JP4701224B2 - 加熱炉システム - Google Patents

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Description

本発明は、乾燥炉内へ熱風発生器で発生した熱風を目標温度にして高圧で供給し、乾燥炉内で高圧噴射して被加熱物(被乾燥物)を効率的に乾燥させる加熱炉システムに関する。
従来、雰囲気型熱風乾燥炉は、熱風発生器で発生した熱風を循環ファンにより循環ダクトから乾燥炉内に吹出し、乾燥炉内の温度を所定の雰囲気温度に到達させてから被乾燥物を乾燥する乾燥炉システムである。乾燥炉内には、温度センサーが設置され、該温度センサーにより検知する温度により乾燥炉内の温度をコントロールしている。
また、他の熱風乾燥炉として、例えば、特許文献1〜特許文献4に記載の技術があるが、いずれも、乾燥炉内へ熱風を供給し、内部の被乾燥物を乾燥する技術である。
特開平6−269723号公報 特開平9−262529号公報 特開2004−141759号公報 特開2006−247642号公報
しかしながら、上記雰囲気型熱風乾燥炉や上記特許文献1〜4に記載の熱風乾燥炉にあっては、炉体自体および内部空気全体を設定温度に到達するまでは乾燥作業が行えず、また、初期昇温で炉内を設定温度にまで高めるのに時間を要し、さらに、被加熱物への熱伝達による熱吸収率が悪いため、加熱に時間がかかり、結局、生産性が低下するばかりか、燃料費も嵩張るという問題があった。また、炉体内の高さ位置によって雰囲気温度にばらつきが生じやすいため、背高い被乾燥物は温度ムラによる加熱不良が起きやすいという問題があった。またさらに、炉体のライン方向に沿っても雰囲気温度のばらつきが生じるので、特に長尺物の場合には被加熱物を均一加熱することができないといった問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、コンパクトに形成した乾燥炉内の被加熱物へ直接に設定温度の熱風を高圧噴射させることで、加熱時間(乾燥時間)を上記従来の雰囲気型熱風乾燥炉に比べて略半分に短縮し、被加熱物の大きさ、形状に左右されることなく上下の温度差なく均一に加熱し、これら相乗効果により消費燃料量を大幅に低減し、乾燥炉の小型化により作業スペースを有効活用しうる加熱炉システムを提供することを目的とする。
本発明は、以下の手段によって、上記課題を解決したものである。
すなわち、(1)本発明は、熱風発生器で発生した熱風を、乾燥炉内の被加熱物に高速で連続的に高圧噴射させた後、循環ダクトを通して前記熱風発生器へ環流させて再利用する加熱炉システムであって、前記乾燥炉に供給される熱風を目標温度に制御する目標温度制御手段と、前記熱風発生器で発生した熱風が供給されるチャンバーと、前記チャンバーに接続され、前記乾燥炉内の被加熱物を両側から挟むように設置される吹出しダクトと、前記吹出しダクトの流入側に設けられ、熱風の流動量を調整する熱風調整用ダンパーと、前記循環ダクトに設けられ前記乾燥炉から排出される熱風を前記熱風発生器へ強制循環させる循環ファンとを有し、前記吹出しダクトを、前記被加熱物が配列される方向に沿って該被加熱物の両側に複数本配列すると共に、前記吹出しダクトの前記被加熱物に対向する面に、前記目標温度制御手段で目標温度に制御された熱風を略円錐状に噴射する吹出しノズルを複数個点在して形成したことを特徴とする加熱炉システムである
本発明では、熱風発生器で発生する熱風の温度は目標温度制御手段により目標温度に設定され、それが乾燥炉(熱風炉)内の吹出しダクトへ供給される。吹出しダクトの吹出しノズルからは、被加熱物に対して直接に高圧の目標温度に設定された熱風が連続的に噴射されるが、このとき、熱風は吹出しノズルからほぼ円錐状に吹き出される。このとき、複数個の吹出しノズルから円錐状で吹き出される熱風は、互いに重なり合った状態で面状をなす均一な風速分布により被加熱物に当たる。この結果、乾燥炉内の全体が上記の目標温度に到達しなくても、熱風発生器、乾燥炉、およびこれらを連通する循環ダクトでなる循環系統を流れる熱風そのものが目標設定温度に到達し、それを直接に被加熱物へ吹き付けて加熱することが可能となる。
