12に示されるように、同管理センター200がまず、ステップS31の処理として、上記車両100側からの照合処理要求を受けたか否かの判断を行う。この結果、上記車両100側からの照合処理要求を受けていない場合には、次にステップS32の処理として、例えば診断実行履歴に基づき、前回の診断実行日から1週間経過したか否かの判断を行う。そしてこの結果、前回の診断実行日から1週間経過している場合には、次にステップS33の処理として、上記照合処理を行うべき状況にある旨を示す照合処理フラグをセット状態に操作した時点で、この制御を終了する。
一方、上記ステップS32の処理において、前回の診断実行日から1週間経過していないと判断された場合には、上記照合処理フラグのリセット状態を維持して、この制御を終了する。
他方、上記ステップS31の処理において、上述の車両100側での分担処理(図8:ステップS131d)により該車両100側からの照合処理要求を受けた場合も同様、上記照合処理フラグをセット状態に操作する(ステップS33)。ただしこの際、該照合処理フラグの操作に先立って、ステップS34の処理としてまず、上記車両100側からの要求内容(車両車両100側での分担処理の結果など)を同管理センター200内の所定のメモリに格納する。そして次に、ステップS35の処理として、上記分担処理が既に完了している旨を示す分担処理完了フラグをセット状態に操作する。こうした処理を通じて、同管理センター200では、後述するが、上記メモリに格納された照合処理要求の内容、すなわち上記車両100側で決定された上記診断の当該管理センター200側での分担量に応じて上記マスタデータと上記車両100側にて取得される接続情報との照合を実行するようになる。なお、当該管理センター200側にて操作されるフラグはいずれも、該管理センター200内のメモリに格納されてなるものである。
そして、当該管理センター200では上述の通り、このようなフラグ操作処理(図12)と並行して、上記マスタデータと上記車両100側にて取得される接続情報とを照合するための処理を、図11に示されるフローチャートの処理手順に従って以下のように実行する。
すなわち、同図11に示されるように、この実施の形態にかかる管理センター200は、ステップS201の処理としてまず、上記照合処理フラグがセット状態になるまで待機する。そしてこの結果、該照合処理フラグがセット状態となれば、上記照合処理を行うべき状況にあるとして、次にステップS211の処理として、上記車両100との間での情報授受のリトライ処理に移行すべき旨を示すリトライフラグのフラグ状態を確認する。なお後述するが、このリトライフラグは、上記車両100側から無線通信により送信される情報(接続情報)の取得が失敗したことに基づきそのセット状態が維持されるフラグであり、例えば該管理センター200内の所定のメモリに格納され、同管理センター200によって操作される。したがって、これも後述するが、このステップS211の処理において、該リトライフラグがセット状態にある場合には、上記車両100側から無線通信により送信される情報を再取得するためのリトライ処理を行うこととなる。
一方、上記ステップS211の処理において、上記リトライフラグがリセット状態にある場合には、同管理センター200は、次にステップS221の処理として、上記分担処理が既に完了している旨を示す上記分担処理完了フラグのフラグ状態を確認する。そしてこの結果、該分担処理完了フラグがリセット状態にあれば、上記分担処理が未だ行われていない状況にあるとして、次にステップS231の処理として、上記車両100側と当該管理センター200側との分担する分担量を決定する。
ただし上述の通り、この実施の形態では、上記車両100側の通信制御装置30が、上記マスタデータの代用情報として上記アドレスデータ(図6)を用いて該アドレスデータと当該車両100にて取得された接続情報とを照合することとした。したがって、このような通信制御装置30に対しそのアドレスデータに登録されていない電子制御装置の診断を要求したところで、該診断にかかる適正性は確保されない。そこで、この実施の形態では、上記診断を実行可能な車載制御装置として構成される上記通信制御装置30のアドレスデータに登録されていない電子制御装置についてはそれらを当該管理センター200側での診断の対象として予め設定した上で、当該分担処理(ステップS231)を行うようにしている。具体的には、例えば、上記マスタデータにあって上記通信制御装置30の識別子に対応してその診断情報の格納先として登録されている電子制御装置が同通信制御装置30のアドレスデータに登録されている電子制御装置とほぼ一致することに鑑み、図13に示される処理手順に従って以下のように行う。
すなわち、同図13に示されるように、当該管理センター200側での分担処理に際しては、同管理センター200がまず、ステップS231aの処理として、上記マスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータ(図3)を読み出す。次いで、該マスタデータにあって、上記通信制御装置30の接続状態が不適正である旨診断されたときにその診断情報(照合エラー情報)の格納先として登録されている電子制御装置の中から、該管理センター200側での上記診断の対象とする電子制御装置を決定する(ステップS231b)。なお、この管理センター200側での分担処理では、上記診断情報(照合エラー情報)の格納先として登録されていない電子制御装置については当該管理センター200側での診断の対象となることを見込んだ上で、該管理センター200自身のその都度の処理負荷(演算負荷や通信負荷など)に応じて決定する。そして、こうして当該管理センター200側での診断対象が決定されると、同管理センター200は、次にステップS231cの処理として、上記診断情報(照合エラー情報)の格納先として登録されている電子制御装置の全てが当該管理センター200側での診断の対象として決定されたか否かの判断を行う。そしてこの結果、それら全ての電子制御装置が当該管理センター200側での診断の対象として決定されていれば、上記車両100側の通信制御装置30に対して上記照合処理の要求を通知することなく、この時点で同制御を終了する。すなわちこの場合、上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断が、当該管理センター200にて一括に行われることとなる。
一方、上記ステップS231cの処理において、未だ決定されていない電子制御装置があれば、次にステップS231dの処理として、それら決定されなかった電子制御装置を上記車両100側での診断の対象として決定する。そしてその後に、ステップS231eの処理として、上記車両100に対し、該車両100側での診断の対象として決定された電子制御装置についてその診断の実行を要求(依頼)する通知を行う。これにより、上記車両100側での診断が当該管理センター200側での診断と並行して実行されるようになる。
そして、こうして当該管理センター200側での分担処理(ステップS231)が行われると、同管理センター200は、次にステップS222の処理に移行する。このステップS222の処理では、図14に示される処理手順に基づき、該管理センター200側での照合処理に必要とされる情報を上記車両100側の通信制御装置30から無線通信により取得するための処理(データ取得処理)を行う。なおこの実施の形態では、上記マスタデータが格納されたマスタデータ記憶部201を当該管理センター200に備えるため、このデータ取得処理においてはまず、上記車両100側の通信制御装置30に対し、当該管理センター200側での診断の対象として決定された電子制御装置の接続情報の送信要求を通知する(ステップS222a)。そしてこの上で、後述するが、上記リトライ処理において用いられるフラグやカウンタを操作するためのリトライカウンタ操作処理を行う(ステップS222b)。
他方、上記ステップS221の処理において、上記分担処理が既に完了している旨を示す上記分担処理完了フラグがセット状態にある場合には、当該管理センター200側での分担処理(ステップS231)を行うことなく、ステップS222の処理に移行する。すなわちこの場合、上記ステップS222aの処理では、上記車両100側の通信制御装置30に対し、同車両100側での分担処理によって当該管理センター200側での診断の対象として決定された電子制御装置の接続情報の送信要求を通知することとなる。
そしてこうしたデータ取得処理の後は、上記車両100側の通信制御装置30から上記接続情報が適切に受信されたか否かを判断し(ステップS223)、この結果、上記接続情報の受信に失敗した場合には、後述のリトライ処理に移行することとなる。
ただし、このステップS223の処理において、上記接続情報が適切に受信され、例えば当該管理センター200内のメモリなどにて保持されていると判断された場合には、次にステップS224の処理として、上記分担処理の結果に応じて上記マスタデータと該受信した接続情報とを照合する。具体的には、図15に示されるように、この照合処理に際してはまず、上記マスタデータ(図3)と上記車両100側の通信制御装置30から送信された接続情報とを順次に読み出す(ステップS224a及びS224b)。次いで、これら読み出したマスタデータと接続情報とを照合し、その照合結果を、例えば同管理センター200内の所定のメモリに格納する(ステップS224c及びS224d)。
そして次に、ステップS225の処理として、上記マスタデータに登録されている電子制御装置と当該管理センター200側での診断の対象とされた電子制御装置とを対比して、上記車両100側での診断の対象があるか否かを判断する。この結果、上記車両100側での診断の対象があると判断された場合には、上述の通り、該通信制御装置30からの照合処理の結果を受信した上で(ステップS226)、該受信した照合処理の結果と当該管理センター200での照合処理の結果とに基づき、それら照合にエラーがあるか否かの判断を行う(ステップS227)。ただし、上記車両100側での診断の対象がないと判断された場合には、当該管理センター200側での照合処理の結果のみに基づいてその照合にエラーがあるか否かの判断を行う(ステップS227)。そしてこの結果、それら照合にエラーがなければ、次にステップS228の処理として、上記照合処理フラグ及び後述のリトライフラグをリセット状態にそれぞれ操作した時点で、同制御を終了する。
ただし、上記ステップS227の処理において、上記照合にエラーがあると判断された場合には、上記各フラグの操作(ステップS228)に先立って、ステップS232の処理としてまず、上記接続状態が不適正である旨診断された電子制御装置を特定する。そして、上記マスタデータに基づき、該特定した電子制御装置の識別子に対応して上記診断情報の格納先として登録されている電子制御装置に該診断情報を格納すべき旨の要求を、上記車両100側の通信制御装置30に対して通知する。すなわちこれによって、上記車両100側では、それら各電子制御装置において同診断情報が記憶され、該診断情報に対応して予め定められたフェールセーフ処理がそれぞれ実行されるようになる。
次に、上記車両100側の通信制御装置30から無線通信により送信される情報(接続情報)が適切に受信されないことに基づき行われるリトライ処理について説明する。
まずは、図16に基づき、上記データ取得処理(ステップS222)において行われる上記リトライカウンタ操作処理(ステップS222b)を説明する。なお、この処理において操作される各フラグやカウンタは当該管理センター200に設けられ、該管理センター200によって操作される。
この処理に際しては、まず、ステップS41の処理として、以下のリトライ処理に移行したことを示すリトライフラグをセット状態に操作する。次いで、ステップS42の処理として、前回のリトライ処理の実行からの経過時間を示すものであり、例えばフリーランカウンタから構成されるリトライ周期カウンタをクリアする。そして次に、ステップS43の処理として、以下のリトライ処理の継続実行回数を計数するリトライ回数カウンタをカウントアップする。そして、こうしたフラグやカウンタの操作の後、ステップS44の処理として、上記リトライ回数カウンタのカウンタ値が以下のリトライ処理の継続実行回数の上限値として予め設定されている値を超えたか否かの判断を行う。そしてこの結果、上記カウンタ値が該上限値を超えたと判断された場合には、リトライ処理の継続実行回数が所定回数(上限値)を超えており、当該管理センター200と上記車両100側の通信制御装置30との間の通信機能が故障している懸念がある。そこでこの場合には、次にステップS45の処理として、当該管理センター200と上記車両100側の通信制御装置30との間の通信機能が故障している旨を示す通信機能故障フラグをセット状態に操作する。ただし通常は、上記リトライ回数カウンタのカウンタ値はその上限値以下であり、上記通信機能故障フラグをリセット状態に維持して、次の上記ステップS223の処理に移行することとなる。
このようなリトライカウンタ操作処理を行うことで、上記ステップS223の処理において、上記車両100側の通信制御装置30から無線通信により送信される情報(接続情報)が適切に受信されなかったと判断された場合には、以下のリトライ処理に移行するようになる。
すなわち、この場合にはまず、上記通信機能故障フラグがリセット状態にあることを確認した上で(ステップS214の処理)、上記照合処理フラグ及びリセットフラグのセット状態をそれぞれ維持したまま(ステップS228の処理を行うことなく)、この制御を一旦終了する。これにより、当該制御フロー(図11)の次の処理ターンでのステップS201においては、上記照合処理フラグがセット状態にあり、上記照合処理を行うべき状況にあると判断されるようになる。また、次のステップS211の処理では、上記リトライフラグがセット状態にあり、上記車両100との間での情報授受を再実行すべき状況にあると判断され、以下のリトライ処理に移行するようになる。
具体的には、上記車両100側の通信制御装置30との間での通信環境が良好であること(ステップS212)、及び前回のリトライ処理の実行からの経過時間が所定値以上であること(ステップS213)、の論理積条件が成立したことを条件に、上記ステップS222の処理を再度行う。すなわち、車両100側の通信制御装置30に対し、上記送信要求を再度通知するとともに(ステップS222a)、上記リトライフラグのセット状態を維持し、上記リトライ周期カウンタをクリアし、上記リトライ回数カウンタをカウントアップする(ステップS41〜S43)。そしてこの結果、次のステップS223の処理において、上記車両100側の通信制御装置30から無線通信により送信される情報(接続情報)が適切に受信されたと判断されれば、上述の通り、ステップS224〜S228、S232の処理をそれぞれ実行して後、この制御を終了することとなる。
一方、上記ステップS223の処理において、上記車両100側の通信制御装置30から無線通信により送信される情報(接続情報)が適切に受信されなかったと再度判断された場合には、該ステップS223の処理において、同情報が適切に受信されたと判断されるようになるまで、こうしたリトライ処理を繰り返し実行することとなる。ただしこの際、上記ステップS222の処理において、上記リトライ回数カウンタのカウンタ値がその上限値を超えたと判断され(ステップS44)、上記通信機能故障フラグがセット状態に操作されると(ステップS45)、上記ステップS214の処理では、当該管理センター200と上記車両100側の通信制御装置30との間の通信機能が故障したと判断されるようになる。したがってこの場合、同管理センター200では、次にステップS215の処理として、例えば予め登録されている携帯電話へのメール送信などといった周知の通知手段を用いてユーザ(ドライバ)にその旨を通知することとなる。そしてその後に、上記ステップS228の処理として、上記照合処理フラグ及びリトライフラグをそれぞれリセット状態に操作した時点で、この制御を終了する。
ところで、上記車両100が市場へ出荷されて後に、該車両100に上記オプション用の制御装置21(図1)が新たに搭載されることがある。ただしこの場合、上記マスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータには、該新たに搭載されたオプション用の制御装置21の接続情報が登録されておらず、該オプション用の制御装置21については、上記マスタデータに基づいてその接続状態の適正性を診断することが困難となる。この点、この実施の形態にかかる車載ネットワークの診断システムでは、上記マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が上記車載ネットワークCNに接続されることに基づき上記マスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータを自動更新するようにしている。このため、上記車両100が市場に出荷されて後に上記オプション用の制御装置21が新たに搭載された場合であれ、上記マスタデータに基づいて同オプション用の制御装置21の接続状態の適正性を診断することができるようになる。
図17は、こうしたマスタデータの自動更新についてその処理手順を示すシーケンスチャートであり、次に同図17を参照して該処理手順について説明する。
ちなみに、この実施の形態にかかる車載ネットワークの診断システムは、新たな電子制御装置が上記車載ネットワークCNに接続されるとき、この電子制御装置から上記車載ネットワークCNを介して上記車両100内の通信制御装置30にその接続情報の登録要求が伝達されるものとなっている。
したがって、同図17に示されるように、いま、ステップS51の処理として、上記車載ネットワークCNに上記オプション用の制御装置21が新たに接続されたとすると、該オプション用の制御装置21がまず、当該車両100内の通信制御装置30に対し、上記通信バスBS2やBS3などを介してその接続情報の登録要求を通知する。これに対し、当該車両100内の通信制御装置30では、ステップS52の処理として、上記オプション用の制御装置21からの要求内容と併せて送信されるその接続情報に基づき、該通信制御装置30内のアドレスデータを更新する。そして次に、上記管理センター200側に対し、上記オプション用の制御装置21からの登録要求を転送する。これにより、上記管理センター(マスタデータ更新手段)200では、ステップS53の処理として、上記転送された接続情報を追加するかたちで上記マスタデータ記憶部201内のマスタデータを自動更新するようになる。なおこの際、この実施の形態にかかるネットワーク構造(車載ネットワークCN)に対応して階層化されたオプション用の制御装置21の接続位置についても、該制御装置21の識別子と上記車両100の識別コードとの対応のもとに新たに登録するようにすることが実用上望ましい。
そして、上記ステップS53の処理の後には、同図17に示されるように、上記管理センター200が、上記車両100側の通信制御装置30の仲介により上記オプション用の制御装置21に対して接続確認要求を通知する。これに対し、上記オプション用の制御装置21では、上記通信バスBS2やBS3などを介して当該車両100内の通信制御装置30にその接続確認の応答を通知する。また、該通信制御装置30では、上記管理センター200に対し、上記オプション用の制御装置21による接続確認の応答を転送する。これにより、該オプション用の制御装置21からの接続確認の応答に適正性があることを条件に、上記車両100側の通信制御装置30内のアドレスデータ、及び上記管理センター200側のマスタデータ記憶部201内のマスタデータの更新がそれぞれ確定されるようになる(ステップS54及びS55)。
以上説明したように、この実施の形態にかかる車載ネットワークの診断システム、及び該システムに用いられる車載制御装置によれば、以下に記載するような優れた効果が得られるようになる。
(1)車載ネットワークの診断システムとして、上記車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶部201を備えることとした。そして、同車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断に際し、車両100側での電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を上記マスタデータと照合するようにした。このため、より高い精度の診断結果を得ることができるようになる。
(2)複数の車両にそれぞれ搭載されている分散制御システムに対してそれら車両の別に各々該当する車両内の複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断するシステムにあって、上記マスタデータを用いた上述の診断態様を採用するようにした。このため、その診断結果の利用に関する自由度が高められ、より広い範囲でより適切なサービスの実現が図られるようになる。
(3)車両100内の電子制御装置の接続情報については、通信制御装置30が上記アドレスデータに登録されている電子制御装置にて各別に取得される接続情報を一つの情報にまとめるかたちで取得するようにした。このため、上記マスタデータと該接続情報との照合を一括に行うことが可能となり、その診断結果をより容易に得ることができるようになる。また、上記管理センター200では、同接続情報を上記車両100側から一括受信することができるようになり、その受信処理が簡易になる。
(4)マスタデータが格納されたマスタデータ記憶部201を上記管理センター200にて備えるようにしたため、上記(イ)〜(ニ)などの各種のサービスをより適切に提供することができるようになる。
(5)車両100内の電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断を、当該車両100内の通信制御装置30と上記管理センター200とで分担して実行するようにしたため、当該車載ネットワークの診断システム全体の処理能力を効率よく利用して同診断を行うことができるようになる。
(6)上記車両100側と上記管理センター200側との分担量を、それら車両100側及び管理センター200側の一方におけるその都度の処理負荷に応じて決定するようにしたため、それら車両100や管理センター200の処理能力(負荷的な余裕)をより効率的に利用して上記診断を行うことができるようになる。
(7)上記マスタデータ記憶部201を上記管理センター200側のみに設けるとともに、上記車両100と上記管理センター200とのそれぞれ分担する上記診断の分担量を上記車両100側の通信制御装置30のアドレスデータに応じて決定することとした。そしてこうしたシステムにあって、通信制御装置30が、該通信制御装置30が内蔵する読み出し専用メモリに記憶されているアドレスデータを上記マスタデータの代用情報として用いて、該アドレスデータと当該車両にて取得された接続情報とを照合するようにした。このため、上記車両100側では、上記管理センター200から上記マスタデータを受信することなく、上記車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置の接続状態の適正性についての診断を的確に実行することができるようになる。