このように、設定温度に制御された熱風をシャワーのように連続して被加熱物に対して温度ムラがないように直接的に吹き付けるので、被加熱物は高い熱吸収効率(例えば90%以上の熱吸収率)で早期に昇温する。したがって、雰囲気型乾燥炉と同じ温度でも極めて短時間(例えば約半分時間)で被加熱物を加熱でき、熱風発生器で消費するエネルギー消費量を節約することができ、加熱作業時間の短縮化、ひいては生産性の向上、乾燥作業コストの大幅な低減に効果的である。
また、本発明では、複数本の吹出しダクトを被加熱物の両側に配列する。換言すると、吹出しダクトを多段に配列している。この結果、例えば背の高い被加熱物でもこれら吹出しダクトの吹出しノズルから均一な風速分布をなす熱風を噴射できる。そのため、上下に温度ムラを生じることなく被加熱物を加熱し、安定した製品を製作することが可能となる。また、被加熱物が長尺物であっても、水平型の乾燥炉で生産が可能となる。
また、本発明では、吹出しダクトに設けた熱風調整用ダンパーにより吹出しダクトの流入側の熱風流通面積を可変に設定できる。このため、熱風発生器から遠い位置にある吹出しダクトのダンパーにおける流入側の熱風流通面積を、近い位置にある吹出しダクトのそれよりも大きく設定することで、圧力損失の生じる遠い位置にある吹出しダクトへも、近い位置にある吹出しダクトに供給される熱風と略同じ圧力の熱風、すなわち、十分な量の熱風を供給することができる。したがって、奥行きのある乾燥炉にあっても、被加熱物側面に噴射される熱風の風速分布を均一に調整して供給することが可能となる。これにより、被加熱物を温度ムラのない形態で加熱することができるようになる。
(2)本発明はまた、前記チャンバーは、前記被加熱物が配列される方向に延設され、
複数本の前記吹出しダクトを、前記チャンバーに突設したことを特徴とする前記(1)記載の加熱炉システムである。
(3)本発明はまた、前記吹出しダクト外面に、前記吹出しノズルに対応する位置に調整孔を穿った調整板をスライド可能に設けたことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の加熱炉システムである。
係る発明では、調整板部をスライドさせて調整孔を吹出しノズルに対して位相をずらすと、両者の重なり具合に応じて、吹出しノズルの開口面積を変化させることができる。このため、熱風発生器から遠い位置にある吹出しダクトにおける吹出しノズルの開口面積を大きくし、近い位置にある吹出しダクトにおける吹出しノズルの開口面積を小さく絞ることで、吹出しノズルから噴射される熱風の風速分布を均一な状態で吹き出すことができ、被加熱物を温度ムラのない状態で加熱ができるようになる。更に、このように吹き出しノズルを絞り込むことで、通過する空気との間で摩擦熱を発生させることができ、この摩擦効果によって空気を昇温させることができる。この結果、加熱コストを低減することが可能になる。
(4)本発明はまた、前記調整板を、複数段に分割された調整板部によって構成し、各調整板部を前記吹出しダクトに対して個別にスライドさせることを特徴とする前記(1)(3)のいずれかに記載の加熱炉システムである。
係る発明では、各吹出しダクト自体においても、複数段に亘って個別に吹出しノズルの開口面積を調整できるようになっている。例えば上方と下方の2段に分割する場合であって、吹出しダクトダクトの下側から熱風が供給される場合、上方側の圧力損失を考慮して、上方の調整板部のスライドにより吹出しノズルの開口面積を大きくし、下方の調整板部のスライドにより吹出しノズルのそれを絞って小さくする。これにより、吹出しノズルから被加熱物に熱風を均一に吹き出すことができるようになる。
(5)本発明はまた、前記吹出しノズルと、前記調整板に形成される調整孔を略同じ大きさを有する形状に形成したことを特徴とする前記(3)または(4)記載の加熱炉システムである。