(8)マスタデータとして、
・車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置の各識別子が各々該当する電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときの診断情報の格納先とする電子制御装置の識別子との対応のもとに登録されている。
・車載ネットワークCNを通じた分散制御に際し、上記接続状態が不適正である旨診断された電子制御装置との間で情報授受を行う電子制御装置が、上記診断情報の格納先として、上記マスタデータに登録されている電子制御装置の別にそれらの識別子との対応のもとに登録されている。
といったデータ構造を有してなるものを採用することとした。このため、上記車載ネットワークCNに接続異常が生じているときには、フェールセーフへの移行が必要とされる電子制御装置のみに上記診断情報を格納することができるようになり、車両100側の分散制御システム全体として適切なフェールセーフ処理が行われるようになる。
(9)上記管理センター200では、上記車両100側からの無線通信による情報授受に際して通信異常が生じたときこの通信異常履歴(リトライフラグ)を記憶する記憶手段を備えることとした。そして、その無線通信の再開時にこの記憶手段に上記通信異常履歴が記憶されていること(リトライフラグがセット状態にあること)に基づいて上記情報授受のリトライ処理を実行するようにしたため、上記車両100及び上記管理センター200間での無線通信による情報授受をより確実に行うことができるようになる。
(10)マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が上記車載ネットワークCNに接続されることに基づき上記マスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータを自動更新することとした。このため、車両100が市場に出荷されて後にオプション用の制御装置21が新たに搭載された場合であれ、上記マスタデータに基づいて同制御装置21の接続状態の適正性を診断することができるようになる。
(11)マスタデータとして、
・ネットワーク構造に対応して階層化された各電子制御装置の接続位置を含む。
・車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置の各識別子が車両識別コードとの対応のもとに登録されている。
といったデータ構造を有してなるものを採用することとしたため、上記管理センター200による各車両内のネットワークにかかる診断結果の管理が容易になる。
(第2の実施の形態)
次に、この発明にかかる車載ネットワークの診断システム及び該システムに用いられる車載制御装置についてその第2の実施の形態を示す。なお、この実施の形態の車載ネットワークの診断システムも、先の第1の実施の形態の車載ネットワークの診断システム(図1)とほぼ同様、複数の車両にそれぞれ搭載されている分散制御システムに対してそれら車両の別に各々該当する車両内の複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断するものとなっている。また、図18に示されるように、この実施の形態にかかる車載ネットワークCNがそれぞれ異なる通信プロトコルを採用する3つのネットワーク部を有し、それらネットワーク部がそれぞれゲートウェイを介して連結されるかたちで構成される点も先の第1の実施の形態と同様である。
ただし、この実施の形態では、上記3つのネットワーク部のうち、ネットワーク部CNP3においては、上記車載ネットワークCNに接続される他の全ての電子制御装置に関する各種情報を総括管理するマスタ制御装置130が設けられている。そして、この実施の形態において、当該車両100側にあっては、該マスタ制御装置130が上記マスタデータ記憶部201を備え、このマスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータと当該車両100にて取得される接続情報との照合を実行可能とされた車載制御装置として構成されている。そして、上記車載ネットワークCNの接続異常にかかる診断を、該マスタ制御装置130と上記管理センター200側とで分担して実行するようにしている(診断手段)。このような構成であれ、上記照合に際して必要とされる情報を上記車両100と上記管理センター200との間で適宜にやりとりするようにすることで、より高い精度の診断結果を得ることができるようになる。なお、該マスタ制御装置130は、上記管理センター200との間での無線通信による情報授受を行う通信機能(通信手段)も併せ有するものとなっており、先の第1の実施の形態の通信制御装置30に代えて該ネットワーク部CNP3に設けられている。
なおこの実施の形態において、上記診断に用いられる上記マスタデータとしては、先の第1の実施の形態とほぼ同様、
・上記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが、ネットワーク構造に対応して階層化された各電子制御装置の接続位置を含み、車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の各識別子が車両識別コードとの対応のもとに登録されてなること。
・上記マスタデータには、車載ネットワークを通じた分散制御に際し、上記接続状態が不適正である旨診断された電子制御装置との間で情報授受を行う電子制御装置が、上記診断情報の格納先として、該マスタデータに登録されている電子制御装置の別にそれらの識別子との対応のもとに登録されていること。
といったものを採用するようにしている。また、上記マスタ制御装置130と上記管理センター200との間での無線通信による情報授受に用いられるメッセージのデータ構造も、先の第1の実施形態とほぼ同様である。
次に、こうした車載ネットワークの診断システムにあって、上記車両100側のマスタ制御装置130及び上記管理センター200の協働の下に行われる上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性にかかる診断処理について、図19〜図22を参照して説明する。なお、この車載ネットワークの診断システムでは、上記マスタデータ記憶部201を上記車両100側のみに備えるようにしたことに鑑み、上記車両100側と上記管理センター200側との分担する分担量を決定する分担処理については、当該車両100側のマスタ制御装置130のみにて行うようにしている。
まず、図19〜図22に基づき、上記車両100側のマスタ制御装置130によって行われる診断処理について説明する。
この実施の形態にあっても、当該車両100側での診断処理に際しては、該マスタ制御装置130がまず、上記マスタデータと該車両100側にて取得される接続情報とを照合するための処理(図19を参照)、及び該処理に用いられるフラグを操作するための処理(図20を参照)を並行して実行する。なお、これら処理はいずれも所定期間毎に繰り返し実行される。
ちなみに、上記フラグを操作するための処理に際しては、図20に示されるように、当該マスタ制御装置130がまず、前回の診断実行日から1週間経過した(ステップS61)、或いは車載ネットワークCNに接続異常の兆候が現われた(ステップS62)、と判断されるまで待機する。そしてこの結果、これらいずれかの条件が満たされたことを条件に、上記照合処理を行うべき状況にある旨を示す照合処理フラグをセット状態に操作した時点で(ステップS63)、この制御を終了する。
そして、当該車両100側のマスタ制御装置130では上述の通り、このようなフラグ操作処理(図20)と並行して、上記マスタデータと該車両100側にて取得される接続情報とを照合するための処理を、図19に示されるフローチャートの処理手順に従って以下のように実行する。
すなわち、同図19に示されるように、この実施の形態にかかるマスタ制御装置130は、ステップS311の処理としてまず、上記照合処理フラグがセット状態になるまで待機する。そしてこの結果、該照合処理フラグがセット状態となれば、上記照合処理を行うべき状況にあるとして、次にステップS321の処理として、上記車載ネットワークCNに対する上記複数の電子制御装置の接続情報をそれら電子制御装置に対する応答要求により取得する。
ここで、このステップS321の処理についてその具体態様を図21(a)〜(d)を参照しつつ説明する。なお、同図21(a)〜(d)は、例えば、当該マスタ制御装置130自身が内蔵するデータメモリのデータ構造を示すものである。このデータメモリでは、上記マスタデータ記憶部201内のマスタデータに登録されている電子制御装置の識別子(ID)の別に上記応答要求の結果が各々記憶される領域をそれら識別子と各々対応するかたちで予め用意している。また、それら領域の初期値は各々「0」となっている。
同処理に際しては、該マスタ制御装置130がまず、上記マスタデータ記憶部201から上記マスタデータを読み出すとともに、該読み出したマスタデータに登録されている全ての電子制御装置に対して応答要求を通知する。そしてこの結果、接続情報が取得された電子制御装置については、図21(b)〜(d)に示されるように、その接続情報が取得された順序に従って、該当する識別子に対応して予め用意されている応答要求の結果を各々「1」に可変設定する。
そして、こうした処理を通じて、図21(d)に示されるように、上記車載ネットワークCNに接続されている電子制御装置についての接続情報が取得されるようになると、同マスタ制御装置130は、次にステップS322の処理として、当該車両100側と上記管理センター200側との分担する分担量を決定する。
次に、このステップS322の処理(車両100側での分担処理)についてその具体的な処理手順を図22を参照しつつ説明する。
同図22に示されるように、当該車両100側での分担処理に際しては、該マスタ制御装置130がまず、ステップS322aの処理として、上記マスタデータ記憶部201から上記マスタデータを読み出す。そして次に、ステップS322bの処理として、このマスタデータに登録されている電子制御装置の中から、当該車両100側での上記診断の対象とする電子制御装置を決定する。なおこの実施の形態でも同様、該マスタ制御装置130自身のその都度の処理負荷(演算負荷や通信負荷など)に応じて決定する。そして、こうして当該車両100側での診断対象が決定されると、該マスタ制御装置130は、次にステップS322cの処理として、上記マスタデータに登録されている電子制御装置の全てが当該車両100側の診断の対象として決定されたか否かの判断を行う。そしてこの結果、それら全ての電子制御装置が当該車両100側での診断の対象として決定されていれば、上記管理センター200に対して上記照合処理の要求を通知することなく、この時点で同制御を終了する。すなわちこの場合、上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断が、当該車両100側のマスタ制御装置130にて一括に行われることとなる。
一方、上記ステップS322cの処理において、未だ決定されていない電子制御装置があれば、次にステップS322dの処理として、それら決定されなかった電子制御装置を上記管理センター200側での診断の対象として決定する。そしてその後に、ステップS322eの処理として、上記管理センター200に対し、同管理センター200側での診断の対象として決定された電子制御装置についてその診断の実行を要求(依頼)する通知を行う。これにより、上記管理センター200側での診断が当該車両100側での診断と並行して実行されるようになる。
ただし、このステップS322の処理(分担処理)では、該マスタ制御装置130自身のその都度の処理負荷によっては、上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断を、上記管理センター200にて一括に行うよう要求(依頼)することとなる場合もある。このため、この実施の形態にかかるマスタ制御装置130では、こうしたステップS322の処理(分担処理)の後は、同図19に示されるように、次にステップS323の処理として、当該車両100側での診断の対象として決定された電子制御装置があるか否かの判断を行う。そしてこの結果、当該車両100側での診断の対象があると判断された場合には、次にステップS324の処理として、上記分担処理の結果に応じて上記マスタデータと上記応答要求により取得された接続情報とを照合する。なお、この車両100側での照合処理(ステップS324)に際しても、先の第1の実施の形態とほぼ同様、上記マスタデータと上記接続情報とがまずは読み出される。そして次に、これらマスタデータと接続情報とが照合され、その照合結果が当該マスタ制御装置130内のメモリに記憶されることとなる。
一方、上記ステップS323の処理において、当該車両100側での診断の対象がないと判断された場合には、上記車載ネットワークCNに接続されている電子制御装置の接続状態の適正性にかかる診断(照合処理)が上記管理センター200にて一括に行われることとなる。
そしてこうした処理の後には、ステップS325の処理として、上記マスタデータに登録されている電子制御装置と当該車両100側での診断の対象として決定された電子制御装置とを対比して、上記管理センター200側での診断対象があるか否かを判断する。そしてこの結果、上記管理センター200側での診断の対象があると判断された場合には、該管理センター200側での照合処理の結果を受信した上で(ステップS326)、該受信した照合処理の結果と当該車両100側での照合処理の結果とに基づき、それら照合にエラーがあるか否かの判断を行う(ステップS327)。ただし、上記管理センター200側での診断の対象がないと判断された場合には、当該車両100側での照合処理の結果のみに基づいてその照合にエラーがあるか否かの判断を行う(ステップS327)。そして、このステップS327の処理において、それら照合にエラーがないと判断されれば、次にステップS328の処理として、上記照合処理フラグをリセット状態に操作した時点で、同制御を終了する。
一方、上記ステップS327の処理において、上記照合にエラーがあると判断された場合には、上記照合処理フラグの操作(ステップS328)に先立って、ステップS331の処理としてまず、上記接続状態が不適正である旨診断された電子制御装置を特定する。そして、上記マスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータに基づき、該特定した電子制御装置の識別子に対応して上記診断情報の格納先として登録されている電子制御装置に対し、該診断情報を格納すべき旨の要求を各々通知する。これにより、それら各電子制御装置において同診断情報が記憶され、該診断情報に対応して予め定められたフェールセーフがそれぞれ実行されるようになる(フェールセーフ処理手段)。なお、このステップS331の処理においては、上記管理センター200に対し、上記照合エラーがあった旨を送信するようにすることが実用上望ましい。
次に、図23及び図24に基づき、上記管理センター200側において行われる診断処理について説明する。なお、この実施の形態にかかる管理センター200は、上記車両100側からの照合処理要求に基づいて該診断を行う。
当該管理センター200側での診断処理に際しても、該管理センター200がまず、上記マスタデータと上記車両100側にて取得される接続情報とを照合するための処理(図23を参照)、及び該処理に用いられるフラグを操作するための処理(図24を参照)を並行して実行する。なお、これら処理も同様、所定期間毎に繰り返し実行される。
ちなみに、上記フラグを操作するための処理に際しては、図24に示されるように、同管理センター200がまず、ステップS71の処理として、上記車両100側からの照合処理要求を受けるまで待機する。この結果、上記車両100側からの照合処理要求を受けると、次にステップS72の処理として、その要求内容(車両100側での分担処理の結果など)を当該管理センター200内の所定のメモリに格納する。そして次に、ステップS73の処理として、上記照合処理を行うべき状況にある旨を示す照合処理フラグをセット状態に操作した時点で、この制御を終了する。こうした処理を通じて、同管理センター200では、後述するが、上記メモリに格納された照合処理要求の内容、すなわち上記車両100側で決定された上記診断の当該管理センター200側での分担量に応じて上記マスタデータと上記車両100側にて取得される接続情報との照合を実行するようになる。なお、当該管理センター200側にて操作されるフラグはいずれも、該管理センター200内のメモリに格納されてなるものである。
そして、当該管理センター200では上述の通り、このようなフラグ操作処理(図24)と並行して、上記マスタデータと上記車両100側にて取得される接続情報とを照合するための処理を、図23に示されるフローチャートの処理手順に従って以下のように実行する。
すなわち、同図23に示されるように、この実施の形態にかかる管理センター200も、ステップS201の処理としてまず、上記照合処理フラグがセット状態になるまで待機する。この結果、該照合処理フラグがセット状態となれば、上記照合処理を行うべき状況にあるとして、次にステップS211の処理として、上記車両100との間での情報授受のリトライ処理に移行すべき旨を示すリトライフラグのフラグ状態を確認する。そしてこの結果、該リトライフラグがセット状態にある場合には、先の第1の実施の形態(図11)と同様、上記車両100側から無線通信により送信される情報を再取得するためのリトライ処理(ステップS213及びS214)を行うこととなる。
一方、このステップS211の処理において、上記リトライフラグがリセット状態にある場合には、該管理センター200は、次にステップS421の処理として、該管理センター200側での照合処理に必要とされる情報を上記車両100側の通信制御装置30から無線通信により取得するための処理(データ取得処理)を行う。なおこの実施の形態においても、該処理は、先の第1の実施の形態における上記管理センター側でのデータ取得処理(図14)とほぼ同様の処理手順に従って行われる。ただしここでは、上記車両100側のマスタ制御装置130に対し、同車両100側にて取得された接続情報のほか、上記マスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータの送信要求が通知される。
そしてこうしたデータ取得処理の後は、ステップS422の処理として、上記車両100側のマスタ制御装置130から上記マスタデータ及び接続情報が適切に受信されたか否かを判断する。この結果、上記マスタデータ及び接続情報の受信に失敗した場合には、先の第1の実施の形態(図11)と同様、ステップS214やS215の処理を行うこととなる。
一方、このステップS422の処理において、上記マスタデータ及び接続情報が適切に受信され、例えば当該管理センター200内のメモリなどにて保持されていると判断された場合には、次にステップS423の処理として、上記車両100側での分担処理の結果に応じて上記受信したマスタデータと接続情報とを照合する。具体的には、先の第1の実施の形態における照合処理(図15)とほぼ同様の処理手順に従って行われる。
そして、こうして照合処理が行われて後に、ステップS427として、上記照合処理フラグ及び後述のリトライフラグをリセット状態にそれぞれ操作した時点で、同制御を終了する。
なお上述の通り、こうして管理センター200側での照合処理(図23)が行われると、上記車両100では、当該管理センター200側での照合処理の結果を受信し、該車両100側での照合結果と併せて上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置の診断結果を統括管理する。そして、上記マスタデータと上記接続応答により取得された接続情報とに照合エラーがある場合には、上記車両100内の電子制御装置において予め定められたフェールセーフ処理がそれぞれ実行されるようになる。また併せて、当該管理センター200に対し、上記照合エラーがある旨(照合結果)が送信されるようになる。
以上説明したように、この第2の実施の形態にかかる車載ネットワークの診断システム、及び該システムに用いられる車載制御装置によっても、基本的には先の第1の実施の形態の前記(1)及び(2)及び(5)及び(6)及び(8)及び(9)及び(11)の効果と同等、あるいはそれに準じた効果を得ることができるとともに、以下の効果を新たに得ることができるようになる。
(12)車両100内の電子制御装置の接続情報については、マスタ制御装置130からの他の全ての電子制御装置に対する応答要求の実行によって取得するようにした。このため、上記マスタデータと該接続情報との照合を一括に行うことが可能となり、その診断結果をより容易且つ的確に得ることができるようになる。また、上記管理センター200では、同接続情報を上記車両100側から一括受信することができるようになり、その受信処理が簡易になる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記第1の実施の形態では、上記マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が上記車載ネットワークCNに接続されたとき、上記車両100側の通信制御装置30が、この新たな電子制御装置から上記車載ネットワークCNを介して伝達される該新たな電子制御装置の接続情報を取得するようにした。そして、この取得した接続情報を上記管理センター200側に転送することで、上記マスタデータ記憶部201内のマスタデータを更新するようにした。ただし、上記マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が上記車載ネットワークCNに接続されたとき、その接続情報が上記管理センター200側に入力されるシステムにあっては、上記マスタデータの更新態様として、図25に示される以下の態様を採用するようにしてもよい。すなわち、こうしたシステムにあって、いま、上記管理センター200側に上記新たな電子制御装置の接続情報が入力されたとすると、該管理センター200がまず、ステップS81の処理として、上記マスタデータ記憶部201内のマスタデータを該入力された接続情報を追加するかたちで更新する。そして次に、上記車両100側の通信制御装置30に対し、該通信制御装置30内のアドレスデータを更新すべき旨の要求を通知する。これに対し、上記車両100側の通信制御装置30では、上記管理センター200側からの要求内容と併せて送信される上記新たな電子制御装置の接続情報に基づき、該通信制御装置30内のアドレスデータを更新する。そして次に、該更新処理が完了した旨を上記管理センター200側に通知する。このアドレスデータの更新処理の完了通知に対しては、上記管理センター200は次に、上記車両100側の通信制御装置30の仲介により該車両100内の新たな電子制御装置に対して接続確認要求を通知する。これに対し、この新たな電子制御装置では、該車両100内の車載ネットワークCNを介して上記通信制御装置30にその接続確認の応答を通知する。また、該通信制御装置30では、上記管理センター200に対し、上記新たな電子制御装置による接続確認の応答を転送する。これにより、該新たな電子制御装置からの接続確認の応答に適正性があることを条件に、上記車両100側の通信制御装置30内のアドレスデータ、及び上記管理センター200側のマスタデータ記憶部201内のマスタデータの更新がそれぞれ確定されるようになる(ステップS83及びS84)。