係る発明では、吹出しノズルと調整孔とを略同じ大きさに設定したので、調整板または上調整板部および下調整板部をスライドすることにより、吹出しノズルの開口面積を円滑に調整することが可能となり、その結果、目標温度に設定された熱風を被加熱物に対して均一に吹き付けることが可能となる。
(6)本発明における前記目標温度制御手段は、前記乾燥炉に供給される熱風の目標温度を設定する目標温度設定部と、前記熱風発生器で発生する熱風の温度を検知する温度センサーと、該温度センサーで検知した検知温度と前記目標温度設定部で設定した目標温度との高低を判別する目標温度制御部を備えるようにし、該目標温度制御部により前記検知温度が目標温度よりも高いと判断した場合には、前記熱風発生器への燃料供給量を減少させ、前記検知温度が目標温度よりも低いと判断した場合には、前記熱風発生器への燃料供給量を増大させるように制御することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の加熱炉システムである。

係る構成では、目標温度制御手段における目標温度制御部により、熱風の目標温度管理を効率的に行えるので、熱風発生器での熱風発生のために消費されるLPG(液化石油ガス)、都市ガス、電気ヒーター、あるいは蒸気、重油、灯油等のエネルギー消費量を大幅に低減できるようになる。また、目標温度を低温に設定することで、低温乾燥が可能となり、乾燥工程の次工程における組み立てや梱包など作業が行いやすくなる。さらには、熱風の温度と吹出し量、吹出しノズルからの吹出し流速等を適宜制御して乾燥プログラムを自由に調整することができるようになる。
本発明に係る加熱炉システムによれば、乾燥炉を小型化してその設置スペースを有効活用でき、炉内全体が設定温度(目標温度)にならなくても熱風の循環系統における熱風が設定温度に到達すれば使用することができ、これにより被加熱物の昇温を短時間で行え、しかも、従来の雰囲気型乾燥炉と同じ温度でもその約半分の時間で被加熱物を加熱でき、省エネルギー型の乾燥炉を得ることができる。
以下、本発明に係る加熱炉システムの一実施形態を、図を参照して詳述する。加熱炉システムの概要構成は、図1に示すように、循環ダクト1に設けた熱風発生器2と、熱風発生器2で発生した熱風が供給(送給)される乾燥炉3と,乾燥炉3から排出される熱風を吸引して再び熱風発生器2へ所定の高圧下で循環させる循環ファン4と、LPG、都市ガス等の燃料を供給する供給部(燃料タンク)5と、熱風発生器2の出口近傍に設けられた、熱風の温度を検知する温度センサー6と、温度センサー6の検知信号に基づいて熱風発生器2で発生する熱風の目標温度(設定温度)を制御する目標温度制御手段7と、目標温度制御手段7で演算処理された結果に基づいて熱風発生器2内で燃焼される燃料の供給量を制御する燃料供給電磁弁8との構成要素で成る。以下、上記各構成要素を具体的に説明していく。なお、図1における矢印は熱風の流れ方向を示す。
熱風発生器2は、供給部5からの燃料と、図示されない入気ブロアからの空気とが供給されて燃焼され、そのときの燃焼エネルギーにより発生した熱風を下流の乾燥炉3へ循環ファン4により圧送される。このとき、乾燥炉3へは、後述する目標温度制御手段7により所望の目標温度に設定された温度の熱風が供給されるようになっている。本実施形態では、熱風発生器2で50〜350℃の範囲の熱風が発生し、乾燥炉3へ供給される。
乾燥炉3は、図1〜図3に示すように、その内部空間が直方体をなし、その床部3aの下部で奥行き方向(図1の紙面に垂直方向)に沿ってチャンバー3bが形成される。チャンバー3bには、熱風発生器2で発生した熱風が供給され、熱風が高圧状態で一時的に滞留する状態にする。また、天井部の央部には奥行き方向に被加熱物9を吊り下げて移動可能なように形成したコンベア3cが設けられている。
被加熱物9の両側には、熱風調整用のダンパー10を介して、床部3aに略垂直上方に複数本の長尺箱状の吹出しダクト11が所定の間隔で列をなして立設される、換言すると、吹出しダクト11はダンパー10を介してチャンバー3bに連通するように多段に配列される。ダンパー10は図3(a)で示すように、ダンパーダクト10aに軸支される支軸10bと一体回動できるように設けられる。ダンパー10の回動位置は角度固定ボルト10cを締付けることで位置決めされ、これにより吹出しダクト11の熱風流入側の通路開口面積が全閉状態と全開状態との間で適宜に開き角度を調整され、熱風の通過流量を制御できるようになっている。