・上記マスタデータの更新処理については、上記第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態に準じたかたちで行うようにすることもできる。ただしこの場合、該マスタデータの更新処理は、上記マスタデータ記憶部201が設けられている上記車両100内のマスタ制御装置130にて行われることとなる。
・上記第2の実施の形態において、管理センター200は、上記車両100側に対して照合処理要求を通知するようにしてもよい。
・上記第2の実施の形態において、管理センター200は、上記診断の分担量を決定する分担処理を行うようにしてもよい。ただしこの場合、該分担処理に際して上記車両100側から上記マスタデータを取得することとなる。
・上記診断にかかる上記車両100側と上記管理センター200側との分担量については、それら車両100側及び管理センター200側の双方のその都度の処理負荷に応じて決定するようにしてもよい。ただしこの場合、上記車両100側及び上記管理センター200側の一方での分担処理に際し、他方からその都度の処理負荷の情報を受信することとなる。
・上記第1の実施の形態にかかる分担処理(ステップS131またはS231)では、上記アドレスデータに登録されている電子制御装置の全てを上記車両100側での診断の対象、その他の電子制御装置を上記管理センター200側での診断の対象として予め決定しておくようにしてもよい。また、上記第2の実施の形態にかかる分担処理においても、上記車両100側と上記管理センター200側との分担量を予め決定しておくようにしてもよい。
・上記第1の実施の形態では、上記車両100側での照合処理として、該車両100内の通信制御装置30のアドレスデータと該車両100側で取得される接続情報とを照合することとした。ただし、この照合処理に際し、上記車両100側の通信制御装置30が、上記管理センター200側から上記マスタデータを受信し、該受信したマスタデータと該車両100側で取得される接続情報とを照合するようにしてもよい。この場合には、上記車両100側及び管理センター200側の双方で行われる分担処理において、上記通信制御装置30のアドレスデータに登録されている電子制御装置のみを、上記車両100側での診断の対象として必ずしも決定しなくてもよくなる。
・上記車両100側が上記車載ネットワークCNの接続異常にかかる診断に際して必要となる情報を上記管理センター200側から取得するようにした場合、該車両100側においても、上記リトライ処理を行うようにすることがより望ましい。また、該車両100側において上記リトライ処理を行う場合には、上記無線通信にかかる通信環境が整っているか否かの判断処理(ステップS212)を上記ナビゲーション制御装置40を通じて行うようにすることがより望ましい。
・上記リトライ処理は、上記車両100側と上記管理センター200側との間での通信機能に異常があると判断されたことに基づき、それらの間での通信を再度実行するものであれば、その処理態様は任意である。また、同リトライ処理は、必ずしも実行しなくてもよい。
・上記マスタデータ記憶部201については、上記車両100側及び管理センター200側の双方が備えるようにしてもよい。
・上記マスタデータは、電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときの診断情報の格納先として、上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置が登録されてなるものであってもよい。すなわちこの場合、上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置が上記接続状態が不適正である旨診断された電子制御装置を認識することで、上記(ハ)のサービスを適切に提供することができるようになる。
・上記マスタデータには、電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときの診断情報の格納先が必ずしも登録されていなくてもよい。このような場合であれ、電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときに上記車載ネットワークCNに接続されている全ての電子制御装置にその診断情報を自動的に書き込むシステムを採用するようにすれば、上記(ハ)のサービスを提供することは可能である。
・上記第1の実施の形態では、上記接続状態が不適正である電子制御装置が特定されたとき、該特定された電子制御装置の識別子をその診断情報とともに車両100内の記憶手段に書き込む診断情報処理手段を、上記管理センター200側(ステップS227及びS232)にて備えるようにした。また、上記第2の実施の形態では、同診断処理手段を、上記車両100側(ステップS327及びS331)にて備えるようにした。ただし、同診断処理手段については、上記車両100側及び管理センター200側の双方にて備えるようにしてもよい。すなわちこの場合、例えば、上記車両100側での照合処理の結果については該車両100側の診断処理手段にて取り扱うようにし、上記管理センター200側での照合処理の結果については該管理センター200側の診断処理手段にて取り扱うようにすることが可能となる。
・上記各実施の形態では、無線通信を通じて授受される上記照合処理に必要とされる情報を、上記車両100側と上記管理センター200側とのそれぞれ分担する分担量に応じて可変とすることとしたが、必ずしも可変としなくてもよい。
・上記マスタデータと上記車両100にて取得された接続情報とに基づく上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断を、上記車両100側と上記管理センター200側とで分担して実行することとした。ただし、同診断については、上記車両100側と上記管理センター200側との一方のみで実行するようにしてもよい。なお、このような診断処理の態様としては、例えば、
(o)マスタデータ記憶部201が上記管理センター200側に設けられるとともに、上記車両100側で取得された接続情報が無線通信を通じて上記管理センター200に送信されるものであるとき、上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断を、上記マスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータとこの車両100側から送信される接続情報とに基づき上記管理センター200側にて実行し、その診断結果を同管理センター200側に保管する。
あるいは、
(p)上記マスタデータ記憶部201が上記車両100側に設けられるとともに、このマスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータ及び当該車両100にて取得された接続情報が無線通信を通じて上記管理センター200に送信されるものであるとき、上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断を、これら送信されるマスタデータと車両100にて取得された接続情報とに基づき管理センター200側にて実行し、その診断結果を同管理センター200側に保管する。
あるいは、
(q)上記マスタデータ記憶部201が上記管理センター200側に設けられるとともに、このマスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータが無線通信を通じて上記車両100に送信されるものであるとき、上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断を、この送信されるマスタデータと当該車両100にて取得された接続情報とに基づき車両100側にて実行し、その診断結果を無線通信を通じて上記管理センター200側に送信する。
あるいは、
(r)上記マスタデータ記憶部201が上記車両100側に設けられてなるとき、上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断を、上記マスタデータ記憶部201に格納されているマスタデータと当該車両100にて取得された接続情報とに基づき車両100側にて実行し、その診断結果を無線通信を通じて上記管理センター200側に送信する。
あるいは、
(s)上記マスタデータと上記車両100にて取得された接続情報とに基づく上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断が、上記車両100側と上記管理センター200側との双方で実行可能に構成されてなり、当該車両100及び上記管理センター200の一方から他方への要求に基づき上記診断の実行を指示するとともに、該診断に際して上記照合処理に必要とされる情報及び診断結果を無線通信を通じて授受する。
あるいは、
(t)上記マスタデータと上記車両100にて取得された接続情報とに基づく上記複数の電子制御装置の上記車載ネットワークCNに対する接続状態の適正性の診断が、上記車両100側と上記管理センター200側との双方で実行可能に構成されてなり、当該車両100及び上記管理センター200の一方から他方への要求に基づき上記診断の実行及び診断の開始時期を指示するとともに、該診断に際して上記照合処理に必要とされる情報及び診断結果を無線通信を通じて授受する。
等々の採用が考えられる。すなわち上述の通り、上記車両と上記管理センターとの間では無線通信を通じて情報の授受が行われる。このため、上記マスタデータ記憶部201が上記車両100と管理センター200とのいずれに備えられる場合であれ、或いは上記診断が上記車両100と上記管理センター200とのいずれにて行われる場合であれ、上記照合処理に際して必要とされる情報をそれら車両100と管理センター200との間で適宜にやりとりするようにすることで、所期の目的を達成することができるようになる。
・車両100及び管理センター200の少なくとも一方に上記マスタデータ記憶部201を備え、車両100側で取得される接続情報を当該車両100及び上記管理センター200の少なくとも一方で上記マスタデータと照合することにより上記診断を実行し、その診断結果を上記管理センター200側にて管理するものであればよい。
・上記マスタデータは、車両100の分散制御システムを構成する車載ネットワークCNに接続される複数の電子制御装置についての車両固有の搭載内容が直接反映された接続情報であればよい。この意味では、該マスタデータとして、当該ネットワーク構造に対応して階層化もしくはグループ化された各電子制御装置の接続位置を含むかたちで、それら各電子制御装置の識別子が車両識別コードとの対応のもとに上記マスタデータ記憶部201に格納されてなるものを必ずしも採用しなくてもよい。
・第1及び第2のゲートウェイ制御装置は、ネットワーク上で媒体やプロトコルが異なるデータを相互に変換して通信を可能にするものであれば、専用のハードウェア回路によって構成されるものであってもよい。
・車載ネットワークCNに採用される通信プロトコルはCANに限らず、例えばFlexRayなどの他の通信プロトコルを採用するようにしてもよい。
・複数の車両にそれぞれ搭載されている分散制御システムに対してそれら車両の別に各々該当する車両内の複数の電子制御装置の上記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断するものでなくてもよい。また、その診断結果についても、管理センター側にて管理しなくてもよい。要は、電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得される上記車両内の複数の電子制御装置の接続情報を上記マスタデータと照合するものであれば、少なくとも第1の実施の形態の前記(1)の効果と同様もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。
この発明にかかる車載ネットワークの診断システムの第1の実施の形態についてその全体構成を示すブロック図。 管理センターと通信制御装置(車載制御装置)との間で授受されるデータのデータ構造を示す図。 マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータのデータ構造を示す図。 車両側の通信制御装置(車載制御装置)において、マスタデータと車両側にて取得される接続情報とを照合するための処理についてその処理手順を示すフローチャート。 車両側の通信制御装置(車載制御装置)において、照合処理フラグ及び分担処理完了フラグを操作するための処理についてその処理手順を示すフローチャート。 通信制御装置(車載制御装置)内に記憶されているアドレスデータのデータ構造を示す図。 (a)〜(c)は、車両側の通信制御装置(車載制御装置)において、車載ネットワークに接続されている電子制御装置の接続情報の取得の態様を示す図。 車両側の通信制御装置(車載制御装置)において、通信制御装置(車載制御装置)及び管理センターの分担の分担量を決定するための分担処理についてその処理手順を示すフラーチャート。 車両側の通信制御装置(車載制御装置)において、マスタデータと該車両側にて取得された接続情報とを照合する照合処理についてその処理手順を示すフローチャート。 車両側の通信制御装置(車載制御装置)において、接続状態が不適正である旨特定された電子制御装置に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するためのフェールセーフ処理についてその処理手順を示すフローチャート。 管理センター側において、マスタデータと車両側にて取得される接続情報とを照合するための処理についてその処理手順を示すフローチャート。 管理センター側において、照合処理フラグ及び分担処理完了フラグを操作するための処理についてその処理手順を示すフローチャート。 管理センター側において、通信制御装置(車載制御装置)及び管理センターの分担の分担量を決定するための分担処理についてその処理手順を示すフラーチャート。 管理センター側において、該管理センター側での照合処理に必要とされる情報を車両側から無線通信により取得するためのデータ取得処理についてその処理手順を示すフローチャート。 管理センター側において、マスタデータと車両側にて取得された接続情報とを照合する照合処理についてその処理手順を示すフローチャート。 管理センター側において、車両側の通信制御装置から無線通信により送信される情報(接続情報)が適切に受信されないことに基づき行われるリトライ処理についてその処理手順を示すフローチャート。 マスタデータの自動更新についてその処理手順を示すシーケンスチャート。 この発明にかかる車載ネットワークの診断システムの第2の実施の形態についてその全体構成を示すブロック図。 車両側のマスタ制御装置(車載制御装置)において、マスタデータと車両側にて取得される接続情報とを照合するための処理についてその処理手順を示すフローチャート。 車両側のマスタ制御装置(車載制御装置)において、照合処理フラグを操作するための処理についてその処理手順を示すフローチャート。 (a)〜(d)は、車両側において、車載ネットワークに接続されている電子制御装置の接続情報の取得の態様を示す図。 車両側のマスタ制御装置(車載制御装置)において、通信制御装置(車載制御装置)及び管理センターの分担の分担量を決定するための分担処理についてその処理手順を示すフローチャート。 管理センター側において、マスタデータと車両側にて取得される接続情報とを照合するための処理についてその処理手順を示すフローチャート。 管理センター側において、照合処理フラグを操作するための処理についてその処理手順を示すフローチャート。 マスタデータの自動更新についてその処理手順の別例を示すシーケンスチャート。
符号の説明
10…第1のゲートウェイ制御装置、11…エンジン制御装置、12…トランスミッション制御装置、13…車両安定性制御装置、14…クルーズ制御装置、20…第2のゲートウェイ制御装置、21…オプション用の制御装置、30…通信制御装置、40…ナビゲーション制御装置、100…車両、130…マスタ制御装置、200…管理センター、201…マスタデータ記憶部、CN…車載ネットワーク、CNP1…第1のネットワーク部、CNP2…第2のネットワーク部、CNP3…第3のネットワーク部、BS1…第1の通信バス、BS2…第2の通信バス、BS3…第3の通信バス、F1〜F3…フィールド。

Claims (49)

  1. 車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムであって、
    当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記管理センター側にて設けられてなる
    ことを特徴とする車載ネットワークの診断システム。
  2. 前記車両側で取得された接続情報は前記無線通信を通じて前記管理センターに送信され、前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断は、前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータとこの車両側から送信される接続情報とに基づき前記管理センター側にて実行される
    請求項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  3. 前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータは前記無線通信を通じて前記車両に送信され、前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断は、この送信されるマスタデータと当該車両にて取得された接続情報とに基づき車両側にて実行される
    請求項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  4. 前記マスタデータ記憶手段が前記管理センター側のみに設けられ、このマスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータと車両にて取得された接続情報とに基づく前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断が前記車両側の特定の一つの電子制御装置と前記管理センター側とで分担して実行されるものであり、前記診断にかかる前記車両側の特定の一つの電子制御装置と前記管理センター側との分担量は、前記車載ネットワークを通じた分散制御に用いられる接続情報として前記車両側の特定
    の一つの電子制御装置に予め記憶されているアドレスデータに応じて決定され、車両側の特定の一つの電子制御装置での診断は、前記マスタデータの代用情報として該アドレスデータが用いられ、該アドレスデータと当該車両にて取得された接続情報との照合に基づいて実行される
    請求項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  5. 車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムであって、
    当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、
    前記マスタデータ記憶手段は前記車両側にて設けられてなるとともに、該マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータ及び前記車両にて取得された接続情報は前記無線通信を通じて前記管理センターに送信され、前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断は、これら送信されるマスタデータと車両にて取得された接続情報とに基づき管理センター側にて実行される
    ことを特徴とする車載ネットワークの診断システム。
  6. 車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムであって、
    当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、
    前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、
    前記マスタデータと前記車両にて取得された接続情報とに基づく前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断は、前記車両側と前記管理センター側との双方で実行可能に構成されてなり、前記車両及び前記管理センターの一方から他方への要求に基づき前記診断の実行が指示され、それら診断に際して前記照合に必要とされる情報が前記無線通信を通じて授受される
    ことを特徴とする車載ネットワークの診断システム。
  7. 車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムであって、
    当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、
    前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、
    前記マスタデータと前記車両にて取得された接続情報とに基づく前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断は、前記車両側と前記管理セ
    ンター側との双方で実行可能に構成されてなり、前記車両及び前記管理センターの一方から他方への要求に基づき前記診断の実行及び診断の開始時期が指示され、それら診断に際して前記照合に必要とされる情報が前記無線通信を通じて授受される