上記のダンパー10の開き角度は、熱風発生器2から遠いチャンバー3bにおける熱風の圧力ほど低下傾向にあるので、熱風発生器2からの距離が離れるに応じて吹出しダクト11のダンパー10における開き角度を次第に大きくなるように角度設定している。これにより、遠方にある吹出しダクト11への熱風供給量が低下しないように図っており、これにより各吹出しダクト11へは均一に熱風が供給できるように配慮されている。なお、ダンパー10の角度設定はこれに限定されることはなく、被加熱物9、乾燥速度等に応じて適宜に設定して使用してもよいことは言うまでもない。
吹出しダクト11は、被加熱物9に対向する側の面に、多数の吹出しノズル11aが穿たれ、そこから内部の熱風が被加熱物9に向かって吹き出す、すなわち、噴射するようになっている。吹出しノズル11aの流通開口の形状は、丸孔、長円形、楕円形、長方形等の種々の形状のものが採用可能である。
吹出しノズル11aから噴射される熱風は、図1,図2の点線で示すように、略円錐状をなして吹き出され、かつ、隣接する吹出しノズル11aから吹き出される熱風とが相互に重なり合う状態となるように穿たれる。勿論、特に噴射される熱風同士が相互に重なり合うようにしなくても良いように設定することも可能である。
吹出しダクト11の外面、すなわち、吹出しノズル11aが穿たれる側の面には、上下に微少長さにスライド可能な二枚の上調整板部12aと下調整板部12bとでなる調整板12が設けられる。各調整板部12a,12bは、吹出しノズル11aに対応した位置に、吹出しノズル11aの噴射孔と略同じ大きさに穿たれた調整孔12eを有する。各調整板部12a,12bには、長孔12c、12dが形成され、そこにボルト13が挿通される。これにより、図3(c)、(d)に示すように、吹出しノズル11a側のボルト孔11bにねじ込むことで各調整板部は一体に位置決め固定される。こうして、各調整板部12a、12bを吹出しノズル11aに対してスライド調整することで、調整孔12eと吹出しノズル11aの重なり具合によって、流通開口面積を大小に自在に調整できることとなる。なお、本実施形態では上下2枚の調整板部12a、12bが設けられる場合に限って示したが、本発明はそれに限定されず、例えば1枚の調整板部であってもよく、また例えば3枚以上の調整板部を多段配置するようにしても良い。この段数は、被加熱物の大きさによって適宜調整すればよい。
上記の吹出しノズル11aにおける流通開口面積の調整は、ダンパー10から遠い上方ほど圧力損失により熱風の圧力は低下する傾向となるので、上調整板部12aにより吹出しノズル11aの流通開口面積が大きくなるように位置決め調整して取り付け、下調整板部12bによる流通開口面積を小さくするように位置決め固定して行うのが好ましい。これにより、上調整板部12aに対峙する吹出しノズル11aから噴出する熱風の量、すなわち、その流速と、下調整板部12bに対峙する吹出しノズル11aから噴出する熱風の量、すなわち、その流速とを略均一な状態で被加熱物9へ噴出するように配慮することができる。既に述べたように、高い風速(好ましくは10m/秒〜30m/秒)で吹出しダクト11内を熱風が移動することと、この各調整板部12a、12bの微調整の作用が相乗的に作用して、極めて均一化された熱風を吹出しノズル11aから噴出することが可能となる。なお、調整板12のスライド調整による吹出しノズル11aの流通開口面積の調整は、上記ダンパー10の場合と同様に、これに限定されることはなく、被加熱物9、乾燥速度等に応じて適宜に設定して使用してもよいことは言うまでもない。
こうして、ダンパー10の角度調整による流入熱風量の流量調整および調整板12のスライド調整による吹出しノズル11aの流通開口面積の調整(制御)を行うことで、被加熱物9に対して上下、奥行き方向に常に均一な流速(風速)を有する熱風を吹き付けることができ、被加熱物9を短時間で加熱処理することができるようになる。