    ことを特徴とする車載ネットワークの診断システム。
  8. 車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムであって、
    当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、
    前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、
    前記マスタデータと前記車両にて取得された接続情報とに基づく前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性の診断は、前記車両側と前記管理センター側とで分担して実行されるものであり、それら診断に際して前記照合に必要とされる情報が前記無線通信を通じて授受される
    ことを特徴とする車載ネットワークの診断システム。
  9. 前記無線通信を通じて授受される前記照合に必要とされる情報は前記車両側と前記管理センター側とのそれぞれ分担する分担量に応じて可変とされる
    請求項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  10. 前記診断にかかる前記車両側と前記管理センター側との分担量は、それら車両側及び管理センター側の少なくとも一方におけるその都度の処理負荷に応じて決定される
    請求項またはに記載の車載ネットワークの診断システム。
  11. 前記診断の結果に基づき前記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置が特定されたとき、該特定された電子制御装置の識別子をその診断情報とともに取得して前記車両内の記憶手段に書き込む診断情報処理手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備える
    請求項10のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  12. 前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータには、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報と共にそれら電子制御装置の別に各々該当する電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときの診断情報の格納先とする電子制御装置がそれぞれ識別子の対応付けによって登録されており、前記診断情報処理手段は、前記特定された電子制御装置の診断情報をこのマスタデータにより格納先として指定されている電子制御装置の記憶手段に同特定された電子制御装置の識別子とともに書き込むものである
    請求項11に記載の車載ネットワークの診断システム。
  13. 前記接続状態が不適正である旨特定された電子制御装置に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するフェールセーフ処理手段を前記車両側に備える
    請求項12に記載の車載ネットワークの診断システム。
  14. 前記車両及び前記管理センター間での前記無線通信による情報授受に際して通信異常が生じたときこの通信異常履歴を記憶する記憶手段を前記車両側及び前記管理センター側の少
    なくとも一方にて備え、前記車両及び前記管理センター間での無線通信の再開時にこの記憶手段に前記通信異常履歴が記憶されていることに基づいて前記情報授受のリトライ処理を実行する
    請求項13のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  15. 前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の一つはナビゲーションシステムを構成するナビゲーション制御装置であり、前記リトライ処理は、該ナビゲーション制御装置を通じて前記無線通信にかかる通信環境が整っている旨判断されることを条件に実行される
    請求項14に記載の車載ネットワークの診断システム。
  16. 前記リトライ処理の継続実行回数を計数し、該計数した継続実行回数が所定回数に達しても前記通信異常が解消されないとき前記リトライ処理を中止する
    請求項14または15に記載の車載ネットワークの診断システム。
  17. 前記マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が前記車載ネットワークに接続されることに基づき前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータを自動更新するマスタデータ更新手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備える
    請求項16のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  18. 前記新たな電子制御装置の接続情報は前記管理センターに入力されるものであり、前記マスタデータ更新手段は、この管理センターに入力された接続情報に基づいて前記マスタデータを自動更新する
    請求項17に記載の車載ネットワークの診断システム。
  19. 前記新たな電子制御装置の接続情報は、この新たな電子制御装置から前記車載ネットワークを介して伝達される接続要求に基づき取得されるものであり、前記マスタデータ更新手段は、この取得された接続情報に基づいて前記マスタデータを自動更新する
    請求項17に記載の車載ネットワークの診断システム。
  20. 当該車載ネットワークの診断システムが、複数の車両にそれぞれ搭載されている分散制御システムに対してそれら車両の別に各々該当する車両内の複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断するものであり、それら診断結果が、前記管理センターにて統括管理される
    請求項19のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  21. 前記診断に用いられたマスタデータが、前記管理センターにて併せて統括管理される
    請求項20に記載の車載ネットワークの診断システム。
  22. 前記マスタデータは、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報として、当該ネットワーク構造に対応して階層化もしくはグループ化された各電子制御装置の接続位置を含むかたちで、それら各電子制御装置の識別子が車両識別コードとの対応のもとに前記マスタデータ記憶手段に格納されてなる
    請求項20または21に記載の車載ネットワークの診断システム。
  23. 車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムであって、
    当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、
    前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなるとともに、該マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータには、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報と共にそれら電子制御装置の別に各々該当する電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときの診断情報の格納先とする電子制御装置がそれぞれ識別子の対応付けによって登録されており、
    前記診断の結果に基づき前記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置が特定されたとき、該特定された電子制御装置の識別子をその診断情報とともに取得して前記マスタデータにより格納先として指定されている電子制御装置の記憶手段に書き込む診断情報処理手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備える
    ことを特徴とする車載ネットワークの診断システム。
  24. 前記接続状態が不適正である旨特定された電子制御装置に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するフェールセーフ処理手段を前記車両側に備える
    請求項23に記載の車載ネットワークの診断システム。
  25. 車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムであって、
    当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、
    前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、
    前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の一つは、ナビゲーションシステムを構成するナビゲーション制御装置であり、
    前記車両及び前記管理センター間での前記無線通信による情報授受に際して通信異常が生じたときこの通信異常履歴を記憶する記憶手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備え、前記車両及び前記管理センター間での無線通信の再開時にこの記憶手段に前記通信異常履歴が記憶されていることに基づいて、前記ナビゲーション制御装置を通じて前記無線通信にかかる通信環境が整っている旨判断されることを条件に前記情報授受のリトライ処理を実行する
    ことを特徴とする車載ネットワークの診断システム。
  26. 車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムであって、
    当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、
    前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなり、
    前記マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が前記車載ネットワークに接続され
    たとき、前記管理センターに入力される前記新たな制御装置の接続情報に基づいて前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータを自動更新するマスタデータ更新手段を前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方にて備える
    ことを特徴とする車載ネットワークの診断システム。
  27. 車両の分散制御システムを構成する車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備え、前記電子制御装置による応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する車載ネットワークの診断システムであって、