循環ファン4は循環ダクト1に設けられ、吹出しノズル11aから吹き出される熱風の風速が例えば、10m〜30m/秒の範囲で、0.9807kPa〜2.942kPaの静圧で運転される。例えば、長さ10mの吹出しダクト11に対して、風速10m/秒で熱風を送り込むと、先端まで約1秒で熱風が到達するので、温度変化のない均一な熱風を吹き出すことが可能となる。加熱処理を終えた熱風は、循環ファン4の吸引効果により乾燥炉3から排出され、循環ダクト1を経由して再び熱風発生器2に環流されるようになっている。
次に、目標温度制御手段7を説明する。目標温度制御手段7は、乾燥炉3に供給される熱風の目標温度を設定する目標温度設定部7aと、熱風発生器2で発生する熱風の温度を検知する温度センサー6と、この温度センサー6で検知した検知温度と目標温度設定部7aで設定した目標温度との高低を判別(比較演算)する目標温度制御部7bと、この演算処理結果に基づき燃料供給電磁弁8へ開閉制御信号を出力する駆動部7cとで構成される。
該目標温度制御部7bは、温度センサー6で検知された検知温度が目標温度よりも高いと判断した場合には、熱風発生器2への燃料供給量を減少させることで、熱風の温度を下げるようにし、検知温度が目標温度よりも低いと判断した場合には、熱風発生器2への燃料供給量を増大させて熱風の温度を目標温度に到達するように上げ、燃料供給電磁弁8を開閉制御する。これにより、乾燥炉3へは常に一定の設定温度の熱風が熱風発生器2から供給できるようになっている。
上記構成を有する加熱炉システムの作用を説明すると、供給部から供給される燃料が熱風発生器2内で燃焼されると、目標温度設定部7aで温度設定された熱風が発生し、図1の矢印で示すように、チャンバー3bに圧送される。チャンバー3bに流入した熱風は、所定の開角度で開いたダンパー10を経由して吹出しダクト11内へ流入する。上調整板部12aおよび下調整板部12bにより所定の流通開口面積に設定された吹出しノズル11aから、目標(設定)温度の熱風が被加熱物9の左右両側から直接吹き付けられる。このとき、各吹出しノズル11aから吹き出される熱風はほぼ円錐状に重なり合い、面状になって、被加熱物9側面に均一に吹きつけられ、被加熱物9を加熱及び乾燥させる。乾燥炉3内に吹き出された熱風は、その後、循環ファン4の吸引作用を受けて循環ダクト1に排出され、循環ファン4を経由して熱風発生器2に流入され、熱風として再利用される。
また、目標温度制御手段7における目標温度制御部7bが、設定された熱風の温度が設定温度よりも低いと判断した場合には、駆動部7cから燃料供給電磁弁8が供給燃料を増量するように作動し、熱風の温度が設定温度よりも高いと判断した場合には、供給燃料を減量するように作動する。熱風が設定温度にあると判断された場合には、燃料供給電磁弁8は現状を維持する。このようにして、目標温度制御手段7により、電磁弁8の開弁が制御されることで、熱風の温度が制御され、常に乾燥炉3へ一定の所望温度の熱風が供給される。
本実施形態によれば、ダンパー10による吹出しノズル11aの流入通路の開口断面積の制御、および、調整板12のスライドによる吹出しノズル11aの噴射通路の開口断面積の制御を通じて、被加熱物9へ均一で高速の熱風を連続的に噴射させることにより、被加熱物9を効率的に加熱することができる。特に、雰囲気温度をを制御するのではなく、目標(設定)温度に制御された熱風を、被加熱物に直接吹き付けることにより効率的に熱を伝達する構造であるので、被加熱物を高速で昇温させることができる。また、設定温度の熱風を被加熱物に吹き付けるので、加熱オーバーや加熱ダウンを低減することができる。
また、フッ素系樹脂を塗布した被加熱物を例に挙げて実験したところ、図4に示す結果を得た。これによれば、乾燥炉3内の温度を280℃に設定し、炉内に被加熱物9を投入した場合に、乾燥炉3内の温度が280℃に到達するには約22分要するのに対し、被加熱物9は約7〜8分で250℃に到達することが判明した。このことから、90%以上の熱が被加熱物9に7〜8分間の間に吸収されていることとなる。したがって、乾燥炉3全体が設定温度に至らなくても、循環系統を流動する熱風が設定温度になりさえすれば、乾燥炉3を使用して乾燥作業を開始することが可能となり、それだけ生産性を大幅に向上できる。