    当該車載ネットワークの診断システムは、車両及び車両の外部に設けられて無線通信にて車両との情報授受を行う管理センターの少なくとも一方で、複数の車両にそれぞれ搭載されている分散制御システムに対してそれら車両の別に各々該当する車両内の複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性についての診断を行うものであり、前記マスタデータ記憶手段は、前記車両側及び前記管理センター側の少なくとも一方に設けられてなるとともに、前記診断の結果および前記診断に用いられたマスタデータは、前記管理センターにて統括管理される
    ことを特徴とする車載ネットワークの診断システム。
  28. 前記車両側での前記接続情報の取得は、前記複数の電子制御装置が個別に取得した接続情報を特定の一つの電子制御装置を通じて一つの情報にまとめるかたちで行われるものである
    請求項27のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  29. 前記車両側での前記接続情報の取得は、特定の一つの電子制御装置から他の全ての電子制御装置に対する応答要求の実行によってなされるものである
    請求項27のいずれか一項に記載の車載ネットワークの診断システム。
  30. 車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置であって、
    前記車載ネットワークに接続された他の電子制御装置との応答要求の実行に基づきそれら電子制御装置の接続情報を取得する手段を備え、車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段及び前記取得される電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を有する管理センターにこの取得した電子制御装置の接続情報を送信することによって、前記診断手段による診断を前記管理センターに委託する
    ことを特徴とする車載制御装置。
  31. 車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置であって、
    前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段と、前記車載ネットワークに接続された他の電子制御装置との応答要求の実行に基づきそれら電子制御装置の接続情報を取得する手段とを備え、当該車載制御装置を通じて取得される電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を有する管理センターにこの取得された電子制御装置の接続情報及び前記マスタデータを送信することによって、前記診断手段による診断を前記管理セン
    ターに委託する
    ことを特徴とする車載制御装置。
  32. 車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置であって、
    前記車載ネットワークに接続された他の電子制御装置との応答要求の実行に基づきそれら電子制御装置の接続情報を取得する手段と、この取得した電子制御装置の接続情報を前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段とを備え、前記マスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を有する管理センターから前記マスタデータを受信するとともに、前記診断手段を通じて前記取得した電子制御装置の接続情報をこの受信したマスタデータと照合して前記診断を実行する
    ことを特徴とする車載制御装置。
  33. 車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置であって、
    当該車載制御装置及び前記管理センターの少なくとも一方に前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備えるとともに、他の電子制御装置との応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を当該車載制御装置及び前記管理センターの双方に備え、当該車載制御装置及び前記管理センターの一方から他方への要求に基づき前記診断手段による診断の実行が指示されるようにした
    ことを特徴とする車載制御装置。
  34. 車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置であって、
    当該車載制御装置及び前記管理センターの少なくとも一方に前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備えるとともに、他の電子制御装置との応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を当該車載制御装置及び前記管理センターの双方に備え、当該車載制御装置及び前記管理センターの一方から他方への要求に基づき前記診断手段による診断の実行及び診断の開始時期が指示されるようにした
    ことを特徴とする車載制御装置。
  35. 車載機器を分散制御する車載ネットワークに接続されて且つ通信手段を介して車両の外部に設けられた管理センターとの間での無線通信による情報授受が可能に構成されてなる車載制御装置であって、
    当該車載制御装置及び前記管理センターの少なくとも一方に前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報であるマスタデータが格納されたマスタデータ記憶手段を備えるとともに、他の電子制御装置との応答要求の実行に基づき取得されるそれら電子制御装置の接続情報を前記マスタデータと照合することにより前記複数の電子制御装置の前記車載ネットワークに対する接続状態の適正性を診断する診断手段を当該車載制御装置及び前記管理センターの双方に備え、前記診断に際してその照合に必要とされる情
    報を前記無線通信を通じて授受しつつ、同診断を当該車載制御装置と前記管理センターとで分担して実行するようにした
    ことを特徴とする車載制御装置。
  36. 前記無線通信を通じて授受される前記照合に必要とされる情報は当該車載制御装置と前記管理センター側とのそれぞれ分担する分担量に応じて可変とされる
    請求項35に記載の車載制御装置。
  37. 前記診断にかかる当該車載制御装置と前記管理センターとの分担量は、それら車載制御装置及び管理センターの少なくとも一方におけるその都度の処理負荷に応じて決定される
    請求項35または36に記載の車載制御装置。
  38. 前記マスタデータ記憶手段が前記管理センターのみにあるとともに、前記診断にかかる当該車載制御装置と前記管理センターとの分担量が、前記車載ネットワークを通じた分散制御に用いられる接続情報として当該車載制御装置に予め記憶されているアドレスデータに応じて決定されるものであり、当該車載制御装置は、前記診断の分担実行に際し、該アドレスデータを前記マスタデータの代用情報として用い、該アドレスデータと他の電子制御装置に対する応答要求の実行に基づき取得した接続情報とを照合する
    請求項35または36に記載の車載制御装置。
  39. 請求項3038のいずれか一項に記載の車載制御装置において、
    前記診断の結果に基づき前記車載ネットワークに対する接続状態が不適正である電子制御装置が特定されるとき、この特定された電子制御装置の識別子をその診断情報とともに取得して同車載ネットワークを構成する電子制御装置の記憶手段に書き込む診断情報処理手段をさらに備える
    ことを特徴とする車載制御装置。
  40. 前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータには、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報と共にそれら電子制御装置の別に各々該当する電子制御装置の接続状態が不適正である旨診断されたときの診断情報の格納先とする電子制御装置がそれぞれ識別子の対応付けによって登録されており、前記診断情報処理手段は、前記特定された電子制御装置の診断情報をこのマスタデータにより格納先として指定されている電子制御装置の記憶手段に同特定された電子制御装置の識別子とともに書き込むものである
    請求項39に記載の車載制御装置。
  41. 前記接続状態が不適正である旨特定された電子制御装置に応じて予め設定されているフェールセーフを実行するフェールセーフ処理手段をさらに備える
    請求項40に記載の車載制御装置。
  42. 請求項3041のいずれか一項に記載の車載制御装置において、
    前記管理センターとの間での前記無線通信による情報授受に際して通信異常が生じたときこの通信異常履歴を記憶する記憶手段をさらに備え、前記管理センターとの間での無線通信の再開時にこの記憶手段に前記通信異常履歴が記憶されていることに基づいて前記情報授受のリトライ処理を実行する
    ことを特徴とする車載制御装置。
  43. 前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の一つはナビゲーションシステムを構成するナビゲーション制御装置であり、前記リトライ処理は、該ナビゲーション制御装置を通じて前記無線通信にかかる通信環境が整っている旨判断されることを条件に実行
    される
    請求項42に記載の車載制御装置。
  44. 前記リトライ処理の継続実行回数を計数し、該計数した継続実行回数が所定回数に達しても前記通信異常が解消されないとき前記リトライ処理を中止する
    請求項42または43に記載の車載制御装置。
  45. 請求項3044のいずれか一項に記載の車載制御装置において、
    前記マスタデータに存在しない新たな電子制御装置が前記車載ネットワークに接続されることに基づき前記マスタデータ記憶手段に格納されているマスタデータを自動更新するマスタデータ更新手段をさらに備える
    ことを特徴とする車載制御装置。
  46. 前記新たな電子制御装置の接続情報は前記管理センターに入力されるものであり、前記マスタデータ更新手段は、この管理センターから転送された接続情報に基づいて前記マスタデータを自動更新する
    請求項45に記載の車載制御装置。
  47. 前記新たな電子制御装置の接続情報は、この新たな電子制御装置から前記車載ネットワークを介して伝達される接続要求に基づき取得されるものであり、前記マスタデータ更新手段は、この取得された接続情報に基づいて前記マスタデータを自動更新する
    請求項45に記載の車載制御装置。
  48. 前記診断手段による診断の結果が、前記管理センターにて管理されるようにした
    請求項3047のいずれか一項に記載の車載制御装置。
  49. 前記マスタデータは、前記車載ネットワークに接続される複数の電子制御装置の接続情報として、当該ネットワーク構造に対応して階層化もしくはグループ化された各電子制御装置の接続位置を含むかたちで、車両識別コードとの対応のもとに前記マスタデータ記憶手段に格納されてなる
    請求項48に記載の車載制御装置。
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