また、設定温度に制御された熱風が連続して高圧で吹出しノズル11aから被加熱物9に噴射されるので、短時間で被加熱物9を昇温させることが可能となり、従来の雰囲気型乾燥炉と同じ温度でも半分の時間で加熱及び乾燥が可能となり、省エネルギー型の加熱炉システムを実現できる。
また、循環ファン4の運転だけでも吹出しノズル11aに摩擦熱が生じることとなり、それだけで乾燥炉3を50℃近くも昇温できる効果があり、この点でも省エネルギー化、ひいては地球温暖化防止対策に有利となる。
また、目標温度制御手段7により燃料供給電磁弁8を制御することで、熱風の温度管理を行っているため、燃料費を大幅に低減できる効果もある。また、熱風の高圧噴射により、目標温度を低温に設定することで、低温乾燥が可能となり、乾燥工程の次工程における組み立てや梱包など作業が行いやすくなる。さらには、熱風の温度と吹出し量、吹出しノズルからの吹出し流速等を適宜制御することで、乾燥プログラムを自由に調整することができる利点もある。
また、吹出しノズル11aからは、熱風を高速で連続的に被加熱物9に吹き付けるように噴射するため、温度不良が生じることがなく、背の高い被加熱物9でも上下にムラなく加熱でき、安定した製品を得ることが可能となり、長尺の被加熱物でも水平型乾燥炉で生産が可能となる。
また、本実施形態では、乾燥炉3内へ吹き出した熱風は、循環ファン4によりリターン側の循環ダクト1に導いて回収し、それを再度、熱風発生器2に戻して再燃焼する循環システムに構成しているので、燃料消費率を低減できるので有利である。
以上、本発明を実施形態により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も本発明の範囲に含まれるものである。
例えば、上記の実施形態では、ダンパー10を支軸10bを中心にして回動することで吹出しダクト11への熱風の流入量を調整したが、この代わりに、図5に示す変形例の構成とすることもできる。すなわち、ダンパーダクト10aにフランジ状のガイド10dを設け、平板状のダンパーである風量調整板14をガイド10dに挟まれるように設ける。風量調整板14をガイド10dに沿ってスライドすることで、ダンパーダクト10aの熱風が流通する開口部10eを可変制御し、その横断面積を変化するように制御する構成にしてもよい。なお、風量調整板14には折曲げフランジ14aが形成され、これを摘んでスライドすると便利である。
係る変形例の構成により、上記の実施形態と同様に、吹出しダクト11へ流入する熱風の量を大小に変化させることができる。
また、上記実施形態や変形例では、吹出しダクト11を被加熱物9の左右両側に対向配列させた場合について説明したが、上下方向から熱風を被加熱物9に吹き出す態様にしたり、上下左右の4方向から熱風を吹き出す態様にしたり、更には上下左右前後の6方向から熱風を吹き出す態様にしたりすることも可能である。
また、上記実施形態では、目標温度制御手段7により燃料供給電磁弁8を開閉制御して供給燃料の多少を制御することで、熱風の温度管理を行ったが、これ以外に、あるいはこれと併用して循環ファン4の駆動回転数、熱風発生器2へ供給する空気量の調整などを制御することで設定温度を制御することも可能である。
また、熱風発生器2では、LPGや都市ガスを燃焼させて熱風を発生させたが、熱風発生器2内に電気ヒーターを配したり、蒸気、重油及び灯油等による熱交換器を配したりすることで、そこに空気を流動させて熱伝達により空気を昇温することで熱風を得る構成としてもよい。
本発明は、金属、セラミックス、プラスチック、印刷等の製品の加熱、水切り等における加熱炉システムとして利用できる。
本発明の実施形態に係る加熱炉システムを示す全体構成図である。 同じく、乾燥炉の内部構成を示す外観図である。 同じく、吹出しダクトおよびダンパーの構成に係り、(a)は(c)のB−B線における矢視断面図、(b)は吹出しダクトを分解して示した外観分解図、(c)は吹出しダクトおよびダンパーの外観図、(d)は(c)のA−A線における矢視断面図である。 同じく、フッ素系樹脂をコーティングした被加熱物の加熱処理における温度と加熱時間との関係を示すグラフである。 上記実施形態の変形例に係り、(a)は吹出しダクト11および風量調整板との関係を示す外観図、(b)は風量調整板をダンパーダクトから引き抜いた状態を示す外観図、(c)は(a)のC−C線における矢視図、(d)は(c)の矢視D−D線における断面図、(e)は風量調整板の外観図である。
符号の説明
1 循環ダクト
2 熱風発生器
3 乾燥炉
3a 床部
3b チャンバー
3c コンベア
4 循環ファン
5 供給部
6 温度センサー
7 目標温度制御手段
7a 目標温度設定部
7b 目標温度制御部
7c 駆動部
8 燃料供給電磁弁
9 被加熱物
10 ダンパー
10a ダンパーダクト
10b 支軸
10c 角度固定ボルト
10d ガイド
10e 開口部
11 吹出しダクト
11a 吹出しノズル
11b ボルト孔
12 調整板
12a 上調整板部
12b 下調整板部
12c、12d 長孔
12e 調整孔
13 ボルト
14 風量調整板(ダンパー)

Claims (6)

  1. 熱風発生器で発生した熱風を、乾燥炉内の被加熱物に高速で連続的に高圧噴射させた後、循環ダクトを通して前記熱風発生器へ環流させて再利用する加熱炉システムであって、
    前記乾燥炉に供給される熱風を目標温度に制御する目標温度制御手段と、
    前記熱風発生器で発生した熱風が供給されるチャンバーと、
    前記チャンバーに接続され、前記乾燥炉内の被加熱物を両側から挟むように設置される吹出しダクトと、
    前記吹出しダクトの流入側に設けられ、熱風の流動量を調整する熱風調整用ダンパーと、
    前記循環ダクトに設けられ前記乾燥炉から排出される熱風を前記熱風発生器へ強制循環させる循環ファンとを有し、
    前記吹出しダクトを、前記被加熱物が配列される方向に沿って該被加熱物の両側に複数本配列すると共に、
    前記吹出しダクトの前記被加熱物に対向する面に、前記目標温度制御手段で目標温度に制御された熱風を略円錐状に噴射する吹出しノズルを複数個点在して形成したことを特徴とする加熱炉システム。
  2. 前記チャンバーは、前記被加熱物が配列される方向に延設され、
    複数本の前記吹出しダクトを、前記チャンバーに突設したことを特徴とする請求項1記載の加熱炉システム。
  3. 前記吹出しダクト外面に、前記吹出しノズルに対応する位置に調整孔を穿った調整板をスライド可能に設けたことを特徴とする請求項1または2記載の加熱炉システム。
  4. 前記調整板を、複数段に分割された調整板部によって構成し、各調整板部を前記吹出しダクトに対して個別にスライドさせることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の加熱炉システム。
  5. 前記吹出しノズルと、前記調整板に形成される調整孔を略同じ大きさを有する形状に形成したことを特徴とする請求項または記載の加熱炉システム。
  6. 前記目標温度制御手段は、前記乾燥炉に供給される熱風の目標温度を設定する目標温度設定部と、前記熱風発生器で発生する熱風の温度を検知する温度センサーと、該温度センサーで検知した検知温度と前記目標温度設定部で設定した目標温度の高低を判別する目標温度制御部を備えるようにし、
    該目標温度制御部により前記検知温度が目標温度よりも高いと判断した場合には、前記熱風発生器への燃料供給量を減少させ、前記検知温度が目標温度よりも低いと判断した場合には、前記熱風発生器への燃料供給量を増大させるように制御することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の加熱炉システム。
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